JP4195122B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、非水電解液二次電池に関し、さらに詳しくは常温から低温での放電特性および電池充放電性能に優れた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、一般的な二次電池としては、水溶液系の電解液を用いるニッケルカドミニウム電池や鉛蓄電池などが広く用いられている。しかし、カメラ一体型VTR、携帯電話、ラップトップコンピュータ等、新しいポータブル電子機器が近年次々と出現する中、これら電子機器のさらなる小型軽量化を達成するため、携帯可能なポータブル電源である二次電池に対してもさらなる高エネルギー密度化が要求され、従来より使用されていた前記ニッケルカドミニウム電池や鉛蓄電池では不充分になっている。また、カドミニウムや鉛は地球環境保護の観点からも好ましくなく、実際にカドミニウムや鉛の使用を法規制し始めている国もあることから、これらに代わる材料を用いた二次電池の開発が望まれている。
【0003】
このような二次電池として、近年、負極に炭素を使用し、正極にリチウム・コバルト複合酸化物などのリチウム複合酸化物を使用した電池が開発され、リチウムイオン電池として急速に普及している。
【0004】
この電池に使用される炭素材料としては、黒鉛材料、非黒鉛材料と呼ばれるものに大別される。
【0005】
上記炭素材料のうち、非黒鉛材料を使用したリチウムイオン電池はサイクル特性に優れるなどの利点を有している。
このようなリチウムイオン電池には、正極と負極との間のリチウムイオンのやりとりを行うために、電解液が用いられている。リチウムイオン電池は、電極の電位が高く、水を溶媒とする電解液では電気分解してしまうため、通常、非水溶媒と電解質とからなる非水電解液が使用されている。
【0006】
このような非水電解液としては、一般に高誘電率の炭酸プロピレンと、低粘度の炭酸ジエチルとの混合溶媒に、LiPF6、LiBF4、LiClO4などのLi金属塩を溶解したものが用いられている。
【0007】
ところで、このようなリチウムイオン電池は、小型で軽量であり、サイクル特性にも優れているため、カメラ一体型VTR、携帯電話、ラップトップ型コンピューターなどの携帯用電子機器に搭載され、需要を伸ばしている。しかしながら、これらの機器の機能が高度化するのにともない、消費電力が大きくなり、さらには長時間の使用が望まれ続けているため、より高容量で放電特性に優れたものが求められている。
【0008】
リチウムイオン電池の放電特性を非水電解液の種類によって向上させる試みとしては、従来使用されていた炭酸ジエチルを炭酸ジメチルにしたり(特開平5−217602号公報参照)、従来使用していた炭酸プロピレン、炭酸ジエチルの一部を炭酸エチレン、炭酸ジメチルでそれぞれ置き換えたり(特開平6−84543号公報参照)して、電導度を向上させた電解液が提案されている。
【0009】
また、上記のような携帯用電子機器は寒冷地で使用される場合も多く、常温での充放電特性に加えて、低温特性の向上も望まれている。しかしながら、前述の炭酸エチレンおよび炭酸ジメチルは、融点が0℃以上であるため、これらの溶媒を含む電解液は、溶媒組成によっては、低温になると溶媒自体が凝固することがあり、電池の充放電特性が低下するなどの問題点があった。
【0010】
そこで、本発明者らは、常温から低温の広い温度範囲で使用しても、充放電特性に優れた非水電解液二次電池について鋭意検討したところ、
非水溶媒として、炭酸エチレンと、炭酸ジメチルと、炭酸メチルエチルとからなり、かつこれらの溶媒が特定の割合で含まれている非水電解液と特定の負極材とからなるリチウムイオン電池が、常温から低温での充放電特性に優れた電池を得ることできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【発明の目的】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、常温から低温での電池充放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】
本発明に係る非水電解液二次電池は、
リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料を負極活物質とする負極と、リチウムと遷移金属との複合酸化物を正極活物質とする正極と、非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とからなり、
[A]負極活物質が、
(i)(002)面の面間隔:0.37nm以上、
(ii) 真密度:1.7g/cm3以下、
(iii)空気気流中における示差熱分析によって観測される酸化発熱ピークが
700℃以下である炭素材料であり、
