JP4196223B2 - 固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ及びその製造方法並びに固体酸化物形燃料電池の作動方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ及びその製造方法並びに固体酸化物形燃料電池の作動方法 Download PDF

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本発明は、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ及びその製造方法に関する。また、本発明は、該インタコネクタを有する固体酸化物形燃料電池の作動方法に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質と、該電解質を挟み込む燃料極及び空気極という3つの部材を1つの単位とする単電池(セル)が、複数個電気的に接続されて構成されている。これは、固体酸化物形燃料電池に用いられるセルの電圧が、通常、0.7V程度と低いであるためである。
そして、固体酸化物形燃料電池において、複数のセルを電気的に接続する材料が、インタコネクタである。言い換えると、インタコネクタは、1のセルの燃料極と他のセルの空気極を、電気的に接続している。
該インタコネクタには、導電性が高いことと、燃料極側ガス及び空気極側ガスを透過し難いことが、要求される。
従来、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの材料としては、ランタンクロマイト(LaCrO)が用いられていた。ランタンクロマイトは、電気抵抗が小さいため、インタコネクタの材料として、優れた性質を有しているためである。また、他に、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの材料としては、カルシウムチタネート(CaTiO)が知られている。
例えば、特許文献1の特開平2−288162号公報又は特許文献2の特開平8−268750号公報には、ランタンクロマイト系のインタコネクタ材料を原料に製造されるインタコネクタ(以下、従来のランタンクロマイト系インタコネクタとも記載する。)が開示されている。
また、特許文献3の特開平11−86887号公報、特許文献4の特開平11−54137号公報又は特許文献5の特開2003−323906号公報には、カルシウムチタネート系のインタコネクタ材料を原料に製造されるインタコネクタ(以下、従来のカルシウムチタネート系インタコネクタとも記載する。)が開示されているが、該従来のカルシウムチタネート系インタコネクタは、燃料ガス雰囲気下での導電率が低すぎるため、実用的なインタコネクタとしては、該従来のランタンクロマイト系インタコネクタが用いられてきた。
特開平2−288162号公報(請求項) 特開平8−268750号公報(請求項) 特開平11−86887号公報(請求項) 特開平11−54137号公報(請求項) 特開2003−323906号公報(請求項)
ところが、該従来のランタンクロマイト系インタコネクタは、燃料極側ガスに曝されると、還元膨張を起こすため、該従来のランタンクロマイト系インタコネクタを用いる燃料電池には、作動中に、インタコネクタの膨張に起因する燃料電池の割れが発生するという問題があった。
また、該従来のランタンクロマイト系インタコネクタは、800〜1000℃程度の高温で作動させた時、空気極側ガス雰囲気下では、導電率が高いものの、燃料極側ガス雰囲気下では、導電率が極めて低いため、燃料電池の作動時に、つまり、該従来のランタンクロマイト系インタコネクタが、燃料極側ガス及び空気極側ガスの両方の雰囲気下に曝された時に、導電率が低くなるという問題もあった。
また、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタは、電気抵抗が小さくなければならない。そして、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの構造が、緻密であればある程、電気抵抗が小さくなる。該従来のランタンクロマイト系インタコネクタは、粉末状のランタンクロマイト粒子を焼結させることにより製造されてきたが、ランタンクロマイト粒子は、焼結する温度が高いため、粉末状のランタンクロマイト粒子の成形体を、1600℃程度以上と、極めて高温で焼成しなければ、緻密な構造を有するインタコネクタは得られなかった。
近年、固体酸化物形燃料電池においては、多孔質構造の燃料極又は空気極を有する固体酸化物形燃料電池用セルが主流となっている。これは、三相界面を増加させるためである。そして、通常、電解質及び燃料極は、粉末状の金属酸化物粒子の成形体を1400℃程度で焼成することにより、また、空気極は、粉末状の金属酸化物粒子の成形体を1200℃程度で焼成することにより作成される。
ところが、1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と、他の1の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極を、インタコネクタで接続するために、1500℃を超える高温で焼成すると、該燃料極及び該空気極を構成する金属酸化物が焼結してしまうので、多孔質構造が壊れ、三相界面の量が少なくなり、その結果、燃料電池の出力が低下してしまう。つまり、従来のランタンクロマイト系インタコネクタには、製造時に、燃料電池の出力が低下するという問題があった。
以上のことから、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの材料としては、金属酸化物ではなく、金属が用いられているというのが現状であった。しかし、インタコネクタの材料として金属を用いたのでは、低温作動を余儀なくされるので、結果、燃料電池の出力が低くなってしまうという問題が生じていた。
ところで、低温で作動させても高出力である固体酸化物形燃料電池も望まれており、低温でも高出力が得られる電解質及び電極材料が開発、作製されてきた。そのため、800℃以下の低温で作動させても高い導電率を有するインタコネクタが望まれている。
ニッケルクロム合金は、低温でも導電率が高いことから、従来は、高導電率の材質という点を重視して、従来の低温で作動させる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタとして使用されてきた。ところが、ニッケルクロム合金は、燃料極側ガス雰囲気下では、燃料極側ガス中に含まれる水蒸気と反応して、クロム酸化物を生成するため、ニッケルクロム合金のインタコネクタには、燃料電池の作動中に、クロムの絶縁膜を形成して成長し、出力を低下させるという問題があった。また、従来の金属酸化物からなるインタコネクタは、800℃以下の低温では導電率が低過ぎるため、従来の金属酸化物からなるインタコネクタを、低温作動させる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタとして、使用することはできなかった。
従って、本発明の課題は、燃料電池の作動時に、還元膨張し難く、且つ燃料電池を高温作動させた時の導電率が高い固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供することにある。また、本発明の課題は、従来より焼成温度が低くても、燃料極側ガス及び空気極側ガスが透過し難いインタコネクタが得られる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの製造方法を提供することにある。また、本発明の課題は、燃料電池を低温作動させた時の導電率が高い固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)チタン酸ニオブ粒子、又はチタン酸ニオブ粒子と特定のカルシウムチタネート粒子とが特定の質量比で混合されている原料混合物を、焼成して得られる第一層と、粉末状のランタンクロマイト粒子を、焼成して得られる第二層と、からなるインタコネクタは、燃料電池の作動時に還元膨張し難く、且つ燃料電池を高温で作動させた時の導電率が高いこと、(2)該第一層と該第二層とからなる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタは、1000〜1500℃と低い焼成温度で焼成されたものであっても、燃料極側ガス及び空気極側ガスを透過し難いこと、(3)該インタコネクタは、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%だと、低温でも導電率が高いこと等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、下記一般式(1):
Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
(式中、x1は0.90〜0.99である。)
で表されるチタン酸ニオブ粒子と、
下記一般式(2):
Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
(式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
で表されるカルシウムチタネート粒子と、
が、70:30〜100:0の質量比で混合されている第一層原料を、焼成して得られる第一層と、
粉末状の下記一般式(3):
La(x3)(1−x3)Cr(y3)(1−y3) (3)
(式中、EはCa又はSrを示し、GはMg、Ni、Fe、Co又はAlを示し、x3は0.5〜1であり、y3は0.5〜1である。)
で表されるランタンクロマイト粒子を、焼成して得られる第二層と、
からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供するものである。
また、本発明(2)は、下記一般式(1):
Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
(式中、x1は0.90〜0.99である。)
で表されるチタン酸ニオブを、70〜100質量%含有し、
下記一般式(2):
Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
(式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
で表されるカルシウムチタネートを、0〜30質量%含有する第一層と、
下記一般式(3):
La(x3)(1−x3)Cr(y3)(1−y3) (3)
(式中、EはCa又はSrを示し、GはMg、Ni、Fe、Co又はAlを示し、x3は0.5〜1であり、y3は0.5〜1である。)
で表されるランタンクロマイトを、70〜100質量%含有する第二層と、
からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供するものである。
また、本発明(3)は、第一層原料を成形して得られる第一層原料成形体と、第二層原料を成形して得られる第二層原料成形体とが接触している原料成形体接触物を作製する、原料成形体接触物作製工程と、
該原料成形体接触物を焼成し、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを得る、焼成工程と、
を有し、
該第一層原料が、下記一般式(1):
Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
(式中、x1は0.90〜0.99である。)
で表されるチタン酸ニオブ粒子と、
下記一般式(2):
Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
(式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
で表されるカルシウムチタネート粒子と、
が70:30〜100:0の質量比で混合されている、粒子混合物であり、
該第二層原料が、粉末状の下記一般式(3):
La(x3)(1−x3)Cr(y3)(1−y3) (3)
(式中、EはCa又はSrを示し、GはMg、Ni、Fe、Co又はAlを示し、x3は0.5〜1であり、y3は0.5〜1である。)
で表されるランタンクロマイト粒子であること、
を特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、下記一般式(1):
Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
(式中、x1は0.90〜0.99である。)
で表されるチタン酸ニオブ粒子と、
下記一般式(2):
Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
(式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
で表されるカルシウムチタネート粒子と、
が、70:30〜100:0の質量比で混合されている第一層原料を、焼成して得られる第一層と、
クロム合金である第二層と、
からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供するものである。
また、本発明(5)は、下記一般式(1):
Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
(式中、x1は0.90〜0.99である。)
で表されるチタン酸ニオブを、70〜100質量%含有し、
下記一般式(2):
Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
(式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
で表されるカルシウムチタネートを、0〜30質量%含有する第一層と、
クロム合金である第二層と、
からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供するものである。
また、本発明(6)は、インタコネクタにより、2以上の固体酸化物形燃料電池用セルが接続されている固体酸化物形燃料電池の作動方法であって、
該インタコネクタが、本発明(4)又は(5)いずれかの固体酸化物形燃料電池のインタコネクタであり、
作動条件のうち、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、且つ、作動温度が300〜800℃であること
を特徴とする固体酸化物形燃料電池の作動方法を提供するものである。
本発明によれば、燃料電池の作動時に還元膨張し難く、且つ燃料電池を高温で作動させた時の導電率が高い固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供することができる。また、本発明によれば、従来より焼成温度が低くても、燃料極側ガス及び空気極側ガスが透過し難いインタコネクタが得られる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、燃料電池を低温で作動させた時の導電率が高い固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを提供することができる。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ(以下、本発明のインタコネクタ(1)とも記載する。)は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ粒子と、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネート粒子と、が、70:30〜100:0の質量比で混合されている第一層原料を、焼成して得られる第一層と、粉末状の前記記一般式(3)で表されるランタンクロマイト粒子を、焼成して得られる第二層と、からなる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタである。
本発明のインタコネクタ(1)は、2以上の固体酸化物形燃料電池用セルを接続するために、1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と他の1の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極の間に形成される。本発明のインタコネクタ(1)について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明のインタコネクタ(1)に係る原料成形体接触物の模式的な断面図であり、図2は、本発明のインタコネクタ(1)を有する固体酸化物形燃料電池の模式的な断面図である。
