JP4191038B2 - 炭酸カルシウム富化産業副産物から細かく分割された炭酸カルシウムを生成するためのプロセス - Google Patents
炭酸カルシウム富化産業副産物から細かく分割された炭酸カルシウムを生成するためのプロセス Download PDFInfo
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Description
(技術分野)
本発明は、産業プロセス(特に、肥料産業におけるニトロリン酸塩プラント)において生成された炭酸カルシウム富化副産物を精製し、その炭酸カルシウム富化副産物を細かく分割された炭酸カルシウムに変換するためのプロセスに関する。
【0002】
この精製は、湿潤炭酸カルシウム富化副産物(ニトロリン酸塩プラントから得られ得るような)を特定の温度で熱処理し、水分、揮発性物質を除去し、かつアンモニウムおよび硝酸塩の形態で存在する不純物を分解または昇華し(炭酸カルシウムを分解しないように特別に注意を払いながら)、そして脂肪酸またはその塩のエマルジョンまたは溶液を使用することによってその細かく分割された炭酸カルシウムをコーティングすることによる。
【0003】
炭酸カルシウムは、紙、ゴム、プラスチック、ガラス、織物、パテ、チョーク、シーラント、接着剤、塗料、インク、ワニス、食品、化粧品、歯磨剤、化学品および薬品の製造における用途を見出す。
【0004】
本発明のプロセスに従って生成された炭酸カルシウムは、特に、ゴム、塗料、プラスチックおよびPVCにおける充填剤としての使用に適切である。
【0005】
(背景技術)
いくつかの物理的プロセスおよび化学的プロセスは、廃棄炭酸カルシウムから不純物を除去することが示唆されている。物理的プロセスは、不純物が、篩がけ、分類、磁気分離、液体サイクロン分離または浮上分離法によって除去され得るような微細さまで乾燥および粉砕することを必要とする。不純物を除去するこれらの物理的方法に関連する欠点は、特別な機械/デバイスならびにそれらの維持を必要とすることである。さらに、これらのプロセスは、複雑であり、実施が困難である。予測されないプロセス効率、除去される不純物の量の結果の変動、および不純物を除去するためのこのような物理的技術の使用に関連する費用が、他の欠点である。
【0006】
乾燥および粉砕した炭酸カルシウムを化学物質(例えば、ハロゲン、酸素含有ハロゲン酸またはその塩、オゾン、過酸化水素など)で浸出または漂白すること(英国特許第1285891号(1972)に記載されるような)は、精製のための化学プロセスである。化学プロセスの欠点は、それが、特別な化学物質、処理を行うための操作単位数を必要とし、単一の化学物質の使用は、不純物を全て除去するために適切ではないかもしれないことである。その使用後に残存する過剰の化学物質の除去および分離は、別の欠点である。
【0007】
別の以前に公知でかつ広く使用される、炭酸カルシウムを含有する廃棄物(石灰スラッジとして一般的に公知)を処理するための方法は、再焼成であり、この方法は、乾燥を促進すること、窯炉内の焼成のために十分な時間をかけること、およびこの窯炉の直後に取り付けられた材料冷却器で冷却された後の焼成された石灰を取り除くことからなる。この焼成された石灰は、この窯炉での処理の間に1000〜1200℃の温度に達する。多くの技術的改善が、窯炉設計においてなされてきた。この改善は、乾燥クラッシャー(例えば、ハンマーミル型)を組み込むことであり、この乾燥クラッシャーは、窯炉およびサイクロン分離器の前に取り付けられる。L.LenadoおよびRamon Aguillonに対する欧州特許第0041113号(1982)で記載されるように、他の状況においても公知のこのようなプラントは、新しい機械(この機械の保全に高温に耐え得る特殊綱を使用する必要がある)の組み込み;高い粉塵損失;サイクロン分離器の必要性;および600〜700℃で粘着性である、窯炉からの粉塵に起因する、ダクト中のケーキング、のような多くの欠点を伴う。この得られた生成物は、酸化カルシウムであり、工業的に有用な炭酸カルシウムを生成するためには、酸化カルシウムはさらに水和および炭酸化される必要があり、あるいは慣行のように、紙パルプを製造する際の苛性化プロセスにおいてリサイクルされる。
【0008】
Mattelmaki,Eskoiへの米国特許第5110567号(1992)を参照し得る。この特許において、乾燥クラッシャーの代わりに、空気式乾燥デバイスが用いられており、このデバイスは、排気ガスの最終温度を低下させる。しかし、このプロセスは、処理される材料が、自由に流れず、そしてその乾燥粘着性の傾向に起因して、ロータリー窯の予熱ゾーンにおけるリング(ring)の形成をしばしば生じるという点で主要な欠点を有する。さらに、このプロセスの限界は、酸化カルシウムを生成して、炭酸カルシウムを生成しないことである。Mehaffey Joseph L.およびNewman Thomas C.への米国特許第4892649号(1990)は、炭酸カルシウム鉱石から、逆浮上分離法を使用して、シリケート不純物を除去することにより、その鉱石を精製するためのプロセスを開示する。このプロセスは、新規な収集器を使用することにより、炭酸カルシウム生成物の高い収量および低い酸不溶物含量を達成する。この収集器は、4級アンモニウム化合物のような有機窒素化合物を含む。浮上分離ユニットが、連続的に操作されることを必要とすることは不利である。分離された不純物の廃棄および未使用の4級化合物の除去は、汚染という問題になる。
