JP4193241B2 - 信号調整装置および信号調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号調整装置および信号調整方法に関し、特に、効率よく、信号を調整することができるようにした信号調整装置および信号調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図17は、従来のデジタル放送システムの構成例を表している。放送番組編成システム1には、番組供給業者から供給される番組素材などの放送時間を管理するための番組編成表が登録されており、放送番組編成システム1は、この番組編成表に従って、顧客管理システム2乃至変調回路11を制御する。
【0003】
顧客管理システム2は、顧客の登録情報や料金徴収情報等の顧客管理に関する情報を管理し、顧客視聴許可システム3に供給するための視聴者の契約に関する情報や番組を視聴できないようにするためのスクランブル設定に関する情報などを生成する。
【0004】
顧客視聴許可システム3は、顧客管理システム2からの情報を暗号化し、マルチプレクサシステム9において多重化されるパケットデータを生成する。
【0005】
EPGシステム4は、例えば、放送時間や番組内容など、番組を紹介するデータ(以下、EPGデータと称する)を生成し、マルチプレクサシステム9に供給する。
【0006】
番組素材提供システム5は、番組供給業者から供給される番組のビデオ信号およびオーディオ信号に対し、必要に応じて調整を施して、サーバシステム6に出力する。
【0007】
サーバシステム6は、アレイ状に接続されたディスクドライブや制御用のコンピュータなどから構成されており、番組素材提供システム5から供給された番組を保持するとともに、放送番組編成システム1の番組編成表に基づいて、各チャンネルのプログラムを生成し、ルーティングシステム7に供給する。
【0008】
ルーティングシステム7は、放送番組編成システム1からの番組編成表に基づいて、サーバシステム6から供給された複数のプログラムが適切なチャンネルから出力されるようにルーティングする。
【0009】
エンコーディングシステム8は、コントロールユニット10により制御され、ルーティングシステム7から供給されるプログラム(番組)のビデオ信号およびオーディオ信号を、例えば、MPEG2規格に準拠して、エンコードし、マルチプレクサシステム9に出力する。
【0010】
コントロールユニット10は、LAN12を介して、顧客視聴許可システム3により生成されたパケットデータを取得し、マルチプレクサシステム9に供給する。そこで、マルチプレクサシステム9は、コントロールユニット10により制御され、コントロールユニット10からの情報を、EPGシステム4からのEPGデータ、およびエンコーディングシステム8から供給される信号とともに多重化し、変調回路11に出力する。
【0011】
変調回路11は、マルチプレクサシステム9からの多重化信号を変調し、図示せぬ衛星に伝送する。
【0012】
図18は、番組素材提供システム5の構成例を表している。N個の調整装置15−1乃至15−N(以下、これらを個々に区別する必要がない場合、単に、調整装置15と記述する。他の装置についても同様である)には、番組供給業者からの番組のビデオ信号またはオーディオ信号が入力される。調整装置15−1は、例えば、RS−422Cをインタフェースとして9Pケーブルで接続されている、遠隔制御装置16−1により制御され、入力されるビデオ信号またはオーディオ信号を調整し、ルータ17に出力する。
【0013】
調整装置15−2乃至調整装置15−Nも、調整装置15−1と同様に、9Pケーブルで接続されている遠隔制御装置16−2乃至16−Nにより制御され、入力されるビデオ信号またはオーディオ信号をそれぞれ調整し、ルータ17に出力する。
【0014】
遠隔制御装置16は、調整項目とその調整値(以下、これらをまとめて、調整条件と称する)を設定することができる操作部(図示せず)を有しており、ユーザによりその操作部が操作され、設定された調整条件に基づいて、調整装置15を遠隔制御する。
【0015】
ルータ17は、モニタ選択部18により選択されたチャンネルの番組を調整する調整装置15−i(i=1,2,3,・・・,N)からのビデオ信号またはオーディオ信号が、モニタリング部19に供給されるようにルーティング処理を実行する。
【0016】
モニタリング部19は、モニタやスピーカを有しており、調整装置15−iからのビデオ信号を、モニタに表示させ、オーディオ信号を、スピーカから出力させる。
【0017】
このようにして、ユーザは、調整装置15−iを、それに接続される遠隔制御装置16−iの操作部を操作して遠隔操作し、選択したチャンネルの番組のビデオ信号またはオーディオ信号を調整する。
【0018】
この番組素材提供システム5において、例えば、多チャンネル放送のように、チャンネル数が100を超えるような場合、調整装置15に、1対1の割合で設けられる遠隔制御装置16の数は膨大となり、装置が大型化するばかりでなく、例えば、それらを、ユーザ(オペレータ)が、1つ1つ操作して、調整装置15における調整条件を設定することは、多大な手間を要し、管理が困難になる課題があった。
【0019】
そこで、例えば、1つの遠隔制御装置16−iを操作して、任意の調整装置15に対し、調整条件を設定できるようにすることが想定される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多くのチャンネルの番組を調整することができる遠隔制御装置16は、通常、その構成が複雑であり、また、拡張することが困難である課題があった。
