JP4186589B2 - シート形電子部品モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高速ICやプロセッサのノイズ吸収、あるいはフィルタ等に使用されるシート形電子部品モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータや通信機器の高速化が進められている中で、これらに使用される電子部品の小型化や高周波対応化が要求されている。これに伴い電子部品の一つであるコンデンサについても大容量化、低インピーダンス化が必要となり、特に、コンピュータのCPU駆動用電源回路は、回路設計上、高周波対応としてノイズやリプル電流の吸収性が要求され、低ESR(等価直列抵抗)化、低ESL(等価直列インダクタンス)化、耐高リップル電流化、大容量化を実現することができる電解コンデンサが強く求められており、このような要求に対応するため、CPUの周辺にはCPUに近接する位置に小形のチップ形コンデンサが多数配置されているのが実態であった。
【0003】
図15はPentium(登録商標)4で代表されるCPU周りを示したものであり、図15において1はCPUに代表されるIC、2はこのIC1の下面に設けられた接続用ピン、3はICソケット、4はこのICソケット3が半田付けされたプリント配線板であり、このように構成されたCUPに近接するようにチップ形コンデンサ70を実装しているものであった。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−130150号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のCPU周りのコンデンサの実装状態では、IC1には478本の接続用ピン2があり、かつICソケット3のプリント配線板4上においてはIC1からの引き出し用の配線パターン(図示せず)が設けられているためにIC1周辺のチップ形コンデンサ70や図示しない他の電子部品の実装位置が遠ざかりつつあると共に、実装面積が不足しつつあるという問題を有していた。
【0007】
一方、CPUの動作周波数は上昇の一途をたどっており、ノイズ吸収及び電流供給のために大容量で低ESR、かつ低ESLのチップ形コンデンサをCPUにできるだけ近付けなければならないという相反する状況となっており、現行技術のみでは対応し切れなくなりつつあるというのが実態であった。
【0008】
その一要因として、CPUのICソケット3の高さが約3mm、ICソケット3からチップ形コンデンサ70までの距離が数十mmあるため、CPUに対してESLが上昇し、構造上高周波になるほどインピーダンスが上昇し、高周波領域で低ESLのコンデンサの性能を十分発揮できないということが挙げられる。
【0009】
本発明はこのような従来の課題を解決し、大容量で低ESLの電子部品をICのすぐ近傍で接続することにより、ICの周辺回路の実装面積を増やすことができるシート形電子部品モジュールを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の発明は、ICの接続用ピンが嵌まり込む貫通孔と、この貫通孔の中で上記ICの接続用ピンとの電気的接続が必要な貫通孔内に形成されたコンタクト部と、このコンタクト部を含む配線パターンとを備えた導電性の陰極シートと、この陰極シートと同様に形成された導電性の陽極シートと、上記陰極シートと陽極シートの間に設けられた絶縁層と、上記陰極シートと陽極シートに一対の取り出し電極部が夫々接続された少なくとも1個以上の電子部品素子とを含み、前記陰極シートと陽極シートと絶縁層と電子部品素子を一体に積層接合して1組とし、これを複数組積層して一体化した状態で外表面の少なくとも一部を被覆した絶縁性の外装部材からなるシート形電子部品モジュールというものであり、この構成により、ICとICソケット間にシート形電子部品モジュールを挟み込むことができるため、シート形電子部品モジュールに電子部品素子を高密度に実装する面積を確保することができるという作用効果を有する。
【0011】
また、前記構成により、ICの接続用ピンの根元から電子部品素子を接続することができるため、電子部品素子とCPU間の配線によるESLを大幅に下げることができるという作用効果を有する。
【0012】
