JP4188145B2 - ポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の固相重合による製造方法に関し、更に詳しくは、フィルム成形時、ブロー成形時あるいは真空成形時に発生するフィッシュアイが改良されたポリブチレンテレフタレート系樹脂を提供する方法である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来よりポリブチレンテレフタレート系樹脂は、その優れた結晶化速度と成形性、機械強度、電気特性等により射出成形分野において広く用いられてきた。さらに近年、ポリブチレンテレフタレート系樹脂の耐薬品性やバリア性等の特性が認められ、フィルム用途やブロー成形用途においても注目されている。
【0003】
ところで、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含むポリエステルの製造法に関しては、溶融重合によって得られた比較的分子量の低いプレポリマーを固体状態で高温不活性ガス下あるいは真空下で重合を進行させ高重合度のポリエステルを得る、固相重合と呼ばれる方法が従来より一般的に行われている。この固相重合による方法は、溶融重合だけでポリエステルを得る方法と比較し、高重合度体が得られる、熱負荷が少ないためカルボキシル末端基濃度、色相等の品質が良い、設備費が比較的安い、等のメリットがある。
【0004】
しかしながら、固相重合で、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとを主たる構成要素とし、固有粘度0.8 以上のポリブチレンテレフタレート系樹脂の重合物を得た場合、これについてフィルム成形、ブロー成形あるいは真空成形等を行うと一般的にフィッシュアイと呼ばれている微小な異物が発生し、製品の外観を悪化させ、商品としての価値を低下させるという問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、例えば特許文献1には、ペレット形状が均一で微粉粒含量の少ないペレット、即ちプレポリマーを固相重合する方法が示されている。しかし、このような方法によっても、その効果は不充分で、充分にフィッシュアイの発生を抑制できない場合が多かった。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−13719号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、斯かる現状に鑑み、固相重合によるフィッシュアイの低減されたポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法を確立すべく鋭意研究を重ねた結果、固相重合に供されるプレポリマーの末端基組成を制御することにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
即ち本発明は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとを主たる構成要素とするポリブチレンテレフタレート系樹脂を固相重合により製造する方法において、固相重合に供される溶融重縮合後のプレポリマーとして、ヒドロキシル末端基の平均濃度が100 meq/kg以下の範囲内にあり、且つヒドロキシル末端基濃度のチップ間のばらつき範囲が30meq/kg以下のものを使用することを特徴とするポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法である。
【0009】
尚、固相重合に供されるポリエステルプレポリマーのヒドロキシル末端基濃度等に着目することに関しては、今までに種々の技術が提案されている。例えば、特開2002−20473号公報では、テレフタル酸とエチレングリコールを主体とするポリエステル、即ちポリエチレンテレフタレートにおいて環状三量体を低減する方法が、特開2002−20473号公報では、同じくポリエチレンテレフタレートの固相重合においてヒドロキシル末端基とカルボキシル末端基の比率を制御することで固相重合反応容器壁との融着を防止する方法が示されている。しかし、これらの技術の対象はポリエチレンテレフタレートであり、その目的も本発明とは異なるものであって、本発明とは全く別の技術である。
【0010】
また、特開平9−3181号公報では、ポリエステルの末端基が単官能化合物で置換され、ヒドロキシル末端基量が40meq/kg以下であり、成形時および高温使用時の発生有機ガスが低減されたポリエステルが提案されている。しかし、この技術は固相重合して得られる最終ポリエステルの末端基の組成に特徴があり、固相重合に供されるプレポリマーのヒドロキシル末端基量を制御する本発明とは技術内容が異なり、目的も全く異なるものである。
【0011】
また、フィッシュアイを低減する方法に関しては、特開平11−100438号公報には、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート系をブレンドした後に固相重合する方法が、特開昭47−110230号公報には、特定のエーテルまたはチオエーテル系化合物を含有させる方法が、特開昭58−40320号公報、特開昭58−40321号公報には、ジルコニウム化合物を含有させる方法が開示されているが、これらは主にポリエチレンテレフタレートを対象としており、ポリブチレンテレフタレート系では融点の低下等、物性の低下を引き起こしたり、効果が充分ではなかった。
