JP4184915B2 - 建設機械の盗難防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械に備えられ、盗難防止に関連する信号を出力する盗難防止コントローラを備えた建設機械の盗難防止装置に関する。
この種の従来技術として、特許文献1に記載されるものがある。この特許文献1に記載の技術は、盗難防止に関連する信号、例えばエンジンの駆動を阻止する信号を出力する盗難防止制御装置、すなわち盗難防止コントローラと、エンジンの回転数及び油圧アクチュエータへの供給流量を制御する機体コントローラ、すなわち車体コントローラとを備え、これらの盗難防止コントローラと車体コントローラとを、通信手段例えば通信回線で接続した構成にしてある。
この従来技術は、盗難防止のために、盗難防止コントローラからスタータの駆動を阻止する信号が出力されると、この信号に応じてエンジンのスタータの駆動が阻止されると共に、通信回線を介して送信される上述の信号により、車体コントローラが油圧アクチュエータへの圧油の供給を阻止させるように作動する。
これにより、この盗難防止装置が装備される建設機械が仮に盗難されても、作業機による作業を実施できない状態となり、盗難に対する大きな牽制力が確保される。
特開2000−64363公報
ところで、町中等の作業現場においては、盗難防止システムの作動中に、何らかの理由により緊急に建設機械を動かしたい事態とか、例えば建設機械が油圧ショベルなどであるときに、緊急にブームを下げたい事態などが生じることがある。このような緊急事態にあっては、上述した従来技術では、暗証番号の入力により盗難防止システムの作動を解除させ、これにより車体コントローラによる油圧アクチュエータへの圧油の供給阻止を解除させなければならない。そのとき、オペレータが暗証番号を知らない場合には、多大の時間をロスする虞がある。
すなわち、上述した従来技術は、盗難防止システムの解除のために暗証番号の入力操作が介在することから、この解除作業が煩雑になり、これに伴って車体コントローラによる油圧アクチュエータへの圧油供給阻止の解除に手間取り、走行体を動かしたり、ブーム等の作業機を動かしたりできるまでに時間がかかり、盗難防止システムの作動中における緊急時の敏速な対応を実現できなくなる場合がある。
なお、上述した従来技術では、盗難防止システムが作動している状態で、盗難防止コントローラが破損したり、この盗難防止コントローラと車体コントローラとを接続する通信回線が断線されたときなどには、車体コントローラによって油圧アクチュエータへの圧油供給阻止が継続されるので、例えばその建設機械を他の場所へ移動させようとするときなどに、大掛かりな補修作業が必要になることが起こり得る。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、所望の盗難防止機能を確保できると共に、盗難防止システムの作動中における車体の最低限の駆動を、暗証番号を介在させることなく実現できる建設機械の盗難防止装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、走行体及び作業機を含む車体と、エンジンと、このエンジンのスタータと、上記エンジンによって駆動するポンプと、このポンプから吐出される圧油によって作動し、上記車体を駆動する油圧アクチュエータと、上記エンジンの回転数、及び上記油圧アクチュエータへの供給流量を制御する車体コントローラとを有する建設機械に備えられ、盗難防止に関連する信号を出力する盗難防止コントローラと、この盗難防止コントローラと上記スタータとを接続する信号線と、上記盗難防止コントローラと上記車体コントローラとを接続する通信手段とを有する建設機械の盗難防止装置において、上記盗難防止コントローラは、第1盗難防止システムを作動させる第1処理部と、第2盗難防止システムを作動させる第2処理部とを備えるとともに、上記第1盗難防止システムが作動したときには、盗難防止に関連する信号として上記信号線を介して上記スタータに出力される上記スタータの駆動を阻止する信号と、上記通信手段を介して上記車体コントローラに出力される車体動作制限信号とを出力し、上記第2盗難防止システムが作動するときには、上記通信手段を介して上記車体コントローラに出力される車体動作制限信号と、上記通信手段を介して上記車体コントローラに出力される上記第2盗難防止システムが作動していることを示すシステム作動信号とを出力する手段を有し、上記車体コントローラ、上記盗難防止コントローラからの上記車体動作制限信号が入力されているかどうか判断する判断手段と、この判断手段で上記車体動作制限信号が入力されていると判断されたとき、上記油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する流量制限手段と、上記第2盗難防止システムの作動時に上記システム作動信号が入力されていないかどうかを判断する判断手段と、この判断手段で上記システム作動信号が入力されていないと判断されたとき、上記油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する別の流量制限手段とを含むことを特徴としている。

このように構成した本発明は、所定の低流量を、緩速度で走行体を動かすことのできる程度の流量とか、作業機を緩速度で動かすことのできる程度の流量、すなわち通常作業における走行体の走行時、作業機の作動時に比べてはるかに遅い速度ではあるが、車体の最低限の駆動を行ない得る速度とする流量を設定しておけばよい。これにより、所定の低流量が油圧アクチュエータに供給されるときには、通常作業を行うことはできなくなる。
本発明では、盗難防止コントローラが作動して第2盗難防止システムが働いているときには、盗難防止コントローラによってエンジンの駆動が可能な状態に保たれると共に、盗難防止コントローラから通信手段を介して車体コントローラに盗難防止に関連する信号が出力される。車体コントローラの判断手段は、盗難防止コントローラからの盗難防止に関連する信号が入力されていると判断し、流量制限手段が作動する。したがって、エンジンを駆動することにより、油圧アクチュエータへ所定の低流量が供給される。すなわち、このような盗難防止コントローラからの盗難防止に関連する信号が入力されている状態では、緩速度で車体を動かすことは可能となるものの、通常作業が不能となる。仮に盗難された場合でも、通常作業は実施できないことから、盗難に対する牽制力が確保される。これによって盗難防止に大きく貢献する。さらに第2盗難防止システムの作動時に、盗難防止コントローラの破損や、盗難防止コントローラと車体コントローラとを接続する通信回線の断線に伴って、車体コントローラの判断手段でシステム信号が入力されていないと判断されたときにも、別の流量制限手段が作動して、油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する処理が行なわれる。

また、第2盗難防止システムが働いているときに緊急事態等が生じて車体を動かす必要が生じても、車体の最低限の駆動を、暗証番号を介在させることなくオペレータはおこなうことができる。

また本発明は、上記発明において、上記流量制限手段が、エンジン回転数を所定の低回転数に制限する手段を含むことを特徴としている。
このように構成した本発明は、第2盗難防止システムが働いているときでも、流量制限手段に含まれるエンジン回転数を所定の低回転数に制御する手段により、エンジン回転数が車体の最低限の駆動を可能にする所定の低回転数に保持される。したがって、所定の低回転数によるエンジンの駆動に伴うポンプの駆動により、ポンプから所定の低流量に相当する流量が吐出され、この所定の低流量が油圧アクチュエータに供給される。

また本発明は、上記発明において、上記流量制限手段が、上記ポンプの吐出流量を所定の低流量に制限する手段を含むことを特徴としている。
このように構成した本発明は、第2盗難防止システムが働いているときでも、流量制限手段に含まれるポンプの吐出流量を所定の低流量に制限する手段により、ポンプの吐出流量が車体の最低限の駆動を可能にする所定の低流量に保持される。したがって、エンジンを駆動することにより、このポンプの吐出流量が所定の低流量として油圧アクチュエータに供給される。

本発明は、車体コントローラの制御により、盗難された際に通常作業を実施できない状態にすることにより、盗難防止に対する大きな牽制力を確保でき、すなわち所望の盗難防止機能を確保できると共に、車体コントローラの制御により、車体の最低限の駆動を暗証番号を介在させることなく実現でき、したがって、緊急時等における車体の最低限の駆動を実現でき、従来得られなかった優れた機能を確保でき、実用性に富む。
