JP4194879B2 - 間接加熱型ハースライナー及びそれを用いた真空蒸着装置 - Google Patents

間接加熱型ハースライナー及びそれを用いた真空蒸着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子銃で蒸発材料を加熱する際の加熱方式を改良した間接加熱型ハースライナー及びそれを用いた真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空蒸着では、蒸発材料を蒸発させる方法として、主に抵抗加熱法(間接加熱)と、電子銃の電子を蒸発材料に照射させ直接加熱する方法とが用いられている。しかし、最近の真空蒸着に用いられる装置の構成は、製作費及び構造上の制約から電子銃のみを有する装置が主流になっている。この真空蒸着装置を図3に示す。図中の1は皿状に形成されたハースライナーである。ハースライナーは、坩堝の清掃を簡易にすることと、蒸発材料の突沸防止のために用いられる。このハースライナー1内に蒸発材料4が収納される。5は電子6を発生させる電子銃である。この電子銃5で電子6を発生させて、ハースライナー1内の蒸発材料4に照射し、蒸発させる。これにより、飛散する材料7を基盤ドーム8の蒸着対象物である基盤9に蒸着させる。
【0003】
【特許文献1】
特開平04−236773号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、種々の蒸発材料4、例えばMgF2を用いた場合、蒸着条件として電子銃5の加速電圧−6Kvで電子6を直接、蒸発材料4に照射する際及び蒸発材料4の蒸発直後にMgF2内のフッ素(F2)が解離し、基板ドーム8にセットされた基板9に堆積した膜の光学特性(透過率)及び機械的強度が低下する。また、蒸発材表面での電子の帯電現象により蒸発材料4が大きな塊となって飛び散り、それが基板9の表面に付着し、基板に堆積した蒸着膜の膜質低下・製品不良の要因となる。
【0005】
この発明の目的は、蒸発材料4の帯電現象等による飛散防止を始めとした従来の問題を解決するための改良を施した間接加熱型ハースライナー及びそれを用いた真空蒸着装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、第1の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、電子銃を用いて蒸発材料を加熱する真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、上記蒸発材料を収納する材料収納部と、上記電子銃から発生する電子を受けて発熱して上記材料収納部に収納された上記蒸発材料を加熱する加熱部とを備えて構成され、上記材料収納部に収納された蒸発材料を、上記加熱部を介して間接的に加熱して蒸発させることを特徴とする。
【0007】
上記構成により、電子銃から発生する電子を加熱部に照射してこの加熱部を直接的に加熱する。そして、発熱した加熱部を介して材料収納部を間接的に加熱し、内部の蒸発材料を溶融させて蒸発させる。
【0008】
第2の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第1の発明に係る間接加熱型ハースライナーにおいて、上記加熱部が、電子銃から発生する電子が照射される加熱面を備えて構成されたことを特徴とする。
【0009】
上記構成により、電子銃から発生する電子が、加熱面に照射されて加熱部を効率的に加熱する。
【0010】
第3の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第2の発明に係る間接加熱型ハースライナーにおいて、上記加熱面が溝状に形成されたことを特徴とする。
【0011】
上記構成により、電子銃から発生する電子は、溝状の加熱面に照射される。このとき、溝状の加熱面は、電子を取り込んで溝の内壁で吸収して、外に極力逃がさないようにする。これにより、加熱部を効率的に加熱することができると共に、反跳電子の発生を最小限に止める。
【0012】
第4の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第2の発明に係る間接加熱型ハースライナーにおいて、上記加熱面が、断面V字状のV字溝によって構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、V字溝は、電子を取り込んで溝の内壁で吸収して、外に極力逃がさないようにする。これにより、加熱部を効率的に加熱することができると共に、反跳電子の発生を最小限に止める。
【0014】
第5の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第2ないし第4の発明のいずれかに係る間接加熱型ハースライナーにおいて、上記材料収納部の内壁のうち上記加熱部に面する内壁を当該加熱部の形状に合わせたことを特徴とする。
【0015】
上記構成により、加熱部が電子銃から発生する電子を取り込んで発熱すると、加熱部の形状に合わせた材料収納部の内壁に効率的に熱が伝わって、蒸発材料を効率的に加熱することができる。
