JP4185375B2 - 土木用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂に硫酸バリウムまたは硫酸バリウムとそれ以外の他の無機化合物及び/または金属粉とを配合してなる合成樹脂製土木用シートに関し、更に詳しくは容易に水中に沈降し必要とされる場所に正確に敷設することが可能で、施工性に優れ、柔軟性に富むため水中にある護岸・底盤等の凹凸への追随しやすくかつ機械的強度等に優れる土木用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
観賞用の池、ゴルフ場のウォーターハザード、廃棄物処分場の造成地などでは、施設の美観維持や環境汚染防止のため、遮水施工がなされている。これらの遮水施工には、例えばゴム系遮水シート、塩化ビニル系遮水シートが用いられていたが、ゴム系遮水シートの場合、シート相互の熱融着性(ヒートシール性)が劣るため接着剤を用いて加工する必要が有り、施工性の悪さが指摘されており、また塩化ビニル系遮水シートは、経時的な可塑剤の減少による機械的強度の低下が起きやすかった。そこで最近では高密度ポリエチレンやメタロセン触媒を用いて重合して得られポリエチレン系樹脂等を用いたポリオレフィン系遮水シートも用いられている(特許文献1参照)。しかしながら、海面処分場のように水中に遮水シートを敷設する場合には、速やかに水中に沈降し水中の護岸等の凹凸に追随する等の性質が要求されることから、上記の欠点にもかかわらずもっぱら塩化ビニル系遮水シートが用いられているのが現状であった(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−157456号公報
【特許文献2】
特開平5−194761号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
柔軟性、機械的強度、ヒートシール性に優れかつ容易に水中に沈降し水流によっても舞い上がることなく、護岸等の施工面の凹凸への追随性、耐久性に優れた合成樹脂製土木用シートの提供。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、(1)硫酸バリウムと、他の無機化合物及び金属粉から選ばれる1種以上とを下記(a)の重量比で15〜50重量%含有し、かつ下記(b)の要件を満た合成樹脂製土木用シートであって、該合成樹脂がメタロセン触媒を用いて重合して得られる、(a)エチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であって、(b)密度が0.86〜0.94g/cm であり、(c)メルトフローレート(MFR)が0.5〜5g/10分、(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5であるエチレン−α−オレフィン共重合体を1〜99重量%含有する合成樹脂製土木用シート、
(a)硫酸バリウム:他の無機化合物及び金属粉から選ばれる1種以上=100:0〜50:50
(b)シートの1%割線弾性係数が30〜200MPaである
(2)硫酸バリウムの平均一次粒径が0.1〜2μmである上記(1)に記載の合成樹脂製土木用シート、(3)カーボンブラックを0.1〜10重量%含有する上記(1)または(2)に記載の合成樹脂製土木用シート、(4)シートが多層シートであって、基材層とその少なくとも片側に表面層を有しかつ該表面層が硫酸バリウム、他の無機化合物または金属粉のいずれも含有しない上記(1)〜(3)のいずれかに記載の合成樹脂製土木用シート、(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の合成樹脂製土木用シートを用いた廃棄物処分場遮水システムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の土木用シートに用いられる合成樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びこれらの混合物等からなるポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性ポリウレタン系樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー等の熱可塑性ポリエステル系樹脂や、これらの混合物が挙げられる。
【0007】
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体及び/または、エチレンを主成分とする、エチレンとこれと共重合可能な他の単量体との共重合体(低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン触媒を用いて重合して得られたポリエチレン等)、あるいは前記単独重合体及び/または共重合体と他の重合体との混合物(ポリマーブレンド)等が例示できる。
【0008】
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体及び/または共重合体、あるいは前記単独重合体及び/または共重合体と他の重合体との混合物(ポリマーブレンド)等が例示できる。該共重合体としてはプロピレンを主成分とする、プロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィンとの、ランダム共重合体またはブロック共重合体あるいはグラフト共重合体等が例示できる。このプロピレンと共重合可能なα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0009】
本発明の土木用シートに用いられる合成樹脂としては、中でも特に熱可塑性ポリウレタン系樹脂かまたはメタロセン触媒を用いて重合して得られる、(a)エチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であって、(b)密度が0.86〜0.94g/cm3 であり、(c)メルトフローレート(MFR)が0.5〜5g/10分、(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5であるエチレン−α−オレフィン共重合体(以下、「メタロセン系ポリエチレン」と記す)が好ましい。
