JP2003178973A - 荷電粒子線装置用高性能粒子源 - Google Patents

荷電粒子線装置用高性能粒子源

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lens
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エー.ケンダル ロドニー
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/06Electron sources; Electron guns
    • H01J37/07Eliminating deleterious effects due to thermal effects or electric or magnetic fields

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  • Analytical Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 荷電粒子線露光装置の粒子源(例えば、
電子放出源)が比較的大きな面積を有し、且つその面全
体にわたって均一はエミッション特性が要求される場
合、その粒子源の近くに配置された他の電子光学部材か
らの磁場により粒子分布が不均一になったり、荷電粒子
が好ましくない運動量を受けてクロスオーバ像を正しく
形成しなくなる。この結果、ウェハ上に均一な像が形成
されなくなる。 【解決手段】 粒子源近くのコンデンサーレンズの磁場
が荷電粒子源に影響しないような手段を設ける。そのた
めに、コンデンサーレンズと粒子源の距離を離したり、
粒子源でコンデンサーレンズからの磁場をうち消すバッ
キングレンズを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒子線装置に係わ
り、特には、大きな荷電粒子エミット面(放出面)また
はカソ−ドを有する荷電粒子線投影露光装置の照明系に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子線には色々な応用があり、例え
ば、電子顕微鏡である。荷電粒子線装置はまた半導体デ
バイス製造産業にも幅広く応用されており、例えば不純
物の注入、光露光機で可能な最小線幅よりも細い最小線
幅を持つパタ−ンの露光、露光すべき最小線幅と同程度
の線幅を有するX線リソグラフィ用マスクの製造、とい
ったことに応用されている。この結果、最小線幅はより
小さくなり、半導体集積回路の集積度は増加し、製造の
経済性が増している。
【0003】一方、集積回路の密度が増すと共に、その
図形の複雑さも増加している。電子線露光装置には、良
く知られているように、プロ−ブフォ−ミング方式(pro
be-forming type)のものがある。この方式では成形され
た小さなスポットを繰り返し露光して所定のパタ−ンを
作っている。成形されたスポットは単に比較的少ない
(例えば百、またはそれ以下)画素(pixel)が含まれてい
るだけである。一方、チップパタ−ン全体では、現在の
設計では数百万個の画素があり、将来にはさらに数桁多
い画素が考えられている。従って、プロ−ブフォ−ミン
グの電子線露光装置は、現在カスタムチップやASIC用の
限られた量を作る為に使われているが、スル−プットが
不十分であり、先端的な集積回路の量産には向いていな
い。
【0004】このような状況に鑑みて電子線投影露光装
置が開発されている。この装置はレチクルに形成された
所定のパタ−ンのサブフィ−ルドをレジストが塗布され
たウェハ上に投影する。サブフィ−ルドはパタ−ン全体
と比べると小さいが、回路の最小線幅と比較すると大き
く、数千万の画素があり、それらが同時に露光される。
この時、そのサブフィ−ルドのショットスピ−ドもプロ
−ブフォ−ミング方式のショットスピ−ドより若干落ち
る程度である。しかし電子線投影露光装置はウェハ上に
微細なパタ−ンの像を忠実に形成できるが、十分な性能
を発揮できるようにするための設計は複雑であり、また
調整も困難である。さらに、サブフィ−ルド全体にわた
って照明が一様でなくてはならない。それ故にカソ−ド
(エミッタ面)は十分な大きさとエミッションの一様性
が求められる。
【0005】更に電子線投影露光装置のビーム電流は可
成り大きく、そのために電子鏡筒を短くして粒子間に働
くクーロン相互作用を最小にする必要がある。そしてこ
の要求は多分クリーンルームから見た装置/鏡筒の最高
高さや所定の倍率を得るための鏡筒に対する他の要求と
同程度の物理的な拘束になる。収差や偏向誤差は最小線
幅の十分の一程度にしないとサブフィールドが適切につ
ながらない。さらにサブフィールド内の最小線幅のバラ
