JP4196100B2 - 非接触給電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁誘導を利用した非接触給電装置に関するものである。
電磁誘導を利用する非接触給電の場合、1次コイルと2次コイルとで構成される分離着脱式トランスを用いて、電気的絶縁物である空気、プラスチック、木材、ガラス等を介して電気エネルギーを磁気エネルギーに変換し、その磁気エネルギーを再び電気エネルギーに変換して電力伝送が行われる。床下に埋め込んだ1次コイルから床面上に置かれた2次コイルを持つコードレス機器への給電や、窓ガラスの内側から外側の機器への給電等、多くの応用が考えられる。(例えば、特許文献1参照)。しかしこれらの給電の場合、電気的絶縁物の厚さが一定でないために、2次側の出力電圧が大きく変化し、2次側での独立した定電圧化制御や、2次側の検出電圧を無線を用いて1次側へフィードバックして1次側を制御することが必要となる。これらの制御は通常の一体型のスイッチング電源では容易に行えるものの、非接触給電では1次コイル−2次コイル間のギャップ長が大きく変化するために磁気結合レベルも大きく変化し、したがって2次側の誘起電圧と漏れインダクタンスとの両方が変化するため、2次側の負荷入力部の電圧は大きな変化となる。図12(a)は1次コイル−2次コイル間のギャップ長に対する2次側の電圧特性を示しており、ギャップ長が大きくなるにつれて2次側電圧は低下している。
さらに非接触給電では、2次コイルに並列あるいは直列に共振コンデンサを接続して負荷整合を行い、低力率を改善する必要がある。この改善を行わなければ実質上実用化は難しい。この負荷整合のための共振コンデンサは、コンデンサによる容量リアクタンスによって、漏れインダクタンスによる誘導リアクタンスをできるだけ打ち消すことを狙いとしている。また、負荷整合は駆動周波数にも関係しており、負荷整合を行う非接触給電装置の出力安定化制御では、一般のスイッチング電源制御で用いられる周波数制御やPWM制御を行うと負荷整合レベルも変化するため出力安定化制御は容易ではない。
ところで、非接触給電において、1次コイル−2次コイル間のギャップ長が大きく変化する場合の2次側電圧安定化には、「まず1次コイル−2次コイル間のギャップ長が大きく変化しても、できる限り2次側電圧が大きく変化しないように受動的な回路動作をさせ、その上でさらに定電圧化が必要であれば、2次側の独立した安定化電源機能の追加や、1次側への無線フィードバック制御を行うべきである」と考えられる。
さらに1次コイル−2次コイル間のギャップ長が大きく変化しても使用できる分離着脱式トランスを用いているので、磁界による高調波ノイズを発生しやすく、この高調波対策も必要となる。
また回路構成を簡単にして小型化、低コスト化を図ることも重要であり、このような要求に対して、「1次コイルと2次コイルとの相対的な位置関係の変化に伴う1次コイル側の磁気特性の変化に応じて、1次コイルと1次コイルに並列接続されたコンデンサとで構成される回路の動作状態を変化させる」構成を備えたものがあり、ここで「回路の動作状態を変化させる」とは、具体的には「1次コイルに印加される電圧の周波数」、または「1次コイルに印加される電圧の振幅」、または「1次コイルに印加される電圧の波形」を変化させることである。具体回路としては、2石のハーフブリッジ型の部分共振型インバータを用い、非共振期間を一定とし、自由振動期間(部分共振期間)の電圧の立ち上がり、立ち下がりの各期間を受動的に自動で変化させて、全体の駆動周期と1次コイルの平均電圧を変化させることで、1次コイルと2次コイルとの相対的な位置関係の変化があっても、2次側の電圧を安定化させている。なお、1次コイル側の磁気特性の変化とは、インダクタンス等の変化のことである。この従来例の考え方は、上記非接触給電の2次側の電圧安定化の考え方に同じである。(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら実用化を考える場合、より低ノイズ、よりシンプル、より低コスト化を図ることができる装置が望まれる。2石の部分共振型では、スイッチング素子の電圧波形が台形波状であって、パワーを制御するスイッチング素子が2つ必要であるため、ノイズ対策の強化が必要となり、コストの掛かる装置となっていた。しかし小型化、低コスト化のためには、例えば出力が数百W以下であれば1石で簡単且つ少ない部品数の回路を構成し、また低ノイズ化のためにも1次コイルやスイッチング素子の電圧が正弦波状になる電圧共振型インバータを用いることが望ましい。
特許第3391999号公報 特開2002−101578号公報
しかし、1石の電圧共振型インバータを基礎にして、上記従来例のように「1次コイルと2次コイルとの相対的な位置関係の変化に伴う1次コイル側の磁気特性の変化」を利用するだけでは、1次コイル−2次コイル間ギャップ長が大きく変化した場合に、2次コイルの誘起電圧や、整流平滑後の電圧の変化が大きくなってしまう。これは、電圧共振型インバータはスイッチング素子が基本的に1個であるために、そのスイッチング動作は、オフ時には1次コイルの両端電圧が略正弦波状で略1周期に亘って自由振動を行い、その振幅が大きく変化するためであると考えられる。(対して2石のスイッチング素子駆動の場合は、グランドレベルと電源電圧とでクランプされる部分共振型インバータでの1次コイルの両端電圧の振幅は一定となっている。)したがって、電圧共振を利用する場合には、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対する2次側の電圧変化の抑制には、新たな仕組みが必要になる。
さらに非接触給電においては、大きな漏れインダクタンスが存在するため、これによる誘導リアクタンスで負荷電流による電圧降下が発生する。1次コイル−2次コイル間ギャップ長が一定の場合、2次コイルの誘起電圧は一定となるが、負荷電流の変化によって誘導リアクタンスでの電圧降下が変化するために負荷電圧が変化する。図12(b)は負荷電流に対する2次側の電圧特性を示しており、負荷電流が大きくなるにつれて2次側電圧は低下している。
