JP4185755B2 - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
配線基板は、IC、LSI等の電子部品を搭載し、各種電子機器に使用されている。そして、電子機器のなかには、例えば携帯電話機等のように、折り畳んだり、開いたりして使用するものがあり(特開平11−8670号公報)、そのような折り畳んだり、開いたりして使用する電子機器にも配線基板が使用される。
【0003】
そのような、折り畳んだり、開いたりして使用する電子機器、例えば折り畳み式携帯電話機に使用される配線基板に必要なことは、少なくとも、折りたたみの軸となる部分においてはフレキシブルであることである。
かといって、配線基板を、すべての部分においてフレキシブルにすると、各種電子部品を搭載するに不可欠な強度を得ることが難しく、また、配線基板の製造がやりにくく、配線膜の形成精度等が全体として低くなる傾向が生じるという各種の問題がある。
【0004】
従って、そのような用途の配線基板は、折りたたみの軸となる部分においてはフレキシブルにし、それ以外の部分においては剛性を持つように製造した方がよいといえる。
図5(A)〜(G)はそのような配線基板の製造方法の従来例の一つを工程順に示す断面図である。
【0005】
(A)先ず、図5(A)に示すように、銅張り積層板aを用意する。bはポリイミドフィルム、c、dは該ポリイミドフィルムbの両主表面に積層された銅箔である。
(B)次に、図5(B)に示すように、銅張り積層板aの一方の主表面の銅箔dを選択的にエッチングすることによりパターニングする。即ち、エッチングマスクとするレジスト膜を形成し、それを露光、現像することによりパターニングし、そのパターニングしたレジスト膜をマスクとして銅箔dをエッチングすることによりパターニングする。その後、そのマスクとして用いたレジスト膜を除去する。
【0006】
(C)次に、図5(C)に示すように、銅張り積層板aのポリイミドフィルムbの、上記銅箔dの選択的にエッチングした部分に、レーザ光により孔eを形成する。該孔eは層間接続用の配線膜、所謂スルーホールを形成するために形成される。その後、デスミア処理(スミアを除去する処理)をする。
(D)次に、図5(D)に示すように、メッキ膜fを形成する。このメッキ膜fは、先ず、無電解メッキ処理を施し、メッキ膜が電解メッキが可能な厚さに達した後、電解メッキ処理を施すことにより形成する。
【0007】
(E)次に、図5(E)に示すように、上記メッキ膜fを、その下地の銅箔c、dを含め選択的にエッチングすることによりパターニングして両主表面に配線膜を形成する。即ち、エッチングマスクとするレジスト膜を形成し、それを露光、現像することによりパターニングし、そのパターニングしたレジスト膜をマスクとしてメッキ膜f(及び銅箔d)をエッチングすることによりパターニングする。その後、そのマスクとして用いたレジスト膜を除去するのである。
(F)次に、図5(F)に示すように、両主表面にカバーレイgを形成する。
【0008】
(G)次に、図5(G)に示すように、下面のフレキシブルにすべき領域以外の領域に補強板hを貼り付ける。
このような配線基板によれば、補強板hが貼り付けられた領域がリジットな部分になり、補強板hのない領域がフレキシブルな部分となり、IC、LSI等の電子部品が搭載されるのは補強板hが貼り付けられたリジットな部分においてである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5に示す従来技術には、下記のような問題があった。
即ち、配線基板は補強板hが貼り付けられる最終的段階までは、常に全体にフレキシブルなので、常に撓みやすく、扱いにくく、配線膜、孔、無電解メッキ、電解メッキ、補強板接着等の各工程において寸法精度を高めることが難しく、誤差が生じ易い。
【0010】
特に、補強板hを正確に接着する作業は面倒で、誤差が生じ易いという問題は看過できなかった。