ツキを抑制するために、サブフィールド内の電流分布は
1%以内の一様性が求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電子線投影露光装置に
試用される電子光学系の要素部品にはレンズ、偏向器と
いったものがあるが、それらは磁場や電場により作ら
れ、その場は原理的には光軸に沿って無限に広がったも
のである。このために、それらの要素部品は多かれ少な
かれ相互に影響を与える。
【0007】図1を参照して、従来の電子線投影露光装
置の説明を行う。図1には電子線投影露光装置の照明系
の断面と広い面積を有する電子エミッタの一点から出る
電子線軌道のシミュレーションが示されている。この例
示は本発明の理解を助けるためのものであって、本発明
の発明者は図1に示された構成の抱える問題点が開示さ
れている公知刊行物を知っているわけではない。その意
味で図1は”関連技術(Related Art)”であり、本発
明に対しての先行技術となるものではない。
【0008】この点に関して、上記のような荷電粒子線
装置の要素部品間の相互作用は、あるものは認識されて
いたり、原理的に予測可能ではあるが、目的に対して無
視できる程度のものであったり、また当業者に知られて
いなかったり、把握されていないものもある。本発明者
はこの相互作用が、再現すべき線幅領域によっては、リ
ソグラフィ像の忠実再現に重大な悪影響をもたらすこと
に気づき、その解決法を模索したものである。
【0009】特に、避けがたい相互作用は、電子(荷電
粒子)エミッタ、またはカソード10に最も近いコンデ
ンサーレンズC1の磁場と電子の相互作用であり、電子
(荷電粒子)エミッター又はカソードと該コンデンサー
レンズとの間の領域で生じるものである。コンデンサー
レンズC1の磁場はカソード10の表面やその内部に入
り込む。この領域では電子は電子(荷電粒子)エミッタ
又はカソードから出たばかりであってエネルギーはほぼ
零であり、容易に挙動が変動する。
【0010】電子(荷電粒子)がカソードの表面を出る
時に光軸方向の速度は実質的には零であり、アノード1
4(等電位場16により表されている)静電場によって
加速される。しかしこの時、コンデンサレンズC1の磁
場の影響を受けると電子の分布が変動する。コンデンサ
ーレンズからの影響により電子は角運動量を得(クーロ
ン効果)、コンデンサーレンズによって作られるクロス
オーバーが許容限界を超えて大きくなり、同時に電流密
度分布も劣化する。このことが図2に記されている。
(ここで注意すべきことは、ここでの「クロスオーバ」
という表現は必ずしも元々の意味合いを表すものではな
いことである。それは、得られた角運動量のために電子
はシステム軸を横切ることなく、軸の回りを螺旋状に移
動することになる。)このクロスオーバーは仮想的なク
ロスオーバの像であるが、下流の光学系の実効的な光源
として作用する。そしてこのクロスオーバーは所定の性
能を発揮するための基準を満足しなければならない。
【0011】障害の他の要因は電子(荷電粒子)のエミ
ッタ又はカソードの加熱用のヒータ(フィラメント)1
8からの磁場であり、これがほぼ零エネルギーの、エミ
ッタから出た電子に作用する。この磁場を避けることは
困難である。何故なら、ヒータに流れる大きな電流によ
り生じているからである。フィラメント構造もまた同様
に避けがたい非対称性を有し、その結果、磁場内に避け
がたい非対称性が生じる。このようにして、非対称な角
運動量が、電子(荷電粒子)エミッタ、又はカソードか
ら出た電子に与えられ、そのためにクロスオーバーで許
容できないレベルの非点収差が生じる。上記のように、
クロスオーバーでの性質はそれより下流にある光学系の
性質にとって重要である。
【0012】またアノードには開口14’があり、電子
はこれを通り抜けてビ−ムを形成するが、この開口1
4’は好ましくなく、また避けがたい静電レンズとして
作用する。そして、このレンズが収差を増加させてい
る。このような避けがたい要素部品が集まった時の効果
や部品間の配置障害(interference)が、図1中におい
て、ビームの軌道20により示されている。図1では、
クロスオーバーは所定の大きさより拡がっており、収差
もある。この結果、照明の非一様性が成形開口板50の
52と54の間の領域で生じる。そして電子軌道の不均
一性と照明系の不均一性が光学鏡筒の他の要素部品を通
り抜け、これらの要素部品の性能を低下させる。
【0013】上に記したように、4つの別々の問題が明
らかになっている。 1.) コンデンサーレンズC1の場によって生じる、放出
された電子の挙動変動 2.) ヒーターの場によって生じる、放出された電子の挙
