JP4189495B2 - ゲノムdnaのメチル化検出方法 - Google Patents

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Description

この出願の発明は、任意のゲノムDNA(被験ゲノムDNA)が、対照ゲノムDNAに対してどの程度メチル化塩基を含んでいるかを簡便かつ高精度に検出する方法に関するものである。
多細胞生物における細胞の分化や機能発現には、遺伝子情報が正しく発現されることが不可欠であるが、その発現制御には、転写調節因子のネットワークだけでなく、DNAのメチル化やクロマチン動態の変化といったエピジェネティック機構の関与が不可欠である。特に、哺乳動物ゲノムDNA中のシトシンのメチル化は、遺伝子発現を負に制御していることが知られており、また、ゲノム上でのメチル化のパターンの差異が、ゲノムインプリンティングやX染色体不活性化現象との関連を示すこと、さらには癌やICF(immunodeficiency, centromeric instability and facial anomalies)症候群、Rett症候群、脆弱X症候群などの疾患にも関係することが報告されている(例えば非特許文献1参照)。
DNA鎖のメチルシトシンを測定する方法としては、メチル化感受性の制限酵素による切断片を比較する方法、bisulfite法、methylation-specificPCR法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いる方法等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、非特許文献2にはメチル化の対照となるCG連続配列(CpGアイランド)を含むDNA鎖を特異的にPCR増幅する方法(COBRA法)が、特許文献1にはメチルシトシンを含むDNA鎖に特異的にハイブリダイズする標識DNA断片を用いる方法が開示されている。
さらにこの出願の発明者らは、マイクロアレイシステムを用いて一度に多数のゲノムDNAメチル化部位を検出する方法(MAD法)を開発している(特許文献2、非特許文献3)。このMAD法は、被験ゲノムDNAをメチル化感受性制限酵素(例えばSma I)で消化し、次いでこのDNA断片を前記メチル化感受性制限酵素と同一の塩基配列を認識するメチル化非感受性制限酵素(例えばXma I)でさらに消化し、両端がメチル化非感受性制限酵素(Xma I)による切断端部であるDNA断片(両端部にメチル化塩基を有するDNA断片)のみを選択的に増幅させ、これらのDNA断片をマイクロアレイシステムによって検出する方法である。
特表2002-535998号公報 特開2003-38183号公報 波平昌一 他 実験医学 20(7):1-19-1024, 2002 Xiong, Z. and Laird, P.W. Nucleic Acids Res. 25(1):2532-2534, 1997 Hatada, I. et al. J. Hum. Genet. 47(8):448-451, 2002
特許文献2(非特許文献3)のMAD法は、ゲノムDNAにどの程度のメチル塩基(メチルシトシン)が含まれているかを簡便かつ網羅的に検出することを可能としている。ただしこの方法では、制限酵素によってメチル化された塩基部分を両端に含むDNA断片(メチル化DNA断片)を調製し、これらを選択的に増幅するようにしているが、不完全な酵素処理による未消化のDNA断片が増幅され、メチル化DNA断片としてカウントされてしなうという不都合が存在する。
この出願の発明は、以上のとおりの従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、ゲノムDNAのメチル化の程度を、簡便かつ網羅的に、しかも高精度で検出することのできる新しい方法を提供することを課題としている。
第1の発明は、被験ゲノムDNAが対照ゲノムDNAと比較してどの程度メチル化塩基を含んでいるかを検出する方法であって、以下のステップ:
(a) 被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAをそれぞれメチル化感受性制限酵素で消化してDNA断片を調製するステップ;
(b) 前記DNA断片の端部に結合するが、DNA断片との結合後に前記メチル化感受性制限酵素の認識配列を生成しないアダプターオリゴヌクレオチドを前記DNA断片の両端に結合させて[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製するステップ;
(c) 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅するステップ;
(d) 増幅した[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を、前記メチル化感受性制限酵素またはメチル化感受性制限酵素と同一の塩基配列を認識するメチル化非感受性制限酵素で消化して、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片と、少なくとも一端にアダプターを持たないDNA断片を調製するステップ;
(e) 被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性αの標識物質で標識化し、対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性βの標識物質で標識化するステップ;および
(f) 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とハイブリダイズするプローブDNA断片を備えたマイクロアレイによって、被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量と、対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量とを比較するステップ、
