JP4192289B2 - 端部の補強されたネット状シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用・家庭用資材として有用な、繊維成形体からなるネット状シートに関する。さらに詳しくは、摩擦や接触などに因る端部の破れや解れを防ぐために、端部が補強されたネット状シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来様々な形態の農業用ネットが提案されている。たとえば緯糸や経糸が紡績糸で構成されたネットや、ポリビニルアルコール繊維を編織したネットなどが、農業分野で広く用いられている。しかしながら、このように熱接着されていないネット、或いは接着力が弱いネットでは、張力等の外圧により容易に繊維が周辺へ移動し、目合いが変化してしまうという問題があった。
この問題を解決するために、熱融着性繊維を用いたネットが提案されている。これら熱融着性繊維を用いたネットは、緯糸・経糸が熱接着されているので、張力等の外圧によって目合いの変化が起こりにくいという長所を有する。しかし、特にその端部が補強されていないので、ネットを農業用ハウス等に施工する場合、該ネットと支柱や作業者との接触、施工時の人手による張力、或いは紐などでネットと他のネットを連結したり、ネットを支柱に固定する際に破れや解れが発生し、その破れや解れがさらに周辺へと拡大してしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、端部からの破れや解れのないネット状シートを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成をとる。
(1)2種以上の融点が異なる熱可塑性樹脂からなり、且つ低融点熱可塑性樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成する、繊度80〜3000d/fの熱融着性複合モノフィラメントが2.5〜35本/25mmの密度で編織されたネットの端部に、2種以上の融点の異なる熱可塑性樹脂からなり、且つ低融点熱可塑性樹脂がテープヤーンの少なくとも片方の面を形成する、幅0.5〜10mmの熱融着性複合テープヤーンが該熱融着性複合モノフィラメントと共に編織された補強部が形成され、かつ該熱融着性複合モノフィラメント同士の交点及び該熱融着性複合モノフィラメントと該熱融着性複合テープヤーンの交点何れも熱融着され、且つ該補強部の引っかけ強度が30g以上であるネット状シート。
(2)ネット端部の補強部が、該熱融着性複合モノフィラメントの編織密度が周辺より大に編織された(1)項に記載のネット状シート。
(3)目開きの欠点指数が4以下である(1)または(2)項に記載のネット状シート。
(4)該熱融着性複合モノフィラメント同士、または該熱融着性複合モノフィラメントと熱融着性複合テープヤーンとを編織する編織工程と、該熱融着性複合モノフィラメント同士の交点、または該熱融着性複合モノフィラメントと該熱融着性複合テープヤーンの交点を熱融着する加熱工程が、同時または連続してなされる(1)〜(3)項の何れか1項に記載のネット状シート。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。本発明におけるネット状シートは、熱可塑性樹脂からなる熱融着性複合モノフィラメントで構成されたネット状シートの端部を、熱融着性複合テープヤーンで補強したものである。また、該ネット状シートの端部を熱融着性複合モノフィラメントの編織密度が大になるように編織し、補強したものである。更には、端部が補強され、且つ目開きの欠点の少ないネット状シートを提供することにある。
【0007】
本発明に用いられる熱融着性複合モノフィラメントは、該熱融着性複合モノフィラメント同士の交点や該熱融着性複合モノフィラメントと熱融着性複合テープヤーンの交点が融着可能なフィラメントで、接合点の接着固定効果が大である。熱融着性複合モノフィラメントとは、少なくとも融点差が15℃以上ある低融点樹脂と高融点樹脂とからなり、繊維表面の少なくとも一部に低融点成分が形成された二成分系以上の複合繊維である。複合比は好ましくは重量比で20〜80/80〜20、より好ましくは40〜60/60〜40である。熱融着性複合モノフィラメントの原料となる熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドを例示でき、とりわけ好ましくはポリオレフィンである。