JP4185539B2 - 冷陰極蛍光ランプ用電極部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、リード線に酸化膜を形成することで、リード線とガラスビーズとの濡れ性を高め、ガラス管の気密性を高められることが記載されている。しかし、従来の酸化膜は、ガラスビーズとの密着が十分とは言えず、接合強度の更なる向上が望まれる。リード線とガラスビーズとが十分に密着していないと、リード線からガラス管までの間の構成部材同士が密着できず、ガラス管の封止部分に空隙ができる。この空隙からガラス管内のガスが漏洩する恐れがある。ガスが漏洩すると、例えば、発光に必要な紫外線が十分に放射されなくなり、蛍光ランプの寿命が短くなる。
[酸化膜形成工程] リード部の外周を加熱し、リード部の表面に酸化膜を形成する。リード部は、少なくとも表面側が鉄含有金属から構成されるものとする。そして、この工程は、以下に示す雰囲気が異なる二工程を具える。
<酸化性工程> 酸化性雰囲気でリード部を加熱して酸化膜を形成する。
<非酸化性工程> 酸化性工程後に非酸化性雰囲気でリード部を加熱して、酸化膜中にFeOを生成する。
[ガラス部形成工程] 酸化膜が形成されたリード部の外周にガラスビーズを配置し、ガラスビーズを加熱して変形することでガラス部を形成すると共に、ガラス部をリード部に接合する。
[変形工程] 非酸化性雰囲気中で、加熱温度:700〜800℃、加熱時間:3〜5分
[接合工程] 還元性雰囲気中で、加熱温度:900〜1100℃、加熱時間:3〜5分
[電極部材]
図1は、電極部材の概略構成を示す部分断面図である。作製した電極部材は、いずれも図1に示す電極部材10と同様の構成である。電極部材10は、カップ状の電極部11と、電極部11の底端面に接合されるリード部12と、リード部12の外周に接合されるガラス部13とを具える。リード部12は、冷陰極蛍光ランプのガラス管に接合されるインナーリード部12iと、管の外部に露出して配されるアウターリード部12oとからなる。インナーリード部12iは、その表面においてガラス部13で覆われる箇所に酸化膜12sを具える。このような電極部材は、以下のように作製した。
1.電極部及びリード部の形成
電極部11は、ニッケル板をプレス加工によりカップ状に形成した。リード部12は、コバール(Ni:28〜30質量%、Co:16〜18質量%、残部Fe)からなる線材(直径φ0.8mm)の一端面と、ニッケル合金(MnNi)からなる線材の一端面とを溶接して形成した。コバール線材部分がインナーリード部12iであり、ニッケル合金線材部分がアウターリード部12oである。両線材の接合部分には、溶接コブ(図示せず)を形成した。得られたリード部12にバレル研磨、化学研磨などの表面処理を行った。このようなリード部を複数用意した。
インナーリード部12iの外周(溶接コブよりもインナーリード部側の外周)を加熱し、インナーリード部12iの表面に酸化膜12sを形成した。加熱は、以下のように二段階に亘って行った。
(1) 酸化性工程
電気炉を用いて大気雰囲気で、加熱温度:800℃、加熱時間:4分で加熱した。
(2) 非酸化性工程
引き続いて電気炉を用いて窒素雰囲気で、加熱温度:980℃、加熱時間:4分で加熱した後、冷却した。
インナーリード部12iの他端面(溶接コブが無い側の面)に、カップ状の電極部11の底端面をレーザー溶接で接合した。ガラスビーズの溶融前(ガラス部形成前)に電極部11をリード部12に接合することで、電極部を接合するときの加熱により、インナーリード部12iが加熱されて、酸化膜の構成元素がガラス側に拡散することを抑制できる。電極部の接合は、後述するガラスビーズの溶融後に行うこともできる。
(1) 変形工程
電極部11を接合し、ガラスビーズを配置したリード部12を電気炉に配置し、窒素雰囲気中で加熱温度:800℃、加熱時間:4分で加熱して、ガラスビーズを変形させると共に、酸化膜に付着させた。具体的には、ガラスビーズは、加熱により角部が丸まると共に、収縮するように変形し、貫通孔の内周面が酸化膜に付着する。この変形により、ガラスビーズからガラス部13を形成する。
(2) 接合工程
電気炉中に水素ガスを混入して、(窒素+水素)雰囲気とし(水素割合:16体積%)、この還元性雰囲気中で加熱温度:980℃、加熱時間:4分で加熱して、ガラス部13と酸化膜12sとを密着させる。つまり、酸化膜12sの一部をガラス部13に拡散させる。また、この加熱により、インナーリード部12iにおいて、ガラス部13で覆われず、露出した部分の酸化膜を還元して除去する。
