JP4190072B2 - 油補給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理用油を介して食材を加熱する加熱調理器に用いられ、調理用油を加熱調理器に補給する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、調理用油(以下、単に油と呼ぶ)を用いた加熱調理器としては、例えばファーストフード店等の外食産業において油揚げ物料理に使用する業務用フライヤーが知られている。このフライヤーでは、加熱制御により油槽内に満たされた油を所定温度範囲内に維持し、この高温の油槽内にポテト等の食材を投入して調理する。
その際、食材は油を吸収し、また油は加熱されることにより蒸発するため、油槽内の油は減少する。
油槽内の油が減少した状態で食材を投入する時、油槽内の油温の降下が大きくなり、おいしく調理することができないので、油を補給する必要がある。そこで、望ましい油量を油面の高さで示すために油槽壁には水平の油面管理線が記されている。油面がこの線より下がると、使用者は油を補給する。
また、ポテトやチキンのような食材には動物性の油脂を使うとおいしく調理できることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、動物性の油脂は固体で、これを加熱調理器の油槽へ補給すると、固形油が液化する際に融解熱として熱量を吸収するので、油槽内の油温が降下し、望ましい温度に復帰するためにはかなりの加熱時間を要した。
しかも、一斗缶に入った固形油をスコップですくって油槽へ投入するというような方法で補給しているため、少量ずつ油を補給するのが面倒であり、1度に多くの固形油を投入し、同様に油槽内の油温を降下させていた。
また、補給のタイミングは使用者の勘に任されるため、油槽内の油が減少し過ぎているのにもかかわらず補給せずに調理を継続する場合もあり、食材投入時の油温降下が大きくなって調理の品質を落としていた。しかも、油槽の面積が大きい場合において油面の高さはあまり変わらないので、油面管理線では減少量が分かりにくく、補給のタイミングを知ることは更に難解だった。例えば油槽の面積が1250cm2で油が500cc減少すると、油面はたった4mmしか下がらず分かりにくい。
また、加熱調理器の周囲に油を保管しておく場所が無い場合、油の補給の都度、加熱調理器とは離れた場所からわざわざ油を運ばなくてはならなかった。
また、固形油を補給する際に、油槽内の高温の油が飛び跳ねて使用者が火傷する危険性があった。
本発明の油補給装置は上記課題を解決し、固形油の補給を簡易に行うことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の油補給装置は、
上部が開口された油槽を有し、当該油槽内の調理用固形油を加熱・液化して高温の調理用油とするとともに、上記開口から油槽内に食材を投入して加熱調理する加熱調理器に用いられる油補給装置において、
補給用の調理用固形油を収納する補給タンクと、
上記補給タンクを加熱して調理用固形油を液化する加熱手段と、
上記液化した調理用油を上記補給タンクから上記油槽へ補給する補給路とを備え、
上記加熱調理器の上方に上記補給タンクを設置し、当該補給タンクを少なくとも上記加熱調理器の排気熱によって加熱することを要旨とする。
【0005】
また、本発明の請求項2記載の油補給装置は、上記請求項1記載の油補給装置において、
上記補給タンク内の調理用油の温度を検出する補給タンク温度検出手段と、
該温度が所定範囲に保持されるように上記加熱手段を制御する制御装置と
を備えることを要旨とする。
【0006】
また、本発明の請求項3記載の油補給装置は、上記請求項1又は2記載の油補給装置において、
上記加熱調理器の上方に上記補給タンクを設置することを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項4記載の油補給装置は、上記請求項1ないし3のいずれかに記載の油補給装置において、
上記油槽内の調理用油の減少を検知する減少検知手段を設けることを要旨とする。
【0009】
また、本発明の請求項5記載の油補給装置は、上記請求項4記載の油補給装置において、
上記油槽内の調理用油の温度を検出する油槽温度検出手段を備え、
上記検出した調理用油の温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、上記調理用油の減少量を推定することを要旨とする。
【0010】
また、本発明の請求項6記載の油補給装置は、上記請求項4記載の油補給装置において、
