JP4194421B2 - コンポスト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥を効率的にコンポスト化するコンポスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術では、乾燥槽と発酵槽が個別に設置されており、コンベア等により連結されていたので、必要スペースが大きくなり、発酵槽及び乾燥槽のそれぞれにエネルギーの無駄があった。また、発酵槽での蒸発水分は脱臭系統や換気系統にて系外に出す以外、方法はなかった。低pH汚泥に対するpH調整機構もまったくなかった。
【0003】
さらに、発酵槽は撹拌工程と移送工程が同時に同一機械にて行われるため、撹拌工程の頻度を変えたくても、移送工程での制限によって撹拌回数が限られてしまい、発酵期間内での撹拌回数、及びそれに付随する加水量を任意に変えることができなかった。
【0004】
発酵槽の撹拌に関し、特開平9−285776号公報には、2本の撹拌軸が並列に延びる構成が示されてはいるが、これらの撹拌軸は互いに同じ動きをしており、発酵槽が広いので、単軸では撹拌が不十分であるから、撹拌軸の本数を増やしていた。
【0005】
また、従来の撹拌方式では、接触を回避するため、撹拌パドルの軌道を交差させていなかったので、発酵槽の内容物の破砕が十分ではないという問題があった。
【0006】
また、従来の発酵槽には加水装置がなく、水分が低下すると発酵が停止するため、十分に発酵した製品が得られにくかった。
【0007】
【特許公報1】
特開平9−285776号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、維持管理が容易で、電力量を抑えた省エネ運転が可能なコンポスト装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のコンポスト装置は、投入された汚泥を乾燥処理する乾燥槽と、該乾燥槽の下に配置されると共に、前記乾燥槽と一体に形成され、乾燥汚泥を発酵処理する発酵槽と、前記乾燥槽の湿度を調節する調湿機と、前記乾燥槽と前記発酵槽との間に設けられた分離板と、前記発酵槽内に複数設けられ、汚泥の進行方向に対して直角に配置された撹拌軸および該撹拌軸の回りに設けられた複数の撹拌パドルを備えた撹拌機とからなる
【0011】
あるいは、前記乾燥槽と前記調湿機とが一体である
【0013】
撹拌パドルの軌道の一部が、他と重複するように構成する。
【0014】
前記発酵槽に、加水するノズルを備える。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、説明する。
【0016】
図1は、本発明のコンポスト装置の一実施例を構成図で示した。
【0017】
本発明のコンポスト装置は、乾燥槽(20)と発酵槽(10)と調湿機(30)とからなる。
【0018】
乾燥槽(20)は、投入される汚泥を成型する投入ホッパ(21)と、2段のネットコンベア(22)、(24)と、その間で汚泥を粉砕する成型機ホッパ(23)と、効率よく汚泥を乾燥させる循環ファン(25)とからなる。
【0019】
発酵槽(10)は、複数の撹拌パドル(13)、(14)が撹拌軸(11)、(12)の回りに取り付けられた撹拌機と、汚泥が投下される側と反対側で開口可能な汚泥排出口(15)とからなる。
【0020】
調湿機(30)は、温水タンク(33a)と、冷水タンク(34a)と、チラーユニット(36)と、装置内の空気中の蒸気を凝縮するための熱交換手段(33b)、(34b)と、配管と、送風機(31)と、フィルター(32)と、除湿水量測定器(35)とからなる。なお、チラーユニット(36)は、温水および冷水が安定的に得られるなら、設置しなくても良い。この場合は、温水タンク(33a)および冷水タンク(34a)も必要がない。
【0021】