また、通常のスイッチング電源と同様に1次側の電源電圧の変化も2次側の電圧変化をもたらす。図12(c)は電源電圧に対する2次側の電圧特性を示しており、電源電圧が大きくなるにつれて2次側電圧も大きくなっている。
このように、非接触給電装置を、1次コイルやスイッチング素子の電圧が正弦波状となる電圧共振型のスイッチング駆動、特に1石電圧共振型インバータで実現することは、小型化、低コスト化に有利である。しかし、電圧共振型のスイッチング駆動で、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化、電源電圧の変化、負荷の変化に対して、2次側の電圧安定化を簡単な構成で良好に行える非接触給電装置の有効な仕組みはなかった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対して簡単な構成で2次側の電圧変化を小さくし安定化を図るとともに、高調波ノイズを抑制した低コストの非接触給電装置を提供することにある。
請求項1の発明は、1次コイルと該1次コイルによって電圧を誘起される2次コイルとが分離着脱自在な構造を有するトランスと、1次コイルに並列もしくは直列に接続された1次側共振コンデンサと、1次コイルへの通電をオン・オフすることで1次コイルに正弦波状の共振電圧を発生させて2次コイルへのエネルギー供給を制御する第1のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段のオン・オフを制御する第2のスイッチング手段と、少なくとも抵抗及びコンデンサを含んで構成されて第1のスイッチング手段を流れる電流値に対応する信号を生成し、該生成信号が所定値以上の場合に第2のスイッチング手段をオンさせて第1のスイッチング手段をオフさせる回路網と、2次コイルに並列もしくは直列に接続された2次側共振コンデンサと、2次コイルの出力側に設けた負荷とを備え、2次側共振コンデンサの容量は、1次コイルと2次コイルとの距離が大きくなるにつれて、第1のスイッチング手段のオフ期間に生じる1次コイルの両端電圧の振動周波数が高くなる値であり、回路網は、1次コイルと2次コイルとの距離が変化した場合に、第1のスイッチング手段を流れる電流値と生成信号との対応関係が変化することで第1のスイッチング手段を流れる電流値を制御し、2次コイルに誘起される電圧振幅の変化を抑制することを特徴とする。
この発明によれば、シンプルで低コストに構成できる電圧共振型のスイッチングを行いながら、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対して2次側の電圧変化を小さくでき、また負荷電圧が厳密な定電圧を要求しない場合は定電圧化の手段を省いて利用できる。また、2次側共振コンデンサの作用によって力率が改善されるとともに、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対して2次側の電圧変化をさらに小さくできる。さらに電圧共振型であるため、1次コイル電圧,電流、2次コイル電圧,電流が正弦波状になって、高調波ノイズが極めて小さく、装置全体の低ノイズ化を図ることができる。
請求項2の発明は、1次コイルと該1次コイルによって電圧を誘起される2次コイルとが分離着脱自在な構造を有するトランスと、1次コイルに並列もしくは直列に接続された1次側共振コンデンサと、1次コイルへの通電をオン・オフすることで1次コイルに正弦波状の共振電圧を発生させて2次コイルへのエネルギー供給を制御する第1のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段のオン・オフを制御する第2のスイッチング手段と、少なくとも抵抗及びコンデンサを含んで構成されて第1のスイッチング手段を流れる電流値に対応する信号を生成し、該生成信号が所定値以上の場合に第2のスイッチング手段をオンさせて第1のスイッチング手段をオフさせる回路網と、2次コイルに並列もしくは直列に接続された2次側共振コンデンサと、2次コイルの出力側に設けた負荷とを備え、2次側共振コンデンサの容量は、1次コイルと2次コイルとの距離が大きくなるにつれて、第1のスイッチング手段のオフ期間に生じる1次コイルの両端電圧の振動周波数が低くなる値であり、回路網は、1次コイルと2次コイルとの距離が変化した場合に、第1のスイッチング手段を流れる電流値と生成信号との対応関係が変化することで第1のスイッチング手段を流れる電流値を制御し、2次コイルに誘起される電圧振幅の変化を抑制することを特徴とする。
この発明によれば、シンプルで低コストに構成できる電圧共振型のスイッチングを行いながら、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対して2次側の電圧変化を小さくでき、また負荷電圧が厳密な定電圧を要求しない場合は定電圧化の手段を省いて利用できる。また、2次側共振コンデンサの作用によって力率が改善されるとともに、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対して2次側の電圧変化をさらに小さくできる。さらに電圧共振型であるため、1次コイル電圧,電流、2次コイル電圧,電流が正弦波状になって、高調波ノイズが極めて小さく、装置全体の低ノイズ化を図ることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、2次側共振コンデンサの容量は、1次コイルと2次コイルとの距離が大きくなるにつれて、第1のスイッチング手段のオフ期間に生じる1次コイルの両端電圧の振動周波数が高くなる場合と低くなる場合とが混在する値であることを特徴とする。
この発明によれば、2次側共振コンデンサの作用によって力率が改善されるとともに、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化が大きい場合でも2次側の電圧変化を請求項1,2に比べて小さくできる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかにおいて、回路網は、第1のスイッチング手段の出力端に直列接続した第1の抵抗と、第1のスイッチング手段と第1の抵抗との接続中点に一端を接続した第2の抵抗と、第2の抵抗の他端に一端を接続したコンデンサとを備え、第2の抵抗の他端は第2のスイッチング手段をオン・オフさせる制御入力端に接続され、コンデンサの他端は第2のスイッチング手段の出力端に接続されることを特徴とする。