[B]非水溶媒が、炭酸エチレンと、炭酸ジメチルと、炭酸メチルエチルとを含む混合溶媒であって、
炭酸エチレンの容積分率をX、炭酸ジメチルの容積分率をY、炭酸メチルエチルの容積分率をZとし、X+Y+Z=1としたときに、
0.30−X≦0.35Z≦0.40−X
0.20≦X<0.40, 0<Y,Z
で表される溶媒組成を有することを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る非水電解液二次電池について具体的に説明する。
[非水電解液]
まず本発明で使用する非水電解液について説明する。
【0014】
本発明に係る非水電解液は、炭酸エチレン(EC)と、炭酸ジメチル(DMC)と、炭酸メチルエチル(MEC)とが特定の割合で混合された非水溶媒と、電解質とからなる。
【0015】
非水溶媒
まず本発明で使用する非水溶媒について説明する。
本発明で使用される非水溶媒は、炭酸エチレン(EC)と、炭酸ジメチル(DMC)と、炭酸メチルエチル(MEC)とを含む混合溶媒である。
【0016】
このような非水溶媒は、炭酸エチレンの容積分率をX、炭酸ジメチルの容積分率をY、炭酸メチルエチルの容積分率をZとし、X+Y+Z=1としたときに、
0.30−X≦0.35Z≦0.40−X
0.20≦X<0.40, 0<Y,Z
で表される溶媒組成を有している。
【0017】
このような組成の非水溶媒は、後述する特定の構造を有する炭素材料からなる負極を使用した非水電解液二次電池において、特に常温での放電特性を向上することができる。また、このような組成の非水溶媒は凝固点が低く、さらにこのような非水溶媒を用いた非水電解液は、低温でのイオン伝導性が高いため、低温での充放電特性に優れた非水電解液二次電池を作製することができる。
【0018】
本発明では、上記の溶媒以外の溶媒も、本発明の範囲をはずれず、効果を失わない範囲で、適宜添加してもよい。このような溶媒として、具体的には、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、トルエン、キシレンなどの炭化水素、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル類、
蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、安息香酸メチル、炭酸プロピレン、炭酸メチルプロピル、炭酸ジエチルなどのエステル類、
N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルメチルカーバメート、N-メチルオキサゾリジノンなどのアミド類、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどのリン含有化合物、
ジメチルスルホキシド、スルホラン、亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチルなどの硫黄含有化合物、
トリフルオロ酢酸エチル、炭酸2,2,2-トリフルオロエチルメチル、メチルペンタフルオロプロピルエーテルなどの上記化合物の一部または全ての水素がフッ素に置換された化合物などが挙げられる。
【0019】
本発明のような組成の非水溶媒を用いて非水電解液を調製すると、後述する特定の構造を有する炭素材料からなる負極を使用した非水電解液二次電池において、特に常温での放電特性を向上させることができる。また、このような溶媒組成の非水電解液は、凝固点が低く、低温でのイオン導電性が高いため、低温での充放電特性に優れた非水電解液二次電池を作製することができる。
【0020】
電解質
本発明で使用される電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されているものが挙げられる。
【0021】
具体的には、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiOSO2CF3、LiN(SO2CF3)2、LiN(CF3CF2SO2)2、LiC(CF3SO2)3などが挙げられる。これらは、単独または混合して用いることができる。
【0022】
これらのうち、特に、LiPF6、LiBF4が好ましい。
このような電解質は、非水電解液中に、通常、0.1〜3.0モル/リットル、より好ましくは0.5〜2.0モル/リットルの濃度で含まれていることが望ましい。
【0023】
[負極活物質]
次に本発明で使用する負極活物質について説明する。
本発明で使用する負極活物質は、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料であり、以下(i)〜(iii)の特性を有する炭素材料である。
【0024】
(i)(002)面の面間隔が0.37nm以上、
(ii) 真密度が1.7g/cm3以下、
(iii)空気気流中における示差熱分析によって観測される酸化発熱ピークが 700℃以下にある。
