JP4188576B2 - 利用料金算出システム、利用料金算出方法、利用料金算出プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents

利用料金算出システム、利用料金算出方法、利用料金算出プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体端末の利用料金を算出するための、利用料金算出システム、利用料金算出方法、利用料金算出プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やPHSといった移動体端末は、基地局を介して情報を授受することによって通話やデータ通信が可能となっている。基地局は、一定の領域を受け持ち、その領域内にある複数の移動体端末と電波を媒体として情報の授受を行なっている。一般に、基地局と移動体端末は電波を何らかの方法で分割して多元接続を行なっており、そのように多元接続を行なう結果として基地局と同時に情報の授受が可能な移動体端末の数をその基地局のチャネル数という。
【0003】
携帯電話やPHSといった移動体端末の課金方法としては、移動体端末を使用した時間帯や通話距離などに応じて定められている利用単価に基づいて、通話時間に応じて定められる度数と掛け合わせる方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
基地局のチャネル数は、移動体端末の通話等になるべく支障の起きないようにある程度の余裕を持って設定されているが、特定のイベント等によって特定の場所に移動体端末が集中することもあり、そのような場合には設定されているチャネル数よりも通話等をしようとする移動体端末の方が多くなることもある。そのような場合には、移動体端末は基地局を介して通話やデータ通信が行ないにくくなることもある。
【0005】
そのような状況への対処方法としては、基地局のチャネル数に更に余裕を持たせることが考えられるが、特定のイベント等がない場合にはチャネル数が余ってしまうこととなり、設備資源が無駄になってしまう場合もある。一方、チャネル数に余り余裕を持たせない場合には、特定のイベント等がある場合にはチャネル数が足りなくなり、移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用できなくなるといった負担を掛けることも考えられる。このような場合には、ユーザ側は基本利用料金等を払っているにも拘わらず移動体端末が利用できないために不満を感じることとなり、移動体端末の事業者側もそのような状態に対応してユーザのために何らかの措置を講ずることができなかった。
【0006】
そこで本発明は、移動体端末と基地局との間のトラヒックに応じて、移動体端末の利用料金を設定することが可能となる利用料金算出システム、利用料金算出方法、利用料金算出プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の利用料金算出システムは、移動体端末の基地局のトラヒックに対応させて、移動体端末が情報の授受を行なう際の利用料金を算出するための料金決定情報を格納する料金決定情報格納手段と、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックと、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測するトラヒック計測手段と、当該計測したトラヒックに基づいて、料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報から、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とをそれぞれ選択する適用料金選択手段と当該選択された所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報に基づいて、所定の移動体端末の利用料金を算出する利用料金算出手段と、適用料金選択手段によって選択された、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とを、所定の移動体端末にそれぞれ通知する第1の情報通知手段とを備える。
【0008】
本発明によれば、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックに基づいて、料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報を選択するので、選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。また、移動体端末に対して、適用料金選択手段が選択した料金決定情報を通知することができるので、例えば移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用するかどうかを判断する際の参考情報とすることができる。
【0009】
また本発明の利用料金算出システムは、定期的に、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測するようにしてもよい。このようにすれば、基地局の実際のトラヒックが定期的に計測されるので、料金決定情報を定期的に選択することができ、定期的に選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。
【0011】
また本発明の利用料金算出システムは、トラヒック計測手段が計測した所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックを、所定の移動体端末に通知する情報通知手段を更に備えるようにしてもよい。このようにすれば、移動体端末に対して、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックを通知することができるので、例えば移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用するかどうかを判断する際の参考情報とすることができる。
【0012】
本発明の利用料金算出方法は、トラヒック計測手段が、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックと、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測する第1のステップと、料金決定情報格納手段が基地局のトラヒックに対応させて格納している、移動体端末が情報の授受を行なう際の利用料金を算出するための料金決定情報から、トラヒック計測手段が計測したトラヒックに基づいて、適用料金選択手段が、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とをそれぞれ選択する第2のステップと、利用料金算出手段が、当該適用料金選択手段が選択した所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報に基づいて、所定の移動体端末の利用料金を算出する第3のステップと、第1の情報通知手段が、適用料金選択手段によって選択された、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とを、所定の移動体端末にそれぞれ通知するステップと
を備える。
【0013】
本発明によれば、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックに基づいて、料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報を選択するので、選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。また、移動体端末に対して、適用料金選択手段が選択した料金決定情報を通知することができるので、例えば移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用するかどうかを判断する際の参考情報とすることができる。
【0014】
また本発明の利用料金算出方法は、第1のステップにおいて、トラヒック計測手段が、定期的に、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測するようにしてもよい。このようにすれば、基地局の実際のトラヒックが定期的に計測されるので、料金決定情報を定期的に選択することができ、定期的に選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。
【0016】
また本発明の利用料金算出方法は、トラヒック計測手段が計測した所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックを、情報通知手段が、所定の移動体端末に通知する第4のステップを更に備えるようにしてもよい。このようにすれば、移動体端末に対して、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックを通知することができるので、例えば移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用するかどうかを判断する際の参考情報とすることができる。
【0017】
本発明の利用料金算出プログラムは、コンピュータを、移動体端末の基地局のトラヒックに対応させて、移動体端末が情報の授受を行なう際の利用料金を算出するための料金決定情報を格納する料金決定情報格納手段と、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックと、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測するトラヒック計測手段と、当該計測したトラヒックに基づいて、料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報から、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とをそれぞれ選択する適用料金選択手段と、当該選択された所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報に基づいて、所定の移動体端末の利用料金を算出する利用料金算出手段と、適用料金選択手段によって選択された、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とを、所定の移動体端末にそれぞれ通知する第1の情報通知手段として機能させる。
【0018】
本発明の利用料金算出プログラムをコンピュータに実行させると、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックに基づいて、料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報を選択するので、選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。また、移動体端末に対して、適用料金選択手段が選択した料金決定情報を通知することができるので、例えば移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用するかどうかを判断する際の参考情報とすることができる。
【0019】
また本発明の利用料金算出プログラムをコンピュータに実行させて、トラヒック計測手段が、定期的に、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局と、所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測するようにしてもよい。このようにすれば、基地局の実際のトラヒックが定期的に計測されるので、料金決定情報を定期的に選択することができ、定期的に選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。
【0021】