以下,本発明に係る建設機械の盗難防止装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す構成図、図2は本発明が備えられる建設機械に装備されるポンプトルク制御装置を示す油圧回路図である。
この第1実施形態、及び後述する第2、第3実施形態は、建設機械例えば油圧ショベルに備えられるものである。この油圧ショベルは、走行体や、ブーム、アーム等をから成る作業機を含む車体を備えている。また、図1,2に示すように、エンジン1と、このエンジン1によって駆動する可変容量型油圧ポンプ、すなわちメインポンプ2と、このメインポンプ2から吐出される圧油によって駆動する図示しない走行モータ、ブームシリンダ、アームシリンダ等の油圧アクチュエータと、これらの油圧アクチュエータをそれぞれ制御する図示しない方向制御弁とを備えている。また、エンジン1の回転数、及び上述の油圧アクチュエータへの供給流量を制御する車体コントローラ13とを有する。
この油圧ショベルに備えられるポンプトルク制御装置について図2に基づいて最初に説明し、次にこの油圧ショベルが保有する基本特性について図35に基づいて説明し、その次に本発明の第1実施形態について説明する。

[ポンプトルク制御装置]
本発明の1実施形態が装備される油圧ショベルは、上述したエンジン1、メインポンプ2、車体コントローラ13の他に、図2に示すように、エンジン1によって駆動するパイロットポンプ3と、タンク4とを備えている。また、上述した図示しない油圧アクチュエータを操作する操作装置5と、メインポンプ2の傾転角を制御する傾転制御アクチュエータ6と、メインポンプ2の最大ポンプトルクを調整するトルク調整手段とを備えている。傾転制御アクチュエータ6は、制御圧が導かれる受圧室6aと、パイロット圧が導かれる受圧室6bと、傾転角を制御するスプール6cとを備えている。
上述のトルク調整手段は、メインポンプ2の吐出圧の変化に拘わらず、最大ポンプトルクを一定に保つように傾転制御アクチュエータ6を制御するトルク制御弁7と、操作装置5の操作量に応じて最大ポンプトルクを調整するポジション制御弁8とを含んでいる。トルク制御弁7は、スプール7aと、このスプール7aを付勢するばね7bと、馬力制御に係る制御圧が導かれる受圧室7cと、ポンプ圧が導かれる受圧室7dとを備えている。ポジション制御弁8は、スプール8bと、このスプール8bを付勢するばね8aとを備えている。ばね8aの力に対抗するように、操作装置5の操作に伴うパイロット圧が管路32を介してポジション制御弁8の制御室に与えられる。
また、メインポンプ2の傾転角を検出する傾転センサ9と、メインポンプ2の吐出圧を検出する吐出圧センサ10と、操作装置5の操作に伴って出力されるパイロット圧を検出するパイロット圧センサ11と、エンジン1の目標回転数を指示する回転数指示器12とを備えている。
また、上述したセンサ9〜11、及び回転数指示器12からの信号を入力すると共に、記憶機能と、論理判断を含む演算機能とを有し、演算結果に応じた制御信号を出力する上述の車体コントローラ13と、この車体コントローラ13から出力されるエンジン回転数信号に応じて、エンジン回転数を制御する燃料噴射ポンプ14を作動させる信号を出力するエンジンコントローラ15とを備えている。
また、車体コントローラ13から出力される制御信号に応じて作動し、上述のトルク制御弁7のスプール7aをばね7bの力に抗して作動させる電磁弁16を備えている。
上述した各構成要素のうちの傾転制御アクチュエータ6と、トルク制御弁7と、ポジション弁8と、電磁弁16とによって、メインポンプ2の傾転角を制御するレギュレータ2Aが構成されている。また、このレギュレータ2Aと、車体コントローラ13、操作装置5、センサ9〜11等によって、メインポンプ2のトルクを制御するポンプトルク制御装置が構成されている。
[油圧ショベルが保有する基本特性]
図3〜5は、上述の油圧ショベルが保有する基本特性を示す図で、図3はポンプ吐出圧−押し除け容積特性(PQ特性に対応)、及びポンプ吐出圧−ポンプトルク特性を示す図、図4はPQ線移動特性を示す図、図5はエンジン目標回転数−トルク特性を示す図である。
この油圧ショベルが保有する基本特性として、図3の(a)図に示すポンプ吐出圧P−押し除け容積qの関係、すなわち、ポンプ吐出圧P−押し除け容積qに相応する吐出流量Qの関係であるPQ線図20で示す特性を有する。このPQ線図20は、ポンプトルク一定線図21に相応する。また、図3の(b)図に示すように、ポンプ吐出圧P−ポンプトルクの関係であるPQ制御によるポンプトルク線図22で示す特性を有する。
