JP4191482B2 - コエンザイムq10の製造法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、医薬品等として用いられているコエンザイムQ10の製造に関する。より詳細には、コエンザイムQ10の生合成に関するキー酵素であるコエンザイムQ10側鎖合成酵素、すなわちデカプレニル2燐酸合成酵素をコードする遺伝子をRhodotorula属に属する真菌より単離し、これを宿主微生物に導入することによりコエンザイムQ10を生成させる方法に関する。
背景技術
従来のコエンザイムQ10の製造法は、タバコなどの植物由来のコエンザイムQを単離して、その側鎖長を合成法により調整する等によって工業的には生産されている。
また、コエンザイムQ10は細菌や酵母などの微生物から高等動植物に至るきわめて幅広い生物により生産されることが知られているが、微生物を培養してその菌体より本物質を抽出する方法が最も有効な一つの製造法であると考えられ、実際の工業的な生産にも用いられている。しかしながら、これらの方法では、生成量が少なかったり操作が煩雑であったりする等、その生産性は良好とは言い難い。
また、コエンザイムQ10ではないが、鎖長の異なる類縁体(例えば、コエンザイムQなど)においては、その生合成に関わる遺伝子を単離し、遺伝子組換え技術により当該遺伝子を増幅し生産増強に利用する試みもなされている。
生体内において、コエンザイムQ10は、多くの酵素が関与した多段階の複雑な反応によって生成されている。その生合成経路は、原核生物と真核生物では一部異なっているが、いずれも基本的には大きく3つのステップ、すなわち、コエンザイムQ10のプレニル側鎖のもとになるデカプレニル2燐酸を合成するステップ、キノン環のもとになるパラヒドロキシ安息香酸を合成するステップ、そして、これらの2つの化合物を結合させて置換基を順次変換してコエンザイムQ10を完成させるステップよりなっている。これらの反応の中で、生合成反応全体の律速であると言われ、コエンザイムQ10の側鎖の長さを決定している反応、すなわちデカプレニル2燐酸合成酵素の反応は最も重要な反応であると考えられる。
従って、コエンザイムQ10を効率よく生産させる為には、生合成のキー遺伝子であるデカプレニル2燐酸合成酵素の遺伝子を単離して生産増強に利用することが有効であると考えられ、その遺伝子源としてはコエンザイムQ10を比較的多量に生産している真菌類が有力な候補となる。
これまでに、Schizosacharomyces pombe(特開平9−173076)やGluconobacter suboxydans(特開平10−57072)などいくつかの種類の微生物よりデカプレニル2燐酸合成酵素の遺伝子が分離されているが、本来これらの微生物ではコエンザイムQ10の生産性が十分とはいえず、これらの微生物では効率的な培養や分離精製などは出来ていなかった。そこで、さらにコエンザイムQ10を高生産する微生物由来の本酵素遺伝子を単離することが望まれていた。
発明の要約
本発明は、上記の生産性に関する問題を解決するべく、Rhodotorula属に属する真菌由来のコエンザイムQ10の側鎖合成遺伝子を単離してこれを利用することにより、微生物によってコエンザイムQ10を効率よく生産することを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明者らは、コエンザイムQ10を比較的多量に生産しているRhodotorula属に属する真菌から、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子を単離するための検討を重ね、該遺伝子を単離することに成功した。さらに、該遺伝子の高発現化の検討を重ね、コエンザイムQ10をより多量に発現する遺伝子に改良することに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下の(a)、(b)又は(c)のDNA:
(a)塩基配列が配列番号1に記載のものであるDNA:
(b)配列番号1に示す塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたDNA配列を有し、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA:
(c)配列番号1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
本発明はまた、原核生物での発現が改良されたDNA、即ち、以下の(d)、(e)又は(f)のDNAである:
(d)塩基配列が配列番号3に記載のものであるDNA:
(e)配列番号3に示す塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたDNA配列を有し、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA:
(f)配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
本発明はまた、原核生物での発現が改良されたDNA、即ち、以下の(k)、(l)又は(m)のDNAである:
(k)塩基配列が配列番号5に記載のものであるDNA:
(l)配列番号5に示す塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたDNA配列を有し、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA:
(m)配列番号5に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
本発明はまた、以下の(g)又は(h)のタンパク質である:
(g)アミノ酸配列が配列番号2に記載のものであるタンパク質:
(h)配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたアミノ酸配列からなり、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質。
本発明はまた、以下の(i)又は(j)のタンパク質である:
(i)アミノ酸配列が配列番号4に記載のものであるタンパク質:
(j)配列番号4に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたアミノ酸配列からなり、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質。
本発明はまた、以下の(n)又は(o)のタンパク質である:
(n)アミノ酸配列が配列番号6に記載のものであるタンパク質:
(o)配列番号6に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたアミノ酸配列からなり、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質。
本発明はまた、上記(g)〜(j)のタンパク質をコードするDNAである。
本発明はまた、上記DNAをベクターに組み込んでなる発現ベクターである。
本発明はまた、宿主微生物を上記DNA又は発現ベクターにて形質転換してなる形質転換体である。
本発明はまた、上記(n)又は(o)のタンパク質をコードするDNAである。
本発明はまた、上記DNAをベクターに組み込んでなる発現ベクターである。
本発明はまた、宿主微生物を上記DNA又は発現ベクターにて形質転換してなる形質転換体である。
本発明はさらに、上記形質転換体を培地中で培養し、培養物中にコエンザイムQ10を生成蓄積し、これを採取することからなる、コエンザイムQ10の製造方法でもある。
発明の詳細な開示
以下に本発明を具体的に詳述する。
本発明者らは、コエンザイムQ10を比較的多量に生産しているRhodotorula属に属する真菌から本酵素遺伝子を分離するための検討を重ねたところ、PCR法によって該遺伝子の断片を取得することに成功した。
既知のデカプレニル2燐酸合成酵素、及び本酵素と類縁で鎖長の違うコエンザイムQの長鎖プレニル鎖合成酵素であるポリプレニル2燐酸合成酵素の遺伝子の配列を比較し、その相同性の高い領域についてPCRプライマーを各種合成した。そしてこれらのプライマーを種々組み合わせ、PCRの条件をいろいろ検討したところ、プライマーDPS−1(5’−AAGGATCCTNYTNCAYGAYGAYGT−3’)及びDPS−1 1AS(5’−ARYTGNADRAAYTCNCC−3’)を用い(なお、ここで示した配列中の、RはAまたはG、YはCまたはT、そしてNはG、A、TまたはCを示す。)、PCRを94℃、3分間の熱処理の後、94℃、1分→43℃、2分→72℃、2分のサイクルを40回繰り返すことにより、Rhodotorula属に属する真菌、Rhodotorula minuta IFO 0387の染色体遺伝子から本酵素遺伝子の約220bpの断片が増幅してくることを、その遺伝子の塩基配列を解析することにより明らかにした。
次に本酵素遺伝子の全長を取得するために、Rhoaotorula minuta IFO 0387の染色体遺伝子を制限酵素EcoRIで切断し、ラムダファージベクターに挿入して組換えファージライブラリーを作製した。そのプラークをナイロン膜に転写した後、標識した該PCR断片を用いてプラークハイブリダイゼーションを行うことにより、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子全長を持つクローンを取得することができた。
得られたクローンに含まれるデカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子について塩基配列の決定を行ったところ、配列表の配列番号1に示した配列を持つことが明らかとなり、この配列から予想できるアミノ酸配列(配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列)にはデカプレニル2燐酸合成酵素の遺伝子として特徴的な配列がみられた。