【0025】
このような特性を示す炭素材料は、電池の負極材料として、非常に良好な特性を示す。
このような炭素材料としては、黒鉛材料であっても、非黒鉛材料であってもよいが、特に、非黒鉛材料が好ましい。
【0026】
さらに望ましくは、3000℃程度で熱処理されても黒鉛化しない炭素材料、すなわち難黒鉛化炭素が好適である。
このような難黒鉛化炭素材料を生成するための出発原料としては、フルフリルアルコールあるいはフルフラールのホモポリマー、コポリマーからなるフラン樹脂が好適である。
【0027】
また、この他の出発原料としては、特定の水素原子と炭素原子との比(H/C原子比)を有する石油ピッチに酸素を含む官能基を導入(いわゆる酸素架橋)した有機材料も前記フラン樹脂と同様、炭素化したときに優れた特性の炭素材料となることから使用することが可能である。
【0028】
石油ピッチは、コールタール、エチレンボトム油、原油などの高温熱分解で得られるタール類、アスファルトなどの蒸留(たとえば真空蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によって得られる。難黒鉛化炭素とするには、石油ピッチはH/C原子比を0.6〜0.8とする必要がある。
【0029】
これらの石油ピッチに酸素を含む官能基を導入する具体的手段は限定されないが、たとえば硝酸、混酸、硫酸、次亜塩素酸などの水溶液による湿式法、あるいは酸化性ガス(空気、酸素)に乾式法、さらに硫酸、硝酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄などの固体試薬による反応などが用いられる。たとえば、上記手法により石油ピッチに酸素を含む官能基を導入した場合、炭素化の過程(約400℃)で溶融することなく固相状態で最終の炭素材料が得られ、それは難黒鉛化炭素の生成過程に類似する。
【0030】
前記の手法により、酸素を含む官能基を導入した石油ピッチを炭素化して負極材とするが、炭素化の際の条件は何ら限定されるものではなく、(002)面の面間隔が0.37nm以上、真密度1.70g/cc以下、示差熱分析(DTA)で700℃以上には酸化発熱ピークを有しないという特性を満足する炭素材料が得られるような炭素化条件に設定すれば、単位重量あたりのリチウムドープ量の大きな負極材が得られる。たとえば、石油ピッチを酸素架橋した前駆体の酸素含有量が10重量%以上となるように条件設定することで、生成される炭素材料の(002)面間隔を0.37nm以上とすることができる。したがって、前記前駆体の酸素含有量は10重量%以上とすることが好ましく、実用的には10〜20重量%の範囲にあることが望ましい。
【0031】
なお、前記酸素架橋を行う有機材料としては、H/C原子比が、0.6〜0.8の範囲にあればよく、以下の出発原料をピッチ化等の前熱処理することにより得られたものが使用可能である。
【0032】
このような出発原料としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、共役系樹脂、セルロースおよびその誘導体などの有機高分子系化合物、
ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセンなどの縮合多環炭化水素化合物およびこれらの誘導体(たとえば、これらのカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミドなど)、前記各化合物の混合物を主成分とする各種ピッチ、アセナフチレン、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントリジンなどの縮合複素環化合物およびその誘導体である。
【0033】
以上の原料有機材料を用いて炭素材料を得る場合には、たとえば窒素気流中、300〜700℃で炭化したのち、昇温速度毎分1〜20℃、到達温度900〜1300℃、到達温度での保持時間0〜5時間程度の条件で焼成すればよい。このとき炭化操作を省略してもよい。
【0034】
このような炭素材料は、粉砕・分級することで負極材料に供されるが、この粉砕は炭化、か焼、高温熱処理の前後あるいは昇温過程の間のいずれで行ってもよい。
【0035】
さらには、前記難黒鉛化炭素材料の前駆体を炭素化する際に、リン化合物を添加してもよい。リン化合物を前駆体に添加すると、リチウムドープ量の大きな化合物が得られる。
【0036】
添加するリン化合物としては、リン酸、五酸化リンなどのリン酸化物、オルトリン酸などのオキソ酸およびその塩などが挙げられる。このうち、取扱やすさの点で、リン酸化物およびリン酸が好適である。リン化合物の添加量は、原料の有機材料または炭素材料に対して、リン換算で、0.2〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%、また負極材料中に残存するリンの割合は、0.2〜9.0重量%、好ましくは0.3〜5重量である。