なお、上述したようにメインポンプ2の吐出圧をP、押し除け容積をq、また、ポンプトルクをTp、機械効率をηmとすると、
Tp=(P×q)/(628×ηm)
の関係にあることが知られている。
また、この油圧ショベルが有する基本特性として、図4に示すように、PQ線移動特性を有する。同図4中、23はエンジン目標回転数に基づく最大ポンプトルクに相応するPQ線図であり、24は前述した最大ポンプトルクよりも低い低トルク制御によるポンプトルクに相応するPQ線図である。トルク制御処理を行なうことにより、本来の最大ポンプトルクに相応するPQ線図23と、所定の低回転数n1に応じた低ポンプトルクに相応するPQ線図24との間を移動可能になっている。
また、この油圧ショベルが有する基本特性として、図5に示すエンジン1の目標回転数−トルクの関係で示すエンジン最大トルク線図25で示す特性、及びこのエンジン最大トルク線図25を超えないように抑えられる最大ポンプトルク線図26で示す特性を有する。最大ポンプトルクは、エンジン1の目標回転数が所定の低回転数n1のとき、最大ポンプトルク線図26上の小さな値Tp1となり、エンジン1の目標回転数が例えば定格回転数n2になると、最大ポンプトルク線図26上の最大値Tp2となる。図5に示す最大ポンプトルク線図26上で最大値Tp2となるときのPQ線図は、例えば図4のPQ線図23となり、図5に示す最大ポンプトルク線図26上の小さな値Tp1となるときのPQ線図は、例えば図4のPQ線図24となる。

[第1実施形態の構成]
上述した各構成要素、及び基本特性を有する油圧ショベルに備えられる本発明の盗難防止装置の第1実施形態は、図1に示すように、エンジン1のスタータ1aに信号線41を介して接続され、盗難防止に関連する信号を出力する盗難防止コントローラ40と、この盗難防止コントローラ40、車体コントローラ13、及びエンジンコントローラ15を接続する通信回線42とによって構成されている。
盗難防止コントローラ40は、例えば第1処理部40aと、第2処理部40bとを備えている。第1処理部40aが処理操作されたときには、例えば従前とほぼ同様の盗難防止システムである第1盗難防止システムが作動するようになっている。すなわち、盗難防止コントローラ40から信号線41を介して盗難防止に関連する信号として、エンジン1のスタータ1aに、このスタータ1aの駆動を阻止する信号が出力されると共に、盗難防止コントローラ40から通信回線42を介して車体コントローラ13に盗難防止に関連する信号として、車体の駆動を制限する車体動作制限信号が出力されるようになっている。第1処理部40aの上述の処理操作を解除することにより、スタータ1aの駆動阻止が解除され、車体コントローラ13による車体に対する駆動の制限が解除されるようになっている。
また、第2処理部40bにおいて処理操作されたときには、上述した第1盗難防止システムとは異なる第2盗難防止システムが作動するようになっている。この第2盗難防止システムが作動したときには、盗難防止コントローラ40から、盗難防止に関連する信号として、車体動作制限信号が出力される。また、例えばこの盗難防止コントローラ40から第2盗難防止システムが作動していることを示すシステム作動信号が出力される。この第2盗難防止システムでは、盗難防止コントローラ40からエンジン1のスタータ1aの駆動を阻止する信号は出力されない。したがって、エンジン1の駆動は可能に保持される。
車体コントローラ13は、盗難防止コントローラ40からの盗難防止に関連する信号、すなわち上述した車体動作制限信号が入力されているかどうか判断する手段と、この判断手段で車体動作制限信号が入力されていると判断されたとき、図示しない油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する流量制限手段とを含んでいる。上述した流量制限手段は、例えばエンジン回転数を所定の低回転数、すなわち前述した図5に示す所定の低回転数n1に制限する手段を含んでいる。
