JP4191430B2 - 水圧駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械の駆動装置、船舶用舵取機の駆動装置等に適用され、可変速モータに直結駆動される水圧ポンプからの作動水を水圧シリンダに作用させて該水圧シリンダにより負荷を駆動するように構成された水圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5には、特開平10−96251号に開示されている建設機械の油圧駆動装置の油圧制御システムのブロック図が示されている。図において、101は、エンジン102に直結駆動される油圧ポンプ、103はアクチュエータ、104は該アクチュエータに接続される方向制御弁で、前記油圧ポンプ101から送出された作動油は前記方向制御弁104によって前記アクチュエータ103に給排制御されるようになっている。105は前記方向制御弁103を遠隔操作するためのリモコン装置である。
【0003】
8は斜板、107は該斜板8の斜板角(傾斜角)を制御する斜板角調整装置である。108は、エンジン102のエンジン回転数を検出する回転検出器、109はコントローラで、該コントローラ109において前記エンジン回転数の検出値に基づき斜板角の制御信号を前記斜板角調整装置107に入力する。
また、111は前記油圧ポンプ101の吐出圧力を検出して前記斜板角調整装置107に入力する圧力検出器で、前記斜板角調整装置107は前記斜板8の斜板角を、エンジン回転数に対応した斜板角に、前記吐出圧力にて補正して調整するようになっている。
【0004】
図6は前記斜板式油圧ポンプ101のピストンと斜板との連結部近傍のポンプ回転軸心線に沿う上半分の断面図である。図において、1は、エンジン102に連結されて回転駆動されるポンプ軸、01は該ポンプ軸の回転軸心、2はケーシング、3はベースプレートである。5は前記ポンプ軸1にスプライン18を介して嵌合され該ポンプ軸1と同期して回転駆動されるシリンダブロックである。
該シリンダブロック5には円周方向等間隔に複数のシリンダ6が穿孔されている。7は前記各シリンダ6に往復摺動可能に嵌合されたピストンである。8は前記ベースプレート3に取り付けられた斜板で、斜板角調整装置107(図5参照)によりその斜板角を変化可能に構成されている。
【0005】
前記各ピストン7の根元部にはスリッパ15が球面軸受015の形態で球面に沿って摺動可能に取り付けられ、各スリッパ15は前記斜板8にローラ14aを会して円周方向移動可能に支持されているスラストプレート14に摺動面23にて摺接するようになっている。17は前記各スリッパ15を支持する環状のリテーナリングである。
また11は前記各シリンダ6の給排油孔011(図4参照)側に配置されて前記エンドプレート4に固着されたバルブプレートである。
【0006】
かかる油圧ポンプ102の作動時において、エンジン102により前記ポンプ軸1が回転駆動されると、シリンダブロック5が回転する。該シリンダブロック5の回転により、シリンダ6に往復動可能に嵌合されているピストン7の頭部に連結されたスリッパ15が斜板8の傾斜面を構成するスラストプレート14との摺動面17を摺動し、これにより該ピストン7がシリンダブロック5とともに回転しながらシリンダ6内を往復動して、前記バルブプレート11の吸入孔から吸入したオイルを加圧して該バルブプレート11の吐出孔に送出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図5〜6に示されるような、斜板式油圧ポンプ101を備えた油圧駆動装置においては、シリンダブロック5の回転により、シリンダ6内にて往復動摺動するピストン7の頭部に球面軸受015を介して連結されたスリッパ15が斜板8に固定されたスラストプレート14との間の摺動面23を、該ピストン7からの大きな反力を周期的に受けながら摺動するようになっており、スリッパ15とスラストプレート14との間の摺動面23には、オイルを圧送するピストン7からの大きな反力が周期的に作用している。
【0008】