上記加熱調理器から排出される燃焼排気の温度を検出する排気温度検出手段を備え、
上記検出した排気温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、上記調理用油の減少量を推定することを要旨とする。
【0011】
また、本発明の請求項7記載の油補給装置は、上記請求項4ないし6のいずれかに記載の油補給装置において、
上記油槽内の調理用油の温度を検出する油槽温度検出手段と、
上記油槽内の調理用油の加熱時間を図る計時手段と
を備え、
上記油槽内の調理用油の減少量を該加熱時間に基づいて推測することを要旨とする。
【0012】
また、本発明の請求項8記載の油補給装置は、上記請求項1ないし7のいずれかに記載の油補給装置において、
補給用の調理用油を所定量ずつ補給することを要旨とする。
【0013】
また、本発明の請求項9記載の油補給装置は、上記請求項4ないし7のいずれかに記載の油補給装置において、
上記油槽内の調理用油の減少の検知に基づいて自動的に補給用の調理用油を所定量ずつ補給することを要旨とする。
【0014】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の油補給装置は、補給用の固形油が収納された補給タンクを加熱して油を液化させ、液化した油を補給路を介して油槽へ導き容易に補給することができる。また、加熱調理器の排気熱を利用して補給タンク内の油を加熱し液化させ、経済的に補給することができる。
【0015】
また、本発明の請求項2記載の油補給装置は、補給タンク内の温度を検出し、所定範囲の温度に保持する制御装置を備えることによって、補給タンク内の油は加熱され過ぎず劣化を抑制することができる。
【0016】
また、本発明の請求項3記載の油補給装置は、補給タンクを加熱調理器の上方に設置することによって、補給タンクから下方の加熱調理器へ液体の油を他の動力を用いず重力のみによって供給することができる。
【0018】
また、本発明の請求項4記載の油補給装置は、油槽内の油の減少を検知することにより、例えば、使用者に補給時期を報知して油が減少し過ぎる前に補給を促したり、油の減少の検知に基づいて自動的に所定量ずつ補給する制御装置を以て補給して調理の品質を向上することができる。
【0019】
また、本発明の請求項5記載の油補給装置は、検出した油槽内の油の温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、油の減少量を推定する。つまり、食材を投入した場合には油の温度が急激に低下するため、例えば、油温の下降勾配や温度低下の継続時間等により食材の投入を判断でき、一方、油の減少量は食材の投入回数に比例することから、油の温度推移に基づいて油の減少量を推定することができる。
従って直接的に油の減少量を計測する必要がない。
【0020】
また、本発明の請求項6記載の油補給装置は、検出した排気温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、油の減少量を推定する。つまり、食材を投入した場合には油の温度が急激に低下するため、油槽の油温を適温に保つよう加熱動作し、加熱時間が長くなることから、この排気温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、油の減少量を推定することができる。
従って直接的に油の減少量を計測する必要がない。
【0021】
また、本発明の請求項7記載の油補給装置は、油槽内の油の加熱時間を計って油の蒸発量を算出するため、油の減少量を推測することができる。
【0022】
また、本発明の請求項8記載の油補給装置は、油槽に補給用の油を所定量ずつ補給することにより、1度に大量の油が投入されることはなく、油槽内の油温が急降下することを防止して調理の品質を向上することができる。
【0023】
また、本発明の請求項9記載の油補給装置は、油槽に補給用の油を自動的に所定量ずつ補給することにより、補給作業を大幅に削減することができ、また使用者の勘に頼ること無く油槽内の油量を管理し調理状態を常に一定にして調理の品質を向上することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の油補給装置の好適な実施形態について説明する。
【0025】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態としての油補給装置を備えたフライヤーを図1に示す。
まず始めにフライヤーについて説明する。
