JP4188166B2 - 躯体接地構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波・高調波ノイズによる障害や雷害の影響を受け易いCPU機器類に対し、低コストで高品質の接地が提供可能となる躯体接地構造に関し、特に、データセンターを初めとするIT施設やIT化が進んだ事務所ビル,各種工場等に用いて好適な躯体接地構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば事務所ビルでは、従来個別に接地工事を行うことが主流であった電気設備や電気機器が、構造躯体を被接地部材に利用して接地されることがある。このような構造躯体を被接地部材として利用する躯体接地構造では、躯体全体に使用されている全ての鉄骨、特にコンクリート基礎部の鉄骨が接地に利用可能となるため、接地面積を大きく確保でき、接地抵抗を小さくすることができる。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
特開平9−259947号公報
【特許文献2】
特開平10−2038号公報
【0004】
例えば上記特許文献1に開示される建造物におけるコンクリート基礎を利用した電気設備の接地構造は、図6に示すように、鉄筋1bを配設しコンクリート2を打設したコンクリート基礎bに、このコンクリート基礎b上に建築した建造物a内で使用する配電盤や家電製品などの電気設備4の接地を、コンクリート基礎b内の鉄筋1bに直接若しくは建造物a内の鉄筋を介して間接的に電気設備4のアース線3を接続することにより、低抵抗接地構造を可能としている。なお、図中7は、アース線3の接続を容易にするアース線取付部を示す。
【0005】
また、上記特許文献2に開示される建築物における接地電極板及び接地方法は、高周波接地をするための接地電極板(専用金物)が、建築物の躯体表面に打設されたコンクリートを介して建築物の鉄筋又は鉄骨鉄筋と容量結合しうるように載置され、導電的に結合された無線設備の発生する高周波を当該鉄筋又は鉄骨鉄筋に流すために所定の対向面積を有するように構成されることで、大掛かりな手段を用いることなく、また、建築物の躯体に損傷を与えることなく良質な高周波接地を可能としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来、構造躯体を被接地部材として利用する技術としては、柱部の鉄骨や鉄筋を接地線として利用する技術が実施されている。また、データセンター等においては、フリーアクセスフロア内に銅線等を電気的に接続することにより低抵抗接地を可能にする技術が実施されている。
鉄骨や柱の主鉄筋に接地ケーブルを接続する従来の躯体接地構造では、構造躯体と、接地の必要とされる機器類とを、機器類の設置された接続場所まで接地ケーブルを用いて接続することが必要となるが、接続場所が限定されるため、接地ケーブルの長さが長くなり、結果として、接地システム全体の高周波領域におけるインピーダンス(接地抵抗)が高くなり、迷走電流や高周波ノイズ等による障害を発生させる原因となる。高周波電流は、接地ケーブルの表面付近のみを流れる特性(表皮効果)を有し、50〜60Hzという一般の商用周波数に対し、例えば10MHzの高周波電流では商用周波数の300倍以上のインピーダンスとなる。このため、接地ケーブルの長さは100cm程度とすることが理想とされている。従って、接地を必要とする機器類・盤類は、構造躯体の直近で接続することが望まれるが、デッキスラブの中央部に設置される機器類・盤類では柱等の構造躯体から離れているため、接地ケーブルの長さを短縮することが困難であった。また、データセンター等において採用されているフリーアクセス内に銅線をグリツド状に設置する技術は、多大な費用が必要になるとともに、機器を設置する場合にはこの接地線を盛り替える必要があり、維持管理の面でも、負担が発生した。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、接地ケーブルを短い長さで接続できるとともに、高周波領域におけるインピーダンスを低くでき、しかも、専用金物を溶接する構造やフリーアクセスフロア内に銅線を配設する構造と比較してコストを削減することができる躯体接地構造を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の躯体接地構造は、金属製床材と、該金属製床材の上方に間隔を有しかつ電気的に導通して配筋され該金属製床材上に打設されるコンクリート中に埋設される鉄筋とT字型吊ボルトとを具備し、該金属製床材の所望位置にボルト穴を穿設し、前記T字型吊ボルトの縦部分を該ボルト穴に貫通させてスラブ下に垂設させるとともに、前記T字型吊ボルトの横部分の両端側のそれぞれを該横部分に交差する前記鉄筋に載置して電気的に導通させた状態で接続固定し、スラブ下に垂設された前記T字型吊ボルトの縦部分に接地ケーブルを接続したことを特徴とする。