また、車体コントローラ13は、第2盗難防止システムの作動時に、盗難防止コントローラ40からの上述したシステム作動信号が入力されていないかどうか判断する判断手段と、この判断手段でシステム作動信号が入力されていないと判断されたとき、図示しない油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する別の流量制限手段とを含んでいる。この別の流量制限手段も、例えばエンジン回転数を所定の低回転数n1に制限する手段を含んでいる。
上述した車体コントローラ13に含まれる流量制限手段、及び別の流量制限手段で制限される所定の低流量とは、緩速度で車体に含まれる走行体を動かすことのできる程度の流量、あるいは車体に含まれる作業機を緩速度で動かすことのできる程度の流量である。すなわち、所定の低流量を、通常作業における走行体の走行時、作業機の作動時に比べてはるかに遅い速度ではあるが、車体の最低限の駆動を行ない得る速度とする流量に設定してある。この第1実施形態では、エンジン1の回転数を前述した図5に示す所定の低回転数n1に制限することにより、メインポンプ2から上述の所定の低流量に相当する流量が吐出され、この所定の低流量が図示しない油圧アクチュエータに供給されるようになっている。
[第1実施形態の動作]
以下、上述のように構成した第1実施形態の動作について説明する。
[第1処理部40aの処理操作時]
例えば、当該油圧ショベルが所定の倉庫内に収納され、作業機による作業等を実施する必要がなく、また走行体を駆動させる必要のない状況等における盗難防止に際しては、盗難防止コントローラ40の第1処理部40aにおいて処理操作され、第1盗難防止システムが作動する。
このとき、盗難防止コントローラ40から信号線41を介して盗難防止に関連する信号として、前述したようにエンジン1のスタータ1aに、このスタータ1aの駆動を阻止する信号が出力されると共に、盗難防止コントローラ40から通信回線42を介して盗難防止に関連する信号として、車体動作制限信号が出力される。
これにより、スタータ1aの駆動が阻止される。また、盗難防止コントローラ40から車体動作制限信号を入力した車体コントローラ13は、エンジンコントローラ15へのエンジン回転数信号の出力を停止させる処理を実施する。したがって、図2に示す燃料噴射ポンプ14は停止保持される。これらにより、エンジン1は駆動不能に保たれる。
また、上述した車体動作制限信号を入力した車体コントローラ13は、図2の電磁弁16を同図2に示すような上段位置に保持させる制御信号をこの電磁弁16の制御部に出力する。これにより、パイロットポンプ3のパイロット圧が、電磁弁16を介してトルク制御弁7の受圧室7cに与えられ、このトルク制御弁7のスプール7aが同図2の左方向に移動し、傾転制御アクチュエータ6の受圧室6a,6bの双方に、パイロットポンプ3のパイロット圧が与えられる。このとき、この傾転制御アクチュエータ6のスプール6cの両端面の受圧面積差により、このスプール6cが同図2の右方向に移動し、メインポンプ2の傾転角は矢印30方向に変化して最小傾転角となる。したがって、メインポンプ2からは、前述した所定の低流量に相当する最小流量の吐出が可能に保持される。但し今は、上述したようにエンジン1は駆動不能に保持されるので、エンジン1によって駆動されるメインポンプ2も駆動せず、このメインポンプ2から図示しない油圧アクチュエータに圧油が供給されることはない。
このようにして、倉庫内に収納された油圧ショベルの車体に含まれる走行体は走行不能に、また、車体に含まれる作業機は作動不能に保持され、盗難に対する牽制力が確保される。
なお、上述した第1盗難防止システムを解除させて、油圧ショベルを走行させ、あるいは作業機を作動させて所望の通常作業等を実施しようとする場合には、盗難防止コントローラ40の第1処理部40aの処理操作を解除する処理が実施される。
この解除処理により、盗難防止コントローラ40からのスタータ1aの駆動を阻止する信号の出力が停止されると共に、盗難防止コントローラ40から通信回線42を介して車体コントローラ13に前述した車体動作制限信号に代えて車体動作許可信号が出力される。この車体動作許可信号を入力した車体コントローラ13は、図1に示す通信回線42を介してエンジンコントローラ15に所定の低回転数n1に相当するエンジン回転数信号を出力する。これによりエンジンコントローラ15は、エンジン1を所定の低回転数n1で起動可能な状態に保持する。ここでスタータ1aを駆動すると、エンジンコントローラ15から図2に示す燃料噴射ポンプ14を駆動する信号が出力され、この燃料噴射ポンプ14が作動して、エンジン1は、所定の低回転数n1で起動可能となる。引き続いて車体コントローラ13は、図2に示す回転数指示器12で指示されるエンジン目標回転数に相当するエンジン回転数信号を図1に示す通信回線42を介してエンジンコントローラ15に出力する。これにより、エンジンコントローラ15から燃料噴射ポンプ14に該当する制御信号が出力され、エンジン1が回転数指示器12で指示された回転数で駆動する。