動変動 3.) 静電レンズ(アノード)の球面収差 4.) ヒーターフィラメントの非対称性によって生じる、
クロスオーバーの非点収差、またビ−ムがコンデンサー
レンズの軸からのズレていることにより生じる、クロス
オーバの非点収差である。
【0014】初めの3つの問題点により生じることは、
クロスオーバーでの電流分布の拡がりと乱れであり、結
果的に成形開口での照明一様性が乱れ、ウェハに結像さ
れるべき回路パターンを有するレチクルでの照明一様性
が乱れることになる。4つ目の問題点は、ヒーターフィ
ラメントの場に起因する理想的な動作からのズレ効果と
それがシステムの他の要素部品を通る軌道が理想的な軌
道で無いことによってさらに悪化したものである。
【0015】最初の問題に対する考えられる解決法の一
つは、磁極の径を小さくしてコンデンサーレンズを制限
することである。しかし、磁極の径を小さくしてコンデ
ンサーレンズの場を制限することは現実的ではない。と
いうのは、それに伴ってクロスオーバでの収差が増加す
るからである。この収差の増加は、電子エミッション面
に可成りの大きさが求められる状況で、磁極が電子エミ
ッション面よりも十分大きくない時に生じるものであ
る。また、この対処法ではフィラメントの場によって生
じる非点収差には効果がない。
【0016】このように、好ましくない相互作用が荷電
粒子エミッタ(emitter)とエミッタの近くにある光学部
品間に生じる。本発明の目的は、荷電粒子線装置での粒
子源近傍に生じる低エネルギー荷電粒子の挙動の変動
(perturbation)を低減する構成と技術を提供すること
である。
【0017】本発明の他の目的は、荷電粒子線装置でカ
ソード、アノード、コンデンサーレンズと低エネルギ荷
電粒子の相互作用により生じる対称及び/又は非対称な
角運動量(angular momentum)及び他の挙動変動を制御
することである。
【0018】さらに他の目的は、成形開口、レチクル、
ウェハでのビームの一様性に優れたエミッタを配し、ク
ロスオーバでは非点収差や歪みを低減して高性能な荷電
粒子線装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するため
の本発明では以下の解決手段を用いている。第1の解決
手段は、荷電粒子線照明システムであって、第1のコン
デンサーレンズ、加速電極、該加速電極から軸上離れた
位置に配置された荷電粒子エミッタ、該荷電粒子エミッ
タでの磁場を低減する手段、を有することを特徴とする
荷電粒子照明システムである。エミッタより放出された
荷電粒子に作用する磁場を低減する手段を設けることに
よってエネルギーが低い状態での荷電粒子の挙動変動を
抑えることができる。
【0020】第2の手段は、前記第1の手段を実施する
際に、前記荷電粒子が電子であり、前記加速電極がアノ
ードであり、前記荷電粒子エミッタがカソードである、
ことを特徴とする荷電粒子線照明システムである。負の
電位を有するカソードより電子は容易に放出され、正の
電位を有するアノードにより容易に加速される。これに
より照明システムに必要な粒子源が容易に得られる。
【0021】第3の手段は、前記第1の手段を実施する
際に、前記第1のコンデンサーレンズが前記荷電粒子エ
ミッタから発する粒子軌道のクロスオーバーを形成す
る、ことを特徴とする照明システムである。このクロス
オーバを所定の位置に、所定の大きさに形成することに
より、後段の照明系、投影系での収差の発生が抑制され
る。
【0022】第4の手段は、前記第1の手段を実施する
際に、前記荷電粒子エミッタにおいて磁場を低減するた
めの手段が前記第1コンデンサーレンズと前記エミッタ
間の距離を十分長くする、ことを特徴とする照明システ
ム。このようにコンデンサレンズとエミッタとの間隔を
拡げることによってコンデンサーレンズの磁場がエミッ
タに及ぼす影響を無くし、エミッタ面の磁場による荷電
粒子の挙動の変動を抑えることが出来る。
【0023】第5の手段は、前記第2の手段を実施する
際に、前記荷電粒子エミッタでの磁場を低減する手段が
磁気レンズである、ことを特徴とする照明システムであ
る。磁気レンズを配し、エミッタ面の磁場を打ち消すよ
うにこの磁気レンズを制御することにより、エミッタ面
の磁場による電子の挙動変動が容易に、確実に抑えられ
る。
【0024】第6の手段は、前記第5の手段を実施する
際に、前記荷電粒子エミッタにおいて磁場を低減する磁
気レンズが前記第1コンデンサーレンズと前記荷電粒子
エミッタの間に配置されている、ことを特徴とする照明
システムである。前記磁気レンズの目的はエミッタ面で
の不要で、下段の結像系に悪影響を持つ磁場の消去にあ
る。本手段を用いることにより、エミッタ面でのこの作
用を十分確保しながら、他の構成部材への影響を避けら
れ、さらに配置空間の有効利用が図られる。