以上のように、乾燥槽(20)と発酵槽(10)が一体となっており、それに調湿機(30)が太く連通している場合、あるいは乾燥槽(20)と調湿機(30)が一体となっており、それに発酵槽(10)が太く連通している場合、乾燥槽(20)と発酵槽(10)と調湿機(30)が独立しているがそれぞれが太く連通している場合、乾燥槽(20)と発酵槽(10)と調湿機(30)が一体となった場合のコンポスト装置のいずれでもよい。このように一体にすることにより、発酵槽(10)および乾燥槽(20)の温度が失われる面が少なくなると共に、発酵槽(10)の発酵熱により乾燥能力が向上する。また、発酵熱により乾燥槽(20)の循環ファン(25)の運転台数を減らして運転することができ、効率的に除湿することができる。さらに、発酵熱による高温度領域での除湿運転ができるので、省エネルギーとなる。発酵槽(10)と乾燥槽(20)は、縦に重ねて配置されていて、分離板(27)を設ける場合には、その上のダストを適宜、かき落とすダストコンベア(26)が設けられる。なお、空気の移動が少しできて、発酵槽(10)と乾燥槽(20)のある程度の独立が保てるのなら、分離板(27)の形状にはこだわらない。
【0022】
発酵槽(10)と乾燥槽(20)を縦に重ねて設置することで、省スペース化、コンパクト化ができ、さらに、発酵槽(10)からの蒸発水分を調湿機(30)にて除去できる。
【0023】
また、発酵槽(10)から発生するアンモニアガスにより、低pH汚染を乾燥槽(20)でpH調整することが可能となる。
【0024】
本明細書において、太く連通しているとは、それぞれの雰囲気が十分に均一になる程度に状態を保持できることを言う。
【0025】
図2に、撹拌パドルの取付け状態の2例を、平面図で示す。
【0026】
並列する撹拌軸(11)、(12)の撹拌パドル(13)、(14)は、円周方向には90度の間隔になるように、撹拌軸(11)、(12)に取り付けられ、互いに接触せず、かつ軌道の一部が交差するように配置される。さらに、2つの撹拌軸(11)、(12)を1組として、図示した例では3組6つの撹拌軸により、発酵槽(10)を撹拌する。なお、円周方向の間隔は90度と限るものではない。
【0027】
さらに、1組にした2つの撹拌軸(11)、(12)は、他の撹拌軸と独立し、同調して正回転および逆回転を可能とする構造である。従って、撹拌の連続処理、およびバッチ処理のいずれかの運転が可能となる。すなわち、発酵期間内において、撹拌回数、撹拌の向きを、任意に変えることが可能となる。1組にした2つの撹拌軸(11)、(12)で撹拌されるエリアをユニットと呼称する。
【0028】
2つの撹拌軸を1組にして、正回転および逆回転を行うことにより、図6(B)に示したような汚泥(1)の偏りが防止でき、図6(A)に示したように、ユニット内の汚泥(1)を平均化することができる。
【0029】
図1および図2に示したように、発酵槽(10)内の撹拌パドル(13)、(14)の軌道の一部を交差させることで、交差部における剪断効果が得られ、発酵槽(10)の内容物の破砕が行われる。さらに、撹拌パドル(13)、(14)同士や、並列する撹拌軸の撹拌パドルとの衝突防止のため、撹拌パドル(13)、(14)の位置または角度を検知する図示しない装置(エンコーダー)を用いる。
【0030】
また、発酵槽(10)内の各ユニットの撹拌頻度、空気量、加水量、温度を管理し、撹拌条件を設定(活性化して温度が上昇した頂点付近で撹拌)することで、より効率的な運転および発酵条件の維持が可能となる。
【0031】
発酵温度管理は、撹拌機の運転時には、シリンダーにて発酵槽外部に引き出し、かつ、撹拌機が停止すると、内部に差し込む自動温度測定器を設置して行う。これにより、発酵槽(10)のセンサーが破損することなく、温度の自動測定ができる。汚泥(1)による破損防止のため、温度計の直径は8mm以上が望ましい。さらに、温度の変化を感知して、一定になったところで撹拌をするように設定することもできる。なお、撹拌機は、撹拌軸と撹拌パドルと駆動部よりなる。
【0032】