また、絶縁層を介して対向して接合された陰極シートと陽極シートに電子部品素子の一対の取り出し電極部を夫々接続したものを1組とし、これを複数組積層して一体化した構成により、ICにおいては一般的に約1/4から1/3が同系統の電源ラインで構成されているために複数の電子部品素子を一括して接続することができるという作用効果を有する。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、陰極シートおよび/または陽極シートの周縁部に補強用の壁を設けた構成とすれば、補強部材を用いることなくシート形電子部品モジュールの折り曲げ強度を向上させることができるという作用効果を有する。
【0014】
本発明の請求項に記載の発明は、複数組の積層間に絶縁層を設けたというものである。
【0015】
本発明の請求項に記載の発明は、複数組の電子部品素子の種類および/または特性が夫々異なるようにしたというものであり、この構成により、種類や特性が異なる複数の電子部品素子を一つのシート形電子部品モジュールに実装することができるという作用効果を有する。
【0016】
本発明の請求項に記載の発明は、陰極シートと陽極シートの少なくとも一方と絶縁層に開口部を設け、この開口部内に電子部品素子を配設したというものであり、この構成により、シート形電子部品モジュールの薄型化を図ることができるという作用効果を有する。
【0017】
本発明の請求項に記載の発明は、陰極シートならびに陽極シートにテストピンを直接接触させるための開口部を絶縁層に設けたというものであり、この構成により、実装部品の回路チェックやコンデンサ素子のエージング工程における電気供給をコンタクト部を経由しないで行うことができ、またICの接続用ピンと接続されるコンタクト部を生産工程において保護することができるという作用効果を有する。
【0018】
本発明の請求項に記載の発明は、ICの接続用ピンと電気的に接続されるコンタクト部を楕円形とし、この楕円形の長径方向が丸形のICの接続用ピンの直径より長く、同短径方向が同直径より短いように形成したというものであり、この構成により、コンタクト部にエッジが無いために亀裂が入り難く、しかも確実な接続が得られるという作用効果を有する。
【0019】
本発明の請求項に記載の発明は、楕円形のコンタクト部の短径方向の両サイドに一対のスリット部を設けたというものであり、この構成により、コンタクト部内にICの接続用ピンを挿入した際に発生する応力を緩和することができるという作用効果を有する。
【0020】
本発明の請求項に記載の発明は、ICの接続用ピンと電気的に接続されるコンタクト部を略星形とし、この星形の最大径が丸形のICの接続用ピンの直径より大きく、同最小径が同直径より小さいように形成したというものであり、この構成により、ICの接続用ピンをコンタクト部内に挿抜する際に、ICの接続用ピンが接触する最小径部分が上下に移動して応力を緩和することができるため、ICの接続用ピンのコンタクト部内への挿抜をスムーズに行うことができるという作用効果を有する。
【0021】
本発明の請求項10に記載の発明は、シート形電子部品モジュールの中心部に凸部または凹部を形成し、この凸部または凹部内に電子部品素子を配設したというものであり、この構成により、高さの高い電子部品素子をシート形電子部品モジュール内に実装することができると共に、シート形電子部品モジュールの逆挿入を防止することができるという作用効果を有する。
【0022】
本発明の請求項11に記載の発明は、電子部品素子コンデンサ素子を含むものであり、この構成により、低ESLで薄型化を図ったコンデンサ素子をより効率的に使用することができるという作用効果を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1,7,8に記載の発明について説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態1によるシート形電子部品モジュールとこの使用状態を示した分解斜視図、図2は同シート形電子部品モジュールにICを接続した状態を示した断面図であり、図1、図2において、1はCPUに代表されるIC、2はこのIC1の下面に設けられた接続用ピンを示し、本実施の形態ではPentium(登録商標)4(2.8GHz)用のICパッケージとして478ピンのFC−PGA2を用いた例を示したものである。3はICソケット、4はこのICソケット3が半田付けされたプリント配線板である。
【0025】
5は本発明のシート形電子部品モジュールであり、このシート形電子部品モジュール5には上記IC1の接続用ピン2が貫通する貫通孔6が設けられ、かつIC1の接続に必要な接続用ピン2が貫通する貫通孔6にのみ、接続用ピン2と導通するコンタクト部7(図中の黒色塗りつぶし部分)が形成された構成となっており、このシート形電子部品モジュール5は、フレキシブルプリント基板8に電子部品素子(本実施の形態ではコンデンサを用いた)9を実装し、これを固定基板10に貼り合わせることによって構成されたものである。