【0021】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、かつ、容易に拡張できるようにするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の信号調整装置は、調整条件に基づいて、複数の信号の所定の特性を調整する調整手段と、調整手段により調整される複数の信号のうちの、ユーザが選択したチャンネルに対応する所定の信号を選択するための選択情報を出力する出力手段と、出力手段により出力された選択情報に対応するアドレスと、ユーザの操作に基づく調整手段の調整条件を生成する生成手段と、生成手段により生成されたアドレスに、調整条件を記憶するとともに、調整条件を調整手段に供給する供給手段とを備え、調整手段は、自分のためのアドレスに記憶された調整条件を取得して、所定の特性の調整を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の信号調整方法は、調整手段が、調整条件に基づいて、複数の信号の所定の特性を調整する調整ステップと、出力手段が、調整ステップで調整される複数の信号のうちの、ユーザが選択したチャンネルに対応する所定の信号を選択するための選択情報を出力する出力ステップと、生成手段が、出力ステップで出力された選択情報に対応するアドレスと、ユーザの操作に基づく調整ステップでの調整条件を生成する生成ステップと、供給手段が、生成ステップで生成されたアドレスに、調整条件を記憶するとともに、調整条件を供給する供給ステップとを含み、調整ステップの処理において、調整手段は、自分のためのアドレスに記憶された調整条件を取得して、所定の特性の調整を行うことを特徴とする。
【0025】
本発明においては、調整手段において、調整条件に基づいて、複数の信号の所定の特性が調整され、出力手段において、調整される複数の信号のうちの、ユーザが選択したチャンネルに対応する所定の信号を選択するための選択情報が出力され、生成手段において、出力された選択情報に対応するアドレスと、ユーザの操作に基づく調整条件が生成され、供給手段において、生成されたアドレスに、調整条件が記憶されるとともに、調整条件が供給される。また、調整手段では、自分のためのアドレスに記憶された調整条件が取得され、所定の特性の調整が行われる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、特許請求の範囲に記載の発明の各手段と以下の実施の形態との対応関係を明らかにするために、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但し一例)を付加して本発明の特徴を記述すると、次のようになる。但し勿論この記載は、各手段を記載したものに限定することを意味するものではない。
【0027】
請求項1に記載の信号調整装置は、調整条件に基づいて、複数の信号の所定の特性を調整する調整手段(例えば、図2のAV調整装置33)と、調整手段により調整される複数の信号のうちの、ユーザが選択したチャンネルに対応する所定の信号を選択するための選択情報を出力する出力手段(例えば、図2のモニタセレクタ21)と、出力手段により出力された選択情報に対応するアドレスと、ユーザの操作に基づく調整手段の調整条件を生成する生成手段(例えば、図2のAVリモートコントローラ31)と、生成手段により生成されたアドレスに、調整条件を記憶するとともに、調整条件を調整手段に供給する供給手段(例えば、図2のPCNS制御装置32)とを備え、調整手段は、自分のためのアドレスに記憶された調整条件を取得して、所定の特性の調整を行うことを特徴とする。
【0028】
図1は、本発明を適用したデジタル放送システムの構成例を表している。なお、図中、図17における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は、省略する。この例においては、番組素材提供システム5に代えて、番組素材提供システム100が設けられている。
【0029】
図2は、番組素材提供システム100の構成例を表している。この例においては、ルータバス20およびPCNS(Processor Control Network System)バス30の2つのバスが存在し、ルータバス20には、N個のモニタセレクタ21−1乃至21−N、ビデオルータ22、オーディオルータ23、モニタセレクタ制御装置24、およびアウトプットコントローラ25が接続されている。また、PCNSバス30には、N個のAVリモートコントローラ31−1乃至31−N、PCNS制御装置32、L個のAV調整装置33−1乃至33−Lが接続されている。
【0030】
モニタセレクタ21−1は、モニタセレクタコントロールパネル(以下、モニタセレクタCPと略称する)21A−1がユーザにより操作されて、選択されたチャンネルの番組の映像を、モニタ26−1に表示させ、またその音声をスピーカ27−1から出力させるための制御信号を生成し、ルータバス20を介して、モニタセレクタ制御装置24に出力するようになされている。モニタセレクタCP21A−1は、図3に示すように、チャンネルを選択する場合に操作されるチャンネルボタンMCの他、このモニタセレクタCP21A−1を使用不能にするためのロックボタンML、選択されたチャンネルに対する調整を不能にするためのプロテクトボタンMT、およびエラー表示部DEから構成される。
【0031】
モニタセレクタ21−1はまた、AVリモートコントローラ31−1と、RS−422Cをインターフェースとして、9Pケーブル200−1で接続されており、選択されたチャンネルの番号をAVリモートコントローラ31−1に供給する。
【0032】
モニタセレクタ21−2乃至21−Nも、モニタセレクタ21−1と同様の構成とされているので、その説明は省略する。
【0033】
モニタセレクタ制御装置24は、モニタセレクタ21から出力された制御信号を、内蔵するメモリに記憶するとともに、それを読み出し、ルータバス20を介して、ビデオルータ22およびオーディオルータ23に出力するようになされている。
【0034】
ビデオルータ22は、AV調整装置33およびモニタ26と直接接続されており、モニタセレクタ制御装置24からの制御信号により指定されたチャンネルに対応するAV調整装置33からのビデオ信号が、同様に指定されたモニタ26に供給されるようにルーティング処理を実行するようになされている。これにより、ユーザは、選択したチャンネルの番組の映像をモニタリングすることができる。
【0035】
オーディオルータ23は、AV調整装置33およびスピーカ27と直接接続されており、モニタセレクタ制御装置24からの制御信号により指定されたチャンネルに対応するAV調整装置33からのオーディオ信号が、指定されたスピーカ27に供給されるようにルーティング処理を実行するようになされている。これにより、ユーザは、選択したチャンネルの番組の音声をモニタリングすることができる。
【0036】
ビデオルータ22およびオーディオルータ23からのビデオ信号およびオーディオ信号は、サーバシステム6にも出力されるが、これは、ルータバス20に接続されているアウトプットコントローラ25により制御される。
【0037】
