JP4196254B2 - 鋸柄 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は鋸柄に関し、特に鋸刃のコスト高を招来することなく、かつ補強部分の可撓性を損なうことなく、鋸刃の腰を補強できるようにした鋸柄に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋸については世界的に見ると押し切り式の鋸が主として用いられているが、我が国においては古来より引き切り式の鋸が一般的に使用されている。
【0003】
かかる引き切り式の鋸は鋸刃を薄くすることが可能であり、限界の鋸刃の厚さを追求し、切れ味を向上させることが行われてきた。しかし、鋸刃が薄くなればなるほど切れ味は向上するものの、鋸刃の腰の強さは逆に低下してしまう。
【0004】
これに対し、鋸刃の基部や柄の取付部に補強部材を装着したり、刃板自体に部分熱処理を行って鋸刃の腰を補強する方法が提案されているが、現在主流となっている補強は補強部材を装着する方法である。
【0005】
鋸刃基部の補強方法では図4に示されるように、鋸柄20の取付部21より刃先方向にほぼ三角形状に突出した側板30を鋸刃10の基部12の両側に溶接によって固定することによって鋸刃10の腰を補強するようにしている。図中、11は刃が形成された刃板である。
【0006】
また、鋸柄取付部の補強方法では図5に示されるように、鋸刃10の基部12の背縁に回り込んで基部12を挟持するように補強板22を折り曲げ、該補強板22を柄20の取付部21に組み込んで柄20と一体化し、鋸刃10の腰を補強するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の鋸刃基部の補強方法では鋸刃両側に側板を各々溶接するので、消耗品としての鋸刃がコスト高になってしまう。
【0008】
また、従来の鋸柄取付部の補強方法では補強板が鋸刃基部の背縁を回り込んで鋸刃の基部を挟持するので、可撓性(フレキシビィリティ)が少なく、鋸刃の基部に応力集中が起こって鋸刃が折れることがある。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑み、鋸刃のコスト高を招来することなく、かつ補強部分の可撓性を損なうことなく、鋸刃の腰を補強することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本件発明者らは上述の課題を解決すべく鋭意研究したところ、引き切り式の鋸の場合には鋸刃を引く時に鋸刃に大きな荷重が作用するが、押す時の荷重は比較的小さく、又鋸刃の背縁を適切な撓みでもってサポートすると鋸刃を引く時の荷重に対して鋸刃を十分な強さにできることを知見し、鋸柄の取付部に上述のサポート部分を形成するばよいことに着目し、本発明を完成するに至った。
【0011】
そこで、本発明に係る鋸柄は、その取付部に鋸刃後端部の基部が取り付けられる鋸柄において、上記取付部は上記鋸刃の基部が差し込まれる溝形態をなし、上記取付部の溝両側縁には一対の補強片部が相互に対向して上記取付部と一体に形成され、該補強片部は少なくとも鋸刃の背縁両側面に沿って刃先先端に向けて延びる形状をなすとともに鋸刃の刃板厚み方向に可撓性を有し、上記鋸刃の刃板が厚み方向に撓んだ時には上記補強片部が上記鋸刃の基部及び刃板の基部側部分の背縁側面を支えるようになしたことを特徴とする。
【0012】
本発明の特徴の1つは鋸柄の先端に可撓性を有する補強片部を一体的に形成し、鋸刃が厚み方向に撓んだ時には補強片部が鋸刃の基部及び刃板の基部側部分の背縁側面を支えるようにした点にある。
【0013】
これにより、鋸柄の取付部と補強片部は三角形の二辺を構成し、鋸刃の基部は鋸柄の取付部によって固定され、鋸刃が厚み方向に撓もうとすると、刃板の基部側部分の少なくとも背縁側面が補強片部を押圧し、補強片部も撓むので、鋸刃の基部側は補強片部によって十分に補強され、腰の強い鋸が得られる。
【0014】
また、補強片部も鋸刃厚み方向に撓むので、鋸刃の基部又は刃板の基部側部分に応力集中が起こることはなく、鋸刃が折れるおそれもない。
【0015】
本発明は片持ちで使用する木工用鋸、金工用鋸、樹脂パイプ等の切断用鋸のいずれにも適用できる。鋸柄の材質は特に限定されず、金属材料、合成樹脂材料、木材等を採用できる。
【0016】
鋸刃は刃板高さ方向の少なくとも一側縁に切刃が形成されていればよく、両側縁に切刃を形成した両刃タイプであってもよい。また、切刃は刃板に対して真直な形態でもよく、左右に広げてアサリを付与した形態でもよい。
【0017】
また、切刃の形状は特に限定されず、金属用の正面四角形状の切刃でもよく、木材用の先端縁が鋭利となった切刃でもよい。
【0018】
補強片部は鋸刃を補強できればどのような形状でもよいが、引き切り中に鋸刃の刃板の少なくとも背縁側面を支えれば鋸刃の腰を強くできることから、補強片部は鋸刃の刃板の上端縁にほぼ重なり合うか又は上端縁よりも高い位置にくる上辺と該上辺の先端から斜め下後方に直線状、円弧凹状あるいは円弧凸状に延びる傾斜辺とを含むほぼ三角形状とするのがよい。
【0019】
