JP4196159B2 - 多官能(メタ)アクリレート化合物およびその硬化物 - Google Patents

多官能(メタ)アクリレート化合物およびその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PPE骨格を有する新規な(メタ)アクリレート化合物およびその硬化物に関し、さらに該化合物を含有する硬化性樹脂組成物ならびにそれらの硬化物に関する。本発明の(メタ)アクリレート化合物は、それ自体を重合させることによってまたは他の不飽和化合物と共重合させることによって、耐熱性および誘電特性に優れた高分子材料を得ることができるものである。また、本発明の(メタ)アクリレート化合物は、光重合開始剤と組み合わせることによって、感光性樹脂組成物とすることもでき、かかる感光性樹脂組成物は、レジスト用樹脂、ビルドアップ配線板用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、UV塗料、各種コーティング剤、接着剤等の広範な用途に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、(メタ)アクリレート化合物は、感光材料、光学材料、歯科材料、電子材料、各種高分子の架橋剤など、種々の機能性高分子材料の原料として幅広く用いられている。しかしながら、近年これらの応用分野における要求性能の高度化に伴い、機能性高分子材料として求められる物性はますます厳しくなってきている。かかる物性として、例えば、耐熱性、耐候性、低吸水性、高屈折率、高破壊靭性、低誘電率、低誘電正接等が求められているが、これまでのところ、これらの要求物性は必ずしも満足されてきたわけではない。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐熱性を有し、低誘電率、低誘電正接である新規な(メタ)アクリレート化合物および硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、PPEの優れた誘電特性・耐熱性を引継いだ2官能性PPEオリゴマー(特願2001-196569)を合成し、さらに、これにラジカル重合性を付与したエポキシ(メタ)アクリレート体(特願2001-387968)、(メタ)アクリレート体(特願2002-053653)を合成した。さらなる高耐熱化を目指して鋭意検討を重ねた結果、2官能PPEのオリゴマー体(-(O-X-O)-が構造式(2)であり、-(Y-O)-が構造式(3)で定義される1種類の構造、または2種類以上の構造がランダムに配列したもの)にラジカル重合可能な(メタ)アクリレート基を4個以上導入することにより、目的を満たすことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、一般式(1)に表される(メタ)アクリレート化合物に関する。
【0005】
【化4】
Figure 0004196159
【化5】
Figure 0004196159
【0006】
(式中、R1,R2,R3,R4,R5は水素原子またはメチル基を示す。-(O-X-O)-は構造式(2)で示され、R6,R7,R8,R12,R13は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R9,R10,R11は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R14,R15は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R16,R17は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示す。c,dは、0または1の整数を示す。)
【0007】
さらに本発明は前記(メタ)アクリレート化合物を含有する硬化性樹脂組成物に関し、さらには組成物を硬化してなる硬化物に関する。
【0008】
【発明実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。一般式(1)で表される化合物において、R1,R2,R3,R4,R5は水素原子またはメチル基である。-(O-X-O)-は構造式(2)で示され、R6,R7,R8,R12,R13は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R9,R10,R11は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R14,R15は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R16,R17は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示す。c,dは、0または1の整数を示す。これらのなかでも好ましくは、R6,R7,R8,R12,R13は炭素数3以下のアルキル基、R9,R10,R11は水素原子または炭素数3以下のアルキル基、R14,R15は炭素数3以下のアルキル基、R16,R17は水素原子または炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくは、R6,R7,R8,R12,R13はメチル基、R9,R10,R11は水素原子またはメチル基、R14,R15はメチル基、R16,R17は水素原子またはメチル基である。
【0009】
本発明の一般式(1)で示される(メタ)アクリレートの製法は、特に限定されず、如何なる方法で製造してもよい。例えば、一般式(7)で示される化合物に対して(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得ることができる。具体的には、始めに、一般式(7)でしめされる化合物と(メタ)アクリル酸を、例えば、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリ-n-ブチルアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、または第4級ホスホニウム塩、その他トリフェニルホスフィン等のホスフィン類や、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類を触媒として反応させる。次いで、得られた生成物に対して(メタ)アクリル酸を、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸または硫酸等のエステル化触媒の存在下に、好ましくはトルエン、キシレン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、n-ヘプタンまたはこれらの混合物等の溶剤類の存在下に、好ましくは70℃〜150℃の温度で反応させることにより、あるいはその酸ハロゲン化物を例えば有機アミン、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの存在下に、好ましくはトルエン、キシレン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、塩化メチレン、クロロホルムまたはこれらの混合物等の溶剤類の存在下に、-20℃〜50℃の温度で反応させることにより目的の化合物を得ることができる。