を含む方法である。
第2の発明は、前記第1発明の別の形態であって、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれを約2分割してグループAおよびグループBとし、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれのグループAには前記ステップ(a)から(d)を行い、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれのグループBに対しては、以下のステップ:
(a') 被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAをそれぞれ、グループAに対するステップ(a)で使用するメチル化感受性酵素と同一の塩基配列を認識するメチル化非感受性制限酵素で消化してDNA断片を調製するステップ;
(b') 前記DNA断片の端部に結合するが、DNA断片との結合後に前記メチル化非感受性制限酵素の認識配列を生成しないアダプターオリゴヌクレオチドを前記DNA断片の両端に結合させて[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製するステップ;
(c') 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅するステップ;
(d') 増幅した[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を、前記メチル化非感受性制限酵素または前記メチル化感受性制限酵素で消化して、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製するステップ、
を行い、次いで以下のステップ:
(e') グループAの[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性αの標識物質で標識化し、グループBの[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性βの標識物質で標識化するステップ;および
(f') 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とハイブリダイズするプローブDNA断片を備えた一方のマイクロアレイによって、グループAとグループBのそれそれの被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量を比較し、前記マイクロアレイと同一のプローブ構成からなる別のマイクロアレイによってグループAとグループBの対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量を比較、さらに前者の比(A/B)と後者の比(A/B)を比較するステップ、
を含む方法である。
また、前記の各発明方法においては、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAが哺乳動から単離されたゲノムDNAであり、その場合のメチル化感受性制限酵素とメチル化非感受性制限酵素の組合わせが、Hpa IIとMsp I、Ava IIとSin I、またはSau3A IとMbo IもしくはNde IIのいずれかであることを好ましい。
第3の発明は、前記の各発明方法に使用するマイクロアレイであって、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAから調製された[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とハイブリダイズするプローブDNAを備えたマイクロアレイである。
またこの第3発明のマイクロアレイにおいては、プローブDNAが、ゲノムDNAの遺伝子転写調節領域に由来する[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とハイブリダイズすることを好ましい態様の一つとしている。
発明の定義
前記の各発明において「ゲノムDNA」とは生物細胞の各内に存在する染色体DNAであり、原核生物および真核生物のゲノムDNAを意味する。また、対照とする「被験ゲノムDNA」および「対照ゲノムDNA」は、染色体DNA全体であってもよく、あるいは特定の遺伝子領域または特定の複数の遺伝子領域であってもよい。
さらに、「対照ゲノムDNA」は「被験ゲノムDNA」の種類によって適宜に選択される。例えば、いずれかの発達段階にある細胞のゲノムDNA(被験ゲノムDNA)のメチル化を検出する場合には、対照ゲノムDNAは個体発生以前の細胞(例えばES細胞)に由来するゲノムDNAとすることができる。また被験ゲノムDNAが疾患組織の細胞(例えば癌細胞)に由来するゲノムDNAである場合には、対照ゲノムDNAは例えば正常な同組織由来のゲノムDNAとすることができる。
これらのゲノムDNAの「メチル化」とはDNAメチラーゼによる塩基修飾であり、原核生物におけるシトシン塩基のC5位メチル化;アデニン塩基のN6位メチル化、真核生物におけるCpGアイランドのシトシン塩基のC5位メチル化;CpNpGp配列のシトシン塩基のC5位メチル化であるが、この出願の前記発明においては、哺乳動物におけるCpGアイランドのC5-メチルシトシンを好ましい対象とする。
「メチル化感受性制限酵素」とは、その認識配列中のある特定の場所にメチル化塩基を含まない2本鎖DNAは切断するがメチル化塩基が含まれるときは切断しない制限酵素であり、それに対して対をなしてこの発明で用いられる「メチル化非感受性制限酵素」とは、「メチル化感受性制限酵素」と同一の認識部位を持つが、同一の場所のメチル化塩基の有無に関わりなくその認識配列を切断する制限酵素である。原核生物および真核生物の各メチル化塩基に対する感受性制限酵素および非感受性制限酵素については、例えば、McClelland, M. et al., Nucleic Acids Res. 22:3640-3659, 1994に詳しく記載されている。