また、車体動作許可信号を入力した車体コントローラ13は、例えば図2の電磁弁16を同図2の下段位置に切り換える制御信号を出力する。これにより、トルク制御弁7の受圧室7cは電磁弁16を介してタンク4に連通する。したがって、トルク制御弁7のスプール7aは、受圧室7dに与えられるメインポンプ2の圧、すなわちポンプ吐出圧による力と、ばね7bの力とがバランスする位置に保持され、これに応じてメインポンプ2の傾転角が最小傾転角よりも大きくなるように制御される。操作装置5が操作されると、その操作量に応じて図示しない方向制御弁が切り換えられ、車体に含まれる走行体の走行、あるいは作業機の作動に必要な流量がメインポンプ2から図示しない油圧アクチュエータに供給される。すなわち、所望の通常作業等の実施が可能となる。
[第2処理部40bの処理操作時]
図6,7は車体コントローラ13における処理手順を示すフローチャートである。以下、盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおいて処理操作されて第2盗難防止システムが作動する場合の処理について、図6,7のフローチャート等に基づいて説明する。
例えば町中等の作業現場において、数時間の間この油圧ショベルを停止させる場合などにあって、当該油圧ショベルの盗難防止を実施するときには、盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおいて処理操作されて、第2盗難防止システムが作動する。
盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおいて処理操作されたときには、盗難防止コントローラ40からスタータ1aへの駆動阻止信号は出力されない。したがって、エンジン1は駆動可能な状態に保持される。また、盗難防止に関連する信号として車体動作制限信号が、この盗難防止コントローラ40から通信回線42を介して車体コントローラ13に出力される。また、車体動作制限信号と共に、例えば所定周期ごとに第2盗難防止システムが作動したことを示すシステム作動信号が出力される。
車体コントローラ13に備えられる判断手段は、車体動作許可信号が入力されたかどうか判断する(図6の手順S1)。今は、車体動作制限信号が入力されている状態であり、車体動作許可信号は入力されていないので、この判断はノーとなる。次に、この車体コントローラ13に備えられる判断手段は、車体動作制限信号が入力されたかどうか判断する(図6の手順S2)。今は、車体動作制限信号が入力されているので、この判断はイエスとなる。したがって、このときには、エンジン1の目標回転数として所定の低回転数n1が設定される(図6の手順S3)。この所定の低回転数n1は前述したように、車体の最低限の駆動を行ない得る流量を油圧アクチュエータに供給可能なエンジン1の回転数である。
次に、設定された所定の低回転数n1に相当するエンジン回転数信号が通信回線42を介してエンジンコントローラ15に出力される(図6の手順S4)。これにより、エンジン1は所定の低回転数n1での駆動が可能な状態に保持される。
仮に、このような第2盗難防止システムの作動中に、当該油圧ショベルが盗難された場合、スタータ1aを駆動し、エンジン1を起動させた状態で、図2に示す操作装置5を操作して図示しない方向制御弁を切り換えても、メインポンプ2から吐出される流量は、上述のエンジン回転数、すなわち所定の低回転数n1に相当する所定の低流量となる。また、このときのポンプトルクは、上述した図5に示す小さな値Tp1となる。したがって、車体に含まれる走行体の緩速度の走行、作業機の緩速度の作動は可能であるものの、通常速度の走行とか、掘削作業とかの通常作業等は実施することができない。