【0026】
図3(a)〜(d)は上記コンタクト部7の構成を示したものであり、同図(a)はIC1の接続用ピン2と非接触の場合の貫通孔6を示したもので、この場合の貫通孔6の大きさは接続用ピン2の外径の2倍以上の大きさとすることが好ましく、貫通孔6の大きさが大きい程、非接触の信頼性が増すために好ましいものである。
【0027】
同図(b)はIC1の接続用ピン2と接触して導通することが必要な場合の貫通孔6aを示したもので、丸形の接続用ピン2の外径に対し、最大径が接続用ピン2の直径よりも大きく、最小径が同直径よりも小さい略星形の貫通孔6aによりコンタクト部7を形成したものであり、接続用ピン2と接触する突起部(最小径部分)が接続用ピン2の挿抜により上下に移動して応力を緩和することができるため、接続用ピン2の挿抜をスムーズに行うことができるようになるものである。
【0028】
同図(c)は同じくIC1の接続用ピン2と接触して導通することが必要な場合の貫通孔6bを示したもので、丸形の接続用ピン2の外径に対し、長径方向が接続用ピン2の直径よりも大きく、短径方向が同直径よりも小さい略楕円形の貫通孔6bによりコンタクト部7を形成したものであり、この形状のものはエッジが無いのでコンタクト部7へのストレスによる亀裂が入りにくいようになるものである。
【0029】
同図(d)は同じくIC1の接続用ピン2と接触して導通することが必要な場合の貫通孔6bを示したもので、上記図3(c)に示した略楕円形の貫通孔6bに加え、この貫通孔6bが接続用ピン2によって広がった場合のストレスを吸収するためのスリット6cを貫通孔6bの短径方向の両サイドに平行に隣接して設けたものであり、このスリット6cにより貫通孔6bに加える応力を緩和することができるため、接続用ピン2の挿抜をスムーズに行うことができるようになるものである。
【0030】
以上の(a)〜(d)のどのタイプのコンタクト部を用いても良いが、単に多角形のコンタクト部でも良いことは言うまでもない。
【0031】
このように構成された本実施の形態によるシート形電子部品モジュール5は、IC1のピン2をシート形電子部品モジュール5の貫通孔6を貫通させ、ICソケット3に装着することにより、コンタクト部7を介してIC1とシート形電子部品モジュール5を導通させることができるものであり、簡単な構成で薄型化を図った電子部品モジュールを実現することができるものである。
【0032】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項1,2,5,6,11に記載の発明について説明する。
【0033】
図4は本発明の実施の形態2によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図、図5はこのシート形電子部品モジュールに用いられるコンデンサの構成を示した断面図、図6は同シート形電子部品モジュールの使用状態を示した分解斜視図、図7は同シート形電子部品モジュールにICを接続した状態を示した断面図である。
【0034】
図4において11は導電性の陰極シートであり、この陰極シート11にはIC1の接続用ピン2が貫通する貫通孔12が設けられ、かつIC1の接続に必要な接続用ピン2が貫通する貫通孔12にのみ、接続用ピン2と導通するコンタクト部13(図中の黒色塗りつぶし部分)が形成され、さらに周縁部14を略L字形に折り曲げて補強した構成となっている。15はこの陰極シート11の外(図中の下面)側に配設された絶縁シート、16は陰極シート11の内(図中の上面)側に配設された高分子材料よりなる絶縁シートであり、この絶縁シート16の中央部には開口部20が設けられている。
【0035】
17は導電性の陽極シートであり、この陽極シート17にはIC1の接続用ピン2が貫通する貫通孔18が設けられ、かつIC1の接続に必要な接続用ピン2が貫通する貫通孔18にのみ、接続用ピン2と導通するコンタクト部19(図中の黒色塗りつぶし部分)が形成され、かつ中央部には開口部20が設けられている。21はシート状のコンデンサ素子であり、22と23はこのコンデンサ素子21に設けられた陽極取り出し部と陰極取り出し部である。24は上記陽極シート17の上面に配設された絶縁シートであり、この絶縁シート24にはIC1の接続用ピン2が貫通する貫通孔25が設けられている。
【0036】
