JP4185474B2 - 車椅子固定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の床に車椅子を固定する車椅子固定装置に関する。
従来の車椅子固定装置としては、例えば、図16に示すように、車両の床面の所定位置に、左右1組の前側固定ベルト01,01と、左右1組の後側固定ベルト02,02が取り付けられ、各ベルト01,02の先端に設けられた各フック03,04を、図外の車椅子に係合させた後、前側固定ベルトを床下に設けたモータを有する駆動機構により引っ張って車椅子を固定する装置が知られている。
上述の従来技術にあっては、車椅子を固定する場合、まず、車椅子の駐車ブレーキを作動させて車椅子を車室内で安定させ、その後、車椅子の前側からフック03,03を車椅子の前部に引っかけ、次に、車椅子の後側に回ってからフック04,04を車椅子の後部に引っかけ、次に、一旦、駐車ブレーキを解除させた後、駆動機構のモータを駆動させて前側のフック03,03を前側固定ベルト01,01により引っ張って、車椅子を前方に移動させ、各ベルト01,02を緊張状態として車椅子を固定し、再び車椅子の駐車ブレーキを作動させて、車椅子の固定をより確実なものとする。
また、固定を解除する際には、まず、駆動機構のモータを逆転させて前側固定ベルト01,01を緩め、次に、車椅子の駐車ブレーキを解除して、車椅子を後方に僅かに移動させて後側固定ベルト02,02を緩めた後、再び車椅子の駐車ブレーキを作動させて車椅子を安定状態とし、その状態で、後側からフック04,04を外し、車椅子の前側に回ってフック03,03を外す。その後、車椅子の駐車ブレーキを解除して、車外に移動させる作業を行う。
特開平11−113966号公報
上述したように、従来技術により車椅子を固定する場合、および固定を解除する場合には、車椅子の前後に移動したり、かがんだり4つのフックを車椅子に引っかけたり、外したりする必要があり、作業性が煩雑であるとともに時間がかかるもので作業性の改善が望まれている。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、車椅子の固定作業ならびに固定解除作業の作業性を改善することを目的としている。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、椅子に係合可能な前部フックと、椅子に係合可能な後部フックと、車両のフロアに設定され、前記前部フックと連結されて弛緩状態と緊張状態とを得る前部引っ張り手段と、車両のフロアに設定され、前記後部フックと連結されて弛緩状態と緊張状態とを得る後部引っ張り手段と、前記前部フック及び後部フックを車椅子に係合させた後、前記前部引っ張り手段または前記後部引っ張り手段の少なくとも一方を引っ張って車椅子を固定する車椅子固定装置において、前記前部フックと後部フックとを連結すると共に作業者により車椅子に引っかけられる連結部材を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車椅子固定装置において、前記前部フックおよび後部フックは、前記連結部材に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車椅子固定装置において、前記前部フックと後部フックとの間のピッチを変更可能に構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3いずれか1つに記載の車椅子固定装置において、前記連結部材は、伸縮可能に構成されて前部フックと後部フックとの間のピッチを変更可能に構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4いずれか1つに記載の車椅子固定装置において、前記連結部材には、伸方向に付勢するスプリングが設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5いずれか1つに記載の車椅子固定装置において、前記連結部材には、収縮方向に付勢するスプリングが設けられていることを特徴とする。
発明の作用および効果
本発明では、車椅子を固定する場合、まず、車椅子を車椅子固定装置に対して所定の位置に配置させる。次に、連結部材により連結状態となっている前部フックと後部フックとを前後に離して車椅子に係合させる。すなわち、連結状態となっている前部フックと後部フックとを、車椅子の後側あるいは前側の一方のみから係合させることができるため、係合のために車椅子の前側と後側に回ることが不要となる。したがって、操作性を向上させて、短時間で車椅子を固定および固定解除させることができるという効果が得られる。