さらに、撹拌パドル(13)、(14)の取付角度を、進行方向から5度傾けることで、発酵槽(10)の幅方向に撹拌する。これにより、混合が良好となり、発酵汚泥の形状が均一化し、発酵温度が均一にでき、発酵槽(10)の場所による発酵むらが防止できる。撹拌パドル(13)、(14)の取付角度を、進行方向から傾ける角度は、0度〜15度でもよく、汚泥の性状により調整することができる。
【0033】
撹拌パドル(13)、(14)の傾きは、図2(A)に示したように、全体に一様であってもよいし、図2(B)に示したように、撹拌パドル(13)、(14)の傾きが半分だけ対称的であってもよい。図2(A)のように構成した場合には、汚泥が、一方方向に移動する。ただし、撹拌軸を正逆のように反転させて回転させることができるので、汚泥が撹拌によって搬送されないようにできる。また、図2(B)のように構成した場合には、汚泥が、中央に向かうように移動したり、外方に向かうように移動する。
【0034】
また、撹拌パドル(13)、(14)の先端形状は、鋤方や、断面形状が二等辺三角形とすることで、「良好な撹拌」、「動力の抑制(省エネ)」、または「強度の確保」などの効果が得られる。
【0035】
空気量に関し、図3に、発酵槽の底部に設けた送気機構を断面図で示した。図4に、送気口を平面図で示した。図5に、送気口の配置を断面図で示した。
【0036】
汚泥に接する面から下がったところに送気口(41)を設けることで、閉塞しにくく、着脱が容易になっており、従って、清掃しやすい形状となっている。また、発酵槽(10)の各部に、適切に送気できているかを簡単に確認できるインジケーター(42)を設置することで、より確実な送気と清掃を可能とした。
【0037】
加水量に関し、従来の発酵槽では、発酵促進のために、自動加水を行っておらず、製品の成分調整の目的で手動で加水していた。今回、発酵促進のために、加水ノズル(図示せず)を備えることで、発酵槽の内容物に、自動で水を加えるように、散水管及び散水ノズルの設置を行い、加水は、発酵槽の撹拌機の運転と連動させた。このことで、発酵槽を、発酵に適切な湿潤状態に保つことができ、乾燥しすぎのための発酵停止を防止することができ、十分に発酵した発酵製品を得ることができる。加水の設定の際、発酵槽からサンプリングした汚泥の含水率および/または有機物含有量を測定して、より適切な加水の設定を行なうことができる。
【0038】
乾燥条件の完全自動制御運転をする場合は、除湿水量の水位または、除湿水量、除湿水量の質量に連動して、加水の制御をすることもできる。
【0039】
乾燥槽(20)から落下する汚泥のサンプリングとしては、図1に示したように、サンプリング用フランジ(28)を設置し、サンプリング器(29)で採取する構造にした。これは、乾燥槽(20)内及び発酵槽(10)内の臭気、粉塵を漏らさずに、サンプリングできる構造である。サンプリング器(29)は鋼板製で、先端が尖った円筒状で、孔の開いた針無し注射器型の筒を挿入し、採取して計測に共した。サンプリング器は、方形でも、作業しやすい形ならどのような形でもよい。同様なサンプリングを発酵槽の堆積物に対しても行うことができる。
【0040】
除湿水量測定器(35)により、除湿水量を把握することで、乾燥槽(20)の除湿水を一定とする自動制御運転も可能となる。さらには、発酵槽(10)の加水量や、送気量を可変として、含水率を一定とする制御運転が可能となる。なお、除湿量測定器(35)は、鹿威(ししおどし)タイプと、電磁弁付きタイプのどちらでも用いることができる。
【0041】
さらに、コンポスト製品を造粒したものを、乾燥汚泥と混合することにより、通気性改善および水分調整を行なうこともできる。発酵初期では、造粒形状を保ち、高水分汚泥の通気性改善に効果的に作用し、発酵後期になると、発酵温度および破砕効果により細分化され、発酵物の温度の確保を容易にする。
【0042】
