JP4194059B2 - 画像形成装置の用紙後処理装置 - Google Patents

画像形成装置の用紙後処理装置 Download PDF

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  • Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機・ファクシミリ・プリンタまたはそれらの複合機などの画像形成装置に隣接して設置し、画像形成装置から排出された画像記録済みの用紙を、用紙整合トレイ上に一時的にスタックして整合し、その整合された用紙にスティプルやパンチング等の後処理を施してから、その後処理後の用紙を排紙トレイ上に排出する画像形成装置の用紙後処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の用紙後処理装置の中には、メールボックストレイのように垂直な用紙分配路の一側に排紙トレイを多段に備え、後処理後の用紙束を後処理端側から用紙分配路に入れて下方へと搬送し、多段の排紙トレイに分配して排出するものがある。
【0003】
このような用紙後処理装置の中には、また、用紙束の搬送をスムーズにするため、用紙分配路の下方にUターン部を設け、そのUターン部で用紙束をスイッチバックして用紙分配路へと戻し、多段の排紙トレイへと分配して排出するものがある。
【0004】
たとえば図26に示すように、用紙分配路1の下方にUターン部2を設け、用紙束3を用紙分配路1では駆動ローラ4と従動ローラ5とで挟んで搬送し、Uターン部2ではターンローラ6と従動コロ7とで挟んで搬送していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、駆動ローラ4の周速とターンローラ6の周速とを等しくすると、用紙束3が用紙分配路1とUターン部2とに跨った図示のような状態では、用紙束3はUターン部2で内周側と外周側とが同じ速度で搬送されることとなるから、用紙束3の束厚tが薄いときは問題ないが、厚くなると、内外の周長差で同図26に示すようにUターン部2を過ぎたところでたるみを発生して用紙束3に膨らみhを生じ、その後の搬送で用紙束3に折れ等を発生する問題があった。
【0006】
そこで、この発明の課題は、用紙束の束厚が厚い場合にも、Uターン部を過ぎたところでたるみを発生して用紙束に膨らみを生じないようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明は、スティプラで後処理後の用紙束を後処理端側から入れて下方へと搬送する用紙分配路を設け、その用紙分配路の一側に排紙トレイを多段に備えるとともに、駆動ローラを備え、他側にその駆動ローラとで挟んで用紙分配路中の用紙束を速度V1で搬送する従動ローラを備える一方、用紙分配路の下方に、用紙束をターンローラの外周に巻き付けるようにして該従動ローラ側にUターンするUターン部を設け、そのUターン部を通過する用紙束の外周側を速度V1で、内周側をそれよりも遅い速度V2で搬送するように、用紙束の厚さに応じて制御手段で制御してターンローラの周速を可変してなる、ことを特徴とする。
【0008】
Uターン部の曲率中心からそのUターン部を通過する用紙束の外周までの距離をa、用紙束の束厚をtとするとき、速度V2を
(a−t)÷a×V1
とするとよい。
【0009】
さらに、用紙束の束厚を検知する束厚検知手段を備え、その束厚検知手段の検知結果に基づきターンローラの周速を可変するとよい。また、用紙束の先端を受けて該用紙束とともに用紙分配路およびUターン部を移動する係止部材を設けるとよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
図1には、この発明による用紙後処理装置の全体概略構成を示す。
【0011】
図中符号1は、複写機・ファクシミリ・プリンタやそれらの複合機などの画像形成装置である。画像形成装置の側部には、この発明による用紙後処理装置2を隣接して設置する。
【0012】
用紙後処理装置2は、主に、パンチ処理を行うパンチユニット3と、ファックス紙や割り込み紙をスタックさせるプルーフトレイ4と、画像形成装置1から排出された画像記録済みの用紙を一時的にスタックする用紙整合トレイ5と、後処理手段であるスティプラ6と、たとえばコピー紙をスタックするための排紙トレイ7と、用紙を仕分けしてスタックするメールボックス等の多段のメールボックストレイ8とにより構成されている。