【0008】
この躯体接地構造では、コンクリート中に埋設される鉄筋と、その下部に設けられた金属製床材とが電気的に接続され、高周波領域におけるインピーダンスが低くなる。また、迷走電流が生じ難くなり、高周波ノイズが迅速に地中へ拡散される。そして、所望の位置でボルト穴が穿設可能であることから、機器類への接地ケーブルが短い長さで直接金属製床材に接続できる。これにより、コンピュータ機器類に対するノイズ障害の防止に有効に機能させることができるとともに、建物全体が等電位化されてシールド効果も得られるようになり、雷害対策上も有効となる。更に、簡素なT字型吊ボルトのみが用いられ、柱や梁等の鉄骨に専用金物が溶接される従来構造と比較してコストが大幅に削減される。
【0009】
請求項2記載の躯体接地構造は、金属製床材と、該金属製床材の上方に間隔を有しかつ電気的に導通して配筋され該金属製床材上に打設されるコンクリート中に埋設される鉄筋とT字型吊ボルトとを具備し、該金属製床材の所望位置にボルト穴を穿設し、前記T字型吊ボルトの縦部分を該ボルト穴に貫通させてスラブ下に垂設させるとともに、前記T字型吊ボルトの横部分の両端側のそれぞれを該横部分に交差する前記鉄筋に載置して電気的に導通させた状態で接続固定し、スラブ下に垂設された前記T字型吊ボルトの縦部分に、導電性を有するケーブルラックを電気的に導通させた状態で吊下げ支持し、該ケーブルラックに接地ケーブルを接続したことを特徴とする。
【0010】
この躯体接地構造では、スラブ下に垂設された縦ボルトに、導電性を有する金属製配線部材(ケーブルラック)が電気的に導通された状態で吊下げ支持され、ケーブルラック本体が被接地部材として有効利用される。これにより、接地を必要とする機器類が多数設置されるデータセンターや通信局舎等の場合においても、被接地部材がそれぞれの機器類の近傍まで配置可能となり、機器類への接地ケーブルがより短い長さで直接金属製床材に接続可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る躯体接地構造の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る躯体接地構造の実施の形態を表す構成図、図2は接地を必要とする機器類が少ない場合の躯体接地構造の変形例1、図3は本発明に係る躯体接地構造を採用したデータセンターを表す構成図、図4、図5は接地を必要とする機器類が少ない場合の躯体接地構造の変形例2、変形例3を表す構成図である。
【0014】
本実施の形態による躯体接地構造は、データセンター、IT施設、各種工場、IT化が進んだ事務所ビル等の層間スラブ11を被接地部材として利用する。スラブ11は、図1に示すように、金属製床材であるデッキプレート13と、このデッキプレート13の上方に配筋される鉄筋である主筋15と、デッキプレート13上に打設されるスラブコンクリート17とからなる。図2に示すように、主筋15は、デッキプレート13に間隔を有し且つ背筋18を介してデッキプレート13に電気的に導通してグリッド状に配筋され、スラブコンクリート17中に埋設される。デッキプレート13及び主筋15は、図示しない鉄骨梁や鉄骨柱に溶接され、鉄骨柱の下部を支持する基礎或いは杭により地面に接地されている。
【0015】
接地ケーブル21をスラブ11から取り出す方法としては、T字型吊ボルト23を、デッキプレート13上方の主筋15に溶接又は結束する。T字型吊ボルト23は、全ねじボルトからなる横部分23aの略中央に、同じく全ねじボルトからなる縦部分23bの上端を固定してT字型に形成する。T字型吊ボルト23は、デッキインサート等の専用金物に比べ、耐荷重が大きく簡素な構造で且つ容易に製作が可能となる。尚、上記全ねじボルトに代えて、他の金属材料からなるものを用いても良い。
【0016】
デッキプレート13には、所望位置にボルト穴25を穿設する。T字型吊ボルト23は、縦部分23bをボルト穴25に貫通させて、スラブ11下に垂設させるとともに、横部分23aの両端側のそれぞれを、横部分23aに交差する主筋15a、15a、15aに載置して電気的に導通させた状態で接続固定する。この場合の接続固定は、溶接によるもの或いは番線27を用いた結束であってもよい。