【0012】
更に、ポリブチレンテレフタレートを対象としてフィッシュアイを低減する方法に関しては、特開2001−270937号公報、特開2002−20477号公報には、連続式溶融重合工程の途中段階にフィルターを設置しフィッシュアイを低減する方法が開示されている。しかし、この方法によっては固相重合により発生するフィッシュアイの発生自体を抑制することが出来ない場合があった。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。先ず、前述の通り、本発明の特徴は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を固相重合により製造する方法において、固相重合に供される溶融重合後のプレポリマーとして、ヒドロキシル末端基の平均濃度が100 meq/kg以下(好ましくは80meq/kg以下)の範囲内にあり、且つヒドロキシル末端基濃度のチップ間のばらつき範囲が30meq/kg以下(好ましくは20meq/kg以下)に制御されたものを使用することにある。
【0014】
本発明で言うポリブチレンテレフタレート系樹脂とは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主体とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主体とするジオール成分を重縮合して得られる主としてブチレンテレフタレート繰り返し単位からなるポリエステルであって、その30モル%以内、好ましくは20モル%以内で、第3成分を共重合させたコポリエステルであってもよい。かかる共重合成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA等のジオール成分、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸、オキシ安息香酸、オキシナフタレン酸等のオキシ酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多官能性化合物或いはこれらのジオール、ジカルボン酸、オキシ酸、多官能性化合物のハロゲン化物や誘導体が挙げられる。
【0015】
本発明において固相重合に供されるポリブチレンテレフタレート(プレポリマー)は、かかる構成成分からなり、液相でのエステル化反応またはエステル交換反応を経て、さらに溶融重縮合する通常の方法によって得られる。
【0016】
エステル化反応は、通常、テレフタル酸1モルに対し、1,4−ブタンジオール1〜2モルの割合で、常圧または加圧下200 〜240 ℃の温度で、連続的に生成する水を除去しながら行われる。この時、チタン化合物等の触媒が存在していると好都合なことが多い。
【0017】
エステル交換反応は、通常、テレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールを1:1〜1:2(モル比)の割合で、常圧下、150 〜220 ℃の温度で、連続的に生成するメタノールを除去しながら行う。実用的な反応速度を得るには触媒を必要とし、触媒としてはチタン化合物、アンチモン化合物、スズ化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物などが良い。特に有機チタネート、有機スズ化合物、四塩化チタン加水分解物、加アルコール分解物が好適である。特に好適なものの例としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラメチルチタネート等の有機チタネートおよびその加水分解物、四塩化チタンおよび硫酸チタンの加水分解物、チタン弗化カリ、チタン弗化亜鉛、チタン弗化コバルト等の無機チタン化合物、シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリ、テトラエチルスズ、ジブチルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、ジブチルスズジクロライド、シュウ酸第1スズ等又はこれらの2種以上よりなる一般にポリエステルの製造触媒として公知のチタン化合物及びスズ化合物が挙げられる。
【0018】
これらの使用量は、モノマー全量に対し20〜5000ppm 、好ましくは50〜2000ppm である。触媒の添加は必要に応じて反応中数回以上に分けて添加することもできる。
【0019】
溶融重縮合反応は、上記エステル化反応またはエステル交換反応によって得られる生成物(ポリマー前駆体)を減圧下、200 〜260 ℃で、1,4−ブタンジオールおよび副生物を連続的に除去しながら所望の重合度が得られるまで行われ、ポリブチレンテレフタレート(プレポリマー)が得られる。重縮合反応時に実用的な反応速度を得るためには触媒を必要とする。
【0020】
触媒としては前記エステル化反応またはエステル交換反応に使用される如き物質がそのまま使用可能であり、また重縮合反応の速度を向上させるため、重縮合反応開始前に更にこれらの1種または2種以上を追加することも可能である。
【0021】