また、以下の説明では、少なくとも一方の端部にメチル化塩基を含むDNA断片を「メチル化DNA断片」、両端にメチル化塩基を含まないDNA断片を「非メチル化DNA断片」と記載することがある。
この発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。なお、用語は基本的にはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。またこの発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学および分子生物学的技術はJ. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition)", Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989); D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995); Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995;日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、東京化学同人 (1986);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 III(組換えDNA技術)」、東京化学同人 (1992); R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 68 (Recombinant DNA), Academic Press, New York (1980); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100 (Recombinant DNA, Part B) & 101 (Recombinant DNA, Part C), Academic Press, New York (1983); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 153 (Recombinant DNA, Part D), 154 (Recombinant DNA, Part E) & 155 (Recombinant DNA, Part F), Academic Press, New York (1987)などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法またはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる。
以上のとおりの発明によれば、より正確にその存在量を測定することのできる「非メチル化DNA断片」を測定対象とし、この非メチル化DNA断片量からメチル化DNA断片量を算出する。従って、従来方法に比較して、より正確にメチル化の程度を検出することができる。
以下、哺乳動物のメチル化(CpGアイランドのC5-メチルシトシン)を検出する場合を例にとってこの出願の発明を説明するが、前記のとおり、この出願の発明方法は、原理的に哺乳動物以外の真核生物や原核生物のメチル化をも検出可能である。
第1発明の方法は、以下のステップによって構成される(図1参照)。
ステップ(a):
被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAをそれぞれメチル化感受性制限酵素で消化してDNA断片を調製する。
被験ゲノムDNAおよび対照ゲノムDNAは、それぞれを含む細胞をタンパク質分解酵素で処理し、フェノール:クロロフォルム抽出する公知の方法あるいはその他の方法で単離精製して使用する。またこれらのゲノムDNA量は、0.05〜2.0μg程度の約等量とすることができる。
さらにこのステップ(a)で使用するメチル化感受性制限酵素は、後のステップ(d)でメチル化非感受性制限酵素を使用する場合には、両酵素が同一の認識配列を切断するような組合わせ[例えば、Hpa IIとMsp I(認識配列:C'CG_G)、Ava IIとSin I(認識配列:G'G(A/T)G_G)、またはSau3A IとMbo IもしくはNde II(認識配列:'GATC_)]を選択する。一方、後のステップ(d)で同一のメチル化感受性制限酵素を使用する場合には、好ましくは付着末端を形成するものであれば、どのようなメチル化感受性制限酵素を使用してもよい。例えば、Hpa II、Ava II、Sau3A Iの他に、Apa I、Csp I、EcoR I、Hha I、Nlu I、Nar I、NgoM IV、Nhe I、Not I、Pvu I、Sac II、Sal I、Sau96 I、Xho I等のメチル化感受性制限酵素を使用することができる。
図1に示した例では、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAとをメチル化感受性制限酵素(例えばHpa II)で消化することによって、メチルシトシン(Me)を含む被験ゲノムDNAではその両側のメチルシトシンを含まない認識配列で切断された1本のDNA断片(メチル化DNA断片)が得られ、メチルシトシンを含まない対照ゲノムDNAからは3箇所の認識配列で切断された2本のDNA断片(非メチル化DNA断片)が得られる。
ステップ(b):
前記の各DNA断片の両端にアダプターオリゴヌクレオチドを結合させて[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製する。
