JP4190141B2 - ポジ型フォトレジスト組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路素子、集積回路製造用マスク、プリント配線板、液晶パネル等の製造に用いるポジ型フォトレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、磁気バブルメモリ、集積回路等の電子部品を製造するためのパターン形成法としては、従来より、紫外線又は可視光線に感光するフォトレジストを利用する方法が幅広く実用に供されている。フォトレジストには、光照射により被照射部が現像液に不溶化するネガ型と、反対に可溶化するポジ型とがあるが、ネガ型はポジ型に比べて感度が良く、湿式エッチングに必要な基板との接着性及び耐薬品性にも優れていることから、近年までフォトレジストの主流を占めていた。
【0003】
しかし、半導体素子等の高密度化・高集積化に伴い、パターンの線幅や間隔が極めて小さくなり、また、基板のエッチングにはドライエッチングが採用されるようになったことから、フォトレジストには高解像度及び高ドライエッチング耐性が望まれるようになり、現在ではポジ型フォトレジストが大部分を占めるようになった。
更に、近年電子機器の多機能化、高度化に伴ない、高密度化及び高集積化を図るべくパターンの微細化が強く要請されている。
【0004】
即ち、集積回路の横方向の寸法の縮小に比べてその縦方向の寸法はあまり縮小されていかないために、レジストパターンの幅に対する高さの比は大きくならざるを得なかった。このため、複雑な段差構造を有するウエハー上でレジストパターンの寸法変化を押さえていくことは、パターンの微細化が進むにつれてより困難になってきた。
さらに、各種の露光方式においても、最小寸法の縮小に伴ない問題が生じてきている。例えば、光による露光では、基板の段差に基づく反射光の干渉作用が、寸法精度に大きな影響を与えるようになり、一方電子ビーム露光においては、電子の後方散乱によって生ずる近接効果により、微細なレジストパターンの高さと幅の比を大きくすることができなくなった。
【0005】
これらの多くの問題は多層レジストシステムを用いることにより解消されることが見出された。多層レジストシステムについては、ソリッドステート・テクノロジー、74(1981)[Solid State Technology, 74 (1981)]に概説が掲載されているが、この他にもこのシステムに関する多くの研究が発表されている。一般的に多層レジスト法には3層レジスト法と2層レジスト法がある。3層レジスト法は、段差基板上に有機平坦化膜を塗布し、その上に、無機中間層、レジストを重ね、レジストをパターニングした後、これをマスクとして無機中間層をドライエッチングし、さらに、無機中間層をマスクとして有機平坦化膜をO2 RIE(リアクティブイオンエッチング)によりパターニングする方法である。この方法は、基本的には、従来からの技術が使用できるために、早くから検討が開始されたが、工程が非常に複雑である、あるいは有機膜、無機膜、有機膜と三層物性の異なるものが重なるために中間層にクラックやピンホールが発生しやすいといったことが問題点になっている。
【0006】
この3層レジスト法に対して、2層レジスト法では、3層レジスト法でのレジストと無機中間層の両方の性質を兼ね備えたレジスト、すなわち、酸素プラズマ耐性のあるレジストを用いるために、クラックやピンホールの発生が抑えられ、また、3層から2層になるので工程が簡略化される。しかし、3層レジスト法では、上層レジストに従来のレジストが使用できるのに対して、2層レジスト法では、新たに酸素プラズマ耐性のあるレジストを開発しなければならないという課題があった。
【0007】
以上の背景から、2層レジスト法等の上層レジストとして使用できる酸素プラズマ耐性に優れた、高感度、高解像度のポジ型フォトレジスト、特に、現行プロセスを変えることなく使用できるアルカリ現像方式のレジストの開発が望まれていた。
【0008】
さらに、ハーフミクロン以下の線幅からなる超微細パターンの加工が必要な超LSIの製造等においては、リソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長の短波化が進行し、今やKrFエキシマーレーザー光、ArFエキシマーレーザー光を用いる事が検討されるまでになってきている。この様な短波長の光リソグラフィーでは、レジストは化学増幅型と呼ばれるものを用いるのが一般的である。なかでもArFエキシマーレーザー光を利用する場合は、膜の光学的透明性の観点からレジストの主成分となるバインダー樹脂中にフェノール構造を導入する事は適当ではなく、t−ブチルエステル等の3級エステル、1−アルキルアダマンチルエステル、カルボン酸のTHP保護体など、酸で分解してカルボン酸を発生する構造を画像形成性部位として含有する樹脂ポリマーをバインダーとして用いるのが一般的である。
【0009】
ArFエキシマーレーザー光に透明な画像形成性部位を含有するSi含有レジストの例として、無水マレイン酸−不飽和カルボン酸t−ブチルエステル−アリルトリメチルシランからなるターポリマーが特開平5−11450号公報に開示されている。このレジストは、超微細パターンの加工に向けての解像力には優れるものの、感度の点で改善の余地があった。更に、レジスト液の調製時に光酸発生剤と相溶性が悪く濁りを生じたり、あるいは経時的に不溶解物の析出を生じたり、結果的に経時安定性に課題を残した。また、疎密依存性についても問題を抱えていた。最近のデバイスの傾向として様々なパターンが含まれるためレジストには様々な性能が求められている。その一つが疎密依存性である。デバイスにはラインが密集した部分と、逆にラインと比較しスペースが広いパターン、更に孤立ラインが存在する。このため、種々のラインを高い再現性をもって解像することは重要である。しかし、種々のラインを再現させることは光学的な要因により必ずしも容易ではなく、レジストによる解決方法が明確でないのが現状である。特に、前述の樹脂を含有するレジスト系においては孤立パターンと密集パターンの性能差が顕著であり、改善が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、半導体デバイスの製造において、高感度を有するポジ型フォトレジスト組成物を提供することである。
本発明の更なる目的は、高感度とともに、更にレジスト液の調製時に、あるいは経時保存後に不溶解物の析出を生じない、また、疎密依存性に優れたポジ型フォトレジスト組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポジ型化学増幅系におけるレジスト組成物について鋭意検討した結果、特定の繰り返し単位を共重合した酸分解性樹脂と特定の界面活性剤、さらには特定の光酸発生剤等を用いることにより、本発明の目的が達せられることを見出した。即ち、本発明は、下記ポジ型フォトレジスト組成物である。
(1)(A)下記一般式 (IIa) で表される繰り返し単位と下記一般式 (II ) で表される繰り返し単位の少なくともいずれか、下記一般式(I)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式 (III) で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(但し、不飽和カルボン酸無水物から導かれる繰り返し単位、一般式(1)で表される繰り返し単位、一般式(2)で表される繰り返し単位を含有するコポリマーを除く)
(B)活性光線または放射線の照射により酸を発生するオニウム塩化合物、及び
(C)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤のうち少なくとも1種を含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
一般式(I)
【0012】
【化6】
Figure 0004190141
【0013】
式(I)中、R1〜R3は、それぞれ独立にアルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、トリアルキルシリル基、又はトリアルキルシリルオキシ基を表す。nは0または1を表す。
一般式(IIa)
【0014】
【化7】
Figure 0004190141
【0015】
式(IIa)中、Yは水素原子、メチル基、シアノ基、塩素原子から選ばれる基を表す。Lは単結合もしくは2価の連結基を表す。Qは炭素数5以上20以下の3級アルキル基、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基、又はイソボロニル基を表す。
一般式 (IIb)
【0016】
【化8】
Figure 0004190141
【0017】
式(IIb)中、X1とX2は、それぞれ独立に酸素原子、イオウ原子、−NH−、−NHSO2−から選ばれた基を表す。L1とL2は、それぞれ独立に単結合もしくは2価の連結基を表す。A1は、−Q又は−COOQを表すが、X1が酸素原子で、L1が単結合を表す場合にはA1は−Qを表す。A2は水素原子、−COOH、―COOR'、−CO−NH−R''、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良い環状炭化水素基、−Q又は−COOQを表す(ここでR'、R''はそれぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表す。)。Qは炭素数5以上20以下の3級アルキル基、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基、又はイソボロニル基を表す。
【0018】
一般式(III)
【0019】
【化9】
Figure 0004190141
【0020】
式(III)中、Zは酸素原子、又はN−R3を表す。R3は水素原子、水酸基、直鎖または分岐を有するアルキル基あるいは―O―SO2−R4を表す。R4はアルキル基、トリハロメチル基を表す。
【化7】
Figure 0004190141
式(2)中、R 1a は、水素原子、またはメチル基を表し、R 2a は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
(3)(B)のオニウム塩化合物が、下記一般式〔sI〕又は一般式〔sII〕で表される、活性光線又は放射線の照射により酸を発生するオニウム塩化合物であることを特徴とする上記(1)に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
【0021】
【化10】
Figure 0004190141
【0022】
式〔sI〕、〔sII〕中、Rs1 〜Rs5 はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基を表す。
a:1〜5、
b:1〜5、
l:1〜5、
m:0〜5、
n:0〜5を表す。
Rs1 〜Rs5 の各々で表される基が複数存在するとき、複数の基は同じでも異なっていてもよい。
【0023】