【0009】
Theil Jorgenへの米国特許第5711802号は、紙パルプの製造の間の苛性プロセスにより形成される石灰スラッジの処理のための方法およびプラントを開示する。石灰スラッジは、乾燥され、粉砕され、次いで400〜600℃の範囲の所定の温度で窯炉中で予熱されて、乾燥した微粉の炭酸カルシウムを得る。このように、得られた乾燥した材料は、任意の型の適切な窯炉でさらにか焼/焼成されて、クイック(quick)石灰を生じる。このクイック石灰は、次いで、苛性化プロセスで再使用され得る。この発明に付随する欠点は、石灰スラッジが乾燥されそして粉砕されて、か焼の前に予熱されることである。得られた生成物は、酸化カルシウムであり、従って、ゴム、塗料、プラスチックおよびPVCにおいて使用されることができない。
【0010】
Drummand Donald K.に対する米国特許第5690897号(1997)は、鉄含量を低下させることによる炭酸カルシウムの精製のための方法を記載する。この方法は、20〜100℃の温度範囲にスラリーを維持しながら、炭酸カルシウム水性スラリーへの鉄キレート剤の添加、CO2含有ガスを使用することによりpHを低減させることを包含する。このスラリーは、攪拌され、濾過され、洗浄され、そして乾燥される。この発明の欠点は、鉄不純物の除去に制限されることである。さらに、連続的にCO2ガスを通気して、そしてpHを一定の値に維持し、同時に温度を維持することは、実施が困難であり、そしてまた経済的でない。
【0011】
Price Charles R.らへの米国特許第4793985号(1998)は、超微細粉砕炭酸カルシウムを製造するためのプロセスを開示し、このプロセスにおいて、乾燥フィード石灰石は、15〜60重量%固体のスラリーへとスラリー化され、そして有機ポリアクリレート(DISPEXN40)およびその他の高分子分散剤を用いて分散される。この分散されたスラリーは、アトリションミルに供給され、ここでは50〜70%が2ミクロンになるまで粉砕されたビードである。この粉砕された炭酸カルシウムは、遠心分離で、2ミクロン未満の粒子を70〜99%有する製品ストリームと、より大きな粒子の下流ストリームとに分類される。この製品は、オゾンで処理され、このオゾンは、製品の明度を増加させるだけでなく、スラリーを非分散状態に戻すように作用する。次いで、この炭酸カルシウムスラリーは、脱水されて、より固体の多いスラリーを調製するためまたはスプレー乾燥のために適切な58〜60%の固体の製品を生成する。付随する欠点は、希少な気体であるオゾンが、単に明度を改善するために利用されることである。オゾンの使用はまた、製品コストを増加する。
【0012】
米国特許第5846500号(1998)においてBunger James W.らは、水酸化カルシウムの精製のためのプロセスを開示した。このプロセスは、水酸化カルシウムの溶解のために高度に希薄な溶液を使用し、次いで、特に水和炭化石灰から不純物を除去するための沈降および濾過を行い、次いでこの溶液は、高価な炭酸カルシウムのためのフィードストックとして使用される。沈殿した炭酸カルシウムは、ピストン流れ反応器システムで、CO2と精製した水酸化カルシウム溶液との反応により形成される。この発明の欠点は、水酸化カルシウムの非常に低い水中の溶解度に起因して、全ての水酸化カルシウムを溶解させるためにかなりの希釈をを必要とすることである。さらに、大容積の水酸化物溶液を沈降および濾過する工程は、困難になり、そして沈降タンクおよび濾過ユニットが必要となり、プロセスを経済的に非効率的にすることである。
【0013】
副生成物の多い工業的な炭酸カルシウムから、炭酸カルシウムを生成するための新しいプロセスの開発に対する必要性が存在することが、上記の事実から明らかである。
【0014】
(発明の目的)
本発明に記載される研究は、炭酸カルシウムの豊富な副生成物を、工業的に有用な付加価値のある製品へと変換するように、肥料またはその他の産業のニトロホスフェートプラントにおいて生成される、炭酸カルシウムの豊富な副生成物を精製しようとする目的で行われた。
【0015】
本発明の主要な目的は、工業的プロセスにおいて精製された炭酸カルシウムの豊富な副生成物の精製のためのプロセスを提供することであり、このプロセスは、上記のような欠点を防止する。
【0016】
本発明の別の目的は、商業適用に有用な細分された炭酸カルシウムを生成するための、石灰石にかわる代替の供給源を開発することである。本発明のなお別の目的は、固体廃棄物により生じる汚染を最小限にし、環境の質を向上させるために、ニトロホスフェート肥料プラントにおいて生成されるような20〜150ミクロンの微細な粒径を有する炭酸カルシウムが豊富な副生成物の精製のための連続的なプロセスを提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、ニトロホスフェート肥料プラントにおいて生成される炭酸カルシウムが豊富な副生成物の精製のための熱処理方法を提供することである。