【0013】
画像形成装置1から排出された画像記録済みの用紙を、入口ローラ10によって水平方向に搬送し、パンチユニット3に送る。このパンチユニット3は、用紙の搬送に同期したロータリーパンチであり、画像形成装置1に設けられた図示せぬ操作パネルで選択することによって用紙に穿孔したりしなかったりするが、いずれの場合も用紙は停止しない。
【0014】
パンチユニット3を通過した用紙は搬送ローラによって搬送され、分岐爪11がある分岐路に至る。分岐爪11は、用紙処理のモード条件によって、図示せぬソレノイドで作動させて、用紙搬送路をAとBの2方向に切り換える。
【0015】
用紙搬送路Bは、たとえばプリンタモードで用紙にスティプルを行わず、用紙を用紙整合トレイ5上を介さずに直ちに後述する用紙分配路Fへと導き、多段のメールボックストレイ8へと分配して排出する場合に使う。用紙搬送路Aは、用紙をプルーフトレイ4へ排出する場合、大量排出トレイ7へ排出する場合、および用紙にスティプル処理をする場合に使う。
【0016】
用紙搬送路Aに進んだ用紙は、分岐爪12がある分岐路に至り、その分岐爪12で、プルーフトレイ4へ向かう用紙搬送路Cと、用紙整合トレイ5や排紙トレイ7に向かう用紙搬送路Dの2方向に切り換えられる。
【0017】
用紙搬送路Cを通る用紙は、排紙ローラ13によってプルーフトレイ4へスタックされる。用紙搬送路Dを通る用紙は、スティプルモードの場合と、ノンスティプルモードの場合とで搬送の仕方が異なる。
【0018】
ノンスティプルモードの場合は、図2に示すように、ガイド板14が支点位置14aを中心に下に下がった状態で待機しており、用紙は、用紙搬送路Eへ進み駆動排出ローラ15と従動排出ローラ16によって排紙トレイ7へ排出される。
【0019】
スティプルモードの場合は、ガイド板14が支点位置14aを中心に上に上がった状態(図1の一点鎖線で示す位置)で待機しており、用紙は、ガイド板14の下側を通り、用紙整合トレイ5に一時スタックされる。
【0020】
用紙整合トレイ5の長さを小さくするため、図3に示すように、伸縮トレイ17を設ける。伸縮トレイ17は、用紙整合トレイ5の奥行き方向の中央部に設ける。これは、用紙束の幅方向の揃えを行うジョガー機構と干渉しないようにするためである。
【0021】
伸縮トレイ17は、図1に示す排紙センサ31が用紙先端を検知後所定時間で伸びる動作を完了し、用紙がスタックされるのを待つ。このとき、伸縮トレイ17の伸びる長さを、搬送されてくる用紙の長さにより調整する。たとえばA4縦のサイズが通紙されてくれば、伸縮トレイ17の先端位置はA4縦の先端位置まで伸びる。A3縦のサイズが通紙されてくれば、伸縮トレイ17の先端位置はスタックされるA3縦の先端位置まで伸びる。
【0022】
伸縮トレイ17は、長さを小さくするため2段階に伸びる構成である。伸縮させる構成は、図4に示すように、用紙整合トレイ5からスプリング20の案内棒18をのばし、1段目の伸縮トレイ19の内部にはスプリング20の案内ガイド19aを設ける。図5は、スプリング20を前記案内棒18にセットし、1段目の伸縮トレイ19を用紙整合トレイ5にセットしたものである。これによって、スプリング20が前記案内棒18の基部と前記案内ガイド19aの奥壁とにより圧縮され、1段目の伸縮トレイ19は常に用紙整合トレイ5から飛び出す力が加わるので、その力によって1段目の伸縮トレイ19を用紙整合トレイ5から伸ばすことができる。
【0023】
2段目の伸縮トレイ21も、図6に示すように、1段目の伸縮トレイ19と同様に構成され、常に1段目の伸縮トレイ19から飛び出す力が加わるので、その力によって2段目の伸縮トレイ21を1段目の伸縮トレイ19から伸ばすことができる。
【0024】
一方、図3に示すように、2段目の伸縮トレイ21の基部に紐状部材22が係止され、用紙整合トレイ5に軸支されているプーリ23を介して角度を変えて巻き取りプーリ24に巻かれている。巻き取りプーリ24と同軸上にホイールギヤ25を設け、それに駆動モータ27のウォームギヤ26をかみ合わす。また、2段目の伸縮トレイ21には検知フィラ28、用紙整合トレイ5にはそれを検知するセンサ29を設けている。