先ず、粉末状のTi0.93Nb0.07の化学式で表されるチタン酸ニオブ粒子(以下、Ti0.93Nb0.07の化学式で表されるチタン酸ニオブ粒子を、チタン酸ニオブ粒子(A)とも記載する。)を、成形して、第一層原料成形体1を得る(1−1)。また、粉末状のLa0.68Ca0.32Cr1.0の化学式で表されるランタンカルシウムクロマイト粒子(以下、La0.68Ca0.32Cr1.0の化学式で表されるランタンカルシウムクロマイト粒子を、ランタンカルシウムクロマイト粒子(B)とも記載する。)を、成形して、第二層原料成形体2を得る(1−1)。そして、図1に示すように、該第一層原料成形体1の一方の面と該第二層原料成形体2の一方の面とを接触させて(1−1)、該第一層原料成形体1と該第二層原料成形体2とが接触している、原料成形体接触物3を得る(1−2)。
次いで、燃料極4a、電解質5a及び空気極6aからなる固体酸化物形燃料電池用セル7aと、燃料極4b、電解質5b及び空気極6bからなる固体酸化物形燃料電池用セル7bを用意する(2−1)。なお、該固体酸化物形燃料電池用セル7aと、該固体酸化物形燃料電池用セル7bとが、本発明のインタコネクタ(1)により電気的に接続される固体酸化物形燃料電池用セルである。そして、図2に示すように、該第一層原料成形体1と該第二層原料成形体2とを接触させた状態で、該第一層原料成形体1の他方の面(該第二層原料成形体2と接触している面とは反対の面)と、該固体酸化物形燃料電池用セル7bの該燃料極4aとを接触させ、更に、該第二層原料成形体2の他方の面(該第一層原料成形体1と接触している面とは反対の面)と、該固体酸化物形燃料電池用セル7aの該空気極6aとを接触させる(2−2)。次いで、該原料成形体接触物3、該固体酸化物形燃料電池用セル7a及び該固体酸化物形燃料電池用セル7bを接触させたまま、焼成する(2−2及び2−3)。そして、該焼成により、該第一層原料成形体1中の該チタン酸ニオブ粒子(A)及び該第二層原料成形体2中の該ランタンカルシウムクロマイト粒子(B)が焼結して、第一層8及び第二層9が得られると共に、該第一層原料成形体1と該第二層原料成形体2との接触面、該第一層原料成形体1と該燃料極4bとの接触面、及び該第二層原料成形体2と該空気極6aとの接触面でも焼結が起こり、該第一層8と該第二層9、該第一層8と該燃料極4b、及び該第二層9と該空気極6aが接合し、電気的に接続される(2−3)。
このようにして、該固体酸化物形燃料電池用セル7aの該空気極6aと、該固体酸化物形燃料電池用セル7bの該燃料極4bが、該インタコネクタ10により電気的に接続されている、固体酸化物形燃料電池11が製造される。
つまり、本発明のインタコネクタ(1)は、該第一層と、該第二層とからなる。そして、該第一層は、該第一層原料を焼成して得られ、また、該第二層は、該第二層原料を焼成して得られる。
該第一層原料は、粉末状の前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ粒子であるか、又は前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ粒子と、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネート粒子との粒子混合物である。つまり、該第一層は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ粒子の焼成物であるか、又は前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ粒子と、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネート粒子との粒子混合物の焼成物である。
前記一般式(1)中、x1は、0.90〜0.99、好ましくは0.90〜0.98、特に好ましくは0.92〜0.95である。
前記一般式(2)中、Aは、Y、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示す。また、Dは、Nb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示す。また、x2は、0.5〜1、好ましくは0.7〜0.9である。また、y2は、0.85〜1、好ましくは0.9〜0.99である。なお、前記一般式(2)中、Aは、Y、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd及びErのうちの2種以上の組み合わせでもよく、Dは、Nb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re及びMnのうちの2種以上の組み合わせでもよい。Aが、Y、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd及びErのうちの2種以上の組み合わせの場合、1−x2の値は、Y、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd及びErの合計の値であり、Dが、Nb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re及びMnのうちの2種以上の組み合わせの場合、1−y2の値は、Nb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re及びMnの合計の値である。
前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネートとしては、例えば、カルシウムイットリアニオブチタネート(Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)Nb(1−y2))、カルシウムガドリニウムニオブチタネート(Ca(x2)Gd(1−x2)Ti(y2)Nb(1−y2))、カルシウムセリウムニオブチタネート(Ca(x2)Ce(1−x2)Ti(y2)Nb(1−y2))、カルシウムビスマスニオブチタネート(Ca(x2)Bi(1−x2)Ti(y2)Nb(1−y2))又はカルシウムランタンニオブチタネート(Ca(x2)La(1−x2)Ti(y2)Nb(1−y2))等が挙げられ、これらのうち、カルシウムイットリアニオブチタネートが、インタコネクタの導電率が高くなる点で好ましい。
該第一層原料中、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブと、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネートとの混合比(前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ:前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネート)は、質量比で、70:30〜100:0、好ましくは80:20〜100:0、特に好ましくは90:10〜100:0、更に好ましくは95:5〜100:0、更に好ましくは98:2〜100:0であり、更に好ましくは100:0である。前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブと、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネートとの混合比が、上記範囲内であることにより、インタコネクタの導電率が高くなる。本発明のインタコネクタは、該第一層原料中の前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブの混合量が多い程、導電率が高くなる傾向にある。
なお、該第一層原料は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ及び前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネート以外に、本発明の効果を損なわない程度の不純物を含んでいてもよい。
該第二層原料は、粉末状の前記一般式(3)で表されるランタンクロマイト粒子である。つまり、該第二層は、粉末状の前記一般式(3)で表されるランタンクロマイト粒子の焼成物である。
前記一般式(3)中、Eは、Ca又はSrを示す。また、Gは、Mg、Ni、Fe、Co又はAlを示す。また、x3は、0.5〜1、好ましくは0.7〜0.99である。また、y3は、0.5〜1、好ましくは0.7〜0.9である。なお、前記式(3)中、Eは、Ca及びSrの組み合わせでもよく、Gは、Mg、Ni、Fe、Co及びAlのうちの2種以上の組み合わせでもよい。Eが、Ca及びSrの組み合わせの場合、1−x3の値は、Ca及びSrの合計の値であり、Gが、Mg、Ni、Fe、Co及びAlのうちの2種以上の組み合わせの場合、1−y3の値は、Mg、Ni、Fe、Co及びAlの合計の値である。