真核生物では、デカプレニル2燐酸合成酵素の遺伝子は、ミトコンドリア内で発現し機能しているため、本遺伝子配列のアミノ酸末端側の配列にはミトコンドリアへ局在性を行わせる配列が存在すると考えられる。従って、この遺伝子を原核生物でより有効に機能させるためには、原核生物で必須でない配列を特定し除く必要があると考えた。該遺伝子配列のアミノ酸末端側の配列について検討を重ねた結果、配列番号3に記載の遺伝子を用いることによりコエンザイムQ10を著量生産する事が可能になった。配列番号3に示したDNA配列から予想されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号4に記載した。さらにアミノ酸末端側の配列について検討を重ねた結果、配列番号5に記載の遺伝子を用いることによりコエンザイムQ10を著量生産する事が可能になった。配列番号5に示したDNA配列から予想されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号6に記載した。
本発明のDNAは、塩基配列が配列番号1又は配列番号3に記載のものであるDNAであってもよいし、配列番号1又は配列番号3に示す塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、追加、挿入及び/又は置換された塩基配列を有し、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAであってもよいし、配列番号1または配列番号3に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。なお、多くのアミノ酸は1種以上のコドンで規定される(遺伝暗号の縮重)ことから、配列番号2又は配列番号4に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAとしては、配列番号1又は配列番号3で示す塩基配列からなるDNA以外にも多数存在する。従って、本発明のDNAには、配列番号2又は配列番号4で示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAも含まれる。
本発明のDNAは、塩基配列が配列番号5に記載のものであるDNAであってもよいし、配列番号5に示す塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、追加、挿入及び/又は置換された塩基配列を有し、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAであってもよいし、配列番号5に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。なお、多くのアミノ酸は1種以上のコドンで規定される(遺伝暗号の縮重)ことから、配列番号6に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAとしては、配列番号5で示す塩基配列からなるDNA以外にも多数存在する。従って、本発明のDNAには、配列番号6で示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAも含まれる。
ここで、「1若しくは数個の塩基が欠失、追加、挿入及び/又は置換された塩基配列」とは、蛋白核酸酵素 増刊 遺伝子増幅PCR法 TAKKAJ 35(17),2951−3178(1990)又はHenry A.Erlich編 加藤郁之進鑑訳 PCRテクノロジー(1990)等に記載の当業者に周知の方法により欠失、追加、挿入及び/又は置換できる程度の数の塩基が欠失、追加、挿入及び/又は置換されてなる塩基配列を意味する。
「配列番号1(又は、配列番号3若しくは配列番号5)に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA」とは、配列番号1(又は、配列番号3若しくは配列番号5)に示す塩基配列からなるDNAをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、又はサザン・ハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAのことをいう。当業者であれば、該ハイブリダイゼーションをMolecular Cloning 2nd Edt.(Cold Spring Harbor Laboratry Press,1989)に記載されている方法に準じて実施して、目的とするDNAを容易に取得できる。
また、「デカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質」とは、配列番号2、配列番号4、又は配列番号6に示すアミノ酸配列からなるタンパク質を用いた場合の10%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上の収率でデカプレニル2燐酸を合成する能力を持つタンパク質のことをいう。このような測定は、FPP(ファルネシル2燐酸)と14C−IPP(放射ラベルしたイソペンテニル2燐酸)を用いて対象酵素と反応させ、生成した14C−DPP(デカプレニル2燐酸)をホスファターゼにより加水分解後、TLCにて分離して、各鎖長のスポットへの取り込みによって確定する(Okada et al.,Eur.J.Biochem.,255,52−59)。