また本発明の利用料金算出プログラムをコンピュータに実行させて、トラヒック計測手段が計測した所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックを、所定の移動体端末に通知する情報通知手段として更に機能させるようにしてもよい。このようにすれば、移動体端末に対して、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックを通知することができるので、例えば移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用するかどうかを判断する際の参考情報とすることができる。
【0022】
本発明のコンピュータ読取可能な記録媒体は、上記いずれかの利用料金算出プログラムが記録されている。
【0023】
コンピュータを用いて、本発明の記録媒体に記録された利用料金算出プログラムを実行すると、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックに基づいて、料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報を選択するので、選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、本実施の形態においては移動体端末として携帯電話機を用いているが、PHSなどを用いてもよい。また、携帯電話機としては、TDMA(Time Division Multiple Access)方式の一つであるPDC(Personal Digital Cellular)方式を例にとって説明するが、CDMA(Code Division Multiple Access)方式といった他の方式のデジタル携帯電話機であってもアナログ式携帯電話機であってもよい。
【0025】
本発明の実施形態である利用料金算出システム10を用いた通信システム1について説明する。図1は、通信システム1の構成を示した図である。通信システム1は、基地局30及び基地局31と、交換局20と、利用料金算出システム10とを備えて構成されている。基地局30が受け持つセル30a内には、携帯電話機40〜42が位置しており、基地局31が受け持つセル31a内には、携帯電話機43が位置している。
【0026】
基地局30及び基地局31は、自らが受け持つ通話可能領域であるセル30a及びセル31a内に位置している携帯電話機41〜43からの電波を受けることができ、その携帯電話機に対しては電波を送ることができる。セル30a及びセル31aは、いわゆる小ゾーン構成によってサービスエリアをカバーしているものの一つである。本実施形態では、基地局30及び基地局31は、セル30a及びセル31aの中心に配置され、それぞれのアンテナは指向性を持っていないが、指向性を持っているアンテナを用いて、セル30a及びセル31aをそれぞれ更に分割して受け持つようにしてもよい。
【0027】
基地局30及び基地局31と携帯電話機41〜43とはTDMA方式によって多元接続を行なっており、使用可能な周波数帯域を分割し、その分割した帯域の中で3チャネル又は6チャネルの時分割多重化した信号を送る。このような方式によって、基地局30及び基地局31は多数のチャネルを確保することができるが、本実施形態の場合は説明の便宜上、基地局30が3チャネル、基地局31が6チャネルを確保しているものとする。
【0028】
基地局30及び基地局31は、交換局20に接続されている。交換局20は、基地局30及び基地局31と接続されていると共に、他の交換局(図示しない)や、固定電話網と交信可能に構成されている。また、交換局20は、位置登録データベース(図示しない)とも接続されており、交換局20に接続されている基地局30及び基地局31の受け持つセル30a及びセル31aに位置する携帯電話機40〜43の位置情報を登録するようになっている。
【0029】
引き続いて、利用料金算出システム10について説明する。利用料金算出システム10は、物理的には、CPU(中央処理装置)、メモリ、マウスやキーボードといった入力装置、ディスプレイといった表示装置、ハードディスクといった格納装置などを備えたコンピュータシステム(例えばワークステーション、パーソナルコンピュータ)として構成され、交換局20と情報の授受が可能なように構成されている。利用料金算出システム10は機能的な構成要素として、使用チャネル計測部101aとトラヒック算出部101bとを含むトラヒック計測部101(トラヒック計測手段)と、適用料金選択部102(適用料金選択手段)と、情報通知部103(第1の情報通知手段、第2の情報通知手段)と、利用料金算出部104(利用料金算出手段)と、チャネル数格納部105と、料金決定情報格納部106(料金決定情報格納手段)と、適用料金格納部107とを備えて構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0030】
チャネル数格納部105は、交換局20と接続されている基地局30及び基地局31のそれぞれのチャネル数を格納する部分である。図2は、チャネル数格納部105が格納するデータの一例を示した図である。チャネル数格納部105は、基地局30はチャネル数が3、基地局31はチャネル数が6というように、各基地局名とチャネル数とを対応させて格納している。
【0031】
使用チャネル計測部101aは、交換局20と情報の授受を行なうことで、交換局20と接続されている基地局30及び基地局31のチャネル使用数を計測する部分である。使用チャネル計測部101aは定期的にチャネル使用数を計測するが、定期的に計測する態様としては、所定の時間間隔をおいて計測する態様や、基地局30及び基地局31のチャネル使用数が閾値を超えて変動した場合に計測する態様などがある。図1を参照すると、基地局30のチャネル使用数は3であり、基地局31のチャネル使用数は1であるといったように計測する。使用チャネル計測部101aは、計測したチャネル使用数をトラヒック算出部101bに送る。
【0032】
トラヒック算出部101bは、使用チャネル計測部101aからチャネル使用数を受け取って、基地局30及び基地局31のトラヒックを示す情報としてのチャネル空き率を算出する部分である。トラヒック算出部101bは、チャネル数格納部105に格納されている基地局30及び基地局31のチャネル数から、チャネル使用数を差し引く。次に、その差し引いた結果を、チャネル数で除することで、基地局30及び基地局31のチャネル空き率を算出する。図1を参照すると本実施形態の場合は、基地局30のチャネル空き率は0%、基地局31のチャネル空き率は83%である。トラヒック算出部101bは、算出したチャネル空き率を適用料金選択部102へ送る。