前記一般式(3)で表されるランタンクロマイトとしては、例えば、ランタンクロマイト(LaCrO)、ランタンカルシウムクロマイト、ランタンストロンチウムクロマイト、ランタンカルシウムコバルトクロマイト、ランタンカルシウムマグネシウムクロマイト等が挙げられ、これらのうち、ランタンカルシウムクロマイト、ランタンストロンチウムクロマイト、ランタンカルシウムコバルトクロマイトが、インタコネクタの導電率が高くなる点で好ましく、特に好ましくはLa0.75Ca0.25Cr0.9Co0.1の組成を有するランタンカルシウムコバルトクロマイトである。
該第二層原料中、前記一般式(3)で表されるランタンクロマイトの含有量は、70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは100質量%である。
該第一層原料は、通常、例えば、図1に示す該第一層原料成形体1のように、成形体に成形された後、焼成される。また、該二層原料も同様に、通常、例えば、図1に示す該第二原料成形体2のように、成形体に成形された後、焼成される。
該第一層原料を焼成する際の焼成温度は1000〜1500℃、好ましくは1300〜1500℃、特に好ましくは1400〜1450℃である。該第一層原料を、上記範囲内の焼成温度で焼成することにより、該第一層原料が焼結し、燃料極側ガス及び空気極側ガスを透過し難い、すなわち、緻密な構造の該第一層が得られる。
該第二層原料は、1400〜1500℃程度の温度では緻密には焼結し難い、粉末状の前記一般式(3)で表されるランタンクロマイト粒子であるので、緻密な構造の該第二層を得るためには、該第二層原料を、1600〜1900℃で焼成する必要がある。そして、該第二層が緻密である程、該第二層の導電率は高くなる。そのため、緻密であり且つ導電率が高い該第二層が得られる点で、該第二層原料を焼成する際の焼成温度が、1600〜1900℃であることが好ましく、1700〜1800℃であることが特に好ましい。
一方、緻密な構造の該第二層を得るためには、該第二層原料を、1600〜1900℃で焼成する必要があるが、本発明のインタコネクタにおいては、該第一層が緻密な構造であれば、燃料極側ガス及び空気極側ガスが、インタコネクタを透過し難くなるので、該第二層は、燃料極側ガス及び空気極側ガスの透過という観点からは、緻密である必要はない。そして、粉末状の前記一般式(3)で表されるランタンクロマイト粒子は、1400〜1500℃でも、ある程度は焼結するので、粉末状の前記一般式(3)で表されるランタンクロマイト粒子を1400〜1500℃で焼成して得られる該第二層の導電率は、1600〜1900℃で焼成して得られる該第二層の導電率程高くはないが、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの導電率としては、十分に高い。従って、該第二層原料を焼成する際の焼成温度は、1400〜1500℃であってもよい。例えば、La0.7Sr0.3CrOの場合、1700℃で焼成して得られる焼成物の導電率は、約60S/cmであるのに対し、1450℃で焼成して得られる焼成物の導電率は、約30S/cmである。つまり、La0.7Sr0.3CrOの1450℃での焼成物は、1700℃での焼成物に比べ、導電率が低くいが、30S/cmぐらいあれば、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタとして使用しても差し支えない。
該第一層原料又は該第二層原料を成形する場合、該第一層原料又は該第二層原料を成形する方法としては、例えば、該第一層原料又は該第二層原料を含有するスラリーを調製し、次いで、得られたスラリーを用いて、スクリーン印刷法、ドクタープレート法等により該スラリーの膜を形成させ、必要に応じて、乾燥することにより、該第一層原料又は該第二層原料を成形する方法が挙げられる。この場合、該第一層原料又は該第二層原料を含有するスラリーは、他に、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース等のバインダー成分、フタル酸ジ−n−ブチル等の可塑剤成分、ノニオン系分散剤等の分散剤成分、オクチルフェニルエーテル等の消泡剤成分を含有することができる。そして、該第一層原料又は該第二層原料を含有するスラリーは、有機溶剤、アルコール、油等の溶媒に、該第一層原料又は該第二層原料を混合し、更に、必要に応じて、該バインダー成分、該可塑剤成分、該分散剤成分、該消泡剤成分等を混合し、攪拌等を行ない、これらの成分を該溶媒に分散又は溶解させることにより調製される。
該第一層原料又は該第二層原料を含有するスラリー中の該第一層原料又は該第二層原料の含有量は、好ましくは10〜80質量%、特に好ましくは40〜60質量%である。
また、該第一層原料又は該第二層原料を成形する方法としては、他には、該第一層原料又は該第二層原料をプレス成形して、該第一層原料又は該第二層原料を成形する方法が挙げられる。該プレス成形は、例えば、該第一層原料又は該第二層原料を、金型に入れ、10〜200MPa程度、好ましくは50〜100MPa程度の荷重を加えてプレスすることにより行なわれる。
また、本発明のインタコネクタ(1)は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブの含有量が、70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、更に好ましくは98〜100質量%、更に好ましくは100質量%であり、且つ前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネートの含有量が、0〜30質量%、好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜5質量%、更に好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0質量%である第一層と、
前記一般式(3)で表されるランタンクロマイトの含有量が、70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは100質量%である第二層と、
からなる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタである。
なお、該第一層は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブと、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネートとの混合物の焼成物であるが、該第一層は、本発明の効果を損なわない程度の不純物を含んでいてもよい。
本発明のインタコネクタ(1)では、該第一層が、1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と接続し、該第二層が、他の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極と接続する。そのため、本発明のインタコネクタ(1)に係る該第一層は、燃料極側ガスに曝され、一方、本発明のインタコネクタ(1)に係る該第二層は、空気極側ガスに曝される。
本発明のインタコネクタ(1)では、該第一層が、好ましくは5〜30μm、特に好ましくは5〜10μmの薄層であることにより、インタコネクタの導電率が更に高くなる。
本発明のインタコネクタ(1)を製造する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。(i)図1に示すように、先ず、別々に該第一層原料の成形体(該第一層原料成形体1)及び該第二層原料の成形体(該第二層原料成形体2)を作成し、次いで、それらを接触させて作成した原料成形体接触物(該原料成形体接触物3)を得、次いで、該原料成形体接触物を焼成する方法。
(ii)先ず、該第一層原料又は該第二層原料の一方の成形体を作成し、次いで、得られた成形体の表面に、該第一層原料又は該第二層原料の他方を含有するスラリーを塗布して、スラリー層を形成させ、必要に応じて乾燥させることにより、該第一層原料又は該第二層原料の一方の成形体の表面上で、該第一層原料又は該第二層原料の他方を成形して、該原料成形体接触物を得、次いで、該原料成形体接触物を焼成する方法。