【0010】
上記メタロセン系ポリエチレンにおいて、エチレンと共重合する炭素原子数が3〜12のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン及び1−デセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。α−オレフィンの混合割合は、5〜40重量%とすることが好ましい。
【0011】
エチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であって、密度が0.86〜0.94g/cm3、好ましくは0.89〜0.91g/cm3で、メルトフローレートが0.5〜5g/10分、より好ましくは1〜3g/10分、更に好ましくは1〜2g/10分、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5、好ましくは2〜3.5である上記メタロセン系ポリエチレンを用いた土木用シートは、施行性、柔軟性、シート成形性、機械的強度及びヒートシール性の点でもバランスのとれた性能を与えることができるので好ましい。
【0012】
なお、本発明において、メタロセン系触媒(シングルサイト触媒、カミンスキー触媒ともいう)とは、特開平3−163088号公報、特開平7−118431号公報、特開平7−148895号公報等に示されている如く、メタロセン系遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担時されて使用されることもある。
【0013】
メタロセン系遷移金属錯体としては、例えばIVB族から選ばれる遷移金属(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、ジシクロペンタジエニル基、置換ジシクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基又は置換フルオニル基が配位子として1個または2個配位しているか、またはこれらのうちの2つの基が共有結合で架橋したものが配位しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基等の配位子を有するものが挙げられる。
また、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウムや鎖状もしくは環状のアルミノキサンが挙げられ、アルキルアルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムフロライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等が例示でき、また鎖状もしくは環状のアルミノキサンは上記のアルキルアルミニウムと水とを接触させて生成させることができ、例えば、重合時にアルキルアルミニウムを加えておき、後で水を添加するか、あるいは錯塩の結晶水または有機もしくは無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることによって得ることができる。
【0014】
メタロセン触媒を担持させるための担体としては、シリカゲル、ゼオライト、或いは珪藻土等が例示できる。
また、本発明の土木用シートとしては、合成樹脂が上記のメタロセン系ポリエチレンを1〜99重量%含有するものが好ましく、合成樹脂として例えば上記のメタロセン系ポリエチレン1〜99重量%とLLDPE及び/またはLDPE1〜99重量%からなるもの、好ましくはメタロセン系ポリエチレン40〜99重量%とLLDPE及び/またはLDPE1〜60重量%からなるものも好適に使用される。
【0015】
本発明の土木用シートは硫酸バリウムを15〜50重量%含有しているが、硫酸バリウムが15重量%未満だと海中等にシートを沈める際、シートが風や波浪にあおられたり、また速やかに沈降せず、水流によって舞いあがる等して必要とされる施工個所に正確に敷設することが困難となる。50重量%を超えるとシートに加工し難く、また凹凸追随性が劣る場合がある。
【0016】
硫酸バリウムとしては、沈降性硫酸バリウム、簸性硫酸バリウム等が通常用いられる。その平均一次粒子径としては0.01μm以上、15μm以下(0.01〜15μm)程度まであるが、0.05μm以上、3μm以下(0.05〜3μm)程度のものが樹脂への分散性及び樹脂組成物の物性低下抑制の点で好ましく、さらに好ましくは0.1μm以上、2μm以下(0.1〜2μm)である。また粒子の形状については板状、球形等あるがシートにした場合の配向を考慮すると、球形状が望ましい。また樹脂への分散性を向上させるために硫酸バリウム粒子表面をステアリン酸塩等で表面処理してもよい。
【0017】
更に、硫酸バリウムと共に他の無機化合物及び金属粉から選ばれる1種以上を用いてもよく、その場合硫酸バリウムと他の無機化合物及び金属粉から選ばれる1種以上とを合わせて15〜50重量%配合する。無機化合物としては炭酸金属塩、硫酸金属塩、ケイ酸金属塩、無機酸化物、金属酸化物、金属水酸化物及びこれらの複合物からなる群から選ばれる1種以上からなるもの等があげられ、具体的には炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、タルク、シリカ、カオリン、アルミナ、クレー、アスベスト、ガラス繊維及びこれらの混合物等があげられる。また金属粉としては、アルミニウム、亜鉛、鉄及び金からなる群から選ばれる1種以上からなる粉末等があげられる。
【0018】
硫酸バリウムと、他の無機化合物及び金属粉から選ばれる1種以上(以下、併せて「他の無機化合物等」と記す)とを併用して用いる場合、硫酸バリウム100重量部に対し、他の無機化合物等を0重量部を超えて100重量部未満配合する。更に好ましい両者の配合比は、硫酸バリウム:他の無機化合物等=50:50〜99:1(重量比)であり、より好ましくは60:40〜90:10である。他の無機化合物等の配合量が多すぎるとシートの沈降性、施工性及び機械的強度等の物性とが同時に満足されない恐れがある。
