JP4194285B2 - 画像処理装置及び方法、並びにプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、多値画像データに擬似中間調処理として誤差拡散処理を行う画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー画像を2値で表現する擬似中間調処理として誤差拡散法が知られている("An Adaptive Algorithm for Spatial Gray Scale" in society for Information Display 1975 Symposium Digest of Technical Papers, 1975, 36)。この方法は、着目画素をP、その濃度をvとし、着目画素Pの周辺画素P0,P1,P2,P3の濃度をそれぞれv0,v1,v2,v3とし、2値化のための閾値をTとすると、着目画素Pにおける2値化誤差Eを周辺画素P0,P1,P2,P3に経験的に求めた重み係数W0,W1,W2,W3で振り分けて、マクロ的に平均濃度を元画像の濃度と等しくする方法である。
【0003】
例えば、出力2値データをoとすると、周辺画素の濃度v0,v1,v2,v3は下記にように表すことができる。
【0004】
v≧T ならば o=1,E=v−Vmax;・・・(1)
v<T ならば o=0,E=v−Vmin;
(ただし、Vmax:最大濃度、Vmin:最小濃度)
v0=v0+E×W0;・・・(2)
v1=v1+E×W1;・・・(3)
v2=v2+E×W2;・・・(4)
v3=v3+E×W3;・・・(5)
(重み係数の例: W0 = 7/16, W1 = 1/16, W2 = 5/16, W3 = 3/16 )
従来、カラーインクジェットプリンタ等では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色のインクを用いて多値画像データを出力する際に、各色独立に誤差拡散法等を用いて擬似中間調処理を行っていたために、1色について見た場合には視覚特性が優れていても、2色以上が重なり合うと必ずしも良好な視覚特性が得られない。
【0005】
この問題を改善するために、特開平8−279920号公報及び特開平11−10918号公報等においては、2色以上を組み合わせて誤差拡散法を用いることにより、2色以上が重なり合う場合においても良好な視覚特性の得られる擬似中間調処理方法が開示されている。
【0006】
また、特開平9−139841号公報においては、2色以上を独立に擬似中階調処理した後に、入力値の合計により出力値の修正を行うことにより、上記と同様の効果が得られる方法が開示されている。
【0007】
特に、カラー画像の中濃度領域の粒状感を低減するのに、シアン(C)成分とマゼンタ(M)成分のドットが互いに重なり合わない様に画像処理をすることが効果的であり、そのために以下の方法が用いられている。
【0008】
図13は、従来のカラー画像の画像処理方法を説明する説明図である。
【0009】
図13において、カラー画像の画像データは、その各画素、各濃度成分(YMCK)が8ビット(階調値が0〜255)の多値データで表現されている。画像データにおける任意の注目画素のシアン(C)成分の濃度値Ctとマゼンタ(M)成分の濃度値Mtは、原画像のC成分とM成分の濃度値をそれぞれC、Mとすると、次式で表される。ここで、CerrとMerrは、それぞれC成分とM成分の注目画素に対して誤差拡散された値である。
【0010】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
従来のカラー画像の画像処理方法では、注目画素のC成分とM成分の濃度に従って以下に示す4通りの画像処理制御を行う。
【0011】
1.(Ct+Mt)が閾値(Threshold 1)以下である場合、即ち、図13に示す領域(1)に属する場合にはドット記録を行わない。
【0012】
2.(Ct+Mt)が閾値(Threshold 1)を越えており、且つ(Ct+Mt)が別の閾値(Threshold 2)未満であり、且つCt>Mtである場合、即ち、図13の領域(2)に属する場合には、Cインクのみでドット記録を行う。
【0013】
3.(Ct+Mt)が閾値(Threshold 1)を越えており、且つ(Ct+Mt)が別の閾値(Threshold 2)未満であり、且つCt≦Mtである場合、即ち、図13の領域(3)に属する場合には、Mインクのみでドット記録を行う。
【0014】
4.(Ct+Mt)が別の閾値(Threshold 2)以上である場合、即ち、図13の領域(4)に属する場合には、Cインク及びMインクを用いてドット記録を行う。なお、Threshold 1<Threshold 2とする。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像処理方法では、量子化を行う場合に階調数が多くなればなるほど判定式が複雑化し、処理時間が余計にかかってしまうという問題がある。例えば、従来の画像処理方法によりシアンとマゼンタを3値に量子化した場合のアルゴリズムを次式に示す。
【0016】
Figure 0004194285
Figure 0004194285
このように、シアンとマゼンタを3値に量子化するだけでも複雑な処理となり、より多い階調に量子化する場合には更に複雑となる。
【0017】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、より階調数の多い画像処理形態においても高速処理が可能で、保持するテーブル情報のサイズをコンパクトにすることができ、且つドット着弾位置ずれに対して良好な画像処理を行うことができる画像処理装置及び方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、複数の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を行う誤差拡散処理手段を備える画像処理装置であって、前記複数の濃度成分のうちの1つである第1の濃度成分に前記誤差拡散処理を行う場合、当該誤差拡散処理で用いる閾値を、前記複数の濃度成分のうちの少なくとも1つである前記第1の濃度成分とは異なり、かつ前記誤差拡散処理前の第2の濃度成分の濃度値と、前記第2の濃度成分の濃度値を前記閾値に変換するためのテーブルとに基づいて決定する決定手段を備え、前記誤差拡散処理手段は、処理結果として、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値よりも小さかった場合には第1の出力結果を出力し、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値と等しいか又は大きく、前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値よりも小さかった場合には前記第1の出力結果とは異なる第2の出力結果を出力し、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値と等しいか又は大きかった場合には前記第1の出力結果、前記第2の出力結果のいずれとも異なる第3の出力結果を出力することを特徴とする。
【0024】
請求項記載の画像処理装置は、請求項記載の画像処理装置において、前記第1の濃度成分と前記第2の濃度成分とは、色、染料濃度、及び吐出量のうちの少なくとも1つが異なっていることを特徴とする。
【0033】