補強片部の可撓性は材質によって確保するようにしてもよいが、鋸柄と一体的に形成するので、材質的に適切な可撓性を得るのが難しいこともある。そこで、補強片部に狭溝(スリット)を形成し、狭溝によって所望の可撓性を確保するのが望ましい。即ち、補強片部には1又は複数の狭溝を取付部の先端縁とほぼ平行に延びて形成し、狭溝の幅、数及び/又は深さによって補強片部に所望の可撓性を付与するのが好ましい。
【0020】
特に、狭溝によって補強片部に可撓性を付与した場合、鋸刃が撓むと、補強片部の先端側から鋸刃の撓み量に応じた部位までの1又は複数の狭溝の外端縁が次々と相互に当たり、このように狭溝の外端縁が相互に当たると狭溝の補強片部残肉のみによって可撓性を付与する場合に比して強い腰が得られる。狭溝の幅は鋸柄の材質等に応じて実験的に適宜求めるのがよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係る鋸柄の好ましい実施形態を示す。図において、鋸刃10は刃板11の高さ方向の一側縁に複数の切刃14を形成してなり、各切刃14は側面ほぼ三角形状をなし、適当な切刃14が左方又は右方に曲成されてアサリ分けが行われている。また、鋸刃10の刃板11の後端には基部12が連続して設けられ、基部12にはねじ挿通穴及び位置決め凹部13が形成されている。
【0022】
他方、鋸柄20は合成樹脂材料を用いて製造され、その先端側には取付溝(取付部)21が形成され、取付溝21には鋸刃10の基部12が差し込まれるようになっている。また、鋸柄20には前方部位にねじ穴が形成されるとともに、後方部位には位置決めピン51が挿通して固定されており、取付溝21に鋸刃10の基部12を差し込み、基部12の位置決め凹部13に位置決めピン51を嵌まり込ませ、鋸柄20及び鋸刃10のねじ穴にねじを挿通してナット50に螺合することによって鋸刃10の基部12が鋸柄20の取付部21に取り付けられるようになっている。
【0023】
また,鋸柄20の取付溝21にはその溝の両側縁に補強片部40が一体的に形成されている。この一対の補強片部40の基部側は鋸柄20の厚みの半分よりもやや薄く、先端になるほと厚みがさらに次第に薄くなっている。この補強片部40は側方から見ると、鋸刃10の刃板11の背縁にほぼ重なり合う上辺と該上辺の先端から斜め下後方にほぼ直線状に延びる傾斜辺とを含むほぼ逆三角状となっている。
【0024】
また、補強片部40には複数のスリット(狭溝)41が取付部21の先端縁とほぼ平行に延びかつ相互に平行に形成され、スリット41の幅、数及び深さによって補強片部40が厚み方向に所望の可撓性に設定されている。
【0025】
本例の鋸では鋸刃10を引くと、複数の各切刃14が次々とワークを切削してゆき、これによってワークが切断される。従って、鋸柄20を引く時に力を必要とする。
【0026】
今、鋸柄20を強く引いている時に何らかの原因で鋸刃10が側方(鋸刃厚み方向)に撓んだ場合、図3に示されるように鋸刃10の基部側部分が撓んだ方向の補強片部40を押し、補強片部40の複数のスリット41の幅が先端側から次第に狭くなってその外端縁が相互に当たり、このような当たり動作が鋸刃10の撓み量に応じた後端側の部位のスリット41まで起こることによって補強片部41も十分な強靱さを維持しつつ適度に撓む。
【0027】
従って、鋸刃10は厚み方向の撓みに対しては補強片部40によって十分に補強され、強い腰の鋸刃と同様の挙動を示すこととなる。
【0028】
また、補強片部40も適度に撓むので、鋸刃10に応力集中が起こることはなく、鋸刃の折れが発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る鋸柄の好ましい実施形態を有する鋸を示す要部側面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 上記実施形態における作用を説明するための図である。
【図4】 従来の補強方法の1例を示す図である。
【図5】 従来の補強方法の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10 鋸刃
11 刃板
12 基部
14 切刃
20 鋸柄
21 取付溝(取付部)
40 補強片部
41 スリット(狭溝)
Claims (2)
- その取付部に鋸刃後端部の基部が取り付けられる鋸柄において、
上記取付部は上記鋸刃の基部が差し込まれる溝形態をなし、上記取付部の溝両側縁には一対の補強片部が相互に対向して上記取付部と一体に形成され、該補強片部は少なくとも鋸刃の背縁両側面に沿って刃先先端に向けて延びる形状をなすとともに鋸刃の刃板厚み方向に可撓性を有し、上記鋸刃の刃板が厚み方向に撓んだ時には上記補強片部が上記鋸刃の基部及び刃板の基部側部分の背縁側面を支えるようになし、
上記補強片部には1又は複数の狭溝が上記取付部の先端縁とほぼ平行に延びて形成されており、上記狭溝の幅、数及び/又は深さによって上記補強片部に所望の可撓性が付与されていることを特徴とする鋸柄。 - 上記補強片部は上記鋸刃の刃板の背縁にほぼ重なり合うか又は背縁よりも高い位置にくる上辺と該上辺の先端から斜め下後方に延びる傾斜辺とを含むほぼ三角状をなしている請求項1記載の鋸柄。
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