JP4192585B2 - 圧縮機およびその電食防止方法 - Google Patents

圧縮機およびその電食防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異種金属部材間で生じる電食を有効に防止できる異種金属部材装置およびその電食防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの部材に、鉄や鉄合金またはアルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料が使用されている。最近では、装置の軽量化を一層進めるために、マグネシウムやマグネシウム合金も多用されるようになりつつある。もっとも、使用する金属材料を一種類に統一することは、コスト面のみならず機能面等からも困難であるため、通常、どのような装置であっても、複数種の金属からなる部材が組合わされて構成されている。
【0003】
ここで異種金属部材を近接して配設した場合、水等を媒介としてその両者間で電食(電気腐食)を生じることが知られている。この電食は、各種金属が固有の腐食電位(基準電位)をもっており、それらの間で電位差を生じることによって起る。言換えるなら、両金属を電極とすると共に両者間に介在する水や塩水等を電解液として、全体的に観れば電池が形成されることで電食が進行する。ちなみに、このとき、上記基準電位の小さい金属がアノードとなって電子を放出し自らは陽イオンとなって電解液中に溶出する。一方基準電位の大きい金属はカソードとなり、電子を受取って周囲に水酸基等の陰イオンを電解液中に生成する。
いずれにしても電食が進むと、その部材の機能低下等が生じて、装置の耐久性や信頼性等が確保できなくなる。そこで、従来から多くの電食防止策が提案されている。例えば、以下の公報にそのような開示がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−224944号公報
【特許文献2】
特開平4−255555号公報
【特許文献3】
特開昭63−282283号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1や特許文献3では、異種金属部材の接触面間への水等の侵入を防止して電食を抑制する方法を提案している。また、特許文献2では、異種金属部材間に絶縁材を介在させて、そもそも異種金属部材を直接に接触させないようにして電食を抑制する方法を提案している。
ところが、本発明者が調査研究したところ、異種金属部材間の電食は、両者の接触面間で生じるとは限らないことが明らかとなった。すなわち、近接した異種金属部材の外周囲に水等が付着すれば、その水等が電解液の役割を果して両者の接触面間等を跨ぐように電池が形成されて、結局は電食が進行することが明らかとなった。従って、単に、異種金属部材の接触面間への水の侵入等を防止して、そこでの電食がいくら生じないようにしたところで、上記特許文献のような方法では、全体的な電食の抑制は不十分である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、従来以上に異種金属部材間の電食を有効に防止できる異種金属部材装置およびその電食防止方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、上記の知見に基づいて、圧縮機の異種金属部材間を跨いで電池が形成されないようにすることで、電食を有効に抑制、防止することを思いつき、これを発展させて本発明を完成させるに至ったものである。
(圧縮機)
すなわち、本発明の圧縮機は、第1金属元素を主成分とする第1外側端部を有しハウジングの少なくとも一部を構成する第1部材と、該第1金属元素とは異なる第2金属元素を主成分とし該第1外側端部に対峙して配設された第2外側端部を有する第2部材と、を備える圧縮機に関する。
本発明の圧縮機は、前記第1金属元素はMgであり、前記第2金属元素はAlであり、さらに、少なくとも前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間に介在して該第1外側端部と該第2外側端部との間を所定間隔以上にすると共にZnを主成分とする介在部材を備える。
本発明の圧縮機(適宜「異種金属部材装置」という。)は、この介在部材(適宜「隔離部材」という。)により、前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間を跨ぐように生じ得る電食の進行が妨げられることを特徴とする。
【0008】
本発明の異種金属部材装置の場合、異種金属部材間に設けられた隔離部材によって電食の進行が妨げられる。ここで、従来のものと異なるのは、その隔離部材が第1外側端部と第2外側端部との対峙間を跨ぐように生じ得る電食を妨げる点である。