【0010】
【化6】
Figure 0004196159
【化7】
Figure 0004196159
【0011】
(式中、-(O-X-O)-は構造式(2)で示され、R6,R7,R8,R12,R13は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R9,R10,R11は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R14,R15は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R16,R17は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示す。c,dは、0または1の整数を示す。)
【0012】
一般式(7)で示される化合物は、例えば、特願2001-353194に記載の方法で得ることができる。
【0013】
次に、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。該硬化性樹脂組成物は、上述した本発明の(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とするものであり、公知のエポキシ樹脂、オキセタン樹脂、重合可能な不飽和基を有する化合物、光および/または熱重合開始剤、光増感剤等を添加することも可能である。
【0014】
エポキシ樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、特願2001-353194、特願2002-018508に示されるPPE骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種あるいは2種以上混合して用いられる。
【0015】
オキセタン樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、オキセタン、2-メチルオキセタン、2,2-ジメチルオキセタン、3-メチルオキセタン、3,3-ジメチルオキセタン、等のアルキルオキセタン、3-メチル-3-メトキシメチルオキセタン、3,3'-ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2-クロロメチルオキセタン、3,3-ビス(クロロメチル)オキセタン、OXT-101(東亞合成製商品名)、OXT-121(東亞合成製商品名)等が挙げられる。これらのオキセタン樹脂は1種あるいは2種以上混合して用いられる。
【0016】
本発明の硬化性樹脂組成物にエポキシ樹脂および/またはオキセタン樹脂を使用する場合にはエポキシ樹脂硬化剤および/またはオキセタン樹脂硬化剤を使用することができる。該エポキシ樹脂硬化剤としては、一般に公知のものが使用でき、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物、ホスフィン系はホスホニウム系のリン化合物を挙げることができる。該オキセタン樹脂硬化剤としては公知のカチオン重合開始剤が使用できる。例えば、市販のものではサンエードSI-60L、サンエードSI-80L、サンエードSI-100L(三新化学工業製)、CI-2064(日本曹達製)、イルガキュア261(チバスペシャリティーケミカル製)、アデカオプトマーSP-170、アデカオプトマーSP-150(旭電化製)、サイラキュアーUVI-6990(UCC製)等が挙げられる。カチオン重合開始剤はエポキシ樹脂硬化剤としても使用できる。これらの硬化剤は1種あるいは2種以上組み合わせて使用される。
【0017】
重合可能な不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価または多価アルコールの(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、特願2001-387968、特願2002-038156に示されるPPE骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類、特願2002-053653、特願2002-055765に示されるPPE骨格を有する(メタ)アクリレート、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。これらの重合可能な不飽和基を有する化合物は1種あるいは2種以上混合して用いられる。
【0018】
光重合開始剤としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ベンジル、ジアセチル等のα-ジケトン類、ベンゾイルエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、チオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、2,2'-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、β-メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(-4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1等のアミノアセトフェノン類が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種あるいは2種以上組み合わせて使用される。
【0019】
さらに、これらの光重合開始剤と公知の光増感剤の1種または2種以上を組み合わせて使用できる。該光増感剤としては、例えば、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等を挙げることができる。
【0020】
熱重合開始剤としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシカーボネート等の過酸化物、およびアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0021】
さらに本発明の硬化性樹脂組成物を製造する際には、必要に応じて、無機充填剤、着色顔料、消泡剤、表面調整剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、流動調整剤等の公知の添加剤を添加することができる。無機充填剤としては、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、アエロジル、アルミナ、タルク、天然マイカ、合成マイカ、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、E-ガラス、A-ガラス、C-ガラス、L-ガラス、D-ガラス、S-ガラス、M-ガラスG20等が挙げられる。このようにして得られた硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジスト組成物、ビルドアップ配線板材料、絶縁塗料、接着剤、印刷インキ、コーティング剤等の各種用途に有用である。
【0022】