【0018】
本発明のさらに別の目的は、ニトロホスフェート肥料プラントにおいて生成される炭酸カルシウムが豊富な副生成物を有利に利用することにより、塗料、プラスチック、ゴムおよびPVC中のフィラーとして有用な精製されかつコーティングされた、細分された炭酸カルシウムを生成することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、ニトロホスフェート肥料プラントおよび炭酸カルシウムが豊富な副生成物を処理するユニットにおいて汚染を排除する方法を提供することである。
【0020】
本発明のこれらの目的は、以下の詳細な説明においてさらに提供される場合に明らかとなる。
【0021】
(発明の要旨)
本発明において記載される熱処理は、ニトロホスフェート肥料プラントにおいて生成される炭酸カルシウムが豊富な副生成物を高度に精製して、精製された炭酸カルシウムを得る。25%までの水分含量を有する炭酸カルシウム豊富な副生成物が、最終生成物の品質に不利に影響することなく、システムを通って適切な速度で供給され得ることは、さらに注目されるべきである。冷却器排出物質は、粉砕されて、末端適用に必要な粒度を得ることができることは、さらに注目されるべきである。本明細書中で適用される、粉砕/微粉砕された材料をコーティングするプロセスは、ゴム、塗料、プラスチックおよびPVCに適切な材料を作製する手段を提供する。
【0022】
さらに、本発明のプロセスは、間接的加熱の使用によりダスチングを避けることにより、および遊離したアンモニウムおよび窒素化合物を水中で洗浄することにより、空気汚染を防ぐ。さらに、このプロセスは、製品の白さ/明度を顕著に増加させる。
【0023】
(発明の詳細な説明)
従って、本発明は、産業プロセスにおいて(詳細には、高価な細かく分割されたカルシウムカーボネートを生産するためのニトロリン酸肥料プラントにおいて)生成される、副生成物であるカルシウムカーボネートの精製のためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下を包含する:
最大25%までの湿気を含有し、かつ20〜150ミクロンの範囲の粒子サイズを有する、湿潤炭酸カルシウム富化副生成物を、予熱し、そして250℃〜400℃の範囲で、間接加熱することにより所望の温度に維持された回転式乾燥器(Rotary Dryer)に、10〜40RPMの速度で回転されるスクリューフィーダーの補助によって、5〜20kg/時間の供給速度で連続的に供給して、25%までの湿気、7〜8%の揮発性物質を除去し、かつ0.1〜0.3%の範囲で不純物として(アンモニア性窒素として)存在するアンモニウム化合物を分解または昇華すること;傾きの角度を1.0〜1.4°変化させ、かつ乾燥器の回転速度を1〜4RPM変動させ、それによって、物質の放出速度を2.5〜20kg/h変動させることにより、滞留時間を20〜30変動させること;遊離の水蒸気、揮発性物質、およびアンモニアガスを乾燥機から吹き払うこと;このプラントの周辺におけるアンモニアの粉塵化および遊離を回避するように、排出ガスを水タンク中で洗浄すること;得られた物質を、乾燥器から、ベローおよびフィードホッパーを備えたコネクタ/ブリーチャを介して、予熱して、そして約550℃超〜約650℃未満に間接加熱することにより、所望の温度で維持された、回転式ドラム加熱器(Rotary Drum Heater)に充填して、(硝酸窒素として)0.05〜0.1%の範囲の硝酸不純物を分解または昇華すること;傾きの角度を1.0〜1.4°変化させ、かつ回転速度を1〜4RPM変動させることによって、この物質を回転ドラム加熱器中に、30〜90分の滞留時間の間、残留させること;放出されたガスをドラム加熱器から取り出し、そして水タンク中でこれを洗浄し、周囲の粉塵化およびNOx汚染を防ぐこと;ドラム加熱器放出物質を、回転式ドラム加熱器の放出速度と同調化させた排出速度(すなわち、2〜15kg/h)で、周囲温度にて、精製された物質を得るように、水循環ジャケット付スクリューコンベヤ型の物質冷却器を通過させること;(引き続いて、1〜20ミクロンの範囲の微粒サイズへと、ピン/アトリションミルにおける粉砕に供する);40〜50重量%の固体スラリーを得るように、細かく分割された炭酸カルシウムをスラリータンク中に分散させること;このスラリーを攪拌しながら85〜95℃に加熱し、その後、最終生成物中に3〜4%総脂肪物質を得るのに十分な量で、16〜20個の炭素原子の炭素鎖長を有する脂肪酸誘導体またはその塩の、熱い(70〜90℃)エマルジョンまたは溶液を添加すること;この混合物を50℃未満に冷却し、その後、水溶性成分を、公知の様式でこの混合物から除去し、そして生成物を単離し、乾燥し、そして粉砕して、細かく分割されたコーティングされた炭酸カルシウムを得ること。
【0024】
本発明の1つの実施形態では、最大25重量%までの湿気含有量を有する炭酸カルシウム富化副生成物を、開始/供給材料として用い得る。これは、ニトロリン酸肥料プラントから直接出されるか、または土壌に長期間の間蓄積される、湿潤炭酸カルシウム富化副生成物を使用するという特別な利点を提供する。従って、本発明により提供されるプロセスは、ニトロリン酸肥料プラントに関係があり、そして連続的になされる。