すなわち、部材の外側端部は外部に露出等していることが多いため、そこに水や塩水等が付着し易い。そして、異種金属部材が対峙関係にある部分に水や塩水等が付着すると、両対峙面間でいくらシール材等により電食を防止したとしても、その外側を跨いで水等を電解液とした電池が形成され易くなる。
しかし、本発明の場合、この電池の形成を妨げるように隔離部材が配設されているため、少なくとも、前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間を跨いで生じる電食の進行が阻害される。
【0009】
なお、本発明でいう隔離部材は、電気抵抗の大きな電気絶縁部材であると好ましいが、それには限らない。上記説明から明らかなように、異種金属部材を電極とする電池の形成が遮断または抑制されるようなものであれば良い。より具体的にいえば、例えば、第1外側端部と第2外側端部との間を電気的に接続する水等の電解液の連なりを切断等するものであれば足る。従って、そうで有る限り、本発明の隔離部材は、電気的導電性を有すものでもあっても構わない。さらにいうなら、上記対峙間を跨ぐように生じ得る電食を妨げ得る限り、隔離部材は金属であっても良い。
【0010】
但し、隔離部材に金属材料を使用した場合、その主成分となる金属元素と第1金属元素または第2金属元素との基準電位差が大きいと、そこの間で新たな電食を生じ得る。そこで、隔離部材を金属材料とする場合には、その隔離部材は、電食の程度を指標する基準電位が前記第1金属元素と前記第2金属元素との中間にある中間金属元素を主成分とする中間部材であると好適である。
【0011】
この中間部材と第1外側端部との間の基準電位差または中間部材と第2外側端部との間の基準電位差は、第1外側端部と第2外側端部との間の基準電位差に比べて小さい。その結果、中間部材と第1外側端部または第2外側端部との間では、第1外側端部と第2外側端部との間よりも電食が生じ難くなる。こうして、第1外側端部と第2外側端部との対峙間での、いわば電食抵抗が大きくなり、両者を直接的に跨いで生じる電食が阻害される。
【0012】
勿論本発明の場合であっても、異種金属部材間の対峙面間に、水等の侵入を防止するシール材等を設ける方が好ましいことは言うまでもない。もっとも、そのシール材を別部材として設ける必要はなく、上記隔離部材にシール機能を持たせば部品点数やコストが増えることもなく一層好ましい。
【0013】
本発明でいう「第1」または「第2」は、部材等を区別するための便宜上の呼称に過ぎない。例えば、第1金属元素と第2金属元素のいずれが電気的に卑な金属(基準電位の低い金属)であろうと貴な金属(基準電位の低い金属)であろうと構わない。敢て便宜的に区別するなら、第1金属元素を卑な金属(例えば、Mg)とし第2金属元素を貴な金属(例えば、Fe)とすれば良い。そして、第1外側端部および第2外側端部は、異種金属からなる限り、その材質は問わない。異種金属である限り、多かれ少なかれ両者間で電食が生じ得るからである。但し、一方がMgやMg合金である場合、電食は一層進行し易いので、上記第1金属元素または第2金属元素の一方がMgである場合に本発明は特に有効となる。このとき、他方の金属元素は、Fe、Al等、でも何でも良い。また、仮に第1金属元素がMgで第2金属元素がFeの場合、上記中間金属元素は、ZnまたはAlとすれば良い。第1金属元素がMgで第2金属元素がAlの場合なら、上記中間金属元素はZnとすれば良い。
【0014】
第1部材および第2部材は、そのような外側端部を備えれば十分である。つまり、全体が金属材料からなる必要はなく、例えば、その外側端部以外の部分が樹脂製等の複合部材であっても良い。また、両部材とも、その形態や機能等も問わない。
第1外側端部と第2外側端部とは、隙間を介して対峙していても良いし、点接触、線接触または面接触していても良い。さらに、例えば、ボルト等の締結具で結合された状態であっても良いし、シール材や接着剤等で結合された状態であっても良い。本発明で問題としているのは、両者の対峙面間での電食ではなく、その対峙した部分の外側を跨ぐ電食だからである。もっとも多く場合、その対峙間を跨ぐ電食を隔離部材で防止することによって、結果的に対峙面間の電食も防止され、全体的に、従来以上の電食防止効果が得られることとなる。
【0015】
なお、本発明でいう外側端部は、その具体的な領域が特定されるものではない。部材の形態や使用環境等に応じて電食の発生し得る範囲も異なるからである。