このような構成の本実施の形態2によるシート形電子部品モジュールは、外側に絶縁シート15を接合した導電性の陰極シート11の内側に絶縁シート16と導電性の陽極シート17を積層接合し、絶縁シート16と陽極シート17の中央部に設けられて重なり合った開口部20内へコンデンサ素子21を配設すると共に、コンデンサ素子21の陽極取り出し部22を陽極シート17に、同陰極取り出し部23を陰極シート11に電気的に接続した後、上記陽極シート17を覆うように絶縁シート24で封止することによって構成されるものである。
【0037】
なお、図4において26と27は上記導電性の陰極シート11と陽極シート17に直接テストピンを接触させることができるように絶縁シート15,24に夫々設けた開口部であり、この開口部26,27を広く形成することにより、上記コンデンサ素子21の生産時に必要なエージング工程における電気供給をスムーズに、かつ確実に行うことができるようになるものである。
【0038】
なお、上記絶縁シート15,16,24は、エポキシやメラミン等の絶縁塗料や、PET,PP,PCシート等の絶縁材料や、PI,PAI等の耐熱絶縁シートで形成しても良く、また、接着剤(または粘着剤)により貼り合わせ構造にしても良い。また、外装として樹脂成形によって覆ったり、絶縁シートにより表面を被覆したり、コーティング材でコーティングしたり、あるいは絶縁塗料を印刷しても良い。
【0039】
また、コンタクト部13と19を形成する導電性の陰極シート11と陽極シート17は、バネ用リン青銅に金メッキを施したものや、ステンレス等の弾性を有する材料で構成することが好ましいが、銅・鉄・アルミニウムシート、または弾性フィルムと金属箔をラミネートしたシートで構成しても良い。
【0040】
また、図5は上記シート状のコンデンサ素子21の構成を詳細に示した断面図であり、陽極取り出し部22を設け、かつ表面に誘電体酸化皮膜28を形成した電極体の表面に機能性高分子からなる固体電解質層29を重合により形成し、この表面にカーボンと銀ペイントからなり、陰極取り出し部23となる陰極層が形成された構成とし、厚みは0.1〜0.2mm以下に構成され、陰極取り出し部23の上面と下面はサイドに設けた切り欠き部30で導通させているものである。
【0041】
このように構成された本実施の形態2によるシート形電子部品モジュール31は、図6に示すように、IC1の下面に設けられた接続用ピン2をシート形電子部品モジュール31に形成された貫通孔32(貫通孔12,18,25が一体化したもの)を貫通させてICソケット3に装着することにより、コンタクト部33(コンタクト部13,19が一体化したもので、図中の黒色塗りつぶし部分)を介してIC1とシート形電子部品モジュール31を導通させることができるものであり、簡単な構成で薄型化を図ったシート形電子部品モジュール31を提供することができるものである。
【0042】
なお、図7に示すように、上記IC1をシート形電子部品モジュール31に装着した状態では、導電性の陰極シート11と陽極シート17に形成された貫通孔12と18が接続用ピン2よりも大きく形成されているため、貫通孔12と18は接続用ピン2と電気的に接続しない。さらに、陰極シート11に形成されたコンタクト部13は接続用ピン2と接触して電気的に接続されるが、この上部の陽極シート17の貫通孔18が大きく形成されているために貫通孔18は接続用ピン2とは接触せず、陰極シート11のみが接続用ピン2と電気的に接続される。
【0043】
同様に、陽極シート17に形成されたコンタクト部19は接続用ピン2と接触して電気的に接続されるが、この下部の陰極シート11の貫通孔11aが大きく形成されているため、貫通孔11aは接続用ピン2と電気的に接続されず、陽極シート17のみが接続用ピン2と電気的に接続されるものである。
【0044】
また、IC1の接続用陰極ピン2aはコンタクト部13と陰極シート11を介してコンデンサ素子21の陰極取り出し部23に接続され、IC1の接続用陽極ピン2bはコンタクト部19と陽極シート17を介してコンデンサ素子21の陽極取り出し部22に接続されるものであり、一般的に陽極シート17と陽極取り出し部22は金属と金属で構成されるため、電気またはレーザ等の溶接や、カシメや、超音波溶着等により接続され、陰極シート11と陰極取り出し部23は金属と導電性材料で構成されるため、導電性インクや接着剤、または圧接により接続されるものである。
【0045】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項1,3,4に記載の発明について説明する。
【0046】
