JP4192561B2 - 荷電粒子線装置用高性能粒子源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粒子線装置に係わり、特には、大きな荷電粒子エミット面(放出面)またはカソ−ドを有する荷電粒子線投影露光装置の照明系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
荷電粒子線には色々な応用があり、例えば、電子顕微鏡である。荷電粒子線装置はまた半導体デバイス製造産業にも幅広く応用されており、例えば不純物の注入、光露光機で可能な最小線幅よりも細い最小線幅を持つパタ−ンの露光、露光すべき最小線幅と同程度の線幅を有するX線リソグラフィ用マスクの製造、といったことに応用されている。この結果、最小線幅はより小さくなり、半導体集積回路の集積度は増加し、製造の経済性が増している。
【0003】
一方、集積回路の密度が増すと共に、その図形の複雑さも増加している。電子線露光装置には、良く知られているように、プロ−ブフォ−ミング方式(probe-forming type)のものがある。この方式では成形された小さなスポットを繰り返し露光して所定のパタ−ンを作っている。成形されたスポットは単に比較的少ない(例えば百、またはそれ以下)画素(pixel)が含まれているだけである。一方、チップパタ−ン全体では、現在の設計では数百万個の画素があり、将来にはさらに数桁多い画素が考えられている。従って、プロ−ブフォ−ミングの電子線露光装置は、現在カスタムチップやASIC用の限られた量を作る為に使われているが、スル−プットが不十分であり、先端的な集積回路の量産には向いていない。
【0004】
このような状況に鑑みて電子線投影露光装置が開発されている。この装置はレチクルに形成された所定のパタ−ンのサブフィ−ルドをレジストが塗布されたウェハ上に投影する。サブフィ−ルドはパタ−ン全体と比べると小さいが、回路の最小線幅と比較すると大きく、数千万の画素があり、それらが同時に露光される。この時、そのサブフィ−ルドのショットスピ−ドもプロ−ブフォ−ミング方式のショットスピ−ドより若干落ちる程度である。しかし電子線投影露光装置はウェハ上に微細なパタ−ンの像を忠実に形成できるが、十分な性能を発揮できるようにするための設計は複雑であり、また調整も困難である。さらに、サブフィ−ルド全体にわたって照明が一様でなくてはならない。それ故にカソ−ド(エミッタ面)は十分な大きさとエミッションの一様性が求められる。
【0005】
更に電子線投影露光装置のビーム電流は可成り大きく、そのために電子鏡筒を短くして粒子間に働くクーロン相互作用を最小にする必要がある。そしてこの要求は多分クリーンルームから見た装置/鏡筒の最高高さや所定の倍率を得るための鏡筒に対する他の要求と同程度の物理的な拘束になる。収差や偏向誤差は最小線幅の十分の一程度にしないとサブフィールドが適切につながらない。さらにサブフィールド内の最小線幅のバラツキを抑制するために、サブフィールド内の電流分布は1%以内の一様性が求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電子線投影露光装置に試用される電子光学系の要素部品にはレンズ、偏向器といったものがあるが、それらは磁場や電場により作られ、その場は原理的には光軸に沿って無限に広がったものである。このために、それらの要素部品は多かれ少なかれ相互に影響を与える。
【0007】
図1を参照して、従来の電子線投影露光装置の説明を行う。図1には電子線投影露光装置の照明系の断面と広い面積を有する電子エミッタの一点から出る電子線軌道のシミュレーションが示されている。この例示は本発明の理解を助けるためのものであって、本発明の発明者は図1に示された構成の抱える問題点が開示されている公知刊行物を知っているわけではない。その意味で図1は”関連技術(Related Art)”であり、本発明に対しての先行技術となるものではない。
【0008】
この点に関して、上記のような荷電粒子線装置の要素部品間の相互作用は、あるものは認識されていたり、原理的に予測可能ではあるが、目的に対して無視できる程度のものであったり、また当業者に知られていなかったり、把握されていないものもある。本発明者はこの相互作用が、再現すべき線幅領域によっては、リソグラフィ像の忠実再現に重大な悪影響をもたらすことに気づき、その解決法を模索したものである。
【0009】