なお、上述のように第2盗難防止システムが作動している最中には、例えば所定の周期ごとに、盗難防止コントローラ50からシステム作動信号が出力される。車体コントローラ13の判断手段は、第2盗難防止システムの作動中、常時このシステム作動信号が入力されているかどうか判断する(図7の手順S6)。
ここで、盗難防止コントローラ40に故障を生じたり、あるいは盗難防止コントローラ40と車体コントローラ13とを接続する通信回線42に断線を生じたりしたときには、車体コントローラ13にシステム作動信号が入力されず、上述の判断はノーとなる。このときにも、前述した図6の手順S3,4と同様に、エンジン1の目標回転数として所定の低回転数n1が設定される(図7の手順S7)。次に、設定された所定の低回転数n1に相当するエンジン回転数信号が通信回線42を介してエンジンコントローラ15に出力される(図7の手順S8)。したがって上述のように、エンジン1は所定の低回転数n1での駆動が可能な状態に保持される。
そして、上述した第2盗難防止システムを解除させて所望の通常作業等を再開しようとする場合などにあっては、盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおける処理操作を解除する処理が実施される。
この解除処理により、盗難防止コントローラ13からのシステム作動信号の出力が停止すると共に、盗難防止コントローラ13から前述した車体動作制限信号に代えて車体動作許可信号が1度だけ出力される。したがって、車体コントローラ13の判断手段における図6の手順S1の判断はイエスとなり、直ちにエンジン1の目標回転数が所定の低回転数n1に設定され(図6の手順S3)、この所定の低回転数に相当するエンジン回転数信号がエンジンコントローラ15に出力される(図6の手順S4)。これによりエンジンコントローラ15は、エンジン1を所定の低回転数n1で起動可能な状態に保持する。ここでスタータ1aを駆動すると、図2に示す燃料噴射ポンプ14が作動して、エンジン1は、所定の低回転数n1で起動する。引き続いて車体コントローラ13の判断手段で行なわれる図6の手順S2の判断が今度はノーとなり、車体コントローラ15はエンジン1の回転数を、図2に示す回転数指示器12で指示されるエンジン目標回転数に設定し(図6の手順S5)、該当するエンジン回転数信号を図1に示すエンジンコントローラ15に出力する。これにより、エンジンコントローラ15から燃料噴射ポンプ14に制御信号が出力され、エンジン1が目標回転数指示器12で指示された回転数で駆動する。
また、車体動作許可信号を入力した車体コントローラ13は、例えば図2の電磁弁16を同図2の下段位置に切り換える制御信号を出力する。これにより、トルク制御弁7の受圧室7cは電磁弁16を介してタンク4に連通する。したがって前述したように、トルク制御弁7のスプール7aは、受圧室7dに与えられるメインポンプ2の圧、すなわちポンプ吐出圧による力と、ばね7bの力とがバランスする位置に保持され、これに応じてメインポンプ2の傾転角が大きくなるように制御される。操作装置5が操作されると、その操作量に応じて図示しない方向制御弁が切換えられ、車体に含まれる走行体の走行、あるいは作業機の作動に必要な流量がメインポンプ2から図示しない油圧アクチュエータに供給される。すなわち、所望の通常作業等の実施が可能となる。
このように構成した第1実施形態によれば、例えば作業現場に当該油圧ショベルが放置され、盗難される可能性がある状況下では、第2盗難防止システムを作動させればよく、この第2盗難防止システムの作動中には緩速度で車体を動かすことは可能となるものの、通常作業が不能となる。したがって、仮に盗難された場合でも、通常作業は実施できないことから、油圧ショベルとしての機能を失い、盗難に対する牽制力が確保される。これによって盗難防止に大きく貢献する。
また、第2盗難防止システムが働いているときに、緊急事態が生じて車体を動かす必要が生じた場合には、スタータ1aを駆動し、操作装置5を操作することにより、暗証番号を介在させることなく、メインポンプ2から図示しない油圧アクチュエータに、所定の低回転数n1に応じた所定の低流量を供給できる。これによって最低限の駆動を実現でき、優れた機能を確保できて実用性に富む。