【0025】第7の手段は、前記第2、3、5、6のい
ずれかの手段を実施する際に、前記加速電極と前記第1
コンデンサーレンズの間に非点収差補正器が配置され、
該非点収差補正器がクロスオーバがクロスオーバで非点
収差を補正するように駆動される、ことを特徴とする照
明システムである磁場を低減する前記手段を配した際に
生じる、クロスオーバーにおける非点収差及びエミッタ
を加熱するフィラメントの非対称性により生じる、クロ
スオーバでの非点収差が問題になる場合に、これを補正
する非点補正器を配置することは有効な手段となる。
【0026】第8の手段は、前記第7の手段を実施する
際に、前記非点収差補正器が可変軸非点収差補正器であ
る、ことを特徴とする照明システムである。軸外ビーム
を通るビームに対して、クロスオーバを基に照明系を構
成する場合に収差を低減する方法として、可変軸を有す
る非点補正器は有効な手段となり、広範囲な視野を有す
る照明系を実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】上記のように本発明では、荷電粒
子線照明系が第1のコンデンサーレンズ、加速電極、軸
上で加速電極から離れて配置された荷電粒子線エミッタ
を有し、荷電粒子線エミッタにおける第1のコンデンサ
ーレンズの磁場が低減されるようになされる。
【0028】
【実施例1】 図3を参照して本発明の第1の実施例の
説明を行う。電子光学部品は図3に記されているよう
に、基本的には図1と同じである。ただ異なる点は、カ
ソード10の表面12はアノード14とコンデンサーレ
ンズC1から離れているが、その値は例えば40mmで
ある。図4に示されているように、軸外のエミッション
点から出た電子は軸近くに近づき、クロスオーバーの大
きさを理論的に考えられる最小の大きさに減少させてい
る。
【0029】ここで理解されるべき点は、コンデンサー
レンズC1とC2の両方が再調整が可能であって、投影
系システム全体の要求に応じて適切な像形成条件が設定
できる、という点である。図3(及び図5)に示されて
いる軌道はそのような調整がなされた後の軌道を示して
いない。しかし、その意図は、システムの後段に対して
照明源となるクロスオーバーに及ぼす本発明の重要な効
果を示すことである。
【0030】
【実施例2】 本発明の第2の実施例を図5を参照しな
がら説明する。図5が図1と異なる点は、バッキングレ
ンズ(bucking lens)CBと呼ばれる薄い磁気レンズが
第1コンデンサーレンズとカソードの間に配置されてい
ることである。(好ましくは、アノード内又はアノード
より前段である)。そして、それによって改善された電
子軌道が示されている。好ましくは、このレンズは第1
コンデンサーレンズC1の励起に対して比例ししている
が、逆極性で駆動され、その結果カソード10の表面1
2での磁場が零になることである。(例えば、カソード
表面でのレンズC1の場を打ち消すようにすることであ
る。)それ故、レンズCBは第1コンデンサーレンズC
1の場からカソードを完全にシールドし、電子に角運動
量を与えてしまうような磁場を消し去る。従って、電子
は角運動量を与えられることなく、カソード12とアノ
ード14間の静電場により加速され、低エネルギー状態
で容易に生じる挙動の変動がなくなる。このことは図6
と図1の関連技術と比べると容易に理解される。全電子
軌道は実際にシステムの軸を横切るようになり、所望の
大きさと電流分布を有するクロスオーバーが形成され
る。カソードの不規則性の作用、成形開口での照明一様
性阻害する作用、を低減させるために成形開口APの位
置を軸上でカソードより若干離した位置にする。このこ
とは、図4又は図6に示されている。
【0031】
【実施例3】本発明の第3の実施例を図7,8を参照し
ながら説明する。図7、8には色々可能な、バッキング
レンズCBの組み込みが示されている。この組み込み方
法の差は当業者には容易に理解される筈である。このよ
うな、組み込みを適切に設計して動作させれば、最も重
要な位置での如何なる磁場の軸対称成分も消去できる効
果を有する。この最も重要な位置とは、電子(荷電粒
子)が零エネルギーでエミットされるエミッタ上の点で
ある。示された、幾つかの構成間の差は電力の効率化と
いう観点からのみ意味があるものである。即ち、所定の
場の消去を実現するために必要な電力が如何程必要か、
という観点である。その他の差異はコンデンサーレンズ
場とバッキングレンズ場の結合場がシステム軸に沿って
形成する場の形状に関することであり、インパクトはシ
ステム全体の性能に対しては大きなものではない。図9
に描かれているのは、図8の構成と図1の関連技術の構
成の比較であり、図1の好ましくない軌道が修正された