【0026】
フライヤー1は、食材を揚げるための油が満たされる油槽10と、この油槽10内の油を加熱するためのパルス燃焼器30と、油を濾過するためのオイルクリーナー40とからなり、これらが本体ケース31内に収納される。このパルス燃焼器30は、油槽10内に設けられパルス燃焼が行われる燃焼室12と、燃焼室12からの高温の燃焼排気の排出通路となるテールパイプ13と、テールパイプ13の下流側に設けられるデカプラ14と、デカプラ14の下流側に設けられる排気管32とで燃焼排気系が構成される。
【0027】
また、燃焼室12への空気供給系としては、本体ケース31底面の給気口(図示しない)から燃焼用空気を吸い込む送風機16と、送風機16から吸い込まれた燃焼用空気の導管である給気管33と、燃焼室12に隣接して設けられ給気管33により導かれた燃焼用空気が供給されるエアチャンバ18とからなる。
【0028】
一方、燃料ガス供給系としては、本体ケース31下部に設けられるガス導管19と、燃料ガス流路の開閉を司る電磁弁20、21と、ガス圧を調整するガスガバナ22と、エアチャンバ18内に設けられるガスチャンバ23とからなる。
【0029】
エアチャンバ18内には、ガスチャンバ23の他に燃焼室12に連通する円筒形の混合室34が設けられる。この混合室34には、その軸心から離れた位置に円筒形の開口部35が形成されており、その軸心に沿ってガスチャンバ23に連通するL字状のガス供給管36先端部が挿通される。従って、開口部35の中心から燃料ガスが、その回りから燃焼用空気が混合室34内に供給されるように構成されている。
【0030】
混合室34と燃焼室12とは円孔37により連通されるが、その円孔には逆火を防止する図示しないフレームトラップが装着される。また、燃焼室12には、図示しない点火プラグと炎検出素子とが設けられる。
【0031】
燃焼制御装置50は、本体ケース31の前面下部に設けパルス燃焼の制御を司る電装品が収納された電装ボックス51と油槽10内に取り付けた温度センサー52とを備え、温度センサー52の信号に基づいて油槽10内の油温を所定範囲(例えば180〜182℃)に維持するように、電磁弁20、21を開閉して燃焼と燃焼停止とを切り換える(オン、オフ制御を行う)。
【0032】
オイルクリーナー40は、油槽10底部に接続された排油管(図示しない)の下に設けられるオイルタンク42と、オイルタンク42の底部やや上方で面状に張られたオイルフィルタ(図示しない)と、オイルフィルタを通過した油を汲み上げて油槽10に戻すオイルポンプ44と、この循環路を形成するオイル配管45とからなる。油槽10内の油をこしたい場合には、排油管に設けられた排油バルブ(図示しない)を開いて油をオイルタンク42に移し、オイルポンプ44を駆動してオイルフィルタを通過した油を油槽10に戻すのである。
【0033】
次に油補給装置について説明する。
油補給装置60は、フライヤー1の背部上方にメインタンク62を設け、1日の補給に必要な固形油(例えば5リットル〜10リットル)を収納する。また、メインタンク62の内壁にフッ素コーティングを施す。
メインタンク62の底面にはシーズヒーター80を設け、メインタンク62内の油を加熱し液化させる。
【0034】
メインタンク62の後方には内径の小さな(例えばφ10mm)補給管64を設け、補給管64には補給管64を開閉するボールバルブ66がレバー66aと共にメインタンク62に接近して設けられている。手動によりレバー66aを下へ回動してボールバルブ66を開弁するとメインタンク62内の液体の油は補給管64を介してフライヤー1の油槽10へ供給される。但し、補給時以外はレバー66aを水平状態にし、ボールバルブ66を閉弁しておく。
メインタンク62の底面を補給管64に近いほど低い位置に傾斜して形成し、油を補給管64へ円滑に導いている。
【0035】
メインタンク62の後方には電装基板82が設けられ、メインタンク62内に取り付けたサーミスター84の信号に基づいてメインタンク62内の油温を所定範囲(例えば、ショートニング等の固形油の融点は40〜50℃なので、それより高温である60〜80℃)に維持するように、シーズヒーター80を制御している。
ところで、油は調理時に食材の揚げカスによって汚染され劣化が急速に進行するが、メインタンク62内には食材が投入されることはないため、メインタンク62内の油の劣化は、調理時の劣化とは比較にならない程少なく、しかも保温温度を比較的低温で制御されているため劣化の進行はかなり遅い。
【0036】