【0025】
本発明の別の実施形態では、ニトロリン酸肥料プラントの炭酸カルシウム富化副生成物は、5〜20kg/時間の範囲で連続的に供給され、ゴム、プラスチック、塗料、およびPVCの中のフィラーとして用いられ得るレベルまで、加熱処理により精製され得る。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態では、この生成物の明るさ/白さは、炭酸カルシウム富化副生成物の加熱処理および微細粉砕よって、顕著に改善される(約85%の炭酸カルシウム富化副生成物から96%を超える炭酸カルシウム富化副生成物)。
【0027】
本発明のなお別の実施形態では、産業プロセスにおいて(詳細には、ニトロリン酸肥料プラントにおいて)、生成される炭酸カルシウム富化副生成物を精製するための、環境に優しくかつ連続的なプロセスが、直接加熱を伴う単一のシェルの中に乾燥領域、か焼領域、および冷却領域を有する、回転窯を使用する代わりに、特別に設計されたユニットを使用することにより提供される。この回転窯は、細かく粉末化された材料が、この回転窯を通過する場合に、広範囲な塵の発生を引き起こす。このユニットでは、積重ねて配置された、乾燥器−加熱器−冷却器(図1を参照のこと)が、粉塵化を避け、汚染対策のための水の中で放出されたガスを取除くことおよびこのガスを洗浄することに備えて、間接的に加熱され使用される。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態では、炭酸カルシウム富化副生成物中に存在する25%までの湿気、7〜8%の範囲の揮発性物質、および0.1〜0.3%の範囲で変動するアンモニウム化合物(アンモニア性窒素)は、250〜400℃の範囲の温度で回転乾燥器中で取り除かれる。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態では、炭酸カルシウム富化副生成物中に存在する0.05〜0.1%の範囲の硝酸不純物(硝酸窒素として)は、550℃超〜650℃未満の温度で回転ドラム加熱器中で取り除かれる。
【0030】
本発明のさらに別の実施形態では、回転乾燥器および回転ドラム加熱器からの物質放出速度は、傾きの角度を1.0〜1.4°変化させ、かつ回転速度を1〜4RPM変動させることにより、それぞれ、2.5〜20kg/時間および2〜15kg/時間に調整され得る。
【0031】
本発明のさらに別の実施形態では、脂肪酸誘導体またはその塩の、熱いエマルジョンおよび溶液を用いて、精製され、そして細かく分割された炭酸カルシウムのコーティングが、3〜4%の全脂質物質(これは、生成物を、ゴム、塗料、プラスチック、およびPVCに適合させる)を有する生成物を得るために行われる。
【0032】
本発明のさらに別の実施形態では、炭酸カルシウム富化副生成物の純度は、熱処理を介して不純物を取り除くことによって、88〜90%から97〜98%に改善された。
【0033】
産業プロセスにおいて(詳細には、ニトロリン酸肥料プラントにおいて)生成される炭酸カルシウム富化副生成物は、88〜90%の炭酸カルシウム、総窒素(0.2〜0.4%)、アンモニア性窒素(0.1〜0.3%)、硝酸窒素(0.05〜0.1%)、ホスフェート(P2O5)(1.0〜1.5%)、フルオライド(F−)(0.20〜0.25%)、混合酸化物(アルミニウム、鉄、ホスフェート、およびHClに不溶性の物質)(3.50〜4.00%)、揮発性物質(7〜8%)、強熱減量(43〜45%)、可溶性アルカリ(Na2O)(0.10〜0.15)、および酸不溶性物質(1.0〜1.2%)を含むものである。さらに、5%の水性懸濁液のpHは、9〜9.3であり、タップかさ密度は1.30〜1.35g/mlであり、明るさ/白さは、85%であり、そして粒子サイズは、20〜150ミクロンの範囲である。
【0034】
先行技術で公知の方法により、炭酸カルシウムが豊富な副生成物を精製する試みがなされた。ふるい分け、浮上分離法、沈降および液体サイクロンのような物理的分離方法を、従来の技術を使用して行った。乾燥した炭酸カルシウムの豊富な副生成物のふるい分析を行い、そして不純物について分析した。−350メッシュのフラクションは、最少の不純物を含んでいたが、出発炭酸カルシウムのうち50%が除去されていた。沈降および液体サイクロン技術は、粗い粒径(20〜150ミクロン)および高い密度(2.3〜2.7g/ml)に起因して、有利に使用されることができなかった。パイン油を含む、炭酸カルシウムが豊富な副生成物の10%重量/重量のスラリーを泡立て剤として、ならびにカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および非イオン性基界面活性剤を使用する、起泡分離法もまた試みられたが不純物は有意に除かれなかった。熱水または冷水で副生成物を洗浄することもまた、アンモニウムおよび硝酸不純物を所望のレベルまで除去するためには有用ではないことが見出された。これらの方法の各々において得られた結果は、炭酸カルシウムの豊富な副生成物中に存在する不純物が、炭酸カルシウムの結晶の一体化した部分であり、そして従来の原料(石灰石)の通常の場合のように、物理的に混合されているのではないことを示した。