上記目的を達成するために、請求項3記載の画像処理方法は、複数の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を行う誤差拡散処理工程を備える画像処理方法であって、前記複数の濃度成分のうちの1つである第1の濃度成分に前記誤差拡散処理を行う場合、当該誤差拡散処理で用いる閾値を、前記複数の濃度成分のうちの少なくとも1つである前記第1の濃度成分とは異なり、かつ前記誤差拡散処理前の第2の濃度成分の濃度値と、前記第2の濃度成分の濃度値を前記閾値に変換するためのテーブルとに基づいて決定する決定工程を備え、前記誤差拡散処理工程では、処理結果として、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値よりも小さかった場合には第1の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値と等しいか又は大きく、前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値よりも小さかった場合には前記第1の出力結果とは異なる第2の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値と等しいか又は大きかった場合には前記第1の出力結果、前記第2の出力結果のいずれとも異なる第3の出力結果が出力されることを特徴とする。
【0039】
請求項記載の画像処理方法は、請求項記載の画像処理方法において、前記第1の濃度成分と前記他の濃度成分は、色、染料濃度、及び吐出量のうちの少なくとも1つが異なっていることを特徴とする。
【0048】
上記目的を達成するために、請求項5記載のプログラムは、複数の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を行う誤差拡散処理ステップを備える画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記複数の濃度成分のうちの1つである第1の濃度成分に前記誤差拡散処理を行う場合、当該誤差拡散処理で用いる閾値を、前記複数の濃度成分のうちの少なくとも1つである前記第1の濃度成分とは異なり、かつ前記誤差拡散処理前の第2の濃度成分の濃度値と、前記第2の濃度成分の濃度値を前記閾値に変換するためのテーブルとに基づいて決定する決定ステップを備え、前記誤差拡散処理ステップでは、処理結果として、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値よりも小さかった場合には第1の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値と等しいか又は大きく、前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値よりも小さかった場合には前記第1の出力結果とは異なる第2の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値と等しいか又は大きかった場合には前記第1の出力結果、前記第2の出力結果のいずれとも異なる第3の出力結果が出力されることを特徴とする。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る画像処理装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
(共通の実施の形態)
以下に示す実施の形態において共通に用いられる画像処理システムの全体概要、ハードウエア構成の概要、ソフトウエア構成の概要、及び画像処理の概要について説明する。
【0060】
1.画像処理システムの全体概要
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置を備える画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0061】
図1において、本画像処理システムは、パーソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン」という。)等で構成され、画像処理装置として機能するホスト装置51と、インクジェットプリンタ等で構成された画像出力装置52とを備え、これらの間が双方向インターフェース53により接続されている。
【0062】
ホスト装置51は、後述するMPU、メモリ、大容量記憶装置であるハードディスクドライブ、キーボード、及びCRT等から成る表示装置を備え、メモリには本発明を適用したドライバソフトウエア54が記憶(格納)されている。
【0063】
2.ホスト装置51と画像出力装置52のハードウエア構成
図2は、図1におけるホスト装置51と画像出力装置52のハードウエア構成の概要を示すブロック図である。
【0064】
図2において、ホスト装置51は、処理部1000と、表示装置2001と、制御プログラムやデータが格納されたハードディスクドライブ(HDD)装置2002と、キーボード2003とで構成されている。
【0065】
処理部1000は、制御プログラムに従ってホスト装置51全体の制御を行うMPU1001と、処理部1000内の各構成要素を互いに接続するバス1002と、MPU1001が実行する制御プログラムやデータ等を一時記憶するDRAM1003と、システムバス1002及びMPU1001を接続するブリッジ1004と、表示装置2001にグラフィック情報を表示させるための制御機能を備えたグラフィックアダプタ1005とを備える。
【0066】
また、処理部1000は、HDD2002とのインターフェースを司るHDDコントローラ1006と、キーボード2003とのインターフェースを司るキーボードコントローラ1007と、IEEE1284規格に従って画像出力装置52との間の通信を制御するパラレルインターフェースである通信I/F1008とを備える。
【0067】
処理部1000は、グラフィックアダプタ1005を介して表示装置2001に接続され、HDDコントローラ1006を介してHDD装置2002に接続され、キーボードコントローラ1007を介してキーボード2003に接続されている。
【0068】
画像出力装置52は、制御回路部3003と、記録ヘッド3010と、記録ヘッド3010を搬送するキャリアを駆動するキャリア(CR)モータ3011と、用紙を搬送する搬送(LF)モータ3012とで構成されている。
【0069】
制御回路部3003は、制御プログラム実行機能と周辺装置制御機能とを兼ね備え、画像出力装置52全体の制御を行うMCU3001と、制御回路部3003内の各構成要素を互いに接続するシステムバス3002と、記録データの記録ヘッド3010への供給、メモリアドレスデコーディング、キャリアモータへの制御パルス発生機構等を制御回路として内部に納めたゲートアレイ3013(G.A.)とを備える。
【0070】
また、制御回路部3003は、MCU3001が実行する制御プログラムやホスト印刷情報等を格納するROM3004と、各種データ(画像記録情報やヘッドに供給される記録データ等)を保存するDRAM3005と、IEEE1284規格に従ってホスト装置51との間の通信を制御するパラレルインターフェースである通信I/F3006と、ゲートアレイ3013から出力されたヘッド記録信号に基づいて記録ヘッド3010を駆動するための電気信号に変換するヘッドドライバ3007とを備える。
【0071】
制御回路部3003は、ゲートアレイ3013から出力されるキャリアモータ制御パルスを実際にCRモータ3011を駆動するための電気信号に変換するCRモータドライバ3008と、MCU3001から出力された搬送モータ制御パルスを実際にLFモータ3012を駆動するための電気信号に変換するLFモータドライバ3009とを備える。
【0072】
次に、画像出力装置52の具体的構成について説明する。