【0033】
料金決定情報格納部106は、チャネル空き率と対応させて、料金決定情報としての度数倍率を格納する部分である。ここで度数とは、携帯電話機の通話時間と通話距離に応じて算出され、単位料金に乗じることで通話料金を算出するための係数のことであり、度数倍率とはその度数に乗じることで通話料金を増減させることのできる係数のことである。図3は、料金決定情報格納部106が格納するデータの一例を示した図である。料金決定情報格納部106は、チャネル空き率が100%〜80%である場合には、度数倍率が0.25、チャネル空き率が80%未満〜50%である場合には、度数倍率が0.50というようにチャネル空き率と度数倍率とを対応させて格納している。また、本実施形態では、チャネル空き率と度数倍率とを対応させて格納しているが、チャネル空き率と度数とを対応させて格納してもよい。
【0034】
適用料金選択部102は、トラヒック算出部101bから受け取った基地局30及び基地局31のチャネル空き率を用いて、基地局30及び基地局31を介して情報の授受を行なう携帯電話機40〜43に適用される料金決定情報としての度数倍率を選択する部分である。本実施形態の場合、適用料金選択部102は、基地局30のチャネル空き率0%に基づいて度数倍率4.00を選択し、基地局31のチャネル空き率83%に基づいて度数倍率0.25を選択する。適用料金選択部102は、選択した度数倍率を、適用料金格納部107へ送る。また、適用料金選択部102は、トラヒック算出部101bから受け取ったチャネル空き率と、選択した度数倍率とを情報通知部103へ送る。
【0035】
適用料金格納部107は、適用料金選択部102が選択した基地局30及び基地局31の度数倍率を受け取って、基地局30及び基地局31のそれぞれの度数倍率を格納する部分である。図4は、適用料金格納部107が格納するデータの一例を示した図である。本実施形態の場合、適用料金格納部107は、基地局30は度数倍率が4.00、基地局31は度数倍率が0.25というように、各基地局名と度数倍率とを対応させて格納している。
【0036】
情報通知部103は、トラヒック算出部101bが算出した基地局30及び基地局31のチャネル空き率や、適用料金選択部102が選択した度数倍率といった情報を、交換局20から基地局30及び基地局31を経由して携帯電話機40〜43に送る部分である。情報通知部103は、適用料金選択部102から、チャネル空き率と度数倍率といった情報を受け取ると、その受け取った情報を、携帯電話機40〜43の要求に応じて送ったり、携帯電話機40〜43が基地局30及び基地局31を介して情報の授受、例えば通話を行なう際に送る。図5は、情報通知部103が携帯電話機40〜43に送った情報を、携帯電話機40〜43のディスプレイ部に表示した例を示した図である。情報通知部103が度数倍率を送った場合には、図5(a)に示すように、「ただ今の通話料金、通常の0.25倍」といった表示をする。また、情報通知部103がチャネル空き率を送った場合には、図5(b)に示すように、「ただ今のチャネル空き率、20%」といった表示をする。更に、情報通知部103が度数倍率を送る場合に、近隣のセルの度数倍率も送った場合には、図5(c)に示すように、「ただ今の通話料金、通常の2.00倍。○△町に移動すると通常の0.25倍」といった表示をする。
【0037】
利用料金算出部104は、交換機20に接続されている基地局30及び基地局31を介して情報の授受を行なう携帯電話機40〜43の利用料金を算出する部分である。利用料金算出部104は、携帯電話機40〜43の通話年月日、通話開始時刻、通話開始基地局、通話終了時刻、通常度数、換算度数といった情報を計測し、算出する。図6は、利用料金算出部104が計測算出した情報の一例を示した図である。利用料金算出部104は、携帯電話機40〜43の通話年月日、通話開始時刻、通話開始基地局、及び、通話終了時刻を交換局20と情報の授受を行なうことで計測する。利用料金算出部104は、通話開始時刻及び通話終了時刻と、通話距離とから通常度数を算出し、計測した通話開始基地局に基づいて、適用料金算出部107に格納されている情報を参照し、換算度数を算出する。携帯電話機40〜43の利用料金は換算度数に基づいて算出される。携帯電話機40〜43の利用料金は、利用料金算出部104が算出してもよく、また、換算度数を別途蓄積して利用料金算出システム10以外の装置で算出してもよい。
【0038】
次に、利用料金算出システム10が処理を行なうフローについて説明する。図7は、利用料金算出システム10の処理フローを示した図である。まず、使用チャネル計測部101bが基地局30及び基地局31のチャネル使用数を計測する(ステップS01)。トラヒック算出部101bは、ステップS01で計測したチャネル使用数と、チャネル数格納部105に格納されている基地局30及び基地局31のチャネル数とに基づいて、基地局30及び基地局31のチャネル空き率を算出する(ステップS02)。
【0039】
適用料金選択部102は、ステップS02で算出したチャネル空き率と、料金決定情報格納部106に格納されている度数倍率とに基づいて、基地局30及び基地局31を介して情報の授受を行なう携帯電話機に適用される度数倍率を選択する(ステップS03)。適用料金選択部102は、選択した度数倍率を適用料金格納部107に格納することで基地局30及び基地局31の度数倍率を更新する(ステップS04)。利用料金算出システム10は、ステップS01からステップS04までの処理を定期的に行なうことで、適用料金格納部107に格納される情報を適宜更新する。処理を定期的に行なう態様としては、所定の時間間隔をおいてステップS01からステップS04までの処理フローをループさせる態様や、使用チャネル計測部101aが計測したチャネル使用数が閾値を超えて変動した場合にステップS01からステップS04までの処理フローをループさせる態様などがある。
【0040】