ここで使用するアダプターオリゴヌクレオチドは、2本鎖DNAであって、次のステップ(c)において[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅する際のプライマー会合配列となる。従って、アダプターオリゴヌクレオチドは、PCRプライマーとしての最適サイズ(例えば15〜40塩基対、好ましくは20〜30塩基対程度)とすることができる。また、このアダプターオリゴヌクレオチドの両端部は、前記ステップ(a)で得られたDNA断片の端部に結合するが、DNA断片との結合後に前記メチル化感受性制限酵素の認識配列を生成しない塩基配列とする。すなわち、アダプターオリゴヌクレオチドとDNA断片との連列部に制限酵素認識配列が生成しないことによって、ステップ(d)においてアダプターが切り離されず、後のステップ(e)において2回目のPCR増幅をする際にもアダプターオリゴヌクレオチドの配列部分を対象とするプライマーを使用することができる。
このようなアダプターオリゴヌクレオチドのDNA断片への結合は、基本的には、この出願の発明者らによる先願発明(特許文献2)に記載された方法に準じて行うことができる。すなわち、一方のストランド(P1)より他方のストランド(P2)が短い2本鎖オリゴヌクレオチドを必要量合成し両者をアニーリングしアダプターをつくる。このアダプターの両端部は、P2ストランドの3'端が、前記制限酵素切断部に対応した突出末端となっている。ただし、このアダプターはリン酸されていないため、アダプター同士で結合することはない。そしてこのアダプターは、そのP1ストランドの3'端がDNA断片の5'端リン酸基を介した共有結合により、またP2ストランドの突出塩基対とDNA断片の付着末端の突出塩基対との相補性により結合する。次いで、例えば72℃で5分間程度処理することによって、アダプター(2本鎖オリゴヌクレオチド)からP2ストランドを除き、さらにポリメラーゼ反応によってP1ストランドに相補的な塩基配列をDNA断片の5'側から3'側へと伸長させる。これによって、アダプターに由来するプライマーを用いたPCRによって増幅可能な構造となる。
図1に示した例では、被験ゲノムDNAから[アダプター+メチル化DNA断片+アダプター]断片が、対象ゲノムDNAからは、2本の異なった[アダプター+非メチル化DNA断片+アダプター]断片が調製される。
ステップ(c):
前記ステップ(C)で得られた各[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅する。
PCRプライマーは、前記のとおり、P1と同一あるいはその一部の塩基配列からなる合成オリゴヌクレオチドを使用する。また、合成オリゴヌクレオチドの3'端には制限酵素による付着末端の突出塩基対を付加したものであってもよい。
PCR増幅は、一般的なPCR反応条件(例えば、変性:94℃/10秒→アニーリング:30〜72℃/30秒→伸長:65〜75℃/2〜5分)を複数回行うことによって実施できる。ただし、この段階では、3〜10回、好ましくは約5回程度のサイクルでである。
ステップ(d):
増幅した各々の[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を、前記メチル化感受性制限酵素またはメチル化感受性制限酵素と同一の塩基配列を認識するメチル化非感受性制限酵素で消化する。
このステップ(d)によって、ステップ(a)では切断されなかったメチルシトシン(Me)を含む認識配列が切断される。この時、メチル化DNA断片に由来する[アダプター+DNA断片+アダプター]断片はステップ(c)でのPCR増幅によってメチルシトシンが非メチルシトシンとなっているため、ステップ(a)で使用したメチル化感受性制限酵素によって切断されることになる。ただし、メチル化の有無に関係なく同一の認識配列部分を切断するメチル化非感受性制限酵素で消化する方が好ましい。
このステップ(d)の処理によって、図1に例示したように、対照ゲノムDNAからは、非メチル化DNA断片を含む[アダプター+DNA断片+アダプター]断片がそのままの状態で得られる。一方、被験ゲノムDNAからのメチル化DNA断片を含む[アダプター+DNA断片+アダプター]断片は、[アダプター+DNA断片]断片および[DNA断片+アダプター]断片に分割される。あるいは、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片のメチル化DNA断片が2箇所のメチルシトシンを含んでいる場合には、前記の2断片に加えて、両端にアダプターを持たないDNA断片が生成される。
ここで重要な点は、PCR産物に対する酵素処理によって、メチルシトシンを含んでいた断片が完全に消化され以降のPCRで増幅しない構造となることである。
ステップ(e):
ステップ(d)で得られた3種類の断片のうち、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片のみをPCR増幅と標識化をおこなう。
すなわち、前記ステップ(d)で得られた3種類の断片をテンプレートし、前記ステップ(c)と同一のプライマーセットを用いてPCRを行うことによって、両端にアダプターオリゴヌクレオチドを有する[アダプター+DNA断片+アダプター]断片のみが増幅される。
重要な点は、この2回目のPCRによって、ゲノムDNAの非メチル化DNA領域のみが増幅されることである。例えば、ステップ(c)の第1回目のPCR増幅のみでは、メチル化DNA断片を含む[アダプター+DNA断片+アダプター]断片が短い場合には、そのような断片もPCR増幅されてしまう。ステップ(d)によってメチル化DNA断片を含んでいた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片から少なくとも一方のアダプターを除去することによって、測定対象である非メチル化DNA断片部分のみをPCR増幅することが可能となる。
なお、このステップ(e)のPCR条件はステップ(c)と同一とすることができるが、ある程度のPCR産物を得るためステップ(c)よりも多くのサイクルを繰り返す。ただし、必要以上のサイクルを行うと増幅が飽和状態となり、後のステップ(f)における定量性が損なわれる危険性がある。従って、このPCRは10〜20サイクル、好ましくは約12サイクル程度とする。