更に、スルーホールの形成のために、孔eを形成することは、配線基板の製造をやりにくくする柔らかさをより助長し、強度不足に輪をかける結果になり、製造しにくささが増した。そして、孔eによる強度不足は電子部品を安定に実装することを妨げ、部品の実装性を低下させる要因になるという問題もあった。
【0011】
また、配線膜は、無電解メッキにより全面的にメッキ膜が生じるようにして電解メッキに必要な導電経路を形成し、その後、電解メッキをし、しかる後、無電解及び電解によるメッキ膜をパターニングすることにより形成されるが、無電解メッキが既に形成されている銅箔c上にもそのメッキ膜が形成されるので、その部分においては、配線膜の厚さが相当に厚くなり、フレキシブルな部分におけるフレキシビリティを低下させるという看過できない問題ももたらした。つまり、孔eがあるので配線基板の剛性が必要なリジット部分では充分な剛性が得られない上に、配線膜が厚いので、フレキシビリティが必要なフレキシブルな部分においてフレキシビリティが不足するという問題があったのである。
【0012】
本発明はこのような問題点を解決すべく為されたものであり、フレキシブルな領域におけるフレキシビリティを充分にしつつ、リジットな領域における剛性を充分に確保でき、リジットな領域に形成される配線膜の微細さ、形成精度を高くでき、配線層間の接続性が良好で、電子部品からの放熱性も良く、リジットな部分と、フレキシブルな部分の加工精度が高く、且つ、製造過程の最初の段階から配線基板の全体的な剛性が高くつくり易い新規な配線基板と、その製造方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の配線基板は、剛性のある補強板を選択的に除去したものをベースとし、該ベースの上記補強板上から該補強板の除去された部分に渡って延びる配線膜を有し、該配線膜の上記補強板の除去された部分を占める部分がフレキシブル部分とされ、該配線膜の上記補強板上の部分に電子部品が搭載されるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項2の配線基板は、請求項1記載の配線基板において、前記配線膜が、該配線膜を覆う層間絶縁膜を貫通する導電性を有する金属突起物(以下「バンプ」という。)と、該バンプと接続された、上記配線膜と上記層間絶縁膜により層間絶縁された別の配線膜を介して前記電子部品の電極と接続されたことを特徴とする。
【0015】
請求項3の配線基板の製造方法は、剛性があり、フレキシブル部分となる領域も占有する補強板の一方の主表面に直接又は絶縁膜を介して配線膜を形成したベース側部材と、金属箔の表面であってフレキシブル部分となる領域内において選択的にバンプを形成し、該金属箔表面の該バンプの形成されていない部分を該バンプの先端部が突出するように覆う層間絶縁膜が形成されたバンプ側部材を用意し、該バンプ側部材の各バンプの先端部を上記ベース側部材のそのバンプと対応する上記配線膜の表面に接続することにより、上記ベース側部材に上記バンプ側部材を一体化し、上記バンプ側部材の金属箔をパターニングしてフレキシブル部分となる領域外に配線膜を形成し、上記バンプ側部材の配線膜に、又は該配線膜の上に一層又は複数層の配線膜を形成したのち最表面の配線膜に電子部品の電極が接続されるようにすることを特徴とする。
【0016】
請求項4の配線基板の製造方法は、請求項3記載の配線基板の製造方法において、前記ベース側部材に前記バンプ側部材を一体化した後、該ベース側部材の金属箔のパターニングしてフレキシブル部分となる領域外に配線膜を形成すると同時に、或いはその後に、フレキシブル部分となる領域に、下地層間絶縁膜保護膜を形成し、その後、上記配線膜の上にバンプ側部材と同じ構造の別のバンプ側部材の層間絶縁膜から突出するバンプの先端面を接続して一体化し、その後、上記別のバンプ側部材の金属箔の少なくともフレキシブル部分となる領域を除去し、この除去により露出した層間絶縁膜のフレキシブル部分となる領域に在る部分を、上記下地層間絶縁膜保護膜をそれの下地に当たる層間絶縁膜に対するエッチングバリアとして、エッチングすることにより除去し、その後、その下地層間絶縁膜保護膜を除去するという工程を有することを特徴とする。