AVリモートコントローラ31−1は、PCNSバス30を介して、PCNS制御装置32から送信されてくる制御信号(後述)を受信し、それを記憶する。AVリモートコントローラ31−1は、9Pケーブル200−1を介して、リモートコントローラ21−1からチャンネルの番号が供給される。
【0038】
AVリモートコントローラ31−1は、AVリモートコントローラコントロールパネル(以下、AVリモートコントローラCPと略称する)31A−1がユーザにより操作され、調整条件(調整項目とその調整値)が設定されると、記憶している、PCNS制御装置32からの制御信号により設定されている調整条件と、設定された調整条件とを比較し、それらが異なる場合、モニタセレクタ21−1から供給されたチャンネルの番号と設定された調整条件に基づいて、制御信号を生成し、PCNSバス30を介して、PCNS制御装置32に出力する。
【0039】
なお、この例の場合、AVリモートコントローラ31−1とPCNS制御装置32との通信は、AVリモートコントローラ31−1がスレーブとされ、PCNS制御装置32がホストとされるポーリングに基づいて行われるので、AVリモートコントローラ31−1は、PCNS制御装置32により送信が許可された後、生成した制御信号をPCNS制御装置32に出力する。
【0040】
図4は、AVリモートコントローラCP31Aの例を表している。この例の場合、AVリモートコントローラCP31Aにおいて、1チャンネル分の番組のビデオ信号と、4チャンネル分の番組のオーディオ信号とが調整される。4個の調整ボタンC−1乃至C−4は、ビデオ信号を調整するときに選択されるボタンで、ユーザは、それらのボタンを選択し、ボリュームダイヤルTを操作することにより、調整値を設定する。
【0041】
ユーザは、調整ボタンC−1を選択することで、図5(A)に示すように、ビデオ信号のゲインを-20IRE乃至+20IREの範囲内で調整することができる。同様に、ユーザは、調整ボタンC−2を選択することで、クロマ信号のゲインを-30%乃至+30%の範囲内で調整し、調整ボタンC−3を選択することで、オフセットを-7.5IRE乃至+7.5IREの範囲内で調整し、調整ボタンC−4を選択することで、色相を-20deg乃至+20degの範囲内で調整することができる。それぞれの調整値は、表示部D−1に、パーセント表示(-100%乃至+100%)またはヘキサ表示(00h乃至FFh)される。なお、図5(B)には、ビデオ信号のゲイン、クロマ信号のゲイン、オフセット、色相の初期値、および表示部D−1におけるパーセント表示の場合の表示例(000%)とヘキサ表示の場合の表示例(80h)が示されている。
【0042】
調整ボタンC−4の右側に配置されている、4個の調整ボタンC−5乃至C−8は、オーディオ信号のレベルを調整するときに選択されるボタンで、ユーザは、それらのボタンを選択し、ボリュームダイヤルTを操作することで、図6(A)の”C−5”乃至”C−8”の欄に示すように、-6dB乃至+6dBの範囲内で、対応する4つのチャンネルCH1乃至CH4の番組のオーディオ信号のレベルを調整することができる。それぞれの調整値は、表示部D−2に、パーセント表示(-100%乃至+100%)またはヘキサ表示(00h乃至FFh)される。図6(B)の”C−5”乃至”C−8”の欄には、オーディオ信号のレベルの初期値、および表示部D−2におけるパーセント表示の場合の表示例(000%)とヘキサ表示の場合の表示例(80h)が示されている。
【0043】
調整ボタンC−8の右側に配置されている、4個の調整ボタンC−9乃至C−12は、オーディオ信号のフェーズを調整するときに選択されるボタンで、ユーザは、それらのボタンを選択し、ボリュームダイヤルTを操作することにより、図6(A)の”C−9”、”C−10”、”C−11”、および”C−12”の欄に示すように、対応する番組のオーディオ信号の正位相のフェーズを調整することができる。
【0044】
ユーザはまた、設定ボタンS−1を操作することにより、図6(A)の”RP−1”、”RP−2”、RP−3”、および”RP−4”の欄に示すように、対応する番組のオーディオ信号の負位相のフェーズを調整することができる。このときの設定の切換は、トグル動作により行われる。なお、それぞれの調整値は、表示部D−3に表示される。図6(B)の”C−9”、”C−10”、”C−11”、および”C−12”の欄には、オーディオ信号のフェーズの初期設定、および表示部D−3における、パーセント表示の場合とヘキサ表示の場合の表示例が示されている。
【0045】
調整ボタンC−13は、オーディオ信号のディレイを調整するときに選択されるボタンで、ユーザは、それを選択し、ボリュームダイヤルTを操作することにより、図6(A)の”C−13”の欄に示すように、0フィールド乃至15フィールドの範囲内で、ディレイを調整することができる。その調整値は、表示部D−4Dに表示される。図6(B)の”C−13”の欄には、オーディオ信号のディレイの初期値と、表示部D−4Dにおける、パーセント表示の場合とヘキサ表示の場合の表示例が示されている。
【0046】
調整ボタンC−14は、選択された番組のビデオ信号の状態を表示させるためのボタンである。調整ボタンC−14が選択されると、ビデオ信号の状態に応じて、例えば、図7(A)に示すような表示が、表示部D−4に表示される。図7(A)には、表示の内容の説明と、表示に対応するヘキサデータが示されている。
【0047】
また、調整ボタンC−15は、選択された番組のオーディオ信号の状態を表示させるためのボタンでる。調整ボタンC−16は、全ての調整値を初期値に設定するとき、操作されるボタンである。調整ボタンC−15または調整ボタンC−16が操作されると、図7に示すような表示が、表示部D−4に表示される。図7には、表示部D−4における表示例の他に、表示の内容と、表示に対応するヘキサデータが表示されている。
【0048】
調整ボタンC−16は、全ての調整値を初期値に設定するとき、操作されるボタンである。表示部D−4には、選択されているチャンネルの番号が表示される。
【0049】
設定ボタンS−2は、選択された調整項目に初期値を設定するときに操作され、設定ボタンS−3は、このAVリモートコントローラCP31A−1を使用不能にするとき選択され、設定ボタンS−4は、選択されたチャンネルに対する調整を不能にするときに選択される。
【0050】