また、従来は炭化物が脱水汚泥に混合されていたので、練り混ぜられ、空隙がなくなって、良好な発酵に効果がなかった。しかし、炭化物を発酵槽に投入する炭化物添加設備(図示せず)を設けることで、乾燥汚泥と乾燥汚泥の間に十分な間隙ができることで、通気改善となり、さらにpH調整材ともなり、発酵活性を高くする発酵助剤となる。
【0043】
また、温度が高く(50〜90℃)、汚泥中の有機酸濃度(酢酸等)が高く、電気伝導度の高い物質(炭化物)が入っている状況では、撹拌パドルの取付ボルトの腐食が生じる。
【0044】
このような腐食を防止するために、図12に示すように、撹拌軸(11)に、マグネシウムのように、撹拌パドル(13)を取り付けるボルトの材質である鉄よりも、先に溶ける材質を使用した陽極部材(44)を取り付けた。溶けたマグネシウムは、肥料として有用な成分となりうる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)
本発明を、図面を参照して説明する。図1は、本発明のコンポスト装置の一実施例を示す構成図である。
【0046】
(実施条件)
処理脱水汚泥1.65ton/日(含水率75%)と、脱水汚泥有機物量0.7ton/日に、炭化物100kg/日(含水率10%)を添加して、発酵槽(10)の滞留日数30日で行った。切り返し回数は4〜8回/日で、一回の切り返しでの撹拌機の撹拌軸の回転数は、10回転で行った。送気量50L/分・m3、散水量400〜700L/日とした。
【0047】
従来の発酵槽(10)は、流れに従った切り返しなので、発酵槽(10)の滞留日数は60日ほど必要であったが、本実施例では、撹拌軸の2軸が1組となって、流れとは独立して切り返しができるので、効率的な発酵ができて、滞留日数が半分になった。また、従来であれば、滞留日数30日では、有機物分解率が5〜20%であったのに対し、本実施例では、45〜60%と高い分解率となった。
【0048】
また、乾燥槽(20)と発酵槽(10)を一体にし、調湿槽と太く連通したことにより、エネルギーの無駄が少なくなり、装置内温度を高く保つことができるので、発酵が活発になった。さらに、発酵反応に伴い、NH3ガスが多量に発生すると、装置内がNH3ガスで充満され、乾燥槽(20)において、原料汚泥にNH3ガスが付着することでpH調整された。表1に示すように、処理対象とした原料汚泥がpH6以下と低いにも関わらず、装置内のNH3ガス濃度が1,500〜4,000ppmと高濃度であるため、発酵槽投入時点での乾燥汚泥のpHは、7以上に維持することができ、発酵槽(10)の安定した運転ができた。
【0049】
【表1】
Figure 0004194421
【0050】
発酵槽(10)の撹拌方式について、従来の単軸式と、本発明の2軸並列式の比較を実施した。単軸式は装置形状や部品構成が単純であるが、大容量に対する撹拌動力の不足が見られ、図6(B)に示すように、撹拌を行なうと、偏った山形状になり、汚泥量を確保しながら、発酵日数を確保することが難しかった。しかし、図6(A)に示すように、2軸並列式では、大容量に対する撹拌動力が確保でき、2軸毎に山の形状の確保および制御が可能であり、発酵日数を確実に確保できた。発酵汚泥の移送についても、2軸の運転順序や回転方向を調節することによって、支障無く行われることを確認した。
【0051】
従来の単軸式と本発明の2軸並列式のそれぞれをバッチで行い、汚泥内容量の変化に対する撹拌機の電流値の関係を測定した。なお、本実施例では、撹拌パドルの取り付け角度は5度傾けた。
【0052】
図7に測定結果を示す。本実施例のように、2軸並列式とすることにより、効果的かつ省エネルギーで撹拌機を運転できることがわかる。
【0053】
(実施例2)
乾燥槽(20)と調湿機(30)とが一体となって、発酵槽(10)とは太く連通したコンポスト装置(図示略)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で、コンポスト処理を実施したところ、良好なコンポストが得られた。
【0054】
(実施例3)