上述した構成により、フライヤー1では、油槽10に油を満たし、加熱してから食材をバスケット(図示しない)に入れて油槽10内へ沈め調理を行う。油槽10内の油は、燃焼室12およびテールパイプ13の外壁の熱により加熱され、食材は、高温の油によって調理され、時間が経過すると調理が完了する。
【0037】
しかし、油槽10内の油は、食材による吸収と加熱による蒸発とによって減少するので補給する必要がある。そこで使用者は、油槽10の内壁に記された油面管理線(図示しない)よりも油面が下がったら、レバー66aを下へ回動しボールバルブ66を開弁して液体の油をメインタンク62から補給管64を介して油槽10へ補給し、油面が油面管理線に達したら、レバー66aを回動し水平状態に戻してボールバルブ66を閉弁し補給を終える。
【0038】
以上説明したように、第1実施形態の油補給装置によれば、以下のような効果を得られる。
1. 動物性の油脂は固体であるが、シーズヒーター80で加熱して液化しておき、レバー66aを回動するだけで補給量を調節できるため、固形油を補給する場合と比較して、補給する作業と補給量の管理とが容易になる。しかも補給時に油槽10内の油温が急降下することもなく、調理の品質が向上する。
2. フライヤー1の周囲に油を保管しておく場所が無くても、フライヤー1の上方は加熱される懸念がある等で何も設置されていない場合がある。この場合には、その場所に1日分の補給用の油を収納できるメインタンク62を設置することによって、補給に必要な油を運ぶ作業は1日1回で済み、人件費削減に繋がる。しかも、液体の油は重力により下方へと移動して行くため、メインタンク62から油槽10へ油を供給する際にポンプを必要としないので、装置が大型化しなく安価である。
3. メインタンク62にサーミスター84を設置しシーズヒーター80を制御しているので、メインタンク62内の油温は比較的低温の所定範囲に維持され、保温による油の劣化を抑制することができる。また、メインタンク62を経済的に加熱することができる。
4. 液体の油を補給するため、油槽10内の高温の油が飛び跳ねにくくなる。万が一油が飛び跳ねたとしても、補給管64をフライヤー1の後方に設置して使用者から遠ざけているので、火傷の心配が無くなり、安心して使用できる。
5. メインタンク62の底面は傾斜しているため、油を円滑に補給管64へ導いている。
6. メインタンク62の内壁にフッ素コーティングを施しているため、メインタンク62の清掃を頻繁に行う必要がなく、しかも清掃時にカスを簡単に除去できるので便利である。
7. 補給後に補給管64が室温に近づき冷却されても、補給管64の内径は小さく、しかもボールバルブ66をメインタンク62に接近して設けているため、補給管64内には少量の油が残留するのみで、たとえ凝固しても直ちにメインタンク62内の油によって温められ液化し、残留した固形油による補給管66の閉塞を防止できる。
【0039】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態としての油補給装置を備えたフライヤーを図2に示す。
第2実施形態においても第1実施形態で説明したフライヤー1を用いるので同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
油補給装置160は、フライヤー1の排気管32の上方にメインタンク162を設け、1日の補給に必要な固形油(例えば5リットル〜10リットル)を収納する。また、メインタンク162の内壁にフッ素コーティングを施す。
メインタンク162の底面左右両端(図面左から見て左右両端)にはシーズヒーター180を設け、メインタンク162の固形油を加熱し液化させる。また、メインタンク162の底面中央はフライヤー1の排気管32から排出された高温の燃焼排気(図中矢印)が接触することによって加熱される。
一方、メインタンク162と排気管32との上下方向中間部にサブタンク172を設ける。このサブタンク172には、補給1回分の液体の油(例えば500cc)を一時的に収納できるような容積を有する。
【0041】
メインタンク162とサブタンク172とを連通する内径の小さな(例えばφ10mm)上補給管164を設け、上補給管164には上補給管164を開閉する上電磁弁166がメインタンク162に接近して設けられている。メインタンク162内の液化した油は、上電磁弁166の開弁によりサブタンク172へ供給され、所定時間経過後に上電磁弁166を閉弁する。つまり、補給時以外では上電磁弁166は閉じられている。