請求項2に記載の発明は、連結部材により前部フックおよび後部フックとを一体に連結した状態と、前部フックおよび後部フックの連結部材による連結を解除した状態とに変更することができる。したがって、車椅子の形状に応じ、前部フックと後部フックとを連結状態で係合することができない形状の車椅子にあっては、両フックの連結を解除してそれぞれ独立に係合させることができる。
請求項3に記載の発明では、前部フックと後部フックとを車椅子に係合させるにあたり、前部フックと後部フックとの間のピッチを変更可能にされているため、いろいろなサイズの車椅子に対応した間隔に調節することができる。
請求項4に記載の発明では、連結部材を伸縮可能に構成することで、前部フックと後部フックとの間のピッチを変更可能とすることが可能となり、いろいろなサイズの車椅子に対応した間隔に調節することができる。
請求項5に記載の発明では、連結部材に伸方向に付勢するスプリングが設けられたことで、前部フックと後部フックを係合させた後においては、スプリングの付勢力により両フックが係合した状態に維持され、係合を確実なものとすることができる。
請求項6に記載の発明では、固定時には、前部フックと後部フックのピッチが収縮スプリングにより小さくなっているので、車椅子の前部フック係合部と後部フック係合部の間に引っかける。次に、固定装置を作動させると前部フック及び後部フックは車椅子の係合部まで引っ張られて固定される。固定解除時は収縮スプリングにより前部フックが車椅子係合部より離れるので、連結部材により一動作で前部フックを外すことができる。また、両フックを車椅子から外したときには、連結部材が最短寸法に収縮されて、コンパクトに収納することができる。
本発明を実施する最良の形態を実施例として図面に基づいて説明する。
まず、本実施の形態の車椅子固定装置により固定する車椅子Cの構成について説明する。
図3は車椅子Cの構成の概略を示す斜視図であって、(a)は斜め前方からの斜視図、(b)は斜め後方からの斜視図である。
車椅子Cは、極めて一般的なものであり、左右のメインフレーム80,80と、この左右のメインフレーム80,80を連結するとともに、両者が所定の距離で左右に離間した椅子状態と、メインフレーム80,80が近接した折畳状態とを形成する略X形状の折畳リンク81,81と、メインフレーム80,80の間に掛け渡されて座面を形成するシート部材82と、メインフレーム80,80の間に掛け渡されて背もたれ面を形成するシートバック部材83と、各メインフレーム80から後側に突出されたハンドル84と、メインフレーム80の前部下部に設けられたキャスタ88と、メインフレーム80の後部下部に設けられた車輪89とを備えている。
また、前記メインフレーム80には、前後に縦パイプ80a,80bが設けられており、かつ、前端下部に左右一対のフットレスト80f,80fが取り付けられている。
さらに、車椅子Cには、ハンドル84に後から車椅子Cを押す介護者が操作するためのブレーキレバー84bが取り付けられ、かつ、車輪89の脇には、停車時に車椅子Cの着座者などが操作する駐車ブレーキレバー87が取り付けられている。
次に、実施の形態の車椅子固定装置について説明する。
実施の形態の車椅子固定装置は、いわゆるワンボックスカーのフロアFに設置されている。この設置位置は、例えば、運転席あるいは助手席の後方位置で、図外のバックドアあるいはサイドドアから車椅子Cをフロア上に積み込んで、車椅子を固定できる位置となる。
前記フロアFには、図4において点線で示すように一般面から一段下がった位置に、前後方向に長い長方形状の凹部1が形成され、この凹部1に実施の形態の車椅子固定装置が設置されている。なお、凹部1は、パネル2で覆われ、このパネル2には、左右一対のリッド3が設けられ、各リッド3は、一対のヒンジ4,4により開閉可能に支持されている。
したがって、車椅子固定装置の非使用時には、車椅子固定装置はパネル2ならびにリッド3に覆われてフロアFの下に完全に隠されてフロアFの上に構成部材が露出することが無く、フロアFと同様に使用できるよう構成されている。
図1は実施の形態の車椅子固定装置を示す斜視図である。
本装置は、前記凹部1の底面1aの前端部に取り付けられた左右一対の前部スルーアンカ11と、これら前部スルーアンカ11の後方位置であって凹部1の底面1aの前部寄り位置に取り付けられた左右一対の中部スルーアンカ12,12と、凹部の底面1aの後端部に取り付けられた左右一対の後部スルーアンカ13と、の3対のスルーアンカ11,12,13が設けられている。なお、各スルーアンカ11,12,13は、金属あるいは樹脂製のリング14と、これを底面1aに取り付ける金属あるいは樹脂あるいは革製のブラケット15とを備え、ブラケット15はピンを中心に首振り可能に取り付けられている。
