JP4186261B2 - 電子部品の供給装置および供給方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーピングされた電子部品を供給する電子部品の供給装置および供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の実装装置における電子部品の供給方法として、多数の電子部品を格子状に収納したトレイを用いる方法や、テーピングされた電子部品をテープフィーダによって供給する方法などが知られている。トレイを用いる方法は比較的単純な構造のトレイを用いて、大型部品であっても効率よく供給できるという利点がある。また、テープフィーダを用いる方法では、テーピング時に電子部品の極性が正しい方向にセットされるため、供給時に極性方向のミスが発生しないという長所を有している。従来の電子部品実装装置では、トレイを用いるか、またはテープフィーダを用いるかによって、それぞれ専用の電子部品実装装置となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
トレイ専用の電子部品実装装置では、専用のトレイに電子部品をセットする作業を別途行う必要があり、このとき極性を有する電子部品の場合には、オペレータによる極性セットミスが生じやすく、この極性セットミスにより実装不具合が発生していた。この極性セットミスを防止するためには正しい極性方向が保証されたテーピング電子部品を使用することが望ましいが、この場合には、新たにテープフィーダを準備して供給部に別途装着する必要があった。このように従来の電子部品供給方法には、供給方式に互換性がなく専用の供給部を別途必要とするため、設備コストが増大するという問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、テーピングされた電子部品をトレイで供給でき、電子部品の供給方式の互換性を向上させて設備コストを低減することができる電子部品の供給装置および供給方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子部品の供給装置は、テープ状の容器に定ピッチで保持された電子部品を電子部品実装装置の移載ヘッドのピックアップ位置に供給する電子部品の供給装置であって、定尺に切断された前記テープ状の容器を保持する保持部材と、前記テープ状の容器を前記保持部材に対して位置決めする位置決め手段とを備え、前記保持部材はトレイ状であり、トレイの外枠を構成する2つのフレームとこれらのフレームを連結する複数のガイド部より成り、かつ前記ガイド部はテープ状の容器の幅寸法に対応して配置され、テープ状の容器の側端部は相隣する2つのガイドによって支持される。
【0006】
請求項2記載の電子部品の供給方法は、テープ状の容器に定ピッチで保持された電子部品を電子部品実装装置の移載ヘッドのピックアップ位置に供給する電子部品の供給方法であって、定尺に切断された前記テープ状の容器を保持部材に対して位置決めして保持させ、この保持部材を前記電子部品実装装置の電子部品供給部に載置するものであり、前記保持部材はトレイ状であり、トレイの外枠を構成する2つのフレームとこれらのフレームを連結する複数のガイド部より成り、かつ前記ガイド部はテープ状の容器の幅寸法に対応して配置され、テープ状の容器の側端部は相隣する2つのガイドによって支持されるようにした。
【0009】
請求項3記載の電子部品の保持部材は、電子部品が定ピッチで保持され定尺に切断されたテープ状の容器を保持する電子部品の保持部材であって、この保持部材の矩形状の外枠を構成し、テープ状の容器の送り込まれ方向の前側と後側に配設された2つのフレームのうちの送り込まれ方向の手前側である片側のフレームが取外し自在となっており、この2つのフレーム内のテープ状の容器の送り込まれ方向と直交する方向にピッチをおいて装着され前記テープ状の容器を送り込む際にこのテープ状の容器の側端部をガイドし支持する複数のガイド部材と、送り込まれたテープ状の容器を保持部材に対して位置決めする位置決め手段とを備え、前記保持部材はトレイ状であり、このトレイ状の前記保持部材の外枠を構成する前記2つのフレームとこれらのフレームを連結する複数の前記ガイド部材より成り、かつ前記ガイド部材はテープ状の容器の幅寸法に対応して配置され、テープ状の容器の側端部は相隣する2つの前記ガイド部材によって支持される。
【0010】
請求項4記載の電子部品の保持部材は、請求項3記載の電子部品の保持部材であって、前記ガイド部材の装着間隔が前記テープ状の容器の幅寸法に応じて可変であるようにした。
【0011】
各請求項記載の発明によれば、テープ状の容器に保持された電子部品をトレイ上の保持部材に移し替えることにより、トレイ方式の供給部を有する電子部品実装装置にテープフィーダ用の電子部品を使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1、図2、図3は本発明の一実施の形態の電子部品の供給装置の斜視図、図4は同電子部品の供給装置の部分平面図、図5は同電子部品の供給装置の部分断面図、図6は同電子部品の移し替え装置の斜視図である。