但し、式〔sI〕中、Rs1 及びRs2 で表される基の少なくともひとつは、炭素数5個以上の、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、又は置換基を有していてもよいアシロキシ基を表す。また、式〔sII〕において、l+m+n=1の時、Rs3 は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、又は置換基を有していてもよいアシロキシ基を表す。X-は、R−SO3- 、を表す。Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。
(4)(3)のオニウム塩化合物において、Rがフッ素化脂肪族炭化水素基またはフッ素化芳香族炭化水素基であることを特徴とする(3)に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
(5)(3)のオニウム塩化合物において、Rがノナフルオロブチル基であることを特徴とする(3)に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
(6)(D)有機塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(1)、(3)〜(5)のいずれかに記載のポジ型フォトレジスト組成物。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
【0025】
(A)樹脂
本発明の組成物は、上記一般式(IIa)及び一般式(IIb)で表される繰り返し構造単位のうち少なくとも1種と上記一般式(I)で示される繰り返し構造単位とを含有する樹脂である。(A)成分としての樹脂は、更に上記の一般式(III)で示される繰り返し構造単位を含有することが好ましい。これを含有することにより、疎密依存性がより改善される。
繰り返し構造単位(I)において、R1〜R3は、それぞれ独立にアルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシリルオキシ基から選ばれる基を表す。
上記アルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基である。
ハロアルキル基としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基が挙げられる。
【0026】
アルコキシ基としては、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、中でも特に好ましいのはメトキシとエトキシ基である。
【0027】
トリアルキルシリルのアルキル基としては炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、中でも最も好ましいのはメチル基である。
トリアルキルシリルオキシ基のアルキル基としては炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基であり、中でも最も好ましいのはメチル基である。
nは0または1を表し、好ましくは1である。これにより、ラインのエッジのラフネス(凹凸)が改善される。
【0028】
上記一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0029】
【化11】
Figure 0004190141
【0030】
繰り返し単位(IIa)において、Yは水素原子、メチル基、シアノ基、塩素原子から選ばれる基を表す。Lは単結合もしくは2価の連結基を表す。
Lの2価の連結基としては、アルキレン基、置換アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基が挙げられる。
アルキレン基及び置換アルキレン基については、後述の繰り返し単位(IIb)におけるL1またはL2にとしての2価の連結基におけるものと同様のものが挙げられる。アリーレン基としては、炭素数6〜14が好ましく、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、ナフチレン、アンスリレン基が挙げられる。アラルキレン基としては、炭素数7〜15が好ましく、フェニレンメチレン、フェニレンエチレン基等が挙げられる。
Qは、炭素数5〜20の3級アルキル基、アルコキシメチル基(好ましくは炭素数2〜11)、アルコキシエチル基(好ましくは炭素数3〜12)、又はイソボロニル基を表す。具体的には、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基、2−メチルーアダマンチル基、2−エチルーアダマンチル基等を挙げることができる。
【0031】
さらに、Qが示す炭素数5以上20以下の3級アルキル基としては、下記式(pI)または(pII)で示される基が好ましい。
【0032】
【化12】
Figure 0004190141
【0033】
(式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R14は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0034】
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0035】
12〜R14における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
【0036】
【化13】
Figure 0004190141
【0037】
【化14】
Figure 0004190141
【0038】
【化15】
Figure 0004190141
【0039】
上記脂環式部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基である。
【0040】
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0041】
繰り返し単位(IIb)において、X1とX2はそれぞれ独立に酸素原子、イオウ原子、−NH−、−NHSO2−から選ばれた基を表す。L1とL2はそれぞれ独立に単結合もしくは2価の連結基を表す。
【0042】
上記L1とL2における2価の連結基としては、具体的にはアルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、ウレア基よりる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせが挙げられる。
上記L1とL2におけるアルキレン基、置換アルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Ra )(Rb )〕r −
式中、Ra 、Rb は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数を表す。
【0043】
2は水素原子、シアノ基、水酸基、−COOH、―COOR'、−CO−NH−R''、置換されていても良いアルキル基、アルコキシ基、−Q又は−COOQを表す。(R'、R''はそれぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表す。)
2、R' 、R'' における、アルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基である。同じくアルコキシ基としては、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、中でも特に好ましいのはメトキシとエトキシ基である。 同じくQは、繰り返し単位(IIa)のQと同様な基が挙げられる。
上記アルキル基、アルコキシ基の更なる置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基等が挙げられる。
2の環状炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等を挙げることができる。これらの環状炭化水素基の環を形成する結合の中に、エステル結合又はカルボニル結合を有していてもよい。
環状炭化水素基の更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッソ素原子、沃素原子等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセトキシ基等を挙げることができる。
【0044】
上記一般式(IIa)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0045】
【化16】
Figure 0004190141
【0046】
【化17】
Figure 0004190141
【0047】
上記一般式(IIb)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0048】
【化18】
Figure 0004190141
【0049】
【化19】
Figure 0004190141
【0050】
【化20】
Figure 0004190141
【0051】
繰り返し単位(III)において、Zは酸素原子、N−R3を表す。R3は水素原子、水酸基、直鎖または分岐を有するアルキル基、あるいは−O−SO2−R4を表す。R4はアルキル基、トリハロメチル基を表す。R3、R4のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基である。
上記一般式(III)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0052】
【化21】
Figure 0004190141
【0053】
【化22】
Figure 0004190141
【0054】
本発明に係る樹脂は、本発明の効果が有効に得られる範囲内で、更に以下のような単量体が該樹脂を構成する繰り返し単位を与えるものとして共重合されていてもよいが、下記単量体に限定されるものではない。
これにより、前記樹脂に要求される性能、特に(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性、の微調整が可能となる。
このような共重合単量体としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物などを挙げることができる。
【0055】
具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど);
【0056】
メタクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい。)メタクリレート(例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど);
【0057】
アクリルアミド類、例えばアクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;