前部スルーアンカ11、中部スルーアンカ12、後部スルーアンカ13の各リング14を挿通して1対のベルト16が設けられており、各ベルト16には、それぞれ、前端に略S字形状の前部フック21が取り付けられている一方、後端に略S字状の後部フック22が取り付けられている。また、各ベルト16の後端部の近傍位置には、長さ調節手段としてのベルトアジャスタ17が設けられて、各ベルト16の全長を調節できるようになっている。
前記左右に配置されているベルト16ならびに各アンカ11,12,13の間である、凹部1の中央には、駆動手段を構成する外周にねじが形成されたスクリュシャフト31が前後方向に延在され、このスクリュシャフト31の後端部は、モータ32のウォームギヤ(図示省略)に噛み合わされている一方、スクリュシャフト31の前端部は、凹部1に立設されたブラケット33(図6参照)に回転可能に支持されている。
前記スクリュシャフト31の中間部にはスライド部材40が支持されている。このスライド部材40は、図6に示すように、前記スクリュシャフト31が噛み合い状態で挿通されたねじ穴41を有した金属や樹脂製のナットねじ部材42と、このナットねじ部材42にボルト43aで固定されて左右に延びる金属や樹脂製のスライダベース43と、このスライダベース43の左右下側にボルト43bで固定された金属あるいは樹脂製のスライダ44とを備えている。なお、図7の断面図に示すように、前記ボルト43bの外周とスライダベース43との間にカラー43fが設けられ、スライダ44は、スライダベース43に対してボルト43bを中心に回動可能に支持されている。
さらに、各スライダ44の中間部には、図7の断面図に示すように、上下寸法が小さく、またベルト16を挿通可能な幅を有したベルト案内穴44aが前後方向に貫通して形成されている。
また、各スライダ44には、図8に示すように、一対のリテーナ45が前後方向にスライド自在に支持されている。すなわち、リテーナ45は、金属あるいは樹脂により図8および図10に示すように、側板45aと支持板45bとにより略L字断面形状に形成され、側板45aの端部には、前後方向に長い長穴45cが上下に形成され、この長穴45cに挿通したピン45dを前記スライダ44の側面に固定して、リテーナ45がスライダ44に対して前後にスライド自在に支持されているものである。
また、前記側板45aにおいて支持板45bに近い部位には、ベルトシャフト46が左右方向に掛け渡されて取り付けられている。ベルトシャフト46は、中間部が正方形断面に形成され、両端部は円柱形状に形成されている。本実施の形態では、ベルトシャフト46は、リテーナ45に対して回動可能に取り付けられているものとするが、もちろん、リテーナ45に固定してもよいもので、固定する場合には、その角部が図9に示すように、前記ベルト案内穴44aに差し込まれるような向きで設けるのが好ましい。なお、この図9に示すようにベルト16をスライダ44との間に挟むようにベルトシャフト46が配置されている位置を挟持位置という。
さらに、支持板45bには、スプリング47の一端が着座されており、かつ、このスプリング47の他端は、スライダ44に穿設されたスプリング支持穴44fの底面に着座されており、リテーナ45は、スプリング47により図12に示すようにベルトシャフト46がスライダ44から離れる方向にスライド付勢されており、ベルトシャフト46が、図12に示すようにスライダ44から離れてベルト16を挟んでいない位置を解放位置という。
そして、前記ベルト16において、前部スルーアンカ11と中部スルーアンカ12との間の部分が、図1に示すようにスライダ44のベルト案内穴44aに挿通されているが、詳細には、図9に示すように、折り重ね状態でベルト案内穴44aに差し込まれてベルトシャフト46の外周に巻き付けられている。
図6に戻り、前記モータ32の近傍位置に、前記ナットねじ部材42がモータ32の近傍である後端位置まで移動したときに投入される後端検出スイッチ(第1位置検出スイッチ)35が設置され、一方、前記ブラケット33に、前記ナットねじ部材42がブラケット33の近傍の前端位置まで移動したときに投入される前端検出スイッチ(第2位置検出スイッチ)36が設定されている。