この発明によれば、極めてシンプルで低コストの部品構成で回路網を形成できる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかにおいて、回路網は、1次コイルと2次コイルとの距離の変化及び1次側の電源電圧の変化に対して、2次コイルに誘起される電圧振幅の変化を抑制することを特徴とする。
この発明によれば、1次コイルと2次コイルとの距離の変化だけでなく1次側の電源電圧の変化に対しても2次側の電圧変化を小さくできる。
請求項6の発明は、請求項4において、第1の抵抗の電圧降下を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段の検出信号によってオン・オフすることで第1のスイッチング手段のオン・オフを制御する第3のスイッチング手段とを備え、1次コイルと2次コイルとの距離の変化範囲と1次側の電源電圧の変化範囲とのうち少なくとも一方の変化範囲内で、負荷最大時に第1のスイッチング手段を流れる最大電流以上の電流が第1のスイッチング手段を流れた場合に、第3のスイッチング手段が第2のスイッチング手段より優先してオンして第1のスイッチング手段をオフさせるように電圧検出手段の検出信号が設定されることを特徴とする。
この発明によれば、第1のスイッチング手段に必要以上の電流が流れることを防いで、1次コイルと1次側共振コンデンサとの共振回路に必要以上のエネルギーが注入されることを防ぐことができ、1次側、2次側ともに過電圧印加等による故障を防止できる。
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、2次側の電圧情報を1次側に無線でフィードバックして第1のスイッチング手段を制御するフィードバック手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、フィードバックの制御範囲を小さくし、且つ負荷へ厳密な定電圧を供給できる。
以上説明したように、本発明では、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対して簡単、低コストな構成で2次側の電圧変化を小さくし安定化を図るとともに、高調波ノイズを抑制することができ、さらには、2次側共振コンデンサの作用によって力率が改善されるとともに、1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対して2次側の電圧変化をさらに小さくできるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は分離着脱式トランスを用いた非接触給電装置の構成を示しており、分離着脱式トランスTは、1次コイルL10、2次コイルL20をフェライトコアF10,F20に各々巻回して構成される。まず1次側は、出力電圧Veを有する直流電源Eと、直流電源Eに並列接続された抵抗R10,コンデンサC11の直列回路、及び分離着脱式トランスTの1次コイルL10、ダイオードD10、スイッチング素子FET10、回路網K10の直列回路と、1次コイルL10に並列接続された1次側の共振コンデンサC10と、ダイオードD10に並列接続された抵抗R11と、一端を抵抗R10とコンデンサC11との接続中点に接続し、他端をスイッチング素子FET10のゲート端子に接続するとともに1次コイルL10に磁気的に結合した帰還コイルL11と、スイッチング素子FET10のゲート端子と直流電源Eの負極(グランドレベル)との間に接続されたダイオードD11とトランジスタQ10との直列回路とを備える。なお、共振コンデンサC10は個別の部品である必要はなく配線容量で代用してもよい。あるいは共振コンデンサC10はスイッチング素子FET10に並列接続してもよく、この場合は1次コイルL10に並列接続した構成と交流的には等価であるとみなせ、さらにはスイッチング素子FET10の寄生容量で代用してもよい。なお、コアF10,F20、ダイオードD10は必ずしも必要ではない。
回路網K10はスイッチング素子FET10のソース端子とグランドレベルとの間に接続された抵抗R12と、抵抗R12に並列接続された抵抗R13とコンデンサC12の直列回路とから構成され、抵抗R13とコンデンサC12との接続中点はトランジスタQ10のベース端子に接続している。
2次側は、センタータップを備えたトランスTの2次コイルL20と、2次コイルL20に並列接続された共振コンデンサC20と、2次コイルL20の両端間に直列且つ互いに逆方向に接続されたダイオードD20,D21からなる全波整流回路と、ダイオードD20,D21の接続中点に一端を接続された電流平滑用のチョークコイルL21と、チョークコイルL21の他端と2次コイルL20のセンタータップとの間に接続される平滑コンデンサC21と、平滑コンデンサC21に並列接続される負荷Z1とを備える。なお、共振コンデンサC20は2次コイルL20に直列接続、あるいは並列接続と直列接続との組み合わせでもよい。また、ダイオードD20,D21、チョークコイルL21、平滑コンデンサC21からなる整流回路、平滑回路は必ずしも必要ではない。
次に、図1の回路構成で抵抗R13がない場合(特許文献1で挙げた特許第3391999号の実施例に類似している)の動作について説明する。図2(a)〜(e)は各部の波形を示しており、まず電源Eが投入されると抵抗R10を介してコンデンサC11が充電される。このとき、帰還コイルL11に誘起電圧が発生していないためスイッチング素子FET10のゲート電圧Vg(図2(e))はコンデンサC11の両端電圧Vc11に等しい。そして電圧Vc11が上昇を続け、ゲート電圧Vgがスイッチング素子FET10のオン電圧に達すると、スイッチング素子FET10がオフからオンに移行し始め、スイッチング素子FET10を介してコンデンサC10にパルス状の充電電流が流れると同時に、1次コイルL10を流れる1次コイル電流IL10(図2(a))の電流値は次第に増大し、1次コイルL10に発生する磁束が変化して、1次コイルL10と磁気的に結合した帰還コイルL11に誘起電圧が発生する(このときの誘起電圧の極性を正極性とする)。この誘起電圧は電圧Vc11に加算されるため、スイッチング素子FET10のゲート電圧Vgは急速に増大して安定したオン電圧となる。なお、このオン電圧はスイッチング素子FET10の入力容量にチャージされている。