このため、かかる従来技術にあっては、スリッパ15とスラストプレート14との間の摺動面23に前記のような大きなピストン反力が作用している状態で、前記斜板角調整装置107によって斜板8の傾斜角(斜板角)を変化せしめるようになっているため、前記ピストン反力に抗して斜板角調整装置107によって斜板8を操作しなければならず、該斜板角調整装置107に大きな操作力を必要とするとともに、該斜板角調整装置107の操作抵抗が大きいため斜板角制御の応答性が良好でない。
【0009】
また、前記油圧ポンプ101を、水を作動流体とする水圧ポンプとして用い、前記アクチュエータ103を水圧シリンダとして作動させる場合においては、水の粘度がオイルに比べて小さいため、ピストンによって区画形成される水圧シリンダ内の油室間の流体(水)の漏れが増加する傾向にあり、かかる漏れ量が多くなると水圧シリンダとして機能しなくなるおそれがある。
【0010】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、水圧ポンプからの作動水により駆動される水圧シリンダを備えた水圧駆動装置において、水圧ポンプ及び水圧シリンダの制御を小さい制御操作力で以って行うとともに制御応答性を向上し、さらには前記水圧シリンダ内における水圧漏れを常時監視して水圧シリンダの作動性能を高く維持することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、可変速モータに直結駆動される水圧ポンプから送出される作動水を水圧シリンダに導き、該作動水を水圧シリンダに作用させて該水圧シリンダにより負荷を駆動するように構成された水圧駆動装置において、
前記水圧ポンプは予め設定された斜板角で以って固定された固定斜板式水圧ポンプによって構成され、前記水圧シリンダはシリンダ内に往復動可能に嵌合されたピストンにより2つの水室に区画された複動型シリンダからなり、前記固定斜板式水圧ポンプからの作動水が方向制御弁の切換によって前記水圧シリンダの2つの水室に給排されて該水圧シリンダのピストンが往復動駆動され、前記2つの水室間の差圧を検出するシリンダ差圧検出器と、前記水圧シリンダの前記負荷駆動端のピストン変位を検出するピストンストローク検出器とを備え、さらに、前記ピストンストローク検出器からのピストン変位の検出値に基づき算出された検出ピストン速度が目標ピストン速度になるように、且つ前記シリンダ差圧検出器からの差圧検出値が基準差圧以上になるように前記可変速モータの回転速度を制御するモータ制御装置を備え、さらに、該モータ制御装置には負荷に対する前記水圧シリンダによる所要駆動出力である目標出力が設定された目標出力設定部を有し、該目標出力設定部に設定された目標出力に対応する水圧シリンダの目標ピストン速度と前記ピストン変位の検出値に基づき算出された検出ピストン速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、該速度偏差算出手段からの速度偏差に対応する前記水圧ポンプの吐出量補正値を算出する吐出量補正値算出手段と、該吐出量補正値算出手段からの吐出量補正値と前記差圧検出値が基準差圧以上になるように補正する補正値との重畳した補正値に基づき前記可変速モータの回転速度を算出するモータ回転速度算出部とを備えてなることを特徴とする水圧駆動装置を提案する。
【0012】
請求項2記載の発明は前記モータ制御装置の具体的構成に係り、請求項1において、前記モータ制御装置は、前記シリンダ差圧検出器からの差圧検出値と予め設定された基準差圧との偏差に基づき前記可変速モータ回転速度の補正値を算出して前記モータ回転速度算出部に入力する差圧補正値算出手段を備えてなることを特徴とする。
【0013】
かかる発明によれば、水圧シリンダの負荷駆動端のピストン変位を検出してモータ制御装置に入力し、該モータ制御装置において水圧シリンダの目標出力に対応する目標ピストン速度と前記検出ピストン変位に基づく検出ピストン速度との速度偏差及び該速度偏差に基づく水圧ポンプの吐出量補正値を算出し、該吐出量補正値に基づき該水圧ポンプの吐出量が水圧シリンダの目標ピストン速度に対応する吐出量になるように前記可変速モータの回転速度を制御することができるので、水圧シリンダの負荷駆動端のピストン変位を検出値に基づき可変速モータの回転速度を制御することにより、水圧ポンプの吐出量制御及び水圧シリンダの出力制御を高精度で行うことができる。
