JP4191165B2 - 車両用シート構造 - Google Patents
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この対策として、車体フロアに後脚部を設ける代わりに、シートクッションの後部に後脚部を設けることで、シートを起立させたときに、車体フロアを平坦にすることが考えられる。
連結手段を後脚部内に設けた場合、連結手段と車体フロアとの連結を解除する操作ケーブルを後脚部内から外部に延ばす必要がある。
後脚部内から外部に延ばした操作ケーブルで連結手段を操作するためである。
後脚部内から操作ケーブルを外部に延ばした場合、後脚部の上端部に開口部を形成して、この開口部から操作ケーブルを外部に延ばすことが考えられる。
このため、車室内の空間に後脚部が突出した状態になり、車室内の空間を有効に活用することが難しく、使い勝手の観点から改良の余地が残されている。
使い勝手を高めるために、シートを起立させたときに、後脚部をシートクッション側に倒して、後脚部が車室内の空間に突出しないようにして、車室内の空間を良好に確保することが考えられる。
このため、シートを起立させたときに、上端部の開口部や、開口部から外部に延ばした操作ケーブルが乗員の目に晒されてしまい、外観性の観点から好ましくない。
このように、シートを起立させたとき、後脚部を邪魔にならないように支持台内に収納することで、車室内の空間を良好に確保することができる。
このように、支持台の後部を足載せ部として利用することで、後側シートの乗員は足載せ部に足を載せてリラックスすることができる。
また、請求項4は、前記スライドレールを収納する収納溝を、前記後脚部を収納する前記収納開口部に対しシートの幅方向にずらして設けたことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、足載せ部に足を載せてリラックスすることで、使い勝手の向上をより一層図ることができるという利点がある。
請求項4に係る発明では、スライドレールを収納する収納溝を、後脚部を収納する収納開口部に対しシートの幅方向にずらして設けた。
車両用シート構造10は、支持台12の前部12aに左右の前脚部(前脚部)13,14を備えるとともに、支持台12の後部12bに左右の後脚部(後脚部)15,16を備え、左右の前脚部13,14および左右の後脚部15,16を介して支持台12を車体フロア18の上方に設け、支持台12にシート20を備えたものである。
右スライドレール23は、車体前後方向に向けて配置され、右移動体32(図5参照)を長手方向に支える部材である。
左右の移動体31,32はシート20に取り付けられている。
左前脚部13の下端部を車体フロア18に固定することで、左前脚部13を車体フロア18から立設する。
右前脚部14の下端部を車体フロア18に固定することで、右前脚部14を車体フロア18から立設する。
同様に、右後脚部16の上端部16aは、下カバー26の右収納開口部(収納開口部)42から下カバー26内に収納されている。
右収納開口部42は、下カバー26の下面26aのうち、右側後部に、左収納開口部41と平行に、車体前後方向に向けて縦長に形成された開口である。
左右側の開口部41,42を設けた理由については図9〜図10で詳しく説明する。
右後脚部16に右連結ロッド51の後端部51aが回動自在にボルト止めされ、右前脚部14に右連結ロッド51の前端部51bが回動自在にボルト止めされている。
これにより、右前脚部14および右後脚部16を右連結ロッド51で連結する。
ここで、前記左連結手段は、右連結手段45と左右対称の連結手段であり、右連結手段45の説明で左連結手段の説明を兼ねるものとする。
これにより、左前脚部13および左後脚部15を左連結ロッド48で連結する。
右カバーフラップ55は、右フラップばね54(図9参照)のばね力で右後脚部16の後側上部16cに当接する部材である。
ここで、前記左フラップばねは、右フラップばね54と左右対称の部材であり、右フラップばね54の説明で左フラップばねの説明を兼ねるものとする。
右スライドレール23の前端部に右取付ブラケット36を取り付け、この右取付ブラケット36を右支持軸37を介して右前脚部14に回動自在に連結する。
右支持軸37に右起立ばね67を取り付ける。右起立ばね67の一端部67aを右前脚部14の取付孔68に係止するとともに、右起立用ばね67の他端部67bを右取付ブラケット36の取付孔(図示せず)に係止する。
右起立用ばね67は、シートクッション61を右支持軸37を軸にしてシートクッション61を起立させる方向に矢印の如くスイング移動するように付勢する部材である。