スイッチング素子FET10のオン時には、スイッチング素子FET10を流れる電流If0(図2(d))は1次コイルL10を介して流れており、また1次コイルL10を流れる1次コイル電流IL10の大部分は抵抗R12を流れるため、抵抗R12では電圧降下によって電圧Vr12が生じる。ここでは抵抗R13の抵抗値がゼロであるとしているので、トランジスタQ10のベース電圧Vb=Vr12(=コンデンサC12の充電電圧)となり、電圧Vr12がトランジスタQ10のオン電圧を超えるとトランジスタQ10はオンする。トランジスタQ10がオンするとスイッチング素子FET10の入力容量の蓄積電荷とコンデンサC11の蓄積電荷が放電されるため、ゲート電圧Vgが低下しスイッチング素子FET10がオフし始める。スイッチング素子FET10がオフし始めると帰還コイルL11の誘起電圧はそれまでとは逆の負極性になるので、ゲート電圧Vgは急速にオフ電圧に移行してスイッチング素子FET10は安定したオフ状態となる。
スイッチング素子FET10がオフすると、コンデンサC10に蓄積された静電エネルギー、及び1次コイルL10からみたトランスTのインダクタンスに蓄積された磁気エネルギーによって、コンデンサC10と1次コイルL10とで構成される共振回路の1次コイル電圧Vc10(図2(b))や1次コイル電流IL10が自由振動を開始する。この自由振動の1周期の終わりには、電圧Vc11に加算される帰還コイルL11の誘起電圧が正極性に変わりスイッチング素子FET10は再びオンする。そして、上記動作を繰り返しながら、トランジスタQ10は電圧Vc11を自動調整し、安定発振を自励的に継続する。またダイオードD10、スイッチング素子FET10、抵抗R12の直列回路両端の電圧V1(≒スイッチング素子FET10のドレイン電圧)(図2(c))は、スイッチング素子FET10のスイッチング周期で変化する。
このように、スイッチング素子FET10のソース端子に直列接続された抵抗R12の電圧Vr12がトランジスタQ10のオン電圧に達するとトランジスタQ10がオンする仕組みによって、スイッチング素子FET10を流れる電流If0のピーク電流値Ifpは、毎周期においてほぼ一定となる。またこのピーク電流値Ifpは、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に無関係にほぼ一定となる。
次に2次側の動作について説明する。まず1次コイル電流IL10により2次コイルL20に2次コイル電圧Vc20が誘起されるが、2次側の共振コンデンサC20との作用によって1次側からの投入エネルギーの量、駆動周波数、負荷電流等に応じて2次側の各部の電圧の大きさが決まる。1次側からの投入エネルギーの量は1次コイルL10の両端から2次側をみたインダクタンスが一定の場合はスイッチング素子FET10に流れるピーク電流値Ifpの略2乗に比例する。他の条件が変わらずにピーク電流値Ifpのみが大きくなれば、2次側の各部の電圧もそれに略比例して大きくなる。また、ピーク電流値Ifpが一定であれば、2次側の負荷電流が大きいほど2次側の電圧は低下する傾向を有する。
また、他の条件が変わらずに1次コイル電流IL10(または1次コイル電圧Vc10)の周波数が変化すると、2次側の共振コンデンサC20と2次コイルL20(厳密にはトランスTや1次側の共振コンデンサC10も関係する)との共振特性がピークとなる中心周波数を境にして、中心周波数より低い領域では周波数に略比例して2次側の電圧が大きくなる方向に変化し、中心周波数より高い領域では周波数に略反比例して2次側の電圧が小さくなる方向に変化する。
さらに1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化は、トランスTの自己インダクタンス、相互インダクタンス、漏れインダクタンス、2次コイル電圧Vc20を変化させる。したがって、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化は2次側の各部の電圧を変化させるのである。
図1の回路構成で抵抗R13がない場合の動作について上記説明してきた。そしてこの構成において、特開2002−101578号公報にて開示されている「1次コイル−2次コイル間ギャップ長の変化に対し、1次コイルの両端からみたインダクタンス等の磁気特性が変化することを利用する」ことを試したが、その結果は1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に対して2次側の各部の電圧変化の抑制効果はあったものの、十分な抑制効果は得られなかった。具体的には、1次側の共振コンデンサC10、2次側の共振コンデンサC20、抵抗R12の各値を変えたり、駆動周波数の動作点や変化範囲を様々に変えたが、2次側の電圧変化が満足できる範囲内に収まるまで小さくなる組み合わせは見出せなかった。この理由は、電圧共振型インバータの場合、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に対して、1次コイルL10の両端からみたインダクタンス等の磁気特性は変化するが、1次コイル電圧Vc10の自由振動周期だけでなく、振幅も大きく変化するためと考えられる。したがって、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に対する2次側電圧の変化をさらに小さくするには、1次コイルL10の両端からみたインダクタンス等の磁気特性の変化を利用することに加えて、さらに自動的に変化する要因が必要であることが示唆された。