【0014】
従ってかかる発明によれば、可変速モータの回転速度を制御することにより水圧ポンプの吐出量を制御するので、従来技術のような斜板角調整装置のポンプ吐出量制御装置を大きな操作力で制御するのが不要となって、小さな操作力で以って水圧ポンプの吐出量を制御することができ、制御の応答性が向上する。
さらに、該モータ制御装置には負荷に対する前記水圧シリンダによる所要駆動出力である目標出力が設定された目標出力設定部を有し、該目標出力設定部に設定された目標出力に対応する水圧シリンダの目標ピストン速度と前記ピストン変位の検出値に基づき算出された検出ピストン速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、該速度偏差算出手段からの速度偏差に対応する前記水圧ポンプの吐出量補正値を算出する吐出量補正値算出手段と、該吐出量補正値算出手段からの吐出量補正値と前記差圧検出値が基準差圧以上にな るように補正する補正値との重畳した補正値に基づき前記可変速モータの回転速度を算出するモータ回転速度算出部とを備えてなるので、可変速モータは、水圧ポンプの吐出量が前記水圧シリンダの目標ピストン速度に対応する吐出量になるような、かつ水圧シリンダの2つの水室間の差圧が前記基準差圧以上を保持するような、回転速度で以って運転される。
【0015】
請求項2記載の発明は請求項1に加えて、前記モータ制御装置は、前記シリンダ差圧検出器からの差圧検出値と予め設定された基準差圧との偏差に基づき前記可変速モータ回転速度の補正値を算出して前記モータ回転速度算出部に入力する差圧補正値算出手段を備えてなる。
【0016】
かかる発明によれば、シリンダ差圧検出器により水圧シリンダの2つの水室間の差圧を検出しモータ制御装置にて前記差圧が基準値を保持するように可変速モータ回転速度の制御信号を補正して可変速モータ回転速度を制御するので、該水圧シリンダ内の水室間の流体(水)の漏れ量を前記水室間の差圧が差圧基準値以下にならないように抑制することができ、水圧シリンダ内における水圧漏れを常時監視して水圧シリンダの作動性能を常時高く維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0018】
図1は本発明の実施例に係る水圧駆動装置の全体構成図、図2は制御ブロック図である。図3は前記実施例における水圧ポンプの構造を示すポンプ軸心線に沿う断面図である。
【0019】
本発明の実施例に係る水圧駆動装置の全体構成を示す図1において、32は可変速モータ、31は該可変速モータ32に直結駆動される水圧ポンプ、33は水圧シリンダ、34は該水圧シリンダ33の出力軸44に連結されて該水圧シリンダ33により駆動される負荷である。
前記水圧シリンダ33は、複動型シリンダでシリンダ33a内に往復動可能に嵌合されたピストン41により2つの水室42、43に区画されている。38及び39は前記水圧ポンプ31側の吐出通路と前記水圧シリンダ33の水室42、43とを接続する作動水管である。
【0020】
36は後述する機能を備えたモータ制御装置、35は前記水圧シリンダ33の負荷34駆動端のピストン変位を検出するピストンストローク検出器、37は前記水圧シリンダ33の2つの水室42、43間の差圧を検出するシリンダ差圧検出器で、該ピストンストローク検出器35からのピストン変位の検出信号及びシリンダ差圧検出器からの水室42、43間の差圧の検出値は前記モータ制御装置36に入力される。
【0021】
前記水圧ポンプ31は、この実施例では図3に示される固定斜板式水圧ポンプを用いており、次のように構成されている。
図3において、1は前記可変速モータ2の出力軸に連結されて回転駆動されるポンプ軸、2はケーシング、3及び4は該ケーシング2の前後両端部に固着されたベースプレートおよびエンドプレートである。5は前記ポンプ軸1にスプライン18を介して嵌合され該ポンプ軸1と同期して回転駆動されるシリンダブロックである。