【0025】
図6に示すように、1段目および2段目の両伸縮トレイ19・21ともコロ30を設け、伸縮動作を滑らかにしている。これにより、伸縮トレイ19・21が縮んだ状態(ホームポジション)から駆動モータ27を正回転させれば、巻き取りプーリ24から紐状部材22が繰り出され伸縮トレイ19・21が伸びる。そのとき、伸縮トレイ19・21を、駆動モータ27のパルス制御によって所定の位置で停止させる。
【0026】
また、伸縮トレイ19・21を縮める場合は、駆動モータ27を逆転させ紐状部材22を巻き取る。そして、センサ29が検知フィラ28を検知することによって、所定の位置で停止する。
【0027】
さて、図1に示すように、用紙整合トレイ5に一時スタックされた用紙は、排紙ローラ32の同軸上に配されたブラシローラ33と、たたきローラ34によって用紙を後端フェンス35に突き当てて搬送方向を揃え、ジョガーフェンス36によって横方向の揃え動作を行い、スティプラ6によってスティプルする。その場合、スティプラ6は、駆動部6Aによりスライド移動することが可能であり、指示された位置へスティプルする。
【0028】
コピーモードの場合は、その後、伸縮トレイ17が前述の機構によって用紙整合トレイ5に収納される。その後ガイド板14が下に下がって、ガイド板14に取り付けられている従動排出ローラ16が用紙を加圧し、駆動排出ローラ15の回転によって排紙トレイ7へ搬送する。
【0029】
用紙は、所定枚数分だけ次々に排紙トレイ7に排出され、図7に示すように、センサ40によりその上面が検知されることによって、積載された用紙が常に一定の位置になるように積載される。排紙トレイ7上で転写紙が満杯になると、下限センサ41によって検出される。
【0030】
排紙トレイ7は、図7に示すように、上下リフトベルト42に吊るされている。上下リフトベルト42は、ギヤ列およびタイミングベルトを介して昇降モータ43により駆動され、昇降モータ43の正転または逆転によって昇降する。また、必要に応じて、排紙トレイ7は、用紙の排出方向に対して直交する方向にシフト動作を行い、用紙の仕分けを行う。
【0031】
プリンタモードの場合で、スティプルされた用紙をメールボックストレイ8へ排出する場合、図1に示すように、後端フェンス35とスティプラ6を手前側あるいは奥側のどちらか近い方の用紙側縁よりも外側へ待避させる。そのとき、後端フェンス35は、スティプラ6の一部に係合しスライド動作に追従することによって移動する。
【0032】
次に、図中鎖線で示す下向き位置に待機していたチャックアーム対37を回動してカム38によって図中実線位置とし、先端で用紙束を挟んで支点37aを中心に時計回りに回転し、下方へと搬送して用紙束を後端側から用紙分配路Fへと導く。チャックアーム対37が一点鎖線位置へ戻ると、カム38の動作によってチャックアーム対37が開き、用紙束を放しながら回転動作を加速して用紙束を用紙分配路Fへ引き継ぐ。
【0033】
ところで、用紙分配路Fは、図1に示すように、垂直で、多段のメールボックストレイ8のうちの最下段の排紙トレイに対応する位置を過ぎてから、さらに伸ばして上方へと折り返すようにUターン部56を形成してなる。そして、通過する用紙を、偏向手段である分岐爪52で搬送方向を切り換えて多段のメールボックストレイ8上に分配して排出する。
【0034】
用紙分配路Fを、用紙搬送駆動ローラ50側の固定ガイド部材60と、用紙搬送従動ローラ51側の位置可動な可動ガイド部材とで構成する。用紙分配路Fの従動ローラ51側は、図8(a)に示すように、用紙を案内する位置可動な可動ガイド部材を、ワイヤ61よって構成する。そのワイヤ61の一端は、軸62に空転するように取り付けられたプーリ65に係止しており、複数個の回動部材64を上下方向に間隔をあけて平行に設けておき、この回動部材64に取り付けられたプーリ63で張設する。ワイヤ61の他端は、不図示の部材に弾性部材を介して係止する。
【0035】
従動ローラ51は、前記回動部材64にプーリ63と併設され、回動部材64で支持してメールボックストレイ8の数だけ上下方向に配設する。そのとき、従動ローラ51は、ワイヤ61よりも1〜2mm駆動ローラ50側に突出している。
【0036】