熱融着性複合モノフィラメントの組み合わせの例として、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、各種のポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリエチレンテレフタレート、低融点熱可塑性ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート、各種のポリエチレン/ナイロン6、ポリプロピレン/ナイロン6、プロピレンと他のαオレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ナイロン6、ナイロン6/ナイロン66、ナイロン6/熱可塑性ポリエステルなどを挙げることができる。
【0008】
これらの中ではポリオレフィン同士若しくはポリオレフィンとポリエステルからなる組み合わせが好ましく、その具体例としては高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ブテン−1結晶性三元共重合体/ポリプロピレンあるいは高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
更に、これらの中ではポリオレフィン同士、例えば高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ブテン−1結晶性三元共重合体/ポリプロピレン等が耐薬品性の面から特に好ましい。
これらの組み合わせにおいて、該複合成分は融点差が15℃以上あればよい。また該熱融着性複合モノフィラメントは、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、海島型の複合モノフィラメントが使用できる。また用途により、耐光剤、難燃剤、抗菌剤などが添加されていてもよい。
【0009】
本発明に於いて、熱融着性複合モノフィラメントの繊度は80〜3000d/fである。好ましくは120〜2000d/f、更に好ましくは230〜1000d/fである。繊度が80d/f未満であると、シートの強度不足、剛性不足などが発生する。この結果、施工性や形態維持性が悪くなる。また、繊度が3000d/fを超えると、該モノフィラメントの剛性が高すぎるので、該モノフィラメント同士の編織性や該モノフィラメントとテープヤーンとの編織性が悪くなり、目合いが不均一になる。また、シートの剛性が高くなりすぎるために、施工性が悪くなる。更には、重量が大きくなるため、作業性が悪くなる。
【0010】
本発明に於いて、該ネット状シートの熱融着性複合モノフィラメントの編織密度は2.5〜35本/25mmである。好ましくは8〜30本/25mm、更に好ましくは12〜25本/25mmである。編織密度が2.5本/25mm未満であると、やはりシートの強度不足、剛性不足などが発生し、摩擦・接触により端部の破れや解れが発生しやすくなる。また、編織密度が35本/25mmを超えると、ネット状シートの開口部が減少するため、透光量や通気量が著しく低下する場合がある。更には、剛性が高くなりすぎるために、やはり作業性が悪くなる。勿論、本発明のネット状シートは端部の該モノフィラメントの編織密度が他の場所より大に編織されていても良い。
【0011】
ネット状シートの端部を編織密度が大となるように編織する場合、この時の端部の編織密度は、端部以外の編織密度の1.05〜10.0倍、好ましくは1.1〜7.0倍、より好ましくは1.2〜4.0倍である。
又、本発明のネット状シートは、端部に使用された該モノフィラメントが、他の場所に使用されたモノフィラメントの繊度よりも大又は小であるものも用いることができる。
【0012】
本発明に用いられる熱融着性複合テープヤーンは、熱融着性複合モノフィラメントを編織するときに同時に、或いはモノフィラメントを編織した後に、モノフィラメントとモノフィラメントの中間に補強のために編織される。該モノフィラメント該テープヤーンの両方の熱融着により、該モノフィラメントと該テープヤーンの交点が融着可能である。
【0013】