なお、これら前端検出スイッチ36および後端検出スイッチ35は、前記モータ32の駆動を制御する、図15に示すモータ制御回路37に接続されている。また、このモータ制御回路37には、凹部1が設けられている位置周辺の図外の車体側壁や天井などに設置されて、使用者が手動により投入操作を行う固定スイッチ38および固定解除スイッチ39が接続され、かつ、その近傍には、表示灯34が設けられている。
図1に戻り、前部フック21と後部フック22とは、リンク部材50(特許請求の範囲に記載の連結部材)で連結されている。
このリンク部材50は、図13に示すように、前部フック21に固着されて略L字断面(図14参照)に形成された前側ブラケット51と、この前側ブラケット51に穿設された挿通穴に挿通された蝶ねじ52が前端に螺合された前部リンク53と、この前部リンク53に対して2組のピン55と長穴56とにより軸方向に移動自在に連結された後部リンク54と、後部フック22に固着されて、前記前側ブラケット51と同様に後部リンク54の後端部に蝶ねじ52で固定された後側ブラケット57と、を備え、両フック21,22の前後方向のピッチを前記前部リンク53と後部リンク54とによる伸縮範囲内で伸縮可能に構成されている。さらに、前記前側ブラケット51と後部リンク54との間には、スプリング58が設けられ、リンク部材50を収縮させる方向に付勢している。また、蝶ねじ52を外せば、前部フック21と後部フック22とを独立させることが可能に構成されている。
なお、上述した構成の車椅子固定装置は、前記凹部1に収容され、かつ、図5に示すように、リッド3により開閉される開口5の真下に、各スルーアンカ11,12,13,ベルト16および前部フック21,後部フック22が配置され、また、前記スクリュシャフト31が開口5,5の間に前後方向に延在され、スライダ44が開口5,5に沿って移動するように配置されている。
次に、本実施の形態の車椅子固定装置により車椅子Cを固定する際の作業手順について説明する。
(非使用時)
まず、車椅子固定装置を使用しない場合、凹部1は、図4に示すようにパネル2およびリッド3,3で覆われており、車椅子固定装置はその内側に完全に収容されている。したがって、車椅子固定装置が設定されている部分も、フロアFとして使用できる。また、この設置部位の車両側壁に折り畳み式の椅子を設けておけば、この椅子を使用することもできる。
(車椅子固定時)
車両に車椅子Cを乗せて、本実施の形態の車椅子固定装置により固定する場合の手順を説明する。
まず、図外の昇降装置を使用して、あるいは手作業により車椅子CをフロアFに載せる。また、それと前後して、図5に示すように、リッド3,3を開けて車椅子固定装置の前部フック21および後部フック22を車室に露出させる。なお、この時点で、前部フック21と後部フック22とは、リンク部材50により、図1に示すように連結されているものとする。
次に、キャスタ88ならびに車輪89が凹部1に被せられたプレート2の左右に配置されるようにして、車椅子Cを車椅子固定装置の上に移動させ、駐車ブレーキを制動状態として車椅子Cをフロア上に固定する。
上述の車椅子Cの移動を行う介護者などの作業者は、一般に、車椅子Cの後側からハンドル84を握って車椅子Cを移動させ、かつ、駐車ブレーキレバー87の操作を行う。
次に、作業者は、その状態から、車椅子Cの後側のまま、リンク部材50により連結されて一体状態となっている前部フック21ならびに後部フック22を、1回の操作で、図2に示すように縦パイプ80a,80bの間に引っかける。
この場合、本実施の形態では、リンク部材50がスプリング58により収縮されてコンパクトになっているので、縦パイプ80a,80b及び折畳リンク81が連結され車輪89の中心より下方において進行方向に延在された前後パイプに引っかける。具体的には前部フック21は、縦パイプ80aと前側折畳リンク81の間の前後パイプに、後部フック22は後側折畳リンク81と縦パイプ80bの間の前後パイプに引っかける。次に、固定スイッチ38を投入してモータ32を駆動させると、ベルト16により両フック21,22が引っ張られ、縦パイプ80a,80bに係合し、車椅子が固定される。
なお、リンク部材50にスプリング58が設けられていない場合には、手動によりリンク部材50の長さを最適に調節する。また、予め固定する車椅子Cが決まっている場合には、ボルトナットなどを用いてリンク部材50の全長を最適寸法に固定してもよい。また、他の構造が異なる車椅子などを固定するにあたり、両フック21,22の間隔を最適の寸法に調節できない場合には、蝶ねじ52を緩めて両フック21,22の一方をリンク部材50から外して、別個に引っかけるものである。