乾燥槽(20)、調湿機(30)、および発酵槽(10)が一体となったコンポスト装置(図示略)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で、コンポスト処理を実施したところ、良好なコンポストが得られた。
【0055】
(実施例4)
図1に示すコンポスト装置により、複数の撹拌パドル(13)、(14)が撹拌軸(11)、(12)に取り付けられた撹拌機を、2つ1組として備え、1組の撹拌機は、他の組の撹拌機と独立して稼働可能として、撹拌工程を行い、剪断力による破砕効果を確認した。
【0056】
従来の単軸式で行った場合は、発酵槽(10)からのコンポストの粒子径は、0.1〜50mmであったが、本実施例でのコンポストの粒子径は、0.1〜10mmとなり、破砕効果が確認できた。
【0057】
さらに、従来の単軸式では、山形状の均一化が難しく、発酵状況に偏りが見られたが、本実施例では、撹拌パドルを汚泥の進行方向に傾けることで、山形状の確保と発酵槽幅方向に撹拌することができ、かき混ぜが良好となり、図8の発酵槽の幅方向の温度のグラフからも分かるように、発酵槽(10)の場所による発酵むらがなく、発酵状態つまり発酵温度を均一にできた。
【0058】
従来のように単軸式では、発酵槽の両端は40℃くらいまでしか汚泥温度が上昇せず、発酵槽の中心付近でも65℃ぐらいであった。しかし、本実施例では、両端が65℃以上に保持でき、発酵槽(10)の中心付近では平均75℃が保持できた。
【0059】
また、従来の送気口は配管に丸い開口を開け、その外部に閉塞防止用の充填物(砂利、籾殻など)を入れて、閉塞を防いでいたが、水分などにより閉塞が生じていた。これに対して、発酵槽への送気口については、図3、4、5に示すように、上部からの発酵対象汚泥の圧力によって閉塞しにくいように、メンテナンスが容易である形状とした。
【0060】
さらに、発酵槽(10)の各部に適切に送気できているかを簡単に確認できるインジケーター(42)を備えることにより、エア供給の状態を監視でき、より確実な送気と清掃が可能となり、発酵状態を良好に保つことが可能となった。
【0061】
従来では、送気口の清掃を月1回程度しなくてはならなかったが、本実施例では、6〜12カ月程度に1回の清掃で十分となった。
【0062】
(実施例5)
本実施例では、発酵槽(10)内へ定期的な加水を行った。その結果、図9に示すように、含水率30%、CO21500ppm、NH350ppmで発酵が停滞していたが、加水開始約1週間後から発酵ガス濃度が急速に増加し、30日後には、含水率が平均45%、CO2平均1.5%、NH3平均3000ppmとなった。
【0063】
汚泥の発酵が始まると、その反応熱で温度が上昇し、汚泥中の水分蒸発により含水率が低下する。汚泥中の含水率が30〜35%以下になると、十分な有機物分解が終了する以前であっても、水分の過低下によって微生物活性が低下し、その結果、発酵の活性が低下してしまう。これに対して、本実施例では、十分な発酵期間を継続し、高い有機物負荷に対しても、その分解を長期間維持することが可能となり、発酵を十分にさせることができた。
【0064】
本実施例で説明したように、高有機物含有汚泥に対して、適切な水分管理をすることで、発酵活性を長い期間維持し、有機物の分解促進に有効なことが確認できた。
【0065】
加水ノズルは、除湿水量を自動測定する電磁弁付タンクなどを用いて、制御運転を行うこともできる。
【0066】
さらに、コンポスト製品を造粒したものを、投入汚泥と混合することにより、通気性改善および水分調整を行なうことができ、発酵初期では、造粒形状、通気性改善に効果的に作用し、発酵後期になると、発酵温度および機器の破砕効果により細分化され、発酵物の温度の確保が容易となった。
【0067】
また、炭化物の物理的性状を考慮し、添加方式について着目し、汚泥を単独で乾燥、炭化物は発酵槽へ別途直接投入し、発酵槽内で混合するようにしたところ、3日後から第1ユニットの温度が大幅に上昇し始めた。
【0068】