敢て言うなら、少なくとも対峙した端部の角部分を含む領域ということになる。前記隔離部材は、前述のように異種金属からなる外側端部の対峙間を跨いで電池が形成されるのを妨げるものであれば良い。そこで例えば、本発明の隔離部材は、その対峙間から外側へ突き出して両外側端部間を導通させる電解液(水、塩水等)による電気的導通を切断する突出部であっても良い。但し、その突出量等は、装置の形態、装置の使用条件、使用環境等によって異なるため一概に特定することはできない。
【0016】
同様にこの隔離部材は、少なくとも前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間に介在して第1外側端部と第2外側端部との間を所定間隔以上とする介在部材であっても良い。さらに、この隔離部材が前記中間部材であるとより好ましい。隔離部材の厚さ等の調整により、その所定間隔をいくらにすべきかは一概には特定できない。この場合も装置の形態、装置の使用条件、使用環境等によって異なるからである。第1外側端部と第2外側端部との間に付着する水滴の大きさ等にも依るが、一例を挙げると、Mgを主成分とする第1外側端部とFeを主成分とする第2外側端部との間なら、3mm以上離すと効果的である。なお、隔離部材(または中間部材)は、第1部材または第2部材と分離していても良いが、接合や鋳込み等によって一体的に形成されていると、部品点数の低減等を図れより好ましい。
【0017】
もっとも、その隔離部材は前記第1外側端部および/または前記第2外側端部の少なくとも対峙した角部分を被覆する被覆部材であると好適である。隔離部材を被覆部材とすることにより、より確実に上記電池の形成を阻害できるからである。また、余分な突き出しがないので装置の小型化等も図り易い。なお、この被覆部材は、電食を生じ易い対峙した外側端部の角部分を被覆すれば足るが、その被覆領域が広い程、電食防止効果はより大きく、確実となる。また、被覆部材を設けるのは、少なくとも一方の外側端部で足るが両方に設けるとより好ましい。その際、両外側端部の対峙面間に水等が侵入しないように、その外周囲を覆ってシールするようにすると一層好ましい。これにより、上記電食は勿論、隙間腐食等も抑制、防止できる。
【0018】
被覆部材は、絶縁性樹脂や液状ガスケット等を塗布したり、さらには、絶縁テープまたはシールテープを貼付または巻回等して形成しても良い。単に外側端部の周囲を覆う程度なら、被覆部材として前記テープ類が好ましい。一方、複数面で形成される複雑な部分(例えば、角部分等)は前記絶縁性樹脂等の溶液やペースト等を塗布すると好ましい。
【0019】
本発明の異種金属部材装置は、複数の部材からなり、少なくとも2つの部材の各外側端部が異種金属からなるものである。その機能、用途、形態等は一切問わない。例えば、前記第2部材は、前記第1部材の一端側に密着して設けられる板状部材であり、前記隔離部材がその板状部材の外周面に巻回された絶縁テープであっても良い。板状部材の外周面程度であれば、絶縁テープで巻回して被覆することも容易である。なお、上記板状部材は、例えば、第1部材と別の部材(第3部材)とによって挟持されたガスケット、板状弁等である。
【0020】
(圧縮機の電食防止方法)
本発明は、上記圧縮機としてのみならず、その電食防止方法としても把握できる。
すなわち、本発明は、第1金属元素を主成分とする第1外側端部を有しハウジングの少なくとも一部を構成する第1部材と、該第1金属元素とは異なる第2金属元素を主成分とし該第1外側端部に対峙して配設された第2外側端部を有する第2部材と、を備える圧縮機であって、
前記第1金属元素はMgであり、前記第2金属元素はAlであり、さらに、少なくとも前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間に介在して該第1外側端部と該第2外側端部との間を所定間隔以上にすると共にZnを主成分とする介在部材を設けることにより、前記第1外側端部と前記第2外側端部との間の電気的導通を阻害して該第1外側端部と該第2外側端部との対峙間を跨ぐように生じ得る電食の進行を妨げることを特徴とする圧縮機の電食防止方法としても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に実施形態を挙げて本発明を具体的に説明する。
(第1実施形態)
本発明の異種金属部材装置の第1実施形態である圧縮機100の模式断面図を図1に示めす。この圧縮機100は、有底円筒状のメインハウジング3とその開口端部を閉塞する浅い有底円筒状のエンドハウジング1(第1部材:筒状部材)とにより外枠が構成され、その内部には摺動ピストン等(図示せず)が配設されている。エンドハウジング1とメインハウジング3との間には、板弁を兼ねたガスケット2(第2部材:板状部材)が挟持されている。圧縮機100の内部は密閉されており潤滑油雰囲気に保持されている。そして、ガスケット2の外周端面21の全面およびその近傍にある外周面には絶縁テープ4(隔離部材)が巻回されている。