(iii)先ず、該第一層原料又は該第二層原料の一方の成形体を作成し、次いで、焼成して、該第一層原料又は該第二層原料の一方の成形体の焼成物を得、次いで、得られた焼成物の表面に、該第一層原料又は該第二層原料の他方を含有するスラリーを塗布して、該スラリー層を形成させ、必要に応じて乾燥させることにより、該第一層原料又は該第二層原料の一方の成形体の焼成物の表面上で、該第一層原料又は該第二層原料の他方を成形し、次いで、焼成する方法。
(iv)先ず、別々に該第一層原料又は該第二層原料の一方の成形体と、該第一層原料又は該第二層原料の他方の成形体の焼成物とを作成し、次いで、それらを接触させ、次いで、焼成する方法。
(v)先ず、別々に該第一層原料の成形体の焼成物と、該第二層原料の成形体の焼成物とを作成し、次いで、それらを接触させ、次いで、焼成する方法。
上記本発明のインタコネクタ(1)を製造する方法のうち、(i)の方法及び(ii)の方法が、該第一層原料及び該第二層原料の焼成を、1回の焼成で行えるので、製造効率が高い点で好ましい。すなわち、本発明の固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ(1)の製造方法(以下、本発明のインタコネクタ(1)の製造方法とも記載する。)は、該第一層原料を成形して得られる第一層原料成形体と、該第二層原料を成形して得られる第二層原料成形体とが接触している原料成形体接触物を作製する、原料成形体接触物作製工程と、
該原料成形体接触物を焼成し、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを得る、焼成工程と、
を有し、
該第一層原料が、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ粒子と、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネート粒子と、が70:30〜100:0の質量比で混合されている、粒子混合物であり、
該第二層原料が、粉末状の前記一般式(3)で表されるランタンクロマイト粒子である固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの製造方法である。
本発明のインタコネクタ(1)においては、該第一層が1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と電気的に接続し、該第二層が他の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極と電気的に接続していなければならない。そして、本発明のインタコネクタ(1)の一方の面と該燃料極とを焼結させ、また、本発明のインタコネクタ(1)の他方の面と該空気極とを焼結させることにより、該第一層と該燃料極との電気的な接続及び該第二層と該空気極と電気的な接続が行われる。
そうすると、本発明のインタコネクタでセル(1)が接続されている固体酸化物形燃料電池を得るためには、インタコネクタ自体の焼成、つまり、該第一層及び該第二層を形成させるための焼成と、インタコネクタと該燃料極又は該空気極とを接続するための焼成という、2種の焼成が必要である。
本発明のインタコネクタ(1)でセルが接続されている固体酸化物形燃料電池を得る方法としては、以下の方法が挙げられる。
(vi)本発明のインタコネクタ(1)自体の焼成及び接続されるべき2つの固体酸化物形燃料電池用セル自体の焼成と、これらを接続するための焼成を、別々に行う方法。つまり、先ず、本発明のインタコネクタ(1)及び接続されるべき2つの固体酸化物形燃料電池用セルを、別々に焼成して作製し、次いで、これらを接触させて、焼成する方法。
(vii)本発明のインタコネクタ(1)自体の焼成と、本発明のインタコネクタ(1)と接続されるべき2つの固体酸化物形燃料電池用セルとを接続するための焼成を、同時に行う方法。つまり、先ず、接続されるべき2つの固体酸化物形燃料電池用セルを焼成して作製し、次いで、焼成前の該原料成形体接触物、例えば、図2中の該原料成形体接触物3と、焼成済みの2つの固体酸化物形燃料電池用セルとを接触させて、焼成する方法。
(viii)本発明のインタコネクタ(1)自体の焼成及び接続されるべき2つの固体酸化物形燃料電池用セル自体の焼成と、これらを接続するための焼成を、同時に行う方法。つまり、焼成前の該原料成形体接触物及び未焼成の固体酸化物形燃料電池用セルの原料の成形体2つを、全て接触させて、焼成する方法。
なお、上記(vi)の方法、上記(vii)の方法及び上記(viii)の方法における、本発明のインタコネクタ(1)自体の焼成は、本発明のインタコネクタ(1)における、該第一層に係る焼成及び該第二層に係る焼成に相当し、また、本発明のインタコネクタ(1)の製造方法、つまり、該(i)の方法及び該(ii)の方法での該原料成形体接触物の焼成に相当する。また、上記(vi)の方法、上記(vii)の方法及び上記(viii)の方法における、本発明のインタコネクタ(1)自体の焼成は、該(iii)の方法、該(iv)の方法及び該(v)の方法における、該第一層原料の成形体の焼成及び該第二層原料の成形体の焼成に相当する。
前述したように、該第一層原料を1000〜1500℃で焼成することにより、該第一層原料が焼結して、緻密な構造の該第一層が得られ、また、該二層原料を1400〜1500℃程度の温度で焼成することにより、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタとしては十分に高い導電率を有する該第二層が得られる。そして、1400〜1500℃程度の温度であれば、燃料極又は空気極の多孔質構造が壊れることは殆どない。
従って、本発明のインタコネクタ(1)でセルが接続されている固体酸化物形燃料電池を得るために、本発明のインタコネクタ(1)自体の焼成と、本発明のインタコネクタ(1)と接続されるべき2つの固体酸化物形燃料電池用セルとの接続のための焼成とを、同時に行う場合、本発明のインタコネクタ(1)自体の焼成及び該2つの固体酸化物形燃料電池用セルとの接続のための焼成を、1400〜1500℃で行うことにより、固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極及び空気極の多孔質構造が、焼成時に壊れるのを防ぐこと又は少なくすることができる。つまり、本発明のインタコネクタ(1)の製造方法においては、該焼成工程で、該原料成形体接触物を焼成する際の焼成温度が、1400〜1500℃であることが、焼成の際に燃料極又は空気極の多孔質構造が壊れ難い点で好ましく、1400〜1450℃であることが特に好ましい。
ランタンクロマイトの焼成物は、燃料極側ガスに曝されると、還元膨張する。つまり、従来のランタンクロマイト系インタコネクタは、燃料電池の作動中に、還元膨張する。一方、本発明のインタコネクタ(1)では、燃料極側ガスに曝されても還元膨張し難く且つ緻密な構造を有している該第一層が、該燃料極側ガスと該第二層の間に配置されているので、該第二層が燃料極側ガスに曝されるのを遮断することができる。そのため、本発明のインタコネクタ(1)は、燃料電池の作動時に、還元膨張し難い。
また、従来のカルシウムチタネート系インタコネクタは、800〜1000℃の高温で作動させた時に、燃料極側ガス雰囲気下及び空気極側ガス雰囲気下のいずれでも、導電率が低かった。そのため、従来のカルシウム系チタネート系インタコネクタは、燃料電池を800〜1000℃の高温で作動させた時の導電率、すなわち、800〜1000℃の高温で燃料極側ガス及び空気極側ガスの両方に曝された時の導電率は低かった。
一方、本発明のインタコネクタ(1)に係る該第一層は、従来のカルシウムチタネート系インタコネクタに比べ、燃料ガス雰囲気下800〜1000℃の高温での導電率が極めて高い。加えて、本発明のインタコネクタ(1)に係る第二層は、ランタンクロマイトの焼成物なので、空気極側ガス雰囲気下800〜1000℃の高温での導電率が高い。そして、本発明のインタコネクタ(1)に係る該第一層は、燃料極側ガス雰囲気に曝され、また、該第一層により、該第二層が、燃料極側ガス雰囲気に曝されることが妨げられるので、該第二層は、空気極側ガス雰囲気にのみ曝される。そのため、本発明のインタコネクタ(1)は、燃料電池を800〜1000℃の高温で作動させた時の導電率が高い。
本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ(以下、本発明のインタコネクタ(2)とも記載する。)は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブ粒子と、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネート粒子と、が、70:30〜100:0の質量比で混合されている第一層原料を、焼成して得られる第一層と、クロム合金である第二層と、からなる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタである。