【0017】
請求項5の配線基板の製造方法は、請求項4記載の配線基板の製造方法において、前記下地層間絶縁膜保護膜が、前記ベース側部材の金属箔のパターニングにより前記配線膜と同時に形成されることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示実施の形態例に従って詳細に説明する。
図1(A)〜(H)は本発明配線基板の製造方法の第1の実施の形態例を工程順に示す断面図である。
(A)図1(A)に示すように、バンプ側部材2を用意する。該バンプ側部材2は、バンプとなる銅板(厚さ例えば50〜100μm)4の一方の表面にニッケルからなるエッチングバリア層(厚さ例えば0.5μm)6を積層し、該エッチングバリア層6の表面に配線膜となる銅箔(厚さ例えば9〜18μm)8を積層してなる。
【0019】
(B)次に、バンプとなる銅板4を選択的にエッチングすることによりバンプ10を形成し、更に、そのエッチングに際して銅箔8のエッチングを阻んだエッチングバリア層6を、バンプ10をマスクとしてエッチングすることにより除去する。図1(B)はそのエッチングバリア層6の選択的除去後の状態を示す。尚、バンプ側部材2のような部材を用意し、バンプを形成し、層間絶縁膜を積層したものの製造方法、更には、そのようにして製造したものの活用手段に関しては、本願出願人会社から、例えば特開2001−111189号公報等により各種提案が成されている。
(C)次に、バンプ側部材2のバンプ10形成側の主表面に、例えばポリイミド或いは液晶ポリマーからなる層間絶縁膜(厚さ例えば50〜100μm)12を、バンプ10によって貫通された状態で積層する。図1(C)はその層間絶縁膜12を積層した状態を示す。
【0020】
(D)次に、図1(D)に示すように、上記バンプ側部材2を、ベース側部材14上に臨ませる。ベース側部材14は、例えば、銅或いはステンレスからなる補強板(厚さ例えば50〜100μm)16の一方の表面に例えばエポキシ樹脂からなる絶縁層(厚さ例えば10〜30μm)18を形成し、該絶縁層18上に銅箔からなる配線膜(厚さ例えば9〜18μm)20を積層してなるもので、補強板16は現段階では、配線基板のリジットな領域のみならず、フレキシブルになるべき領域をも占有している。即ち、補強板16が配線基板の全領域を占有している。
尚、補強板16は配線基板に搭載される例えばLSI等の電子部品の放熱性を良くするという観点からは金属で形成することが好ましいといえる。しかし、剛性を有する絶縁物により形成しても良い。そして、絶縁物により補強板16を形成した場合には、表面に絶縁膜18を形成することは必要ではない。このような形態でも本発明は実施することができる。
【0021】
(E)次に、バンプ側部材2の各バンプ10を、ベース側部材14のそのバンプ10と対応する配線膜20上に接続した状態で加圧し、以て、バンプ側部材2とベース側部材14をその間に層間絶縁膜12が介在するように積層し、一体化する。図1(E)はその一体化した状態を示す。
(F)次に、上記バンプ側部材2の銅箔8を選択的にエッチングすることにより図1(F)に示すように配線膜9を形成する。
【0022】
(G)次に、図1(G)に示すように、配線膜9の形成された側の面に、LSIの電極が接続される部分及びフレキシブルな領域を除いて覆う保護膜22を形成し、その後、上記補強板16のリジットにすべき部分にレジスト膜26を形成する。このレジスト膜26はレジストの塗布、露光、現像により選択的に形成される。
(H)次に、上記するレジスト膜26をマスクとして補強板16をエッチングすることにより、補強板16のフレキシブルな領域に位置する部分を除去する。図1(H)はその形成後の状態を示す。これにより本配線基板が完成する。尚、レジスト膜26は防食・絶縁効果をもたらす、カバーレイとして残存させる。上記保護膜22も同じ効果をもたらす。
【0023】