従動ローラ51側には、さらにモータ68で駆動するプーリ66と、下方に設ける大プーリ67とにベルト76を掛け渡して係止部材搬送手段を設ける。そして、モータ68でプーリ66を駆動してベルト76を回転駆動し、ベルト76に固定する係止部材53を前記Uターン部56に沿って往復動する。係止部材53は、鍵状で、用紙分配路Fに設ける。
【0037】
回動部材64は、支点64aによって用紙後処理装置2の図示しない側板に回転動作可能に軸支し、後端部64bでレバー69と各々連結している。レバー69は引張スプリング70によって下方に引っ張られており、それによって従動ローラ51、プーリ63、ワイヤ61を駆動ローラ50側に付勢し、駆動ローラ50に従動ローラ51を突き当てる。レバー69は、各々の回動部材64に連結されているので、ワイヤ61の上流側と下流側を同時にかつ用紙分配路Fに対して並行に動作する。
【0038】
用紙分配路Fの駆動ローラ側は、図1に示すように、駆動ローラ50と、偏向手段である分岐爪52と、固定ガイド部材60とで構成される。駆動ローラ50は、固定ガイド部材60から1〜2mm突出している。したがって、用紙分配路Fの間隔は、通常2〜4mm程度にしている。
【0039】
用紙分配路Fへ用紙搬送路の幅よりも薄い(2〜4mm未満)用紙束が進入してきた場合は、ワイヤ61は変位することなく用紙束は搬送される。用紙分配路Fの幅よりも厚い(2〜4mm以上)用紙束が進入してきた場合は、用紙分配路Fを押し広げて用紙束が搬送される。用紙詰まりを起こした場合は、従動ローラ51の圧を解除すれば、用紙分配路Fから用紙を取り除くことができる。
【0040】
図示例では、図8(a)に示すモータ81を駆動して偏心カム82を回転駆動することにより図8(b)・(c)に示すように回動部材64を回動し、ワイヤ61を変位して用紙束の厚さに応じて用紙分配路Fの厚さを変えることができる。用紙束の枚数は、画像形成装置からの信号や、センサによってカウントすることができ、変位の大きさはモータ81の回転角で制御することができる。
【0041】
用紙分配路Fへ進んだ用紙束は、駆動ローラ50と従動ローラ51によって下方へ搬送し、図9に示すように先端を鍵状の係止部材53で掛け止めてずれ落ちないように受ける。そして、係止部材53とともに移動し、図10に示すように用紙束Pの後端が排紙されるメールボックストレイ8の分岐爪52位置よりやや下方に来た時点で、用紙束Pの搬送を停止する。そのとき、大サイズの用紙であったり、排出させるメールボックストレイ8が下の方である場合は、用紙束PはUターン部56にいったん送り込む。
【0042】
モータ68を制御し、係止部材53は、用紙束Pの搬送速度と同じか、またはそれよりも遅く移動する。
【0043】
用紙束Pが停止したら、モータ81で引張スプリング70に抗してレバー69を図1の矢印方向へ動作させることによって駆動ローラ50と従動ローラ51の圧を解除し、モータ68でベルト76を回転駆動して図11に示すように係止部材53によって用紙束Pを押し出すようにし、用紙束Pを逆方向に搬送(スイッチバック)させる。
【0044】
そして、用紙束Pを排出するメールボックストレイ8の分岐爪52を切り換え、係止部材53はその分岐爪52の手前で停止し、後は排出駆動ローラ58と排出従動ローラ59で搬送し、用紙束Pをメールボックストレイ8へ排出する。
【0045】
用紙搬送路Bに向かった用紙は、図12に示すように、用紙分配路Fに入って排出されるメールボックストレイ8の分岐爪52が切り換わることによって、用紙先端側から排出される。この場合、前述のスティプルされた用紙束の場合と違ってスイッチバック動作はしない。
【0046】
分岐爪52は上下2方向から搬送される用紙をメールボックストレイ8へ偏向しなければならないので、図13に示すように上から用と、下から用の2つに分割した構成にしている。その2つはお互いにギヤ部52aで噛み合っており、どちらか一方を偏向させれば図14に示すように他方も偏向させることができる。図13の状態の場合、2つの爪の先端部が交差するが、2つの爪を櫛歯状にして干渉を回避している。
【0047】
メールボックストレイ8へ用紙が排出されれば、図1に示す紙有無検知センサ54によってたとえばパソコン上でユーザに対してメールの有無を通知し、さらに排出された用紙がメールボックストレイ8の許容量を超えると、満杯検知センサ55によってプリントアウトユーザや画像形成装置1に対してそれを知らせる。
【0048】