【0022】
本実施形態の場合、エンドハウジング1はAZ91(JIS)等のMg合金からなり、メインハウジング3はADC12(JIS)等のAl合金からなり、ガスケット2は冷間圧延鋼板(SPCC:JIS)等のFe合金からなる。また、絶縁テープ4には、テフロン系テープ(商品名:ニトフロン粘着テープ No.903UL、製造メーカ:日東電工)を使用した。この他、同メーカの同種テープであるNo.903系、No.923系、No.973系のいずれをも使用し得る。また、半導電性テープ等を使用しても良い。
【0023】
ここで、上記絶縁テープ4を巻回しない場合を想定して、その圧縮機100の部分拡大断面図を図2に示した。この場合の圧縮機100を室外や湿潤雰囲気等で使用すると、図2に示すように、エンドハウジング1とガスケット2との外周側に、両者の接合部61(対峙間)を跨いで状態で雨水や結露等の水滴5が付着することがある。こうなると、エンドハウジング1の外周端面11(第1外側端部)とガスケット2の外周端面21(第2外側端部)とは異種金属であるため、水滴5を電解液とした電池が形成されてしまう。そして、外周端面11からは、非常に腐食電位の低いMgが水滴5中に溶出し始める。つまり、Mg合金からなるエンドハウジング1の電食が進行することとなる。
【0024】
ところが本実施形態の場合、図1に示したように、ガスケット2の外周全面、その近傍にあるエンドハウジング1の外周端面11およびメインハウジング3の外周端面31は、絶縁テープ4で十分に被覆されている。従って、その絶縁テープ4の表面上に水滴5が付着したとしても、外周端面11と外周端面21との間で電気的導通が形成されることはなく、上記電食も生じない。
なお、本実施形態の場合、上記絶縁テープ4によって接合部61、62への水分の侵入等も防止されるため、液状ガスケット等のシール材を敢て設けるまでもなく、いわゆる隙間腐食等も防止される。また、圧縮機100の内部は潤滑油雰囲気であるため、接合部61、62の内側にある対峙間(接触面間)で電食等が生じることもない。
【0025】
(第2実施形態)
本発明の異種金属部材装置の第2実施形態である圧縮機200の模式断面図を図3に示めす。なお、図1に示した圧縮機100と同様の部材には同じ符合を付して示した。
この圧縮機200は、上記圧縮機100のガスケット2をガスケット20(第2部材)に替えたものである。ガスケット20は、前記絶縁テープ4の替りとなる絶縁性樹脂製の被覆部材204(隔離部材)によってその外周全端面および両角部分が被覆されている。
本実施形態の場合も、その被覆部材204によって、エンドハウジング1の外周端面11とガスケット20の外周端面201間の電気的導通が遮断されるので、Mg合金からなるエンドハウジング1の電食を抑制、防止できる。
【0026】
(第3実施形態)
本発明の異種金属部材装置の第3実施形態である圧縮機300の模式断面図を図4に示めす。なお、図1に示した圧縮機100と同様の部材には同じ符合を付して示した。
この圧縮機300は、上記圧縮機100の絶縁テープ4の替りに、エンドハウジング1とガスケット2との間に環状鍔部材41(突出部)を設けたものである。
この場合、エンドハウジング1の外周端面11とガスケット2の外周端面21とは、それらの接合部分の外周側へ突出した環状鍔部材41によって隔離された状態となっている。このため、外周端面11と外周端面21との間に、図2に示したような連続した水滴5等は付着し難い。その結果、両外周端面間で、水滴等を媒介とした電池が形成されることもなく、Mg合金からなるエンドハウジング1の電食が抑制、防止される。
【0027】
なお、本実施形態では、同様の環状鍔部材43をメインハウジング3とガスケット2との間にも設けて、メインハウジング3とガスケット2との間の電食やエンドハウジング1とメインハウジング3との間の電食等も生じないようにした。
また、上記実施形態では、環状鍔部材41、43をガスケット2とは別部材としたが、圧縮機200の場合と同様に、環状鍔部材41、43とガスケット2とを一体化させれば、部品点数や組立工数の削減になる。
【0028】
(第4実施形態)
本発明の異種金属部材装置の第4実施形態である圧縮機400の模式断面図を図5に示めす。なお、図1に示した圧縮機100と同様の部材には同じ符合を付して示した。
この圧縮機400は、上記圧縮機100の絶縁テープ4の替りに、エンドハウジング1とガスケット2との間に環状の介在部材45を設けたものである。この介在部材45は、ADC12(JIS)等のAl合金かなり、鋳込みによってエンドハウジング1と一体的に形成されている。なお、エンドハウジング1およびガスケット2はそれぞれMgおよびFeを主成分とするのに対して介在部材45はAl(中間金属元素)を主成分とするため、この介在部材45は本発明でいう中間部材でもある。