特に、避けがたい相互作用は、電子(荷電粒子)エミッタ、またはカソード10に最も近いコンデンサーレンズC1の磁場と電子の相互作用であり、電子(荷電粒子)エミッター又はカソードと該コンデンサーレンズとの間の領域で生じるものである。コンデンサーレンズC1の磁場はカソード10の表面やその内部に入り込む。この領域では電子は電子(荷電粒子)エミッタ又はカソードから出たばかりであってエネルギーはほぼ零であり、容易に挙動が変動する。
【0010】
電子(荷電粒子)がカソードの表面を出る時に光軸方向の速度は実質的には零であり、アノード14(等電位場16により表されている)静電場によって加速される。しかしこの時、コンデンサレンズC1の磁場の影響を受けると電子の分布が変動する。コンデンサーレンズからの影響により電子は角運動量を得(クーロン効果)、コンデンサーレンズによって作られるクロスオーバーが許容限界を超えて大きくなり、同時に電流密度分布も劣化する。このことが図2に記されている。(ここで注意すべきことは、ここでの「クロスオーバ」という表現は必ずしも元々の意味合いを表すものではないことである。それは、得られた角運動量のために電子はシステム軸を横切ることなく、軸の回りを螺旋状に移動することになる。)このクロスオーバーは仮想的なクロスオーバの像であるが、下流の光学系の実効的な光源として作用する。そしてこのクロスオーバーは所定の性能を発揮するための基準を満足しなければならない。
【0011】
障害の他の要因は電子(荷電粒子)のエミッタ又はカソードの加熱用のヒータ(フィラメント)18からの磁場であり、これがほぼ零エネルギーの、エミッタから出た電子に作用する。この磁場を避けることは困難である。何故なら、ヒータに流れる大きな電流により生じているからである。フィラメント構造もまた同様に避けがたい非対称性を有し、その結果、磁場内に避けがたい非対称性が生じる。このようにして、非対称な角運動量が、電子(荷電粒子)エミッタ、又はカソードから出た電子に与えられ、そのためにクロスオーバーで許容できないレベルの非点収差が生じる。上記のように、クロスオーバーでの性質はそれより下流にある光学系の性質にとって重要である。
【0012】
またアノードには開口14’があり、電子はこれを通り抜けてビ−ムを形成するが、この開口14’は好ましくなく、また避けがたい静電レンズとして作用する。そして、このレンズが収差を増加させている。このような避けがたい要素部品が集まった時の効果や部品間の配置障害(interference)が、図1中において、ビームの軌道20により示されている。図1では、クロスオーバーは所定の大きさより拡がっており、収差もある。この結果、照明の非一様性が成形開口板50の52と54の間の領域で生じる。そして電子軌道の不均一性と照明系の不均一性が光学鏡筒の他の要素部品を通り抜け、これらの要素部品の性能を低下させる。
【0013】
上に記したように、4つの別々の問題が明らかになっている。
1.) コンデンサーレンズC1の場によって生じる、放出された電子の挙動変動
2.) ヒーターの場によって生じる、放出された電子の挙動変動
3.) 静電レンズ(アノード)の球面収差
4.) ヒーターフィラメントの非対称性によって生じる、クロスオーバーの非点収差、またビ−ムがコンデンサーレンズの軸からのズレていることにより生じる、クロスオーバの非点収差である。
【0014】
初めの3つの問題点により生じることは、クロスオーバーでの電流分布の拡がりと乱れであり、結果的に成形開口での照明一様性が乱れ、ウェハに結像されるべき回路パターンを有するレチクルでの照明一様性が乱れることになる。4つ目の問題点は、ヒーターフィラメントの場に起因する理想的な動作からのズレ効果とそれがシステムの他の要素部品を通る軌道が理想的な軌道で無いことによってさらに悪化したものである。
【0015】
最初の問題に対する考えられる解決法の一つは、磁極の径を小さくしてコンデンサーレンズを制限することである。しかし、磁極の径を小さくしてコンデンサーレンズの場を制限することは現実的ではない。というのは、それに伴ってクロスオーバでの収差が増加するからである。この収差の増加は、電子エミッション面に可成りの大きさが求められる状況で、磁極が電子エミッション面よりも十分大きくない時に生じるものである。また、この対処法ではフィラメントの場によって生じる非点収差には効果がない。
【0016】
このように、好ましくない相互作用が荷電粒子エミッタ(emitter)とエミッタの近くにある光学部品間に生じる。
本発明の目的は、荷電粒子線装置での粒子源近傍に生じる低エネルギー荷電粒子の挙動の変動(perturbation)を低減する構成と技術を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、荷電粒子線装置でカソード、アノード、コンデンサーレンズと低エネルギ荷電粒子の相互作用により生じる対称及び/又は非対称な角運動量(angular momentum)及び他の挙動変動を制御することである。