AVリモートコントローラ31−2乃至31−Nは、AVリモートコントローラ31−1と同様の構成を有するので、その説明は省略する。
【0051】
図2に戻り、PCNS制御装置32は、AVリモートコントローラ31に、送信要求の有無を定期的に問い合わせ、送信要求がある場合、他に急いで処理すべき事項がないときは、AVリモートコントローラ31に送信許可を与える。これにより、AVリモートコントローラ31から制御信号(調整条件)が送信されるが、PCNS制御装置32は、それを受信し、記憶するとともに、PCNSバス30に出力する。
【0052】
AV調整装置33には、番組供給業者から供給される番組(ビデオ信号およぼオーディオ信号)が入力されるようになされている。AV調整装置33は、例えば、DIPスイッチのように、操作されることより、アドレスを設定することができるスイッチ(図示せず)を有しており、PCNSバス30を介して送信されてくるPCNS制御装置32からの制御信号が、その設定されたアドレス宛の場合、それを取得する。そして、AV調整装置33は、入力されるビデオ信号とオーディオ信号に対して、取得した制御信号に基づいた調整を施し、ビデオ信号をビデオルータ22に、またオーディオ信号をオーディオルータ23に、それぞれ出力する。
【0053】
次に、モニタセレクタ21乃至スピーカ27の動作について説明する。ユーザが、例えば、モニタセレクタ21−1の、図3に示したモニタセレクタCP21A−1のチャンネルボタンMCを操作し、所定のチャンネルPの番組の映像と音声を共にモニタリングする設定をすると、モニタセレクタ21−1は、設定されたチャンネルPの番号を、9Pケーブル200−1を介して、AVリモートコントローラ31−1に供給するとともに、ビデオルータ22およびオーディオルータ23を制御するための制御信号を生成し、ルータバス20を介して、モニタセレクタ制御装置24に出力する。
【0054】
モニタセレクタ制御装置24は、モニタセレクタ21−1からのチャンネルPの番号を、内蔵するメモリに記憶するとともに、それを読み出し、ビデオルータ22およびオーディオルータ23に、ルータバス20を介して出力する。
【0055】
ビデオルータ22は、モニタセレクタ制御装置24からの制御信号により指定されたチャンネルPの番組を調整する、AV調整装置33−i(i=1,2,3,・・・,L)から出力されるビデオ信号が、モニタ26−1に供給されるようにルーティング処理を実行する。オーディオルータ23は、制御信号により指定されたAV調整装置33−iから出力されるオーディオ信号が、スピーカ27−1に供給されるようにルーティング処理を実行する。これにより、モニタ26−1には、チャンネルPの番組の映像が表示され、スピーカ27−1からは、チャンネルPの番組の音声が出力される。
【0056】
このように、モニタセレクタ21乃至スピーカ27の動作により、選択されたチャンネルPの番組がモニタリングされる。
【0057】
次に、AVリモートコントローラ31乃至AV調整装置33の動作について説明するが、はじめに、AVリモートコントローラ31、PCNS制御装置32、AV調整装置33の構成例を説明する。
【0058】
AVリモートコントローラ31−1の構成例は、図8に示されている。フラッシュROM42には、CPU41が実行する各種のプログラム、AVリモートコントローラ31−1のID、および調整項目(調整ボタンCにより選択できる調整項目)の初期値の他、チャンネル番号に対応するPCNS制御装置32の不揮発性RAM84(図11)上の所定のアドレスが記憶されている。RAM43には、CPU41が各種の処理を実行する上において必要な各種のデータが適宜記憶される他、PCNS制御装置32からの制御信号が記憶される。
【0059】
操作部44は、図4に示したAVリモートコントローラCP31A−1の設定ボタンS−1乃至S−4、調整ボタンC−1乃至C−16、およびボリュームダイヤルTなどからなり、ユーザによりそれらが操作されると、その操作に対応する指令を、CPU41に出力する。
【0060】
表示部45は、図4に示したAVリモートコントローラCP31A−1の表示部D−1乃至D−5を有し、それらに所定の英数文字を表示する。表示部45はまた、設定ボタンS−1乃至S−4を点灯させることができる、図9に示すような構成、および調整ボタンC−1乃至C−16を点灯させることができる、図10に示すような構成を有している。
【0061】
図9は、操作部44の設定ボタンS−4に対応する、表示部45の部分の構成例を表している。デコーダ50は、CPU41からの指令をデコードし、ドライバー51に出力する。ドライバ51は、デコーダ50からの信号に従って、LED52に供給する出力をHまたはLに切り換える。LED52は、一方の端子が、5V電圧電源に接続され、他方の端子が、ドライバ51に接続されており、ドライバ51からの出力がLのとき、発光する。例えば、LED52が発光すると、AVリモートコントローラCP31A−1の設定ボタンS−4の中央に設けられた窓Wが光る。ユーザは、窓の点滅を確認し、設定ボタンS−4が適切に操作されたか否かを確認することができる。なお、操作部44の設定ボタンS−2乃至S−4に対応する表示部45の部分においても、設定ボタンS−1に対応する表示部45の部分と同様の構成を有しているので、その図示と説明は省略する。
【0062】
図10は、操作部44の調整ボタンC−1に対応する部分の表示部45の構成例を表している。設定ボタンS−1乃至S−4に対応する部分の表示部45と同一のデコーダ50は、ドライバ61に接続されており、CPU41からの指令をデコードし、ドライバ61に出力する。ドライバ61は、緑色の光を発光するLED62と、オレンジ(アンバ)色の光を発光するLED63のそれぞれのカソードに接続されている。LED62およびLED63のそれぞれのアノードは、5V電圧電源に接続されている。
【0063】
ドライバ61のラッチ71は、NPNトランジスタ72のベースに接続されている。トランジスタ72のエミッタは、接地されている。また、そのコレクタは、抵抗74を介して5V電圧電源に接続されているとともに、抵抗75を介して、LED62のカソードに接続されている。NPNトランジスタ73のベースは、トランジスタ72のコレクタに接続されている。またトランジスタ73のエミッタは接地されており、そのコレクタは、抵抗76を介して、LED63のカソードに接続されている。
【0064】