そして、この必要な要因を調査研究した結果、図1に示すように、抵抗R12とコンデンサC12との間に抵抗R13を挿入し、この抵抗R13の抵抗値を適当に設定することで、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に対する2次側電圧の変化をより小さくできることがわかった。この抵抗R13を最適な抵抗値に設定すると、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に対し、スイッチング素子FET10を流れる電流If0と、そのピーク電流値Ifpが変化することがわかり、さらにはピーク電流値Ifpの変化の大きさも抵抗R12によって変化することがわかった。このように動作する理由は、以下のように考えることができる。
スイッチング素子FET10を流れる電流If0は、抵抗R12を流れる電流If1と、抵抗R13を流れる電流If2とに分流する。そして、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化が生じた場合、トランスTの自己インダクタンス、相互インダクタンス等が変化し、1次コイルL10を通じてスイッチング素子FET10を流れる電流If0はその増加の割合が変化する。すなわち電流If0の傾きが変化するのである。ここで上述のように、抵抗R13がゼロの場合は電圧Vr12とベース電圧Vbとは等しく、抵抗R12の抵抗値、及びコンデンサC12の静電容量は小さいため、電流If0の大部分は電流If1となる。したがって、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化が生じても、電流If0はほぼ一定に制御されていた。
しかし、抵抗R13の抵抗値がゼロでない場合は、電流If2が抵抗R13とコンデンサC12との積分回路を通過するため、電流If0の増加中はVr12>Vbとなる。このときの電圧Vr12と電圧Vbとの差は電流If0の増加率により異なる。したがって、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化が生じた場合、1次コイルL10両端から2次側をみた時のトランスTの自己インダクタンス、相互インダクタンス等が変化し、電流If0の増加の割合が変化するので、電圧Vr12と電圧Vbとの差も変化する。そして、電圧VbがトランジスタQ10のオン電圧(バイポーラトランジスタの場合、約0.7V)に達したときの電圧Vr12の値は、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に影響されるようになっている。ここで電圧Vr12が変わるということは、スイッチング素子FET10オン時のピーク電流値Ifpが変わるということであり、ピーク電流値Ifpが変わるということは、1次コイルL10を通じてトランスTや2次側の各素子に供給するエネルギーが変わるということである。すなわち、抵抗R13を設けたことによって、スイッチング素子FET10のオン時にトランスT等に蓄積または通過させるエネルギーの変化を自動的に行うことができ、抵抗R13を含む抵抗とコンデンサを主体とする回路網K10によって、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化が生じても、2次側の電圧変化を抑制できるようになった。
この仕組みは、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長が、電圧Vr12と電圧Vbの差電圧発生の要因となることを示しており、図1に示す回路網K10の具体的構成だけでなく、この仕組みを生じさせる「抵抗とコンデンサを主体とする回路網」であればよいことは勿論である。
次に上記2次側電圧の変化を抑制する仕組みについて具体的に説明する。まず、図3は2次側の共振コンデンサC20をある値に設定したときの2次コイル電圧Vc20の周波数特性を示しており、最大電圧をもたらす周波数fpを境にして、周波数fpより低い領域では周波数fが高くなると2次コイル電圧Vc20は増大し、周波数fpより高い領域では周波数fが高くなると2次コイル電圧Vc20は減少する。そして、この図3の特性を利用することで、1次コイル電圧Vc10の自由振動周波数を変化させ、さらには駆動周波数を変化させることができ、この場合は周波数fpより低い領域、高い領域の両方を利用できる。しかし既に述べたように、駆動周波数の変化のみでは2次側の電圧変化を十分抑制できない場合があるが、本実施形態ではスイッチング素子FET10を流れる電流If0を、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に応じて自動的に変化させる仕組みを利用することで、2次側の電圧変化をさらに抑制している。
図4(a)〜(c)は、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長を小から大に変化させたときの各部の波形を示しており、1次コイル電圧Vc10(図4(a))の自由振動周波数が低から高に変化するので、1次コイル電圧Vc10、及びスイッチング素子FET10のドレイン電圧V1(図4(b))の各周波数は低から高に変化する。これは図3における周波数fpより低い領域の特性を利用している。また、電流If0(図4(c))はそのピーク電流値Ifpが小から大に変化しており、このように1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長が小から大に変化したときに電流If0のピーク電流値Ifpが小から大に変化することは以下の効果をもたらすと考えられる。