次に、前記チャックアーム対37について詳細に説明する。
チャックアーム対37には、図15に示すように、固定軸370に回転自在に取り付けられた下側チャックアーム371があり、下側チャックアーム371には長さ方向にガイド溝371aが設けてある。下側チャックアーム371のガイド溝371aには、上側チャックアーム372をスライド自在にその凸部372aが嵌合されている。
【0049】
上側チャックアーム372には、下側チャックアーム371との間に掛け渡されたスプリング373によって常にチャックアーム対37を閉じるような力が掛けられている。
【0050】
チャックアーム対37の固定軸370の近傍には、用紙後処理装置2側に固定されたカム38を有する。カム38のカム面は、前記上側チャックアーム372の凸部372aと嵌合しており、チャックアーム対37の位置によって上側チャックアーム372を押し広げる働きをする。
【0051】
固定されたカム38には、高いカム面38aと低いカム面38bを有する。高いカム面38aに上側チャックアーム372の凸部372aが来たときには、カム38によって凸部372aが押し上げられて上側チャックアーム372が押し広げられる(図15、図16)。
【0052】
低いカム面38bに上側チャックアーム372の凸部372aが来たときには、チャックアーム対37に掛けられたスプリング373の力によって、上側チャックアーム372が閉じられる(図17、図18)。
【0053】
カム38には、一端39aを支持して弁39が取り付けてある。弁39の一面は、カム38の高いカム面38aの一部を構成する形状となっている。
【0054】
弁39は、上側チャックアーム372の凸部372aが低いカム面38bから高いカム面aに移動するときには、一端39aを支点として図19に示すように弁39を回動させ、上側チャックアーム372の凸部372aが高いカム面38aに移動する際の邪魔にならないようにしている。
【0055】
上側チャックアーム372は、カム38面が上側チャックアーム372の凸部372aを押すことで開放される。
【0056】
チャックアーム対37が、反時計方向に回転したときには、上側チャックアーム372の凸部372aは、弁39の上側を通り高いカム面38aを移動する。そのため、上側チャックアーム372は、開いたまま用紙整合トレイ5まで移動する(図15から図16)。
【0057】
図17から図18に示すように、上側チャックアーム372の凸部372aが低いカム面38bにあり、チャックアーム対37が時計方向に回転したときには、上側チャックアーム372の凸部372aは、低いカム面38bを移動する。このとき、上側チャックアーム372は、閉じたまま移動する。
【0058】
図19から図20に示すように、低いカム面38bから高いカム面38bに切り替わる部分38cでは、上側チャックアーム372の凸部372aが、カム38に押され、徐々に開いて行く。上側チャックアーム372の凸部372aが、高いカム面aに変化するときに、弁39を押しながら一端39a側を支点として図19に示すように回動し、高いカム面38aに移動する際の邪魔にならないようにしている。
【0059】
次に、チャックアーム対37の動作タイミングについて説明する。
用紙整合トレイ5で揃えられた用紙は、スティプラ6によって綴じ動作が行われる。このとき、チャックアーム対37は、図1の2点鎖線で示すようにスティプラ6の移動の邪魔にならないような位置に待避している。この位置をホームポジションとする。このとき、図15に示すように、上側チャックアーム372の凸部372aは、カム38の高いカム面38aにあるため、上側チャックアーム372は開いた状態である。
【0060】
スティプラ6の移動が終わった後、チャックアーム対37は、図16に示すように掴み待機位置に向かって反時計方向に回転する。このときの上側チャックアーム372の凸部372aは、カム38の高いカム面38aを移動していくので、上側チャックアーム372は、開いたまま図16に示す掴み待機位置に移動する。
【0061】
移動が終わったスティプラ6は、用紙整合トレイ5にある用紙束Pに対して綴じ動作を行う。本実施例では、チャックアーム対37がホーム位置から掴み待機位置までの移動中にスティプラ6の綴じ動作を行うようにして、動作時間の短縮を行っている。
【0062】