図8の通信部46は、例えば、SIO(Serial I/O Interface)を有しており、それが接続されているPCNSバス30を介して、信号を出力したり、信号を受信する。また通信部46は、RS−422Cを有しており、それが接続されている9Pケーブル200−1を介して、例えば、モニタセレクタ21−1から、チャンネルの番号を受信する。インターフェース47は、入力部44乃至通信部46とCPU41との間に配置され、インタフェース処理を実行する。
【0065】
AVリモートコントローラ31−2乃至31−Nも、AVリモートコントローラ31−1の同様の構成を有しているので、その図示と説明は省略する。
【0066】
図11は、PCNS制御装置32の構成例を示している。CPU81は、フラッシュROM82に記憶されている各種のプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM83には、CPU81が各種の処理を実行する上において必要な各種のデータが適宜記憶される。不揮発性RAM84は、例えば、図12に示すように、AV調整装置33−1乃至33−Lのそれぞれに対応するメモリ領域が設けられており、AVリモートコントローラ31からの制御信号に設定された調整条件や設定条件(後述)が、対応するメモリ領域に記憶される。例えば、各メモリ領域の先頭アドレスが、チャンネル番号に対応して、AVリモートコントローラ31のフラッシュメモリ42に記憶されている。
【0067】
入力部85は、CPU81に所定の指令を入力するときユーザにより適宜操作される。表示部86は、所定の文字、または画像を表示する。通信部87は、例えば、SIOで構成されており、それが接続されているPCNSバス30に信号を出力したり、信号を受信する。インターフェース88は、入力部85乃至通信部87とCPU81との間に配置され、インタフェース処理を実行する。
【0068】
図13は、AV調整装置33−1の構成例を表している。バスインターフェース92は、PCNSバス30に接続されており、PCNSバス30を介して、データを受信したり、データを出力する。アドレス設定部93は、例えば、DIPスイッチで構成され、AV調整装置33−1のアドレスが設定される。AV調整部94は、番組供給業者から入力されるビデオ信号またはオーディオ信号に対し、所定の調整を施し、ビデオ信号をビデオルータ22に、そしてオーディオ信号をオーディオ信号23に出力する。
【0069】
制御部91は、CPUおよびメモリから構成されており、バスインターフェース92乃至AV調整部94を制御し、各種の処理を実行する。例えば、制御部91は、PCNSバス30を介して伝送されてくる制御信号が、アドレス設定部93に設定されているアドレス宛であるとき、バスインターフェース91を制御し、それを受信させる。また、制御部91は、受信させた制御信号から、調整条件を抽出し、それを記憶するとともに、その調整条件に基づいて、AV調整部94を制御する。
【0070】
AV調整装置33−2乃至31−Lも、AV調整装置33−1の同様の構成を有しているので、その図示と説明は省略する。
【0071】
AVリモートコントローラ31、PCNS制御装置32、およびAV調整装置33はこのように構成される。次に、これらの動作について説明する。
【0072】
AVリモートコントローラ31−1のCPU41は、通信部46を介して、モニタセレクタ21−1から出力されたチャンネルPの番号を受信し、また、ユーザによるAVリモートコントローラCP31A−1の操作に対応した指令が、操作部44から入力されると、はじめに、フラッシュROM42から、受信したチャンネルPの番号に対応するAV調整装置33−iの制御データが記憶される、PCNS制御装置32の不揮発性RAM84上のメモリ領域のアドレス(例えば、メモリ領域の先頭アドレス)(以下、メモリ領域アドレスと略称する)を読み出す。そして、CPU41は、読み出したメモリ領域アドレス、およびフラッシュROM42に記憶されているAVリモートコントローラ31−1のIDの他、調整ボタンCが操作され、調整条件が設定された場合、その調整条件を含む制御信号を生成し、また、設定ボタンSが操作された場合、操作された設定ボタンSに対応した設定条件を含む制御信号を生成する。
【0073】
なお、この例の場合、ここで生成される制御信号は、ビデオ信号の調整のための10バイトと、オーディオ信号の調整のための10バイトの合計20バイトのデータで構成される。また、設定ボタンS−4が操作された場合の制御信号生成処理の詳細は、後述する。
【0074】
また、モニタセレクタ21からチャンネルの番号が供給されるとき、または調整ボタンCや設定ボタンSが操作されるとき、調整ボタンCや設定ボタンSが点灯される処理が実行されるが、その処理手順は、後述する。
【0075】
AVリモートコントローラ31−1のCPU41は、PCNS制御装置32により送信が許可された後、生成した制御信号を、PCNSバス30を介して、PCNS制御装置32に出力する。
【0076】
PCNS制御装置32のCPU81は、通信部87を制御し、AVリモートコントローラ31−1から送信されてくる制御信号を受信させると、制御信号から調整条件や設定条件などを抽出し、それを、不揮発性RAM84の、制御信号に設定されているメモリ領域アドレスに対応するメモリ領域に記憶させる。PCNS制御装置32は、このように、AVリモートコントローラ31から制御信号を受信すると、このとき、不揮発性RAM84に記憶した調整条件や設定条件を、直ちに読み出し、AV調整装置33−iのアドレスを付加して、制御信号を生成し、それを、通信部87を制御し、PCNSバス30に出力させる。
【0077】
PCNS制御装置32はまた、一定の周期で、不揮発性RAM82に記憶されている、調整条件または設定条件を読み出し、対応するAV調整装置33−iのアドレスを付加して、制御信号を生成し、PCNSバス30に出力する。
【0078】
AV調整装置33−iの制御部91は、バスインタフェース92を制御し、PCNSバス30を介して送信されてくる、AV調整装置33−i宛の制御信号を受信させる。制御部91は、受信させた制御信号から調整条件を抽出し、記憶するとともに、AV調整部94に供給する。AV調整部94は、制御部91から供給された調整条件に基づいて、入力されるチャンネルPの番組のビデオ信号またはオーディオ信号に対して、調整を施し、出力する。すなわち、AV調整装置33−iからは、調整条件が変更されるまで、現在、制御部91に記憶されている調整条件に基づいて調整されたビデオ信号またはオーディオ信号が出力される。