【0018】
さらに他の目的は、成形開口、レチクル、ウェハでのビームの一様性に優れたエミッタを配し、クロスオーバでは非点収差や歪みを低減して高性能な荷電粒子線装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明では以下の解決手段を用いている。第1の解決手段は、荷電粒子線照明システムであって、第1のコンデンサーレンズ、加速電極、該加速電極から軸上離れた位置に配置された荷電粒子エミッタ、該荷電粒子エミッタでの磁場を低減する手段、を有し、前記磁場を低減する手段が磁気レンズである、ことを特徴とする荷電粒子線照明システムである。エミッタより放出された荷電粒子に作用する磁場を低減する手段を設けることによってエネルギーが低い状態での荷電粒子の挙動変動を抑えることができる。
【0020】
また、前記第1の手段によれば、磁気レンズを配し、エミッタ面の磁場を打ち消すようにこの磁気レンズを制御することにより、エミッタ面の磁場による電子の挙動変動が容易に、確実に抑えられる。
【0021】
第2の手段は、前記第1の手段を実施する際に、前記荷電粒子エミッタにおいて磁場を低減する磁気レンズが前記第1コンデンサーレンズと前記荷電粒子エミッタの間に配置されている、ことを特徴とする照明システムである。前記磁気レンズの目的はエミッタ面での不要で、下段の結像系に悪影響を持つ磁場の消去にある。本手段を用いることにより、エミッタ面でのこの作用を十分確保しながら、他の構成部材への影響を避けられ、さらに配置空間の有効利用が図られる。
【0022】
第3の手段は、前記第1の手段又は前記第2の手段を実施する際に、前記荷電粒子が電子であり、前記加速電極がアノードであり、前記荷電粒子エミッタがカソードである、ことを特徴とする荷電粒子線照明システムである。負の電位を有するカソードより電子は容易に放出され、正の電位を有するアノードにより容易に加速される。これにより照明システムに必要な粒子源が容易に得られる。
【0023】
第4の手段は、前記第1の手段から前記第3の手段の何れかの手段を実施する際に、前記第1のコンデンサーレンズが前記荷電粒子エミッタから発する粒子軌道のクロスオーバーを形成する、ことを特徴とする照明システムである。このクロスオーバを所定の位置に、所定の大きさに形成することにより、後段の照明系、投影系での収差の発生が抑制される。
【0024】
第5の手段は、前記第1の手段から前記第4の手段の何れかの手段を実施する際に、前記加速電極と前記第1コンデンサーレンズの間に非点収差補正器が配置され、該非点収差補正器がクロスオーバで非点収差を補正するように駆動される、ことを特徴とする照明システムである磁場を低減する前記手段を配した際に生じる、クロスオーバーにおける非点収差及びエミッタを加熱するフィラメントの非対称性により生じる、クロスオーバでの非点収差が問題になる場合に、これを補正する非点補正器を配置することは有効な手段となる。
【0025】
第6の手段は、前記第5の手段を実施する際に、前記非点収差補正器が可変軸非点収差補正器である、ことを特徴とする照明システムである。軸外ビームを通るビームに対して、クロスオーバを基に照明系を構成する場合に収差を低減する方法として、可変軸を有する非点補正器は有効な手段となり、広範囲な視野を有する照明系を実現できる。
【0026】
第7の手段は、電子線投影露光装置であって、前記第1の手段から前記第6の手段の何れかの手段に記載の荷電粒子線照明システムを備えること、を特徴とする電子線投影露光装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
上記のように本発明では、荷電粒子線照明系が第1のコンデンサーレンズ、加速電極、軸上で加速電極から離れて配置された荷電粒子線エミッタを有し、荷電粒子線エミッタにおける第1のコンデンサーレンズの磁場が低減されるようになされる。
【0028】
【実施例1】
図3を参照して本発明の第1の実施例の説明を行う。電子光学部品は図3に記されているように、基本的には図1と同じである。ただ異なる点は、カソード10の表面12はアノード14とコンデンサーレンズC1から離れているが、その値は例えば40mmである。図4に示されているように、軸外のエミッション点から出た電子は軸近くに近づき、クロスオーバーの大きさを理論的に考えられる最小の大きさに減少させている。
【0029】