このようにして準備されるポリエステルは固相重合に供され、更に重合度を増加させることができるが、この固相重合に供されるポリマーをプレポリマーと呼ぶ。このプレポリマー製造での溶融重縮合における重合温度、真空度、重合時間、重合機や撹拌機の形状、反応に供される触媒種とその濃度等の条件により、プレポリマーのポリマー鎖の末端基組成が変化する。即ち、一般的に重合時間、反応温度等を増加させることによる重合度の増加に伴い、ポリマー鎖の全末端基濃度は減少する。一方、末端基の種類としては、1,4−ブタンジオールをジオール成分の主成分とするポリエステルにおいては、1,4−ブタンジオール由来のヒドロキシル末端基(以下、HEGと表記)、テレフタル酸由来のカルボキシル末端基(以下、CEGと表記)、1,4−ブタンジオールの分解物由来のブタジエン末端基(以下、VEGと表記)が主な末端基として知られている。このうち、CEGとVEGは溶融重縮合時および排出時にHEGからのテトラヒドロフラン(THF)の脱離反応、主鎖熱分解により、経時時間に対しほぼ直線的に増加かることがわかっている。HEGもTHFの脱離反応に伴い、経時時間に対しほぼ直線的に減少する。即ち、これらの運転条件、重合時および排出時の条件を選ぶことで全末端基数および末端基組成をコントロールすることがある程度可能である。
【0022】
本発明者らは、運転条件により制御されたプレポリマーの末端基組成と、固相重合されたポリマーのフィルム製膜時等のフィッシュアイ発生との関連を検討した結果、HEGの組成を制御することでフィッシュアイ発生を抑制することができることが判明し、本発明に至ったものである。即ち、CEG、VEGの値に関係なく、プレポリマーのHEGの平均値を100 meq/kg以下、好ましくは80meq/kg以下の範囲内とすることによりフィッシュアイの量が低減されたポリマーを得ることができる。HEGの値が100 meq/kgを超えるとフィッシュアイの量が多くなり、実用性能に欠けるものとなる。
【0023】
また、プレポリマーのHEGの値は、チップ間のばらつき範囲が30meq/kg以下、好ましくは20meq/kg以下であることが必要である。HEGのチップ間のばらつきとは、プレポリマーのチップのHEGの実質的な最小値と最大値の差を意味する。チップのHEGの平均値が100 meq/kg以下であっても、チップ間のばらつき範囲が30meq/kgを超える場合はフィッシュアイの量が多くなる。チップ間のHEGのばらつきは、製造ロット間のばらつきに由来する場合もあるが、主にはバッチ式重合では、溶融重縮合が終了後、ポリマー排出時のバッチ内滞留によるHEGからのTHFの脱離によってHEGの減少が起こり、HEGのチップ間ばらつきが発生する。前記した通り、HEGはポリマー排出時に経時に対しほぼ直線的に減少するため、排出初期チップと排出末期チップのHEGの差がHEGのチップ間ばらつきとなる。このポリマー排出時の滞留によるHEG減少は、当然ながら排出時間を短くしたり、排出時間の特定時間のみを選択することにより回避可能であり、かかる手法によりHEGのチップ間ばらつきを抑制できるが、溶融重縮合の段階でアルカリ金属水酸化物あるいはアルカリ金属塩を添加するという手法でも抑制でき、この方法は簡便で特に好ましい。
【0024】
即ち、溶融重縮合の任意の段階でアルカリ金属水酸化物あるいはアルカリ金属塩を5ppm 以上500 ppm 未満添加することにより製造されたプレポリマーを用いることは本発明の効果を得る上で特に好ましい方法である。ここで用いられるアルカリ金属水酸化物あるいはアルカリ金属塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属の脂肪族カルボン酸塩である酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、蓚酸ナトリウム等が好適である。これらの添加量は5ppm 以上500 ppm未満であり、5ppm 未満の場合は、ポリマー排出時の滞留によるHEG減少抑制効果が充分でなく、通常の排出時間内ではHEGのばらつきが30meq/kgを超え、結果的に固相重合後のフィッシュアイが悪化する。また、アルカリ金属水酸化物あるいはアルカリ金属塩が多くなりすぎると、実質的に溶融重縮合が困難になる。
【0025】
本発明において、HEGの測定は、後述するようなNMRを用いる一般的な方法により行うことができる。また、HEGのばらつき範囲は、重合終了後、ポリマーが排出される際の排出初期、および最終時の排出時のHEGを上記の方法で測定し、これを各バッチ毎に行うことにより、その最大値と最小値の差をもってこれを知ることができる。
【0026】
本発明において、固相重合の方法自体は従来公知の一般的な条件で行うことができる。本発明により得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂の重合度を規定するならば、固有粘度としては0.8以上になる場合に効果が大きく、フィルム成形、ブロー成形、真空成形に適するものとして、0.9〜1.5程度が特に好ましい。
【0027】
本発明によって得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂には、その目的に応じた所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、即ち熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤や難燃助剤、染料や顔料等の着色剤、流動性や離型性を改善するための滑剤、離型剤、結晶化促進剤、ガラス繊維やガラスビーズ等の無機物、他の熱可塑性樹脂等を単独あるいは複数配合した組成物として使用することもできる。