標識の方法としてはPCRをおこなった後ランダムプライミングなどの方法で標識する方法、またはPCR増幅の際に、標識物質(例えばシアニン系有機色素:Cy3、Cy5、Cy7など)を結合したプライマー使用する公知の方法(例えば、Mark Schena編(加藤郁之監訳)、「DNAマイクロアレイ」、TaKaRa社、2000年参照)によって、標識化した[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を得ることができる。このとき、被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をシグナル特性αの標識物質で標識化し、対照ゲノムDNAから得られる[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をシグナル特性βの標識化してもよい。図1の例では、被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をCy3で、対照ゲノムDNAから得られる[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をCy5で標識化している。
ステップ(f):
被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量と、対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量とを比較する。
この時、各々のDNA断片量は、第3発明のマイクロアレイによって測定する。
このマイクロアレイは、前記ステップ(f)で増幅した[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とハイブリダイズするプローブDNA断片を備えている。プローブDNA断片は合成オリゴヌクレオチド、クローン化したDNA、クローン化したDNAからPCRにより増幅したDNAなどいかなるものであってもよい。
このプローブDNA断片は、前記のとおり、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片との塩基相補性によってハイブリダイズするものであればどのようなものであってもよい。また、プローブDNA断片は、ゲノムDNA全体に由来する[アダプター+DNA断片+アダプター]断片のそれぞれにハイブリダイズするものであってもよく、あるいは特定の遺伝子領域に由来する[アダプター+DNA断片+アダプター]断片にそれぞれハイブリダイズするものであってもよい。さらに、プローブDNA断片は、特定遺伝子の転写調節領域に由来する[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とそれぞれハイブリダイズするものであることも好ましい。すなわち、転写調節領域以外のDNAのメチル化はあまり遺伝子発現と相関しないのに対し、転写調節領域のDNAのメチル化は転写と相関していることが多い。そこで転写調節領域に特化したマイクロアレイを作ることは遺伝子発現を調べる上で利点が高い。またメチル化から遺伝子発現を調べる方法は直接、mRNA量をマイクロアレイで調べる方法と比べて感度が高い。それはメチル化は遺伝子発現量に関わらずON/OFFで変化するものであるので極微細量のmRNA量の変化しかない場合でも検出可能であるからである。また人の手術で得られたサンプルのようにmRNAを得るのが困難な場合はこの方法の利点は非常に高くなる。
マイクロアレイの作製方法としては、固相担体表面で直接プローブを合成する方法(オン・チップ法)と、予め調製したプローブを固相基体表面に固定する方法とが知られている。この発明のマイクロアレイは、このいずれの方法でも作成することができる。オン・チップ法としては、光照射で選択的に除去される保護基の使用と、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィー技術および固相合成技術とを組み合わせて、微少なマトリックスの所定の領域での選択的合成を行う方法(マスキング技術:例えば、Fodor, S.P.A. Science 251:767, 1991)、インクジェットを用いた方法等によって行うことができる。一方、予め調製したオリゴヌクレオチドを固相担体表面に固定する場合には、感応基を導入したオリゴヌクレオチドを合成し、表面処理した固相担体表面にオリゴヌクレオチドを点着し、共有結合させる(例えば、Lamture, J.B. et al. Nucl. Acids Res. 22:2121-2125, 1994; Guo, Z. et al. Nucl. Acids Res. 22:5456-5465, 1994)。オリゴヌクレオチドは、一般的には、表面処理した固相担体にスペーサーやクロスリンカーを介して共有結合させる。ガラス表面にポリアクリルアミドゲルの微小片を整列させ、そこに合成オリゴヌクレオチドを共有結合させる方法も知られている(Yershov, G. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4913, 1996)。また、シリカマイクロアレイ上に微小電極のアレイを作製し、電極上にはストレプトアビジンを含むアガロースの浸透層を設けて反応部位とし、この部位をプラスに荷電させることでビオチン化オリゴヌクレオチドを固定し、部位の荷電を制御することで、高速で厳密なハイブリダイゼーションを可能にする方法も知られている(Sosnowski, R.G. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:1119-1123, 1997)。
以上のとおりのマイクロアレイを用いて被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量と、対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量とを比較する場合には、例えば以下のように行うことができる。