本発明のタンパク質は、アミノ酸配列が配列番号2、配列番号4、又は配列番号6に記載のものであるタンパク質であってもよいし、配列番号2、配列番号4、又は配列番号6に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたアミノ酸配列からなり、かつデカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質であってもよい。
「1若しくは数個のアミノ酸が欠失、追加、挿入及び/又は置換されたアミノ酸配列」は、部分特異的突然変異誘発法など当業者に周知の方法により、アミノ酸を欠失、追加、挿入及び/又は置換することにより取得可能である。具体的には、Nucleic Acid Res.10,6487(1982)、Methods in Enzymology 100,448(1983)等の文献に記載されている。
デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子を発現させるためには、適当なプロモーターの下流に該遺伝子を接続することが必要であるが、例えば遺伝子を含むDNA断片を制限酵素によって切り出したり、PCRによって酵素をコードする遺伝子部分のみを増幅させたりした後、プロモーターを持つベクターに挿入することにより発現ベクターとすることができる。
本発明において、デカプレニル2燐酸合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAを組み込む発現用ベクターとしては特に限定されず、例えば、大腸菌由来のプラスミドに、適当なプロモーターを組み込んだものが挙げられる。大腸菌由来のプラスミドとしては、例えば、pBR322、pBR325、pUC19、pUC119等が挙げられ、プロモーターとしては、例えば、T7プロモーター、trpプロモーター、tacプロモーター、lacプロモーター、λPLプロモーター等が挙げられる。また、本発明においては発現用ベクターとして、pGEX−2T、pGEX−3T、pGEX−3X(以上、ファルマシア社製)、pBluescriptII、pUC19、pUC18(東洋紡社製)、pMALC2、pET−3T、pUCNT(WO94/03613に記載)等を用いることもできる。このうち、pUCNTが好適に用いられ、具体的な例としては、発現用ベクターpUCNTに配列番号1に示す塩基配列からなるDNAを挿入すれば、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子の発現ベクターpNTRm2を作製することができるし、配列番号3に示す塩基配列からなるDNAを挿入すれば、発現ベクターpNTRm6を作製することができる。また、配列番号5に示す塩基配列からなるDNAを発現用ベクターpUC18に挿入すれば、発現ベクターpUCRm3を作製することができる。
そして、該酵素遺伝子の発現ベクターを適当な微生物に導入することによりコエンザイムQ10の生産に利用することが可能となる。宿主微生物としては特に限定されず、Escherichia coliが好適に用いられる。Escherichia coliとしては特に限定されず、XL1−Blue、BL−21、JM109、NM522、DH5α、HB101、DH5、pUC18等が挙げられる。このうちEscherichia coli HB101及びpUC18が好適に用いられ、例えば、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子の発現ベクターpNTRm2、pNTRm6又はpUCRm3を大腸菌に導入した場合には、大腸菌が本来は生産しないコエンザイムQ10を著量生産するように変換できる。pNTRm2を導入した大腸菌はE.coli HB101(pNTRm2)FERM BP−7333として、また、pNTRm6を導入した大腸菌はE.coli HB101(pNTRm6)FERM BP−7332として、また、pUCRm3を導入した大腸菌はE.coli DH5α(pUCRm3)FERM BP−7638として、それぞれ独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)にブタペスト条約に基づき寄託されている。
本遺伝子は単独で用いるほか、他の生合成に関与する遺伝子と同時に微生物に導入して発現させることにより、さらに良い効果が期待できる。
本発明で得られた形質転換体を、常法に従い、培地中で培養し、培養物中からコエンザイムQ10を採取することにより、コエンザイムQ10を製造することができる。宿主微生物がEscherichia coliである場合は、培地として、LB培地や、グルコースやカザミノ酸を含むM9培地を用いることができる。プロモーターを効率よく働かせるために、例えば、イソプロピルチオガラクトシドやインドリル−3−アクリル酸のような薬剤を培地に加えてもよい。培養は例えば、37℃で17〜24時間行い、この際必要により通気や攪拌を行ってもよい。本発明において、得られたコエンザイムQ10は精製を行ってもよく、粗精製物として用いてもよく、用途により適宜選択することができる。得られた培養物からコエンザイムQ10を単離するには公知の分離・精製法を適宜組み合わせることができる。公知の分離・精製法としては、塩析や溶媒沈殿等の溶解度を利用する方法、透析法、限外濾過法、ゲル濾過法、及び、(SDS−)ポリアクリルアミドゲル電気泳動法等の主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー等の荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィー等の特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィー等の疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法等の等電点の差を利用する方法等が挙げられる。