次に、固定スイッチ38を投入してモータ32を駆動させると、スクリュシャフト31が回転して、ナットねじ部材42が後方に相対移動して、スライド部材40が後方に移動する。
この移動開始時点では、スライダ44にあっては、図12に示すように、リテーナ45がスプリング47に付勢されて、ベルトシャフト46がスライダ44から離れた解放位置に配置されており、最初は、この状態を保ちながらスライダ44が後方に移動し、これに伴って、ベルト16の弛みが徐々に取れていく。また、本実施の形態にあっては、ベルトシャフト46は、回動可能であるため、ベルト16の前部スルーアンカ11側と中部スルーアンカ12側とで、緊張状態に差が生じると、ベルトシャフト46が回転し、ベルト16は、ほぼ均一に緊張が増してくる。
そして、ベルト16においてスライダ44の前後における弛みが無くなると、その張力によりリテーナ45ならびにそれと一体のベルトシャフト46がスプリング47の付勢力に抗してスライダ44に対して相対移動する。
なお、ベルトシャフト46がリテーナ45に固定されている場合は、スライダ44よりも前方あるいは後方の弛みが無くなるまでは、リテーナ45ならびにベルトシャフト46は、スライダ44と相対移動することはなく、その後、ベルト16においてスライダ44の前後における一方側の弛みが無くなると、その張力によりリテーナ45ならびにそれと一体のベルトシャフト46がスプリング47の付勢力に抗してスライダ44に対して相対移動する。この移動は、ベルト16においてスライダの前後における他方側の弛みが無くなるまで成される。
その後、ベルト16において、スライダ44の前後の弛みが両方とも無くなると、その張力によってベルト16がリテーナ45とベルトシャフト46とをスライダ44側に押して、ベルトシャフト46が図9,10,11に示すように、挟持位置に達してスライダ44とベルトシャフト46との間にベルト16を挟み込んでベルト16を固定する。この場合、図示のようにベルトシャフト46は、その角部をベルト案内穴44aに差し込まれるか、一端面がベルト案内穴44aを塞ぐように配置されるかするものであり、いずれの場合も、ベルト16を強く挟んでベルト16にずれが生じないものである。
この状態で、モータ32がさらに駆動すると、モータ制御回路37においてモータ32のロックを検出して、モータ32の駆動を停止させる。
したがって、この状態では、ベルト16が強い張力で引っ張られており、これにより車椅子Cが固定される。
このとき、前部フック21と後部フック22は、同時に引っ張られるため、車椅子Cを最初に固定した位置から移動させる必要がなく、また、両フック21,22を同時に引っかけることができるため、車椅子Cの後側からの操作だけで全作業が済み、車椅子固定作業が簡単であり、作業時間が短くて済む。
(張力不足時)
上記固定作業を行ったときに、ベルト16の張力が弱い場合の作業手順について説明する。
最初にベルト16の弛み量が多すぎた場合などには、スライダ44を移動させても十分な張力を得られない場合がある。このような場合、モータ32の駆動によりスライダ44が後方に移動すると、ナットねじ部材42が後端検出スイッチ35を押すことになり、その場合、モータ制御回路37は、後端検出スイッチ35の投入によりスライダ44が後方可動限界まで移動したことを検出し、モータ32の駆動を停止させるとともに、表示灯34を点灯させる。
このように表示灯34が点灯した場合には、作業者は、一旦、固定解除スイッチ39を押してモータ32を逆転駆動させる。その後、スライダ44がスクリュシャフト31の前端部まで移動してナットねじ部材42が前端検出スイッチ36を投入すると、モータ制御回路37はモータ32の駆動を停止する。
このようにスライダ44が前端まで移動してベルト16が緩められた状態となると、作業者はベルトアジャスタ17を調節してベルト16の全長を短くし、再度、固定スイッチ38を投入すると、上述した固定時の手順でスライダ44が後方移動を行って車椅子Cの固定が成される。なお、再びベルト16の長さが長すぎる場合には、上述の表示灯34の点灯がなされるもので、この場合には、この表示灯34が点灯しなくなるまで、上述の作業を繰り返す。
(固定解除時)
次に、車椅子Cの固定を解除する手順について説明する。
固定解除スイッチ39を投入すると、モータ32が逆転駆動し、スライダ44が前方移動する。これに伴って、リテーナ45がスプリング47の付勢力により解放位置方向へ移動するとともに、ベルトシャフト46がスライダ44から離れ、ベルト16が弛む。そして、モータ32の逆転駆動を続けると、スライダ44がスクリュシャフト31の前端近傍まで移動して前端検出スイッチ36を投入し、これに連動して、モータ32の逆転駆動が停止される。