【0058】
メタクリルアミド類、例えばメタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミドなど;
【0059】
アリル化合物、例えばアリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;
【0060】
ビニルエーテル類、例えばアルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど);
【0061】
ビニルエステル類、例えばビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど;
【0062】
イタコン酸ジアルキル類(例えばイタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等がある。
【0063】
本発明における(A)樹脂において、一般式(I)で表される繰り返し単位、ならびに繰り返し単位(IIa)と(IIb)の内少なくとも一方の繰り返し単位、及び共重合して好ましい成分である一般式(III)で表される繰り返し単位の含有量は、所望のレジストの酸素プラズマエッチング耐性、感度、パターンのクラッキング防止、基板密着性、レジストプロファイル、さらには一般的なレジストの必要用件である解像力、耐熱性、等を勘案して適宜設定することができる。一般的に、本発明の(A)樹脂において、一般式(I)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、10〜90モル%であり、好ましくは15〜70モル%、さらに好ましくは20〜50モル%である。
また繰り返し単位(IIa)と(IIb)の内少なくとも一方の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、5〜50モル%であり、好ましくは10〜40モル%である。
繰り返し単位(III) の含有量は、全繰り返し単位に対して、通常10〜90モル%であり、好ましくは15〜70モル%、さらに好ましくは20〜60モル%である。
本発明の組成物がArF露光用である場合、ArF光への透明性の点から、樹脂は芳香族環を有しないことが好ましい。
【0064】
本発明の(A)樹脂において、一般式(I)で表される繰り返し単位に相当する単量体、一般式(IIa)と(IIb) のうち少なくともいずれかの繰り返し単位に相当する単量体、および必要により一般式(III)で表される繰り返し単位に相当する単量体を重合触媒存在下で共重合することによって得られる。別法として、一般式(I)で表される繰り返し単位に相当する単量体に一般式(IIa)の繰り返し単位に相当する単量体にさらに無水マレイン酸を共重合するか、あるいは一般式(I)で表される繰り返し単位に相当する単量体に無水マレイン酸を共重合したのち、これら得られた共重合体の無水マレイン酸に由来する繰り返し単位を部分的に、塩基性あるいは酸性条件下にアルコール類との開環エステル化、あるいは加水分解して合成する方法もある。
【0065】
本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000である。重量平均分子量が1,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、200,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
【0066】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物において、本発明に係わる(A)樹脂の組成物全体中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.99重量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97重量%である。
【0067】
(B)活性光線または放射線の照射により酸を発生するオニウム塩化合物(以下、光酸発生剤ともいう。)
このような光酸発生剤としては、この分野で用いられている、活性光線または放射線の照射により酸を発生する各種オニウム塩化合物が挙げられる。本発明においては、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物が好ましい。ここで、発生する酸としては、スルホン酸、カルボン酸、ジスルホニルイミド、N−スルホニルイミド等が挙げられる。
本発明において、光酸発生剤としては、下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩または一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩が好ましい。
【0068】
【化23】
Figure 0004190141
【0069】
ここで式(PAG3)、(PAG4)において、Ar1、Ar2は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシロキシ基、ヒロドキシ基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0070】
203、R204、R205は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基およびそれらの置換誘導体である。これらの好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシロキシ基、ヒロドキシ基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0071】
Z-は対アニオンを示し、例えばBF4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -、CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基を有するスルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0072】
またR203、R204、R205のうちの2つおよびAr1、Ar2はそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
【0073】
上記光酸発生剤の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
【化24】
Figure 0004190141
【0075】
【化25】
Figure 0004190141
【0076】
【化26】
Figure 0004190141
【0077】
【化27】
Figure 0004190141
【0078】
【化28】
Figure 0004190141
【0079】
【化29】
Figure 0004190141
【0080】
【化30】
Figure 0004190141
【0081】
【化31】
Figure 0004190141
【0082】
【化32】
Figure 0004190141
【0083】
【化33】
Figure 0004190141
【0084】
【化34】
Figure 0004190141
【0085】
【化35】
Figure 0004190141
【0086】
【化36】
Figure 0004190141
【0087】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は、例えばJ.W.Knapczyk etal,J.Am.Chem.Soc.,91,145(1969)、A.L.Maycok etal, J.Org.Chem.,35,2532,(1970)、E.Goethas etal, Bull. Soc. Chem. Belg., 73, 546, (1964) 、H.M.Leicester、 J. Ame. Chem.Soc., 51,3587(1929)、J.V.Crivello etal, J.Polym.Chem.Ed.,18,2677(1980)、米国特許第2,807,648 号および同4,247,473号、特開昭53-101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0088】
本発明において、光酸発生剤としては、上記一般式[sI]または[sII]で表される光酸発生剤が特に好ましい。これにより、レジスト組成物溶液を調液後のパーティクルの数及びその調液から経時保存後のパーティクルの増加数を軽減できる。
前記一般式[sI]または[sII]における、Rs1 〜Rs5 のアルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、t−アミル基、デカニル基、ドデカニル基、ヘキサデカニル基のような炭素数1〜25個のものが挙げられる。シクロアルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデカニル基、シクロヘキサデカニル基等のような炭素数3〜25個のものが挙げられる。アルコキシ基としては、置換基を有してもよい、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基もしくはt−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、t−アミロキシ基、n−ヘキシロキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデカンオキシ基等のような炭素数1〜25個のものが挙げられる。
【0089】
アルコキシカルボニル基としては、置換基を有してもよい、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基もしくはt−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、n−ヘキシロキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−ドデカンオキシカルボニル基等のような炭素数2〜25個のものが挙げられる。アシル基としては、置換基を有してもよい、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、t−ブチルカルボニル基、t−アミルカルボニル基等のような炭素数1〜25個のものが挙げられる。アシロキシ基としては、置換基を有してもよい、アセトキシ基、エチリルオキシ基、ブチリルオキシ基、t−ブチリルオキシ基、t−アミリルオキシ基、n−ヘキサンカルボニロキシ基、n−オクタンカルボニロキシ基、n−ドデカンカルボニロキシ基、n−ヘキサデカンカルボニロキシ基、等のような炭素数2〜25個のものが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子を挙げることができる。
【0090】
これらの基に対する置換基として好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0091】