該シリンダブロック5には円周方向等間隔に複数(この例では6個)のシリンダ6が穿孔されている。7は前記各シリンダ6に往復摺動可能に嵌合されたピストンである。尚、前記シリンダ6内にブッシュ(図示省略)を圧挿し、該ブッシュ内にピストン7を往復摺動可能に嵌合してもよい。
8は前記ベースプレート3にブラケット8aを介して固定された斜板で、予め設定された斜板角で以って固定されている。
前記各ピストン7の根元部にはスリッパ15が球面軸受015の形態で球面に沿って摺動可能に取り付けられ、各スリッパ15は前記斜板8にローラ14aを会して円周方向移動可能に支持されているスラストプレート14に摺動面23にて摺接するようになっている。17は前記各スリッパ15を支持する環状のリテーナリングである。
【0022】
11は前記各シリンダ6の給排孔011側に配置されて前記エンドプレート4に固着されたバルブプレートである。図4に示すように、該バルブプレート11にはポンプの回転軸心20の両側に対向して繭形の吸入孔09及び吐出孔010が穿設されている。また前記エンドプレート4には吸入通路9及び吐出通路10が形成され、該吸入通路9は前記バルブプレート11の吸入孔09に連通され吐出通路10は前記吐出孔010に連通されている。
12および13は前記ポンプ軸1を軸支するベースプレート側の軸受及びエンドプレート側の軸受である。16はオイルシール、19はポンプ室である。
【0023】
かかる固定斜板式水圧ポンプの動作について説明すると、図3〜4に示すように、前記可変速モータ2(図1参照)により前記ポンプ軸1が回転駆動されると、シリンダブロック5が回転する。該シリンダブロック5の回転により、シリンダ6に往復動可能に嵌合されているピストン7の頭部に球面軸受015を介して連結されたスリッパ15が、後述するように、斜板8に固定されたスラストプレート14上を摺動し、これにより該ピストン7がシリンダブロック5とともに回転しながらシリンダ6内を往復動する。
【0024】
そして、前記ピストン7が図3において左動する吸入行程になるとき該ピストン7の給排孔011がバルブプレート11の吸入孔09に連通されて吸入通路9から作動水が吸入される。一方、該ピストン7が図3において右動する吐出行程になるときには、該ピストン7の給排孔011がバルブプレート11の吐出孔010に連通され、該ピストン7によりシリンダ6内の作動水が吐出通路10に送出される。
該吐出通路10を経た作動水は方向制御弁(図示省略)の切換えによって前記水圧シリンダ33の2つの水室42、43に給排されて該水圧シリンダ33のピストン41を往復駆動する。
【0025】
次に、図2により、かかる構成からなる水圧駆動装置の制御動作を説明する。
ピストンストローク検出器35によって検出された水圧シリンダ33の負荷34駆動端のピストン変位はモータ制御装置36のピストン速度算出部61に入力され、ここで微分動作がなされてピストン速度が算出され、ピストン速度偏差算出部63に入力される。
64は水圧シリンダ目標出力設定部で、該水圧シリンダ33による前記負荷34の所要駆動出力即ち水圧シリンダ33の目標出力が設定されている。62は目標ピストン速度設定部で、前記水圧シリンダ目標出力設定部64に設定された前記目標出力に対応する水圧シリンダ33の目標ピストン速度が設定され、前記ピストン速度偏差算出部63に入力される。
【0026】
ピストン速度偏差算出部63においては、前記目標ピストン速度設定部62からの目標ピストン速度と前記ピストン速度算出部61からの検出ピストン速度との速度偏差を算出してポンプ吐出補正量算出部65に入力する。
該ポンプ吐出補正量算出部65においては、該ピストン速度偏差算出部63からの目標ピストン速度と検出ピストン速度との速度偏差に対応する水圧ポンプ31の吐出量補正値を算出してモータ回転数算出部66に入力する。
【0027】
一方、前記シリンダ差圧検出器37にて検出された水圧シリンダ33の2つの水室42、43間の差圧検出値は前記モータ制御装置36の差圧偏差算出部69に入力される。68は基準差圧設定部で、前記水圧シリンダ33の2つの水室42、43間の水圧漏れによる差圧低下の許容値つまり前記水圧漏れを考慮した許容最小差圧(基準差圧)が設定されている。該基準差圧は前記差圧偏差算出部69に入力される。