【0017】
スラブ11下に垂設された縦部分23bには、導電性を有する図1に示した金属製配線部材(ケーブルラック)29を電気的に導通させた状態で吊下げ支持する。ケーブルラック29の材料としては、ガルバリウムやアルミニウム等導電性の高い材料が望ましい。
【0018】
ケーブルラック29は、縦部分23bの下端に螺合したジョイント用ナット31を介してラック用吊りボルト33を連結して行う方法も可能である。この場合、ケーブルラック29を載置し、支持するチャンネル材35は、2本のラック用吊りボルト33、33によって支持されるが、少なくともそのうちの一本がT字型吊ボルト23に連結され、電気的に導通されるものであればよい。
【0019】
接地を必要とする機器類が多数設置されるデータセンターや通信局舎等では、このようにして、ケーブルを収容するためのケーブルラック29をT字型吊ボルト23に取り付け、T字型吊ボルト23とケーブルラック29を電気的に接続することによりケーブルラック29本体を接地材料として利用し、このケーブルラック29に機器類の接地ケーブル21を接続する。
【0020】
このように、ケーブルラック29を被接地部材として有効利用することにより、接地を必要とする機器類が多数設置されるデータセンターや通信局舎等の場合においても、被接地部材がそれぞれの機器類の近傍まで配置可能となり、機器類への接地ケーブル21がより短い長さで直接デッキプレート13に接続される。
【0021】
また、ケーブルラック29は、サーバー等のレイアウトに合わせ、グリッド状に配置することが好ましい。即ち、ケーブルラック29を、フリーアクセスフロア内に設けるグリッド状接地と同等に作用させて利用する。このようにケーブルラック29をデッキプレート13と平行な面上でグリッド状に配置した躯体接地構造によれば、接地ケーブル21が更に短い長さで機器類に接続可能となる。
【0022】
即ち、図3を用いてより具体的に説明すれば、構造躯体Mを構成するスラブ11と、T字型吊ボルト23を電気的に接続し、このT字型吊ボルト23とケーブルラック29を電気的に接続することにより、ケーブルラック29自体を接地材料として利用する。ケーブルラック29自体は金属製であり、複数のT字型吊ボルト23によりスラブ11と電気的に接続されることから、ケーブルラック29自体が構造躯体Mと同等の接地性能(高周波領域における低抵抗性能)を持つことが可能となる。盤類B1、B2やCPU機器類C1、C2の接地ケーブル21を最短距離で接続可能とすることから、接地ケーブル21による高周波領域における高抵抗化が回避され、良好な接地が確保される。そして、このケーブルラック29をグリッド状に設ければ、データセンターにおいてフリーアクセスフロア内に設けられる銅線を利用したグリッド接地システムと同等の接地性能を、安価に実現することが可能となる。
【0023】
次に、スラブ11を低抵抗の被接地部材として利用可能とするための具体的な施工手順を説明する。
先ず、全ねじボルトをT字型に加工しT字型吊ボルト23を製作する。全ねじボルトのサイズは、直径12mm程度以上が望ましい。又この全ねじボルトに代えて他の金属材料からなるものを用いても良い。
所望位置、或いはT字型吊ボルト23の位置に合わせてデッキプレート13にボルト穴25を穿設する。
【0024】
T字型吊ボルト23はケーブルラック29用の吊ボルトとして利用するため、穴あけ位置は通常と同じ1.5〜2mピッチで良いが、1mピッチ程度とすることが低抵抗を実現する上で好ましい。
なお、この際、ケーブルラック29の吊ボルトは、全てをT字型吊ボルト23とすることが望まれるが、上記したように片側のみをT字型吊ボルト23とすることで、他の片側は一般吊ボルト(ラック用吊りボルト33)として、コスト低減を図ることも可能である。その場合のラック用吊りボルト33は、アンカー34によってスラブ11に支持される。
【0025】
T字型吊ボルト23をボルト穴25に通した後、デッキプレート13の主筋15にT字型吊ボルト23の横部分23aを溶接又は結束する。この場合、溶接によって固定する方が低抵抗の実現、固定強度の観点から望ましい。
ワッシャー37とナット39にてT字型吊ボルト23の縦部分23bをスラブ11の下部鉄板41に固定する。ワッシャー37は、直径30mm程度以上の大型金属製ワッシャーにて下部鉄板41との接触面積を大きくすることが望ましい。なお、下部鉄板41が用いられない場合には、ワッシャー37及びナット39は直接デッキプレート13に固定される。