スティプラ6による綴じ動作が終了したあと、チャックアーム対37は、図16に示す掴み待機位置から掴み位置に向かって反時計方向に回転する。このとき、上側チャックアーム対372の凸部372aは、図17に示すように、固定カム38の高いカム面38aから低いカム面38bに切り替わるため、上側チャックアーム対372は、スプリング373の力によって閉じ、スティプルされた用紙束Pを把持する。その後、スティプラ6とストップ部材35は、用紙幅の外まで移動する。
【0063】
次いで、チャックアーム対37は、図17から図18に示すように、掴み位置から用紙束受け渡し位置に向かって時計回りに回転する。さらに図19に示すように、時計回りに回転する。このとき、上側チャックアーム372の凸部372aがカム38の低いカム面38bから高いカム面38aに移動して行くため、上側チャックアーム対372は、閉じた状態から開いた状態へ変化していく。また、このとき、搬送路の用紙搬送ローラ対406に用紙束Pが把持され、用紙束Pがチャックアーム対37から用紙搬送ローラ対406に引き渡される。
【0064】
その後、チャックアーム対37は、図20に示すように用紙束Pの搬送の邪魔にならないようにホームポジションまで時計方向に回動する。
【0065】
ところで、図示用紙後処理装置2では、図8(a)に示すように、大プーリ67の内側にそれぞれ隣接してその大プーリ67と一体に回転するゴム製のターンローラ101を設ける。ターンローラ101の外径は、大プーリ67に掛け渡したベルト76の外径と等しくする。
【0066】
一方、図1および図21に示すとおり、Uターン部56のターンローラ101の外周には、不図示の側板間で2つの支軸105を回動自在に支持する。各支軸105には、レバー102の基端を固着する。レバー102の先端には、各々従動コロ103を回転可能に取り付ける。そして、それぞれ引張スプリング104の一端を掛けて従動コロ103をターンローラ101の外周に押し当てる。
【0067】
いま、駆動ローラ50の周速をV1とするとき、Uターン部56を通過する用紙束Pの外周側の周速をV1とし、内周側の周速、つまりターンローラ101の周速をそれよりも遅い速度V2としてなる。
【0068】
速度V2は、たとえばUターン部56の曲率中心Oから該Uターン部56を通過する用紙束Pの外周までの距離をa、用紙束Pの束厚をtとするとき、
(a−t)÷a×V1
としてなる。
【0069】
このターンローラ101の周速を速度V2とするのは、用紙束Pの先端がUターン部56に進入してから同Uターン部56を抜けるまでの間とする。なぜなら、用紙束Pの先端がUターン部56を抜けた後も、速度V2のままとすると、今度は反対に用紙束Pの外周側がたるんで膨らむこととなるからである。
【0070】
ここで、用紙束Pの束厚tは、変化する。そこで、たとえば図22に示すように、用紙整合トレイ5上に用紙束Pの束厚tを検知する束厚検知手段110を備え、その束厚検知手段110の検知結果に基づきターンローラ101の周速V2を可変してなる。
【0071】
図22において、符号111はフィラーであり、符号112は光透過型センサである。用紙整合トレイ5上の用紙束Pの束厚tに応じてフィラー111のフィラー部111aが上下し、遮蔽部111bが動いてその動きを光透過型センサ112で段階的に検出し、束厚tを検知する。
【0072】
図22に示すような束厚検知手段110に限らず、この他にもたとえば用紙束を形成する用紙の枚数をカウントする計数手段を備え、その計数手段で計数した用紙枚数に用紙厚を乗じて用紙束の束厚を検知する束厚検知手段を設ける構成としてもよい。
【0073】
なお、この用紙後処理装置では、上述した係止部材53は、用紙分配路Fにあるときは速度V1で移動し、Uターン部56に入ると、ターンローラ101と一緒に速度V2で移動し、用紙束Pとともに移動するようにしてなる。
【0074】
図23には、この発明による用紙後処理装置の他例を示す。この用紙後処理装置では、各駆動ローラ50のローラ軸114の一端にそれぞれプーリ115を設け、そのプーリ115に1のエンドレスの駆動ベルト116を掛ける。駆動ベルト116は、用紙搬送モータ117のモータプーリ117A、2つの駆動プーリ122に掛ける。
【0075】