【0028】
本発明の方法によって得られたポリブチレンテレフタレート系樹脂は、射出成形等の一般的な成形加工に供することも勿論可能であるが、フィルム成形、ブロー成形、真空成形等に特に好適に用いられ、その際に発生するフィッシュアイが極めて少ないという特徴を有する。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の例で部は重量部を意味する。
実施例1
撹拌機、精留塔付き反応容器にジメチルテレフタレート(以下、DMTと表記)88部、1,4−ブタンジオール(以下、BDと表記)61部、テトラブチルチタネート(以下、TBTと表記)0.07部、酢酸ナトリウム0.005 部を仕込み、窒素下にて撹拌を行いながら加熱した。30分後に145 ℃に達し、この時点でエステル交換反応によるメタノールの留出が認められた。さらに昇温を行い、100 分をかけて210 ℃に達した時点で、メタノール留出量は26.5部となり理論量の91重量%に達した。
【0030】
続いて、反応系を注意深く徐々に減圧し同時に昇温を行い、30分をかけて250℃、0.5torr とした。250 ℃、0.5torr に系を維持し、100 分間重縮合反応を進行させた。
【0031】
続いて、系内に窒素を導入して常圧に戻し、反応容器の下部バルブを開放してポリマーをストランド状に排出し、水による冷却固化の後、ストランドカッターにてペレタイズを行った。排出に要した時間は30分であった。
【0032】
排出初期、排出開始後15分および排出開始後30分のペレットを採取し、これらペレットのHEG濃度を測定した。HEG濃度の測定は、ペレットを重水素化ヘキサフロロイソプロパノールに溶解し、NMRにて末端ヒドロキシル基に隣接するメチレンのプロトンのスペクトルをポリマー主鎖中のテトラメチレンと比較することで定量した。結果を表1に示す。
【0033】
上記のようにして得られたプレポリマー全量を、窒素導入管と排気管を持つ、全体を一定温度に制御できる反応容器に仕込み、ポリマー体積に対し1分間当たり2倍の体積の窒素を供給した。反応容器の温度および供給する窒素温度は190℃とした。この状態で15時間固相重合を行い、得られたポリマーの固有粘度(IV;オルトクロロフェノール中25℃で測定)を測定した。
【0034】
また、得られたポリマーを、Tダイおよび30℃に制御された冷却ローラー付きの1軸押出機で250 ℃で成形し、50μm 厚のフィルムを得た。得られたフィルムについて、フィッシュアイを顕微鏡で観察し、100cm2当たりの直径10μm 以上のフィッシュアイの数を測定した。結果を表1に示す。
実施例2〜12
表1に示すように、プレポリマー製造の際の触媒量、アルカリ金属化合物の種類および量、並びにその添加時期、重縮合条件を変化させてプレポリマーを得て、表1に示す条件で固相重合を行いポリマーを得た。次いで、実施例1と同様にフィルムを得て評価した。結果を表1に示す。
【0035】
尚、実施例8、9では、排出初期から排出開始後15分のペレットのみをプレポリマーとして使用し固相重合を行った。
比較例1〜8
表2に示すように、プレポリマー製造の際の触媒量、アルカリ金属化合物の種類および量、並びにその添加時期、重縮合条件を変化させてプレポリマーを得た。これらプレポリマーは本発明で規定するHEG濃度あるいはHEG濃度のチップ間のばらつき範囲の要件を満たさないものであった。これらプレポリマーを用いて、表2に示す条件で固相重合を行いポリマーを得た。次いで、実施例1と同様にフィルムを得て評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の方法により得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂は、フィルム成形時、ブロー成形時あるいは真空成形時に発生するフィッシュアイが低減されており、この種の用途に好適に用いられる。
Claims (5)
- テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとを主たる構成要素とするポリブチレンテレフタレート系樹脂を固相重合により製造する方法において、固相重合に供される溶融重縮合後のプレポリマーとして、ヒドロキシル末端基の平均濃度が100 meq/kg以下の範囲内にあり、且つヒドロキシル末端基濃度のチップ間のばらつき範囲が30meq/kg以下のものを使用することを特徴とするポリブチレンテレフタレート系樹脂の製造方法。
- 固相重合に供されるプレポリマーとして、ヒドロキシル末端基の平均濃度が80meq/kg以下の範囲内にあるものを使用する請求項1記載の製造方法。
- 固相重合に供されるプレポリマーとして、ヒドロキシル末端基濃度のチップ間のばらつき範囲が20meq/kg以下のものを使用する請求項1又は2記載の製造方法。
- 固相重合に供されるプレポリマーが、その溶融重縮合に際し、溶融重縮合の任意の段階でアルカリ金属水酸化物あるいはアルカリ金属塩を5ppm 以上500 ppm 未満添加することにより製造されたものである請求項1〜3の何れか1項記載のの製造方法。
- 請求項1〜4の何れか1項記載の方法で製造された、フィッシュアイが改良されたポリブチレンテレフタレート系樹脂からなるフィルム。
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