その理由として、発酵槽に添加の本発明のコンポスト装置の場合には、乾燥汚泥表面に炭化物が、いわゆるまぶされた状態となり、その結果、発酵原料(乾燥汚泥)の通気性が改善され、立ち上がりが速く、発酵温度の上昇を促進し、発酵の活性を上げる発酵助剤として非常に有効であった。すなわち、炭化物が「pH調整材+通気改善材」として有効に作用した。
【0069】
pH調整材として石炭および炭化物を使用しての比較をバッチで行った結果の経日変化を図10に示す。乾燥汚泥のみの場合は、温度に大きな変化は見られないが、石炭を添加した場合は、12日付近で温度のピークがきたが、活性炭を加えた場合は6日付近で温度のピークがきたことにより、形状的により大粒でサラサラしている炭化物を使用した場合の方が温度の立ち上がりが速いという結果が得られた。このことからも、炭化物の持つ通気改善材としての同様な効果が推測された。
【0070】
したがって、通気性やpH調整不足で発酵が不安定になりやすい状況では、炭化物添加が非常に有効である。
【0071】
図11に、陽極(マグネシウム)部材(44)を取り付けた状態を平面図で示した。撹拌パドル(13)に対で取り付け、撹拌軸(11)に対し16個とした。
【0072】
さらに、発酵槽の回転軸に陽極部材(44)を取り付けたことで、温度が高く(50〜90℃)、汚泥中の有機酸濃度(酢酸等)が高く、電気伝導度の高い物質(炭化物)が入っている状況で生じた撹拌パドル(13)の取付ボルトの腐食が防止できた。コンポスト製品中に混入しても問題が少ないマグネシウムからなる陽極部材(44)を、発酵槽の撹拌軸(11)に取り付けることで、腐食を防止でき、肥料として有用なマグネシウムを添加することができる。
【0073】
撹拌パドル(13)の取付ボルトの交換頻度は、従来が1回/6ヶ月であったのに対し、陽極部材(44)を設置したあとは4年以上交換せずに運転できている。
【0074】
【発明の効果】
従来の発酵槽は、流れに従った切り返しなので、発酵槽の滞留日数は60日ほど必要であったが、本発明では、撹拌軸の2軸を1組としてユニット化され、流れとは独立して切り返しができるので、効率的な発酵ができて、滞留日数を半分にすることができた。
【0075】
また、乾燥槽と発酵槽を一体に形成して、全体的に除湿可能にしたことにより、エネルギーやスペースの無駄が少なくなり、装置内の温度を高く保つことができ、発酵が活発になった。また、発酵反応に伴い、NH3ガスが多量に発生すると、装置内がNH3ガスで充満され、乾燥槽において、原料汚泥にNH3ガスが付着することでpH調整され、発酵槽投入時点での乾燥汚泥のpHを7以上で維持することができ、発酵槽の安定した運転ができるようになった。また、発酵槽での蒸発水分も調湿機にて除去することが可能となった。
【0076】
さらに、発酵槽の撹拌軸を2軸並列式としたことにより、大容量に対する撹拌動力が確保でき、2軸毎に山の形状の確保および制御が可能であり、発酵日数を確実に確保できるようになった。発酵汚泥の移送についても、2軸の運転順序や回転方向を調節することによって、支障無く行われることを確認した。
【0077】
並列する撹拌軸の撹拌パドルの軌道の一部を交差させることで、剪断力による破砕効果が得られ、さらに、撹拌パドルの設置を汚泥の進行方向に対して傾けることで、移送方向と発酵槽の幅方向に撹拌することができ、かき混ぜが良好となり、発酵槽の場所による発酵むらがなく、発酵状態、すなわち発酵温度を均一にすることができた。本発明により、発酵槽の両端では平均65℃以上が保持でき、発酵槽の中心付近では平均75℃が保持できた。
【0078】
また、発酵槽の送気口を、上部からの発酵対象汚泥の圧力によって閉塞しにくい形状としたので、メンテナンスが容易となった。さらに、発酵槽の各部に適切に送気できているかを、簡単に確認できるインジケーターを備えることにより、送気の状態を監視でき、より確実な送気と清掃が可能となり、発酵状態を良好に保つことが可能となった。
【0079】