仮に、駆動周波数や2次側の共振コンデンサC20による負荷整合特性が変化しないとすると、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長が小さい場合は磁気結合度が高く、さらには漏れインダクタンスが小さいため、2次コイルL20に誘起される2次コイル電圧Vc20が大きくなり、2次側の各部の電圧は大きくなる。逆に1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長が大きい場合は磁気結合度が低く、さらには漏れインダクタンスが大きいため、2次コイルL20に誘起される2次コイル電圧Vc20が小さくなり、2次側の各部の電圧は小さくなる。したがって一般に、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長が小から大に変化すると、2次側電圧は大から小に変化する。しかし、図4(c)に示すように電流If0のピーク電流値Ifpが変化すると、1次コイルL10を通じてトランスTへのエネルギー供給が変化するため、1次コイル電圧Vc10の自由振動期間における振幅が変化する。他の条件が変わらない場合2次コイル電圧Vc20は1次コイル電圧Vc10にほぼ比例するため、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長が小さい場合はピーク電流値Ifpを小さくし、ギャップ長が大きい場合はピーク電流値Ifpを大きくすることで、2次コイル電圧Vc20の変化を抑制することができる。このように駆動周波数の変化だけでなく、電流If0の変化による効果を組み合わせることによって、2次コイル電圧Vc20の変化に対する十分な抑制効果を得ることができる。
次に図5(a)〜(c)も図4(a)〜(c)と同様に、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長を小から大に変化させたときの各部の波形を示しており、1次コイル電圧Vc10(図5(a))、及びスイッチング素子FET10のドレイン電圧V1(図5(b))の各周波数は高から低に変化する。これは図3における周波数fpより高い領域の特性を利用している。そして、電流If0(図5(c))の変化は小さいが、2次側の電圧変化の抑制効果は十分であった。
さらには、1次コイルL10と2次コイルL20の各自己インダクタンス及び相互インダクタンス、1次側及び2次側の各共振コンデンサC10,C20、負荷電流、抵抗とコンデンサを主体とする回路網K10等の各係数を適当に組み合わせることで、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化範囲において、ギャップ長が小から大に変化した場合に、1次コイル電圧Vc10の周波数変化が高から低となる性質、低から高となる性質の両方を利用可能であることもわかった。この場合は、ギャップ長の全変化範囲において、ギャップ長が小さい領域内とギャップ長が大きい領域内とで周波数の変化方向を反対にすることで、ギャップ長が小さい領域内での変化と、ギャップ長が大きい領域内での変化とを互いにオーバラップさせて2次側の電圧変化を抑制できるため、許容できるギャップ長の変化幅を大きくできる効果がある。
以上は、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化に対して、本実施形態の抵抗とコンデンサを主体とする回路網K10によって、スイッチング素子FET10の電流If0を自動的に制御する機能と、コイル電圧Vc10の自由振動周波数(駆動周波数)の変化とを併せることによって、2次側の電圧変化を十分抑制できることを示した。
ところで、本実施形態の回路網K10を用いることによって、電源電圧Veの変化による2次側の電圧変化を抑制することができるという知見も得ている。他の条件が変わらずに電源電圧Veのみが変化すれば、2次側の電圧は電源電圧Veにほぼ比例する。これは、1次コイル電圧Vc10が電源電圧Veにほぼ比例するからである。しかし、2次側の電圧を決定する要因は1次側、2次側ともに多いので、抵抗R13を含む抵抗とコンデンサを主体とする回路網K10を用い、さらに各要因の組み合わせを最適に設定することにより、電源電圧Veの変化が生じても、自動的に2次側の電圧変化を抑制できるようになった。
(実施形態2)
図6は本実施形態の非接触給電装置の構成を示しており、実施形態1の構成に、抵抗R12の電圧降下による電圧Vr12を検出する電圧検出部K11と、電圧検出部K11の検出信号によってオン・オフするトランジスタQ11とを備えたもので、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。電圧検出部K11は、スイッチング素子FET10と抵抗R12との接続中点にカソードを接続したツェナダイオードZD10と、ツェナダイオードZD10のアノードに一端を接続し、他端をグランドレベルに接続したコンデンサC13とから構成され、トランジスタQ11はトランジスタQ10に並列接続されており、ツェナダイオードZD10とコンデンサC13との接続中点がトランジスタQ11のベース端子に接続されている。
そして、スイッチング素子FET10を流れる電流If0が大きくなって、抵抗R12の電圧Vr12がツェナダイオードZD10のツェナ電圧より大きくなると、ツェナダイオードZD10を介して電流が流れ、トランジスタQ11がオンしてスイッチング素子FET10の入力容量の蓄積電荷とコンデンサC11の蓄積電荷が放電されるため、ゲート電圧Vgが低下してスイッチング素子FET10がオフする。本実施形態のスイッチング素子FET10のオフ制御は、トランジスタQ10またはトランジスタQ11がオンすることによって行われ、いずれか早くオンしたトランジスタの動作が支配的となる。
以下、トランジスタQ11によるスイッチング素子FET10のオフ制御が必要な理由を説明する。図7(a)〜(c)はトランジスタQ11によるスイッチング素子FET10のオフ制御がない場合に負荷変化が生じて負荷電流が小から大に変化したときの各部の波形を示しており、負荷電流が大から小に変化すると、1次コイル電圧Vc10(図7(a))、及びスイッチング素子FET10のドレイン電圧V1(図7(b))が大きくなり、2次側電圧も大きくなる。したがって、スイッチング素子FET10の耐電圧性能を高くする必要があり、サイズの大型化,高コスト化の原因となっていた。このように各部の電圧が増大する理由は大きく2つ考えられ、1つ目の理由は、抵抗R12,R13,コンデンサC12からなる回路網K10を設けたことで、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化、及び電源電圧Veの変化に対しては2次側の電圧変化を抑制することができるようになったものの、負荷Z1の変化に対しては補償できず、図7(c)の電流If0波形に示すように、負荷電流が大から小に変化すると電流If0のピーク電流値Ifpが大きくなってしまうためであると考えられる。