本発明において得られたコエンザイムQ10の用途は特に限定されず、医薬品等に好適に用いることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
Rhodotorula minuta IFO 0387の染色体DNAをC.S.Hoffmanらの方法(Gene、57(1987)267−272)で調製した。既知の長鎖プレニル2燐酸合成酵素の遺伝子との相同性からPCRに用いるプライマーDPS−1(5’−AAGGATCCTNYTNCAYGAYGAYGT−3’)及びDPS−1 1AS(5’−ARYTGNADRAAYTCNCC−3’)を設計した。なお、ここで示した配列中の、RはAまたはG、YはCまたはT、そしてNはG、A、TまたはCを示す。これらを用いてPCRを94℃、3分間の熱処理の後、94℃、1分→43℃、2分→72℃、2分のサイクルを40回繰り返すことにより行い(酵素はTakara製Ex Taqを使用)、1.2%アガロースゲル電気泳動により分析した。
そして得られた約220bpの断片をゲルより切り出してDNA抽出キット(Sephaglas(商標) BrandPrep Kit、アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて精製した後、PCR産物ダイレクトクローニングキット(pT7BlueT−Vector Kit、NOVAGEN社製)を用いて大腸菌発現用ベクターにクローニングし、pT7−RmDPSを得た。DNA塩基配列をDNAシークエンサー(377型、パーキンエルマー社製)を用い、DNAシークエンスキット(パーキンエルマー社製、ABI PRISM(商標) BigDye(商標) Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit With AmptiTaq(登録商標) DNA polymerase、FS)を使用して、その取り扱い説明書に従って反応を行い配列を決定した。その結果、配列表の配列番号1の823から1029までの塩基配列に示す配列が得られた。この翻訳配列に長鎖プレニル鎖を持つプレニル2燐酸合成酵素に特徴的な領域の配列「GDFLLARA」が見出せたことにより、得られた配列はデカプレニル2燐酸合成酵素の遺伝子の一部であることが想定された。
(実施例2)
Rhodotorula minuta IFO 0387のデカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子と思われる220bpのDNA断片を持つpT7−RmDPSベクターDNA0.03μgを用い、PCR用のプライマーRm−1S(5’−GCCATGAGGAGAGCACAAGCG−3’の配列を持つ)及びRm−2AS(5’−CACGGAGGCTACTAGCTCGAC−3’の配列を持つ)を用いてPCR(94℃、3分→(94℃、30秒→55℃、30秒→72℃、1分)×25サイクル繰り返し→72℃、5分→4℃)を行い、1.2%アガロース(宝酒造製)によるゲル電気泳動を行い、約145bpの断片をゲルより切り出してDNA抽出キット(Sephaglas(商標) BrandPrep Kit、アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて精製した。このDNA断片約100ngを用い、ECLダイレクト核酸ラベリングシステム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて化学発光標識した。
(実施例3)
Rhodotorula minuta IFO 0387の染色体DNAを制限酵素EcoRIで切断し、0.8%アガロースゲルを用いた電気泳動を行った。このゲルをアルカリ(0.5M NaOH、1.5M NaCl)で変成させ、中和(0.5M Tris・HCl(pH7.5)、1.5M NaCl)した後、ハイボンドN+フィルター(アマシャム社製)をゲルに重ね、20×SSCを用いて一晩、サザントランスファーさせた。そのフィルターを乾燥し、80℃で2時間焼付けを行った後、ECLダイレクト核酸ラベリング・検出システム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)でサザンハイブリダイゼーションと検出を行った。すなわち、ゴールドハイブリダイゼーション液(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて42℃、1時間プレハイブリダイズした。