図2は配線基板(本発明配線基板の第1の実施の形態)のLSIを搭載した状態の全体を拡大して示す断面図である。配線基板のフレキシブルな領域は、絶縁膜18、配線膜20及び層間絶縁膜12の三層構造体となり、薄く、充分なフレキシビリティを得ることができる。
図2において、28a、28bはLSIチップ、30はLSIチップ28a、28bの電極で、LSIチップ28a、28bは該電極30を介して配線基板の配線膜9にフェイスダウンボンディングされている。32はLSIチップ28a、28bと配線基板との間に充填された保護絶縁膜である。
【0024】
本実施の形態例によれば下記の如き利点が得られる。
(1)ベース側部材14にバンプ側部材2を積層した後、補強板16の選択的エッチングが行われるまでは、配線基板が全体として補強板16により剛性が保たれ、その剛性が保たれた状態で各種工程を進めることができる。従って、配線基板の平坦性が高い状態で、例えば配線膜9の形成、保護膜22の形成等を行うことができる。従って、形成がし易く、配線膜9の形成精度を高めることができる。
【0025】
(2)また、補強板16の選択的エッチングにより、リジットにすべき領域及びフレキシブルにすべき領域を形成することができるので、従来におけるように、配線基板の裏面に選択的に貼り付けるようにする場合に比較して、高精度に二つの領域、即ちリジットにすべき領域及びフレキシブルにすべき領域を形成し分けることができる。
(3)そして、層間絶縁膜12を貫通する中実の銅からなるバンプ10によって、配線膜20・7間を層間接続するので、従来におけるように、孔を形成し、その孔の内周面に層間接続用導電膜を形成する場合に比較して、空隙が生ぜず、層間接続部の強度を強めることができるので、より電子部品を安定に実装でき、部品の実装性を高くすることができる。
【0026】
(4)また、バンプ10によって、配線膜20・7間を層間接続するので、層間絶縁のために、孔の内周面を覆う無電解メッキ膜、電解メッキ膜を形成することが必要ではないので、従来の技術に比較して配線膜を徒に厚くする必要がなく、従って、フレキシブルな領域のフレキシビリティが不充分になるというおそれをなくすことができる。
(5)そして、中実のバンプ10の直上に位置する配線膜9にLSIチップ28a、28bの電極が直接接続されるので、LSIチップ28a、28bから発生した熱は、その電極30、配線膜9、中実の銅からなるバンプ10及び配線膜20を経て、補強板16に放熱され、その放熱経路は配線基板の厚さに等しく、極めて短い。従って、その間に、絶縁膜18が介在してはいてもその放熱抵抗を極めて小さくすることができ、延いては、放熱性を高めることができるという利点もある。
【0027】
図3(A)〜(F)は本発明配線基板の製造方法の第2の実施の形態例を工程順に示す断面図、図3(A’)は該実施の形態例の変形例の要部を示す断面図である。先ず、図3(A)〜(F)を参照して第2の実施の形態例を説明する。
(A)先ず、図3(A)に示すような部材40を用意する。該部材40は図1(F)に示した工程(F)を終えた状態、具体的には配線膜9の形成を終えた状態のもので、この部材40が形成されるに至る経過は図1(A)〜(F)とその説明箇所で明らかなのでここでは説明しない。尚、16は補強板、18は絶縁膜、20は配線膜、10はバンプ、6はエッチングバリア層(但し、現段階では役割を終えている。)、12は層間絶縁膜、9は配線膜である。
【0028】
(B)次に、図3(B)に示すように、上記部材40の層間絶縁膜12上のフレキシブルにすべき領域に当たる部分に、例えば離型インクからなる下地層間絶縁膜保護膜(厚さ例えば10〜20μm)42を形成する。該下地層間絶縁膜保護膜42は、後でバンプ側部材(2a)を積層し、その配線層(9a)を形成し、しかる後、その層間絶縁膜12aのフレキシブルにすべき領域に当たる部分を除去するときに、該部材40の層間絶縁膜12までが除去されてしまうことを阻止するためにエッチングバリア層として機能するよう形成される。従って、層間絶縁膜12までが除去されてフレキシブルな領域の強度が弱くなり過ぎることを防止することができる。