ここで理解されるべき点は、コンデンサーレンズC1とC2の両方が再調整が可能であって、投影系システム全体の要求に応じて適切な像形成条件が設定できる、という点である。図3(及び図5)に示されている軌道はそのような調整がなされた後の軌道を示していない。しかし、その意図は、システムの後段に対して照明源となるクロスオーバーに及ぼす本発明の重要な効果を示すことである。
【0030】
【実施例2】
本発明の第2の実施例を図5を参照しながら説明する。図5が図1と異なる点は、バッキングレンズ(bucking lens)CBと呼ばれる薄い磁気レンズが第1コンデンサーレンズとカソードの間に配置されていることである。(好ましくは、アノード内又はアノードより前段である)。そして、それによって改善された電子軌道が示されている。好ましくは、このレンズは第1コンデンサーレンズC1の励起に対して比例ししているが、逆極性で駆動され、その結果カソード10の表面12での磁場が零になることである。(例えば、カソード表面でのレンズC1の場を打ち消すようにすることである。)
それ故、レンズCBは第1コンデンサーレンズC1の場からカソードを完全にシールドし、電子に角運動量を与えてしまうような磁場を消し去る。従って、電子は角運動量を与えられることなく、カソード12とアノード14間の静電場により加速され、低エネルギー状態で容易に生じる挙動の変動がなくなる。このことは図6と図1の関連技術と比べると容易に理解される。全電子軌道は実際にシステムの軸を横切るようになり、所望の大きさと電流分布を有するクロスオーバーが形成される。カソードの不規則性の作用、成形開口での照明一様性阻害する作用、を低減させるために成形開口APの位置を軸上でカソードより若干離した位置にする。このことは、図4又は図6に示されている。
【0031】
【実施例3】
本発明の第3の実施例を図7,8を参照しながら説明する。
図7、8には色々可能な、バッキングレンズCBの組み込みが示されている。この組み込み方法の差は当業者には容易に理解される筈である。このような、組み込みを適切に設計して動作させれば、最も重要な位置での如何なる磁場の軸対称成分も消去できる効果を有する。この最も重要な位置とは、電子(荷電粒子)が零エネルギーでエミットされるエミッタ上の点である。示された、幾つかの構成間の差は電力の効率化という観点からのみ意味があるものである。即ち、所定の場の消去を実現するために必要な電力が如何程必要か、という観点である。その他の差異はコンデンサーレンズ場とバッキングレンズ場の結合場がシステム軸に沿って形成する場の形状に関することであり、インパクトはシステム全体の性能に対しては大きなものではない。図9に描かれているのは、図8の構成と図1の関連技術の構成の比較であり、図1の好ましくない軌道が修正されたり、回避されたりしていることが示されている。上述の様に、第1実施例(図3)のアノード14はカソードにより近く置かれている。アノードをカソード/エミッタと同じ方向にシフトさせると悪い影響が出る。アノード位置のシフトは、光学特性上で問題を引き起こすが、その程度は大きなものではなく、許容範囲のものであり、一方ではより大きな有利な点を有している。即ち、アノードがシフトした時の悪影響は非点収差補正器(stigmator)を第1コンデンサーレンズC1の中心に最適位置に配置するスペースをもたらすという利点で釣り合いがとれる。この非点収差補正器は2つの4重極からなり、上記の問題を補正すると共に、フィラメント電流により生じる非対称な磁場を補正し、さらに第1コンデンサーレンズの前後において、レンズ場やビームの軌道が軸対称からズレることより生じる非対称的な特性の残留分を補正する。
【0032】
【実施例4】
本発明の第4の実施例が図5に記されている。ここでは、非点収差補正器が2組のアライメントコイルの間に配置されている。このアライメントコイルは適切にコイルが巻かれ、当業者には容易に分かるように、4重極が同時にビーム軸調整をするようになされている。そのような、”可変軸非点収差補正器”は例えば、米国特許 5,389,585及び5,481,164に詳述されている。この第4の実施例では、図7と同様なバッキングレンズによって図9中のバッキングレンズが置き換えられると、カソードと同様にアノードをシフトするという要求は無くなる。
【0033】
図10が示しているのは、電子ビーム投影システムの重要な部分の1次光学系を示している。本発明は、この電子線投影系に対して適用される。エミッタ面がコンデンサーレンズC1、C2によって成形開口に結像され、成形開口の像はレチクル上に形成され、次いでレチクル面はウェハ上に順次投影される。コンデンサーレンズC1、C2とバッキングレンズCBの軸上磁場分布を見れば判るように、エミッタでの第1コンデンサーの磁場や他の要素部品の磁場は零になっている。先に記したように、非点収差補正器とアライメントコイル60、62も示されている。