化学発光標識したプローブを95℃で5分間加熱後、氷中で急冷し、プレハイブリダイズ処理したフィルターのプレハイブリダイズ液に添加し、42℃で22時間ハイブリダイズさせた。このフィルターを6M尿素、0.4%SDSを含む0.5×SSC溶液を用いて42℃で20分2回洗浄後、2×SSC溶液を用い室温で5分2回洗浄した。このフィルターをエンハンスドケミルネセンス試薬(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に浸した後、X線フィルムに密着させて感光させ、黒く感光したバンドを検出した。その結果、制限酵素EcoRIで切断した約5.5kbpの断片に強くハイブリダイズしていた。
(実施例4)
Rhodotorula minuta IFO 0387の染色体DNAを制限酵素EcoRIで切断し、0.8%アガロースによるゲル電気泳動を行い、約5.5kbp付近のDNA断片をゲルより切り出して精製することにより、クローン化に用いるDNA断片を調製した。このDNA断片をλ−ZAPIIファージキット(ストラテジーン社製)を用いてそのファージのEcoRIサイトに組み込み、インビトロパッケージングキット(アマシャム社製)でパッケージングを行った。そして、大腸菌XL1−Blue MRF’に感染させてNZY平板培地(5g/L NaCl、2g/L MgSO・7HO 5g/L 酵母エキス、10g/L NZアミン、18g/L 寒天、pH7.5)上にNZY軟寒天培地(NZY平板培地の寒天のみ8g/L)とともに重層してプラークとした。これをハイボンドN+フィルター(アマシャム社製)にトランスファーしアルカリ(0.5M NaOH、1.5M NaCl)で変成した後、中和(0.5M Tris・HCl(pH7.5)、1.5M NaCl)、乾燥し、80℃で2時間焼付けを行った。
焼き付け後のフィルター6枚を用い、実施例3と同様にプレハイブリダイゼーション、化学発光標識したプローブを用いたハイブリダイゼーションを行い、このフィルターを洗浄した。このフィルターを乾燥後、X線フィルムに密着させて感光させ、黒く感光したスポットに対応するファージのプラークを分離した。この分離したプラークのファージを上記と同様の方法で大腸菌に感染させてプラークとし、フィルターに写して再びハイブリダイゼーションを行い、確認を行ったところ、7株のファージが選択できた。
このファージの懸濁液をλ−ZAPIIファージキット(ストラテジーン社製)中の大腸菌SOLRにヘルパーファージとともに感染させてインビトロでファージミドを調製した。上記のファージミドは、約5.5kbpの挿入断片を含み、プライマーRm−1S及びRm−2ASを用いPCRを行ったところ、145bpのDNA断片が検出できた。内部プライマーであるRm−1S及びRm−2ASを用い、DNA塩基配列をDNAシークエンサー(377型、パーキンエルマー社製)を用い、DNAシークエンスキット(パーキンエルマー社製、ABI PRISM(商標) BigDye(商標) Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit With AmptiTaq(登録商標) DNA polymerase、FS)を使用して、その取り扱い説明書に従って反応を行い配列を決定した。シーケンスすることにより明らかになった配列を元にプラーマーを作成してその先をシーケンスすることを重ねることにより、Rhodotorula minuta IFO 0387のデカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子の全配列を明らかにすることができた。約1.6kbpのDNAについてその塩基配列を決定したが、その結果を配列表の配列番号1に示す。また、このDNA配列から予測されるアミノ酸配列を配列番号2に示した。
(実施例5)
調製したファージミドDNAよりデカプレニル2燐酸合成酵素をコードする遺伝子部分のみを切り出す為、合成DNAプライマーRM−1(5’−ATCATATGATGCACCGACAAGCT−3’の配列を持つ)及びRm−CE2(5’−AAGAATTCCTACTTTGTTCGGTTGAGCACAG−3’の配列を持つ)を用いて実施例2と同様にPCRを行い、制限酵素NdeI及びEcoRIで切断した後、発現用ベクターpUCNT(WO94/03613に記載)に挿入してデカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子の発現ベクター、pNTRm2を作製した。得られた発現ベクター、pNTRm2の制限酵素地図を図1に示す。なお、DPSとは、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子のコード領域を意味する。
(実施例6)
作製したデカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子の発現ベクターpNTRm2を大腸菌HB101に導入し、10mLのLB培地で37℃、一晩振とう培養し、菌を遠心分離(3000回転、20分間)で集めた。