この状態で、ベルト16が弛んでいるため、車椅子Cの後方から前部フック21ならびに後部フック22を車椅子Cから外すことができる。
このように、固定解除操作も、車椅子Cの後側からの操作だけで済む。
(車椅子が異なる場合)
車椅子が上述したものと異なり、リンク部材50により一体状態となっている前部フック21と後部フック22とを同時に車椅子Cに引っかけることができない場合には、リンク部材50の蝶ねじ52を外して前部フック21と、後部フック22とを独立させ、それぞれ別々に車椅子Cのフレームに引っかける。なお、その後の作業は、上記と同様である。
このように、車椅子Cの形状が大きく異なっている場合でも、前部フック21と後部フック22とを引っかけることができれば、固定することができる。
以上説明したように、車椅子Cの固定作業・固定解除作業とも、車椅子Cの後方からの作業で済み、かつ、ベルト16で引っ張る際に車椅子Cを移動させる必要もないため、作業性の向上を図ることができ、短時間で作業を行うことができるという効果が得られる。
また、前部フック21と後部フック22とをリンク部材50により連結したことにより、両フック21,22を1回の操作により同時に引っかけることができ、作業性の向上を図ることができる。しかも、リンク部材50は、長さを調整することができるため、いろいろのサイズの車椅子Cに対応して、この作業性の向上を図ることができる。加えて、スプリング58を設けてリンク部材50を収縮方向に付勢したため、コンパクトに収納されるとともに、操作性に優れる。
さらに、リンク部材50と、各フック21,22とは、蝶ねじ52を緩めることで、連結を解除できるため、上述のリンク部材50によるピッチの変更では対応できない、サイズや形状の車椅子も、確実に固定することができる。
さらに、後端検出スイッチ35ならびに表示灯34を設け、ベルト16による所望の張力が得られない場合には、表示灯34が点灯してこれを知らせるようにしたため、不確実な固定を防止することができる。
さらに、ベルト16の固定を、スライダ44と、このスライダ44に相対移動可能なリテーナ45ならびにベルトシャフト46により行うようにしたため、簡単な構成でありながら、ベルト16の固定を確実に行うことができる。また、本実施の形態では、ベルト16をスライダ44に押し当てるベルトシャフト46を正方形断面形状に形成したため、ベルト16を、ベルトシャフト46の平面と、ベルト案内穴44aの入り口部との間に強く挟み付けることができ、ベルト16の固定を確実に行うことができる。加えて、ベルトシャフト46をリテーナ45に回転可能に支持したため、ベルト16の緊張状態に応じて緊張が強い側にベルトシャフト46が回転して、ベルト16の緊張状態が均一に保たれ、一方が弛んで他方が緊張するといった状態が生じがたく、作動品質に優れる。
また、スライダ44は、ボルト43bの周囲にカラー43fを設けて、ボルト43bを中心に回動自在とし、かつ、各スルーアンカ11,12,13もブラケット15により首振り可能としたため、各スルーアンカ11,12,13と各フック21,22との位置が、車幅方向にずれていても、スライダ44がボルト43bを中心に回動するとともに各スルーアンカ11,12,13が首振りを行い、ベルト16が捻られることがないものであり、ベルト16の捻れによる作動不良の発生や耐久性の低下を防止することができる。
加えて、車椅子固定装置を凹部1に設置し、非使用時には、この凹部1にリッド3ならびにプレート2により覆い隠すようにしたため、この部分をフロアFと略同一面として使用でき、かつ、フロア面に突出物が存在しないようにできるため、使い勝手に優れる。
以上、図面により実施の形態について説明してきたが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
例えば、実施の形態では、スライド部材40は、実施の形態では、固定時に後方に移動させるようにしたが、固定時に前方に移動させるようにしても良い。この場合には、スライダ44は、中部スルーアンカ22と後部スルーアンカ23との間に設ける。