【0029】
この下地層間絶縁膜保護膜42の形成は、離型インクを塗布し、その後、フォトレジスト膜をその表面に塗布し、該フォトレジスト膜を露光、現像によりパターニングし、その後、該フォトレジスト膜をマスクとして離型インクをエッチングし、しかる後、該フォトレジスト膜を除去することにより行うことができる。
【0030】
(C)次に、図3(C)に示すように、上記部材40の主表面に、図1(C)に示すバンプ側部材2と同様の構造を有する部材2aを、積層し、以て部材40と一体化する。10aはバンプ、6aはエッチングバリア層(但し、現段階では役割を終えている。)、8aは銅箔、各層、箔の厚さは図1(C)に示すバンプ側部材2と同じである。
その積層は、具体的には、各バンプ10aの先端面を、部材40の表面のそのバンプ10と対応する配線膜9の表面に加圧して接続することにより行う。
【0031】
(D)次に、図3(D)に示すように、バンプ側部材2aの銅箔8aを選択的にエッチングすることにより配線膜9aを形成する。
(E)次に、配線膜9aの形成された側の面に、LSIの電極が接続される部分及びフレキシブルな領域を除いて覆う保護膜22を形成し、その後、保護膜22のフレキシブルな領域に当たる部分を選択的にエッチングすることにより除去する。 尚、この選択的エッチングに際して上記下地層間絶縁膜保護膜42が、それより下層の層間絶縁膜12のエッチングされることを防止する。
次に、補強板16のフレキシブルな領域にすべき部分に当たるところにレジスト膜26を形成してマスクする。図3(E)はそのレジスト膜26を形成後の状態を示す。このレジスト膜26はレジストの塗布、露光、現像により選択的に形成される。
【0032】
(F)次に、上記上記下地層間絶縁膜保護膜42を除去し、その後、図3(F)に示すように、上記レジスト膜26をマスクとして補強板16をエッチングすることにより、補強板16のフレキシブルな領域に位置する部分を除去する。図1(F)はその形成後の状態を示す。これにより本配線基板が完成する。
尚、レジスト膜26は防食・絶縁効果をもたらすので、カバーレイとして残存させるようにしても良い。尚、上記保護膜22も同じように防食・絶縁効果をもたらす。
【0033】
尚、図3(A’)は図3(A)〜(F)に示す製造方法の実施の形態例の要部を示す変形例である。本変形例は、(A)〜(F)に示す製造方法の実施の形態例とは、部材40に代えて、図3(A’)に示すように、配線膜9と同じ工程で同じ材料(銅箔8)により下地層間絶縁膜保護膜9zを形成した部材40zを用いるという点で異なる。しかし、それ以外では異なるところはない。この場合、下地層間絶縁膜保護膜9zが、図3(A)〜(F)に示す実施の形態例における下地層間絶縁膜保護膜42と全く同じ役割を果たす。
【0034】
このような変形例によれば、下地層間絶縁膜保護膜9zを、それを形成するための特別の工程を設けることなく、配線膜9と同時に形成することができるので、工程数を少なくすることができるという利点がある。
図4は図3(A)〜(F)に示す方法或いは(A’)に示すその変形例の方法により製造された配線基板(本発明配線基板の第2の実施の形態)のLSIを搭載した状態の全体を拡大して示す断面図である。配線基板のフレキシブルな領域は、絶縁膜18、配線膜20及び層間絶縁膜12の三層構造体となり、薄く、充分なフレキシビリティを得ることができる。
【0035】
尚、図4において、28a、28bはLSIチップ、30はLSIチップ28a、28bの電極で、LSIチップ28a、28bは該電極30を介して配線基板の配線膜9にフェイスダウンボンディングされている。32はLSIチップ28a、28bと配線基板との間に充填された保護絶縁膜である。
【0036】
本実施の形態例によれば、図1、図2に示したと同様の効果を享受することができるのみならず、配線基板のリジットな領域における配線膜の多層化を図ることができ、それでいて、フレキシブルな領域における厚さをフレキシビリティを保つに必要な限度を越えないようにできる。