この菌体を1mLの3%硫酸水溶液に懸濁し、120℃、30分間熱処理後、2mLの14%水酸化ナトリウム水溶液を添加して更に120℃、15分間熱処理した。この処理液に3mLのヘキサン・イソプロパノール(10:2)を添加して抽出し、遠心分離の後、その有機溶媒層1.5mLを分離し、減圧条件で溶媒を蒸発させて乾固した。これを200μLのエタノールに溶解し、その20μLを高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製、LC−10A)により分析した。分離には逆相カラム(YMC−pack ODS−A、250×4.6mm、S−5μm、120A)を用い、エタノール・メタノール(2:1)を移動相の溶媒として使用して分離させ、275nmの波長の吸光度で生成したコエンザイムQ10を検出した。結果を図2に示した。図2に示すように、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子を導入して発現させることによって、組換え大腸菌では、大腸菌が本来生産しないコエンザイムQ10を、生産するようになったことが分かった。
得られた組換え大腸菌株E.coli HB101(pNTRm2)は、ブタペスト条約に基づき独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に平成12年10月19日に寄託した(受託番号FERM BP−7333)。
(実施例7)
原核生物で多量に発現させるべく、配列番号1から真核生物特有のミトコンドリア移行配列を除くため、合成DNAプライマーRm−4(5’−ATCATATGAATATTCGACCCACTCCAACT−3’の配列を持つ)及びRm−CE2(5’−AAGAATTCCTACTTTGTTCGGTTGAGCACAG−3’の配列を持つ)を用いて実施例2と同様にPCRを行い1.3Kbpの断片を増幅させた後、制限酵素NdeI及びNheIで切断して約600bpの断片を調製して、pNTRm2を制限酵素NdeI及びNheIで消化したフラグメントと組み換えてpNTRmSspを作製した。また、合成DNAプライマーRM−1(5’−ATCATATGATGCACCGACAAGCT−3’の配列を持つ)及びRM−6R(5’−ACAATATTGTATTGAGGGCATTCGGGCGACTGC−3’の配列を持つ)を用いて実施例2と同様にPCRを行い、N部分を欠失させた約100bpの断片を増幅させた後、制限酵素NdeI及びSspIで切断した断片を調製して、pNTRmSspを制限酵素NdeI及びSspIで消化したフラグメントと組み換えてpNTRm6を作製した。
(実施例8)
作製したデカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子の発現ベクターpNTRm6を大腸菌HB101に導入し、10mLのLB培地で37℃、一晩振とう培養し、菌を遠心分離(3000回転、20分間)で集めた。
この菌体を1mLの3%硫酸水溶液に懸濁し、120℃、30分間熱処理後、2mLの14%水酸化ナトリウム水溶液を添加して更に120℃、15分間熱処理した。この処理液に3mLのヘキサン・イソプロパノール(10:2)を添加して抽出し、遠心分離の後、その有機溶媒層1.5mLを分離し、減圧条件で溶媒を蒸発させて乾固した。これを200μLのエタノールに溶解し、その20μLを高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製、LC−10A)により分析した。分離には逆相カラム(YMC−pack ODS−A、250×4.6mm、S−5μm、120A)を用い、エタノール・メタノール(2:1)を移動相の溶媒として使用して分離させ、275nmの波長の吸光度で生成したコエンザイムQ10を検出した。結果を図3に示した。図3に示すように、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子を導入して発現させることによって、大腸菌が本来生産しないコエンザイムQ10を、生産するようになり、また、pNTRm2で形質転換した大腸菌に比べてコエンザイムQ10を著量生産するように変換できた。
得られた組換え大腸菌株E.coli HB101(pNTRm6)は、ブタペスト条約に基づき独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に平成12年10月19日に寄託した(受託番号FERM BP−7332)。
(実施例9)
原核生物で多量に発現させるべく、配列番号1から真核生物特有のミトコンドリア移行配列を除くため、合成DNAプライマーRmNEco(5’−ACGAATTCGATGATCTTCGACCCACTCCAACT−3’の配列を持つ)及びRm−CE2(5’−AAGAATTCCTACTTTGTTCGGTTGAGCACAG−3’の配列を持つ)を用いて実施例2と同様にpNTRm2を鋳型としてPCRを行い1.2Kbpの断片を増幅させた後、制限酵素BamHI及びEcoRIで切断し、またpUC18を制限酵素BamHI及びEcoRIで消化したフラグメントと組み換えてpUCRm3を作製した。
(実施例10)
作製したデカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子の発現ベクターpUCRm3を大腸菌DH5αに導入し、10mLのLB培地で37℃、一晩振とう培養し、菌を遠心分離(3000回転、20分間)で集めた。