【0026】
このようにしてT字型吊ボルト23の設置が完了したなら、デッキプレート13上にスラブコンクリート17を打設する。
所要のコンクリート硬化養生期間が経過した後、T字型吊ボルト23の縦部分23bに、ジョイント用ナット31(図1参照)を介して一般の金属製ラック用吊りボルト33を接続し、ケーブルラック29の取り付け位置に合わせた所定の長さにする。ジョイント用ナット31は、長さ40mm程度以上の長ナットが望ましい。
次いで、ラック用吊りボルト33に、ケーブルラック29を取り付ける。なお、この場合、T字型吊ボルト23にケーブルラック29を直接取り付けることも可能である。
【0027】
ケーブルラック29本体とラック用吊りボルト33を接地ケーブル21にて接続する。接地ケーブル21のサイズとしては直径38mm以上が望ましいがこれには限定されない。
接地を必要とする機器類・盤類の接地ケーブル21をラック用吊りボルト33又はケーブルラック29本体に接続する。接地ケーブル21の長さは100cm以下が理想であるが、最短となる位置でケーブルラック29と接続する。
【0028】
従って、この躯体接地構造によれば、グリッド状に配置された主筋15と、その下部に設けられたデッキプレート13とが電気的に接続され、グリッド状接地とプレート状接地の双方の長所が得られ、高周波領域におけるインピーダンスが低くなる。また、迷走電流が生じ難くなり、高周波ノイズが迅速に地中へ拡散される。そして、所望の位置でボルト穴25が穿設可能であることから、機器類への接地ケーブル21が短い長さで直接デッキプレート13に接続できる。これにより、コンピュータ機器類に対するノイズ障害の防止に有効に機能させることができるとともに、建物全体が等電位化されてシールド効果も得られるようになり、雷害対策上も有効となる。更に、簡素なT字型吊ボルト23のみが用いられ、柱や梁等の鉄骨に専用金物が溶接される従来構造と比較してコストが削減される。
【0029】
また、上記の躯体接地構造は、主筋15にT字型吊ボルト23を載置固定することから、導体である縦部分23bを、支持構造材として導出させることができ、導体としての機能のみならず、支持構造物としての利用もできる。従って、極めて簡素な導体支持部材(T字型吊ボルト23)を用いて、導体機能及び支持機能の両機能の発現が可能となり、極めて経済的に接地支持兼用構造を得ることができる。
【0030】
このように、本実施の形態による躯体接地構造によれば、IT時代に求められる、コンピュータ機器に対するノイズ障害防止機能に優れ、建物全体の等電位化・シールド化による雷害対策にも有効な接地システムを低コストで構築できる。そして、フリーアクセスフロア内に接地銅線をグリッド状に配置する接地構造の場合、コストが5万円/m2程度となるのに対し、本実施の形態による躯体接地構造の場合では、コストが1,000円/m2程度に抑えられることが確認できた。
【0031】
次に、上記実施の形態の変形例を説明する。
本発明に係る躯体接地構造は、図2に示すように、ケーブルラック29を設けずに、T字型吊ボルト23の縦部分23bに、ナット39、39を螺着して直接接地ケーブル21の端子21aを接続したり、図4に示すように、金属製のワッシャー37を外挿した縦部分23bにナット39を螺合し、更にナット39、39を螺着して直接接地ケーブル21の端子21aを接続してもよい。このような構造は、接地ケーブル21を接続する機器類が少ない場合、コスト的に有利となる。
【0032】
更に、本発明に係る躯体接地構造は、図5に示すように、ケーブルラック29を使用しない場合の方法として、デッキプレート13の所要位置にボルト穴25を穿設し、このボルト穴25に吊ボルトや一般の六角ボルト41をデッキプレート13上から通し、ボルト41をスラブ11と電気的に接続し、デッキプレート13の下面側に垂下したボルト41の先端側に端子21aを外挿し、更にナット39を螺着して直接接地ケーブル21を接続してもよい。このような構造は、T字型吊ボルト23も省略が可能となるので、従来の、柱や梁の鉄骨に金属製プレートを溶接し、これに接地ケーブルを接続していた躯体接地方式と比較し、盤類やCPU機器類の直近位置で躯体接地が可能となり、接地ケーブル21の長さが最小となることから、高周波領域における低抵抗接地を安価に提供可能となる。
【0033】