上記実施例と異なる条件で酸化膜を形成した電極部材を作製した。この電極部材において酸化膜は、二段階の加熱を行わず、一段階の加熱で形成した。具体的な条件は、電気炉を用い、大気雰囲気で、加熱温度:800℃、加熱時間:4分とした。酸化膜の形成以外の工程は、上記実施例と同様に行って電極部材を複数作製し、これらの電極部材を比較例とする。
インナーリード部をW(タングステン)で作製し、ガラス部を設けた電極部材を作製した。参考例に用いたガラス部及びガラス管は、Wに熱膨張係数が近いものとした。このような電極部材を複数作製し、これらの電極部材を参考例とする。
実施例,比較例,参考例について、以下のようにして接合強度を調べた。接合強度は、図2に示すようにリード部が挿通可能で、ガラス部が挿通不可能な大きさの貫通孔を設けた治具200に電極部材を固定し、アウターリード部を荷重を加えて引っ張った際、ガラス部が破壊するときの力(N)を調べた。実施例は、ガラス部が破壊する前にアウターリード部が破断するため、インナーリード部120にガラス部130を形成した代替部材100を同様の条件で作製し、この代替部材100を用いて接合強度を調べた。その結果を表1に示す。
実施例,比較例について、インナーリード部に曲げを加えて、ガラス部の割れ状態を調べた。その結果、比較例は、リード部からガラス部の破片が脱落するように割れた。これに対し、実施例は、リード部からガラス部が剥がれて破片が脱落するように割れたりせず、リード部に付着していて形が残っていたが、ガラス部の径方向にひびが多数生じていた。このことから、実施例は、ガラス部がリード部の外周に沿って満遍なくが密着していると考えられる。
実施例,比較例の電極部材を用いて、冷陰極蛍光ランプを作製し、耐久試験を行った。冷陰極蛍光ランプは、開口部を二つ有するI字状のガラス管を用い、各開口部に実施例の電極部材をそれぞれ配置してガラスを加熱し、開口部を封止すると共に、リード部を固定して作製した(実施例ランプ)。ガラス管には、内壁面に蛍光体層としてハロリン酸塩蛍光体層を予め形成した。また、一方の開口部を封止する際、真空引きした後、ガラス管内に水銀とアルゴンとの混合ガスを導入した。比較例の電極部材を用いた比較例ランプも同様にして作製した。
12o アウターリード部 12s 酸化膜 13 ガラス部
100 代替部材 120 インナーリード部 130 ガラス部 200 治具
Claims (4)
- 電極部と、電極部の端部に接続されるリード部とを有する冷陰極蛍光ランプ用電極部材であって、
リード部は、
少なくとも表面側が鉄含有金属から構成され、
このリード部の表面の少なくとも一部に酸化膜を有しており、
酸化膜は、FeOを体積比で1%以上含むことを特徴とする冷陰極蛍光ランプ用電極部材。 - 電極部材は、更に、リード部の外周に接合されるガラス部を具え、
リード部の表面においてガラス部で覆われる箇所に酸化膜を有することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極部材。 - 電極部の端部にリード部を有する電極部材を製造する冷陰極蛍光ランプ用電極部材の製造方法であって、
リード部の外周を加熱し、リード部の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程を具え、
リード部は、少なくとも表面側が鉄含有金属から構成され、
酸化膜形成工程は、酸化性工程と、非酸化性工程とを具え、
酸化性工程は、酸化性雰囲気でリード部を加熱して酸化膜を形成し、非酸化性工程は、酸化性工程後に非酸化性雰囲気でリード部を加熱して、酸化膜中にFeOを生成することを特徴とする冷陰極蛍光ランプ用電極部材の製造方法。 - 更に、リード部の外周に接合されるガラス部を有する電極部材を作製する場合、酸化膜が形成されたリード部の外周にガラスビーズを配置し、ガラスビーズを加熱して変形することでガラス部を形成すると共に、ガラス部をリード部に接合するガラス部形成工程を具えることを特徴とする請求項3に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極部材の製造方法。
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