本発明のインタコネクタ(2)は、2以上の固体酸化物形燃料電池用セルを接続するために、1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と他の1の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極の間に形成される。
本発明のインタコネクタ(2)の構造は、本発明のインタコネクタ(1)の構造と、第二層が、前者はクロム合金である第二層であるのに対し、後者は前記一般式(3)で表わされるランタンクロマイト粒子を焼成して得られる第二層又は前記一般式(3)で表わされるランタンクロマイトを70〜100質量%含有する第二層である点で相違するものの、他は同様である。
本発明のインタコネクタ(2)は、本発明のインタコネクタ(2)に係る該第一層が、1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と接続し、且つ、本発明のインタコネクタ(2)に係る該第二層が、他の1の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極と接続することにより、本発明のインタコネクタ(2)で、2以上の固体酸化物形燃料電池用セルが電気的に接続されている、固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
本発明のインタコネクタ(2)に係る該第一層は、本発明のインタコネクタ(1)に係る該第一層と同様である。
本発明のインタコネクタ(2)に係る該第二層は、クロム合金であり、クロム合金の種類としては、ニッケルクロム合金、鉄−クロム合金、ステンレス合金等が挙げられ、商品名としては、Crofer、Crofer22APU、SS430、Crofer+Ce、T430等が挙げられる。
また、本発明のインタコネクタ(2)は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブの含有量が、70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、更に好ましくは98〜100質量%、更に好ましくは100質量%であり、且つ前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネートの含有量が、0〜30質量%、好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜5質量%、更に好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0質量%である第一層と、
クロム合金である第二層と、
からなる固体酸化物形燃料電池のインタコネクタである。
なお、該第一層は、前記一般式(1)で表されるチタン酸ニオブと、前記一般式(2)で表されるカルシウムチタネートとの混合物の焼成物であるが、該第一層は、本発明の効果を損なわない程度の不純物を含んでいてもよい。
本発明のインタコネクタ(2)では、該第一層が、1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と接続し、該第二層が、他の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極と接続するため、本発明のインタコネクタに係る該第一層は、燃料極側ガスに曝され、一方、本発明のインタコネクタに係る該第二層は、空気極側ガスに曝される。
本発明のインタコネクタ(2)では、該第一層が、好ましくは5〜30μm、特に好ましくは5〜10μmの薄層であることにより、インタコネクタの導電率が更に高くなる。
本発明のインタコネクタ(2)を製造する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。(ix)先ず、該第一層原料の成形体及び該第二層の形状に成形したクロム合金の成形体を作成し、次いで、それらを接触させたまま800〜1500℃、好ましくは1200〜1400℃で焼成する方法。
(x)先ず、該第二層の形状に成形したニッケルクロム合金の成形体を作成し、次いで、該クロム合金の成形体の表面に、該第一層原料を含有するスラリーを塗布して、スラリー層の薄層を形成させ、必要に応じて乾燥させ、次いで、1100〜1500℃、好ましくは1200〜1400℃で焼成する方法。
本発明のインタコネクタ(2)においては、該第一層が1の固体酸化物形燃料電池用セルの燃料極と電気的に接続し、該第二層が他の固体酸化物形燃料電池用セルの空気極と電気的に接続していなければならないので、800〜1500℃、好ましくは1200〜1400℃で焼成することにより、本発明のインタコネクタ(2)の一方の面と該燃料極とを焼結させ、また、800〜1500℃、好ましくは1100〜1200℃で焼成して、本発明のインタコネクタ(2)の他方の面と該空気極とを焼結させて、該第一層と該燃料極とを電気的に接続させ、該第二層と該空気極とを電気的に接続させる。また、固体酸化物形燃料電池用セルとインタコネクタとの接続に用いられる他の方法、例えば、溶射法、電子ビーム法等を用いることもできる。
本発明のインタコネクタ(2)に係る該第一層は、300〜800℃の低温でも、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、好ましくは3〜5体積%だと、導電率が高くなる。そして、本発明のインタコネクタ(2)に係る該第一層のうち、前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子からなり且つ前記一般式(2)で表わされるカルシウムチタネートを含有しないインタコネクタ原料を焼成して得られる第一層、又は前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブを含有し且つ前記一般式(2)で表わされるカルシウムチタネートを含有しない第一層が、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、好ましくは3〜5体積%の燃料極側ガス雰囲気下、300〜800℃の低温での導電率が高くなる点で、特に好ましい。
そして、本発明のインタコネクタ(2)に係る該第二層は、クロム合金なので、300〜800℃の低温でも、金属酸化物に比べ、導電率が高い。
そのため、本発明のインタコネクタ(2)は、燃料電池を300〜800℃の低温で作動させた時に、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、好ましくは3〜5体積%だと、導電率が高い。
つまり、本発明の固体酸化物形燃料電池の作動方法は、インタコネクタにより、2以上の固体酸化物形燃料電池用セルが接続されている固体酸化物形燃料電池の作動方法であって、
該インタコネクタが、本発明のインタコネクタ(2)であり、
作動条件のうち、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、且つ、作動温度が300〜800℃である
固体酸化物形燃料電池の作動方法である。
本発明の固体酸化物形燃料電池の作動方法に係る該固体酸化物形燃料電池用セルは、特に制限されず、通常、固体酸化物形燃料電池用のセルとして用いられるものであればよい。また、本発明の固体酸化物形燃料電池の作動方法において、本発明のインタコネクタ(2)により接続されている該固体酸化物形燃料電池用セルの数は、特に制限されず、2以上であればよい。
本発明の固体酸化物形燃料電池の作動方法に係る該インタコネクタは、本発明のインタコネクタ(2)である。なお、本発明のインタコネクタ(2)については、前記のとおりである。そして、本発明の固体酸化物形燃料電池の作動方法では、本発明のインタコネクタ(2)のうち、該第一層が、前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子からなり且つ前記一般式(2)で表わされるカルシウムチタネートを含有しないインタコネクタ原料を、焼成して得られる第一層であるインタコネクタ、又は前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブを含有し且つ前記一般式(2)で表わされるカルシウムチタネートを含有しない第一層であるインタコネクタが、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、且つ、作動温度が300〜800℃の作動条件での導電率が高くなる点で好ましい。
