JP4195920B2 - 二ホウ化チタン粉末の製造方法 - Google Patents

二ホウ化チタン粉末の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二ホウ化チタン粉末の製造方法に関し、更に詳細には、二酸化チタンを原料の一つとして用い、比較的低い温度で二ホウ化チタン粉末を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタンには結晶形としてアナタース、ルチル、ブルッカイトの3種の変態が存在するが、工業化されている製品はアナタース形およびルチル形である。
【0003】
このうち、アナターゼ型の酸化チタンは、その広いバンドギャップ(3.2eV)のため光触媒作用を示すことから、近年、抗菌・汚れ分解・環境浄化・超親水性技術などの研究が進展している。
【0004】
一方、ルチル型の酸化チタンは、白色顔料中最も高い屈折率を持ち、その高い隠蔽力・着色力から白色顔料として塗料や化粧品などに大量に用いられている。そして、その使用量は、塗装用顔料中で最も多いものであるが、一方では製品に塗装されず廃塗料(塗料糟)として廃棄される割合(廃塗料率)も高いことが指摘されており、資源の有効活用の点から、廃塗料中のチタニアの有効な再利用法が求められている。
【0005】
廃塗料から再生された酸化チタンは、回収再生プロセスからの不純物や、塗料の色調整の為あらかじめ添加した酸化鉄によって黄色を呈し、白色顔料への再利用は困難である。また、ルチル型の結晶構造なので光触媒に再利用することも難しい。このため、新たな機能を付与し、別の用途を見出す必要がある。
【0006】
ところで、酸化チタンを原料として得られる物質として二ホウ化チタンが知られている。この二ホウ化チタン(TiB2 )は金属的外観を有し、電気および熱の良導体であり、高い融点(2980℃)と硬さ(Hv=3,370kg/mm)を持つ共有結合性の高い化合物である。
【0007】
本発明者らは、マグネシウムを還元剤とし、二酸化チタンと酸化ホウ素を反応させることにより、相対的に低い反応温度で二ホウ化チタンをサブミクロンオーダーの微粉として得られることを見出し、先に報告した(西山勝廣、中山明典,「M&E」,2001年6月,228〜233頁)。この二ホウ化チタンは六方晶の結晶構造を持つ単結晶であり、その平板な形状から塗膜形成能に優れると考えられている。
【0008】
そこで、二ホウ化チタン(TiB2 )微粉を製造するための原料として上記廃塗料からの二酸化チタンを用いることができれば、資源の有効活用の面および新しい素材を安価に提供できるという面から極めて経済性が高い技術となることに気づいた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、特に廃塗料に含まれる二酸化チタンから二ホウ化チタンを効率よく製造するための方法の提供をその課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、二酸化チタンから二ホウ化チタンを効率よく製造するために種々検討を行っていたが、通常の手段では、二ホウ化チタンの収率は極めて低く、実用性に乏しいという問題に直面した。そこで、更に検討を行なった結果、マグネシウム粒子の表面を二酸化チタン等で被覆した後に酸化ホウ素と反応させることにより、極めて効率よく二ホウ化チタンが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち本発明は、マグネシウム粒子表面を二酸化チタンまたは二酸化チタンと酸化マグネシウムで被覆した後、酸化ホウ素と反応させることを特徴とする二ホウ化チタン粉末の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の二ホウ化チタン粉末の製造方法は、基本的には、次の反応式で表される金属還元法(メタロサーミックリダクション法)に従って行われる。
TiO2 + B23 + Mg(+MgO) → TiB2 + MgO
【0013】
本発明方法において、原料として用いられる二酸化チタンとしては、通常のルチル型の二酸化チタンの他、塗料糟として回収された二酸化チタンを用いることができる。この塗料糟とは、自動車や家電製品のスプレー塗装の際に製品に付着しなかった塗料を、ウォーターカーテンで回収したものであるが、このものは、大量の水分を含んでいるため再利用できず、産業廃棄物として処理されている。しかし、塗料として最も多く使用されている白色塗料の塗料糟から回収された二酸化チタン(再生チタニア)を使用すれば、廃棄物を原料とすることができるので経済性の面から極めて有利となる。また、酸化ホウ素はホウ素源として用いられ、マグネシウムは還元剤、酸化マグネシウムは、負触媒として用いられる。
【0014】
これら各原料の使用量は特に制約されるものではないが、それぞれのモル比として、二酸化チタン1に対し、マグネシウムが3ないし8、酸化ホウ素が0.8ないし1.5である。また、酸化マグネシウムは、前記各成分の合計量に対し、その1から200質量%程度とすればよい。
【0015】
