JP4622521B2 - 配電盤の母線支持装置 - Google Patents

Description

本発明は、配電盤（閉鎖配電盤）の盤内に配線した主回路母線を絶縁支持する母線支持装置に関する。

頭記の母線支持装置として、Ｕ，Ｖ，Ｗ相の３相主回路母線の導体を個々に碍子に支持した上で、各相の碍子を碍子支持台に支持して盤内の支持フレームに取付けた構成のものが知られており（例えば、特許文献１参照）、その従来構造を図３，図４に示す。
図において、１は閉鎖配電盤、１ａは正面扉、２は配電盤１の盤内上部に配線した３相（Ｕ，Ｖ，Ｗ相）の主回路母線、２ａは各相の母線から分岐して盤内の機器に配線したフィーダ、３は母線２の支持碍子、４は盤内の天井近くに設置して盤側の支持フレームに固定した碍子支持台、５は母線２を碍子３に固定する締結ボルトである。
ここで、母線２は、配電盤１の正面から奥行き方向にＵ，Ｖ，Ｗ各相の母線導体が前後に平行して並び、各相の母線２は図４で示すように前後に並ぶ３個の碍子３を介して碍子支持台４に絶縁支持されている。
特開平８−２９８７０６号公報

前記した従来構成の母線支持装置では、各相の母線２に対応する３個の碍子３が前後に重なって一列に並び、かつ締結ボルト５は真下を向いて碍子３の下面に締結されている。
このために、配電盤の保守点検時に、盤内に立ち入った保守員が正面（矢印Ｐ）から母線２を碍子３に支持している締結ボルト６にアクセスして増し締め作業を行う場合に、正面から見てボルト５の締結箇所が目視点検し難く、特に盤内の奥側に配線されている相の母線はその前方に並ぶ他の相の母線２およびその分岐フィーダ２ａの導体が邪魔になってボルト５の増し締め作業がやり難くなるなどの問題があり、ユーザーからその改善策が要望されている。また、従来構造では３相の主回路母線２を支持するのに支持箇所ごとに３個の碍子３が必要となるため、母線支持装置の部品点数が多くなってコスト高となる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、盤内で行う保守点検の作業性向上と併せて，使用する部品点数の削減が図れるように母線支持部材の構造を改良した配電盤の母線支持装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明によれば、配電盤の盤内上部に正面手前側から奥に向けて前後平行に並べて配線した主回路各相の母線を絶縁支持する母線支持装置であって、樹脂成形品になる梁状の母線支持部材がその下面側に分散して各相の母線をボルト締結する母線取付台座を備え、かつ母線取付台座は母線の取付座面が前方斜め下に向いており、該支持部材の前後両端に形成した取付座を介して盤側の支持フレームに架設し、前記母線支持部材を、断面Ｈ形のフレームを基体として、その下面側に分散形成した前記母線取付台座の相互間に鍔状の相間バリヤーを形成した構成とする。

上記の構成によれば、１本の母線支持部材に碍子を用いずに３相主回路の各相母線を一括して絶縁支持することができ、従来構造と比べて部品点数の削減，コストの低減が図れる。また、この母線支持装置を配電盤内に組み込んで母線を支持した状態では、母線のボルト締結箇所が全て斜め前方に向いていることから、配電盤の正面側から各相のボルト締結箇所を容易に目視確認できるとともに、保守点検時に盤内に立ち入って母線の締結ボルトを増し締めする場合でも、他の相の母線，フィーダ導体に邪魔されることなく前後列に並ぶ各相母線のボルト締結部へ前方から容易にアクセスして増し締め作業が行える。

以下、本発明の実施の形態を図１，図２に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図４に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
図示実施例の構成においては、例えばエポシキ樹脂の成形品になる母線支持部材６の下面側に次記の母線取付台座を分散形成し、この母線取付台座に３相主回路の母線（Ｕ，Ｖ，Ｗ相）２が個々に締結ボルト５で固定支持されている。
ここで、母線支持部材６は断面Ｈ形のフレーム６ａを基体として、そのフレーム６ａの下面側には長手方向に分散して各相の母線２に対応する母線取付台座６ｂが一体成形されており、かつ各母線取付台座６ｂの相互間に鍔状の相間バリヤー６ｃを形成し、さらにフレーム６ａの前後両端には取付座６ｄを形成した構造になる。また、前記の母線取付台座６bは中空な角筒形で、その母線取付座面６ｂ−１が斜め前方を向くように形成されており、かつその母線取付座面には一端を開放したボルト挿入穴が形成されている。

そして、母線支持部材６に各相の母線２を固定支持するには、母線支持部材６の前後両端に設けた取付座６ｄを配電盤の盤内に布設した支持フレーム（図示せず）にボルト締結して架設した上で、支持部材６の母線取付台座６ｂごとに斜め前方を向いた母線取付座面６ｂ−１に母線２の平角導体を重ね合わせて締結ボルト５で固定支持する。なお、このボルト締結作業では、角筒形の母線取付台座６ｂに平角状のネジ座板５ａを嵌め込んでおき、母線２の導体に挿通した締結ボルト５を台座６ｂのボルト挿入穴に前方から嵌入して前記ネジ座板５ａに螺合して締結する。
上記の母線支持構造によれば、１本の母線支持部材６で３相分の母線２（３本）を一括支持することができ、これにより図４の従来構造と比べて部品点数が少なくて済む。また、母線の支持状態では、母線相互間の絶縁に必要な沿面距離を鍔状の相間バリヤー６ｃにより確保することができる。また、この母線支持部材６を配電盤内の上部に組み付けた上で、その母線取付台座６ｂに母線２を締結ボルト５で固定した配線状態では、各相母線２のボルト締結箇所が全て斜め前方に向いていることから、配電盤の正面側から各相のボルト締結箇所を容易に目視確認できるとともに、保守点検時に盤内に立ち入って締結ボルト５を増し締めする場合でも、他相の母線２，フィーダ導体２ａに邪魔されることなく前後列に並ぶ各相母線のボルト締結部へ前方から容易にアクセスして増し締め作業を行うことができる。

なお、図示実施例では母線取付台座６ｂが四角形の角筒であるが、これに限定されるものではなく、例えば三角状の突起部であってもよい。

本発明の実施例による母線支持装置に母線を支持した使用状態の俯瞰図 図１における母線支持部材の外形斜視図 配電盤内に配線した主回路母線の従来における支持装置の略示図 図３における母線支持装置の詳細構造を表す斜視図

符号の説明

１ 配電盤
２ 母線
５ 締結ボルト
６ 母線支持部材
６ａ フレーム
６ｂ 母線取付台座
６ｂ−１ 母線取付座面
６ｃ 相間バリヤー
６ｄ 取付座

Claims (1)

1. 配電盤の盤内上部に正面手前側から奥に向けて前後平行に並べて配線した主回路各相の母線を絶縁支持する母線支持装置であって、樹脂成形品になる梁状の母線支持部材がその下面側に分散して各相の母線をボルト締結する母線取付台座を備え、かつ母線取付台座は母線の取付座面が前方斜め下に向いており、該支持部材の前後両端に形成した取付座を介して盤側の支持フレームに架設し、前記母線支持部材は、断面Ｈ形のフレームを基体として、その下面側に分散形成した前記母線取付台座の相互間に鍔状の相間バリヤーを形成したことを特徴とする配電盤の母線支持装置。

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