【0035】
従来技術において述べられるような化学物質を使用して不純物をリーチングするための、従来の化学的処理方法は、有益ではなかった。なぜならば、これらの化学物質は、包接された不純物をリーチングすることができず、反対に、炭酸カルシウムが溶解されるからである。
【0036】
従って、炭酸カルシウムが豊富な副生成物に対する熱処理の効果を研究することが決定された。この材料を、室温から900℃まで段階的に加熱し、各段階において、温度を100℃ずつ上昇させ、そしてその温度に1時間維持した。損失の重量パーセントを、各場合に示した。全てのサンプルを、XRD分析により結晶性パーセントについて試験し、熱処理された副生成物炭酸カルシウム中に存在する相を同定した。表1に示される結果は、炭酸カルシウムが豊富な副生成物からの不純物が、炭酸カルシウムを分解することなく、600℃までの熱処理により除去されることを示す。
【0037】
【表1】
従って、本発明において、工業的プロセスにおいて生成される炭酸カルシウムリッチな副生成物の精製は、特に、ニトロリン酸肥料プラントにおいて、熱処理によって行われる。
【0038】
最大25%までの水分を含み、20〜150ミクロンの範囲の粒径を有する湿潤副生成物の炭酸カルシウムを、10〜40RPMの速度で回転するスクリューフィーダーを用いて、5〜20kg/hの供給速度で、Rotary Dryer(間接的に加熱することによって予め加熱され250〜400℃の範囲の所望の温度に保たれる)に、連続的に供給する。この間、25%までの水分および7〜8%の揮発性物質を除去する。不純物として0.1〜0.3%の範囲(アンモニアの窒素として)で存在するアンモニウム化合物を、分解するかまたは昇華する。
【0039】
回転式乾燥器における滞留時間は、傾角を1.0°から1.4°に変え、乾燥器の回転速度を1RPMから4RPMに変えることによって、20分から30分まで変動する。結果として、物質放出速度は、2kg/hから20kg/hに変化した。
【0040】
乾燥器中で解放された水蒸気、揮発性物質およびアンモニアガスを、ブロワーを用いて乾燥器シェルから吹き飛ばした。この排気ガスを、このプラントの周りのアンモニアの粉塵化および遊離を回避するために、水タンク中で洗浄した。乾燥器から得られた物質を、ベローおよびフィードホッパーを備えるコネクター/ブリーチャー(間接的に加熱することによって550℃〜650℃の所望の温度に予め加熱されて維持される)を通して回転式ドラム加熱器に充填する。この間、0.05〜0.1%の範囲(硝酸の窒素として)で存在する硝酸不純物を、分解するかまたは昇華する。この材料を、傾角を1.0°から1.4°に変え、回転速度を1RPMから4RPMに変えることによって、30分から90分の滞留時間の間回転式ドラム加熱器内に留める。このドラムから解放されたガスを、水タンク中で洗浄して、周囲への拡散およびNOx汚染を防止する。
【0041】
ドラム加熱器出口材料を、水循環式のジャケット付きスクリューコンベヤー型の物質冷却器に通して、周囲温度にて、回転式ドラム加熱器の出口速度と同調された加熱器出口速度(すなわち、2〜15kg/h)で、精製材料を得る。続いて、これを、ピン/アトリションミルで、1〜20ミクロンの範囲の微粒子サイズになるまで粉砕に供する。細かく分割された炭酸カルシウムをスラリータンクに分散させて、40〜50重量%の固体スラリーを得る。
【0042】
このスラリーを、撹拌しながら85〜95℃まで加熱し、続いて、16〜20個の炭素原子の炭素鎖長を有する脂肪酸誘導体またはその塩の熱い(70〜90℃)エマルジョンまたは溶液を、最終生成物において3〜4%の全脂肪酸を得るのに十分な量で添加する。この混合物を50℃未満に冷却し、その後、水溶性成分を、公知の様式でこの混合物から除去し、そして生成物を単離し、乾燥し、そして微粉砕して、表2に示されるような特徴を有する細かく分割された被覆炭酸カルシウムを得、この表2は、この炭酸カルシウムが塗料、プラスチック、ゴムおよびPVCにおけるフィラーとして有用であることを示した。
【0043】
【表2】
表3は、乾燥粉末としてMastersizer−2000粒径分析器(Malvern,UK)により測定した、乾燥炭酸カルシウムリッチの副生成物、乾燥器出口材料、か焼炉/冷却器出口材料、細かく分割された炭酸カルシウムおよび被覆炭酸カルシウムの粒径分布曲線を示す。
【0044】
【表3】
本発明に従う精製した細かく分割し、そして被覆した炭酸カルシウムの製造のためのプロセスは、この目的のために今まで使用されなかった、ニトロリン酸肥料プラントにおいて生成される副生成物である新たな種類の原材料(これは20〜150ミクロンの範囲の粒径を有し、従来用いられた原材料である石灰石において通常見出されない種々のタイプの不純物を含む)を使用する。
【0045】
水分は、十分な時間、105〜110℃でこの材料を乾燥することによって、除去される。一般的に、この材料が分解しない温度までの温度の増加と共に乾燥のために必要な時間は減少する。
【0046】