また、図5に示した変形例では、ボルト41をデッキプレート13上から通し、ボルト41に外挿した端子21aをナット39にて螺着して直接接地ケーブル21を接続させるが、同図の右方に示すように、ボルト41に代えてアンカー45を用いてデッキプレート13と接地ケーブル21との接続を図っても良い。この場合、アンカー45には金属製のものを用いるか、或いは金属製でないものを用いる場合にはワッシャー47を用いてアンカー45とデッキプレート13とを導通させる。デッキプレート13と導通させたアンカー45には吊りボルト47を螺合させる。この吊りボルト47には、金属製カラー49、端子21aを外挿し、ナット39にて螺着して直接接地ケーブル21を接続させる。このようなアンカー45を用いた躯体接地構造の変形例によれば、ボルト47の引き抜き強度を大きくすることができ、デッキプレート13との導通を確保しながら、各種器具等の吊下げ支持部材としての機能も付与することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る躯体接地構造によれば、T字型吊ボルトの縦部分を、金属製床材であるデッキプレートに穿設したボルト穴に貫通させてスラブ下に垂設させるとともに、横部分の両端側それぞれを該横部分に交差する鉄筋に載置して電気的に導通させた状態で接続固定し、スラブ下に垂設された縦部分に接地ケーブルを接続するので、鉄筋と下部に設けられたデッキプレートは電気的に接続されて、高周波領域におけるインピーダンスを低くすることができる。また、迷走電流を発生させず、高周波ノイズを迅速に地中に拡散する効果を持つ。そして、所望の位置でボルト穴が穿設できるので、機器類の接地ケーブルを短い長さで直接金属製床材に接続することが可能となる。このため、コンピュータ機器類に対するノイズ障害の防止に有効に機能させることができるとともに、建物全体が等電位化されシールド効果も得ることができるので、雷害対策上も有効となる。更に、簡素なT字型吊ボルトや金属製ボルト、アンカーのみを用いるので、柱や梁等の鉄骨に専用金物を溶接する従来構造と比較してコストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る躯体接地構造の実施の形態を表す構成図である。
【図2】接地を必要とする機器類が少ない場合の躯体接地構造の変形例1を表す構成図である。
【図3】本発明に係る躯体接地構造を採用したデータセンターを表す構成図である。
【図4】接地を必要とする機器類が少ない場合の躯体接地構造の変形例2を表す構成図である。
【図5】接地を必要とする機器類が少ない場合の躯体接地構造の変形例3を表す構成図である。
【図6】従来の躯体接地構造を表す構成図である。
【符号の説明】
11…スラブ、13…デッキプレート(金属製床材)、15…主筋(鉄筋)、15a…横部分に交差する主筋、17…スラブコンクリート、21…接地ケーブル、23…T字型吊ボルト、23a…横部分、23b…縦部分、25…ボルト穴、29…ケーブルラック

Claims (2)

  1. 金属製床材と、
    該金属製床材の上方に間隔を有しかつ電気的に導通して配筋され該金属製床材上に打設されるコンクリート中に埋設される鉄筋とT字型吊ボルトとを具備し、
    該金属製床材の所望位置にボルト穴を穿設し、
    前記T字型吊ボルトの縦部分を該ボルト穴に貫通させてスラブ下に垂設させるとともに、前記T字型吊ボルトの横部分の両端側のそれぞれを該横部分に交差する前記鉄筋に載置して電気的に導通させた状態で接続固定し、
    スラブ下に垂設された前記T字型吊ボルトの縦部分に接地ケーブルを接続したことを特徴とする躯体接地構造。
  2. 金属製床材と、
    該金属製床材の上方に間隔を有しかつ電気的に導通して配筋され該金属製床材上に打設されるコンクリート中に埋設される鉄筋とT字型吊ボルトとを具備し、
    該金属製床材の所望位置にボルト穴を穿設し、
    前記T字型吊ボルトの縦部分を該ボルト穴に貫通させてスラブ下に垂設させるとともに、前記T字型吊ボルトの横部分の両端側のそれぞれを該横部分に交差する前記鉄筋に載置して電気的に導通させた状態で接続固定し、
    スラブ下に垂設された前記T字型吊ボルトの縦部分に、導電性を有するケーブルラックを電気的に導通させた状態で吊下げ支持し、
    該ケーブルラックに接地ケーブルを接続したことを特徴とする躯体接地構造。
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