前記一般式[sI]または[sII]におけるRs1 〜Rs5の各々で表される置換基が複数存在するとき、これらの置換基は同じでも異なっていてもよい。 なお、一般式[sI]において、Rs1 及びRs2 で表される置換基の少なくともひとつは、炭素数5個以上の、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、または置換基を有していてもよいアシロキシ基である。
上記これらの炭素数5個以上の置換基としては、上記具体例のうち炭素数5〜25個のものを挙げることができる。
また、一般式[sII]において、l+m+n=1の時、Rs3 は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシロキシ基を表す。また、この場合、Rs3は、炭素数2個以上が好ましく、より好ましくは炭素数4個以上である。
【0092】
上記の中でも、Rs1 〜Rs5 の置換基を有していてもよい、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、デカニル基が好ましく、シクロアルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデカニル基が好ましく、アルコキシ基としては、置換基を有してもよい、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、t−アミロキシ基、n−ヘキシロキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデカンオキシ基が好ましく、アルコキシカルボニル基としては、置換基を有してもよい、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、n−ヘキシロキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−ドデカンオキシカルボニル基が好ましく、アシル基としては、置換基を有してもよい、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、t−ブチルカルボニル基、t−アミルカルボニル基が好ましく、アシロキシ基としては、置換基を有してもよい、アセトキシ基、エチリルオキシ基、ブチリルオキシ基、t−ブチリルオキシ基、t−アミリルオキシ基、n−ヘキサンカルボニロキシ基、n−オクタンカルボニロキシ基が好ましい。
【0093】
また、炭素数5個以上の、置換基を有していてもよい、アルキル基としてはn−ペンチル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、デカニル基が好ましい。炭素数5個以上の、置換基を有していてもよい、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデカニル基が好ましい。炭素数5個以上の、置換基を有していてもよい、アルコキシ基としては、ペンチルオキシ基、t−アミロキシ基、ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ドデカンオキシ基が好ましい。炭素数5個以上の、置換基を有していてもよい、アルコキシカルボニル基としては、ペンチルオキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、ドデカンオキシカルボニル基が好ましい。炭素数5個以上の、置換基を有していてもよい、アシル基としては、パレリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、t−アミルカルボニル基が好ましい。炭素数5個以上の、置換基を有していてもよいアシロキシ基としては、t−アミリルオキシ基、n−ヘキサンカルボニロキシ基、n−オクタンカルボニロキシ基が好ましい。
これらの基に対する置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、塩素原子、臭素原子、シアノ基、水酸基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基が好ましい。
【0094】
本発明で使用される一般式[sI]または[sII]で表されるスルホニウム、ヨードニウム化合物は、その対アニオン、X-として、上記のように特定の構造を有するスルフォン酸を用いる。
対アニオンにおける、Rの置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜20個の直鎖あるいは分岐したアルキル基、または環状のアルキル基を挙げることができる。また、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を挙げることができる。
上記のRのアルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜20のものを挙げることができる。環状アルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、樟脳基、トリシクロデカニル基、メンチル基等を挙げることができる。芳香族基としては、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
【0095】
上記の中でも、Rの置換基を有していてもよい、アルキル基としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ノナフルオロブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、環状アルキル基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、樟脳基、を挙げることができる。芳香族基としては、置換基を有してもよい、フェニル基、ナフチル基、ペンタフルオロフェニル基、p−トルイル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ヒドロキフェニル基、p−メトキシフェニル基、ドデシルフェニル基、メシチル基、トリイソプロピルフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−ヒドロキシ−2−ナフチル基を挙げることができる。
【0096】
上記の各置換基の中でも、より好ましいRs1 〜Rs5 の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、t−アミロキシ基、ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、t−ブチルカルボニル基、
t−アミルカルボニル基、アセトキシ基、エチリルオキシ基、ブチリルオキシ基、t−ブチリルオキシ基、t−アミリルオキシ基、n−ヘキサンカルボニロキシ基、n−オクタンカルボニロキシ基、水酸基、塩素原子、臭素原子、ニトロ基である。
より好ましい炭素数5個以上の基の具体例としては、n−ペンチル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、デカニル基、シクロヘキシル基、ペンチルオキシ基、t−アミロキシ基、ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ドデカンオキシ基、ペンチルオキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、ドデカンオキシカルボニル基、パレリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、t−アミルヵルボニル基、t−アミリルオキシ基、n−ヘキサンカルボニロキシ基、n−オククンカルボニロキシ基である。
【0097】
より好ましいスルフォン酸置換基Rの具体例としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、n−ブチル基、ノナフルオロブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、2−エチルヘキシル基、樟脳基、フェニル基、ナフチル基、ペンタフルオロフェニル基、p−トルイル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−メトキシフェニル基、ドデシルフェニル基、メシチル基、トリイソプロピルフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−ヒドロキシ−2−ナフチル基である。
中でも、フッ素化脂肪族炭化水素基またはフッ素化芳香族炭化水素基は感度及び溶液保存安定性に特に優れるので好ましく、具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2、−トリフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
【0098】
発生する酸の総炭素数としては1〜30個が好ましい。より好ましくは1〜28個であり、更に好ましくは1〜25個である。その総炭素数が1個未満の場合、t−top形状になるなどパターン形成に支障をきたす場合があり、30個を超えると、現像残渣が生じる場合があるなど好ましくない。
以下に、一般式[sI]または[sII]で表される化合物の具体例としては、下記[sI−1]〜[sI−18]および[sII−1]〜[sII−17]を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。これらの化合物は、単独でもしくは2種以上の組み合わせで用いられる。
【0099】
【化37】
Figure 0004190141
【0100】
【化38】
Figure 0004190141
【0101】
【化39】
Figure 0004190141
【0102】
【化40】
Figure 0004190141
【0103】
【化41】
Figure 0004190141
【0104】
次に、本発明のポジ型フォトレジスト組成物における、前記一般式[sI]または[sII]で表される活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)とともに併用できる光酸発生剤について説明する。
【0105】
併用可能な活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物としては、上記以外の、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用される公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくはg線、i線、KrFエキシマーレーザー光、ArFエキシマーレーザー光、電子線、X線、分子線またはイオンビームにより酸を発生させる化合物およびそれらの混合物を適宜に選択して用いることができる。
【0106】