2つ目の理由は、電流If0のピーク電流値If0が一定であったとしても、1次コイル電圧Vc10の自由振動期間において、負荷が小さいために2次側に伝達されるエネルギーは少なく、1次側の共振回路に残るエネルギーが多くなることで1次コイル電圧Vc10が上昇するためであると考えられる。
2つ目の理由による2次側電圧上昇の対策は難しいが、1つ目の理由による2次側電圧上昇の対策は、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化、電源電圧Veの変化、負荷Z1の変化の全範囲において、電圧Vr12の最大許容値を設定しておけば、無用なエネルギー注入を防止して、必要最小限の耐電圧性能を有するスイッチング素子FET10を用いることができる。具体的には、スイッチング素子FET10を流れるピーク電流値Ifpの最大電流値Ifpmは、1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長が最も大きく、電源電圧Veが最も低く、負荷Z1が最も大きい場合に必要な電流値に等しく、このような状況以外においては、ピーク電流値Ifpは最大電流値Ifpmより小さくなる。したがって、電流If0が最大電流値Ifpmと同等または少し大きい値に達したときにトランジスタQ11がオンしてスイッチング素子FET10をオフさせることができれば、過大な電流If0が流れることを防止できる。図8(a)〜(c)は、このときの各部の波形を示したもので、負荷Z1が減少して負荷電流が大から小に変化すると、電流If0が最大電流値Ifpmと同等または少し大きい値以上にはならずに各電圧振幅の増大を抑制していることを示している。
なお本実施形態は負荷Z1の減少変化に対して効果があるもので、図6ではツェナダイオードZD10の特性を利用してトランジスタQ11をオンさせているが、ツェナダイオードの代わりにダイオードを接続して、ダイオードの順方向電圧降下を利用してもよく、さらには他の構成を用いてトランジスタQ11をオンさせてもよい。
(実施形態3)
図9は本実施形態の非接触給電装置の構成を示しており、実施形態2の構成において、2次側のチョークコイルL21を削除して、負荷Z1の前段に定電圧回路K20を接続したもので、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
通常、厳密な電圧安定化のためには、検出した負荷Z1の入力電圧を1次側へ無線でフィードバックして1次側の制御を行うか、または2次側に独立した定電圧回路を接続している。定電圧回路に3端子レギュレータ等で構成されるアナログ方式を用いる場合は、入力電圧と必要な定電圧との差が損失となるので、その差が大きいと効率低下、温度上昇を招き、温度上昇防止のための冷却機構や放熱板の追加が必要となる。また、定電圧回路にスイッチングレギュレータ等のデジタル方式を用いる場合は、効率低下は小さいものの、入力電圧と必要な定電圧との差が大きいと、スイッチングレギュレータの内部素子に耐電圧の高い素子を用いる必要が生じ、且つ広範囲のPWM制御能力を必要とするため、サイズとコストの増大をもたらしていた。
しかし本実施形態では、実施形態1,2で説明したように2次側の電圧変化を自動的に十分抑制しているので、定電圧回路K20の入力電圧と必要な定電圧との差を十分小さくでき、追加した定電圧回路K20の負担を小さくできるという利点を有している。したがって、高効率且つ省エネルギーで、小型、低コストの非接触給電装置を提供できる。
(実施形態4)
図10は本実施形態の非接触給電装置の構成を示しており、実施形態2の構成において、検出した負荷Z1の入力電圧を1次側へ無線でフィードバックして1次側の制御を行うフィードバック手段を備えたもので、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。フィードバック手段は、負荷Z1の入力電圧を検出する電圧検出部K21と、検出信号に応じて分離着脱式の信号トランスTsの1次コイルL22を駆動する信号発生部K22と、信号トランスTsの2次コイルL12に誘起された信号を検出する信号検出部K12と、信号検出部K12の検出信号に応じてスイッチング素子FET10のオン・オフを制御する制御部K13とから構成される。そして、本実施形態では、実施形態1,2で説明したように2次側の電圧変化を自動的に十分抑制しているので、フィードバックの制御範囲は小さくてよく、その制御は容易に行うことができる。
なお実施形態1〜4では、電圧共振方式のスイッチング駆動において、スイッチング素子FET10のオン動作が自励で行っているため、回路構成をシンプルにすることができ、低コスト化を図っている。さらに、パワーを制御するスイッチング素子が1つ(1石)で構成される電圧共振型のスイッチング駆動回路で説明したが、1次コイルやスイッチング素子に印加される電圧が正弦波状になる多石の電圧共振型のスイッチング駆動回路であってもよい。また、実施形態1〜4における1次コイルL10−2次コイルL20間ギャップ長の変化とは、1次コイルL10と2次コイルとL20の3次元方向の相対的な距離の変化、すなわち1次コイルL10−2次コイルL20間の電気的な絶縁物100が同じ厚さであっても、図11に示すように1次コイルL10と2次コイルL20とが対抗面方向にずれて配置されることによる相対距離dの変化を含んでいる。さらに、2次側の電圧変化の抑制について上記説明したが、同様の仕組みを用いて2次側の電流変化を抑制することもできる。