【0037】
このようにリン化合物を炭素材料の前駆体に添加して得られた化合物は、炭素、酸素、リンを主成分とするもの(以後C−P−O化合物という)であり、リンの存在状態としては、31P核−固体NMRスペクトルにおいて、オルトリン酸(0ppm)基準で、±100ppmの範囲にピークを有し、かつX線光電子分光法測定において、炭素原子1sスペクトルの炭素と炭素との結合エネルギーを234.6eVとしたときに、リン原子2p軌道スペクトルが135.0eV以下にピークを有するものが良好な特性を示す。
【0038】
リン化合物の添加時期は、既に炭素材料となっているものに添加しても、C−P−O化合物を形成することはできるが、残存するリンの量が少なくなり、結果として、リチウムドープ量は増えないので、前駆体にリン化合物を添加することが好ましい。
【0039】
このようなC−P−O化合物は、通常、焼成したのち分級して、負極材料として使用されるが、粉砕は、焼成の前後に行っても、あるいは昇温過程の間のいずれで行ってもよい。
【0040】
非水電解液二次電池
本発明に係る非水電解液二次電池は、
負極活物質として前記のリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料を含む負極と、
正極活物質としてリチウムと遷移金属の複合酸化物を含む正極と、
前記の非水電解液とを有することを特徴としている。
【0041】
このような非水電解液二次電池は、たとえば円筒型非水電解液二次電池に適用できる。円筒型非水電解液二次電池は、図1に示すように負極集電体9に負極活物質を塗布してなる負極1と、正極集電体10に正極活物質を塗布してなる正極2とを、非水電解液を注入されたセパレータ3を介して巻回し、巻回体の上下に絶縁板4を載置した状態で電池缶5に収納してなるものである。電池缶5には、電池蓋7がガスケット6を介してかしめることにより取り付けられ、それぞれ負極リード11および正極リード12を介して負極1あるいは正極2と電気的に接続され、電池の負極あるいは正極として機能するように構成されている。なおセパレータは多孔性の膜である。
【0042】
この電池では、正極リード12は、電流遮断用薄板8を介して電池蓋7との電気的接続が図られていてもよい。このような電池では、電池内部の圧力が上昇すると、電流遮断用薄板8が押し上げられ変形し、正極リード12が上記薄板8と溶接された部分を残して切断され、電流が遮断される。
【0043】
また正極2を構成する正極活物質としては、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiNixCo(1-x)O2等のリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、あるいはポリアニリンジスルフィド化合物などの導電性高分子などを用いることができる。
【0044】
なお本発明に係る非水電解液二次電池は、以上説明した非水電解液と負極材とを含むものであり、電池の形状および形態等は前記図1に限定されず、図2に示すコイン型、あるいは角型などであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明では、特定の構造の炭素材料からなる負極、および特定の溶媒組成の非水電解液を使用しているので、低温下であっても、電解液が凝固したり、電解質が析出することなく、イオン伝導性に優れ、低温であっても優れた充放電特性を示す非水電解液二次電池を得ることができる。また、常温におけるイオン伝導性が高いので、常温でも優れた充放電特性を有する非水電解液二次電池を得ることができる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0047】
【実施例1】
炭酸エチレン(EC)と炭酸ジメチル(DMC)と炭酸エチルメチル(MEC)とを、EC:DMC:MEC=0.28:0.52:0.20(体積比)となるように混合した非水溶媒に、LiPF6を1mol/リットルになるように溶解して非水電解液を調製した。
【0048】
得られた非水電解液について、20℃、10℃、5℃、0℃、-5℃、-10℃、-15℃、-20℃におけるイオン伝導度を測定した。
結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【実施例2〜4、比較例1〜3】
炭酸エチレン(EC)と炭酸ジメチル(DMC)と炭酸エチルメチル(MEC)とを、表2の体積比となるように混合し、LiPF6を1mol/リットルになるように溶解して非水電解液を調製した。
【0051】
この非水電解液を用いて、図2に示すコイン型リチウムイオン二次電池を作成し、常温および低温での充放電特性を評価した。
<コイン型リチウムイオン二次電池の作製>