そして、下地層間絶縁膜保護膜42、或いは9zが、フレキシブルな領域における層間絶縁膜12が薄くなり過ぎることを防止することができる。というのは、それより上層の層間絶縁膜12のフレキシブルな領域をエッチングするときに下地層間絶縁膜保護膜42、或いは9zがそれの下地の層間絶縁膜12のエッチングを阻むバリアとなるからである。
【0037】
そして、図3(A’)に示す変形例によれば、下地層間絶縁膜保護膜9zを、銅箔8の選択的エッチングにより配線膜9と同時に形成することができるので、下地層間絶縁膜保護膜9zをそれを形成する専用の工程を設けることなく形成することができ、配線層の多層化を徒に工程数を増やすことなく実現することができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の配線基板によれば、その製造にあたっては、剛性のある補強板が配線基板全域を占有するものをベースとして製造を進めることができるので、補強板の選択的にエッチングが行われるまでは、配線基板が全体として補強板により剛性が保たれ、その剛性が保たれた状態で各種工程を進めることができる。従って、配線基板の平坦性が高い状態で、例えば配線膜の形成、保護膜の形成等を行うことができる。従って、形成がし易く、配線膜の形成精度を高めることができる。
【0039】
請求項2の配線基板によれば、請求項1の配線基板において、前記配線膜が、金属突起物(バンプ)と、該金属突起物と接続された別の配線膜を介して前記電子部品の電極と接続されるようにしたので、電子部品から発生した熱は、その電極、配線膜、中実の銅等の金属からなる金属突起物、配線膜を経て、補強板に放熱されるので、その放熱経路は配線基板の厚さに等しく、極めて短い。従って、その間に、絶縁膜が介在している場合であってもその放熱抵抗を極めて小さくすることができる。従って、放熱性を高めることができるという利点がある。
【0040】
請求項3の配線基板の製造方法によれば、ベース側部材に金属突起物側部材を積層した後、補強板の選択的にエッチングが行われるまでは、配線基板が全体として補強板により剛性が保たれ、その剛性が保たれた状態で各種工程を進めることができる。従って、配線基板の平坦性が高い状態で、例えば配線膜の形成、保護膜の形成等を行うことができる。従って、形成がし易く、配線膜の形成精度を高めることができる。
【0041】
また、補強板の選択的エッチングにより、リジットにすべき領域及びフレキシブルな領域を形成することができるので、従来におけるように、配線基板の裏面に選択的に貼り付けるようにする場合に比較して、高精度に二つの領域、即ちリジットにすべき領域及びフレキシブルな領域を形成し分けることができる。
そして、層間絶縁膜を貫通する中実の金属、例えば銅からなる金属突起物によって、配線膜間を層間接続するので、従来におけるように、孔を形成し、その孔の内周面に層間接続用導電膜を形成する場合に比較して、空隙が生ぜず、層間接続部の強度を強め、より電子部品を安定に実装でき、部品の実装性を高めることができる。
【0042】
また、金属突起物によって、配線膜間を層間接続するので、層間絶縁のために、孔の内周面を覆う無電解メッキ膜、電解メッキ膜を形成することが必要ではないので、従来の技術に比較して徒に配線膜を徒に厚くする必要がなく、従って、フレキシブルな領域のフレキシビリティが不充分になるというおそれをなくすことができる。
そして、中実の金属突起物の直上に位置する配線膜にLSIチップ等の電子部品の電極が直接接続されるので、電子部品から発生した熱は、その電極、配線膜、中実の例えば銅からなる金属突起物、配線膜を経て、補強板に放熱され、その放熱経路は配線基板の厚さに等しく、極めて短い。その間に、絶縁膜が介在してはいてもその放熱抵抗を極めて小さくすることができる。従って、放熱性を高めることができるという利点もある。
【0043】
請求項4の配線基板の製造方法によれば、基本的に請求項3の配線基板の製造方法により得られる上記諸効果を享受することができるのみならず、配線基板のリジットな領域における配線膜の多層化を図ることができ、それでいて、フレキシブルな領域における厚さをフレキシビリティを保つに必要な限度を越えないようにできる。