実施の形態の車椅子固定装置を示す斜視図である。 実施の形態の車椅子固定装置の使用状態を示す斜視図である。 車椅子を示す斜視図である。 車両フロアにおける実施の形態の車椅子固定装置の設置部位を示す斜視図である。 車両フロアにおける実施の形態の車椅子固定装置の設置部位を示す斜視図である。 実施の形態の車椅子固定装置における駆動手段を示す斜視図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の断面図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の斜視図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の断面図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の平面図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の側面図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の側面図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の斜視図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の正面図である。 実施の形態の車椅子固定装置における要部の回路図である。 従来技術を示す斜視図である。
符号の説明
1 凹部
1a 底面
2 パネル
3 リッド
4,4 ヒンジ
11 前部スルーアンカ
12 中部スルーアンカ
13 後部スルーアンカ
14 リング
15 ブラケット
16 ベルト
17 ベルトアジャスタ
21 前部フック
22 後部フック
31 スクリュシャフト
32 モータ
33 ブラケット
35 後端検出スイッチ
36 前端検出スイッチ
37 モータ制御回路
38 固定スイッチ
39 固定解除スイッチ
40 スライド部材
41 穴
42 ナットねじ部材
43 スライダベース
43a ボルト
43b ボルト
43f カラー
44 スライダ
44a ベルト案内穴
44f スプリング支持穴
45 リテーナ
45a 側板
45b 支持板
45c 長穴
45d ピン
46 ベルトシャフト
47 スプリング
50 リンク部材
51 前側ブラケット
53 前部リンク
54 後部リンク
55 ピン
56 長穴
57 後側ブラケット
58 スプリング
80 メインフレーム
80a,80b 縦パイプ
80f フットレスト
81 折畳リンク
82 シート部材
83 シートバック部材
84 ハンドル
84b ブレーキレバー
87 駐車ブレーキレバー
88 キャスタ
89 車輪
F フロア

Claims (6)

  1. 車椅子に係合可能な前部フックと、
    車椅子に係合可能な後部フックと、
    車両のフロアに設定され、前記前部フックと連結されて弛緩状態と緊張状態とを得る前部引っ張り手段と、
    車両のフロアに設定され、前記後部フックと連結されて弛緩状態と緊張状態とを得る後部引っ張り手段と、
    前記前部フック及び後部フックを車椅子に係合させた後、前記前部引っ張り手段または前記後部引っ張り手段の少なくとも一方を引っ張って車椅子を固定する車椅子固定装置において、
    前記前部フックと後部フックとを連結すると共に作業者により車椅子に引っかけられる連結部材を設けたことを特徴とする車椅子固定装置。
  2. 請求項1に記載の車椅子固定装置において、
    前記前部フックおよび後部フックは、前記連結部材に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする車椅子固定装置。
  3. 請求項1または2に記載の車椅子固定装置において、
    前記前部フックと後部フックとの間のピッチを変更可能に構成されていることを特徴とする車椅子固定装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載の車椅子固定装置において、
    前記連結部材は、伸縮可能に構成されて前部フックと後部フックとの間のピッチを変更可能に構成されていることを特徴とする車椅子固定装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の車椅子固定装置において、
    前記連結部材には、伸方向に付勢するスプリングが設けられていることを特徴とする車椅子固定装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか1つに記載の車椅子固定装置において、
    前記連結部材には、収縮方向に付勢するスプリングが設けられていることを特徴とする車椅子固定装置。
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