【0073】
図3は、図1における画像出力装置52の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【0074】
図3において、インクジェットプリンタIJRAは、図2に示した制御回路部3003と共に、記録ヘッドIJH(記録ヘッド3010)と、キャリッジHCと、インクタンクITと、インクカートリッジIJCとを備える。記録ヘッドIJHは、YMCK各成分の多値濃度データに基づいて、少なくともイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つのインクを用いてカラー画像を記録することができる。
【0075】
キャリッジHCは、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合する。また、キャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。
【0076】
キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。紙押え板5002は、キャリッジHCの移動方向にわたって記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。フォトカプラ5007,5008は、キャリッジHCのレバー5006の存在を確認して駆動モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0077】
支持部材5016は、記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持するものである。吸引器5015は、キャップ部材5022内を吸引するものであり、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドIJHの吸引回復を行う。部材5019は、クリーニングブレード5017を前後方向に移動可能にするものであり、本体支持板5018にこれらが支持されている。なお、クリーニングブレード5017は、本形態に限らず周知のクリーニングブレードが適用可能であることは云うまでもない。
【0078】
レバー5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジHCと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0079】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジHCがホームポジション側の領域に来たときに、リードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0080】
なお、上述したように、インクタンクITと記録ヘッドIJHとは一体的に形成されて交換可能なインクカートリッジIJCを構成してもよいが、これらインクタンクITと記録ヘッドIJHとを分離可能に構成して、インクがなくなったときにインクタンクITだけを交換できるようにしてもよい。
【0081】
3.ソフトウエア構成の概要及び画像処理の概要
図4は、図1の画像処理システムで用いられるソフトウエアの構造を示すブロック図である。
【0082】
図4において、ホスト装置51は、階層構造をしたアプリケーションソフトウエアと、オペレーティングシステム(OS)と、ドライバソフトウエアの3つのソフトウエアを備え、これらのソフトウエアが画像出力装置52に対して記録データを出力するために互いに連携して画像処理を行う。
【0083】
アプリケーションソフトウエアの階層には、アプリケーションソフトウエア11が設けられ、OS(オペレーティングシステム)の階層には、アプリケーションソフトウエア11からの描画命令を受け取る描画処理インターフェース21と生成された画像データをインクジェットプリンタ等の画像出力装置52へ渡すスプーラ22とが設けられている。
【0084】
そして、ドライバソフトウエアの階層には、画像出力装置52固有の表現形式が記憶された装置固有描画機能31−1,31−2,・・・,31−nと、OSからの線分割化画像情報を受け取り、ドライバソフトウエア内部の表色系からデバイス固有の表色系への変換を行う色特性変換モジュール33と、デバイスの各画素の状態を表す量子化量への変換を行うハーフトーニング(中間調処理)モジュール34と、ハーフトーニングが施された画像データに画像出力装置52へのコマンドを付加してスプーラ22に出力するプリントコマンド生成モジュール35とが設けられている。
【0085】
本実施の形態では、画像出力装置52夫々に個別に依存する部分は、装置固有描画機能31−1,31−2,・・・,31−nが扱い、画像出力装置52の個別の実装に依存するプログラム部品を共通的に処理を行なうことができるプログラムと分離し、且つドライバソフトウエアの根幹処理部分を個別の画像出力装置から独立した構造にしている。
【0086】
量子化量に変換された線分割化画像は、色特性変換モジュール33やハーフトーニングモジュール34等により画像処理が施され、プリントコマンド生成モジュール35によりデータ圧縮/コマンドが付加されて、OS(オペレーティングシステム)に設けられたスプーラ22を介して画像出力装置52へ出力される。
【0087】
次に、図1の画像処理システムにおける画像処理の概要について具体的に説明する。
【0088】
図5は、図1の画像処理システムにおいて実行される画像処理を示すフローチャートである。
【0089】
図5において、アプリケーションソフトウエア11が画像出力装置52へ画像を出力する場合、まず、アプリケーションソフトウエア11がOSの描画処理インターフェース21を介して文字、線分、図形、及びビットマップ等の描画命令をドライバソフトウエア内部の装置固有描画機能31−1,31−2,…,31−nに発行する(ステップS1)。
【0090】
次に、画面/紙面を構成する描画命令が完結したか否かを判別し(ステップS2)、描画命令が完結すると(ステップS2でYES)、OSは、ドライバソフトウエア内部の装置固有描画機能31−1,31−2,…,31−nを呼び出しつつ、各描画命令をOSの内部形式から装置固有の表現形式(各描画単位を線分割化したもの)に変換し(ステップS3)、しかる後に画面/紙面を線分割化した画像情報としてドライバソフトウエアへ渡す(ステップS4)。
【0091】
ドライバソフトウエア内部では、色特性変換モジュール33によってデバイスの色特性を補正すると共に、ドライバソフトウエア内部の表色系からデバイス固有の表色系への変換を行い(ステップS5)、更にハーフトーニングモジュール34によってデバイスの各画素の状態を表す量子化量への変換(ハーフトーニング)を行う(ステップS6)。なお、ここでの量子化量への変換とは、画像出力装置52の処理するデータの形態に対応して多値化することである。例えば、画像出力装置52による記録が2値データに基づいて行われるときは2値化され、画像出力装置52による記録が多値データ(濃淡インクによる記録、大小インクによる記録を行うため)に基づいて行われるときは多値化される。このハーフトーニングについての詳細は、後述する各実施形態において説明する。
【0092】
プリントコマンド生成モジュール35は、いずれも量子化(2値化、多値化等)された画像データを受け取る(ステップS7)。プリントコマンド生成モジュール35は、量子化された画像情報を相異なる方法にて画像出力装置52の特性に合わせて加工し、該画像情報にデータ圧縮、コマンドヘッダの付加を行い、データを生成する(ステップS8)。
【0093】