【0029】
本実施形態では、この介在部材45の厚みを3mmとして、エンドハウジング1およびガスケット2の外周部(外側端部)を十分に引離した。これにより本実施形態の場合も、外周端面11と外周端面21との間に図2に示したような連続した水滴5等は付着し難くなり、両外周端面間で水滴等を媒介とした電池が形成されることもなく、Mg合金からなるエンドハウジング1の電食が抑制、防止される。さらに、仮に上記介在部材45を跨ぐ大きな水滴が外周端面11と外周端面21との間に付着したとしても、両者間の距離が伸びて腐食抵抗が大きくなり、その両者間の電食が有効に阻害される。しかも、介在部材45はAl合金からなる金属製であるが、エンドハウジング1およびガスケット2との間で生じる基準電位差がエンドハウジング1とガスケット2との間の基準電位差よりも小さい。このため、エンドハウジング1と介在部材45との間に水滴等が付着しても、両者間で生じる電食も少ない。
【0030】
(第5実施形態)
本発明の異種金属部材装置の第5実施形態である圧縮機500の模式断面図を図6に示めす。なお、図1に示した圧縮機100と同様の部材には同じ符合を付して示した。
この圧縮機500は、上記圧縮機400の介在部材45を、環状の鍔を備える介在環状鍔部材46としたものである。この場合、上記第3実施形態と第4実施形態との両効果を併せて得られるので、外周端面11と外周端面21との間の電食は一層抑制される。
なお、上記実施形態では、介在部材45や介在部材46をエンドハウジング1と一体としたが、勿論、それらを分離しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式断面図である。
【図2】本発明でいう電食の発生機構を示す説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す模式断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す模式断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態を示す模式断面図である。
【図6】本発明の第5実施形態を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 エンドハウジング(第1部材)
2 ガスケット(第2部材)
3 メインハウジング
4 絶縁テープ(隔離部材)
100 圧縮機

Claims (3)

  1. 第1金属元素を主成分とする第1外側端部を有しハウジングの少なくとも一部を構成する第1部材と、
    該第1金属元素とは異なる第2金属元素を主成分とし該第1外側端部に対峙して配設された第2外側端部を有する第2部材と、を備える圧縮機であって、
    前記第1金属元素はMgであり、
    前記第2金属元素はAlであり、
    さらに、少なくとも前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間に介在して該第1外側端部と該第2外側端部との間を所定間隔以上にすると共にZnを主成分とする介在部材を備え、
    該介在部材により、前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間を跨ぐように生じ得る電食の進行が妨げられることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記第2部材は、前記第1部材の一端側に密着して設けられるガスケットである請求項1に記載の圧縮機。
  3. 第1金属元素を主成分とする第1外側端部を有しハウジングの少なくとも一部を構成する第1部材と、
    該第1金属元素とは異なる第2金属元素を主成分とし該第1外側端部に対峙して配設された第2外側端部を有する第2部材と、を備える圧縮機であって、
    前記第1金属元素はMgであり、
    前記第2金属元素はAlであり、
    さらに、少なくとも前記第1外側端部と前記第2外側端部との対峙間に介在して該第1外側端部と該第2外側端部との間を所定間隔以上にすると共にZnを主成分とする介在部材を設けることにより、
    前記第1外側端部と前記第2外側端部との間の電気的導通を阻害して該第1外側端部と該第2外側端部との対峙間を跨ぐように生じ得る電食の進行を妨げることを特徴とする圧縮機の電食防止方法。
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