本実施の形態は、上記実施の形態2のシート形電子部品モジュールのコンデンサ素子を2個積層状態で実装し、かつ夫々のコンデンサ素子の特性が異なるようにしたものであり、この構成以外は実施の形態2と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0047】
図8は本発明の実施の形態3によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図、図9は同断面図であり、同図において21と37はシート状のコンデンサ素子を示したものであり、このコンデンサ素子21は上記実施の形態2と同様に、導電性の陰極シート11の内側に絶縁シート16と導電性の陽極シート17を積層接合し、絶縁シート16と陽極シート17の中央部に設けられて重なり合った開口部20内へコンデンサ素子21を配設すると共に、コンデンサ素子21の陽極取り出し部22を陽極シート17に、同陰極取り出し部23を陰極シート11に電気的に接続した後、上記陽極シート17を覆うように絶縁シート24で封止することによって第1のコンデンサモジュールが構成されている。
【0048】
また、上記導電性の陰極シート11の下には、絶縁シート34と導電性の第2の陽極シート35を積層接合し、絶縁シート34と第2の陽極シート35の中央部に設けられて重なり合った開口部36内へコンデンサ素子37を配設すると共に、コンデンサ素子37の陽極取り出し部38を第2の陽極シート35に、同陰極取り出し部39を陰極シート11に電気的に接続した後、上記陽極シート17を覆うように絶縁シート40で封止することによって第2のコンデンサモジュールが構成されているものである。
【0049】
なお、図9において13は陰極シート11のコンタクト部、19は第1のコンデンサモジュールの陽極シート17のコンタクト部、41は第2のコンデンサモジュールの第2の陽極シート35のコンタクト部を示し、これらのコンタクト部がIC1の接続用ピン2と接触する部分となるものである。
【0050】
このように本実施の形態によるシート形電子部品モジュールは、耐電圧または特性が異なる複数の電子部品(コンデンサ)素子を一つのモジュールの中に一体に形成することができるために、一つのIC1の異なる電圧の接続用ピン2に夫々の耐電圧のコンデンサ素子21,37を一括して接続することができるようになり、より一層の小型・薄型化を図ることができるものである。
【0051】
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明の特に請求項1,4に記載の発明について説明する。
【0052】
本実施の形態は、上記実施の形態2のシート形電子部品モジュールのコンデンサ素子を2個積層状態で実装し、かつ夫々のコンデンサ素子の特性が異なるようにしたものであり、この構成以外は実施の形態2と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0053】
図10は本発明の実施の形態4によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図、図11は同断面図であり、同図において11は導電性の陰極シートであり、この陰極シート11の上に導電性の陽極シート42,43を夫々その間に絶縁シート44,45を介して積層し、かつコンデンサ素子37の陽極取り出し部38を陽極シート42に、同陰極取り出し部39を陰極シート11に接続し、さらに上記コンデンサ素子37とは耐電圧または特性が異なるコンデンサ素子21の陽極取り出し部22を陽極シート43に、同陰極取り出し部23を陰極シート11に接続した後に絶縁シート46で封止することによりシート形コンデンサモジュールを構成したものである。
【0054】
なお、図11において47は陰極シート11のコンタクト部、48はコンデンサ素子37の陽極となる陽極シート42のコンタクト部、49はコンデンサ素子21の陽極となる陽極シート43のコンタクト部を示し、これらのコンタクト部がIC1の接続用ピン2と接触する部分となるものである。
【0055】
このように本実施の形態によるシート形電子部品モジュールは、上記実施の形態3と同様に、耐電圧または特性が異なる複数の電子部品(コンデンサ)素子を一つのモジュールの中に一体に形成することができるために、一つのIC1の異なる電圧の接続用ピン2に夫々の耐電圧のコンデンサ素子21,37を一括して接続することができるようになり、より一層の小型・薄型化を図ることができるものである。
【0056】
(実施の形態5)
以下、実施の形態5を用いて、本発明の特に請求項に記載の発明について説明する。