り、回避されたりしていることが示されている。上述の
様に、第1実施例(図3)のアノード14はカソードに
より近く置かれている。アノードをカソード/エミッタ
と同じ方向にシフトさせると悪い影響が出る。アノード
位置のシフトは、光学特性上で問題を引き起こすが、そ
の程度は大きなものではなく、許容範囲のものであり、
一方ではより大きな有利な点を有している。即ち、アノ
ードがシフトした時の悪影響は非点収差補正器(stigma
tor)を第1コンデンサーレンズC1の中心に最適位置
に配置するスペースをもたらすという利点で釣り合いが
とれる。この非点収差補正器は2つの4重極からなり、
上記の問題を補正すると共に、フィラメント電流により
生じる非対称な磁場を補正し、さらに第1コンデンサー
レンズの前後において、レンズ場やビームの軌道が軸対
称からズレることより生じる非対称的な特性の残留分を
補正する。
【0032】
【実施例4】 本発明の第4の実施例が図5に記されて
いる。ここでは、非点収差補正器が2組のアライメント
コイルの間に配置されている。このアライメントコイル
は適切にコイルが巻かれ、当業者には容易に分かるよう
に、4重極が同時にビーム軸調整をするようになされて
いる。そのような、”可変軸非点収差補正器”は例え
ば、米国特許 5,389,585及び5,481,164
に詳述されている。この第4の実施例では、図7と同様
なバッキングレンズによって図9中のバッキングレンズ
が置き換えられると、カソードと同様にアノードをシフ
トするという要求は無くなる。
【0033】図10が示しているのは、電子ビーム投影
システムの重要な部分の1次光学系を示している。本発
明は、この電子線投影系に対して適用される。エミッタ
面がコンデンサーレンズC1、C2によって成形開口に
結像され、成形開口の像はレチクル上に形成され、次い
でレチクル面はウェハ上に順次投影される。コンデンサ
ーレンズC1、C2とバッキングレンズCBの軸上磁場
分布を見れば判るように、エミッタでの第1コンデンサ
ーの磁場や他の要素部品の磁場は零になっている。先に
記したように、非点収差補正器とアライメントコイル6
0、62も示されている。
【0034】本発明は一つの好ましい実施例により説明
されているが、当業者は発明が請求項の範囲内で変形が
容易になされることが判る筈である。
【0035】
【発明の効果】 これまでに記したように、本発明は第
1コンデンサーレンズやカソードとの相互干渉効果を完
全に補正したり、カソード加熱用のフィラメントから出
る磁場による避けがたい影響を補正したり、荷電粒子線
装置の静電レンズからの影響を補正する。このような干
渉効果や磁場の影響は電子線投影露光装置を使って細線
を形成する際には許容できないことが判ったものであ
る。本発明により、荷電粒子源よりエミット(放出)さ
れた荷電粒子が放出時の低エネルギー状態で磁場により
挙動が変動することがなくなり、所定のクロスオーバー
がコンデンサーレンズによって形成され、所定の設計通
りの照明系が得られる。また、その際に、実用的な鏡筒
長を用い、光学系に大きな変化をもたらすことなく行う
ものであり、実設計上の大きな変更を要しないと言う利
点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を含まない電子線投影リソグラフィ装
置でのビームの軌道を示す。
【図2】 本発明が解消すべき、干渉効果により生じる
収差のあるクロスオーバの問題点を示す。
【図3】 本発明の第1の実施例が組み込まれた電子線
投影リソグラフィ装置でのビームの軌道を示す。
【図4】 図1のクロスオーバが補正されたことを示
す。
【図5】 本発明の第2の好ましい実施例による電子線
投影リソグラフィ装置でのビームの軌道を示す。
【図6】 図5に示された本発明の第2の実施による、
図1のクロスオーバの補正を示す。
【図7】
【図8】 第2の好ましい実施例のバッキングレンズ構
成とその磁力線を示す。
【図9】 電子銃と第1のコンデンサーレンズの断面図
であり、本発明の第3の実施例を示す。図8の左側に示
されたものが本発明に関するものであり、比較のために
右側には好ましくない干渉効果がある構成が記されてい
る。
【図10】本発明による電子銃の1次近似光学系を示
す。
【符号の説明】
C1 ・・・ 第1コンデンサーレンズ C2 ・・・ 第2コンデンサ−レンズ CB ・・・ バッキングレンズ 10 ・・・ エミッタ又はカソード 1
4 ・・・ アノード 18 ・・・ 加熱用のヒータ(フィラメント) 20 ・・・ ビームの軌道 50 ・・・ 成形開口板50 60、62 ・・・ アライメントコイル
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月5日(2002.12.