さらに、発酵槽内へ定期的な加水を行なうことで、十分な発酵期間を継続し、高い有機物負荷に対しても、その分解を長期間維持することができた。すなわち、高有機物含有汚泥に対して、適切な水分管理をすることで、発酵活性を長い期間維持し、有機物の分解促進に有効であることが確認できた。あるいは、コンポスト製品を造粒したものを、投入汚泥と混合することにより、通気性改善および水分調整を行なうことができ、発酵初期では、造粒形状、通気性改善に効果的に作用し、発酵後期になると、発酵温度および機器の破砕効果により細分化され、発酵物の温度の確保が容易となった。
【0080】
あるいは、発酵槽に炭化物を添加すると、乾燥汚泥表面に炭化物が、いわゆるまぶされた状態となり、その結果、発酵原料(乾燥汚泥)の通気性が改善され立ち上がり速く、発酵温度の上昇を促進し、発酵の活性を上げる発酵助剤として非常に有効である。すなわち、炭化物が「pH調整材+通気改善材」として非常に有効に作用した。したがって、通気性やpH調整不足で発酵が不安定になりやすい状況では、炭化物添加が非常に有効である。
【0081】
また、コンポスト製品中に混入しても問題が少ないマグネシウムからなる陽極部材を、発酵槽の撹拌軸に取り付けることで、温度が高く(50〜90℃)、汚泥中の有機酸濃度(酢酸等)が高く、電気伝導度の高い物質(炭化物)が入っている状況で生じた撹拌パドルの取付ボルトの腐食を防止することができ、肥料として有用なマグネシウムを添加することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンポスト装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】 撹拌パドルの取付け状態を示す平面図である。
【図3】 送気機構を示した断面図である。
【図4】 送気口を示した平面図である。
【図5】 送気口の配置を示した断面図である。
【図6】 撹拌機の運転による汚泥の状態を示す断面図である。
【図7】 汚泥投入量の変化と電流値の関係を示したグラフである。
【図8】 発酵槽の横断面温度を示したグラフである。
【図9】 加水開始前後の含水率、CO2、NH3濃度を示すグラフである。
【図10】 炭化物添加、石灰添加、無添加とした場合の経日変化のグラフである。
【図11】 陽極部材を取り付けた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 汚泥
10 発酵槽
11、12 撹拌軸
13、14 撹拌パドル
15 汚泥排出口
20 乾燥槽
21 投入ホッパ
22、24 ネットコンベア
23 成型機ホッパ
25 循環ファン
26 ダストコンベア
27 分離板
28 サンプリング用フランジ
29 サンプリング器
30 調湿機
31 送風機
32 フィルター
33a 温水タンク
33b、34b 熱交換手段
34a 冷水タンク
35 除湿水量測定器
36 チラーユニット
41 送気口
42 インジケーター
43 送気管
44 溶極部材
45 発酵槽の幅方向

Claims (4)

  1. 投入された汚泥を乾燥処理する乾燥槽と、該乾燥槽の下に配置されると共に、前記乾燥槽と一体に形成され、乾燥汚泥を発酵処理する発酵槽と、前記乾燥槽の湿度を調節する調湿機と、前記乾燥槽と前記発酵槽との間に設けられた分離板と、前記発酵槽内に複数設けられ、汚泥の進行方向に対して直角に配置された撹拌軸および該撹拌軸の回りに設けられた複数の撹拌パドルを備えた撹拌機とからなることを特徴とするコンポスト装置。
  2. 前記乾燥槽と前記調湿機とが一体であることを特徴とする請求項1に記載のコンポスト装置。
  3. 撹拌パドルの軌道の一部が、他と重複することを特徴とする請求項1または2に記載のコンポスト装置。
  4. 前記発酵槽に、加水するノズルを備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のコンポスト装置。
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