【0057】
本実施の形態は、上記実施の形態2のシート形電子部品モジュールのコンデンサ素子を複数個実装したものであり、この構成以外は実施の形態2と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
【0058】
図12は本発明の実施の形態5によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図、図13は同断面図であり、同図において11は導電性の陰極シートであり、この陰極シート11の上に絶縁シート16を介して導電性の陽極シート17を積層し、かつ複数のコンデンサ素子50の各陽極取り出し部51を夫々陽極シート17に接続すると共に、各陰極取り出し部52を陰極シート11に接続した後に絶縁シート15,24で封止することによりシート形コンデンサモジュールを構成したものである。
【0059】
なお、図13において53は陰極シート11のコンタクト部、54はコンデンサ素子50の陽極となる陽極シート17のコンタクト部を示し、これらのコンタクト部がIC1の接続用ピン2と接触する部分となるものである。
【0060】
このように本実施の形態によるシート形電子部品モジュールは、コンデンサ素子50を複数に分割した構成としているため、シート形電子部品モジュールの反りによって発生するコンデンサ素子50に加わる応力を緩和することができるようになり、シート形電子部品モジュールをIC1に挿入する際に加わるストレスや熱膨張によるLCのバラツキを抑制することができるようになるものである。
【0061】
(実施の形態6)
以下、実施の形態6を用いて、本発明の特に請求項10に記載の発明について説明する。
【0062】
図14は本発明の実施の形態6によるシート形電子部品モジュールとこの使用状態を示した断面図であり、同図において1はIC、2はこのIC1に設けられた接続用ピン、3はICソケット、4はプリント配線板、55はシート形電子部品モジュールを示し、このシート形電子部品モジュール55の中央部にはICソケット3の空洞部内に嵌まり込む大きさの凹部56が形成されており、この凹部56内に電子部品素子57が実装された構成としたものである。
【0063】
このように本実施の形態によるシート形電子部品モジュールは、シート形電子部品モジュール55内に高さの高い電子部品素子57を実装することができるばかりでなく、シート形電子部品モジュール55を裏返しにして組み込もうとすると接続用ピン2がICソケット3に挿入できなかったり、また他の電子部品58に接触したりするため、シート形電子部品モジュール55の逆入れを防止することができるようになるものである。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明によるシート形電子部品モジュールは、ICの接続用ピンが嵌まり込む貫通孔と、この貫通孔の中で上記ICの接続用ピンとの電気的接続が必要な貫通孔内に形成されたコンタクト部と、このコンタクト部を含む配線パターンとを備えた導電性の陰極シートと、この陰極シートと同様に形成された導電性の陽極シートと、上記陰極シートと陽極シートの間に設けられた絶縁層と、上記陰極シートと陽極シートに一対の取り出し電極部が夫々接続された少なくとも1個以上の電子部品素子とを含み、前記陰極シートと陽極シートと絶縁層と電子部品素子を一体に積層接合して1組とし、これを複数組積層して一体化した状態で外表面の少なくとも一部を被覆した絶縁性の外装部材からなる構成としたことにより、IC(CPU)の接続用ピンにシート形電子部品モジュールを貫通させることによってICとICソケット間にシート形電子部品モジュールを挟み込むことができるようになるため、ICの周辺回路の実装面積を増やしたり、大容量で低ESLのコンデンサをICのすぐ近傍で接続することができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるシート形電子部品モジュールとこの使用状態を示した分解斜視図
【図2】 同シート形電子部品モジュールにICを接続した状態を示した断面図
【図3】 (a)〜(d)同コンタクト部の構成を示した平面図
【図4】 本発明の実施の形態2によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図
【図5】 同コンデンサの構成を示した断面図
【図6】 同シート形電子部品モジュールの使用状態を示した分解斜視図
【図7】 同シート形電子部品モジュールにICを接続した状態を示した断面図