【0079】
AV調整装置33−iのAV調整部94からのビデオ信号は、ビデオルータ22により、モニタ26−1に供給されるようにルーティングされているので、モニタ26−1には、チャンネルPの番組の調整された映像が表示される。また、AV調整装置33−iのAV調整部94からのオーディオ信号は、オーディオルータ23により,スピーカ27−1に供給されるようにルーティングされているので、スピーカ27−1からは、チャンネルPの番組の調整された音声が出力される。
【0080】
また、PCNS制御装置32によりPCNSバス30に出力されたAVリモートコントローラ31−1からの制御信号(AV調整装置33−i宛の制御信号)は、AVリモートコントローラ31−1の他、AVリモートコントローラ31−2乃至31−Nにより受信され、それぞれのRAM43に記憶される。これにより、各チャンネルに設定されている調整条件や設定条件などを、各AVリモートコントローラ31が把握することができ、後述する、所定のチャンネルの番組の調整を禁止する処理が可能となる。
【0081】
次に、調整ボタンCが点灯される場合のAVリモートコントローラ31の処理手順を、図14のフローチャートを参照して説明する。例えば、AVリモートコントローラ31−1において、選択されたチャンネルPの番号がモニタセレクタ21−1から供給され、AVリモートコントローラCP31A−1の表示部D−5に表示されている状態において、AVリモートコントローラ31−1のCPU41は、ステップS1で、調整ボタンC−iが選択され、ボリュームダイヤルTが操作されて、調整条件(調整項目と調整値)が設定されたか否かを判定し、調整条件が設定された場合、ステップS2に進み、設定された調整条件から調整値を抽出する。
【0082】
次に、ステップS3において、CPU41は、ステップS1で設定された調整条件の調整項目の初期値を、フラッシュROM42から読み出す。ステップS4において、CPU41は、ステップS2で抽出した調整値と、ステップS3で読み出した初期値が等しいか否かを判定し、調整値と初期値が等しいと判定した場合、ステップS5に進み、調整ボタンC−iを緑色に点灯させるための処理を実行させる。
【0083】
なお、調整ボタンC−iに対応する表示部45の部分(図示せず)は、図10に示した調整ボタンC−1に対応する表示部45の部分と同様の構成を有するので、以下では、調整ボタンC−iに対応する表示部45の部分において、調整ボタンC−1に対応する表示部45の部分と対応する要素には、対応する番号の数枝に、それぞれ、−iを付して表す。
【0084】
ここで、調整ボタンC−iを緑色に点灯させるための処理を説明する。CPU41は、図10のLED62に対応するLED62−iを発光させる指令を、インタフェース47を介して、表示部45のデコーダ50に出力する。デコーダ50は、CPU41からの指令を受信すると、それをデコードし、ドライバ61−iに出力する。デコーダ50から出力された信号に基づいて、ドライバ61−iのラッチ71−iの出力がHとされる。これにより、トランジスタ72−iがオンされ、LED62−iに電流が流れ、LED62−iが発光する。このとき、トランジスタ73−iのベースは低電位とされている(トランジスタ72を介して接地されている)ので、トランジスタ73−iはオフされている。その結果、LED63−iには、電流が流れないので、LED63−iは、発光されない。
【0085】
このようにして、LED62−iが発光されると、調整ボタンC−iは、緑色に点灯する。
【0086】
ステップS4において、調整値と初期値が異なると判定された場合、ステップS6に進み、調整ボタンC−iを、オレンジ色に点灯させるための処理が実行される。
【0087】
ここで、調整ボタンC−iをオレンジ(アンバ)色に点灯させるための処理を説明する。CPU41は、LED63−iを発光させる指令を、インタフェース47を介して、表示部45のデコーダ50に出力する。デコーダ50は、CPU41からの指令を受信すると、それをデコードし、ドライバ61−iに出力する。デコーダ50から出力された信号に基づいて、ドライバ61−iのラッチ71−iの出力がLとされる。これにより、トランジスタ72−iがオフされると、トランジスタ73−iのベースには、抵抗74を介して高い電圧が印可され、トランジスタ73−iがオンされる。その結果、LED63−iに、電流が流れ、LED63−iは、発光する。このとき、トランジスタ72−iがオフされているので、LED62−iには、電流が流れず、LED62−iは、発光しない。
【0088】
このようにして、LED63−iが発光されると、調整ボタンC−iは、オレンジ色(アンバ)に点灯する。
【0089】
ステップS1において、調整条件が設定されていないと判定した場合、CPU41は、ステップS7に進み、RAM43に記憶されている、1つの調整ボタンC−i宛の制御信号から、それに設定されている調整値を抽出し、ステップS8において、その調整項目の初期値を、フラッシュROM42から読み出す。
【0090】
次に、ステップS9において、CPU41は、ステップS7で抽出した調整値と、ステップS8で読み出した初期値が等しいか否かを判定し、調整値と初期値が等しいと判定した場合、ステップS10に進み、またそれらが異なると判定した場合、ステップS11に進む。
【0091】
ステップS10において、調整ボタンC−iを緑色に点灯させるための処理が実行される。ここでは、ステップS5における処理と同様の処理が実行されるので、その説明は省略する。また、ステップS11において、調整ボタンC−iをオレンジ(アンバ)色に点灯させる処理が実行される。ここでは、ステップS6における処理と同様の処理が実行されるので、その説明は省略する。
【0092】
ステップS10およびステップS11における処理の後、ステップS12に進み、CPU41は、全ての調整ボタンC−1乃至C−16が、緑色またはオレンジ色に点灯されたか否かを判定し、まだ、点灯されていない調整ボタンCが残ってる場合、ステップS7に戻り、次の、調整ボタンC−i(i=i+1)に対応する表示部45の部分に対して、それ以降の処理を、全ての調整ボタンCが点灯するまで繰り返し実行する。
【0093】
なお、この例の場合、LED62またはLED63のいずれかが、常に発光するようになされている。
【0094】