【0019】
合成樹脂と硫酸バリウム、または合成樹脂と硫酸バリウム及び他の無機化合物等との配合比は重量比で、合成樹脂:硫酸バリウムまたは(硫酸バリウム+他の無機化合物等)=85:15〜50:50であるのが好ましい。
本発明の土木用シートは単層でも多層でもよく、また多層の場合は各層の樹脂組成や構成成分の組成が同一でなくてもよい。更に硫酸バリウム、または硫酸バリウムと他の無機化合物等(以下、併せて「硫酸バリウム等」と記す)は、土木用シート各層に配合されていても、一部の層にのみ配合されていてもよい。この場合、硫酸バリウム等が海水等の水分の作用を受けることを避けるために表面層以外の層に配合する、すなわち土木用シートが多層シートであって、基材層とその少なくとも片側に表面層を有しかつ表面層が硫酸バリウム等を含有しないものが好ましく、このようなものとしては硫酸バリウム等を含有する基材層の両面側に硫酸バリウム等を含有しない表面層を有する、3層以上かならる多層シートが例示できる。該シートは各層の層厚比が表面層/基材層/表面層=1〜40/20〜98/1〜40であるのが、シート強度等の物性と水中への沈降性のバランスの点で好ましい。
【0020】
本発明の土木用シートには、上記の構成成分の他、天然ゴムや、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、及びスチレン−ブタジエン系やスチレン−イソプレン系等のスチレン系熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、架橋剤、カーボンブラック、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃化剤及び着色剤等を必要に応じて配合してもよい。例えばカーボンブラックを0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%配合すると耐候性が改良されるので好ましい。
【0021】
本発明の土木用シートは、ポリオレフィン系樹脂のシート製造に通常用いられる技術により製造することができ、例えばTダイ押出法、カレンダー成形法等があげられる。該シートの厚みは、通常0.5〜3mm、好ましくは1〜2mmである。
【0022】
また実施例に記載の方法で求められる土木用シートの1%割線弾性係数が30〜200MPaであると、シートの凹凸追随性の点で特に好適である。
【0023】
更に、実施例に記載の方法で求められる土木用シートの破断強度が20MPa以上のものは、土木用シートとして使用する際、表面の突起等による突き刺し破壊に対する耐性が高くなるので好ましい。
【0024】
土木用シートを保管する際は通常巻き取って保管するが、保管中にシート同士が粘着して巻き戻し時の作業性を悪化させることを防ぐために、少なくともその片面にエンボスを加えて表面に凹凸を与えておくのが好ましい。エンボスはシート全面に施しても、格子状、縞模様等、シートの性能及び粘着防止効果を損なわない範囲で部分的に施してもよい。シートに上述のようなエンボスを施すためには、例えばエンボスロール法やプレス法を用いればよく、またエンボスを施す時期もシート化直後でも、一旦成形したシートを巻き取った後、別工程で行っても良い。
【0025】
本発明の土木用シートは、柔軟性が良好で地形の凹凸に追従しやすく、破断強度等の機械的強度が優れているため水圧や埋設時の土の圧力や石や砂利等との接触によっても破損しにくく、また水中等に沈降させて用いる際シートが風や波浪にあおられたりせず、かつ速やかに沈降するので必要とされる施工個所に正確に敷設することができる。従って、海岸や湖岸近傍の海域、水域に廃棄物処分場を構築する際等に用いる海域、水域用遮水シートとして特に好適に用いられるが、産業廃棄物等の埋立処分場を陸地内に構築する際、廃棄物処分場を囲む護岸にも適用できることは勿論である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例によって限定されるものではない。
1.評価方法
<密度>ASTMD 1505に従って、メタノール/ベンジルアルコール混合液を用いた密度勾配管法により樹脂の密度を測定した。シートの密度はJIS K 7112A法(水中置換法)に従って測定した。
<メルトフローレート(MFR)>ASTMD 1238に従って測定した。
<Mw/Mn>トリクロルベンゼンを溶媒としたGPC法により検量線(標準ポリスチレンによる)を作成しMw及びMnを求め、これより算出した。
<シートの評価>
(1)沈降性:縦100cm、横100cmの試験用シートを水槽に入れた際の状態について評価した。評価基準は次の通り。
○:速やかに沈降し、かつ水を撹拌してもシートが舞い上がらない。
【0027】
△:沈降するが、水を撹拌すると容易に舞い上がった。
×:沈降しなかった。
(2)施工性(凹凸追随性):得られたシートにつき、圃場に深さ50cm、幅1m、長さ2mの溜め池を造り、これにシートを施工してその評価を行った。評価基準は次の通り。
○:地形の凹凸に対応できた。
△:細かい凹凸には対応できず、部分的に地面との間に隙間ができた。
×:凹凸に対応できず、地面との間に大きな隙間ができた。
(3)破断強度・破断伸び:JIS K 6251に準拠し、3号試験片を用い50mm/分にて引張り試験機でシートが破断(切断)する際の強さ及び伸び率を求めた。
(4)1%割線弾性係数:JIS K 7113に準拠し、シートを幅4cm長さ15cmの短冊状にし、掴み具間距離10cm試験速度1mm/分にてオートグラフ引張り試験機を用い引張り試験を行った。この時1%歪みを付与した際の応力を算出しその値より1%割線弾性係数を求めた。
2.実施例1〜3及び比較例1〜4
<実施例1>
メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(密度0.902g/cm3、MFR1.0g/10分、Mw/Mn2.5、α−オレフィン;1−オクテン)60重量%、硫酸バリウム38重量%、カーボンブラック2重量%からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し樹脂温度180℃で排出後、カレンダー成形機により成形温度160℃、引取速度2m/分、シート厚み1.5mmの条件でシート化した。
【0028】
得られたシートについて上記の評価を行った。結果を表−1に示す。
<実施例2>
実施例1で用いたメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体60重量%、硫酸バリウム26重量%、炭酸カルシウム12重量%、カーボンブラック2重量%からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し樹脂温度180℃で排出後、カレンダー成形機により成形温度140℃、引取速度2m/分、シート厚み1.5mmの条件でシート化した。
【0029】
得られたシートについて上記の評価を行った。結果を表−1に示す。
<実施例3>
実施例1で用いたメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体53重量%、硫酸バリウム45重量%、カーボンブラック2重量%からなる組成物を中間層とし、表面層(表面及び裏面)として上述のエチレン−α−オレフィン共重合体98重量%、カーボンブラック2重量%からなる組成物を用いTダイ押出し成形機により2種3層(表層:中間層:裏層=1:8:1)の多層シートを成形温度190℃、引取速度1m/分、シート厚み1.5mmの条件でシート化した。
【0030】
得られたシートについて上記の評価を行った。結果を表−1に示す。
<比較例1>
硫酸バリウムを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてシートを作成し評価を行った。結果を表−1に示す。
<比較例2>
実施例1で用いたメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体60重量%、硫酸バリウム12重量%、炭酸カルシウム26重量%、カーボンブラック2重量%からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し樹脂温度180℃で排出後、カレンダー成形機により成形温度140℃、引取速度2m/分、シート厚み1.5mmの条件でシート化した。
【0031】
得られたシートについて上記の評価を行った。結果を表−1に示す。
<比較例3>
実施例1で用いたメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体38重量%、硫酸バリウム60重量%、カーボンブラック2重量%からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し樹脂温度180℃で排出後、カレンダー成形機により成形温度140℃、引取速度2m/分、シート厚み1.5mmの条件でシート化した。
【0032】
得られたシートについて上記の評価を行った。結果は表−1に示す。
<比較例4>
実施例1で用いたメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体90重量%、硫酸バリウム8重量%、カーボンブラック2重量%からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し樹脂温度180℃で排出後、カレンダー成形機により成形温度140℃、引取速度2m/分、シート厚み1.5mmの条件でシート化した。
【0033】
得られたシートについて上記の評価を行った。結果は表−1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004185375
【発明の効果】
本発明の、土木用シートは、ヒートシール性、耐久性に優れ、容易に水中へ沈下し水流によっても舞い上がることなくかつ柔軟性に優れているので凹凸の地形に対応できるため施工性が良く、更に強度も大きく、遮水シート、特に海域及び水域用遮水シートとして好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 硫酸バリウムと、他の無機化合物及び金属粉から選ばれる1種以上とを下記(a)の重量比で15〜50重量%含有し、かつ下記(b)の要件を満た合成樹脂製土木用シートであって、該合成樹脂がメタロセン触媒を用いて重合して得られる、(a)エチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であって、(b)密度が0.86〜0.94g/cm であり、(c)メルトフローレート(MFR)が0.5〜5g/10分、(d)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜5であるエチレン−α−オレフィン共重合体を1〜99重量%含有する合成樹脂製土木用シート
    (a)硫酸バリウム:他の無機化合物及び金属粉から選ばれる1種以上=100:0〜50:50
    (b)シートの1%割線弾性係数が30〜200MPaである
  2. 硫酸バリウムの平均一次粒径が0.1〜2μmである請求項1に記載の合成樹脂製土木用シート。
  3. カーボンブラックを0.1〜10重量%含有する請求項1または2に記載の合成樹脂製土木用シート。
  4. シートが多層シートであって、基材層とその少なくとも片側に表面層を有しかつ該表面層が硫酸バリウム、他の無機化合物または金属粉のいずれも含有しない請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成樹脂製土木用シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の合成樹脂製土木用シートを用いた廃棄物処分場遮水システム。
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