【0016】
第6の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第1ないし第5の発明のいずれかに係る間接加熱型ハースライナーにおいて、収納される坩堝と接触する外周に、全体を支持する足部を設けたことを特徴とする。
【0017】
上記構成により、間接加熱型ハースライナーは、坩堝に収納された状態で、坩堝の内面と足部のみで接触し、接触面積を最小限に抑えている。これにより、電子銃からの電子によってハースライナーが加熱される際に、ハースライナーから坩堝側に伝わる熱量を最小限に抑えている。これにより、ハースライナーを短時間で効率的に加熱して、蒸発材料を短時間で効率的に溶融、蒸発させることができる。
【0018】
第7の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第1ないし第6の発明のいずれかに係る間接加熱型ハースライナーにおいて、上記蒸発材料の融点よりも高い高融点材料で構成されたことを特徴とする。
【0019】
上記構成により、蒸発材料を溶融させる際に、ハースライナーが溶けることがなくなる。
【0020】
第8の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第1ないし第7の発明のいずれかに係る間接加熱型ハースライナーにおいて、ほぼ扇状に形成されて上記材料収納部及び加熱部を上側面に備えると共に、複数個を互いに当接して並べることで環状に連なることを特徴とする。
【0021】
上記構成により、ほぼ扇状のハースライナーを1つだけ真空室にセットしてもよく、必要に応じて、環状に並べてもよい。
【0022】
第9の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第1ないし第8の発明のいずれかに係る間接加熱型ハースライナーにおいて、上記加熱部が、上記材料収納部と反対側へ傾斜して形成されたことを特徴とする。
【0023】
上記構成により、電子銃からの電子が加熱部に照射されると、加熱部の傾斜によって、反跳電子が材料収納部と反対側へ飛散して、材料収納部内の蒸発材料に悪影響を及ぼすことがなくなる。さらに、反跳電子が蒸着対象物に当たらないように、加熱部の傾斜角度を調整する。
【0024】
第10の発明に係る間接加熱型ハースライナーは、第1ないし第9の発明のいずれかに係る間接加熱型ハースライナーにおいて、上記加熱部と上記材料収納部との間に、電子銃からの電子を遮る遮蔽部材を設けたことを特徴とする。
【0025】
上記構成により、電子銃からの電子が加熱部に照射されてハースライナーを直接的に加熱する際に、遮蔽部材が反跳電子の材料収納部側への飛散を防止する。
【0026】
第11の発明に係る真空蒸着装置は、真空中で蒸発材料を加熱するための電子を発生させる電子銃と、蒸発させて対象物に蒸着する蒸発材料を収納するハースライナーとを備え、上記ハースライナーとして、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の間接加熱型ハースライナーを用いたことを特徴とする。
【0027】
上記構成により、真空蒸着装置に、第1ないし第10の発明のいずれかに記載の間接加熱型ハースライナーを用いることで、ハースライナーを短時間で効率的に加熱して、蒸発材料を短時間で効率的に溶融、蒸発させることができる。
【0028】
第12の発明に係る真空蒸着装置は、第11の発明に係る真空蒸着装置において、上記間接加熱型ハースライナーの加熱部が、当該加熱部に照射された電子の反跳電子が真空室の内壁側に向けて飛散するように配設されたことを特徴とする。
【0029】
上記構成により、加熱部に照射された電子の反跳電子が真空室の内壁側に飛散するため、反跳電子が、間接加熱型ハースライナーに収納された蒸発材料や、加熱して蒸発された蒸発材料や、蒸着対象物に当たって悪影響を及ぼすのを防止する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0031】
本実施形態に係る真空蒸着装置11の全体構成は図1に示すようになっている。即ち、真空蒸着装置11は主に、電子銃12と、電子流調整部(図示せず)と、坩堝(図示せず)と、間接加熱型ハースライナー13と、基板ドーム14と、基板15と、真空室(図示せず)と、真空装置(図示せず)とから構成されている。
【0032】
電子銃12は、真空中で蒸発材料17を加熱するための電子を発生させる装置である。この電子銃12は主に、熱陰極、収束コイル、偏向コイル、電源等(いずれも図示せず)を備えて構成されている。
【0033】
電子流調整部は、電子銃12から発生する電子を後述する間接加熱型ハースライナー13の加熱面21に誘導するための装置である。この電子流調整部によって、電子銃12からの電子流の方向を調整して加熱面21に誘導する。
【0034】
坩堝は、間接加熱型ハースライナー13を収納して支持するための容器である。坩堝は、銅等の導電性に優れた材料で構成されている。この坩堝には水冷装置(図示せず)が設けられ、高温になる間接加熱型ハースライナー13の熱によって坩堝自体が溶けないように冷却される。坩堝には、間接加熱型ハースライナー13を収納するための窪み部(図示せず)が設けられ、この窪み部に間接加熱型ハースライナー13が収納される。