すなわち、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAのそれぞれから増幅した標識化[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をマイクロアレイに接触させ、アレイのプローブDNA断片にハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションは、96穴もしくは48穴プラスチックプレートに分注した標識化[アダプター+DNA断片+アダプター]断片水性液を、マイクロアレイ上に点着することによって実施することができる。点着の量は、1〜100 μl程度とすることができる。ハイブリダイゼーションは、室温〜70℃の温度範囲で、1〜20時間の範囲で実施することが好ましい。ハイブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液との混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の標識化[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を除去する。界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等を用いることが好ましい。緩衝液としては、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等を用いることができるが、クエン酸緩衝液を用いることが好ましい。
そして、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAのそれぞれから得られた標識化[アダプター+DNA断片+アダプター]断片のシグナル特性の違いに基づき、公知の「二蛍光標識法」(例えば、Mark Schena編(加藤郁之監訳)、「DNAマイクロアレイ」、TaKaRa社、2000年参照)によっていずれのゲノムDNAにどの程度多くのメチル化塩基が含まれているかを検出する。すなわち、マイクロアレイのプローブDNA断片にハイブリダイズするのは、非メチル化DNA断片を含む標識化[アダプター+DNA断片+アダプター]断片であるから、被験ゲノムDNA(S)における非メチル化DNA断片量と対照ゲノムDNA(C)における非メチル化DNA断片量の比を、標識シグナルの強度比UIS/UICとして得ることができる。このシグナル強度比UIS/UICはそれぞれのゲノムDNAにおける非メチル化DNA断片量の割合の比US/UCに等しい。そしてそれぞれのゲノムDNAにおけるメチル化DNA断片量の割合の比MS:MCは(1-US):(1-UC)で表されるので、US/UCとMS/MCは負の相関となり、被験ゲノムDNAが対照ゲノムDNAと比較してどの程度メチル化しているかを検出することが可能となる。
この出願の第2発明は、前記第1発明方法の別の形態であり、第1発明の方法に比較して、より正確なメチル化検出が可能となる。
すなわちこの第2発明の方法では、被験ゲノムDNA、対照ゲノムDNAをそれぞれグループA、グループBに2分割する。そして被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれのグループAには前記第1発明におけるステップ(a)から(d)を行い、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれのグループBに対しては、以下のステップを行う(図2参照)。
ステップ(a'):
被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれのグループAに対しステップ(a)で使用するメチル化感受性酵素と同一の塩基配列を認識するメチル化非感受性制限酵素で消化してDNA断片を調製する。
このようなメチル化感受性制限酵素とメチル化非感受性制限酵素の組合わせは、Hpa IIとMsp I(認識配列:C'CG_G)、Ava IIとSin I(認識配列:G'G(A/T)G_G)、またはSau3A IとMbo IもしくはNde II(認識配列:'GATC_)とすることができる。特に、これらの制限酵素の組合わせは、いずれも同一の付着末端を形成するため、後のステップにおいて、メチルシトシンを含む認識配列で切断したDNA断片とメチルシトシンを含まない認識配列で切断したDNA断片のそれぞれに同一のアダプターオリゴヌクレオチドを結合させる際には好ましい。また、同一の塩基配列を認識するメチル化感受性制限酵素とメチル化非感受性制限酵素の組み合わせが異なる切断端を持つときは異なる末端のアダプターを用いる必要がある。
図2に示した例では、グループBの被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAとをメチル化非感受性制限酵素(例えばMsp I)で消化することによって、メチルシトシン(Me)を含む被験ゲノムDNAからも、メチルシトシンを含まない対照ゲノムDNAからも、3箇所の認識配列で切断された2本のDNA断片が得られる。
ステップ(b'):
アダプターオリゴヌクレオチドを前記DNA断片の両端に結合させて[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製する。
このステップ(b')は、基本的にグループAに対するステップ(b)と同一である。
ステップ(c'):
前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅する。このステップ(c')も基本的にグループAに対するステップ(c)と同一である。
ステップ(d'):