熱融着性複合テープヤーンとは、低融点樹脂と高融点樹脂とからなり、繊維表面の少なくとも一部に低融点成分が形成された二成分系以上の複合テープヤーンである。熱融着性テープヤーンの原料となる熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等が例示できる。熱融着性複合テープヤーンの組み合わせの一例として、隣接する成分の融点差が10℃以上である、熱可塑性樹脂からなる高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン等、さらには低密度ポリエチレン/ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン・ブテン−1結晶性三元共重合体/ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート/低融点熱可塑性ポリエステル等、種々の組み合わせのものを使用することができる。さらに、三成分系以上のテープヤーンでは、そのうちの少なくとも一成分が接着剤からなる層であってもよい。
【0014】
該テープヤーンの幅は0.5〜10mmである。好ましくは0.8〜8mm、より好ましくは1〜6mmである。
幅が0.5mm未満であると、テープヤーンによる補強効果が不充分となり、目ずれや解れが起きることがある。また、編織時に該テープヤーンの切断やよじれなどが起きやすい。
幅が10mmを超えると、補強部の剛性が高くなるため、折り曲げにくくなったり、巻き取りにくくなったりする。さらに、端部に織り皺がついてしまうので、該部位の繰り返し折りの曲げにより、フィラメントやテープヤーンの疲労破壊を招くこともある。
本発明で用いられるテープヤーンの膜厚は特に限定されないが数十μmのものが好ましく使用される。
【0015】
本発明のネット状シートにおいて、補強部の引っかけ強度は30g以上である。なお、引っかけ強度とは、釘などがネット状シートに引っかかり、該ネット状シートに破れの荷重を与える時に発生する、ネット状シートの抵抗強度である。この引っかけ強度が30g未満であると、破れの荷重に対して充分な抵抗力を確保できず、ネット状シートは連鎖的に荷重の集束する方向へと裂けていってしまう。
【0016】
以下に引っかけ強度の測定方法を述べる。
ネット状シートの補強部が短辺となるように、該ネット状シートの端部から5cm×10cmの大きさの試験片を10枚切り取る。
該サンプルの短辺中央、該補強部直下部にφ0.4mmの針金(目合いが0.4mm以下であるときは、測定時の引っ張り力により延伸しない強度を有するφ0.4mm未満の針金)を通し、該補強部が上部となるように、この針金を引張試験機の上チャックに固定する。
次いで該サンプルの他端を引張試験機の下チャックに固定する。
この後、引張速度100mm/minで引っ張った時の破断強度(単位g)を測定する。
引っかけ強度は、サンプル10点の該強度の平均とする。
【0017】
なお、補強部直下部とは、補強が行われている部分の起点地を意味する。すなわち、1本若しくは複数本のテープヤーンのみを補強に用いた場合は、該テープヤーンのうち最も内側のテープヤーン内側側面が起点となる。
また、編織密度を大とし、さらにテープヤーンを挿入して補強を行う場合は、もとの編織密度で形成された部分と編織密度を大として形成された部分との境界部、もしくは、もとの編織密度で形成された部分とテープヤーンとの境界部が起点となる。
なお、補強部直下部に測定用の針金が挿入し難い時は、補強部の引っかけ強度がモノフィラメントの交点剥離強度と比べて十分大きな強度を有するときのみ、該直下部よりも内側方向に隣接するモノフィラメントの内側側面を起点として選択することが出来る。
【0018】
本発明のネット状シートにおいて、目開きの欠点指数は4以下のものが好ましい。
なお、本発明でいう目開きの欠点指数(K)とは、ネットの端部の補強部を除く、ネットの中央部近傍の、目の大きさの均一性を示す尺度である。
本発明において目開きは、次のように判断した。
【0019】
ネット状シートから10cm×10cmの大きさの試験片を50枚(計0.5m2)切り取り、サンプルとした。
このサンプルの各々について、一個の目のサイズ(mm2)が所定のサイズから100%以上大きくはずれたサイズ(mm2)の目の有無を調査し、試験片1枚に目開きが1個でもあった場合、その試験片に目開きがありと判断した。
なおこの目開きの判断には、陰影をはきっりさせる為にローラーで試験片に墨を塗り、ついでコピー機で拡大コピーした投影図を用いて判定した。
50枚の試験片のうち、目開きありと判断された試験片の面積を測定し、元の面積より100%以上面積が増大したものの個数(M)を集計した。
【0020】
以下に、欠点指数の算出方法を述べる。
欠点指数(K)は、以下の式で表される。