次に、プリントコマンド生成モジュール35は、OS内部に設けられたスプーラ22に生成したデータを受け渡し(ステップS9)、画像出力装置52へのデータ出力を行って(ステップS10)、本処理を終了する。
【0094】
本実施の形態では、ホスト装置51内のHDD装置2002等に格納された図5の処理に基づくプログラムをMPU1001により実行させることで、上述の制御方法を実現させることが可能となる。
【0095】
以上のように、ドライバソフトウエアの根幹処理部分を個別の画像出力装置52から独立した構造にしているので、ドライバソフトウエアと画像出力装置52間のデータ処理の分担をドライバソフトウエアの構成を損なうことなく柔軟に変更することが可能になり、ソフトウエアの保守及び管理面で有利となる。
【0096】
次に、ハーフトーニングモジュール34によって実行される誤差拡散処理の詳細について説明する。なお、本誤差拡散処理では、各画素をイエロ(Y)成分、マゼンタ(M)成分、シアン(C)成分、ブラック(K)成分からなる濃度データとし、各成分を8ビット(256階調表現)で構成される多値画像データとして用いることとする。
【0097】
(第1の実施の形態)
本第1の実施の形態では、複雑な閾値制御を閾値テーブルを用いて簡便に処理する画像処理方法を示す。閾値テーブルとは、各階調を決定するために必要な閾値が設定されたデータである。ここでは、カラーの画像データは、その各画素、各濃度成分(YMCK)が8ビット(階調値が0〜255)の多値データで表現されている。
【0098】
カラーの画像データにおける任意の注目画素のC成分の濃度値CtとM成分の濃度値Mtは、原画像のC成分とM成分の濃度値をそれぞれC、Mとすると、次式で表される。ここで、CerrとMerrは、それぞれC成分とM成分の注目画素に対して誤差拡散された値である。
【0099】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
本第1の実施の形態におけるカラー画像の画像処理方法では、注目画素のC成分とM成分の各濃度値を用いて以下の手順で画像処理を行う。
【0100】
1.M成分の濃度値Mtに基づいてC成分の誤差拡散で用いる閾値(Cthreshold)を求める。
【0101】
2.C成分の濃度値Ctと閾値(Cthrehosld)とを比較し、濃度値Ctの方が大きい場合はCインクで出力を行う。
【0102】
3.C成分の濃度値Ctに基づいてM成分の誤差拡散で用いる閾値(Mthreshold)を求める。
【0103】
4.M成分の濃度値Mtと閾値(Mthrehosld)とを比較し、濃度値Mtの方が大きい場合はMインクで出力を行う。
【0104】
上記の方法により、シアンとマゼンタを3値に量子化した場合のアルゴリズムを次式に示す。これにより、従来例と比べて処理を簡略化することができる。
【0105】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
Cout = 0
if( Ct > Threshold_Table1[Mt] ) Cout=1
if( Ct > Threshold_Table2[Mt] ) Cout=2
(Threshold_Table1[Mt]:M成分の濃度値Mtの第1の閾値テーブル、Threshold_Table2[Mt]:M成分の濃度値Mtの第2の閾値テーブル)
Mout = 0
if( Mt > Threshold_Table1[Ct] ) Mout=1
if( Mt > Threshold_Table2[Ct] ) Mout=2
(Threshold_Table1[Ct]:C成分の濃度値Ctの第1の閾値テーブル、Threshold_Table2[Ct]:C成分の濃度値Ctの第2の閾値テーブル)
しかしながら、本アルゴリズムでは、C成分及びM成分の出力を2値で行う場合には1つの閾値テーブルを参照し、3値で行う場合には2つの閾値テーブルを参照するというように、n値で行う場合にはn−1個の閾値テーブルが必要となるため、より階調数の多い多値処理に対して準備するテーブルの数が多くなってしまう。
【0106】
また、閾値テーブルの数だけ濃度値との比較を行うので、その都度メモリ中に格納された閾値テーブルを参照する必要があり、処理速度も必然的に遅くなってしまう。特に、5値化の場合では必要な閾値テーブルが4つとなり、以下に示すアルゴリズムが必要となる。
【0107】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
Cout = 0
if( Ct > Threshold_Table1[Mt] ) Cout=1
if( Ct > Threshold_Table2[Mt] ) Cout=2
if( Ct > Threshold_Table3[Mt] ) Cout=3
if( Ct > Threshold_Table4[Mt] ) Cout=4
(Threshold_Table3[Mt]:M成分の濃度値Mtの第3の閾値テーブル、Threshold_Table4[Mt]:M成分の濃度値Mtの第4の閾値テーブル)
Mout = 0
if( Mt > Threshold_Table1[Ct] ) Mout=1
if( Mt > Threshold_Table2[Ct] ) Mout=2
if( Mt > Threshold_Table3[Ct] ) Mout=3
if( Mt > Threshold_Table4[Ct] ) Mout=4
(Threshold_Table3[Ct]:C成分の濃度値Ctの第3の閾値テーブル、Threshold_Table4[Ct]:C成分の濃度値Ctの第4の閾値テーブル)
次に、より階調数の多い画像処理形態においても高速処理が可能で、保持するテーブル情報のサイズをコンパクトにすることが可能な画像処理方法を示す。
【0108】
本第1の実施の形態における誤差拡散処理の対象となるのは、C成分とM成分の多値画像データであり、誤差拡散処理によって3値以上に多値化する場合を扱う。
【0109】
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【0110】
図6において、太線601、点線602、破線603、及び一点破線604は、2色以上を組み合わせて5値に誤差拡散を行う場合のマゼンタ濃度値Mtに基づくシアンの量子化閾値である。同図中、太線601、点線602、破線603、及び一点破線604の各量子化閾値は、互いに変化傾向が極めて似ている。
【0111】
図7に、図6より複雑に閾値を設定して2色以上を組み合わせて5値に誤差拡散を行う場合のマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の他の例を示す。同図中、太線701、点線702、破線703、及び一点破線704の各量子化閾値は、図6と同様に、互いに変化傾向が極めて似ている。
【0112】
これらの量子化閾値は、互いに並行移動をすれば略一致するので、閾値テーブルは太線601,701のテーブルのみを保持すればよい。これにより、太線601,701の閾値に所定のオフセット量を加算・減算することで全テーブル(太線601〜一点破線604、太線701〜一点破線704)を保持したときと略同様の結果を得ることができる。
【0113】
次に、閾値に対して階調毎にオフセット量を与えることでテーブル数を削減する誤差拡散方法を示す。
【0114】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
Cth = Threshold_Table[Mt]
Mth = Threshold_Table[Ct]
(Cth:M成分の濃度値Mtの閾値、Mth:C成分の濃度値Ctの閾値)
Cout = 0