本発明の硬化物は、前述の方法で得られた本発明の硬化性樹脂組成物を、公知の方法、例えば、電子線、紫外線および熱による硬化方法に従って硬化することにより得られる。紫外線を用いて硬化を行う場合、紫外線の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプあるいはメタルハライドランプ等が使用できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。なお、数平均分子量および重量平均分子量の測定にゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により求めた。
【0024】
実施例1
(2官能PPEオリゴマー体の合成)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた5Lの縦長反応器にCuCl3.3 g(0.030 mol)、ジ-n-ブチルアミン176.8g(1.34 mol)、メチルエチルケトン 1000gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ2000gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジオール108.0g(0.40mol)と2,6-ジメチルフェノール146.5g(1.20mol)を5 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、5 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、樹脂イを241.8g得た。樹脂イの数平均分子量は810、重量平均分子量1105、水酸基当量が475であった。
【0025】
(エポキシ体の合成)
撹拌装置、温度計、滴下漏斗のついた反応器を100℃まで加熱し、樹脂イ200g(水酸基0.44mol)とエピクロロヒドリン1168gを仕込んだ。その後、あらかじめエタノール120gにナトリウムエトキシド34.4g(0.52mol)を溶解した溶液を滴下漏斗から、60分かけて滴下し、さらに滴下終了後5時間の撹拌を行った。その後、0.1Nの塩酸水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生成塩と不純物を除去した。得られた溶液から過剰のエピクロロヒドリンを留去し、さらに減圧乾燥を行い、上記の一般式(7)で示される樹脂ロを212.8g得た。樹脂ロは、IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピークの発現から、100%の官能基変換を確認した。樹脂ロの数平均分子量は965、重量平均分子量は1213、エポキシ当量は543であった。
【0026】
(エポキシアクリレート体の合成)
攪拌装置、温度計、還流管のついた反応器に樹脂ロ50g、アクリル酸7.9g、トルエン40g、トリエチルアミン0.26g、ハイドロキノンメチルエーテル26mgを仕込んだ。これを120℃に加熱、攪拌しながら反応させた。反応中、酸価測定を行い、酸価2mgKOH/gとなるまで反応を行った。120℃での攪拌時間は5時間であった。反応液をトルエン80gで希釈し、メタノール中に滴下して再沈殿を行い、ろ過して固体を回収、減圧乾燥して樹脂ハを38.5g得た。樹脂ハの数平均分子量は1375、重量平均分子量は1656であった。
【0027】
(多官能アクリレート体の合成)
攪拌装置、温度計、滴下ロートのついた反応器に樹脂ハ25g、トリエチルアミン5.4g、塩化メチレン400gを反応器に、アクリル酸クロライド4.9g、塩化メチレン100gを滴下ロートに仕込んだ。これを窒素下で0℃に冷却、攪拌状態で1時間かけてアクリル酸クロライドを滴下した後、室温に戻して攪拌を続けた。反応液をサンプリングしてNMR測定により反応を追跡した。2時間攪拌したところで反応が終了したため、0.1NHClaqおよび純水で分液洗浄操作を行った。有機層を濃縮し、メタノール中に滴下して再沈殿を行い、濾過して固体を回収、減圧乾燥して上記一般式(1)で示される樹脂ニを17.4g得た。樹脂ニの数平均分子量は1655、重量平均分子量は2305であった。
【0028】
実施例2
樹脂ニ10gを150℃で溶融、脱気、成形し、200℃6時間熱硬化を行い、硬化物ホを得た。
【0029】
実施例3
樹脂ニ6gをカルビトールアセテート4gに溶解し、ダロキュア1173(チバスペシャリティケミカルズ製、光重合開始剤)0.6gを添加した樹脂組成物ヘをスクリーン印刷機で銅張積層板上に塗布し、送風乾燥機で80℃60分乾燥した後、パターンフィルムを当て、UV照射装置(アイグラフィックス製:UB0151、光源:メタルハライドランプ)を用いて1500mJ露光した。露光後、メチルエチルケトンで現像したところ、未露光部のみがメチルエチルケトンに溶解し樹脂硬化物トの現像パターンが得られた。樹脂硬化物トの鉛筆引っかき値(JIS K5400)はHであった。
【0030】
比較例1
実施例1で得られた樹脂ハ10gを150℃で溶融、脱気、成形し、200℃6時間熱硬化を行い、硬化物チを得た。
【0031】
実施例2、比較例1で得られた硬化物の特性を以下の方法により評価した。
ガラス転移温度(Tg):動的粘弾性測定(DMA)により求めた。振動周波数10Hzで測定を行った。
誘電率、誘電正接:空洞共振摂動法により求めた。
【0032】
以上の物性の評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004196159
【0033】
【発明の効果】
本発明の多官能(メタ)アクリレート化合物は、高いガラス転移温度を有し、低誘電率、低誘電正接であることから高機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的、電気的に優れた材料として各種コーティング剤、UV塗料、接着剤、レジスト、ビルドアップ配線板材料などの幅広い用途に使用することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物
    Figure 0004196159
    Figure 0004196159
    (式中、R1,R2,R3,R4,R5は水素原子またはメチル基を示す。-(O-X-O)-は構造式(2)で示され、R6,R7,R8,R12,R13は、同一炭素数6以下のアルキル基である。R9,R10,R11は、同一または異なってもよく、水素原子または炭素数6以下のアルキル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で定義される1種類の構造である。R14,R15は、同一炭素数6以下のアルキル基である。R16,R17は、同一水素原子である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示す。c,dは、0 示す。nは0から10の整数を示す。)
  2. -(O-X-O)-が構造式(4)で示され、-(Y-O)-が構造式(6)で示される構造を有することを特徴とする請求項1記載の(メタ)アクリレート化合物
    Figure 0004196159
  3. 請求項1または2に記載の(メタ)アクリレート化合物を含有する硬化性樹脂組成物
  4. 請求項記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物
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