一方、サブタンク172には内径の小さな(例えばφ10mm)下補給管174を設け、下補給管174には下補給管174を開閉する下電磁弁176がサブタンク172に接近して設けられている。サブタンク172内の液体の油は、下電磁弁176の開弁により下補給管174を介して油槽10へ供給され、所定時間経過後に下電磁弁176を閉弁する。つまり、補給時以外では下電磁弁176は閉じられている。
メインタンク162の底面を上補給管164に近いほど低い位置に形成し、サブタンク172の底面も下補給管174に近いほど低い位置に形成して、油を上補給管164および下補給管174へ円滑に導いている。
【0042】
メインタンク162の後方にはコントローラー182が設けられ、メインタンク162内に取り付けたサーミスター184の信号に基づいてメインタンク162内の油温を所定範囲に維持するようにシーズヒーター180を制御し、また補給時に上電磁弁166と下電磁弁176とを開閉制御している。
【0043】
上述した構成により、油補給装置160は、メインタンク162から上補給管164とサブタンク172と下補給管174とを介して油槽10へ油を補給する。
コントローラー182は、補給の時期を次のようにして計算する。
食材の投入時には油温が急降下することを利用して、油槽10内の温度センサー52によって油温を測定し油温の下降勾配が所定値以上になった時に食材が投入されたと判断し、この食材の投入回数を常時カウントしていく。油の吸収量はこの食材投入回数に比例し、例えばポテトを1回投入したら50cc吸収すると定めておく。
また、油槽10内の油温が所定温度(例えば170℃)に達してから1時間運転したら25cc蒸発すると定めておく。
食材の投入回数により求められた油の吸収量と運転時間により求められた油の蒸発量との和を累積していき、その合計消費量が所定量(ここでは500cc)に達したら油を1回補給する指令を発する。
補給の指令を受けたら、上電磁弁166を所定時間開弁することにより、メインタンク162から上補給管164を介してサブタンク172へ所定量(ここでは500cc)の油が供給され、上電磁弁166を閉弁する。
次に、下電磁弁176を所定時間開弁することにより、サブタンク172から下補給管174を介して油槽10へ油が供給され、下電磁弁176を閉弁する。つまり、サブタンク172は補給時のみ油を収納し、油を収納している間(例えば1分間)に油が凝固することはないので、サブタンク172を燃焼排気やシーズヒーター等の加熱手段を用いて加熱する必要はない。
【0044】
以上説明したように、第2実施形態の油補給装置によれば、第1実施形態の油補給装置により得られる効果に加えて以下のような効果を得られる。
1. メインタンク162を排気管32の上方に設置することによって、燃焼排気の熱を油の液化に利用でき経済的である。
2. 油の補給時期を自動的に計算しているため、使用者が補給時期に気を配らなくてもよくなる。つまり、油槽の面積が大きい場合(例えば1250cm2)は、所定量(例えば500cc)の減少を検知するには、高さが少し(この例では4mm)下がったことを使用者は気付いて補給しなくてはならなかったことが解消される。しかも油の所定量の減少を検知する毎に自動的に補給するので、油槽10内の油は減少し過ぎることはなく、食材の投入による油温の降下は所望の範囲内となり、食材をおいしく調理できる。
3. 油槽10内の油の減少量を検知する手段として、フライヤー1に既に設置している温度センサー52を使用するので、部品点数が増えず、高価にならないで済む。
4. メインタンク162の底面だけでなく、サブタンク172の底面も傾斜しているため、油を円滑に導いている。
5. 補給後に上補給管164と下補給管174が室温に近づき冷却されても、上補給管164及び下補給管174の内径はそれぞれ小さく、上補給管164に上電磁弁166をメインタンク162に接近して設け、また下補給管174に下電磁弁176をサブタンク172に接近して設けているため、上補給管164内には少量の油が残留するのみで、たとえ凝固しても直ちにメインタンク162内の油によって温められ液化し、残留した固形油による上補給管166の閉塞を防止できる。
また万が一、下電磁弁176が所定時間が経過する前に閉弁して下電磁弁176より上流側の下補給管174で補給用の油が残留して凝固しても、その量は少なく、次の補給時に温かい油によって容易に液化するので、残留した固形油による下補給管176の閉塞を防止できる。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では、パルス燃焼方式のフライヤーに補給装置を設置して例に挙げたが、全一次空気式のセラミックプレートバーナーを用いたフライヤーでも勿論よく加熱調理器の種類を限定しない。