本発明の固体酸化物形燃料電池の作動方法では、作動条件のうち、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、好ましくは3〜5体積%であり、且つ、作動温度が300〜800℃である。該燃料極側ガス中の水蒸気濃度が、上記範囲内にあることにより、作動温度が300〜800℃で作動させたときのインタコネクタの導電率が高くなる点で好ましい。
本発明の固体酸化物形燃料電池の作動方法において、燃料極側ガス中の水蒸気濃度及び作動温度以外の作動条件、例えば、空気極側ガス中の水蒸気濃度、燃料極側ガスの種類、空気極側ガスの種類、空気極、燃料極、電解質等のセルの構成材料等は、特に制限されない。
クロム合金には、燃料極側ガス雰囲気下では、燃料極側ガス中の水蒸気と反応して、クロム酸化物を生成するという問題があった。よって、従来のニッケルクロム合金材のインタコネクタには、燃料電池の作動中に、クロムの絶縁膜を形成して成長し、出力を低下させるという問題があった。一方、本発明のインタコネクタ(2)では、燃料極側ガスに曝されても還元膨張し難く且つ緻密な構造を有している該第一層が、該燃料極側ガスと該第二層の間に配置されているので、該第二層が燃料極側ガスに曝されるのを遮断することができる。そのため、本発明のインタコネクタ(2)は、燃料電池の作動時に、クロム酸化物が生成し、クロムの絶縁膜を形成して成長して、出力を低下させるということはない。
そして、本発明のインタコネクタ(2)に係る該第一層は、作動条件のうち、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%であれば、作動温度が300〜800℃と低温であっても、導電率が高い。加えて、本発明のインタコネクタ(2)に係る第二層は、金属合金なので、空気極側ガス雰囲気下、300〜800℃の低温での導電率が高い。そのため、本発明のインタコネクタ(2)は、作動条件のうち、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、、且つ、作動温度が300〜800℃の時、導電率が高い。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(インタコネクタの製造)
粒径が0.1〜5μmであり、組成がTi0.93Nb0.07であるチタン酸ニオブ粒子を、スクリーン印刷により成膜し、長さ31.3mm×幅5mm×厚み0.125mmの第一層原料成形体Aを得た。
また、粒径が0.1〜5μmであり、組成がLa0.68Ca0.32Cr1.0であるランタンカルシウムクロマイト粒子(セイミケミカル社製)を、プレス成型機で、0.5〜3.0tonの圧力で加圧し、長さ31.3mm×幅5mm×厚み1.625mmの第二層原料成形体Aを得た。
次いで、該第一層原料成形体Aと該第二層原料成形体Aとを重ね合わせ、接触させたまま、両者の接触物を、1450℃の焼成炉中で、8時間焼成し、長さ25mm×幅4mm×厚み1.4mmのインタコネクタAを得た。このとき、第一層の厚みは0.1mm、第二層の厚みは1.3mmであった。
(燃料極側ガス雰囲気下での体積変化の測定)
先ず、該インタコネクタAの長さ(mm)を測った。次いで、該インタコネクタAを、水素ガス雰囲気中に、1000℃で、10時間放置し、体積変化測定試験を行った。次いで、試験後の該インタコネクタAの長さ(mm)を測り、試験前後の該インタコネクタAの長さの差(試験後のインタコネクタの長さ−試験前のインタコネクタの長さ)を求めた。その結果、該インタコネクタAの体積変化は、0mmであった。
(燃料電池の作動時の導電率の測定)
直流四端子法により、該インタコネクタAの一方の面を燃料極側ガス雰囲気下とし、他方の面を空気極側ガス雰囲気下としたときの、1000℃の該インタコネクタAの抵抗値を測定した。得られた抵抗値を、導電率に換算し、該インタコネクタAの導電率を求めた。その結果、該インタコネクタAの1000℃の導電率は12S/cmであった。また、測定中、ガス透過に伴う水蒸気発生は見られなかった。
・燃料極側ガス:水素ガス、水蒸気含有量0.5体積%以下
・空気極側ガス:空気(酸素濃度21体積%)、水蒸気含有量0.5体積%以下
(比較例1)
(インタコネクタの製造)
粒径が0.1〜5μmであり、組成がLa0.68Ca0.32Cr1.0であるランタンカルシウムクロマイト粒子(セイミケミカル社製)を、プレス成型機で、0.5〜3.0tonの圧力で加圧し、長さ31.3mm×幅5mm×厚み1.75mmのランタンカルシウムクロマイト粒子成形体を得た。次いで、得られたランタンカルシウムクロマイト粒子成形体を、1500℃の焼成炉中で、8時間焼成し、長さ25mm×幅4mm×厚み1.4mmのインタコネクタBを得た。
(燃料極側ガス雰囲気下での体積変化の測定)
該インタコネクタAに代えて、該インタコネクタBとする以外は、実施例1と同様の方法で行なったところ、試験後、該インタコネクタBに割れが発生していた。そのため、長さの測定は行わなかった。
(比較例2)
(インタコネクタの製造)
粒径が0.1〜5μmであり、組成がCaTiOであるカルシウムチタネート粒子を、プレス成型機で、0.5〜3.0tonの圧力で加圧し、長さ31.3mm×幅5mm×厚み1.75mmのカルシウムチタネート粒子成形体を得た。次いで、得られたカルシウムチタネート粒子成形体を、1500℃の焼成炉中で、8時間焼成し、長さ25mm×幅4mm×厚み1.4mmのインタコネクタCを得た。
(燃料極側ガス雰囲気下での体積変化の測定)
該インタコネクタAに代えて、該インタコネクタCとする以外は、実施例1と同様の方法で行なったところ、該インタコネクタCの体積変化は、0mmであった。
(燃料電池の作動時の導電率の測定)
該インタコネクタAに代えて、該インタコネクタCとする以外は、実施例1と同様の方法で行なったところ、該インタコネクタCの1000℃の導電率は1S/cmであった。
(実施例2)
(インタコネクタの製造)
ニッケルクロム合金(組成:0.33Ni−22Cr)を成形し、長さ0.05mm×幅0.05mm×厚み0.1mmの第二層成形体Dを得た。
次いで、組成がTi0.93Nb0.07であるチタン酸ニオブ粒子を含有するスラリーを調整して、該第二層成形体D上に、スクリーン印刷により成膜した後、1400℃の焼成炉中で、6時間焼成し、長さ0.05mm×幅0.05mm×厚み0.1mmのインタコネクタDを得た。このとき第一層の厚みは10μmであった。
(燃料電池の作動時の導電率の測定)
直流四端子法により、3%水蒸気含有燃料極側ガス雰囲気下における、800℃の該インタコネクタDの抵抗値を測定した。また、3%水蒸気含有空気極側ガス雰囲気下における、800℃の該インタコネクタDの抵抗値を測定した。得られた抵抗値を、導電率に換算し、該インタコネクタDの導電率を求めたところ、該インタコネクタDの800℃の導電率は30S/cmであった。
なお、比較のために、比較例1で得られた該インタコネクタBの導電率を同一条件下で測定したところ、該インタコネクタBの800℃の導電率は10S/cmであった。
・3%水蒸気含有燃料極側ガス:水蒸気を3体積%含有する水素ガス
・3%水蒸気含有空気極側ガス:水蒸気を3体積%含有する空気(酸素濃度21体積%)
(参考例1)
(第一層の製造)
粒径が0.1〜5μmであり、組成がTi0.93Nb0.07であるチタン酸ニオブ粒子を、プレス成型機で、0.5〜3.0tonの圧力で加圧し、長さ30mm×幅5.0mm×厚み1.5mmに成形した後、1450℃の焼成炉中で、8時間焼成し、25mm×4mm×1.3mmの第一層Eを得た。
(導電率の測定)
直流四端子法により、3%水蒸気含有燃料極側ガス雰囲気下における、300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃及び1000℃の該第一層Eの抵抗値を測定した。また、3%水蒸気含有空気極側ガス雰囲気下における、300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃及び1000℃の該第一層Eの抵抗値を測定した。得られた抵抗値を、導電率に換算し、該第一層Eの導電率を求めた。その結果を表1並びに図3及び図4に示す。
・3%水蒸気含有燃料極側ガス:水蒸気を3体積%含有する水素ガス
・3%水蒸気含有空気極側ガス:水蒸気を3体積%含有する空気(酸素濃度21体積%)