if( Ct > Cth + 0 ) Cout=1
if( Ct > Cth + 64 ) Cout=2
if( Ct > Cth + 128 ) Cout=3
if( Ct > Cth + 192 ) Cout=4
(0,64,128,192:所定の値)
Mout = 0
if( Mt > Mth + 0 ) Mout=1
if( Mt > Mth + 64 ) Mout=2
if( Mt > Mth + 128 ) Mout=3
if( Mt > Mth + 192 ) Mout=4
(0,64,128,192:所定の値)
上記方法によれば、閾値テーブル(Threshold_Table)を保持する数を最小で1つに低減できるので、誤差拡散処理を行う出力階調数が大きければ大きいほどより大きな効果が得られる。
【0115】
例えば、5値化の場合、通常必要な閾値テーブルサイズは256×4=1024閾値であるのに対し、256閾値と1/4に低減することが可能である。
【0116】
更に、17値化の場合を考えると、通常必要な閾値テーブルサイズは256×16=4096閾値であるのに対し、256閾値と1/16に低減することが可能である。一般化すれば、n値化に対して1/(n−1)に低減することが可能であると云える。
【0117】
また、閾値テーブルを格納してある記憶媒体(ROM、RAN等)を参照する回数が1回で済むので、その分だけ処理が高速に行えるというメリットもある。
【0118】
次に、閾値を変調するという考え方ではなく、次式に示すうように量子化を行う濃度値に対して他の濃度成分値に基づいてオフセット量を与える(濃度値に変調を行う)という形でも実現可能である。これにより、上述した実施の形態と同様に、テーブルサイズ低減効果及び処理高速化効果が得られる。
【0119】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
Ct2 = Ct + Modulation_Table1[Mt]
Mt2 = Mt + Modulation_Table1[Ct]
(Modulation_Table1[Mt]:M成分の濃度値Mtに基づく変調テーブル、Modulation_Table1[Ct]:C成分の濃度値Ctの変調テーブル)
Cout = 0
if( Ct2 > 31 ) Cout=1
if( Ct2 > 95 ) Cout=2
if( Ct2 > 159 ) Cout=3
if( Ct2 > 223 ) Cout=4
(31,95,159,223:所定の値)
Mout = 0
if( Mt2 > 31 ) Mout=1
if( Mt2 > 95 ) Mout=2
if( Mt2 > 159 ) Mout=3
if( Mt2 > 223 ) Mout=4
(31,95,159,223:所定の値)
上記第1の実施の形態によれば、カラーの画像データに擬似中間調処理として誤差拡散処理を行うときは、ハーフトーニングモジュール34により注目画素における、例えば、M成分の濃度値Mtに基づいてC成分の誤差拡散処理で用いる閾値Cthrehosldを求め、閾値Cthrehosldに所定の値を加えた値CとC成分の濃度値Ctとを比較するので、より階調数の多い画像処理形態においても、より複雑な閾値設定を簡便に行いつつ、高速処理が可能であり、更に保持するテーブル情報のサイズがコンパクトな誤差拡散処理が実現できる。
【0120】
(第2実施の形態)
上記第1の実施の形態では、各階調の閾値テーブル及び濃度値変調テーブルを共通で利用し、テーブル数を低減することでコンパクト、且つ高速な誤差拡散を実現したが、本第2の実施の形態では、各閾値テーブル及び濃度値変調テーブルそれ自体をコンパクトにした誤差拡散処理について説明する。
【0121】
図8は、本発明の第2の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値群と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【0122】
図8において、太線801、点線802、破線803、及び一点破線804は、2色以上を組み合わせて5値に誤差拡散を行う場合のマゼンタ濃度値Mtに基づくシアンの量子化閾値群である。
【0123】
同図中、太線801はマゼンタ濃度値MtがMt<64の範囲でのシアンの量子化シアンの量子化閾値群であり、点線802はマゼンタ濃度値Mtが64≦Mt<128の範囲でのシアンの量子化シアンの量子化閾値群である。また、破線803はマゼンタ濃度値Mtが128≦Mt<192の範囲でのシアンの量子化シアンの量子化閾値群であり、一点破線804はマゼンタ濃度値Mtが192≦Mtの範囲でのシアンの量子化シアンの量子化閾値群である。太線801、点線802、破線803、及び一点破線804の4つの閾値群は、互いに変化傾向が極めて似ている。
【0124】
図9に、図8より複雑に閾値を設定して2色以上を組み合わせて5値に誤差拡散を行う場合のマゼンタ濃度値Mtに基づくシアンの量子化閾値群と出力量子化値との関係の他の例を示す。同図中、太線901、点線902、破線903、及び一点破線904の4つの閾値群は、図8と同様に、互いに変化傾向が極めて似ている。
【0125】
これらの量子化閾値群は、互いに並行移動をすれば略一致するので、閾値テーブル群は太線801,901のテーブルのみを保持すればよい。これにより、参照する側のマゼンタの濃度値Mtを変調して太線801,901の閾値テーブルを参照することで全テーブル(太線801〜一点破線804、太線901〜一点破線904)を保持したときと略同等の結果を得ることができる。
【0126】
次に、他の色の濃度値を変調した後に閾値テーブルを参照することでテーブルのサイズを削減する誤差拡散方法を示す。
【0127】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
Ccnv = Convert_Table[Ct](第1の変調濃度値)
Mcnv = Convert_Table[Mt](第2の変調濃度値)
(Convert_Table[Ct]:C成分の濃度値Ctに基づく変換テーブル、Convert_Table[Mt]:M成分の濃度値Mtに基づく変換テーブル)
Cout = 0
if( Ct > Threshold_Table1[Mcnv] ) Cout=1
if( Ct > Threshold_Table2[Mcnv] ) Cout=2
if( Ct > Threshold_Table3[Mcnv] ) Cout=3
if( Ct > Threshold_Table4[Mcnv] ) Cout=4
(Threshold_Table1〜4[Mcnv]:M成分の濃度値Mtに基づくCの量子化閾値)
Mout = 0
if( Mt > Threshold_Table1[Ccnv] ) Mout=1
if( Mt > Threshold_Table2[Ccnv] ) Mout=2
if( Mt > Threshold_Table3[Ccnv] ) Mout=3
if( Mt > Threshold_Table4[Ccnv] ) Mout=4
(Threshold_Table1〜4[Ccnv]:C成分の濃度値Ctに基づくMの量子化閾値)
上記方法によれば、量子化を行う階調数が大きければ大きいほど、閾値テーブル(Threshold_Table)のサイズを小さく(n値化の場合には約1/(n−1))できるので、誤差拡散処理を行う出力階調数が大きければ大きいほどより大きな効果が得られる。
【0128】
例えば、5値化の場合、通常必要な閾値テーブルサイズは256×4=1024閾値であるのに対し、256/(5−1)×4=256閾値と1/4に低減することが可能である。