ここで、前記左起立用ばねは、右起立用ばね67と左右対称の部材であり、右起立用ばね67の説明で左起立用ばねの説明を兼ねるものとする。
左前脚部13および左後脚部15を左連結ロッド48で連結するとともに、右前脚部14および右後脚部16を右連結ロッド51で連結する。
さらに、下カバー26に左右側の開口部41,42を形成することで、シート20を起立させた状態(図示の状態)において、左後脚部15を左収納開口部41に収納し、右後脚部16を右収納開口部42に収納する。
なお、シート20を起立させる例は図11〜図12において詳しく説明する。
左スライドレール22の収納溝71内に左移動体31の車輪72を収納し、右スライドレール23の収納溝73内に右移動体32の車輪74を収納する。
左移動体31の上端部31aおよび右移動体32の上端部32aをシートクッション61の底部61aに取り付ける。右移動体32にはロック解除レバー75が設けられている。
これにより、シートクッション61(すなわち、シート20)が左右のスライドレール22,23に沿って車体前後方向に移動する。
ロック解除レバー75から操作力を解除すると、前記ロックばねのばね力でロック片77がロック溝76に係止してシート20を所望位置に保持する。
さらに、下カバー26に上部カバー27を被せることで、支持台12の後部12bを平坦面にすることができる。
これにより、シート20の後側のシートに着座した乗員は、支持台12の後部12bに足を載せることができる。
シートクッション61の後部61bに支持ブラケット83を設け、支持ブラケット83にピボット軸81を介してシートバック63をスイング可能に取り付ける。
操作ストラップ91は、シートクッション61の後部61bから車体後方に延びている。よって、シート20の後側のシート(図示せず)に着座した乗員は、操作ストラップ91を容易に操作することができる。
ピン93は爪部85に設けられている。
操作レバー87の移動で案内孔87aが移動し、案内孔87aでピン93を移動する。ピン93が移動することで、爪部85が支持軸84を軸にして矢印の如くスイング移動して爪部85がラチェット部82から離れる。
ピボット軸81には、シートバック63をシートクッション61側に重ね合わせるように付勢する渦巻ばね95(図7、図8参照)が取り付けられている。
案内孔87aでピン93を移動することで、爪部85がラチェット部82に係止する。
これにより、シートバック63の角度を調整した状態、あるいはシートバック63をシートクッション61に重ね合わせた状態に保持する。
これにより、操作ノブ89を持ち上げたときと同様に、爪部85をラチェット部82から離すことができる。
これにより、操作ノブ89から操作力を解除したときと同様に、爪部85がラチェット部82に係止する。
すなわち、操作ストラップ91を操作することで、操作ノブ89と同様の操作をおこなうことができる。
さらに、操作ストラップ91の構成も、図6に例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
右連結手段45は、右後脚部16の下端部16bに下向きの差込溝97を形成し、差込溝97の近傍にラッチ98を配置し、ラッチ98をラッチピン99を介して下端部16bに回動自在に取り付け、ラッチピン99にストライカ解放ばね101を取り付ける。
これにより、係止溝98aに右ストライカ47を係合させる位置にラッチ98を保持し、右後脚部16の下端部16bを右ストライカ47に連結した状態に保つ。
これにより、ラチェットレバー107はラチェットピン103を軸にしてラチェット102と一体に回動する。
ストライカ解放ばね101のばね力で、ラッチ98がラッチピン99を軸にして時計回り方向、すなわち、右ストライカ47を係止溝98aから解放する方向に回動するように付勢される。
リンクレバー109の他端部109bに操作ケーブル112を介して第1リンク114を連結し、第1リンク114をリンクピン115を介してブラケット116に回動自在に取り付ける。
ブラケット116は、シートクッション61に取り付けられている。
インナーケーブル119の一端部119aをリンクレバー109の他端部109bに連結ピン123を介して連結し、インナーケーブル119の他端部119bを第1リンク114に連結ピン124を介して連結する。
第1リンク114のガイド孔126に第2リンク125のガイドピン127をスライド自在に配置し、第2リンク125に支えピン128を介してカラー129を回転自在に取り付ける。
第1リンク114とブラケット116とにリンクばね131を架け渡すことにより、第1リンク114を図示の位置(ロック位置)に保持する。