また、各原料は相対的に微細なものが好ましく、マグネシウムの場合で、その粒径が10から500μm程度のもの、二酸化チタンで50から1,000nm程度のもの、酸化マグネシウムで50から1,000nm程度のものがそれぞれ好ましい。なお、酸化ホウ素については、特に粒径を決めないが、できるだけ小さいものが好ましい。
【0016】
本発明において、最も重要な点は、マグネシウム粒子表面を二酸化チタンまたは二酸化チタンと酸化マグネシウムの混合物で被覆した後、酸化ホウ素と反応を行う点である。
【0017】
マグネシウム粒子表面を二酸化チタンまたは二酸化チタンと酸化マグネシウムの混合物(以下、「TiO−MgO混合物」という)で被覆するには、これらを常法に従って乾式混合するか、あるいはボールミル、ポットミル等の混合機に取り、例えば、トルエン等の非極性溶媒中で湿式混合を行えば良い。
【0018】
この混合は、10から600rpm程度の回転数により、0.5から24時間程度行われる。そしてこの混合操作により、マグネシウム粒子表面は、二酸化チタンまたはTiO−MgO混合物で完全に被覆される。
【0019】
次いで、二酸化チタンまたはTiO−MgO混合物で被覆されたマグネシウム粒子は、残余の成分と混合されて原料混合物とされ、焼成される。
【0020】
上記の原料混合物の焼成は、黒鉛、ステンレス等で製造された焼成容器中、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、500ないし800℃の温度で、0.5から6時間程度加熱することにより行われる。この焼成に当たっては、直接上記焼成温度としてもよいが、一定の速度、例えば5から20℃/分程度の温度で所定焼成温度まで昇温させ、次いで、この焼成温度で一定時間、例えば10分から3時間程度保持することが望ましい。
【0021】
このようにして得られた焼成物は、これを精製することにより二ホウ化チタン粉末を得ることができる。この精製は、例えば、塩酸溶液による加熱処理、精製水やエタノールによる洗浄、塩化アンモニウム溶液による加熱処理等により行われ、最後に乾燥することにより、精製した二ホウ化チタン粉末が得られる。
【0022】
かくして得られる二ホウ化チタン粉末は、二酸化チタン粉末の5倍もの硬度を有し、しかも良好な黒色を有するものであるため、硬質塗膜用顔料や黒色顔料として使用可能なものである。
【0023】
【作用】
本発明は、金属還元法により二ホウ化チタン粉末を製造する方法であるが、そのための原料の混合に特徴があるものである。すなわち、還元剤として作用するマグネシウムの粒子表面を、二酸化チタンまたはTiO−MgO混合物で被覆させた後、他の成分と混合し、焼成することにより、効率よく二ホウ化チタン粉末を得るというものである。
【0024】
このように、本発明方法で効率よく二ホウ化チタン粉末を得ることのできる理由は、明らかでない部分もあるが、還元剤であるマグネシウムと二酸化チタンの接触面積が大きくなり、その結果、反応が進行したものと考えられる。
【0025】
特に、マグネシウムの粒子表面を、TiO−MgO混合物で被覆した場合は、お互い粒子径の近い酸化チタンと酸化マグネシウムの混合により、それらが分散され、しかも反応に関与しない酸化マグネシウムが酸化チタン粒子の間に存在することにより、反応時の酸化チタンの凝集を防ぐことができ、結果的に還元剤であるマグネシウムと二酸化チタンの大きな接触面積が維持され、反応が十分に進行したためと考えられる。
【0026】
【実施例】
次に実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約されるものではない。
【0027】
実 施 例 1
二ホウ化チタン粉末の製造方法(1):
出発原料として、次のものを用意した。まず、酸化チタンとしては、廃塗料より回収された酸化チタン(回収酸化チタン;平均粒径300nm)および市販されているチタニア(ルチル型 平均粒径400nm 和光純薬工業製)を用いた。このうち、回収酸化チタンの純度は下の表1の通りであった。また、酸化ホウ素(B23 40〜60mesh)、マグネシウム(Mg 100mesh)および酸化マグネシウム(MgO 平均粒径250nm)はいずれも添川理化学社製を使用した。
【0028】
【表1】
Figure 0004195920
【0029】
反応に先立ち、まず、マグネシウムと回収酸化チタンをボールミルで2時間混合した。具体的には、これらの粉末を容量220mlの超硬合金製の遊星ボールミルを用いて湿式(トルエン)で混合した。ボールミルの回転数は200rpmであり、それらの混合比は、回収酸化チタン1に対し、マグネシウム5(モル比)とした。
【0030】
次に、この混合物(マグネシウム粒子の酸化チタン被覆物)に対し、使用酸化チタンと等モルの酸化ホウ素およびそれらを足した重量の30%の酸化マグネシウムを加え、単純に混合した。これにより得られた原料粉末のSEM写真を図1に示す。
【0031】