本発明の実施形態1の非接触給電装置を示す回路図である。 同上の各部の波形を示し、(a)は1次コイル電流、(b)は1次コイル電圧、(c)はスイッチング素子のドレイン電圧、(d)はスイッチング素子を流れる電流、(e)はスイッチング素子のゲート電圧を示す波形図である。 同上の2次コイル電圧の周波数特性を示す図である。 同上の1次コイル−2次コイル間ギャップ長を小から大に変化させたときの各部の波形を示し、(a)は1次コイル電圧、(b)はスイッチング素子のドレイン電圧、(c)はスイッチング素子を流れる電流を示す波形図である。 同上の1次コイル−2次コイル間ギャップ長を小から大に変化させたときの各部の波形を示し、(a)は1次コイル電圧、(b)はスイッチング素子のドレイン電圧、(c)はスイッチング素子を流れる電流を示す波形図である。 本発明の実施形態2の非接触給電装置を示す回路図である。 同上の負荷電流が小から大に変化したときの対策前の各部の波形を示し、(a)は1次コイル電圧、(b)はスイッチング素子のドレイン電圧、(c)はスイッチング素子を流れる電流を示す波形図である。 同上の負荷電流が小から大に変化したときの対策後の各部の波形を示し、(a)は1次コイル電圧、(b)はスイッチング素子のドレイン電圧、(c)はスイッチング素子を流れる電流を示す波形図である。 本発明の実施形態3の非接触給電装置を示す回路図である。 本発明の実施形態4の非接触給電装置を示す回路図である。 本発明の実施形態の1次コイルと2次コイルとの配置を示す図である。 従来の2次側の電圧特性を示し、(a)は1次コイル−2次コイル間のギャップ長に対する2次側の電圧特性、(b)は負荷電流に対する2次側の電圧特性、(c)は電源電圧に対する2次側の電圧特性を示す図である。
符号の説明
T 分離着脱式トランス
L10 1次コイル
L20 2次コイル
FET10 スイッチング素子
K10 回路網
R12,R13 抵抗
C12 コンデンサ
Q10 トランジスタ
C10,C20 共振コンデンサ
E 直流電源
Z1 負荷

Claims (7)

  1. 1次コイルと該1次コイルによって電圧を誘起される2次コイルとが分離着脱自在な構造を有するトランスと、1次コイルに並列もしくは直列に接続された1次側共振コンデンサと、1次コイルへの通電をオン・オフすることで1次コイルに正弦波状の共振電圧を発生させて2次コイルへのエネルギー供給を制御する第1のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段のオン・オフを制御する第2のスイッチング手段と、少なくとも抵抗及びコンデンサを含んで構成されて第1のスイッチング手段を流れる電流値に対応する信号を生成し、該生成信号が所定値以上の場合に第2のスイッチング手段をオンさせて第1のスイッチング手段をオフさせる回路網と、2次コイルに並列もしくは直列に接続された2次側共振コンデンサと、2次コイルの出力側に設けた負荷とを備え、2次側共振コンデンサの容量は、1次コイルと2次コイルとの距離が大きくなるにつれて、第1のスイッチング手段のオフ期間に生じる1次コイルの両端電圧の振動周波数が高くなる値であり、回路網は、1次コイルと2次コイルとの距離が変化した場合に、第1のスイッチング手段を流れる電流値と生成信号との対応関係が変化することで第1のスイッチング手段を流れる電流値を制御し、2次コイルに誘起される電圧振幅の変化を抑制することを特徴とする非接触給電装置。
  2. 1次コイルと該1次コイルによって電圧を誘起される2次コイルとが分離着脱自在な構造を有するトランスと、1次コイルに並列もしくは直列に接続された1次側共振コンデンサと、1次コイルへの通電をオン・オフすることで1次コイルに正弦波状の共振電圧を発生させて2次コイルへのエネルギー供給を制御する第1のスイッチング手段と、第1のスイッチング手段のオン・オフを制御する第2のスイッチング手段と、少なくとも抵抗及びコンデンサを含んで構成されて第1のスイッチング手段を流れる電流値に対応する信号を生成し、該生成信号が所定値以上の場合に第2のスイッチング手段をオンさせて第1のスイッチング手段をオフさせる回路網と、2次コイルに並列もしくは直列に接続された2次側共振コンデンサと、2次コイルの出力側に設けた負荷とを備え、2次側共振コンデンサの容量は、1次コイルと2次コイルとの距離が大きくなるにつれて、第1のスイッチング手段のオフ期間に生じる1次コイルの両端電圧の振動周波数が低くなる値であり、回路網は、1次コイルと2次コイルとの距離が変化した場合に、第1のスイッチング手段を流れる電流値と生成信号との対応関係が変化することで第1のスイッチング手段を流れる電流値を制御し、2次コイルに誘起される電圧振幅の変化を抑制することを特徴とする非接触給電装置。
  3. 2次側共振コンデンサの容量は、1次コイルと2次コイルとの距離が大きくなるにつれて、第1のスイッチング手段のオフ期間に生じる1次コイルの両端電圧の振動周波数が高くなる場合と低くなる場合とが混在する値であることを特徴とする請求項1または2記載の非接触給電装置。
  4. 回路網は、第1のスイッチング手段の出力端に直列接続した第1の抵抗と、第1のスイッチング手段と第1の抵抗との接続中点に一端を接続した第2の抵抗と、第2の抵抗の他端に一端を接続したコンデンサとを備え、第2の抵抗の他端は第2のスイッチング手段をオン・オフさせる制御入力端に接続され、コンデンサの他端は第2のスイッチング手段の出力端に接続されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の非接触給電装置。
  5. 回路網は、1次コイルと2次コイルとの距離の変化及び1次側の電源電圧の変化に対して、2次コイルに誘起される電圧振幅の変化を抑制することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の非接触給電装置。
  6. 第1の抵抗の電圧降下を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段の検出信号によってオン・オフすることで第1のスイッチング手段のオン・オフを制御する第3のスイッチング手段とを備え、1次コイルと2次コイルとの距離の変化範囲と1次側の電源電圧の変化範囲とのうち少なくとも一方の変化範囲内で、負荷最大時に第1のスイッチング手段を流れる最大電流以上の電流が第1のスイッチング手段を流れた場合に、第3のスイッチング手段が第2のスイッチング手段より優先してオンして第1のスイッチング手段をオフさせるように電圧検出手段の検出信号が設定されることを特徴とする請求項4記載の非接触給電装置。
  7. 2次側の電圧情報を1次側に無線でフィードバックして第1のスイッチング手段を制御するフィードバック手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の非接触給電装置。
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