【図8】 本発明の実施の形態3によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図
【図9】 同断面図
【図10】 本発明の実施の形態4によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図
【図11】 同断面図
【図12】 本発明の実施の形態5によるシート形電子部品モジュールの構成を示した分解斜視図
【図13】 同断面図
【図14】 本発明の実施の形態6によるシート形電子部品モジュールとこの使用状態を示した断面図
【図15】 従来のCPU周りの状況を示した分解斜視図
【符号の説明】
1 IC
2 接続用ピン
2a 接続用陰極ピン
2b 接続用陽極ピン
3 ICソケット
4 プリント配線板
5,31,55 シート形電子部品モジュール
6,6a,6b,11a,12,18,25,32 貫通孔
6c スリット
7,13,19,33,41,47,48,49 コンタクト部
8 フレキシブルプリント基板
9,57 電子部品素子
10 固定基板
11 陰極シート
14 周縁部
15,16,24,34,40,44,45,46 絶縁シート
17,42,43 陽極シート
20,26,27,36 開口部
21,37,50 コンデンサ素子
22,38,51 陽極取り出し部
23,39,52 陰極取り出し部
28 誘電体酸化皮膜
29 固体電解質層
30 切り欠き部
35 第2の陽極シート
56 凹部
58 他の電子部品

Claims (11)

  1. ICの接続用ピンが嵌まり込む貫通孔と、この貫通孔の中で上記ICの接続用ピンとの電気的接続が必要な貫通孔内に形成されたコンタクト部と、このコンタクト部を含む配線パターンとを備えた導電性の陰極シートと、この陰極シートと同様に形成された導電性の陽極シートと、上記陰極シートと陽極シートの間に設けられた絶縁層と、上記陰極シートと陽極シートに一対の取り出し電極部が夫々接続された少なくとも1個以上の電子部品素子とを含み、前記陰極シートと陽極シートと絶縁層と電子部品素子を一体に積層接合して1組とし、これを複数組積層して一体化した状態で外表面の少なくとも一部を被覆した絶縁性の外装部材からなるシート形電子部品モジュール。
  2. 陰極シートおよび/または陽極シートの周縁部に補強用の壁を設けた請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  3. 複数組の積層間に絶縁層を設けた請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  4. 複数組の電子部品素子の種類および/または特性が夫々異なるようにした請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  5. 陰極シートと陽極シートの少なくとも一方と絶縁層に開口部を設け、この開口部内に電子部品素子を配設した請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  6. 陰極シートならびに陽極シートにテストピンを直接接触させるための開口部を絶縁層に設けた請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  7. ICの接続用ピンと電気的に接続されるコンタクト部を楕円形とし、この楕円形の長径方向が丸形のICの接続用ピンの直径より長く、同短径方向が同直径より短いように形成した請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  8. 楕円形のコンタクト部の短径方向の両サイドに一対のスリット部を設けた請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  9. ICの接続用ピンと電気的に接続されるコンタクト部を略星形とし、この星形の最大径が丸形のICの接続用ピンの直径より大きく、同最小径が同直径より小さいように形成した請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  10. シート形電子部品モジュールの中心部に凸部または凹部を形成し、この凸部または凹部内に電子部品素子を配設した請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
  11. 電子部品素子コンデンサ素子を含む請求項に記載のシート形電子部品モジュール。
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