【0129】
更に、17値化の場合を考えると、通常必要な閾値テーブルサイズは256×16=4096閾値であるのに対し、256/(17−1)×16=256閾値と1/16に低減することが可能である。一般化すれば、n値化に対して1/(n−1)に低減することが可能であると云える。
【0130】
また、本第2の実施の形態では、参照する側のマゼンタの濃度値を変調方法としてConvert_Table[Ct]を用い、Convert_Table[ X ] = X mod 64 で表される計算で予め求められた変調テーブルを用いているが、必ずしも上記の様に変調を行う必要は無く、どの様な手段で参照する側のマゼンタの濃度値を変調してもよい。
【0131】
例えば、上記Convert_Table[X]は、
if( 64 > X ) Convert_Table[X] = X
if( 128 > X ≧ 64 ) Convert_Table[X] = X - 64
if( 192 > X ≧ 128 ) Convert_Table[X] = X - 128
if( X ≧ 192 ) Convert_Table[X] = X - 192
の様に条件分岐で設定してもよいし、Convert_Table[X] = X & 0x003Fの様にビット操作で行ってもよい。また、必ずしも事前に求められたテーブルを参照する必要は無く、リアルタイムに計算・変調・変換を行って処理を行ってもよい。
【0132】
上記第2の実施の形態によれば、より階調数の多い画像処理形態においても、より複雑な閾値設定を簡便に行いつつ、保持するテーブル情報のサイズがコンパクトな誤差拡散処理が実現できる。
【0133】
(第3の実施の形態)
本第3の実施の形態では、上記第1の実施の形態と上記第2の実施の形態とを組み合わせた、より保持するテーブル情報のサイズがコンパクトな誤差拡散処理について説明する。
【0134】
図10は、本発明の第3の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【0135】
図10において、太線1001、点線、破線、及び一点破線は、2色以上を組み合わせて5値に誤差拡散を行う場合のマゼンタ濃度値Mtに基づくシアンの量子化閾値である。同図中、太線1001の閾値と他の点線、破線、一点破線で示された閾値群とを比較すると、互いに変化傾向が極めて似ている。
【0136】
図11に、図10より複雑に閾値を設定して2色以上を組み合わせて5値に誤差拡散を行う場合のマゼンタ濃度値Mtに基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値の関係の他の例を示す。同図中、太線1101の閾値と他の点線、破線、一点破線で示された閾値群を比較すると、互いに変化傾向が極めて似ている。
【0137】
これらの量子化閾値群は、互いに並行移動をすれば略一致するので、閾値テーブル群は太線1001,1101のテーブルのみを保持すればよい。これにより、太線1001,1101の閾値に所定のオフセット量を加算・減算し、更に参照する側のマゼンタの濃度値Mtを変調して太線1001,1101の閾値テーブルを参照することで、点線、破線、及び一点破線部分を含めた全閾値群を保持したときと略同等の結果を得ることが可能である。
【0138】
下記に、閾値に対して階調毎にオフセットを与え、かつ参照する側のマゼンタの濃度値を変調することでテーブル数及びテーブルサイズを削減する誤差拡散方法を示す。
【0139】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
Ccnv = Convert_Table[Ct]
Mcnv = Convert_Table[Mt]
Cth = Threshold_Table[Mcnv]
Mth = Threshold_Table[Ccnv]
Cout = 0
if( Ct > Cth + 0 ) Cout=1
if( Ct > Cth + 64 ) Cout=2
if( Ct > Cth + 128 ) Cout=3
if( Ct > Cth + 192 ) Cout=4
Mout = 0
if( Mt > Mth + 0 ) Mout=1
if( Mt > Mth + 64 ) Mout=2
if( Mt > Mth + 128 ) Mout=3
if( Mt > Mth + 192 ) Mout=4
上記方法によれば、閾値テーブル(Threshold_Table)を保持する数を最小で1つに低減することができ、同時に、量子化を行う階調数が大きければ大きいほど、閾値テーブル(Threshold_Table)のサイズを小さく(n値化の場合に約1/(n−1)に)できるので、誤差拡散処理を行う出力階調数が大きければ大きいほど本実施形態の効果は大きくなる。
【0140】
例えば5値化の場合には、必要な閾値テーブルサイズは本実施形態を適用しない例が256×4=1024閾値であるのに対し、256/(5−1)=64閾値と、全体で1/16に低減することが可能である。
【0141】
更に、17値化の場合を考えると、必要な閾値テーブルサイズは本実施形態を適用しない例が256×16=4096閾値であるのに対し、256/(17−1)=16閾値と、全体で1/256に低減することが可能である。一般化すれば、n値化に対し、1/(n−1)2に低減することが可能であると云える。
【0142】
また、上記第1の実施の形態と同様にテーブルを格納してある記憶媒体(ROM、RAN等)を参照する回数が1回で済むので、その分だけ処理が高速に行えるというメリットもある。また、第2の実施の形態で述べている様に、どの様な手段で参照する側のマゼンタの濃度値を変調してもよい。
【0143】
更に、閾値を変調するという考え方ではなく、次式に示すように量子化を行う濃度値に対して他の濃度成分値に基づいてオフセット量を与え(濃度値に変調を行う)、且つ参照する側のマゼンタの濃度値を変調するという形でも実現可能である。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、テーブルサイズ低減効果及び処理高速化効果が同様に得られる。
【0144】
Ct = C + Cerr
Mt = M + Merr
Ccnv = Convert_Table[Ct]
Mcnv = Convert_Table[Mt]
Ct2 = Ct + Modulation_Table1[Mcnv]
Mt2 = Mt + Modulation_Table1[Ccnv]
Cout = 0
if( Ct2 > 31 ) Cout=1
if( Ct2 > 95 ) Cout=2
if( Ct2 > 159 ) Cout=3
if( Ct2 > 223 ) Cout=4
Mout = 0
if( Mt2 > 31 ) Mout=1
if( Mt2 > 95 ) Mout=2
if( Mt2 > 159 ) Mout=3
if( Mt2 > 223 ) Mout=4
上記第3の実施の形態によれば、より階調数の多い画像処理形態においても、より複雑な閾値設定を簡便に行いつつ、高速処理が可能であり、保持するテーブル情報のサイズがコンパクトな誤差拡散処理が実現できる。
【0145】
(第4の実施の形態)
上記第1〜第3の実施の形態では、より簡便な誤差拡散方式での改善について説明してきたが、本第4の実施の形態では従来例を改善する実施の形態を述べる。また、上記第1〜第3の実施の形態では、閾値テーブルサイズの低減効果と、サイズ低減に伴う処理速度の向上という効果について説明したが、本第4の実施の形態では主に処理の簡素化及びそれに伴う処理速度の向上の面について述べる。
【0146】