【0034】
本発明は一つの好ましい実施例により説明されているが、当業者は発明が請求項の範囲内で変形が容易になされることが判る筈である。
【0035】
【発明の効果】
これまでに記したように、本発明は第1コンデンサーレンズやカソードとの相互干渉効果を完全に補正したり、カソード加熱用のフィラメントから出る磁場による避けがたい影響を補正したり、荷電粒子線装置の静電レンズからの影響を補正する。このような干渉効果や磁場の影響は電子線投影露光装置を使って細線を形成する際には許容できないことが判ったものである。本発明により、荷電粒子源よりエミット(放出)された荷電粒子が放出時の低エネルギー状態で磁場により挙動が変動することがなくなり、所定のクロスオーバーがコンデンサーレンズによって形成され、所定の設計通りの照明系が得られる。また、その際に、実用的な鏡筒長を用い、光学系に大きな変化をもたらすことなく行うものであり、実設計上の大きな変更を要しないと言う利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を含まない電子線投影リソグラフィ装置でのビームの軌道を示す。
【図2】 本発明が解消すべき、干渉効果により生じる収差のあるクロスオーバの問題点を示す。
【図3】 本発明の第1の実施例が組み込まれた電子線投影リソグラフィ装置でのビームの軌道を示す。
【図4】 図1のクロスオーバが補正されたことを示す。
【図5】 本発明の第2の好ましい実施例による電子線投影リソグラフィ装置でのビームの軌道を示す。
【図6】 図5に示された本発明の第2の実施による、図1のクロスオーバの補正を示す。
【図7】 第2の好ましい実施例のバッキングレンズ構成とその磁
力線を示す。
【図8】 第2の好ましい実施例のバッキングレンズ構成とその磁
力線を示す。
【図9】 電子銃と第1のコンデンサーレンズの断面図であり、本発明の第3の実施例を示す。図8の左側に示されたものが本発明に関するものであり、比較のために右側には好ましくない干渉効果がある構成が記されている。
【図10】本発明による電子銃の1次近似光学系を示す。
【符号の説明】
C1 ・・・ 第1コンデンサーレンズ
C2 ・・・ 第2コンデンサ−レンズ
CB ・・・ バッキングレンズ
10 ・・・ エミッタ又はカソード
14 ・・・ アノード
18 ・・・ 加熱用のヒータ(フィラメント)
20 ・・・ ビームの軌道
50 ・・・ 成形開口板50
60、62 ・・・ アライメントコイル
Claims (7)
- 荷電粒子線照明システムであって、
第1のコンデンサーレンズ、加速電極、該加速電極から軸上離れた位置に配置された荷電粒子エミッタ、該荷電粒子エミッタでの磁場を低減する手段、を有し、
前記磁場を低減する手段が磁気レンズである、ことを特徴とする荷電粒子線照明システム。 - 請求項1記載の荷電粒子線照明システムであって、前記荷電粒子エミッタにおいて磁場を低減する磁気レンズが前記第1コンデンサーレンズと前記荷電粒子エミッタの間に配置されている、ことを特徴とする荷電粒子線照明システム。
- 請求項1又は請求項2記載の荷電粒子線照明システムであって、
前記荷電粒子が電子であり、前記加速電極がアノードであり、前記荷電粒子エミッタがカソードである、ことを特徴とする荷電粒子線照明システム。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の荷電粒子線照明システムであって、
前記第1のコンデンサーレンズが前記荷電粒子エミッタから発する粒子軌道のクロスオーバーを形成する、ことを特徴とする荷電粒子線照明システム。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の荷電粒子線照明システムであって、
前記加速電極と前記第1コンデンサーレンズの間に非点収差補正器は配置され、該非点収差補正器がクロスオーバで非点収差を補正するように駆動される、ことを特徴とする荷電粒子線照明システム。 - 請求項5記載の荷電粒子線照明システムであって、
前記非点収差補正器が可変軸非点収差補正器である、ことを特徴とする荷電粒子線照明システム。 - 電子線投影露光装置であって、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の荷電粒子線照明システムを備えることを特徴とする電子線投影露光装置。
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