【0046】
また、油槽内の油の減少量を推定する方法は、フライヤーに設置している温度センサーによって油槽内の油の温度の推移に基づいて食材の投入を判断する方法に限らない。例えば、食材を投入した場合には油槽内の油の温度が急激に低下するため、油槽内の油温を適温に保つよう加熱動作し、加熱時間が長くなることから、この排気温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、油の減少量を推定する方法もある。
また、フライヤーの上方に油補給装置を設置したが、設置場所は限定しない。例えば、フライヤーの側方にメインタンクを設置し、フライヤーの排気管からパイプを繋いで、そのパイプの出口をメインタンクに向けることによってメインタンクの加熱に燃焼排気を利用しても差し支えない。
また、メインタンクを加熱する手段として、その底面にシーズヒーターや燃焼排気を利用したが、加熱手段および加熱位置はこれらに限定されるものではない。
また、メインタンクの温度を検知する手段をサーミスターに限るものでもなく、例えばバイメタル等を用いてもよく、また逆に用いなくてもよい。
【0047】
補給の時期の算出は本実施形態に限定されず、食材の投入回数のみで判断しても差し支えなく、また油槽内に油面の下限を検知する下限水位スイッチを設けて、下限水位スイッチがオンになったら所定量が減少したと判定し、補給の時期を検知することもできる。
また、第2実施形態ではサブタンクを設け所定量を補給して油槽内の油面の高さを管理していたがその方法に限定されず、サブタンクを設けずに油槽内に油面の上限を検知する上限水位スイッチを設け、メインタンクから直接、油槽へ補給し上限水位スイッチがオンになったら補給を止めて、油槽内の油面の高さを管理することもできる。
また、第1実施形態ではメインタンクから直接補給して補給量が定まらなかったが、第2実施形態のようにサブタンクと下補給管とを設け、上電磁弁と下電磁弁との代りに上ボールバルブと下ボールバルブとをそれぞれ設けて、手動で所定量を補給しても差し支えない。その動作は、補給時に上ボールバルブを手動で所定時間開弁して、メインタンクから上補給管を介してサブタンクへ所定量の油を供給し、上ボールバルブを閉弁し、次に下ボールバルブを手動で所定時間開弁して、サブタンクから下補給管を介して油槽へ油を供給し、下ボールバルブを閉弁すればよい。また、弁の種類や数を上記形態に限定しない。
【0048】
また、メインタンクやサブタンクの収納容積は上記形態に限定されず、例えば、メインタンクを半日分の補給量を収納できる容積にすれば補給回数は1回から2回に増加するけれども装置が小型になるし、また1回の補給量を少量に設定し、その分補給回数を増やせば、油槽内の油面管理がより厳密に行われ油槽内の油量が常にほぼ一定に保持されて、調理の品質の向上を図ることができる。
また、この油補給装置は複数の加熱調理器にまたがって設置しても差し支えない。
【0049】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の油補給装置によれば、補給用の固形油を液化させるため、容易に油槽に補給することができる。
また、補給量の管理も固形油と比較して容易になり、しかも、補給時に油槽内の油温が急降下することもなく、調理の品質が向上する。更に、補給に必要な油を運ぶ作業の回数が減少する。加えて、油槽内の高温の油が飛び跳ねにくくなり、安心して使用できる。
さらに、補給タンク内の油を加熱調理器の排気熱によって経済的に加熱することができる。
【0050】
更に、本発明の請求項2記載の油補給装置によれば、補給タンク内の温度を所定範囲に保持することによって、補給タンク内の油の劣化を抑制することができる。また、経済的に補給タンクを加熱することができる。
【0051】
更に、本発明の請求項3記載の油補給装置によれば、補給タンクを加熱調理器の上方に設置することによって、補給タンクから下方の加熱調理器へ重力により液体の油を他の動力を用いずに供給することができ、装置が大型化しなく安価となる。
【0053】
更に、本発明の請求項4記載の油補給装置によれば、油槽内の油の減少を検知することにより、使用者に補給時期を報知して油が減少し過ぎる前に補給を促したり、自動的に補給する制御装置を以て補給して食材をおいしく調理できる。
【0054】
更に、本発明の請求項5記載の油補給装置によれば、検出した油槽内の油の温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、油の減少量を推定することができ、直接的に油の減少量を計測する構成が不要となりコストアップに繋がらない。