また、その他の本発明に用いられる活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物としては、たとえばS.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3-140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、Chem.&Eng. News, Nov. 28, p31(1988)、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2-150,848号、特開平2-296,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal, Polymer J.17,73 (1985)、J.V.Crivello etal. J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal, J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello etal, J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal, Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello etal, J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46-4605号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736号、特開昭61-169835号、特開昭61-169837号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al, J. Rad. Curing, 13(4), 26(1986)、T.P.Gill et al, Inorg. Chem.,19,3007(1980)、D. Astruc, Acc. Chem. Res.,19(12),377(1896)、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal, J. Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis etal, J. Pholymer Sci.,Polymer Chem. Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal, J.Photochem.,36, 85, 39, 317(1987)、 B.Amit etal, Tetrahedron Lett., (24)2205(1973)、 D.H.R. Barton etal, J.Chem Soc.,3571(1965)、P.M.Collins etal, J.Chem.SoC.,PerkinI,1695(1975)、 M. Rudinstein etal, Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker etal J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman etal, J. Imaging Technol., 11(4), 191(1985)、 H.M.Houlihan etal, Macormolecules, 21, 2001(1988)、 P.M. Collins etal, J. Chem. Soc., Chem. Commun.,532(1972)、S.Hayase etal, Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanetal,J.Electrochem.Soc.,SolidStateSci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、 欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、 米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等に記載の0−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA etal, Polymer Preprints Japan,35(8)、G. Berner etal, J.Rad.Curing,13(4)、 W.J.Mijs etal, Coating Technol., 55(697), 45(1983), Akzo、H.Adachi etal, Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774 号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特開平3-140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
【0107】
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、たとえば、M. E. Woodhouse etal, J. Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S.P.Pappas etal, J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo etal, Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y. Yamadaetal, Makromol. Chem.,152, 153, 163(1972)、J.V.Crivello etal, J. PolymerSci.,Polymer Chem. Ed., 17, 3845(1979)、米国特許第3,849,137号、獨国特許第3914407、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038 、特開昭63-163452号、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0108】
さらにV.N.R.Pillai, Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al, Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al, J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0109】
上記活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に併用できるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0110】
【化42】
Figure 0004190141
【0111】
式中、R201は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3をしめす。Yは塩素原子または臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0112】
【化43】
Figure 0004190141
【0113】
【化44】
Figure 0004190141
【0114】
【化45】
Figure 0004190141
【0115】
(2)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0116】
【化46】
Figure 0004190141
【0117】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例として以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
【化47】
Figure 0004190141
【0119】
【化48】
Figure 0004190141
【0120】
【化49】
Figure 0004190141
【0121】
【化50】
Figure 0004190141
【0122】
【化51】
Figure 0004190141
【0123】
【化52】
Figure 0004190141
【0124】
(3)下記一般式(PAG7)で示されるジアゾジスルホン誘導体化合物。
(PAG7)
【0125】
【化53】
Figure 0004190141
【0126】
ここでR21、R22は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していても良いアリール基を表す。
ここでアルキル基としては、炭素数が1〜20までの直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基もしくはシクロヘキシル基が好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10の置換基を有していても良いアリール基が好ましい。ここで置換基としては、メチル基、エチル基、、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アセチル基などが挙げられる。
【0127】
ジアゾジスルフォン誘導体化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
ビス(メチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ヘプチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(オクチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ノニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(デシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ドデシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ベンジルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−クロロベンジルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロベンジルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2、4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2、5−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3、4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2、4、6−トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジフルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4、6−トリフルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−ニトロフェニルスルホニル)ジアゾメタン