図15は、ドライバ61の他の例を表している。この例においては、LED62およびLED63の発光強度を調整することができるようにするために、ラッチ101,102、NPNトランジスタ103,104、および抵抗105,106がさらに付加されている。ラッチ101は、トランジスタ103のベースに接続されている。トランジスタ103のエミッタは、接地されている。また、そのコレクタは、抵抗105を介して、LED62のカソードに接続されている。ラッチ102は、トランジスタ104のベースに接続されている。トランジスタ104のエミッタは、接地されている。また、そのコレクタは、抵抗106を介して、LED63のカソードに接続されている。
【0095】
例えば、LED62が発光している状態において(ラッチ71の出力がHとされ、トランジスタ72がオンされている状態において)、ラッチ101の出力がHとされ、トランジスタ103がオンされると、LED62を流れる電流が、トランジスタ103に流れ出る電流分だけ増加するので、LED62は、その増加した電流分だけより強く発光する。また、LED63が発光している状態において(ラッチ71の出力がLとされ、トランジスタ72がオフされ、トランジスタ73がオンされている状態において)、ラッチ102の出力がHとされ、トランジスタ104がオンされると、LED63を流れる電流が、トランジスタ104に流れ出る電流分だけ増加するので、LED63は、その増加した電流分だけより強く発光する。
【0096】
このように、LED62およびLED63の発光強度を調整することができるようにしたので、例えば、全ての調整ボタンCが緑色またはオレンジ(アンバ)色に点灯されている状態において(ステップS7乃至S12)、調整ボタンC−iが操作されたとき(ステップS1)、その調整ボタンC−iをより強く点灯させ(ステップS3乃至S6)、調整ボタンC−iが選択されたことを、ユーザが認識しやすいようにすることができる。
【0097】
次に、所定のチャンネルの番組の調整を禁止する場合の処理手順を、図16のフローチャートを参照して説明する。
【0098】
例えば、モニタセレクタ21−1から出力されたチャンネルPの番号が、9Pケーブル200−1を介して受信され、チャンネルPの番号が、AVリモートコントローラCP31A−1の表示部D−5に表示されている状態において、AVリモートコントローラ31−1のCPU41は、ステップS21において、AVリモートコントローラCP31A−1の調整ボタンCが選択され、ボリュームボタンTが操作されて、調整条件が設定されたか否かを判定し、設定されていない場合、ステップS22に進み、設定ボタンS−4が操作されたか否かを判定する。
【0099】
ステップS22において、設定ボタンS−4が操作されなかったと判定された場合、ステップS21に戻る。すなわち、CPU41は、調整ボタンCまたは設定ボタンS−4が操作されるまで待機する。ステップS22において、設定ボタンS−4が操作されたと判定された場合、ステップS23に進み、CPU41は、チャンネルPに対応するAV調整装置33−iのアドレス、フラッシュROM42に記憶されているAVリモートコントローラ31−1のID、および設定条件としてのAV調整装置33−iの制御を禁止する条件(制御禁止設定条件)からなる制御信号を生成する。なお、AVリモートコントローラCP31A−1の設定ボタンS−4が操作されると、その窓Wが点灯する。
【0100】
次に、ステップS24において、CPU41は、通信部46を制御し、PCNS制御装置32により送信が許可された後、PCNSバス30を介して、PCNS制御装置32に制御信号を出力させる。その後、処理は終了される。
【0101】
このように生成され、PCNS制御装置32に出力された、AV調整装置33−iに対する制御禁止設定条件が設定された制御信号(AV調整装置33−i宛の制御信号)は、PCNS制御装置32により、AVリモートコントローラ31−1乃至31−Nの全てに供給され、そこで記憶される。
【0102】
ステップS21において、調整条件が設定されたと判定された場合、ステップS25において、CPU41は、RAM43に、AV調整装置33−i宛の制御信号が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合、ステップS26に進み、その制御信号に、制御禁止設定条件が設定されているか否かを判定する。
【0103】
ステップS26において、RAM43に記憶されているAV調整装置33−i宛の制御信号に制御禁止設定条件が含まれていると判定された場合、ステップS27に進み、CPU41は、その制御信号に、自分(AVリモートコントローラ31−1)のIDが設定されているか否かを判定し、自分のIDが設定されていない場合、処理は終了される。すなわち、AV調整装置33−iに対する制御信号が生成されないので、チャンネルPの番組の調整が行われない。
【0104】
ステップS25において、RAM43に、AV調整装置33−i宛の制御信号が記憶されていないと判定された場合、ステップS26において、RAM43に記憶されているAV調整装置33−i宛の制御信号に制御禁止情報が含まれていないと判定された場合、または、ステップ27において、RAM43に記憶されているAV調整装置33−i宛の制御信号に自分のIDが設定されていると判定された場合、ステップS28に進み、CPU41は、AV調整装置33−iのアドレス、および調整条件からなる制御信号を生成する。すなわち、ここで生成された制御信号には、制御禁止設定条件が設定されていない。
【0105】
ステップ29において、CPU41は、通信部46を制御し、PCNS制御装置32により送信が許可された後、ステップS28で生成した制御信号を、PCNSバス30を介して、PCNS制御装置32に出力させる。その後、処理は終了される。
【0106】
このようにして、AVリモートコントローラCP31A−1の設定ボタンS−4が操作されることで、選択されたチャンネルに対する調整を禁止するための制御信号を生成することができる(ステップS22乃至S23)。また、調整が禁止されたチャンネルに対応するAV調整装置33に対し、新たな調整条件が設定された制御信号が生成されないようになるので(ステップS25乃至S27)、そのチャンネルの番組の調整が行われない。すなわち、例えば、ユーザが、AVリモートコントローラ31−1のAVリモートコントローラCP31A−1を操作し、調整条件を設定して(ステップS28、29)、チャンネルPの番組が調整された後、設定ボタンS−4を操作することで、他のユーザが他のAVリモートコントローラ31−2乃至31−NのAVリモートコントローラCPを操作し、チャンネルPに対して設定された調整条件を変更することを防止することができる。