図12は、本発明の第4の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【0147】
図中の点線はそれぞれ量子化値の代表値である。ここで点線で囲まれた各領域1301〜1316を比較すると、閾値は非常に似た形状をしている。次式のアルゴリズムにすることで、量子化階調値がいくつであっても、比較文の数が変わらず、従来例に比べて非常に簡便に処理が行える。
【0148】
Figure 0004194285
本第4の実施の形態では、f(x),g(y),h(z),i(w)を次のように定義している。
【0149】
f(x):x以下の量子化代表値の量子化値の中で最大の値
g(y):y以下の量子化代表値の量子化値の中で最大の値
h(z):z.(z以下の量子化代表値の中で最大の値)
i(w):w.(w以下の量子化代表値の中で最大の値)
また、上記f(x),g(y),h(z),i(w)はそれぞれ演算・比較等によって用いてもよいし、事前にテーブルを作成してテーブル参照によって求めてもよい。また、複数の濃度値で同一のテーブルや演算・比較方法を共有してもよい。
【0150】
上記第4の実施の形態によれば、より階調数の多い画像処理形態においても、高速処理が可能であり、保持するテーブル情報のサイズがコンパクトな誤差拡散処理が実現できる。
【0151】
(第5の実施の形態)
上記第1〜第4の実施の形態では、シアン及びマゼンタの2色のみを扱ったが、本第5の実施の形態ではより多くの濃度値に対して本発明を適用した例を示す。
【0152】
シアンの大液滴濃インク(Cl)と大液滴淡インク(cl)と小液滴濃インク(Cs)と小液滴淡インク(cl)、及びマゼンタの大液滴濃インク(Ml)と大液滴淡インク(ml)と小液滴濃インク(Ms)と小液滴淡インク(ms)それぞれに対して上記第1の実施の形態を適用した場合のアルゴリズムを次式に示す。
【0153】
Figure 0004194285
Figure 0004194285
上記方法によって、複数色の染料濃度が異なり、吐出量が異なるインク群間でのより階調数の多い画像処理形態においても、より複雑な閾値設定を簡便に行いつつ、高速処理が可能であり、保持するテーブル情報のサイズがコンパクトな誤差拡散処理を実現できる。
【0154】
また、同様に、上記第2〜第4の実施の形態を上記複数色の染料濃度が異なり、吐出量が異なるインク群間に適用しても上記各実施の形態で説明した効果が得られる。
【0155】
また、上記第1〜第5の実施の形態では、複数の濃度成分のうちの少なくとも2つの濃度成分の濃度値の和に基づいて誤差拡散処理を行っているが、これに限らず、複数の濃度成分のうちの少なくとも2つの濃度成分の濃度値の最大値に基づいて当該誤差拡散処理を行っても同様の効果が得られる。
【0156】
上記第1〜第5の実施の形態では、インクの色をシアンとマゼンタの2色とし、染料濃度も濃・淡の2段階とし、吐出量も大・小の2段階としたが、本発明の効果はこれに限ることではなく、それぞれより大きな色数、量子化階調数、染料濃度階調数、吐出量階調数に対して本発明を適用しても同様の効果が得られることは云うまでもない。
【0157】
また、上記第1〜第5の実施の形態では、記録ヘッドIJHから吐出される液滴をインクとし、インクタンクITに収容される液体をインクとしていたが、これに限定されるものではなく、例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクITに収容されていてもよい。
【0158】
上記第1〜第5の実施の形態では、画像出力装置52が、特に、インクジェット記録方式の中でもインク吐出を行うために利用するエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば、電気熱変換体やレーザ光等)を備え、この熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0159】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0160】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0161】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としてもよい。
【0162】
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数の記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0163】
加えて、上記第1〜第5の実施の形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0164】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或いは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子、又はこれらの組み合わせによる予備加熱手段等がある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0165】
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラー、又は混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0166】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0167】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、又はインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような多孔質シート凹部、貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0168】
本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理装置の画像出力端末として一体又は別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであってもよい。
【0169】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、及びプリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
【0170】
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体(又は記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成されることは云うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0171】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは云うまでもない。
【0172】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは云うまでもない。
【0173】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、より階調数の多い画像処理形態においても高速処理が可能で、保持するテーブル情報のサイズをコンパクトにすことができ、且つドット着弾位置ずれに対して良好な画像処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置を備える画像処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるホスト装置51と画像出力装置52のハードウエア構成の概要を示すブロック図である。