【0128】
(4)下記一般式(PAG8)で示されるジアゾケトスルホン誘導体化合物。
(PAG8)
【0129】
【化54】
Figure 0004190141
【0130】
ここで、R21,R22としてはPAG7のものと同義である。
ジアゾケトスルフォン誘導体化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0131】
メチルスルホニルーベンゾイルージアゾメタン、エチルスルホニルーベンゾイルージアゾメタン、メチルスルホニルー4−ブロモベンゾイルージアゾメタン、エチルスルホニルー4−ブロモベンゾイルージアゾメタン、フェニルスルホニルーベンゾイルージアゾメタン、フェニルスルホニルー2−メチルフェニルージアゾメタン、フェニルスルホニルー3−メチルフェニルージアゾメタン、フェニルスルホニルー4−メチルフェニルージアゾメタン、フェニルスルホニルー3−メトキシフェニルージアゾメタン、フェニルスルホニルー4−メトキシフェニルージアゾメタン、フェニルスルホニルー3−クロロベンゾイルージアゾメタン、フェニルスルホニルー4−クロロフェニルージアゾメタン、トリルスルホニルー3−クロロベンゾイルージアゾメタン、トリルスルホニルー4−クロロフェニルージアゾメタン、フェニルスルホニルー4−フルオロフェニルージアゾメタン、トリルスルホニルー4−フルオロフェニルージアゾメタン
【0132】
上記の中でも、活性光線または放射線の照射により分解して有機スルホン酸を発生する化合物が好適に使用できる。ここで、有機スルホン酸としては、有機基を有するスルホン酸であり、その有機基としては、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、置換基を有していても良いナフチル基等が挙げられる。その置換基としては、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子が挙げられる。有機基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、t−アミル基、s−アミル基、n−ヘキシル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、クロロエチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロオクチル基等の置換アルキル基、フェニル基、トシル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等の置換フェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、メトキシナフチル基、クロロフェニル基、ブロモナフチル基、ヨードナフチル基等の置換ナフチル基が挙げられる。この有機基の中でもフッ素原子を有する基が特に好ましい。
【0133】
一般式[sI]または[sII]で表される化合物は、例えば対応するCl- 塩(一般式[sI]または[sII]でX- をCl- で置換した化合物)と、X- +で表わされる(X- は一般式[sI]または[sII]の場合と同義、Y+はH+、Na+、K+、NH4 + 、N(CH34 +等のカチオンを示す。)とを水溶液中で塩交換させることにより合成できる。なお、上記の塩化物以外にも水酸化物、あるいは、メタンスルフォン酸塩も同様な塩交換が可能である。
【0134】
(B)成分である光酸発生剤(特に好ましくは一般式[sI]または[sII]で表される光酸発生剤)の組成物中の添加量は、ポジ型フォトレジスト組成物の全固形分中、0.01〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜15重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%である。0.01重量%未満では、低感度化が生じ、20重量%を超えると光学吸収が過度に上がり、やはり低感度化、プロファイル劣化、低解像力化の問題が生じる。
【0135】
上述の併用可能な光酸発生剤の組成物中の添加量は、ポジ型フォトレジスト組成物中の光酸発生剤全量に対して通常80重量%以下であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下がよい。
【0136】
(C)界面活性剤
本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤、ノニオン系界面活性剤の少なくとも1種の界面活性剤を含有する。中でもフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤が特に好ましい。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-226745号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7-230165号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開平9-5988号、米国特許5405720号、同5360692号、同5529881号、同5296330号、同5436098号、同5576143号、同5294511号、同5824451号記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0137】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。
(C)界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、通常0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0138】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、(D)有機塩基性化合物を含有することが好ましい。これにより経時での感度変動が軽減される。
有機塩基性化合物としては、以下の構造を有する化合物が挙げられる。
【0139】
【化55】
Figure 0004190141
【0140】
ここで、R250、R251およびR252は、同一または異なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基または炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結合して環を形成してもよい。
【0141】
【化56】
Figure 0004190141
【0142】
(式中、R253、R254、R255およびR256は、同一または異なり、炭素数1〜6のアルキル基を示す)
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0143】
好ましい具体的化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデカ−7−エン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−ベンジルモルホリン、シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア(CHMETU)等の3級モルホリン誘導体、特開平11−52575号公報に記載のヒンダードアミン類(例えば該公報〔0005〕に記載のもの)等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0144】
特に好ましい具体例は、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、4,4−ジメチルイミダゾリン、ピロール類、ピラゾール類、イミダゾール類、ピリダジン類、ピリミジン類、CHMETU等の3級モルホリン類、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート等のヒンダードアミン類等を挙げることができる。
【0145】
中でも、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、CHMETU、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲートが好ましい。
【0146】
これらの有機塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。有機塩基性化合物の使用量は、レジスト組成物の全固形分に対し、通常、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。0.001重量%未満では上記有機塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10重量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0147】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、上記(A)成分,(B)成分を溶解する溶剤を含有する。その溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、γ−プチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシプロピオン酸アルキル類、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のピルビン酸アルキルエステル類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド等から選ばれる少なくとも1種の溶剤を用いて塗布される。
【0148】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物には、必要に応じて更に酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、上記以外の界面活性剤、光増感剤、および現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
【0149】
本発明のこのようなポジ型フォトレジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗膜の膜厚は50nm〜1500nmが好ましい。