シートバックレバー132の嵌込孔133に、フック134の折曲片134aを差し込み、フック134をシートバック63にボルト止めする。
これにより、シートバック63がピボット軸81を軸にしてスイング移動した際に、シートバックレバー132がピボット軸81を軸にしてシートバック63と一体に回転する。
シートバックレバー132の先端部132aがカラー129に当接してカラー129を押圧する。第2リンク125がリンクピン115を軸にして反時計回り方向に回動しようとする。
ガイドピン127がガイド孔126の周縁端部を押圧する。第1リンク114がリンクばね131の付勢力に抗してリンクピン115を軸にして反時計回り方向に回動する。
リンクレバー109の回転で、ラチェット102がラチェットピン103を軸にして反時計回り方向に回転する。ラチェット102の回転で、ラチェット102の係止爪102aが係止溝98aから外れる。
ラチェット102の係止爪102aが係止溝98aから外れることで、ラッチ98が、ストライカ解放ばね101のばね力でラッチピン99を軸にして時計回り方向、すなわち、右ストライカ47(図7参照)を係止溝98aから解放する方向に回転する。
これにより、右ストライカ47から右係止溝98aを外して、右後脚部16の下端部16bを右ストライカ47から外す。
すなわち、シートクッション61が着座位置に戻る手前で、係止溝98aが右ストライカ47に嵌合する。
これにより、右後脚部16の下端部16bを右ストライカ47に連結して、シートクッション61を着座位置に保持する。
操作ケーブル112を途中で二股に分岐することで、インナーケーブル119を第1リンク114で引き上げた際に、左右の連結手段45(左連結手段は図示せず)を同時に操作することが可能である。
右後脚部16は、上端部16aにカラー136を設け、カラー136を後部パイプ24に嵌め込むことで、後部パイプ24に回動自在に取り付けたものである。
後部パイプ24は左右のスライドレール22,23(図5参照)に固定されている。
よって、右後脚部16の上端部16aは、支持台12に回動自在に設けられている。
この右後脚部16は、上端部16aに開口部138が設けられている。この開口部138から右後脚部16内の操作ケーブル112を外部に延ばす。
側片部55c,55cの取付孔に支持ピン58を差し込むことにより、側片部55c,55cから支持ピン58の両端部を突出させる。
突出させた両端部を、突片43aの貫通孔に差し込むことにより、右カバーフラップ55の上端部55aを支持ピン58を介して回動自在に取り付ける。
フラップ本体55bの幅寸法は、右後脚部16の幅寸法より大きく形成されている。
この右フラップばね54のばね力で、右カバーフラップ55を支持ピン58を軸にして矢印の如く車体前方側に付勢する。これにより、右カバーフラップ55が右後脚部16の後側上部16cに当接する。
これにより、右カバーフラップ55で右後脚部16の後側上部16cを好適に覆うことができる。
シート20を起立させた状態(図4参照)において、右後脚部16を後部パイプ24を軸にしてシートクッション61の前方向にスイング移動することで、右後脚部16を右収納開口部42に収納する。
このように、右後脚部16がシートクッション61の前方向に向けてスイング移動することで、右後脚部16の上端部16aに形成した開口部138が右収納開口部42側に移動する。
よって、開口部138から外部に延ばした操作ケーブル112が右収納開口部42に臨む。
そして、支持ピン58に右フラップばね54(図9参照)を取り付け、右フラップばね54のばね力で右カバーフラップ55を、シートクッション61の前方向に向けてスイング移動するように付勢させた。
このとき、右カバーフラップ55がストッパ片44(図9参照)に当接して、右カバーフラップ55を右収納開口部42に保持する。
すなわち、操作ケーブル112を覆う右カバーフラップ55を右収納開口部42の後部42aにスイング自在に設けた。
このように、開口部138および操作ケーブル112を右カバーフラップ55で覆うことで、外観性の向上を図ることができる。
図11(a),(b)は本発明に係る車両用シート構造のシートバックをシートクッションに重ね合わせる例を説明する図である。
(a)において、操作ノブ89を矢印Aの如く持ち上げることにより、図6に示す爪部85をラチェット部82から離す。
シートバック63が、図7に示す渦巻ばね95のばね力でピボット軸81を軸にして矢印Bの如くスイング移動する。
操作ノブ89から操作力を解除して、操作レバー87をレバーばね92(図6参照)のばね力で矢印Cの如く操作前の状態に復帰させる。