K = M /((B−A)/3)1/2
ここで
A:設定の目合いにおける、縦横の目合いの相乗平均である。(単位mm)
B:50枚の試験片のうち、設定の目合いで構成される面積よりも、100%以上面積の増大したものの面積を全て100%増大したとして、その面積の平方根で表わした。(単位mm)
即ちB=(2)1/2Aである。
M:50枚の試験片のうち、設定の目合いで構成される面積よりも、100%以上大きい目合いの面積を有する試験片の数である。
従って、Kは以下の式でも表わすことができる。
K = M /(((2)1/2−1)A/3)1/2
なお、本発明の請求項5では、K≦4を目の均一良と判断し、4より大である場合を目の均一不良と判定した。
【0021】
以下に、欠点指数の計算の例及び目の均一性判断例を記す。
目合いが1.2mmとなるように編織されたネット状シートでは、設定の目合い(A)は1.2mmである。経糸、緯糸ともに同じ編織密度で編織されたとき、1.2mm目合いの面積は1.44mm2となるので、設定の目合いで構成される面積よりも100%大きい面積は2.88mm2となる。よって、この面積の平方根(B)は1.70となる。
このネット状シートから切り出した10cm×10cmの大きさの試験片50枚のうち、目のサイズが2.88mm2を超えるものが1枚あった時、目開きありと判断された試験片の数(M)は1となるので、欠点指数(K)は、前項記載の式より
K=2.45
となり、K≦4であるので目の均一性は良と判断される。
【0022】
なお、目合いに粗密が形成されるように編織されたネット状シートでは、粗部・密部各々独立した目合いとして測定される。この時、50枚のサンプル全てが同じ割合で粗部・密部を有する必要はない。
【0023】
本発明のネット状のシートは、前記熱融着性複合モノフィラメントと、端部に前記熱融着性複合テープヤーンを編織し、編織と同時に又は編織後該編織物を前記熱融着性複合モノフィラメント同士の交点が融着する温度以上に加熱することにより得られる。また、この加熱により熱融着性複合モノフィラメント同士の交点の融着及び、該モノフィラメントと該テープヤーンの交点の融着があるもの等が得られる。また、該モノフィラメントと該テープヤーンの交点及び該テープヤーン同士の交点等が融着したものが得られる。もちろん編織工程と加熱工程を連続して組み込むことも可能である。該ネット状シートの織り構造には、平織り、絡み織り、ラッセル織り等が挙げられるが、編織性の点で平織りが好ましい。
【0024】
熱処理装置は、各種の装置が使用できる。例えば熱風型加熱機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機、高圧蒸気加熱機、超音波型加熱機、熱ロール型加熱機、熱圧着ロール型加熱機等、及びこれらを複数組み合わせた熱処理装置等が挙げられる。とりわけ熱風型加熱機と熱ロール型加熱機を組み合わせた装置、熱風型加熱機と熱圧着ロール型加熱機を組み合わせた装置などを使用すると、引っかけ強度の高いネット状シートが得られる。
【0025】
本ネット状のシートは、不織布や編物、織物等を、該シートの効果を妨げない範囲で積層させることができる。また、防虫性や遮光性を付与させるために、金属箔フィルムや金属蒸着フィルムを編織した形態も可能である。
【0026】
加熱温度は、本発明ネット状シートに使用された熱融着性複合モノフィラメント低融点熱可塑性樹脂の融点以上、高融点熱可塑性樹脂の融点以下の温度とする。
【0027】
【実施例】
以下、実施例で本発明をさらに詳しく説明する。
【0028】
(実施例1)
鞘成分に融点が133℃の高密度ポリエチレン(50重量部)、芯成分に融点が163℃のポリプロピレン(50重量部)を用いた繊度280d/fの熱融着性複合モノフィラメントを、経糸・緯糸共に20本/25mmの密度で編織し、ネット状シートを得た。なお、このネット状シートの端部は、経糸にのみ幅1.0mmの高密度ポリエチレン/ポリプロピレン/高密度ポリエチレン(3/4/3(重量比))からなる三層のフラットテープヤーン( 膜厚40μm)を端部より8本目の目合いの位置に1本、モノフィラメントと密着するように挿入したものであった。
このネット状シートを編織後直ちに熱風型加熱機を用いて146℃で熱処理し、熱融着性複合モノフィラメント同士の交点が融着し、かつ複合モノフィラメントとテープヤーンが融着したネット状シートを得た。