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を含まない電子線投影リソグラフィ装
置でのビームの軌道を示す。
【図2】 本発明が解消すべき、干渉効果により生じる
収差のあるクロスオーバの問題点を示す。
【図3】 本発明の第1の実施例が組み込まれた電子線
投影リソグラフィ装置でのビームの軌道を示す。
【図4】 図1のクロスオーバが補正されたことを示
す。
【図5】 本発明の第2の好ましい実施例による電子線
投影リソグラフィ装置でのビームの軌道を示す。
【図6】 図5に示された本発明の第2の実施による、
図1のクロスオーバの補正を示す。
【図7】 第2の好ましい実施例のバッキングレンズ構
成とその磁力線を示す。
【図8】 第2の好ましい実施例のバッキングレンズ構
成とその磁力線を示す。
【図9】 電子銃と第1のコンデンサーレンズの断面図
であり、本発明の第3の実施例を示す。図8の左側に示
されたものが本発明に関するものであり、比較のために
右側には好ましくない干渉効果がある構成が記されてい
る。
【図10】本発明による電子銃の1次近似光学系を示
す。
【符号の説明】 C1 ・・・ 第1コンデンサーレンズ C2 ・・・ 第2コンデンサ−レンズ CB ・・・ バッキングレンズ 10 ・・・ エミッタ又はカソード 14 ・・・ アノード 18 ・・・ 加熱用のヒータ(フィラメント) 20 ・・・ ビームの軌道 50 ・・・ 成形開口板50 60、62 ・・・ アライメントコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 37/153 H01J 37/305 B 37/305 H01L 21/30 541B 541R (72)発明者 シンイチ コジマ アメリカ合衆国.12590 ニューヨーク, ワッピンジャーズ ホール,タウン ビュ ー ドライブ258 (72)発明者 ワーナー スティッケル アメリカ合衆国.06577 シーティ,リッ ジフィールド スカイ トップ ロード51 Fターム(参考) 5C033 DE02 DE07 JJ01 5C034 BB02 BB08 5F056 EA05 EA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線照明システムであって、第
    1のコンデンサーレンズ、加速電極、該加速電極から軸
    上離れた位置に配置された荷電粒子エミッタ、該荷電粒
    子エミッタでの磁場を低減する手段、を有することを特
    徴とする荷電粒子照明システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の照明システムであっ
    て、前記荷電粒子が電子であり、前記加速電極がアノー
    ドであり、前記荷電粒子エミッタがカソードである、こ
    とを特徴とする荷電粒子線照明システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の照明システムであっ
    て、前記第1のコンデンサーレンズが前記荷電粒子エミ
    ッタから発する粒子軌道のクロスオーバーを形成する、
    ことを特徴とする照明システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の照明システムであっ
    て、前記荷電粒子エミッタにおいて磁場を低減するため
    の手段が前記第1コンデンサーレンズと前記エミッタ間
    の距離を十分長くしてクロスオーバでの収差を低減す
    る、ことを特徴とする照明システム。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の照明システムであっ
    て、前記荷電粒子エミッタでの磁場を低減する手段が磁
    気レンズである、ことを特徴とする照明システム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の照明システムであっ
    て、前記荷電粒子エミッタにおいて磁場を低減する磁気
    レンズが前記第1コンデンサーレンズと前記荷電粒子エ
    ミッタの間に配置されている、ことを特徴とする照明シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 請求項2、3、5、6のいずれかに記
    載の照明システムであって、前記加速電極と前記第1コ
    ンデンサーレンズの間に非点収差補正器は配置され、該
    非点収差補正器がクロスオーバがクロスオーバで非点収
    差を補正するように駆動される、ことを特徴とする照明
    システム。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の照明システムであっ
    て、前記非点収差補正器が可変軸非点収差補正器であ
    る、ことを特徴とする照明システム。
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