【0013】
まず図1〜図4を参照して、電子部品の供給装置について説明する。図1において、電子部品供給装置1は、載置部2上に載置されたベースプレート3上に4本のポスト4を介して装着されたトレイアダプタ5より構成される。トレイアダプタ5には電子部品7が定ピッチで保持されたテープ状の容器6が定尺に切断されて保持されている。電子部品供給装置1は、電子部品7を図外の電子部品実装装置の移載ヘッド8のピックアップ位置に供給する。
【0014】
図2に示すように、トレイアダプタ5はトレイ状の保持部材であって、このトレイ状のトレイアダプタ5の外枠を構成する容器6の送り込まれ方向におけるトレイアダプタ5の両側である前側と後側に間隔をおいて配設された前後2つのフレーム11A,11Bと、前後2つのフレーム11A、11Bの間に容器6の送り込まれ方向aと直交する方向に配設ピッチPをおいて配設されてこれらのフレーム11A,11Bを連結する複数のガイド部材13より成る。ガイド部材13はテープ状の容器6(以下、単にテープ6と略称する)の幅寸法に対応して配置され、テープ6の送り込み時(矢印a参照)には、テープ6の側端部は相隣する2つのガイド部材13によってガイドされ、送り込まれた後は、テープ6の側端部はガイド部材13に設けられた溝部13c(図3参照)によって支持される。ガイド部材13に支持された状態では、隣接するテープ6相互の間隔、すなわち電子部品7の配列ピッチP(この配設ピッチPは前記ガイド部材13の配設ピッチPと同じ)は、当該電子部品7を従来のトレイで供給する場合の配列ピッチと同一となっている。従って、電子部品7を保持したトレイアダプタ5を、従来のトレイを用いる電子部品実装装置の電子部品供給部に載置することにより、電子部品7をピックアップ位置に供給することができる。
【0015】
フレーム11A,11Bの両端部にはボルト12が装着され、ボルト12を締めつけることにより、ガイド部材13はフレーム11A,11Bに締結される。フレーム11Bを取外した状態でテープ6の側端部をガイド部材13の溝部13cに挿入し、矢印a方向にスライドさせることにより、テープ6はトレイアダプタ5に保持される。また、ポスト4の高さhは、テープ6に形成された電子部品7の収納用のボス6aの深さdに応じて設定される。
【0016】
図3に示すように、フレーム11Aの側面に設けられた溝部14内には、矩形断面の突部14aが定ピッチで形成されている。突部14aの間の隙間14bに、ガイド部材13の断面のウェブ部分13bを嵌合させることにより、ガイド部材13は溝部14内に固定される。すなわち、ガイド部材13の装着間隔は可変となっており、テープ6の幅寸法Bに対応してガイド部材13の装着間隔を変更することにより、異る幅寸法Bを有するテープ6をトレイアダプタ5に保持させることができる。
【0017】
図4に示すように、ガイド部材13の設定幅B’は、テープ6の幅寸法Bに対して規定の許容隙間を保つよう設定され、これによりテープ6の幅方向の位置決めがなされる。またガイド部材13に位置決めピン15を設け、テープ6の送り孔6bにピン15を嵌合させて位置決めしてもよい。更に図5に示すように、ガイド部材13の端部にストッパ17を設けてテープ6を送り込んだときの停止位置を規制することにより、テープ6の長さ方向の位置決めを行うことができる。また図5に示すように、テープ6のボス6aに対して、位置決め用の嵌合部16aが設けられた位置決めブロック16を押しつけることにより、ボス6aの外形を利用してテープ6の位置決めを行うようにしてもよい。すなわち、ガイド部材13や、位置決めピン15,位置決めブロック16はテープ6をトレイアダプタ5に対して位置決めする位置決め手段となっている。
【0018】
次に図6を参照して電子部品の移し替え装置について説明する。図6において、スライドプレート21上には、容器6の送り込まれ方向(図6の矢印c方向)である前後2つのフレーム11A、11Bのうちの送り込まれ方向における手前側である片側のフレーム11Bを取外したトレイアダプタ5が装着されている。トレイアダプタ5は、図外の移動手段によりスライドプレート21上でピッチ移動する(矢印b参照)。トレイアダプタ5のテープ送り込み方向に合わせて、テープ供給部22が配設されている。テープ供給部22は電子部品7を保持したテープ25を巻回して収納したテープリール23およびテープ送り手段であるテープ送りユニット24より成る。テープ送りユニット24のスプロケット27を回転させることにより、テープ25は矢印c方向に前進し、トレイアダプタ5に送り込まれる。そしてトレイアダプタ5に位置決めして保持され、電子部品の移し替えが行われる。
【0019】
テープ25の上面には電子部品を保護するカバーテープ25aが貼付されており、剥離されたカバーテープ25aは回収リール26に巻き取られる。カバーテープ25aが除去され、電子部品7が露呈状態となったテープ25は、所定の定尺寸法だけトレイアダプタに送り込まれる。そして図外の切断手段により定尺に切断され、定尺のテープ6となる。切断手段としては、カッタ刃をテープ25に対して往復動させる方式のものなどを用いる。これによりテープ6はトレイアダプタ5に保持されるとともに、トレイアダプタ5に設けられたピン15が送り孔6bに嵌合することにより(図4参照)、トレイアダプタ5に対して位置決めされる。