上記組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられ、特にArFエキシマレーザー(193nm)が好ましい。
【0150】
本発明の遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0151】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物によるレジストを2層レジストの上層レジストとして使用する場合、上層レジストパターンを保護マスクとして下層の有機高分子膜の酸素プラズマによるエッチングが行なわれるが、この上層レジストは酸素プラズマに対する十分な耐性を有する。本発明のポジ型フォトレジスト組成物の酸素プラズマ耐性は上層レジストのシリコン含有量や、エッチング装置、及びエッチング条件にも依存するが、エッチング選択比(下層と上層レジストとのエッチング速度比)は10〜100と充分大きく取ることができる。
【0152】
また、本発明のポジ型フォトレジスト組成物によるパターン形成方法においては、まず、被加工基板上に有機高分子膜を形成する。この有機高分子膜は各種公知のフォトレジストでよく、たとえば、フジフィルムオーリン社製FHシリーズ、FHiシリーズあるいはオーリン社製OiRシリーズ、住友化学社製PFIシリーズの各シリーズを例示することができる。この有機高分子膜の形成は、これらを適当な溶剤に溶解させ、得られる溶液をスピンコ一ト法、スプレイ法等により塗布することにより行なわれる。次いで、上記有機高分子膜の第1層上に、本発明のポジ型フォトレジスト組成物の膜を形成する。これは第1層と同様にレジスト材料を適当な溶剤に溶解させ、得られる溶液をスピンコート法、スプレイ法等により塗布することにより行なわれる。
得られた2層レジストは次にパターン形成工程に付されるが、その第1段階として、まず第2層、すなわち上層のフォトレジスト組成物の膜にパターン形成処理を行なう。必要に応じてマスク合わせを行ない、このマスクを通して高エネルギー線を照射することにより、照射部分のフォトレジスト組成物をアルカリ水溶液に可溶とし、アルカリ水溶液で現像してパターンを形成する。
【0153】
次いで、第2段階として有機高分子膜のエッチングを行なうが、この操作は上記のレジスト組成物の膜のパターンをマスクとして酸素プラズマエッチングにより実施し、アスペクト比の高い微細なパターンを形成する。この酸素プラズマエッチングによる有機高分子膜のエッチングは、従来のホトエッチング操作による基板のエッチング加工の終了後に行なわれるレジスト膜の剥離の際に利用されるプラズマアッシングとまったく同一の技術である。この操作は、例えば円筒形プラズマエッチング装置、平行平坂形プラズマエッチング装置により、反応性ガス、すなわちエッチングガスとして酸素を使用して実施することができる。
さらに、このレジストパターンをマスクとして基板の加工が行なわれるが、加工法としてはスパッタエッチング、ガスプラズマエッチング、イオンビームエッチング等のドライエッチング法を利用することができる。
【0154】
本発明のレジスト膜を含む2層膜レジスト法によるエッチング処理は、レジスト膜の剥離操作によって完了する。このレジスト層の剥離は単に第1層の有機高分子材料の溶解処理によって実施することができる。この有機高分子材料は任意のフォトレジストであり、かつ、上記フォトエッチング操作においてなんら変質(硬化等)されていないので、各公知のフォトレジスト自体の有機溶媒を使用することができる。あるいは、プラズマエッチング等の処理により、溶媒を使用することなく剥離することも可能である。
【0155】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1(光酸発生剤[sI−3]の合成)
t−アミルべンゼン60g、ヨウ素酸カリウム39.5g、無水酢酸81g、ジクロロメタン170mlを混合し、氷浴にて冷却しながら濃硫酸66.8gを2時間かけて滴下した。反応液をそのまま2時間攪拌した後、室温で1晩攪拌、反応を完結させた。
反応終了後、氷浴にて冷却しながら反応液に蒸留水50mlを滴下し、抽出、有機層を水、重曹水、水で洗浄、得られた有機層を濃縮し、ジ(t−アミルフェニル)ヨードニウム硫酸塩を40g得た。
得られた硫酸塩とヘプタデカフルオロオクタンスルフォン酸カリウム塩を塩交換反応することにより、目的物である[sI−3]を得た。
【0156】
合成例2(光酸発生剤[sI−6]の合成)
n−オクチルフェニルエーテル90g、ヨウ素酸カリウム39.5g、無水酢酸81g、ジクロロメタン180mLを混合し、氷浴にて冷却しながら濃硫酸66.8gを2時間かけて滴下した。反応液をそのまま2時間攪拌した後、室温で1晩攪拌、反応を完結させた。
反応終了後、氷浴にて冷却しながら反応液に蒸留水50mLを滴下し、抽出、有機層を水、重曹水、水で洗浄、得られた有機層を濃縮し、ジ(n−オクチロキシフェニル)ヨードニウム硫酸塩を45g得た。
得られた硫酸塩とヘプタデカフルオロオクタンスルフォン酸カリウム塩を塩交換反応することにより、目的物である[sI−6]を得た。
【0157】
合成例3(光酸発生剤[sI−9]の合成)
合成例(1)で得たジ(t−アミルフェニル)ヨードニウム硫酸塩とペンタフルオロべンゼンスルフォン酸ナトリウムを塩交換することにより目的物である[sI−9]を合成した。
【0158】
合成例4(光酸発生剤[sI−5]の合成)
ヨードベンゼン40gに対し、過酢酸91gをゆっくりと滴下し、反応液を30℃で2時間攪拌した。白色の粉体が折出してきたら、氷で冷やし、析出物を濾取し、ヨードソベンゼンジアセテートを38g回収した。
この様にして得た、ヨードソベンゼンジアセテート50gとオクチルフェニルエーテル30g、無水酢酸70g、氷酢酸725mLを混合し、氷浴にて冷却しながら濃硫酸8gを1時間かけて滴下した。1時間後NaBr31gを150mLに溶かした水溶液を滴下し、析出した白色の粉体である、ヨードニウムブロミド塩42gを回収した。
得られたヨードニウムブロミド塩とトリフルオロメタンスルフォン酸塩を塩交換し目的物である[sI−5]を得た。
【0159】
合成例5(光酸発生剤[sII−3]の合成)
ジフェニルスルフォキシド50gをメシチレン800mLに溶解させ、ここに塩化アルミニウム200gを添加し、これを24時間80℃で攪拌した。反応終了後、反応液を氷2Lにゆっくりとそそぎ込んだ。ここに濃塩酸400mLを加え70℃で10分加熱した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルで洗浄し、濾過した。濾液に、ヨウ化アンモニウム200gを蒸留水400mLに溶かしたものを加えた。析出した粉体を濾取、水洗、酢酸エチルで洗浄、乾燥し、スルフォニウムヨージド72gを得た。
得られたスルフォニウムヨージド50gをメタノール300mLに溶解し、これに酸化銀31gを加えて、4時間攪拌した。反応液を濾過した後、ヘプタデカフルオロオクタンスルフォン酸カリウム塩と塩交換し、目的物である[sII−3]40gを回収した。
【0160】
合成例6(光酸発生剤[sII−2]の合成)
合成例(5)のメシチレンの代りにオクチルベンゼンを使用して、対応する、スルフォニウムヨージドを合成した後、合成例(5)と同様の方法でトリフルオロメタンスルフォン酸カリウム塩と塩交換し合成例(5)と同様にして[sII−2]を合成した。
【0161】
合成例7(光酸発生剤[sII−8])
合成例(5)のメシチレンの代わりにオクチルオキシベンゼンを用いて、対応する、スルフォニウムヨージドを合成した後、合成例(5)と同様の方法でノナフルオロブタンスルフォン酸カリウム塩と塩交換し目的物である[sII−8]を得た。
【0162】
合成例8(光酸発生剤[sII−14]の合成)
ジフェニルスルフォキシド50gと2,6−キシレノール45gにメタンスルフォン酸/五酸化二リン(10/1)溶液を100mL加えた。発熱がおさまった後、50℃で4時間加熱した。反応終了後、反応液を氷に注いだ。この水溶液をトルエンで洗浄、濾過した後、ヨウ化アンモニウム200gを400mLの蒸留水に溶解した水溶液を加え、析出した粉体を濾取した。得られた濾物を水洗、乾燥しスルフォニウムヨージドを得た。
得られたスルフォニウムヨージド50gをメタノール300mLに溶解し、これに酸化銀31gを加えて、4時間攪拌した。反応液を濾過した後、へプタデカフルオロオクタンスルフォン酸カリウム塩と塩交換し、目的物である[sII−14]43gを回収した。
【0163】
〔樹脂の合成〕
合成例1(樹脂(1−1)の合成)
トリメチルアリルシラン11.4g、無水マレイン酸6.8g、ジーt−アミルフマレート12.8gを乾燥THF34gに加えた後、窒素気流下65℃に加熱した。 反応温度が安定したところで和光純薬(株)製開始剤V−65を前記モノマーの総モル数の10mol%加え反応を開始させた。 6時間反応させた後、反応混合物をTHFで2倍に希釈した後、大量のヘキサン中に投入し、白色粉体を析出させた。 次に残存モノマーおよび低分子成分の低減のため、析出した粉体をアセトンに溶解した後、そこへ少しづつヘキサンを添加するようにしてポリマーを沈殿させ、ついで減圧で乾燥を行い、樹脂(1−1)を得た。 得られた樹脂の分子量はGPC測定の結果、ポリスチレンを標準サンプルとして重量平均で7600であり、分子量1000以下の成分の含有量はGPCの面積比で2%であった。
【0164】
合成例2(樹脂(1−2)〜(1−9)の合成)
合成例1と同様の合成法にて樹脂(1−2)〜(1−9)を合成した。
樹脂(1−1)〜(1−9)の各繰り返し単位のモル比率と構造式を以下に示す。
【0165】
【化57】
Figure 0004190141
【0166】
【化58】
Figure 0004190141
【0167】
合成例3(樹脂(2−1)の合成)
トリメチルアリルシラン11.4g、無水マレイン酸9.8g、t−アミルアクリレート7.1gを乾燥THF34gに加えた後、窒素気流下65℃に加熱した。反応温度が安定したところで和光純薬工業(株)製重合開始剤V−65を前記モノマーの総モル数の10モル%加え反応を開始させた。
6時間反応させた後、反応混合物をTHFで2倍に希釈した後、大量のヘキサン中に投入し、白色粉体を析出させた。次に残存モノマーおよび低分子成分を低減のため、析出した粉体をアセトンに溶解した後、そこへ少しずつヘキサンを添加する様にしてポリマーを析出ささせた。下層に沈殿したポリマーを再度アセトンに溶解した後、大量のヘキサン中に投入して白色粉体を析出させた。 白色ポリマーを濾過により回収した後、減圧乾燥を行い、樹脂(2−1)を得た。
得られた樹脂(2−1)の分子量はGPC測定の結果、ポリスチレンを標準サンプルとして重量平均で5600であり、分子量1000以下の成分の含有量はGPCの面積比で4%であった。
【0168】
合成例4(樹脂(2−2)〜(2−9)の合成)
合成例3と同様の合成法にて樹脂(2−2)〜(2−9)を合成した。
樹脂(2−1)〜(2−9)の各繰り返し単位のモル比率と構造式を以下に示す。
【0169】
【化59】
Figure 0004190141
【0170】