前記差圧偏差算出部69においては、前記シリンダ差圧検出器37からの差圧検出値と前記基準差圧設定部68に予め設定された基準差圧(許容最小差圧)との偏差即ち差圧偏差を算出し、モータ回転数補正量算出部70に入力する。
【0028】
モータ回転数補正量算出部70においては、前記差圧偏差の算出値に基づき前記可変速モータ32の回転速度の補正値を算出して前記モータ回転速度算出部66に入力する。即ち、該モータ回転数補正量算出部70においては、前記ピストン41によって区画された前記2つの水室42、43間の差圧検出値が前記基準差圧よりも小さくなったときには、前記2つの水室42、43間における作動水の漏れが許容値よりも多くなったものと判断して可変速モータ32の回転速度を増大する補正値を算出して前記モータ回転数算出部66に入力する。
【0029】
前記モータ回転数算出部66においては、前記ポンプ吐出補正量算出部65から入力された水圧ポンプ31の吐出量補正値に基づき、該吐出量補正値に対応する可変速モータ32の回転速度の補正値を算出する。
さらに該モータ回転数算出部66においては、かかる可変速モータの回転速度の補正値に、前記モータ回転数補正量算出部70からの前記差圧偏差を用いた可変速モータ32回転速度の補正値を重畳した可変速モータ32の回転速度の補正値を算出し、可変速モータ32に出力する。
【0030】
これにより、該可変速モータ32は、前記水圧ポンプ31の吐出量が前記水圧シリンダ33の目標ピストン速度に対応する吐出量になるような、かつ水圧シリンダ33の2つの水室42、43間の差圧が前記基準差圧以上を保持するような、回転速度で以って運転される。
【0031】
従ってかかる実施例によれば、水圧シリンダ33の負荷34駆動端のピストン変位を検出してモータ制御装置36に入力し、該モータ制御装置36において、水圧シリンダ33の目標出力に対応する目標ピストン速度とピストンストローク検出器35にて検出されたピストン変位に基づく検出ピストン速度との速度偏差及び該速度偏差に基づく水圧ポンプ31の吐出量補正値を算出し、該吐出量補正値に基づき該水圧ポンプ31の吐出量が水圧シリンダ33の目標ピストン速度に対応する吐出量になるように前記可変速モータ32の回転速度を制御することができるので、水圧シリンダ33の負荷34駆動端におけるピストン変位の検出値に基づき可変速モータ32の回転速度を制御することにより、水圧ポンプ31の吐出量制御及び水圧シリンダ33の出力制御を高精度で行うことができる。
【0032】
また、可変速モータ32の回転速度を制御することにより水圧ポンプ31の吐出量を制御するので、従来技術のような斜板角調整装置のポンプ吐出量制御装置を大きな操作力で制御するのが不要となって、小さな操作力で以って水圧ポンプ31の吐出量を制御することができ、制御の応答性が向上する。
【0033】
さらに、かかる実施例によれば、シリンダ差圧検出器37により水圧シリンダ33の2つの水室42、43間の差圧を検出し、モータ制御装置36にて前記差圧が基準差圧値を保持するように可変速モータ32回転速度の制御信号を補正して可変速モータ32の回転速度を制御するので、該水圧シリンダ33内の水室間における作動水の漏れ量を前記水室間の差圧が前記差圧基準値以下にならないように抑制することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上記載の如く請求項1の発明によれば、水圧シリンダの負荷駆動端のピストン変位の検出値に基づき、水圧シリンダの目標出力に対応する目標ピストン速度と前記検出ピストン変位に基づく検出ピストン速度との速度偏差及び該速度偏差に基づく水圧ポンプの吐出量補正値を算出し、該吐出量補正値に基づき該水圧ポンプの吐出量が水圧シリンダの目標ピストン速度に対応する吐出量になるように前記可変速モータの回転速度を制御することができるので、水圧シリンダの負荷駆動端のピストン変位の検出値に基づき可変速モータの回転速度を制御することにより、水圧ポンプの吐出量制御及び水圧シリンダの出力制御を高精度で行うことができる。
【0035】
従って本発明によれば、可変速モータの回転速度を制御することにより水圧ポンプの吐出量を制御するので、従来技術のような斜板角調整装置のポンプ吐出量制御装置を大きな操作力で制御するのが不要となって、小さな操作力で以って水圧ポンプの吐出量を制御することができ、制御の応答性が向上する。