増幅した[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を、前記メチル化非感受性制限酵素または前記メチル化感受性制限酵素で消化して、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製する。このステップ(d')も基本的にグループAに対するステップ(d)と同一である。ただしステップ(d)と同じ制限酵素で消化する方が好ましい。
そして第2発明の方法では、次に以下のステップを行う。
ステップ(e'):
グループAの[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を増幅後あるいは増幅中にシグナル特性αの標識物質で標識化し、グループBの[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を増幅後あるいは増幅中にシグナル特性βの標識物質で標識化する。
このステップ(e')における標識物質や、標識化PCR増幅は基本的に第1発明のステップ(e)と同一である。
ステップ(f'):
一方のマイクロアレイによって、グループAとグループBのそれそれの被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量を比較し、前記マイクロアレイと同一のプローブ構成からなる別のマイクロアレイによってグループAとグループBの対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量を比較する。そしてさらに前者の比(A/B)と後者の比(A/B)を比較する。
このステップ(f')では、第1発明の方法におけるステップ(f')と同様の二蛍光標識法によって以下のとおりにゲノムDNAのメチル化を検出する。
すなわち、非メチル化DNA断片の蛍光強度(UI)のすべてのDNA断片の蛍光強度(WI)に対する比U(UI/WI)は非メチル化DNA断片の割合である。被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAのそれぞれの非メチル化DNA断片量の比較はUS/UCを求めることにより算出される。またメチル化DNA断片量の割合(M)は1-Uで表される。そこで被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAの間のメチル化DNA断片量の比MS:MCは(1-US):(1-UC)で求められ、両者を比較することができる。
この方法では従来のメチル化DNA断片を増幅してマイクロアレイで検出する方法で生ずる欠点が克服されている。従来方法では酵素処理が不完全で少量残った未消化断片が増幅されメチル化DNA断片として検出されることがある。しかしこの出願の第2発明方法ではメチル化感受性制限酵素で検出した値UIと同じ認識部位を認識するメチル化非感受性制限酵素で検出した値WIの比U(UI/WI)を用いているため、両方の酵素の切れ残る計数γが同じであればU=γUI/γWI=UI/WIとなり、見かけ上、切れ残りの影響を受けない。
以下、実施例を示してこの出願の発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の各発明は以下の例によって限定されるものではない。
マイクロアレイを以下のとおりに作成した。ヒト正常白血球から単離精製したゲノムDNAから調べる遺伝子のプライマーを用いてPCRで増幅する。このときプライマーはプロモーター領域でHpa II認識部位にはさまれた断片で100bp以上のものを含むようにデザインした。増幅されたDNAをそれぞれTA cloning vectorを用いてクローニングする。それぞれのクローンからvector側のinsertに隣接する部分のプライマーを用いたPCRでマイクロアレイに固定するDNAを用意する。
最後に、スライドグラス上に、1μg/μlのプローブDNA断片をスポッティングし、マイクロアレイを作成した。
被験ゲノムDNA(ヒト肺癌細胞)から単離精製したゲノムDNA)と対照ゲノムDNA(癌細胞と同一のヒト正常細胞から単離精製したゲノムDNA)のメチル化の程度を、実施例1で作成したマイクロアレイを用いた第2発明の方法によって検出した。アダプターオリゴヌクレオチドは、P1オリゴヌクレオチド(5'-AGCACTCTCCAGCCTCTCACCGAG-3': SEQ ID No.1)とP2オリゴヌクレオチド(5'-CGCTCGGTGA-3': SEQ ID No.2)をアニーリングさせた2本鎖オリゴヌクレオチドを用いた。第2発明の方法は、メチル化感受性制限酵素としてHpa IIを、メチル化非感受性制限酵素としてMsp Iを用い、他の手続は発明の実施形態の説明範囲とした。
またメチル化検出の対象はSLC5A5遺伝子、CDH13遺伝子およびRASSF1遺伝子とし、比較対照として、特定遺伝子のメチル化の定量に最も信頼性があるCOBRA法を実施した。
結果は図3に示したとおりであり、2つの方法から求められるメチル化DNA断片の割合はよく一致した。第2発明の方法は、実施例1のマイクロアレイを用いてゲノムDNA全体のメチル化を検出することが可能であるが、その検出精度は、特定遺伝子のメチル化の定量化を高精度で行うことができるCOBRA法と同程度であることが確認された。
被験白血球ゲノムDNAと対照白血球ゲノムDNAについて、実施例1で作成したマイクロアレイを用い、実施例2と同様の第2発明の方法でTIAL遺伝子およびSIVA遺伝子のメチル化を検出した。比較対照として、COBRA法およびMAD法(特許文献2)を実施した。
結果は表1に示したとおりであり、この出願の第2発明の方法とCOBRA法による検出精度はよく一致した。しかしながら、表1に示したように、MAD法の場合には、一方のゲノムDNA(被験ゲノムDNA)で過剰のメチル化が検出された。
Figure 0004189495
以上の結果から、この出願の発明方法は、従来のMAD法と同程度に網羅的なメチル化検出が可能であるにもかかわらず、特定遺伝子のメチル化の定量化を高精度で行うことができるCOBRA法と同程度の精度でメチル化検出が可能であることが確認された。