情報通知部103は、ステップS03で選択した度数倍率をセル30a及びセル31a内に位置する携帯電話40〜43に通知する(ステップS11)。通知するタイミングとしては、携帯電話機40〜43から要求があった場合や、適用料金選択部102が新たに料金決定情報を選択した場合などがある。また、携帯電話機40〜43の通話開始時に、その時点での最新の料金決定情報を通知する態様もある。利用料金算出部104は、携帯電話機の通話に応じて度数を算出し、算出した度数に度数倍率を乗じて利用料金を算出する(ステップS21)。
【0041】
次にコンピュータを、本発明の実施形態である利用料金算出システム10として機能させるための利用料金算出プログラム82及びそれが記録されているコンピュータ読取可能な記録媒体8について説明する。図8は、利用料金算出プログラム82が記録されている記録媒体8の構成を示した構成図である。
記録媒体8としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM、コンピュータに内蔵されたメモリなどが該当する。
【0042】
記録媒体8は、図8に示すように、プログラムを記録するプログラム領域81と、データを記録するデータ領域83とを備えている。データ領域83には、図1及び図2を用いて説明したチャネル数格納部105と同様のチャネル数データベース831と、図1及び図3を用いて説明した料金決定情報格納部106と同様の料金決定情報データベース832と、図1及び図4を用いて説明した適用料金格納部107と同様の適用料金データベース833とが格納されている。
【0043】
プログラム領域81には、利用料金算出プログラム82が記録されている。利用料金算出プログラム82は、処理を統括するメインモジュール821と、チャネル使用数を計測する使用チャネル計測モジュール822と、計測したチャネル使用数と格納されているチャネル数に基づいてチャネル空き率を算出するトラヒック算出モジュール823と、算出したチャネル空き率と格納されている度数倍率とに基づいて度数倍率を選択する適用料金選択モジュール824と、携帯電話機40〜43に度数倍率やチャネル空き率を通知する情報通知モジュール825と、格納されている度数倍率に基づいて利用料金を算出する利用料金算出モジュール826とを備える。ここで、使用チャネル計測モジュール822、トラヒック算出モジュール823、適用料金選択モジュール824、情報通知モジュール825、利用料金算出モジュール826のそれぞれを動作させることによって実現する機能は、上記利用料金算出システム10の使用チャネル計測部101a、トラヒック算出部101b、適用料金選択部102、情報通知部103、利用料金算出部104のそれぞれの機能と同様である。
【0044】
本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。使用チャネル計測部101aが基地局30及び基地局31のチャネル使用数を計測し、トラヒック算出部101bがチャネル数格納部105に格納されているチャネル数と計測したチャネル使用数とに基づいてチャネル空き率を算出するので、トラヒックを示す情報としてチャネル空き率を計測することができる。トラヒック計測部101が計測した基地局30及び基地局31のトラヒックを示す情報であるチャネル空き率に基づいて、適用料金選択部102が、料金決定情報格納部106に格納されている料金決定情報としての度数倍率を選択するので、利用料金算出部104が、選択された度数倍率を用いて、基地局30及び基地局31のチャネル空き率に応じた利用料金を算出することができる。
【0045】
また、トラヒック計測部101が定期的に基地局30及び基地局31のチャネル空き率をを計測しているので、適用料金選択部102が、度数倍率を定期的に選択することができ、定期的に選択された度数倍率を用いて、利用料金算出部104が、基地局30及び基地局31の実際のチャネル空き率に応じた利用料金を算出することができる。
【0046】
また、適用料金選択部102が選択した度数倍率や、トラヒック算出部101bが算出したチャネル空き率を、情報通知部103が携帯電話機40〜43に通知するので、例えば移動体端末を利用するユーザが移動体端末を利用するかどうかを判断する際の参考情報とすることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、トラヒック計測手段が計測した基地局のトラヒックに基づいて、料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報を選択するので、選択された料金決定情報を用いて、基地局の実際のトラヒックに応じた利用料金を算出することができる。従って本発明の目的とする、移動体端末と基地局との間のトラヒックに応じて、移動体端末の利用料金を設定することが可能となる利用料金算出システム、利用料金算出方法、利用料金算出プログラム及びコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である利用料金算出システム10を用いた通信システム1を示した図である。
【図2】利用料金算出システム10のチャネル数格納部105に格納される情報の一例を示した図である。
【図3】利用料金算出システム10の料金決定情報格納部106に格納される情報の一例を示した図である。
【図4】利用料金算出システム10の適用料金格納部107に格納される情報の一例を示したずである。
【図5】携帯電話機40〜43に表示される情報の一例を示した図である。
【図6】利用料金算出システム10の利用料金算出部104が算出する情報の一例を示した図である。
【図7】利用料金算出システム10の処理フローを示した図である。
【図8】本発明の実施形態である利用料金算出プログラム10の構成を示した図である。
【符号の説明】
10…利用料金算出システム、101…トラヒック計測部、101a…使用チャネル計測部、101b…トラヒック算出部、102…適用料金選択部、103…情報通知部、104…利用料金算出部、105…チャネル数格納部、106…料金情報格納部、107…適用料金格納部、20…交換局、30〜31…基地局、30a〜31a…セル、40〜43…携帯電話機。

Claims (10)