次に、このようにして得られた混合物を焼成した。焼成に当たっては、図2にその概略を示す反応装置を使用した。混合した原料混合物は、内寸法30×30×400mm3 の黒鉛製反応ボート4に一回の充填量50gの割合で入れ、これを内径70mm、長さ2,000mmのステンレス鋼製反応管1に挿入した。焼成に先立ち、まずボート4を反応管1の端に置き、流量11/minのアルゴンで置換した。その後加熱部2により反応管1を加熱し、反応管1内が500℃に達した時点で試料の入ったボート4を反応管1の中央部に移動させ、焼成反応を開始した。そのまま昇温速度5℃/minで800℃まで加熱を続け、さらに30分間800℃を維持した。反応終了後、ボート4を冷却部3に移動させ、充分に冷やした後、ボート4を反応管1から取り出した。反応管1内の温度はこれに接した熱伝対5によって測定した。
【0032】
反応後、得られた焼成物は反応ボートよりかき出し、以下の方法により精製した。すなわち、まず得られた焼成物を1N塩酸で1時間煮沸処理を行い、溶液を微細な目のろ紙でろ過し、残った固形物を精製水およびエタノールで洗浄した。次に1N−NH4Cl水溶液で3時間煮沸処理を行い、再度ろ過、精製水で洗浄、乾燥させることにより精製粉末を得た。
【0033】
この精製粉末のXRDチャート(図3)より、二ホウ化チタンの生成が確認された。また、未反応の酸化チタンのピークは認められなかったが、副生成物として若干のマグネシウムホウ化物(MgB6 等)の生成が認められた。
【0034】
実 施 例 2
二ホウ化チタン粉末の製造方法(2):
原料粉末の混合を次のように代える以外は、実施例1と同様にして二ホウ化チタン粉末を製造した。すなわち、再生酸化チタンと酸化マグネシウムをボールミルで1時間混合、乾燥を行い、得られた粉末とマグネシウムをボールミルでさらに2時間湿式混合、乾燥した。得られた混合物に酸化ホウ素を単純混合で加え、これを原料粉末とした。この原料粉末のSEM写真を図4に示す。
【0035】
上記の原料粉末を用いて実施例1と同様に焼成、精製を行い、精製粉末を得た。この精製粉末のXRDチャート(図5)より、精製粉末の主成分が二ホウ化チタンであることが認められた。また未反応の酸化チタンは認められず、副生成物も実施例1同様MgB6 であった。また精製後は、酸化マグネシウムがほとんど認められず、また、マグネシウム等のピークも認められなかった。更に回収酸化チタンに含まれる鉄分等に由来する副生成物も認められなかった。
【0036】
比 較 例
単純混合による二ホウ化チタンの製造:
実施例1に示した量の、各原料粉末すべてを容器に入れ、乾式で振とう(単純混合)することにより混合した。この混合粉を原料とし、実施例1と同様に焼成、精製した。得られた精製物のXRDチャート(図6)では、微かに二ホウ化チタンのピークと思われるピークが示されていたのみであり、実質的に二ホウ化チタンが生成しているとはいえなかった。
【0037】
試 験 例 1
二ホウ化チタンの物性測定:
上記実施例1および2並びに比較例で得られた二ホウ化チタンについて、その粒度分布を調べた。この粒度分布の測定には動的光散乱測定装置(NICOMP 380ZLS ; Particle Sizing Systems 社)および光遮蔽粒子径測定装置(AccuSizer 780 ; Particle Sizing Systems 社)を用いた。この結果を図7に示す。
【0038】
また、二ホウ化チタン粒子の形状観察を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−510)および透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM−1200EX)を用いて行った。実施例2で得られた二ホウ化チタン粒子のSEM写真およびTEM写真を図8および図9に示す。
【0039】
図8のSEM写真から、二ホウ化チタン粒子は比較的粒子径のそろったサブミクロンオーダーの平板状であることが認められる。また、図9のTEM写真からは、二ホウ化チタン粒子の粒子径150〜300nmの六角板状の単結晶を確認できた。粒子径は動的光散乱による測定結果と一致し、また六角板状の形状も二ホウ化チタンの結晶構造が空間群C32の六方晶であるので一致する。結晶の厚さは、重なり合った下の結晶が透けて見えることからかなり薄いものと思われる。粒子径が約200nmと単位格子に比べかなり大きいのに、その結晶形を維持した六角形となった理由については、酸化チタンから二ホウ化チタンへの反応がその結晶形を維持したまま進行するというトポ化学変化によるものと考えられた。
【0040】
試 験 例 2
塗膜性能試験:
実施例2により得たTiB2 粉末を市販の透明樹脂(ビニル系)に分散させてモデル塗料を調製した。このモデル塗料をガラス板に浸積法により塗布して皮膜を形成させた。得られた試験片の塗膜強度を、超微小硬度計(島津 DUH−201)を用いてダイナミック硬度を測定することにより評価した。この硬度計で測定するダイナミック硬度は圧子を押し込んでいく過程の荷重と押し込み深さより下式により算出され、試料の塑性変形だけでなく、弾性変形をも含んだ状態での材料強度特性を調べることが可能である。また測定範囲が深さ方向で数μmなので、塗膜の強度を測定するのに最適であると考えられる。また今回、塗膜性能評価のため、次の2種類の硬度を定義した。まず、圧子が塗膜の極表面に接した時点の硬度を突入硬度、圧子が塗膜内に1μm進入した時点の硬度を流動硬度とした。突入硬度は弾性変形を、流動硬度は塑性変形を大きく表すと考えられる。なお、比較品としては、市販のチタニア粉末を透明樹脂に分散させた塗料を使用した。この結果を図10に示す。