【化60】
Figure 0004190141
【0171】
合成例5(樹脂(A):無水マレイン酸/t−ブチルアクリレート/アリルトリメチルシラン共重合体の合成)
合成例3における樹脂(2−1)の合成において、t−アミルアクリレート7.1gの代わりにt−ブチルアクリレート6.4gを用いた以外は合成例3と同様にして無水マレイン酸/t−ブチルアクリレート/アリルトリメチルシラン共重合体(樹脂(A))を合成した。
得られた樹脂(A)の分子量は10200であり、分子量1000以下の成分の含有量はGPCの面積比で2%であった。
【0172】
〔実施例〕:
(A)成分として下記表1に記載の樹脂 2g、
下記表1に記載の(B)光酸発生剤 0.12g、および
下記表1に記載の(C)成分としての界面活性剤 0.003g
下記表1に記載の(D)成分としての有機塩基性化合物 0.004g、
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.2gに溶解し、 0.1μmのメンブレンフィルターで精密ろ過して、ポジ型フォトレジスト溶液を得た。
【0173】
〔比較例〕
表2に示すように、下記有機塩基性化合物及び/又はフッ素系、シリコン系又はノニオン系界面活性剤を除いたり、オニウム塩以外の光酸発生剤を用いた以外は、実施例と全く同じにしてポジ型フォトレジスト組成物を調整した。
【0174】
【表1】
Figure 0004190141
【0175】
【表2】
Figure 0004190141
【0176】
また、界面活性剤としては、
1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
(フッ素及びシリコン系)
3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
を表す。
有機塩基性化合物1:DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)
有機塩基性化合物2:TPI(2,4,5−トリフェニルイミダゾール)
【0177】
シリコンウエハーにFHi−028Dレジスト(フジフイルムオーリン社製、i線用レジスト)をキャノン製コーターCDS−650を用いて塗布し、90℃、90秒ベークして膜厚0.83μmの均一膜を得た。これをさらに200℃、3分加熱したところ膜厚は0.71μmとなった。この上に上記で調整したポジ型フォトレジスト組成物溶液を塗布、135℃、90秒ベークして80nmの膜厚で塗設した。
こうして得られたウェハーをISI社製ArFエキシマレーザーステッパーに解像力マスクを装填して露光量と焦点を変化させながら露光した。その後クリーンルーム内で125℃、90秒加熱した後、まず脱イオン水をレジスト膜上に60秒間のせた。その後それを除き、再度FHD−5(テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド現像液(2.38重量%))で60秒間現像した。その後、蒸留水でリンス、乾燥してパターンを得て、走査型電子顕微鏡で観察した。上記のように処理して、以下のように、感度、パーティクルの発生数、経時保存時のパーティクルの増加数、疎密依存性について評価した。
【0178】
〔パーティクル数と経時保存後のパーティクルの増加数〕:上記のように調製したポジ型フォトレジスト組成物溶液(塗液)について調液直後(パーティクル初期値)と、4℃で1週間放置した後(経時後のパーティクル数)の液中のパーティクル数を、リオン社製、パーティクルカウンターにてカウントした。パーティクル初期値とともに、(経時後のパーティクル数)―(パーティクル初期値)で計算されるパーティクル増加数を評価した。
〔感度〕:0.15μmのマスクパターンを再現する最低露光量(mJ/cm2)をもって定義し、実施例1のその最低露光量を1とした相対露光量として表した。
〔感度変動率〕:上記のように調製したポジ型フォトレジスト組成物溶液(塗液)について調液直後の感度(保存前の露光量)を上記のように評価し、上記組成物溶液を4℃で1週間放置した後の感度(保存後の露光量)を評価し、下記式により感度変動率を評価した。
感度変動率(%)=|(保存前の露光量)−(保存後の露光量)|/(保存前の露光量)×100
【0179】
〔疎密依存性〕:線幅0.15μmのラインアンドスペースパターン(密パターン)と孤立ラインパターン(疎パターン)において、それぞれ0.15μm±10%を許容する焦点深度の重なり範囲を求めた。この範囲が大きい程疎密依存性が良好なことを示す。
上記評価結果を表3及び4に示す。
【0180】
【表3】
Figure 0004190141
【0181】
【表4】
Figure 0004190141
【0182】
上記結果におけるように、本発明の組成物は、評価項目全てにおいて優れた性能を示した。
【0183】
【発明の効果】
本発明の遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物は、特に170nm〜220nmの範囲の遠紫外の波長領域の光に対して好適に適用され、高感度で、かつ組成物溶液の経時保存安定性が改良され、更に疎密依存性に優れる。

Claims (6)

  1. (A)下記一般式 (IIa) で表される繰り返し単位と下記一般式 (II ) で表される繰り返し単位の少なくともいずれか、下記一般式(I)で表される繰り返し単位、及び、下記一般式 (III) で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(但し、不飽和カルボン酸無水物から導かれる繰り返し単位、一般式(1)で表される繰り返し単位、一般式(2)で表される繰り返し単位を含有するコポリマーを除く)
    (B)活性光線または放射線の照射により酸を発生するオニウム塩化合物、及び
    (C)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤のうち少なくとも1種を含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
    一般式(I)
    Figure 0004190141
    式(I)中、R1〜R3は、それぞれ独立にアルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、トリアルキルシリル基、又はトリアルキルシリルオキシ基を表す。nは0または1を表す。
    一般式(IIa)
    Figure 0004190141
    式(IIa)中、Yは水素原子、メチル基、シアノ基、塩素原子から選ばれる基を表す。Lは単結合もしくは2価の連結基を表す。Qは炭素数5以上20以下の3級アルキル基、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基、又はイソボロニル基を表す。
    一般式 (IIb)
    Figure 0004190141
    式(IIb)中、X1とX2は、それぞれ独立に酸素原子、イオウ原子、−NH−、−NHSO2−から選ばれた基を表す。L1とL2は、それぞれ独立に単結合もしくは2価の連結基を表す。A1は、−Q又は−COOQを表すが、X1が酸素原子で、L1が単結合を表す場合にはA1は−Qを表す。A2は水素原子、−COOH、―COOR'、−CO−NH−R''、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良い環状炭化水素基、−Q又は−COOQを表す(ここでR'、R''はそれぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表す。)。Qは炭素数5以上20以下の3級アルキル基、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基、又はイソボロニル基を表す。
    一般式 (III)
    Figure 0004190141
    (III) 中、Zは酸素原子、又はN−R 3 を表す。R 3 は水素原子、水酸基、直鎖または分岐を有するアルキル基あるいは―O―SO 2 −R 4 を表す。R 4 はアルキル基、トリハロメチル基を表す。
    Figure 0004190141
    式(2)中、R 1a は、水素原子、またはメチル基を表し、R 2a は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
  2. (B)成分としてのオニウム塩化合物が、下記一般式〔sI〕又は一般式〔sII〕で表される、活性光線又は放射線の照射により酸を発生するオニウム塩化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
    Figure 0004190141
    式〔sI〕、〔sII〕中、Rs1 〜Rs5 は、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基を表す。
    a:1〜5、
    b:1〜5、
    l:1〜5、
    m:0〜5、
    n:0〜5を表す。
    Rs1 〜Rs5 の各々で表される基が複数存在するとき、複数の基は同じでも異なっていてもよい。
    但し、式〔sI〕中、Rs1 及びRs2 で表される基の少なくともひとつは、炭素数5個以上の、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基又は置換基を有していてもよいアシロキシ基を表す。
    また、式〔sII〕において、l+m+n=1の時、Rs3 は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、又は置換基を有していてもよいアシロキシ基を表す。
    -は、R−SO3 - 、を表す。Rは、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。
  3. 請求項2のオニウム塩化合物において、Rがフッ素化脂肪族炭化水素基またはフッ素化芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項2に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
  4. 請求項2のオニウム塩化合物において、Rがノナフルオロブチル基であることを特徴とする請求項2に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
  5. (D)有機塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型フォトレジスト組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型フォトレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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