  1. 移動体端末の基地局のトラヒックに対応させて、前記移動体端末が情報の授受を行なう際の利用料金を算出するための料金決定情報を格納する料金決定情報格納手段と、
    所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックと、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測するトラヒック計測手段と、
    当該計測したトラヒックに基づいて、前記料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報から、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とをそれぞれ選択する適用料金選択手段と
    当該選択された前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報に基づいて、前記所定の移動体端末の利用料金を算出する利用料金算出手段と
    前記適用料金選択手段によって選択された、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とを、前記所定の移動体端末にそれぞれ通知する第1の情報通知手段と
    を備える利用料金算出システム。
  2. 前記トラヒック計測手段は、定期的に、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の利用料金算出システム。
  3. 前記トラヒック計測手段が計測した前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックを、前記所定の移動体端末に通知する第2の情報通知手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の利用料金算出システム。
  4. トラヒック計測手段が、所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックと、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測する第1のステップと、
    料金決定情報格納手段が基地局のトラヒックに対応させて格納している、移動体端末が情報の授受を行なう際の利用料金を算出するための料金決定情報から、前記トラヒック計測手段が計測したトラヒックに基づいて、適用料金選択手段が、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とをそれぞれ選択する第2のステップと、
    利用料金算出手段が、当該適用料金選択手段が選択した前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報に基づいて、前記所定の移動体端末の利用料金を算出する第3のステップと
    第1の情報通知手段が、前記適用料金選択手段によって選択された、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とを、前記所定の移動体端末にそれぞれ通知するステップと
    を備える利用料金算出方法。
  5. 前記第1のステップにおいて、前記トラヒック計測手段は、定期的に、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測することを特徴とする請求項に記載の利用料金算出方法。
  6. 前記トラヒック計測手段が計測した前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックを、第2の情報通知手段が、前記所定の移動体端末に通知する第4のステップを更に備える
    ことを特徴とする請求項に記載の利用料金算出方法。
  7. コンピュータを、
    移動体端末の基地局のトラヒックに対応させて、前記移動体端末が情報の授受を行なう際の利用料金を算出するための料金決定情報を格納する料金決定情報格納手段と、
    所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックと、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測するトラヒック計測手段と、
    当該計測したトラヒックに基づいて、前記料金決定情報格納手段に格納されている料金決定情報から、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とをそれぞれ選択する適用料金選択手段と、
    当該選択された前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報に基づいて、前記所定の移動体端末の利用料金を算出する利用料金算出手段と
    前記適用料金選択手段によって選択された、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックに対応した料金決定情報とを、前記所定の移動体端末にそれぞれ通知する第1の情報通知手段と
    して機能させるための利用料金算出プログラム。
  8. 前記トラヒック計測手段は、定期的に、前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局と、前記所定の移動体端末が位置するセルとは異なるセルを受け持つ基地局のトラヒックとをそれぞれ計測することを特徴とする請求項に記載の利用料金算出プログラム。
  9. コンピュータを、前記トラヒック計測手段が計測した前記所定の移動体端末が位置するセルを受け持つ基地局のトラヒックを、前記所定の移動体端末に通知する第2の情報通知手段と
    して更に機能させるための請求項に記載の利用料金算出プログラム。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の利用料金算出プログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータ読取可能な記録媒体。
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