【0041】
< ダイナミック硬度 >
Figure 0004195920
(P:試験荷重mN D:押し込み深さμm α:定数)
【0042】
図10から明らかなように、粉末を分散させない透明樹脂で測定したところ、柔らかすぎ両硬度とも測定できなかった。次に、二ホウ化チタンまたは酸化チタンをそれぞれ分散させたモデル塗料を塗布した試験片で測定したところ、ともに硬度の上昇が認められた。
【0043】
それぞれの突入硬度を比較したところ、二ホウ化チタンを分散させることにより、酸化チタンの5倍ほど硬度が上昇した。一方、それぞれの流動硬度を比較したところ、二ホウ化チタンは酸化チタンに比べ3倍程度の硬度上昇しか認められなかった。また、硬度の絶対値自体も大きく減少した。
【0044】
このように突入硬度、流動硬度が大きく異なった理由としては、突入硬度が顔料の硬度に大きく依存するのに対し、流動硬度では樹脂の塑性変形に大きく依存することが考えられる。すなわち、二ホウ化チタン、酸化チタンの突入硬度比は、顔料自身の硬度比とだいたい等しい。一方で流動硬度でも二ホウ化チタンの方が硬度が上昇した理由としては、その形状特異性が挙げられる。つまり、酸化チタンが球状であるのに対し、二ホウ化チタンは板状のため、顔料同士が面で接し摩擦が大きく働き、塗膜自体が硬くなったものと考えられる。このように、硬質顔料として二ホウ化チタンは有効であることが分かった。
【0045】
【発明の効果】
本発明方法により、廃塗料からの回収酸化チタンより、二ホウ化チタン微粉を効率よく調製することが可能となり、新しい資源の再利用法として利用することができる。
【0046】
そして、得られた二ホウ化チタン微粉は、塗膜に分散させることにより大幅な硬度上昇を示し、また黒色を呈するものであるため、硬質塗膜用顔料として有利に使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で使用した原料粉末のSEM写真
【図2】 焼成に用いる反応装置の概略を示す図面
【図3】 実施例1で焼成、精製した粉末のXRDチャート
【図4】 実施例2で使用した原料粉末のSEM写真
【図5】 実施例2で焼成、精製した粉末のXRDチャート
【図6】 比較例で焼成、精製した粉末のXRDチャート
【図7】 実施例1、2および比較例の二ホウ化チタンについての粒度分布を示す図面
【図8】 実施例2で得られた二ホウ化チタン粒子のSEM写真
【図9】 実施例2で得られた二ホウ化チタン粒子のTEM写真
【図10】 塗膜性能試験の結果を示す図面
【符号の説明】
1 … … 反応管
2 … … 加熱部
3 … … 冷却部
4 … … 反応ボート
5 … … 熱電対
以 上

Claims (9)

  1. マグネシウム粒子表面を二酸化チタンまたは二酸化チタンと酸化マグネシウムとの混合物で被覆した後、酸化ホウ素と反応させることを特徴とする二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  2. マグネシウム粒子表面の二酸化チタンによる被覆を、これら成分を非極性溶媒中で湿式混合することあるいは乾式混合することにより行う請求項第1項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  3. マグネシウム粒子表面の二酸化チタンと酸化マグネシウムとの混合物による被覆を、当該混合物とマグネシウム粒子とを非極性溶媒中で湿式混合することあるいは乾式混合することにより行う請求項第1項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  4. 湿式混合あるいは乾式混合を、10から600rpmで、0.5から24時間行う請求項第2項または第3項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  5. 酸化ホウ素との反応を、不活性気体中500から800℃の温度で加熱することにより行う請求項第1項ないし第4項の何れかの項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  6. マグネシウム粒子の粒径が、10から500μmである請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  7. 二酸化チタンの粒径が、50から1,000nmである請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  8. 酸化マグネシウムの粒径が、50から1,000nmである請求項第1項、第3項ないし第5項の何れかの項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
  9. 得られる二ホウ化チタン粉末が、平均直径50から1,000nmの六角板状晶ある請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の二ホウ化チタン粉末の製造方法。
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