【0035】
間接加熱型ハースライナー13は、蒸発材料17を収納し、溶融、蒸発させて対象物に蒸着させるための容器である。この間接加熱型ハースライナー13は、坩堝の清掃を簡易にすることと、蒸発材料17の突沸防止のために用いられる。間接加熱型ハースライナー13は、その平面形状をほぼ楕円状に形成されると共に、坩堝の窪み部の内側の形状に合わせて形成されている。間接加熱型ハースライナー13は、蒸発材料17の融点よりも高い高融点材料(W、Mo、Ta、BN等)で構成されている。これは、間接加熱型ハースライナー13が電子で高温に加熱されて内部の蒸発材料17を溶融させる際に、間接加熱型ハースライナー13自身が溶けるのを防止するためである。この間接加熱型ハースライナー13は、材料収納部18と、加熱部19と、足部20とから構成されている。
【0036】
材料収納部18は、蒸発材料17を収納する部分である。材料収納部18は、その平面形状がほぼ半円状に形成されている。即ち、材料収納部18の内壁のうち後述する加熱部19の加熱面21に面する内壁部分が、加熱面21の形状に合わせて平坦面状に形成されている。これは、電子銃12で加熱された加熱部19の熱が、材料収納部18の内壁に効率的に伝わって、蒸発材料17を効率的に加熱することができるようにするためである。
【0037】
加熱部19は、電子銃12から発生する電子を受けて発熱して材料収納部18を加熱するための部分である。加熱部19は、材料収納部18に隣接して設けられ、材料収納部18に収納された蒸発材料17を加熱して溶融、蒸発させる。加熱部19の上側には、電子銃12から発生する電子が照射される加熱面21が形成されている。この加熱面21は、断面V字状のV字溝によって構成されている。このV字溝の加熱面21によって、照射された電子を取り込んで溝の内壁で吸収して、外に極力逃がさないようにして、加熱部19を効率的に加熱させるようになっている。
【0038】
足部20は、坩堝に間接加熱型ハースライナー13が収納されるときに、坩堝との接触面積を最小限に抑えるための部材である。この足部20は、接触面積調整ピン22と、接触面積調整リング23とから構成されている。接触面積調整ピン22は、断面円形の細い棒状に形成され、間接加熱型ハースライナー13の外周壁に設けられている。接触面積調整リング23は、円環状に形成されて、間接加熱型ハースライナー13の底面に設けられている。これにより、間接加熱型ハースライナー13が坩堝の窪み部に収納された状態で、間接加熱型ハースライナー13と窪み部とが、接触面積調整ピン22と接触面積調整リング23とで接触して、接触面積を最小限に抑えている。これは、電子銃12からの電子によって間接加熱型ハースライナー13が加熱される際に、間接加熱型ハースライナー13から坩堝側に伝わる熱量を最小限に抑えて、間接加熱型ハースライナー13を短時間で効率的に加熱し、蒸発材料17を短時間で効率的に溶融、蒸発させるためである。
【0039】
基板ドーム14は、蒸着対象物である基板15を取り付けて支持して回転させるための部材である。真空室は、真空蒸着を行うための作業室である。真空装置は真空室を真空にするための装置である。
【0040】
[動作]
以上の構成された真空蒸着装置11は、次のようにして真空蒸着を行う。
【0041】
まず、基板15が基板ドーム14に取り付けられて、真空室に入れられる。さらに、間接加熱型ハースライナー13に蒸発材料17が入れられ、この間接加熱型ハースライナー13が坩堝に収納されて、真空室に装着される。
【0042】
この状態で、真空室を真空装置で真空引きして真空状態にする。次いで、電子銃12で電子16を発生させ、電子流調整部で電子16の流れを調整して、間接加熱型ハースライナー13の加熱部19に照射させる。これにより、加熱部19の加熱面21で電子16を効率的に受けて吸収し、加熱部19自身が高温になっていく。
【0043】
このとき、間接加熱型ハースライナー13は、足部20の接触面積調整ピン22及び接触面積調整リング23だけで坩堝に接触しているため、坩堝に熱が逃げることなく、加熱部19が短時間で高温に加熱されていく。
【0044】
そして、高温になった加熱部19は、その熱を、間接加熱型ハースライナー13全体に伝えて全体を加熱すると共に、材料収納部18の平面形状の内壁から蒸発材料17に直接に伝達して蒸発材料17を高温に加熱する。これにより、蒸発材料17は、材料収納部18の全体、特に平面形状の内壁からの熱により効率的に加熱されて、短時間で溶融し、蒸発を始める。
【0045】
蒸発した蒸発材料17は、基板ドーム14の基板15の表面に飛散して蒸着される。
【0046】
[効果]
以上のように、電子銃12からの電子16を受ける加熱部19を間接加熱型ハースライナー13に設けたので、電子を蒸発材料17に直接照射させて加熱せずに、加熱部19を介して間接的に蒸発材料17を加熱することができるようになる。これにより、蒸発材料17が電子銃12からの電子によって帯電されることがなくなり、この電子の帯電現象による蒸着膜の膜質低下、製品不良を解消することができる。