図6に示す爪部85がラチェット部82に係止してシートバック63をシートクッション61に重ね合わせた状態に保持する。
これにより、右後脚部16の下端部16bと右ストライカ47との係止状態を解除する。同様に、左後脚部15の下端部15bと左ストライカ46との係止状態を解除する。
(a)において、左前脚部13および左後脚部15が左連結ロッド48で連結され、右前脚部14および右後脚部16が右連結ロッド51で連結されている。
よって、シートクッション61を矢印Dの如くスイング移動することで、左右の後脚部15,16が後部パイプ24を軸にしてシートクッション61の前方側に矢印Eの如くスイング移動する。
この状態において、右後脚部16を右収納開口部42に収納し、右収納開口部42の後部42a側を右カバーフラップ55で塞ぐ。これにより、右カバーフラップ55で、図9に示す開口部138および操作ケーブル112を覆う。
操作ストラップ91はシートクッション61の後部61bから車体後方に延びている。よって、シート20の後側に後側シート145(図14(b)参照)を設け、この後側シート145に着座した乗員146は、操作ストラップ91を容易に操作することができる。
図13(a),(b)は本発明に係る車両用シート構造のシートを起立状態から着座状態に戻す例を説明する図である。
(a)において、シートクッション61を左右の支持ピン35,37を軸にして、シートバック63と一体的に矢印Fの如くスイング移動する。
シートバック63を、図8に示す渦巻ばね95のばね力に抗してピボット軸81を軸に矢印Hの如く車体後方にスイング移動する。
図6に示す爪部85がラチェット部82に係止してシートバック63を所定位置に保持する。これにより、シート20を起立状態から着座状態に戻すことができる。
(a)において、ロック解除レバー75を操作して、図5に示すロック溝76からロック片77を外す。
シートクッション61(すなわち、シート20)を左右のスライドレール22,23(図14(b)参照)に沿って矢印Iの如く車体前方向に移動する。
ロック解除レバー75から操作力を解除して、ロック片77をロック溝76に係止させてシート20を車体前方向に移動した所望位置に保持する。
これにより、シート20の後側シート145に着座した乗員146は、支持台12の後部12bに足147,147を載せることができる。
このように、支持台12の後部12bを足載せ部として利用することで、乗員146は足載せ部12bに足147,147を載せてリラックスすることができる。
すなわち、左右のカバーフラップ53,55は、主に、シートクッション61を起立させた際に、開口部138や、開口部138から外部に延びた操作ケーブル112を覆うように形成されていればよい。
すなわち、ロック解除レバー75は、シート20のロックを解除し、シート20を左右のスライドレール22,23に沿って移動可能に切り替えることができればよい。
Claims (4)
- シートクッションを支える前後の脚部のうち、後脚部を車体フロアに対して着脱自在に連結する連結手段を後脚部内に設け、この連結手段を操作する操作ケーブルを後脚部内から外部に延ばし、操作ケーブルで連結手段を操作して車体フロアに対する後脚部の連結を解除し、前脚部とシートクッションとの支持軸を軸にしてシートクッションを起立させる車両用シート構造において、
前記シートクッションの下部に、シートクッションを支える支持台を備え、
この支持台の下面に収納開口部を形成し、
この収納開口部を通して前記後脚部の上端部を支持台内に配置するとともに、この上端部を支持台に回動自在に設け、
この上端部を回動して後脚部をシートクッションの前側に向けてスイング移動した際に、後脚部を収納開口部から支持台内に収納可能とし、
前記支持台は、後部に平坦面を有する上部カバーを設けたことを特徴とする車両用シート構造。 - 前記支持台は、前記収納開口部を有する下カバーを設け、該下カバーに前記上部カバーを被せて設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用シート構造。
- 前記支持台は、前記シートクッションを前後方向にスライド可能とするスライドレールを設け、前記支持台の上部に前記スライドレールを収納する収納溝を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用シート構造。
- 前記スライドレールを収納する収納溝を、前記後脚部を収納する前記収納開口部に対しシートの幅方向にずらして設けたことを特徴とする請求項3記載の車両用シート構造。
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