負極活物質の作製
上記記載のように、石油ピッチに酸素を含む官能基を10〜20重量%の量で導入し、酸素架橋させ、次いで、不活性ガス気流中で炭素化し、炭素前駆体を調製する。次いで、この炭素前駆体を例えば1200℃程度の温度で焼成し、ガラス状炭素に近い性質の炭素材料を調製した。
【0052】
次いで、このようにして得られた炭素材料の粉末90重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部とを混合し、溶剤のN-メチルピロリドンに分散させ、負極合剤スラリー(ペースト状)を調製した。
【0053】
この負極合剤スラリーを厚さ10μmの帯状銅箔製の負極集合体に塗布し、乾燥させた後、圧縮成形し、これを直径16mmに打ち抜いて、コイン状の負極13を得た。
【0054】
正極の作製
正極14は、以下のようにして作製した。
すなわち、炭酸リチウム1モルに対して炭酸コバルト2倍モル量で混合し、90℃の空気中で5時間焼成し、LiCoO2を得、次いで50%累積粒径が15μm程度に微粉砕した。
【0055】
次いで、該LiCoO2微粒子95重量部と炭酸リチウム5重量部との混合物91重量部と、導電材のグラファイト6重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン3重量部とを混合して正極合剤を調製し、N−メチルピロリドンに分散させることにより、正極合剤スラリーが得られた。
【0056】
このスラリーを厚さ20μmの帯状アルミニウム箔製正極集電体の両面に塗布し、乾燥させ、圧縮成形して、直径15mmに打ち抜いて、コイン状の正極14を得た。
【0057】
電池の作製
このようにして得られたコイン状負極13、コイン状正極14およびセパレーター15を、負極、セパレーター、正極の順に重ね、コイン型電池中に収納した。
【0058】
前記非水電解液をセパレーター中に浸漬させた後、この正極14上にスペーサー18、さらバネ19をのせ、ガスケット16を介して電池蓋17をしめ、かしめることにより、コイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
<充放電特性の評価>
上記作製したコイン型リチウムイオン二次電池を用いて、以下のように充放電特性を評価した。
【0059】
電池の充電
4mAの定電流で、電池の電圧が4.2Vになるまで充電を行い、次いで4.2Vに保持して行った。このときの全充電時間は150分とした。なお、電池の充電は25℃に保った雰囲気下で行った。
【0060】
常温での放電
前記充電したリチウムイオン電池を、25℃に保ち、8mAの放電電流で、電池電圧が2.5Vになるまで放電し、このときの放電容量を測定した。
【0061】
低温での放電
前記充電したリチウムイオン電池を、−20℃まで冷却し、次いで4mAの放電電流で、電池電圧が2.5Vになるまで放電し、このときの放電容量を測定した。
【0062】
結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非水電解液二次電池の一実施例を示す円筒型電池の概略断面図である。
【図2】 本発明の非水電解液二次電池の一実施例を示すコイン型電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1,13・・・・負極
2,14・・・・正極
3,15・・・・セパレータ
4・・・・絶縁板
5・・・・電池缶
6,16・・・・ガスケット
7,17・・・・電池蓋
8・・・・電流遮断用薄板
9・・・・負極集電体
10・・・・正極集電体
11・・・・負極リード
12・・・・正極リード
18・・・・スペーサー
19・・・・さらバネ
Claims (1)
- リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料を負極活物質とする負極と、リチウムと遷移金属との複合酸化物を正極活物質とする正極と、非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とからなり、
[A]負極活物質が、
(i)(002)面の面間隔:0.37nm以上、
(ii) 真密度:1.7g/cm3以下、
(iii)空気気流中における示差熱分析によって観測される酸化発熱ピークが
700℃以下である炭素材料であり、
[B]非水溶媒が、炭酸エチレンと、炭酸ジメチルと、炭酸メチルエチルとを含む混合溶媒であって、
炭酸エチレンの容積分率をX、炭酸ジメチルの容積分率をY、炭酸メチルエチルの容積分率をZとし、X+Y+Z=1としたときに、
0.30−X≦0.35Z≦0.40−X
0.20≦X<0.40, 0<Y,Z
で表される溶媒組成を有することを特徴とする非水電解液二次電池。
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