各駆動プーリ122は、支軸121の一端に固着する。各支軸121には、各々複数のレバー102の基端を固着し、またプーリ124を固着する。プーリ124には、エンドレスベルト126の一側を掛ける。エンドレスベルト126の他側は、レバー102の先端で回転自在に支持する軸127上のプーリ125に掛ける。軸127上には、プーリ125とともに駆動ローラ123を固着する。そして、図1に示す引張スプリング104と同様なスプリングで付勢し、駆動ローラ123をターンローラ101の外周に押し当てる。
【0076】
その他は、図1に示す上述した用紙後処理装置と同様であり、この場合も、Uターン部56を通過する用紙束Pの外周側を速度V1で、内周側をそれよりも遅い速度V2で搬送してなる。
【0077】
たとえば図24に示すように、Uターン部56の曲率中心OからそのUターン部56を通過する用紙束Pの外周までの距離をa、用紙束Pの束厚をtとすると、Uターンする角度θに対する外周長は、2aπ×θ/360、
内周長は、2(a−t)π×θ/360
となり、内外周長差は、
2aπ×θ/360−2(a−t)π×θ/360
=tπ×θ/360
となる。
【0078】
用紙束Pの外周側がターンローラ101で搬送される距離をbとすると、内周側が搬送される距離は、(b−tπ×θ/360)となる。駆動ローラ50の周速をV1とすると、その速度V1で用紙束Pが距離b搬送されるにかかる時間はb/V1となる。そこで、時間b/V1で用紙束Pの内周側が(b−tπ×θ/360)搬送されるための線速は、
(b−tπ×θ/360)÷b/V1
となる。よって、これを整理し、ターンローラ101の周速は、
(b−tπθ÷360)÷b×V1
とするとよい。
【0079】
図25には、この発明による用紙後処理装置のさらに他例を示す。この例では、支軸121に固着するプーリ124と、レバー102先端で支持する軸127上のプーリ128間にベルト129を掛け、駆動ローラ123に代えてベルト129をターンローラ101の外周に押し当ててなる。軸127は、スプリング130でベルト129を張り渡すように付勢する。
【0080】
その他は、図1に示す上述した用紙後処理装置と同様であり、この場合も、Uターン部56を通過する用紙束Pの外周側を速度V1で、内周側をそれよりも遅い速度V2で搬送してなる。
【0081】
ここで、後処理後の用紙束Pは、後処理端側から用紙分配路Fに入れるから、用紙分配路FからUターン部56に入った用紙束Pの後端側は自由端となる。また、Uターン部56は、従動ローラ51側にUターンするから、Uターンする用紙束Pの内周側に従動ローラ51がある。よって、用紙分配路Fにおいて速度V1で搬送されてきた用紙束Pが、Uターン部56においてUターンするときその内周側でそれよりも遅い速度V2で搬送されるようになったとしても、Uターン部56の手前でたるみを生ずることはない。
【0082】
【発明の効果】
以上のとおり、この発明によれば、Uターン部を通過する用紙束の外周側を用紙分配路と同じ速度V1で搬送し、内周側をそれよりも遅い速度V2で搬送するから、用紙束の束厚が厚い場合にも、Uターン部を過ぎたところでたるみを発生することなく、用紙束に膨らみを生じないようにすることができる。これにより、その後の搬送で用紙束に折れ等が生じないようにすることができる。
【0083】
請求項2に係る発明によれば、Uターン部を通過する用紙束の内周側の速度V2を外周側の速度V1より、用紙束の束厚に応じてその束厚分遅く搬送するから、個々の用紙束の束厚に応じてUターン部を過ぎたところでのたるみの発生をほぼ完全に解消することができる。
【0084】
請求項3に係る発明によれば、束厚検知手段を備え、その束厚検知手段の検知結果に基づきターンローラの周速、すなわちUターン部を通過する用紙束の内周側の速度V2を可変するから、束厚に応じて速度V2を自動的に設定して用紙束のたるみの発生を防止することができる。
【0085】
請求項4に係る発明によれば、用紙束の先端を受ける係止部材を用紙束とともに移動するから、用紙束の搬送が係止部材により妨げられるおそれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による用紙後処理装置の全体概略構成図である。
【図2】その整合トレイ部分周辺をガイド板とともに示す斜視図である。
【図3】その用紙整合トレイを伸縮トレイとともに示す斜視図である。