このネット状シートは、引っかけ強度が133gであり、目開きの欠点指数は2.6(M=1)であり、目の均一性が良であった。
このネット状シートは、目開きのない、かつ端部が充分に補強されたシートであった。このネット状シートは、農業用シートとして使用可能なシートであることを確認した。
【0029】
(実施例2)
鞘成分に融点が134℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1結晶性三元共重合体(60重量部)を用い、芯成分に融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(40重量部)を用いた繊度400d/fの熱融着性複合モノフィラメントを、経糸・緯糸共に12本/25mmの密度で編織し、ネット状シートを得た。なお、このネット状シートの端部は、経糸にのみ幅1.5mmのエチレン・プロピレン・ブテン−1結晶性三元共重合体/ポリプロピレン/高密度ポリエチレン(3/4/3(重量部))からなる三層のフラットテープヤーン( 膜厚40μm)を、端部より5本目の目合いの位置に1本編織したものであった。
このネット状シートを編織後直ちに熱風型加熱機を用いて145℃で熱処理し、熱融着性複合モノフィラメント同士の交点が融着し、かつ複合モノフィラメントとテープヤーンが融着したネット状シートを得た。
このネット状シートは、引っかけ強度が218gで、目開きの欠点指数は0(M=0)であり、目の均一性が良であった。
このネット状シートは、目開きのない、かつ端部が充分に補強されたシートであった。このネット状シートは、農業用シートとして使用可能なシートであることを確認した。
【0030】
(実施例3)
鞘成分に融点が135℃の高密度ポリエチレン(60重量部)、芯成分に融点が163℃のポリプロピレン(40重量部)を用いた繊度300d/fの熱融着性複合モノフィラメントを経糸・緯糸共に12本/25mmの密度で編織し、ネット状シートを得た。なお、このネット状シートの端部は、経糸にのみ幅1.2mmの高密度ポリエチレン/ポリプロピレン(5/5(重量比))からなる二層のフラットテープヤーン( 膜厚40μm)を、端部より4本目・6本目・8本目の目合いの位置に1本ずつ計3本編織したものであった。
このネット状シートを編織後直ちに熱風型加熱機を用いて146℃で熱処理し、熱融着性複合モノフィラメント同士の交点が融着し、かつ複合モノフィラメントとテープヤーンが融着したネット状シートを得た。
このネット状シートは、引っかけ強度が996gで、目開きの欠点指数は0(M=0)であり、目の均一性が良であった。
このネット状シートは、目開きのない、かつ端部が充分に補強されたシートであった。このネット状シートは、農業用シートとして使用可能なシートであることを確認した。
【0031】
(実施例4)
鞘成分に融点が133℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1結晶性三元共重合体(40重量部)、芯成分に融点が165℃のポリプロピレン(60重量部)を用いた繊度330d/fの熱融着性複合モノフィラメントを経糸・緯糸共に9本/25mmの密度で編織し、ネット状シートを得た。なお、このネット状シートの端部は、経糸のみ、繊度290d/fの熱融着性複合モノフィラメントを挿入して、端部以外の編織密度の1.78倍となるように、端部より25mmの位置から編織したものであった。
さらに、幅1.3mmの高密度ポリエチレン/ポリプロピレン/高密度ポリエチレン(3/4/3(重量比))からなる三層のフラットテープヤーン( 膜厚40μm)を端部より5本目の目合いの位置に1本、モノフィラメントと密着するように挿入したものであった。
このネット状シートを編織後直ちに熱風型加熱機を用いて146℃で熱処理し、熱融着性複合モノフィラメント同士の交点が融着し、かつ複合モノフィラメントとテープヤーンが融着したネット状シートを得た。
このネット状シートは、引っかけ強度が798gで、目開きの欠点指数は0(M=0)であり、目の均一性が良であった。
このネット状シートは、目開きのない、かつ端部が充分に補強されたシートであった。このネット状シートは、農業用シートとして使用可能なシートであることを確認した。
【0032】
(比較例1)
鞘成分に融点が133℃の高密度ポリエチレン(50重量部)、芯成分に融点が163℃のポリプロピレン(50重量部)を用いた繊度280d/fの熱融着性複合モノフィラメントを、経糸・緯糸共に20本/25mmの密度で編織し、ネット状シートを得た。なお、このネット状シートの端部は、補強されていないものであった。