アンモニウム化合物(例えば、(NH4)2CO3、NH4HCO3、NH4ClおよびNH4F)は、特定の温度で昇華するかまたは分解するかのいずれかであり、例えば、炭酸アンモニウムは、58℃で分解し、炭酸水素アンモニウムは、36〜60℃で分解し、そして昇華し、硝酸アンモニウムは、210℃で分解する。塩化アンモニウムおよびフッ化アンモニウムは、約335℃で昇華する。硝酸カルシウム(無水)は、561℃で融解し、Ca(NO3)2・3H2Oは、51.5℃で融解し、Ca(NO3)2・4H2Oは、132℃で分解する。一リン酸カルシウムは、203℃で分解し、二リン酸カルシウムは、25℃で分解し、そして三リン酸カルシウムは、1670℃で融解する。ピロリン酸カルシウムCa2P2O7は、1320℃で融解し、そしてメタリン酸カルシウムCa(PO3)2は、975℃で融解し、水酸化カルシウムは、580〜600℃で分解して、CaOとH2Oになる。
【0047】
アラレ石型の炭酸カルシウムは、825℃で分解し、一方、方解石型の炭酸カルシウムは、約895℃で分解して、CaOとCO2になる。炭酸カルシウムが、約1000℃に加熱される場合、これは死焼/不活性CaOを形成し、そしてCO2を放出する。
【0048】
このプロセスに関する進歩性としては、以下が挙げられる:
・予め乾燥も粉砕もすることなく原材料を使用すること。
・処理の間全体にわたって自由流動状態で材料を維持すること。
・熱処理による化学不純物の除去。
・特別な試薬を使用することなく、輝度を改善すること。
・最小の粉塵化で、非常に微細(20〜150ミクロン)および非常に高密度(2.3〜2.7g/ml)のか焼を行うこと。
・熱処理温度をより低い温度に制限することによって、回転式ドラム加熱器の特別なタイプの構成材料の要件を避けること。
・炭酸カルシウムを分解することなく、不純物に対する熱処理の影響を制限すること。
・周辺環境の汚染を避けるための、解放されたガスを洗浄するための配置。
【0049】
以下の実施例は、例示の目的で示され、従って、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0050】
(実施例−1)
乾燥基準で11%の水分および85%のCaCO3を有する、副生成物の炭酸カルシウムを、10kg/hの速度で、1分間あたり20回転(RPM)の回転速度を有するスクリューフィーダーを通して、300℃に予熱した乾燥器に、1.4度の傾斜角および乾燥器シェルの回転速度2RPMで供給した。滞留時間は30分間であった。この乾燥器から出る材料は、0.02重量%と0.22重量%との間の水分を有することがわかった。出口材料を、間接的に加熱することにより600℃に予熱した回転ドラム加熱器内での熱処理の第二段階に、1.08度の傾斜角および1.5RPMのシェル回転速度で導入した。滞留時間は30分間であった。その生成物は、96重量%のCaCO3、3.0重量%の混合酸化物(1.5重量%のP2O5含有量を含む)を有することがわかった。
【0051】
(実施例−2)
乾燥基準で11%の水分および85%のCaCO3を有する、副生成物の炭酸カルシウムを、10kg/hの速度で、1分間あたり20回転(RPM)の回転速度を有するスクリューフィーダーを通して、300℃に予熱した乾燥器に、1.05度の傾斜角および乾燥器シェルの回転速度2RPMで供給した。滞留時間は30分間であった。この乾燥器から出る材料は、0.02重量%と0.22重量%との間の水分を有することがわかった。出口材料を、間接的に加熱することにより600℃に予熱した回転ドラム加熱器内での熱処理の第二段階に、1.08度の傾斜角および3RPMのシェル回転速度で導入した。滞留時間は30分間であった。その生成物は、96重量%のCaCO3、3.0重量%の混合酸化物(1.5重量%のP2O5含有量を含む)を有することがわかった。
【0052】
(実施例−3)
乾燥基準で2.26%の水分および85%のCaCO3を有する、副生成物の炭酸カルシウムを、10kg/hの速度で、1分間あたり20回転(RPM)の回転速度を有するスクリューフィーダーを通して、300℃に予熱した乾燥器に、1.05度の傾斜角および乾燥器シェルの回転速度2RPMで供給した。滞留時間は30分間であった。この乾燥器から出る材料は、0.02重量%と0.22重量%との間の水分を有することがわかった。出口材料を、間接的に加熱することにより600℃に予熱した回転ドラム加熱器内での熱処理の第二段階に、1.08度の傾斜角および3RPMのシェル回転速度で導入した。滞留時間は30分間であった。その生成物は、96重量%のCaCO3、3.0重量%の混合酸化物(1.5重量%のP2O5含有量を含む)を有することがわかった。
【0053】
(実施例−4)
乾燥基準で12.6%の水分および85%のCaCO3を有する、副生成物の炭酸カルシウムを、5kg/hの速度で、1分間あたり6回転(RPM)の回転速度を有するスクリューフィーダーを通して、300℃に予熱した乾燥器に、1.05度の傾斜角および乾燥器シェルの回転速度2RPMで供給した。滞留時間は30分間であった。この乾燥器から出る材料は、0.02重量%と0.22重量%との間の水分を有することがわかった。出口材料を、間接的に加熱することにより600℃に予熱した回転ドラム加熱器内での熱処理の第二段階に、1.08度の傾斜角および3RPMのシェル回転速度で導入した。滞留時間は30分間であった。その生成物は、96重量%のCaCO3、3.0重量%の混合酸化物(1.5重量%のP2O5含有量を含む)を有することがわかった。