【0047】
さらに、加熱部19の加熱面21を溝状にしたので、電子を取り込んで溝の内壁で吸収して、外に極力逃がさないようにすることができる。これにより、加熱部19を効率的に加熱して作業効率を向上させることができると共に、反跳電子の発生を最小限に止めて膜質の低下等を防止することができる。
【0048】
間接加熱型ハースライナー13は、坩堝に収納された状態で、坩堝の内面と足部20のみで接触して接触面積を最小限に抑えたので、電子銃12からの電子によって間接加熱型ハースライナー13が加熱される際に、坩堝側に伝わる熱量を最小限に抑えることができる。これにより、間接加熱型ハースライナー13を短時間で効率的に加熱して、蒸発材料17を短時間で効率的に溶融、蒸発させることができる。
【0049】
[変形例]
上記実施形態では、加熱部19の加熱面21をV字溝状に形成したが、他の形状の溝状に形成してもよい。例えば、図4に示すように深いV字溝状に形成したり、図5に示すように、深いU字溝状に形成したり、また、浅いU字溝状に形成したりしてもよい。
【0050】
これらの場合も、電子銃12から発生する電子は、溝状の加熱面21で電子を取り込んで溝の内壁で吸収して、外に極力逃がさないようにすることができ、加熱部19を効率的に加熱することができると共に、反跳電子の飛散を防止することができる。
【0051】
上記実施形態では、間接加熱型ハースライナー13を平面楕円形状に形成したが、他の形状のものでもよい。例えば、図6に示すように、ほぼ扇状に形成されて材料収納部18及び加熱部19を上側面に備えてもよい。さらに、これを複数個用い、図7に示すように、互いに当接して並べることで環状に連ねて使用してもよい。この場合、一度に大量の蒸発材料17を使用することができる。また、異なる種類の蒸発材料17を各材料収納部18に入れておき、用途に応じて使い分けることもできる。
【0052】
上記実施形態では、加熱面21をV字溝状に形成したが、図8に示すように、平坦面状にして材料収納部18と反対側へ傾斜させて形成してもよい。これにより、電子銃12からの電子が加熱部19に照射されると、加熱部19の傾斜によって、反跳電子が材料収納部18と反対側へ飛散して、材料収納部18内の蒸発材料17に悪影響を及ぼすことがなくなる。なお、反跳電子が基板ドーム14基板15に当たらないように、加熱部19の傾斜角度を調整することが望ましい。
【0053】
また、図9に示すように、加熱部19の加熱面21を間接加熱型ハースライナー13の側面に形成して、この面に電子を照射させるようにしてもよい。図10に示すように、加熱面21を間接加熱型ハースライナー13の底面に設けて、底面から加熱するようにしてもよい。これらの場合も、上記同様の作用、効果を奏することができる。
【0054】
上記実施形態では、加熱部19と材料収納部18との間には何も設けなかったが、図11に示すように、電子銃12からの電子を遮る遮蔽部材25を設けてもよい。この遮蔽部材25により、電子銃12からの電子が加熱部19に照射されて間接加熱型ハースライナー13を直接的に加熱する際に反跳電子が発生しても、遮蔽部材25が反跳電子の材料収納部18側への飛散を防止して、蒸発材料17に電子が直接に当たるのを防止することができる。
【0055】
さらに、間接加熱型ハースライナー13は、その加熱部19に照射された電子の反跳電子が真空室の内壁側に向けて飛散するように配設することが望ましい。このとき、加熱部19に照射さる電子が、蒸発した蒸発材料17に当たらないように注意する。
【0056】
これにより、反跳電子は、真空室の内壁側に飛散するため、反跳電子が、間接加熱型ハースライナーに収納された蒸発材料17や、加熱して蒸発された蒸発材料17や、蒸着対象物である基板15に当たって悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上、詳述したように、この発明の間接加熱型ハースライナー及びそれを用いた真空蒸着装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0058】
電子銃からの電子受ける加熱部を間接加熱型ハースライナーに設けたので、蒸発材料を間接的に加熱することができるようになる。これにより、蒸発材料が電子銃からの電子によって帯電されることがなくなり、この電子の帯電現象による蒸着膜の膜質低下、製品不良を解消することができる。
【0059】
さらに、加熱部の加熱面をV字状等の溝状にしたので、電子を効率的に取り込んで、反跳電子の発生を最小限に抑えることができる。これにより、間接加熱型ハースライナーを効率的に加熱して作業効率を向上させることができると共に、反跳電子の発生を最小限に止めて膜質の低下等を防止することができる。
【0060】
また、間接加熱型ハースライナーは、坩堝の内面と足部のみで接触するようにしたので、間接加熱型ハースライナーが加熱される際に、坩堝側に伝わる熱量を最小限に抑えることができ、間接加熱型ハースライナーを短時間で効率的に加熱して、蒸発材料を短時間で効率的に溶融、蒸発させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る真空蒸着装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーをその底面から示す斜視図である。