この菌体を1mLの3%硫酸水溶液に懸濁し、120℃、30分間熱処理後、2mLの14%水酸化ナトリウム水溶液を添加して更に120℃、15分間熱処理した。この処理液に3mLのヘキサン・イソプロパノール(10:2)を添加して抽出し、遠心分離の後、その有機溶媒層1.5mLを分離し、減圧条件で溶媒を蒸発させて乾固した。これを200μLのエタノールに溶解し、その20μLを高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製、LC−10A)により分析した。分離には逆相カラム(YMC−pack ODS−A、250×4.6mm、S−5μm、120A)を用い、エタノール・メタノール(2:1)を移動相の溶媒として使用して分離させ、275nmの波長の吸光度で生成したコエンザイムQ10を検出した。結果を図3に示した。図5に示すように、デカプレニル2燐酸合成酵素遺伝子を導入して発現させることによって、大腸菌が本来生産しないコエンザイムQ10を、生産するようになり、また、pNTRm2及びpNTRm6で形質転換した大腸菌に比べてコエンザイムQ10を著量生産するように変換できた。
得られた組換え大腸菌株E.coli DH5α(pUCRm3)は、ブタペスト条約に基づき独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に平成13年6月22日に寄託した(受託番号FERM BP−7638)。
産業上の利用の可能性
コエンザイムQ10の生合成に関するキー酵素、デカプレニル2燐酸合成酵素をコードする遺伝子をRhodotorula属の真菌より単離し、配列決定を行った。また、これを大腸菌に導入して発現させることに成功した。さらに遺伝子配列を改良することによりコエンザイムQ10の著量生産に成功した。本発明の方法を用いることにより医薬品等として用いられているコエンザイムQ10を効率的に製造することができる。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
図1は、発現ベクターpNTRm2の制限酵素地図である。
図2は、発現ベクターpNTRm6の制限酵素地図である。
図3は、宿主及び形質転換体生産物のHPLC分析チャートである。
図4は、発現ベクターpUCRm3の制限酵素地図である。
図5は、発現ベクターpUCRm3の宿主及び形質転換体生産物のHPLC分析チャートである。

Claims (24)

  1. 基配列が配列番号1に記載のものであるDNA。
  2. 基配列が配列番号3に記載のものであるDNA。
  3. ミノ酸配列が配列番号2に記載のものであるタンパク質。
  4. ミノ酸配列が配列番号4に記載のものであるタンパク質。
  5. 請求の範囲第3項記載のタンパク質をコードするDNA。
  6. 請求の範囲第4項記載のタンパク質をコードするDNA。
  7. 発現用ベクターに請求の範囲第1、2、5又は6項記載のDNAを組み込んでなる発現ベクター。
  8. 宿主微生物を請求項1、2、5又は6記載のDNAにて形質転換してなる形質転換体。
  9. 宿主微生物を請求項7記載の発現ベクターにて形質転換してなる形質転換体。
  10. 宿主微生物は、Escherichia coliである請求項又は記載の形質転換体。
  11. Escherichia coliは、Escherichia coli HB101である請求の範囲第10項記載の形質転換体。
  12. 形質転換体は、E.coli HB101(pNTRm2)(FERM BP−7333)である請求項11記載の形質転換体。
  13. 形質転換体は、E.coli HB101(pNTRm6)(FERM BP−7332)である請求の範囲第11項記載の形質転換体。
  14. 請求項101112又は13記載の形質転換体を培地中で培養し、培養物中にコエンザイムQ10を生成蓄積し、これを採取することを特徴とするコエンザイムQ10の製造方法。
  15. 基配列が配列番号5に記載のものであるDNA。
  16. ミノ酸配列が配列番号6に記載のものであるタンパク質。
  17. 請求項16記載のタンパク質をコードするDNA。
  18. 発現用ベクターに請求項15又は17記載のDNAを組み込んでなる発現ベクター。
  19. 宿主微生物を請求項15又は17記載のDNAにて形質転換してなる形質転換体。
  20. 宿主微生物を請求項18記載の発現ベクターにて形質転換してなる形質転換体。
  21. 宿主微生物は、Escherichia coliである請求項19又は20記載の形質転換体。
  22. Escherichia coliは、Escherichia coli DH5αである請求項21記載の形質転換体。
  23. 形質転換体は、E.coli DH5α(pUCRm3)(FERM BP−7638)である請求項22記載の形質転換体。
  24. 請求項19202122又は23記載の形質転換体を培地中で培養し、培養物中にコエンザイムQ10を生成蓄積し、これを採取することを特徴とするコエンザイムQ10の製造方法。
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