【図3】図1における画像出力装置52の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図4】図1の画像処理システムで用いられるソフトウエアの構造を示すブロック図である。
【図5】図1の画像処理システムにおいて実行される画像処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の他の例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値群と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値群と出力量子化値との関係の他の例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の他の例を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態におけるマゼンタ濃度値に基づくシアンの量子化閾値と出力量子化値との関係の一例を示す図である。
【図13】従来のカラー画像の画像処理方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 アプリケーションソフトウエア
21 描画処理インターフェース
22 スプーラ
31−1,31−2,・・・,31−n 装置固有描画機能
33 色特性変換モジュール
34 ハーフトーニング(中間調処理)モジュール
35 プリントコマンド生成モジュール
51 ホスト装置
52 画像出力装置
53 双方向インターフェース
54 ドライバソフトウエア
1000 処理部
1001 MPU
1002 バス
1003 DRAM
1004 ブリッジ
1005 グラフィックアダプタ
1006 HDDコントローラ
1007 キーボードコントローラ
1008 通信I/F
2001 表示装置
2002 HDD装置
2003 キーボード
3001 MCU
3003 制御回路部
3004 ROM
3005 DRAM
3006 通信I/F
3007 ヘッドドライバ
3008 CRモータドライバ
3009 LFモータドライバ
3010 記録ヘッド
3011 キャリア(CR)モータ
3012 搬送(LF)モータ

Claims (5)

  1. 複数の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を行う誤差拡散処理手段を備える画像処理装置であって、
    前記複数の濃度成分のうちの1つである第1の濃度成分に前記誤差拡散処理を行う場合、当該誤差拡散処理で用いる閾値を、前記複数の濃度成分のうちの少なくとも1つである前記第1の濃度成分とは異なり、かつ前記誤差拡散処理前の第2の濃度成分の濃度値と、前記第2の濃度成分の濃度値を前記閾値に変換するためのテーブルとに基づいて決定する決定手段を備え、
    前記誤差拡散処理手段は、処理結果として、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値よりも小さかった場合には第1の出力結果を出力し、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値と等しいか又は大きく、前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値よりも小さかった場合には前記第1の出力結果とは異なる第2の出力結果を出力し、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値と等しいか又は大きかった場合には前記第1の出力結果、前記第2の出力結果のいずれとも異なる第3の出力結果を出力することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1の濃度成分と前記第2の濃度成分とは、色、染料濃度、及び吐出量のうちの少なくとも1つが異なっていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 複数の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を行う誤差拡散処理工程を備える画像処理方法であって、
    前記複数の濃度成分のうちの1つである第1の濃度成分に前記誤差拡散処理を行う場合、当該誤差拡散処理で用いる閾値を、前記複数の濃度成分のうちの少なくとも1つである前記第1の濃度成分とは異なり、かつ前記誤差拡散処理前の第2の濃度成分の濃度値と、前記第2の濃度成分の濃度値を前記閾値に変換するためのテーブルとに基づいて決定する決定工程を備え、
    前記誤差拡散処理工程では、処理結果として、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値よりも小さかった場合には第1の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値と等しいか又は大きく、前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値よりも小さかった場合には前記第1の出力結果とは異なる第2の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値と等しいか又は大きかった場合には前記第1の出力結果、前記第2の出力結果のいずれとも異なる第3の出力結果が出力されることを特徴とする画像処理方法。
  4. 前記第1の濃度成分と前記他の濃度成分は、色、染料濃度、及び吐出量のうちの少なくとも1つが異なっていることを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。
  5. 複数の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を行う誤差拡散処理ステップを備える画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記複数の濃度成分のうちの1つである第1の濃度成分に前記誤差拡散処理を行う場合、当該誤差拡散処理で用いる閾値を、前記複数の濃度成分のうちの少なくとも1つである前記第1の濃度成分とは異なり、かつ前記誤差拡散処理前の第2の濃度成分の濃度値と、前記第2の濃度成分の濃度値を前記閾値に変換するためのテーブルとに基づいて決定する決定ステップを備え、
    前記誤差拡散処理ステップでは、処理結果として、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値よりも小さかった場合には第1の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値と等しいか又は大きく、前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値よりも小さかった場合には前記第1の出力結果とは異なる第2の出力結果が出力され、前記第1の濃度成分が前記決定された閾値に前記第1の濃度成分の量子化階調数に基づく所定の値を加えた値と等しいか又は大きかった場合には前記第1の出力結果、前記第2の出力結果のいずれとも異なる第3の出力結果が出力されることを特徴とするプログラム。
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