【0107】
また、ユーザが、AVリモートコントローラ31−1のAVリモートコントローラCP31A−1の設定ボタンS−4を操作し、チャンネルPの調整を禁止するようにした状態の場合、そのAVリモートコントローラCP31A−1の設定ボタンS−4を再度操作することで、チャンネルPに対する調整の禁止の設定が解除される。
【0108】
以上のようにして、AVリモートコントローラ31は、モニタセレクタ21から供給されたチャンネルPの番号に基づいて、その番組を調整するAV調整装置33−iに対応するPCNS制御装置31の不揮発性RAM84上のアドレスを設定した制御信号を、PCNS制御装置32に送信し、PCNS制御装置32が、それを、そのアドレスに対応したメモリ領域に記憶し、そしてAV調整装置33−iに供給するようにしたので、AVリモートコントローラ31およびPCNS制御装置32における処理を実行させるためのプログラムが簡単なものになり、その構成自体が簡単なものになる。また、例えば、AV調整装置33のスイッチを操作して、アドレスを設定し、そのAV調整装置33に対応する、PCNS制御装置32の不揮発性RAM84に新たなメモリ領域を設定するだけで、AV調整装置33を容易に増設することができる。
【0109】
なお、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0110】
また、上記したような処理を行うコンピュータプログラムをユーザに提供する提供媒体としては、磁気ディスク、CD-ROM、固体メモリなどの記録媒体の他、ネットワーク、衛星などの通信媒体を利用することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、信号の選択情報に基づいて、アドレスと調整条件を生成し、そのアドレスに調整条件を記憶するようにしたので、簡単な構成で、かつ、増設が容易なシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデジタル放送システムの構成例を表すブロック図である。
【図2】図1の番組素材提供システム100の構成例を表すブロック図である。
【図3】図2のモニタセレクタCP21A−1の例を表す図である。
【図4】図2のAVリモートコントローラCP31A−1の例を表す図である。
【図5】ビデオ信号の調整項目を説明する図である。
【図6】オーディオ信号の調整項目を説明する図である。
【図7】表示部D−4の表示例を示す図である。
【図8】図2のAVリモートコントローラ31−1の構成例を表す図である。
【図9】図8の操作部44の設定ボタンS−4に対応する表示部45の構成例を表す図である。
【図10】図8の操作部44の調整ボタンC−1に対応する表示部45の構成例を表す図である。
【図11】図2のPCNS制御装置32の構成例を表すブロック図である。
【図12】図11の不揮発性RAM84のメモリ領域を説明する図である。
【図13】図2のAV調整装置33−1の構成例を表すブロック図である。
【図14】LED点灯処理を説明するフローチャートである。
【図15】図8の操作部44の調整ボタンC−1に対応する表示部45の他の構成例を表す図である。
【図16】番組の調整を禁止する処理を説明するフローチャートである。
【図17】従来のデジタル放送システムの構成例を表すブロック図である。
【図18】図17の番組素材提供システム5の構成例を表すブロック図である。
【符号の説明】
1 放送番組編成システム, 2 顧客管理システム, 3 顧客視聴許可システム, 4 EPGシステム, 5 番組素材提供システム, 6 サーバシステム, 7 ルーティングシステム, 8 エンコーディングシステム, 9 マルチプレクサシステム, 10 コントロールユニット, 11 変調回路,12 LAN, 20 ルータバス, 21 モニタセレクタ, 22 ビデオルータ, 23 オーディオルータ, 24 モニタセレクタ制御装置, 25 アウトプットコントローラ, 26 モニタ, 27 スピーカ, 30 PCNSバス, 31 AVリモートコントローラ, 32 PCNS制御装置, 33 AV調整装置, 50 デコーダ, 61 ドライバ, 62 LED, 63 LED, 100 番組素材提供システム
Claims (2)
- 調整条件に基づいて、複数の信号の所定の特性を調整する調整手段と、
前記調整手段により調整される複数の前記信号のうちの、ユーザが選択したチャンネルに対応する所定の信号を選択するための選択情報を出力する出力手段と、
前記出力手段により出力された前記選択情報に対応するアドレスと、前記ユーザの操作に基づく前記調整手段の調整条件を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記アドレスに、前記調整条件を記憶するとともに、前記調整条件を前記調整手段に供給する供給手段と
を備え、
前記調整手段は、自分のための前記アドレスに記憶された前記調整条件を取得して、前記所定の特性の調整を行う
ことを特徴とする信号調整装置。 - 信号の特性を調整する調整手段と、信号を選択するための選択情報を出力する出力手段と、所定の情報を生成する生成手段と、所定の情報を供給する供給手段とを備える信号調整装置の信号調整方法であって、
前記調整手段が、調整条件に基づいて、複数の信号の所定の特性を調整する調整ステップと、
前記出力手段が、前記調整ステップで調整される複数の前記信号のうちの、ユーザが選択したチャンネルに対応する所定の信号を選択するための選択情報を出力する出力ステップと、
前記生成手段が、前記出力ステップで出力された前記選択情報に対応するアドレスと、前記ユーザの操作に基づく前記調整ステップでの調整条件を生成する生成ステップと、
前記供給手段が、前記生成ステップで生成された前記アドレスに、前記調整条件を記憶するとともに、前記調整条件を供給する供給ステップと
を含み、
前記調整ステップの処理において、前記調整手段は、自分のための前記アドレスに記憶された前記調整条件を取得して、前記所定の特性の調整を行う
ことを特徴とする信号調整方法。
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