【0054】
(実施例−5)
乾燥基準で18.5%の水分および85%のCaCO3を有する、副生成物の炭酸カルシウムを、5kg/hの速度で、1分間あたり6回転(RPM)の回転速度を有するスクリューフィーダーを通して、300℃に予熱した乾燥器に、1.05度の傾斜角および乾燥器シェルの回転速度2RPMで供給した。滞留時間は30分間であった。この乾燥器から出る材料は、0.02重量%と0.22重量%との間の水分を有することがわかった。出口材料を、間接的に加熱することにより600℃に予熱した回転ドラム加熱器内での熱処理の第二段階に、1.08度の傾斜角および3RPMのシェル回転速度で導入した。滞留時間は30分間であった。その生成物は、96重量%のCaCO3、3.0重量%の混合酸化物(1.5重量%のP2O5含有量を含む)を有することがわかった。
【0055】
(実施例−6)
乾燥基準で12.6%の水分および85%のCaCO3を有する、副生成物の炭酸カルシウムを、8kg/hの速度で、1分間あたり6回転(RPM)の回転速度を有するスクリューフィーダーを通して、300℃に予熱した乾燥器に、1.05度の傾斜角および乾燥器シェルの回転速度2RPMで供給した。滞留時間は30分間であった。この乾燥器から出る材料は、0.02重量%と0.22重量%との間の水分を有することがわかった。出口材料を、間接的に加熱することにより600℃に予熱した回転ドラム加熱器内での熱処理の第二段階に、1.08度の傾斜角および3RPMのシェル回転速度で導入した。滞留時間は30分間であった。その生成物は、96重量%のCaCO3、3.0重量%の混合酸化物(1.5重量%のP2O5含有量を含む)を有することがわかった。この実施例において、冷却器をまた、スクリュー回転速度7RPM、冷却水の流速60LHP、冷却水の入口温度24℃で、運転した。回転ドラム加熱器からの出口材料の温度は、30℃より高く、そして冷却器出口での温度は、34℃であることがわかった。
【0056】
(実施例−7)
実施例−1において得られた熱処理された材料を、材料の温度を60℃未満に維持しながら、超微細粉砕機を使用して、粉砕した。この粉砕した材料は、図2(d)に示すような粒子サイズ分布を有した。
【0057】
(実施例−8)
実施例−7において得られた粉砕した炭酸カルシウムをスラリー化して、約50%(重量/重量)を得た。このスラリーを、連続的に攪拌しながら85℃に加熱した。これに、ステアリン酸および水酸化ナトリウムから、CaCO3上に3.5重量%のコーティングを得るような割合で調製したエマルジョンを、添加した。このスラリーを、連続的に攪拌しながら45℃に冷却し、その後、生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、乾燥し、そして粉砕した。コーティングしたサンプルは、表2に示すような特性を有することがわかった。
【0058】
本発明の主要な利点は、以下である:
1.産業用プロセス(特に、ニトロリン酸塩肥料プラント)において生成した、炭酸カルシウムに富む副生成物は、従来使用されてきた機械を使用する単純な熱処理によって、精製され得る。
【0059】
2.炭酸カルシウムに富む副生成物は、ゴム、塗料、PVCおよびプラスチックにおける適用に有用な付加価値材料に転換される。
【0060】
3.商業的適用に適した微細に分割された炭酸カルシウムを生成するための、石灰岩の代替の供給源が、調査される。
【0061】
4.20〜150ミクロンの微細な粒子サイズを有する、炭酸カルシウムに富む副生成物が、ダスティングに起因するこのような微粉末に通常付随する汚染の寄与なしに、首尾よく処理される。
【0062】
5.炭酸カルシウムに富む副生成物を生成するプラントと結び付き得る連続プロセスが、本発明によって開発された。従って、このような副生成物によって引き起こされる土壌の汚染が最小化され、そして環境の質が改善された。
【0063】
6.副生成物の炭酸カルシウムを精製するための熱処理の温度が約600℃であるので、特定の型の鋼鉄が回転乾燥器およびドラム加熱器において使用されることが、必要とされない。
【0064】
7.熱処理が、全ての主要な不純物を同時に除去するという、特別な利点を提供した。従って、多くにユニットの操作が、精製プロセスにおいて必要とされない。
【0065】
8.いかなる過剰の試薬の添加もなしに、炭酸カルシウムの輝度が改善されるプロセスが開発された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 明細書に添付の図面において、図1は、ニトロホスフェート肥料プラントにおいて生成する炭酸カルシウムが豊富な副生成物の熱処理のために使用されるユニットの、機械/装置を示す。このユニットは、以下の装置を具体化する:M−パドルミキサー付きスクリューフィーダー;S1−間接的回転乾燥機;S2−間接的回転ドラムヒーター;S3−ジャケット冷却器;P−超微細粉砕機;T−スラリータンク;F−圧力フィルター;D−フラッシュ乾燥機;およびC−サイクロン/粉塵収集器。1〜8の数字は、以下を示す:
1.炭酸カルシウム豊富な副生成物、すなわち、フィード材料。
2.水
3.コーティング剤溶液
4.スチーム
5.濾液
6.製品
7.煙道ガス
8.排気ガス
Claims (10)
- 産業プロセスにおいて生成された炭酸カルシウム富化副産物を精製するため、ニトロリン酸塩肥料プラントにおいて、高価値の細かく分割された炭酸カルシウムを生成するためのプロセスであって、以下:
(a)最大25%までの水分を含有し、かつ20〜150ミクロンの範囲の粒径を有する、湿潤炭酸カルシウム富化副産物を、250℃〜400℃の範囲の温度で予熱されそして維持された回転式乾燥器に、10〜40RPMの速度で回転されるスクリューフィーダーの補助によって、5〜20kg/hの供給速度で連続的に供給して、25%までの水分、7〜8%の揮発性物質を除去し、かつ20〜30分の滞留時間を有するアンモニア窒素として0.1〜0.3%の範囲で不純物として存在するアンモニウム化合物を分解または昇華する工程であって、該工程は、傾きの角度を1.0〜1.4°で変化させ、かつ乾燥器の回転速度を1〜4RPMで変動させ、それによって、材料の出口速度を2〜20kg/hで変動させ、遊離の水蒸気、揮発性物質およびアンモニアガスを乾燥器から吹き払い、そして該プラントの周辺におけるアンモニアの散布および遊離を回避するように該排出ガスを水タンク中で洗浄することによる、工程、
(b)得られた物質を、乾燥器から、ベローおよびフィードホッパーを備えたコネクタ/ブリーチャを介して、予熱されて500℃〜600℃の温度で維持された回転式ドラム加熱器に充填し、(硝酸塩窒素として)0.05〜0.1%の硝酸不純物を分解または昇華する工程であって、該工程は、傾きの角度を1.0〜1.4°で変化させ、かつ回転速度を1〜4RPMで変動させることによって、該材料を回転式ドラム加熱器中で30〜90分の滞留時間に維持させることによる、工程、
(c)該ドラム加熱器の出口速度と同調化させた出口速度、すなわち、2〜20kg/hで、周囲温度にて、該ドラム加熱器からの出口材料を冷却して該精製された材料を得る工程、
(d)1〜20ミクロンの範囲の微粒径へと、ピン/アトリションミルにおける粉砕に供する工程、
(e)40〜55重量%の固体スラリーを得るように、該細かく分割された炭酸カルシウムをスラリータンク中に分散させ、該スラリーを攪拌しながら95℃未満に加熱し、その後、最終生成物中に3〜4%総脂肪物質を得るのに十分な量の16〜20炭素原子の炭素鎖長を有する脂肪酸誘導体またはその塩の熱い(70〜90℃の)エマルジョンまたは溶液を添加し、該混合物を50℃未満に冷却し、その後、水溶性成分を該混合物から除去し、そして該生成物を単離する工程、
(f)乾燥および微粉砕して、細かく分割されコーティングされた炭酸カルシウムを得る工程
を包含する、プロセス。 - 請求項1に記載のプロセスであって、工程(a)において、前記回転式乾燥器が、間接的な加熱によって、250℃〜350℃の範囲に予熱される、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(a)において、前記回転式乾燥器が、1.08〜1.4°の傾きの角度、および2〜3RPMの回転速度に設定される、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(a)において、加熱処理のための滞留時間が、20〜30分である、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(b)において、前記回転式乾燥器からの出口材料が、フィードホッパーおよびベローを備えた連結部を介して、間接的な加熱によって550℃〜600℃に予熱された回転式ドラム加熱器に充填される、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(b)において、加熱処理のための滞留時間が、回転式ドラム加熱器において、30〜45分である、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(c)において、前記回転式加熱器から出た熱い材料を、5〜15RPMで回転するスクリューコンベヤを有する水ジャケット付き材料冷却器に通して、材料の出口温度を35℃未満にする、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(c)において、材料の出口速度が、5〜15kg/hである、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(d)において、冷却器からの出口材料が、10〜20ミクロンの範囲の粒径を減少するよう粉砕される、プロセス。
- 請求項1に記載のプロセスであって、工程(e)において、前記細かく分割された炭酸カルシウムを、水に分散して45〜55%(重量/容量)スラリーを得、連続的に攪拌しながら85〜95℃に加熱し、そして別に調製したステアリン酸誘導体の熱い(85〜95℃の)エマルジョンを混合し、連続的に攪拌しながら20〜45℃に冷却し、脂肪物質による2〜3.5重量%のコーティングを得る、プロセス。
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