このネット状シートを編織後一旦ロール状に巻き取り、その後熱風型加熱機を用いて146℃で熱処理し、熱融着性複合モノフィラメント同士の交点が融着したネット状シートを得た。
このネット状シートは、引っかけ強度(この場合、交点の剥離強度と同じ意味である。)が26gで、目開きの欠点指数は13.2(M=5)であり、目の均一性が不良であった。
このネット状シートは、目開きがあり、かつ端部が補強されていないため、容易に接触や摩擦により破けたり解れたりしてしまうものであった。このネット状シートは、農業用シートとして使用不可能なものであった。
【0033】
(比較例2)
繊度360d/150fのポリエステル紡績糸を、経糸・緯糸共に9本/25mmの密度で編織し、ネット状シートを得た。なお、このネット状シートの端部は、補強されていないものであった。
このネット状シートを編織後一旦ロール状に巻き取り、その後測定のため該ネット状シートを広げてサンプリングを行った。
このネット状シートは、引っかけ強度(この場合、紡績糸交点のズレ強度と同じ意味である。)が11gで、目開きの欠点指数は53.5(M=33)であり、目の均一性が不良であった。
このネット状シートは、目開きが多数あり、かつ端部が補強されていないため、容易に接触や摩擦により破けたり解れたりしてしまうものであった。このネット状シートは、農業用シートとして使用不可能なものであった。
【0034】
(比較例3)
鞘成分に融点が133℃の高密度ポリエチレン(50重量部)、芯成分に融点が163℃のポリプロピレン(50重量部)を用いた繊度250d/fの熱融着性複合モノフィラメントを、経糸・緯糸共に1.5本/25mmの密度で編織し、ネット状シートを得た。なお、このネット状シートの端部は、補強されていないものであった。
このネット状シートを編織後直ちに熱風型加熱機を用いて146℃で熱処理し、熱融着性複合モノフィラメント同士の交点が融着したネット状シートを得た。
このネット状シートは、引っかけ強度(この場合、交点の剥離強度と同じ意味である。)が17gで、目開きの欠点指数は7.3(M=11)であり、目の均一性が不良であった。
このネット状シートは、目開きがあり、かつ端部が補強されていないため、容易に接触や摩擦により破けたり解れたりしてしまうものであった。よって、このネット状シートは、農業用シートとして使用不可能なものであった。
【0035】
【発明の効果】
本発明のネット状シートは、接触・摩擦による端部の破れや解れの起こりにくい、目ずれしにくく、かつ目合いの一定したネット状シートであるため土木用資材として、また、他の資材例えば布帛、金属ネット、フィルム、金属箔フィルム、金属蒸着フィルム、建設資材、土木資材、農業資材など、多くの資材と組み合わせて使用することができる。

Claims (4)

  1. 2種以上の融点が異なる熱可塑性樹脂からなり、且つ低融点熱可塑性樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成する、繊度80〜3000d/fの熱融着性複合モノフィラメントが2.5〜35本/25mmの密度で編織されたネットの端部に、2種以上の融点の異なる熱可塑性樹脂からなり、且つ低融点熱可塑性樹脂がテープヤーンの少なくとも片方の面を形成する、幅0.5〜10mmの熱融着性複合テープヤーンが該熱融着性複合モノフィラメントと共に編織された補強部が形成され、かつ該熱融着性複合モノフィラメント同士の交点及び該熱融着性複合モノフィラメントと該熱融着性複合テープヤーンの交点何れも熱融着され、且つ該補強部の引っかけ強度が30g以上であるネット状シート。
  2. ネット端部の補強部が、該熱融着性複合モノフィラメントの編織密度が周辺より大に編織された請求項1に記載のネット状シート。
  3. 目開きの欠点指数が4以下である、請求項1または2に記載のネット状シート。
  4. 該熱融着性複合モノフィラメント同士、または該熱融着性複合モノフィラメントと熱融着性複合テープヤーンとを編織する編織工程と、該熱融着性複合モノフィラメント同士の交点、または該熱融着性複合モノフィラメントと該熱融着性複合テープヤーンの交点を熱融着する加熱工程が、同時または連続してなされる請求項1〜3の何れか1項に記載のネット状シート。
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