【0020】
この後、トレイアダプタ5を定ピッチだけ移動させ、前述のテープ送り込みを所定回数繰り返すことにより、トレイアダプタ5には所定枚数のテープ6、すなわち所定数の電子部品7が移し替えられる。この後、取外されたフレーム11Bを復旧し、ベースプレート1に装着する(図1参照)ことにより、トレイ方式の供給部を備えた電子部品実装装置用の電子部品供給装置として使用が可能となる。このようにテーピングされた電子部品7をそのままトレイアダプタ5にセットできるため、人手による移し替えの手間を大幅に省くことができるとともに、移し替え時の極性ミスが発生しない。
【0021】
なお、本発明は上記実施の形態には限定されず、例えばトレイアダプタの構成や形状は定尺に切断されたテープ状の容器を位置決めされた状態で保持できるものであればよく、またテープの切断のタイミングについても、テープ切断ステージを別途設けテープ6を予め定尺寸法に切断した後にトレイアダプタ5に送り込むようにしてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、テープ状の容器に保持された電子部品をトレイ上の保持部材に移し替えるようにしたので、トレイ方式の供給部を有する電子部品実装装置にテープフィーダ用の電子部品を使用することができる。したがって、既存の電子部品実装装置に対してテープ状の電子部品を使用することにより、電子部品の互換性を向上させて設備コストを低減させることができるとともに、トレイに電子部品を人手で移し替えることによる極性セットミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品の供給装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品の供給装置の斜視図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品の供給装置の斜視図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品の供給装置の部分平面図
【図5】本発明の一実施の形態の電子部品の供給装置の部分断面図
【図6】本発明の一実施の形態の電子部品の移し替え装置の斜視図
【符号の説明】
2 載置部
5 トレイアダプタ
6 テープ
7 電子部品
11A、11B フレーム
13 ガイド部材
15 ピン
16 位置決めブロック
21 スライドプレート
22 テープ供給部
23 テープリール
24 テープ送りユニット
Claims (4)
- テープ状の容器に定ピッチで保持された電子部品を電子部品実装装置の移載ヘッドのピックアップ位置に供給する電子部品の供給装置であって、定尺に切断された前記テープ状の容器を保持する保持部材と、前記テープ状の容器を前記保持部材に対して位置決めする位置決め手段とを備え、前記保持部材はトレイ状であり、トレイの外枠を構成する2つのフレームとこれらのフレームを連結する複数のガイド部より成り、かつ前記ガイド部はテープ状の容器の幅寸法に対応して配置され、テープ状の容器の側端部は相隣する2つのガイドによって支持されることを特徴とする電子部品の供給装置。
- テープ状の容器に定ピッチで保持された電子部品を電子部品実装装置の移載ヘッドのピックアップ位置に供給する電子部品の供給方法であって、定尺に切断された前記テープ状の容器を保持部材に対して位置決めして保持させ、この保持部材を前記電子部品実装装置の電子部品供給部に載置するものであり、前記保持部材はトレイ状であり、トレイの外枠を構成する2つのフレームとこれらのフレームを連結する複数のガイド部より成り、かつ前記ガイド部はテープ状の容器の幅寸法に対応して配置され、テープ状の容器の側端部は相隣する2つのガイドによって支持されることを特徴とする電子部品の供給方法。
- 電子部品が定ピッチで保持され定尺に切断されたテープ状の容器を保持する電子部品の保持部材であって、この保持部材の矩形状の外枠を構成し、テープ状の容器の送り込まれ方向の前側と後側に配設された2つのフレームのうちの送り込まれ方向の手前側である片側のフレームが取外し自在となっており、この2つのフレーム内のテープ状の容器の送り込まれ方向と直交する方向にピッチをおいて装着され前記テープ状の容器を送り込む際にこのテープ状の容器の側端部をガイドし支持する複数のガイド部材と、送り込まれたテープ状の容器を保持部材に対して位置決めする位置決め手段とを備え、前記保持部材はトレイ状であり、このトレイ状の前記保持部材の外枠を構成する前記2つのフレームとこれらのフレームを連結する複数の前記ガイド部材より成り、かつ前記ガイド部材はテープ状の容器の幅寸法に対応して配置され、テープ状の容器の側端部は相隣する2つの前記ガイド部材によって支持されることを特徴とする電子部品の保持部材。
- 前記ガイド部材の装着間隔が前記テープ状の容器の幅寸法に応じて可変であることを特徴とする請求項3記載の電子部品の保持部材。
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