【0044】
請求項5の配線基板の製造方法によれば、請求項4の配線基板の製造方法において、前記下地層間絶縁膜保護膜を、前記ベース側部材の金属箔のパターニングにより配線膜と同時に形成するので、下地層間絶縁膜保護膜をそれを形成する専用の工程を設けることなく形成することができ、配線層の多層化を徒に工程数を増やすことなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(H)は本発明配線基板の製造方法の第1の実施の形態例を工程順に示す断面図である。
【図2】図1に示した製造方法により製造された配線基板(本発明配線基板の第1の実施の形態)のLSIを搭載した状態の全体を拡大して示す断面図である。
【図3】(A)〜(F)は本発明配線基板の製造方法の第2の実施の形態例を工程順に示す断面図、(A’)は該第2の実施の形態例の変形例の要部を示す断面図である。
【図4】図3に示した製造方法(本発明配線基板の製造方法の第2の実施の形態例或いはその変形例)により製造された配線基板(本発明配線基板の第2の実施の形態)のLSIを搭載した状態の全体を拡大して示す断面図である。
【図5】(A)〜(G)は配線基板の製造方法の従来例の一つを工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
2、2a・・・バンプ側部材、9・・・配線膜、
10・・・金属突起物(バンプ)、12、12a・・・層間絶縁膜、
16・・・補強板、18・・・絶縁膜、20・・・配線膜、
28a、28b・・・電子部品(LSI)、40、40z・・・部材。
Claims (3)
- 剛性があり、フレキシブル部分となる領域をも占有する補強板の表面に直接又は絶縁膜を介して配線膜を形成したベース側部材と、金属箔の表面であってフレキシブル部分となる領域外において選択的に金属突起物を形成し、該金属箔表面の該金属突起物の形成されていない部分を該金属突起物の先端部が突出するように覆う層間絶縁膜が形成された金属突起物側部材を用意し、
該金属突起物側部材の各金属突起物の先端部を上記ベース側部材のその金属突起物と対応する上記配線膜の表面に接続することにより、上記ベース側部材に上記金属突起物側部材を一体化し、
上記金属突起物側部材の金属箔をパターニングしてフレキシブル部分となる領域外に配線膜を形成し、
上記金属突起物側部材の配線膜に、又は該配線膜の上に一層又は複数層の配線膜を形成したのち最表面の配線膜に電子部品の電極が接続されるようにし、
前記補強板を選択的にエッチングして、前記フレキシブル部分を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記ベース側部材に前記金属突起物側部材を一体化した後、該ベース側部材の金属箔のパターニングしてフレキシブル部分となる領域外に配線膜を形成すると同時に、或いはその後に、フレキシブル部分となる領域に、下地層間絶縁膜保護膜を形成し、
その後、上記配線膜の上に金属突起物側部材と同じ構造の別の金属突起物側部材の層間絶縁膜から突出する金属突起物の先端面を接続して一体化し、その後、上記別の金属突起物側部材の金属箔の少なくともフレキシブル部分となる領域を除去し、
その除去により露出した層間絶縁膜のフレキシブル部分となる領域に在る部分を、上記下地層間絶縁膜保護膜をそれの下地に当たる層間絶縁膜に対するエッチングバリアとして、エッチングすることにより除去し、
その後、その下地層間絶縁膜保護膜を除去する
という工程を有することを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。 - 前記下地層間絶縁膜保護膜が、前記ベース側部材の金属箔のパターニングにより前記配線膜と同時に形成される
ことを特徴とする請求項2記載の配線基板の製造方法。
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