この出願の発明は、分子生物学や生化学を利用した各種産業分野のみならず、癌等のメチル化異常に起因する各種疾患の診断や予防等に関する医学分野に利用される。
第1発明の方法を例示した模式図である。 第2発明の方法を例示した模式図である。 実施例2の結果である。図中、"U"はメチル化されていないDNAの割合、"MS:MC"はメチル化されているDNAの比、"UB"はメチル化されていないバンド、"MB"はメチル化されているDNAのバンドをそれぞれ示す。

Claims (4)

  1. 被験ゲノムDNAが対照ゲノムDNAと比較してどの程度メチル化塩基を含んでいるかを検出する方法であって、以下のステップ:
    (a) 被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAをそれぞれメチル化感受性制限酵素で消化してDNA断片を調製するステップ;
    (b) 前記DNA断片の端部に結合するが、DNA断片との結合後に前記メチル化感受性制限酵素の認識配列を生成しないアダプターオリゴヌクレオチドを前記DNA断片の両端に結合させて[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製するステップ;
    (c) 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅するステップ;
    (d) 増幅した[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を、前記メチル化感受性制限酵素またはメチル化感受性制限酵素と同一の塩基配列を認識するメチル化非感受性制限酵素で消化して、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片と、少なくとも一端にアダプターを持たないDNA断片を調製するステップ;
    (e) 被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性αの標識物質で標識化し、対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性βの標識物質で標識化するステップ;および
    (f) 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とハイブリダイズするプローブDNA断片を備えたマイクロアレイによって、被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量と、対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量とを比較するステップ、
    を含む方法。
  2. 被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれを2分割してグループAおよびグループBとし、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれのグループAには前記ステップ(a)から(d)を行い、被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAそれぞれのグループBに対しては、以下のステップ:
    (a’) 被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAをそれぞれ、グループAに対するステップ(a)で使用するメチル化感受性酵素と同一の塩基配列を認識するメチル化非感受性制限酵素で消化してDNA断片を調製するステップ;
    (b’) 前記DNA断片の端部に結合するが、DNA断片との結合後に前記メチル化非感受性制限酵素の認識配列を生成しないアダプターオリゴヌクレオチドを前記DNA断片の両端に結合させて[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製するステップ;
    (c’) 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅するステップ;
    (d’) 増幅した[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を、前記メチル化非感受性制限酵素または前記メチル化感受性制限酵素で消化して、[アダプター+DNA断片+アダプター]断片を調製するステップ、
    を行い、次いで以下のステップ:
    (e’) グループAの[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性αの標識物質で標識化し、グループBの[アダプター+DNA断片+アダプター]断片をPCR増幅後あるいはPCR増幅中にシグナル特性βの標識物質で標識化するステップ;および
    (f’) 前記[アダプター+DNA断片+アダプター]断片とハイブリダイズするプローブDNA断片を備えた一方のマイクロアレイによって、グループAとグループBのそれそれの被験ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量を比較し、前記マイクロアレイと同一のプローブ構成からなる別のマイクロアレイによってグループAとグループBの対照ゲノムDNAから得られた[アダプター+DNA断片+アダプター]断片量を比較、さらに前者の比(A/B)と後者の比(A/B)を比較するステップ
    を含む請求項1の方法。
  3. 被験ゲノムDNAと対照ゲノムDNAが哺乳動物から単離されたゲノムDNAである請求項1または2の方法。
  4. メチル化感受性制限酵素とメチル化非感受性制限酵素の組合わせが、Hpa IIとMsp I、Ava IIとSin I、またはSau3A IとMbo IもしくはNde IIのいずれかである請求項3の方法。
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