【0055】
更に、本発明の請求項6記載の油補給装置は、検出した排気温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、油の減少量を推定することができる。従って直接的に油の減少量を計測する構成が不要となりコストアップに繋がらない。
【0056】
更に、本発明の請求項7記載の油補給装置によれば、油槽内の油の加熱時間を計って油の蒸発量を算出するため、油の減少量を推測することができる。
【0057】
更に、本発明の請求項8記載の油補給装置によれば、油槽に補給用の油を所定量ずつ補給することにより、使用者が油の補給量に気を配らなくてもよくなり、しかも補給による油槽内の油温の急降下を防止して食材をおいしく調理できる。
【0058】
更に、本発明の請求項9記載の油補給装置によれば、油槽に補給用の油を自動的に所定量ずつ補給することにより、補給作業を大幅に削減することができ、また使用者の勘に頼ること無く油槽内の油量を厳密に管理でき、使用者が油の補給量や補給時期に気を配らなくてもよくなり、しかも食材の投入による油温の降下は所望の範囲内となり、食材をおいしく調理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態としての油補給装置を備えたフライヤーを側面からみた断面図である。
【図2】第2実施形態としての油補給装置を備えたフライヤーを側面からみた断面図である。
【符号の説明】
1…フライヤー、 10…油槽、 32…排気管、 52…温度センサー、
60…油補給装置、 62…メインタンク、 64…補給管、
66…ボールバルブ、 80…シーズヒーター、 82…電装基板、
160…油補給装置、 162…メインタンク、 164…上補給管、
166…上電磁弁、 172…サブタンク、 174…下補給管、
176…下電磁弁、 180…シーズヒーター、 182…コントローラー。
Claims (9)
- 上部が開口された油槽を有し、当該油槽内の調理用固形油を加熱・液化して高温の調理用油とするとともに、上記開口から油槽内に食材を投入して加熱調理する加熱調理器に用いられる油補給装置において、
補給用の調理用固形油を収納する補給タンクと、
上記補給タンクを加熱して調理用固形油を液化する加熱手段と、
上記液化した調理用油を上記補給タンクから上記油槽へ補給する補給路とを備え、
上記加熱調理器の上方に上記補給タンクを設置し、当該補給タンクを少なくとも上記加熱調理器の排気熱によって加熱することを特徴とする油補給装置。 - 上記補給タンク内の調理用油の温度を検出する補給タンク温度検出手段と、
該温度が所定範囲に保持されるように上記加熱手段を制御する制御装置とを備えることを特徴とする請求項1記載の油補給装置。 - 上記加熱調理器の上方に上記補給タンクを設置することを特徴とする請求項1又は2記載の油補給装置。
- 上記油槽内の調理用油の減少を検知する減少検知手段を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油補給装置。
- 上記油槽内の調理用油の温度を検出する油槽温度検出手段を備え、
上記検出した調理用油の温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、上記調理用油の減少量を推定することを特徴とする請求項4記載の油補給装置。 - 上記加熱調理器から排出される燃焼排気の温度を検出する排気温度検出手段を備え、
上記検出した排気温度の推移に基づいて食材の投入を判断し、上記調理用油の減少量を推定することを特徴とする請求項4記載の油補給装置。 - 上記油槽内の調理用油の温度を検出する油槽温度検出手段と、
上記油槽内の調理用油の加熱時間を図る計時手段と
を備え、
上記油槽内の調理用油の減少量を該加熱時間に基づいて推測することを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の油補給装置。 - 補給用の調理用油を所定量ずつ補給することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の油補給装置。
- 上記油槽内の調理用油の減少の検知に基づいて自動的に補給用の調理用油を所定量ずつ補給することを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載の油補給装置。
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