【0036】
請求項2記載の発明は請求項1に加えて、前記モータ制御装置は、前記シリンダ差圧検出器からの差圧検出値と予め設定された基準差圧との偏差に基づき前記可変速モータ回転速度の補正値を算出して前記モータ回転速度算出部に入力する差圧補正値算出手段を備えてなる。
【0037】
また請求項2のように構成すれば、シリンダ差圧検出器により水圧シリンダの2つの水室間の差圧を検出しモータ制御装置にて前記差圧が基準値を保持するように可変速モータ回転速度の制御信号を補正して可変速モータ回転速度を制御するので、該水圧シリンダ内の水室間の流体(水)の漏れ量を前記水室間の差圧が差圧基準値以下にならないように抑制することができ、水圧シリンダ内における水圧漏れを常時監視して水圧シリンダの作動性能を常時高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る水圧駆動装置の全体構成図である。
【図2】 前記実施例における制御ブロック図である。
【図3】 前記実施例における水圧ポンプの構造を示すポンプ軸心線に沿う断面図である。
【図4】 図3のB―B矢視図である。
【図5】 従来技術に係る建設機械の油圧駆動装置の油圧制御システムのブロックである。
【図6】 従来技術を示す油圧ポンプの要部断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプ軸
5 シリンダブロック
6 シリンダ
7 ピストン
8 斜板
14 スラストプレート
15 スリッパ
015 球面軸受
31 水圧ポンプ
32 可変速モータ
33 水圧シリンダ
34 負荷
35 ピストンストローク検出器
37 シリンダ差圧検出器
41 ピストン
42 水室
43 水室
36 モータ制御装置
Claims (2)
- 可変速モータに直結駆動される水圧ポンプから送出される作動水を水圧シリンダに導き、該作動水を水圧シリンダに作用させて該水圧シリンダにより負荷を駆動するように構成された水圧駆動装置において、
前記水圧ポンプは予め設定された斜板角で以って固定された固定斜板式水圧ポンプによって構成され、前記水圧シリンダはシリンダ内に往復動可能に嵌合されたピストンにより2つの水室に区画された複動型シリンダからなり、前記固定斜板式水圧ポンプからの作動水が方向制御弁の切換によって前記水圧シリンダの2つの水室に給排されて該水圧シリンダのピストンが往復動駆動され、前記2つの水室間の差圧を検出するシリンダ差圧検出器と、前記水圧シリンダの前記負荷駆動端のピストン変位を検出するピストンストローク検出器とを備え、さらに、前記ピストンストローク検出器からのピストン変位の検出値に基づき算出された検出ピストン速度が目標ピストン速度になるように、且つ前記シリンダ差圧検出器からの差圧検出値が基準差圧以上になるように前記可変速モータの回転速度を制御するモータ制御装置を備え、さらに、該モータ制御装置には負荷に対する前記水圧シリンダによる所要駆動出力である目標出力が設定された目標出力設定部を有し、該目標出力設定部に設定された目標出力に対応する水圧シリンダの目標ピストン速度と前記ピストン変位の検出値に基づき算出された検出ピストン速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、該速度偏差算出手段からの速度偏差に対応する前記水圧ポンプの吐出量補正値を算出する吐出量補正値算出手段と、該吐出量補正値算出手段からの吐出量補正値と前記差圧検出値が基準差圧以上になるように補正する補正値との重畳した補正値に基づき前記可変速モータの回転速度を算出するモータ回転速度算出部とを備えてなることを特徴とする水圧駆動装置。 - 前記モータ制御装置は、前記シリンダ差圧検出器からの差圧検出値と予め設定された基準差圧との偏差に基づき前記可変速モータ回転速度の補正値を算出して前記モータ回転速度算出部に入力する差圧補正値算出手段を備えてなることを特徴とする請求項1記載の水圧駆動装置。
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