また、直流四端子法により、0.5%水蒸気含有燃料極側ガス雰囲気下における、800℃、900℃及び1000℃の該第一層Eの抵抗値、及び0.5%水蒸気含有空気極側ガス雰囲気下における、800℃、900℃及び1000℃の該第一層Eの抵抗値を測定した。得られた抵抗値を、導電率に換算し、該第一層Eの導電率を求めた。その結果を表1並びに図3及び図4に示す。
・0.5%水蒸気含有燃料極側ガス:水素ガス、水蒸気含有量0.5体積%以下
・0.5%水蒸気含有空気極側ガス:空気(酸素濃度21体積%)、水蒸気含有量0.5体積%以下

Figure 0004196223
本発明のインタコネクタに係る原料成形体接触物の模式的な断面図である。 本発明のインタコネクタを有する固体酸化物形燃料電池の模式的な断面図である。 燃料極側ガス雰囲気下における、参考例1の第一層Eの各温度での導電率測定の結果を示すグラフである。 空気極側ガス雰囲気下における、参考例1の第一層Eの各温度での導電率測定の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 第一層原料成形体
2 第二層原料成形体
3 原料成形体接触物
4a、4b 燃料極
5a、5b 電解質
6a、6b 空気極
7a、7b 固体酸化物形燃料電池用セル
8 第一層
9 第二層
10 インタコネクタ
11 固体酸化物形燃料電池

Claims (7)

  1. 下記一般式(1):
    Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
    (式中、x1は0.90〜0.99である。)
    で表されるチタン酸ニオブ粒子であるか又は前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子と、下記一般式(2):
    Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
    (式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
    で表されるカルシウムチタネート粒子との粒子混合物であり前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子と前記一般式(2)で表わされるカルシウムチタネート粒子との質量比が70:30〜100:0である第一層原料を、焼成して得られる第一層と、
    粉末状の下記一般式(3):
    La(x3)(1−x3)Cr(y3)(1−y3) (3)
    (式中、EはCa又はSrを示し、GはMg、Ni、Fe、Co又はAlを示し、x3は0.5〜1であり、y3は0.5〜1である。)
    で表されるランタンクロマイト粒子を、焼成して得られる第二層と、
    からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ。
  2. 下記一般式(1):
    Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
    (式中、x1は0.90〜0.99である。)
    で表されるチタン酸ニオブを、70〜100質量%含有し、
    下記一般式(2):
    Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
    (式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
    で表されるカルシウムチタネートを、0〜30質量%含有する第一層と、
    下記一般式(3):
    La(x3)(1−x3)Cr(y3)(1−y3) (3)
    (式中、EはCa又はSrを示し、GはMg、Ni、Fe、Co又はAlを示し、x3は0.5〜1であり、y3は0.5〜1である。)
    で表されるランタンクロマイトを、70〜100質量%含有する第二層と、
    からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ。
  3. 第一層原料を成形して得られる第一層原料成形体と、第二層原料を成形して得られる第二層原料成形体とが接触している原料成形体接触物を作製する、原料成形体接触物作製工程と、
    該原料成形体接触物を焼成し、固体酸化物形燃料電池のインタコネクタを得る、焼成工程と、
    を有し、
    該第一層原料が、下記一般式(1):
    Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
    (式中、x1は0.90〜0.99である。)
    で表されるチタン酸ニオブ粒子であるか又は前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子と、下記一般式(2):
    Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
    (式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
    で表されるカルシウムチタネート粒子との粒子混合物であり前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子と前記一般式(2)で表わされるカルシウムチタネート粒子との質量比が70:30〜100:0であり、
    該第二層原料が、粉末状の下記一般式(3):
    La(x3)(1−x3)Cr(y3)(1−y3) (3)
    (式中、EはCa又はSrを示し、GはMg、Ni、Fe、Co又はAlを示し、x3は0.5〜1であり、y3は0.5〜1である。)
    で表されるランタンクロマイト粒子であること、
    を特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの製造方法。
  4. 前記原料成形体接触物を、1400〜1500℃で焼成することを特徴とする請求項3記載の固体酸化物形燃料電池のインタコネクタの製造方法。
  5. 下記一般式(1):
    Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
    (式中、x1は0.90〜0.99である。)
    で表されるチタン酸ニオブ粒子であるか又は前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子と、下記一般式(2):
    Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
    (式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
    で表されるカルシウムチタネート粒子との粒子混合物であり前記一般式(1)で表わされるチタン酸ニオブ粒子と前記一般式(2)で表わされるカルシウムチタネート粒子との質量比が70:30〜100:0である第一層原料を、焼成して得られる第一層と、
    クロム合金である第二層と、
    からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ。
  6. 下記一般式(1):
    Ti(x1)Nb(1−x1) (1)
    (式中、x1は0.90〜0.99である。)
    で表されるチタン酸ニオブを、70〜100質量%含有し、
    下記一般式(2):
    Ca(x2)(1−x2)Ti(y2)(1−y2) (2)
    (式中、AはY、Ga、Bi、Ce、La、Sm、Pr、Nd又はErを示し、DはNb、Cr、Al、Ta、Ni、Sc、Ru、V、Re又はMnを示し、x2は0.5〜1であり、y2は0.85〜1である。)
    で表されるカルシウムチタネートを、0〜30質量%含有する第一層と、
    クロム合金である第二層と、
    からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池のインタコネクタ。
  7. インタコネクタにより、2以上の固体酸化物形燃料電池用セルが接続されている固体酸化物形燃料電池の作動方法であって、
    該インタコネクタが、請求項5又は6いずれか1項記載の固体酸化物形燃料電池のインタコネクタであり、
    作動条件のうち、燃料極側ガス中の水蒸気濃度が1〜10体積%、且つ、作動温度が300〜800℃であること
    を特徴とする固体酸化物形燃料電池の作動方法。
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