【図4】その1段目伸縮トレイ部分の分解斜視図である。
【図5】その組付け後の斜視図である。
【図6】伸縮トレイ部分全体の斜視図である。
【図7】上記用紙後処理装置の部分概略構成を示す斜視図である。
【図8】(a)は用紙分配路の用紙搬送従動ローラ側の構成を示す斜視図、(b)・(c)はそのワイヤの変位の状態を示す説明図である。
【図9】用紙が用紙分配路へと導かれた状態を示す説明図である。
【図10】その用紙がUターン部に送り込まれた状態を示す説明図である。
【図11】その用紙がスイッチバックされて指定の排紙トレイ上に排出される状態を示す説明図である。
【図12】画像形成装置から排出された用紙を用紙整合トレイを通さずに直ちに用紙分配路へと導く状態を示す説明図である。
【図13】排紙トレイへ用紙を案内する分岐爪の機構図である。
【図14】用紙の搬送方向を切り換えて用紙を排紙トレイへと排出するときの分岐爪の状態説明図である。
【図15】チャックアーム対が待機位置にある状態を示す説明図である。
【図16】チャックアーム対が掴み待機位置に移動した状態を示す説明図である。
【図17】チャックアーム対が掴み位置に移動した状態を示す説明図である。
【図18】チャックアーム対が用紙束を用紙搬送ローラ対に引き渡す状態を示す説明図である。
【図19】引き渡し後、チャックアーム対が用紙束から離れた状態を示す説明図である。
【図20】チャックアーム対がホームポジション位置まで移動した状態を示す説明図である。
【図21】用紙分配路からUターン部へと用紙束を搬送する状態説明図である。
【図22】束厚検知手段を用紙整合トレイ上に備える状態説明図である。
【図23】この発明による用紙後処理装置に備える用紙束搬送機構の他例の説明斜視図である。
【図24】そのUターン部を過ぎて用紙束を搬送する状態説明図である。
【図25】用紙束搬送機構のさらに他例を示すUターン部の概略拡大構成図である。
【図26】従来の用紙分配路からUターン部へと用紙束を搬送する状態説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 用紙後処理装置
5 用紙整合トレイ
6 スティプラ
8 メールボックストレイ(排紙トレイ)
50 駆動ローラ
51 従動ローラ
53 係止部材
56 Uターン部
67 大プーリ
101 ターンローラ
103 従動コロ
110 束厚検知手段
111 フィラー
112 光透過型センサ
123 駆動ローラ
129 ベルト
a Uターン部の曲率中心からUターン部を通過する用紙束の外周までの距離
t 用紙束の束厚
F 用紙分配路
O Uターン部の曲率中心
P 用紙束
V1 Uターン部を通過する用紙束の外周側の速度(駆動ローラと従動ローラとで搬送する用紙束の速度)
V2 Uターン部を通過する用紙束の内周側の速度

Claims (4)

  1. スティプラで後処理後の用紙束を後処理端側から入れて下方へと搬送する用紙分配路を設け、
    その用紙分配路の一側に排紙トレイを多段に備えるとともに、駆動ローラを備え、
    他側にその駆動ローラとで挟んで前記用紙分配路中の用紙束を速度V1で搬送する従動ローラを備える一方、
    前記用紙分配路の下方に、用紙束をターンローラの外周に巻き付けるようにして該従動ローラ側にUターンするUターン部を設け、
    そのUターン部を通過する用紙束の外周側を前記速度V1で、内周側をそれよりも遅い速度V2で搬送するように、用紙束の厚さに応じて制御手段で制御して前記ターンローラの周速を可変してなる、画像形成装置の用紙後処理装置。
  2. 前記Uターン部の曲率中心からそのUターン部を通過する用紙束の外周までの距離をa、用紙束の束厚をtとするとき、前記速度V2を
    (a−t)÷a×V1
    としてなる、請求項1に記載の画像形成装置の用紙後処理装置。
  3. 用紙束の束厚を検知する束厚検知手段を備え、その束厚検知手段の検知結果に基づき前記ターンローラの周速を可変してなる、請求項1、または2に記載の画像形成装置の用紙後処理装置。
  4. 用紙束の先端を受けて該用紙束とともに前記用紙分配路および前記Uターン部を移動する係止部材を設けてなる、請求項1に記載の画像形成装置の用紙後処理装置。
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