【図3】従来の真空蒸着装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第1変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第2変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第3変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第3変形例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第4変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第5変形例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第6変形例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る間接加熱型ハースライナーの第7変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11:真空蒸着装置、12:電子銃、13:間接加熱型ハースライナー、14:基板ドーム、15:基板、17:蒸発材料、18:材料収納部、19:加熱部、20:足部、21:加熱面、22:接触面積調整ピン、23:接触面積調整リング、25:遮蔽部材。

Claims (12)

  1. 電子銃を用いて蒸発材料を加熱する真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記蒸発材料を収納する材料収納部と、上記電子銃から発生する電子を受けて発熱して上記材料収納部に収納された上記蒸発材料を加熱する加熱部とを備えて構成され、
    上記材料収納部に収納された蒸発材料を、上記加熱部を介して間接的に加熱して蒸発させることを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  2. 請求項1に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記加熱部が、電子銃から発生する電子が照射される加熱面を備えて構成されたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  3. 請求項2に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記加熱面が溝状に形成されたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  4. 請求項2に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記加熱面が、断面V字状のV字溝によって構成されたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記材料収納部の内壁のうち上記加熱部に面する内壁を当該加熱部の形状に合わせたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    収納される坩堝と接触する外周に、全体を支持する足部を設けたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記蒸発材料の融点よりも高い高融点材料で構成されたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    ほぼ扇状に形成されて上記材料収納部及び加熱部を上側面に備えると共に、複数個を互いに当接して並べることで環状に連なることを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記加熱部が、上記材料収納部と反対側へ傾斜して形成されたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナーにおいて、
    上記加熱部と上記材料収納部との間に、電子銃からの電子を遮る遮蔽部材を設けたことを特徴とする真空蒸着装置の間接加熱型ハースライナー。
  11. 真空中で蒸発材料を加熱するための電子を発生させる電子銃と、
    蒸発させて対象物に蒸着する蒸発材料を収納するハースライナーとを備え、
    上記ハースライナーとして、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の間接加熱型ハースライナーを用いたことを特徴とする真空蒸着装置。
  12. 請求項11に記載の真空蒸着装置において、
    上記間接加熱型ハースライナーの加熱部が、当該加熱部に照射された電子の反跳電子が真空室の内壁側に向けて飛散するように配設されたことを特徴とする真空蒸着装置。
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