なお、第2盗難防止システムの作動中は、盗難防止コントローラ40から例えば所定周期ごとにシステム作動信号が出力され、車体コントローラ13の判断手段は、システム作動信号が入力されているかどうか判断し、入力されていないと判断されたときには、エンジン1の目標回転数を所定の低回転数n1とする処理を行なうことから、盗難防止コントローラ40の故障や、通信回線42の断線を生じて車体コントローラ13にシステム作動信号が入力されない状況においても、上述したように図示しない油圧アクチュエータに、所定の低回転数n1に相当する所定の低流量の供給が可能となる。したがって例えば、このような第2盗難防止システムの作動中における盗難防止コントローラ40等の故障時においても、必要に応じて緩速度で車体を動かすことが可能となる。
[第2実施形態の構成]
本発明の第2実施形態は、車体コントローラ13に備えられる判断手段で車体動作制限信号が入力されていると判断されたとき、図示しない油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する流量制限手段が、メインポンプ2の吐出流量を所定の低流量に制限する手段を含んでいる。その他の構成は前述した第1実施形態と同じである。
[第2実施形態の動作]
この第2実施形態においても、盗難防止コントローラ40の第1処理部40aにおいて処理操作されたときには、第1実施形態におけるのと同じ処理操作が実施される。
図8は第2実施形態に備えられる車体コントローラ13における処理手順を示すフローチャートである。以下、盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおいて処理操作されて第2盗難防止システムが作動する場合の処理について、図8に示すフローチャート及び前述の図7に示すフローチャート等に基づいて説明する。
盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおいて処理操作されると第2盗難防止システムが作動するが、第1実施形態において説明したように、このとき、盗難防止コントローラ40からスタータ1aへ駆動阻止信号は出力されず、また、盗難防止に関連する信号として車体動作制限信号が車体コントローラ13に出力され、加えて、例えば所定周期ごとに第2盗難防止システムが作動したことを示すシステム作動信号が出力される。
車体コントローラ13に備えられる判断手段は、車体動作許可信号が入力されたかどうか判断する(図8の手順S11)。今は、車体動作制限信号が入力されている状態であり、車体動作許可信号は入力されていないので、この判断はノーとなる。次に、この車体コントローラ13に備えられる判断手段は、車体動作制限信号が入力されたかどうか判断する(図8の手順S12)。今は、車体動作制限信号が入力されているので、この判断はイエスとなる。したがって、このときにはポンプトルクを最小値すなわち前述した図5に示す所定の低回転数n1のときの小さな値Tp1に設定する処理がなされる(図8の手順S13)。この小さなポンプトルク値Tp1は、車体の最低限の駆動を行ない得るものの、通常作業は不能となるポンプトルク値である。
次に、設定されたポンプトルク値Tp1に相当する制御信号が図2に示す電磁弁16の制御部に出力され、この電磁弁16が同図2に示す上段位置に操作される(図8の手順S14)。
これによりパイロットポンプ3のパイロット圧が電磁弁16を介してトルク制御弁7の受圧室7cに導かれ、このトルク制御弁7のスプール7aは同図2の左方向に摺動する。したがって、パイロットポンプ3のパイロット圧が、傾転制御アクチュエータ6の受圧室6a,6bの双方に供給される。このとき、スプール6cの両端面の受圧面積差により、このスプール6cは同図2の右方向に移動し、メインポンプ2の傾転角は同図2の矢印30で示すように最小の傾転角となる。すなわち、メインポンプ2から車体の最低限の駆動は実施できるものの、通常作業が不能となる所定の低流量が油圧アクチュエータに供給可能な状態に保持される。
仮に、このような第2盗難防止システムの作動中に、当該油圧ショベルが盗難された場合、スタータ1aを駆動し、エンジン1を起動させた状態で、図2に示す操作装置5を操作して図示しない方向制御弁を切り換えても、メインポンプ2から吐出される流量は、上述した第1実施形態におけるのと同等の図5に示す小さなポンプトルク値Tp1に相応する所定の低流量となる。したがって、第1実施形態におけるのと同様に、本体に含まれる走行体の緩速度の走行、作業機の緩速度の作動は可能であるものの、通常作業等は実施できない。
また、この第2実施形態にあっても、第1実施形態におけるのと同様に、第2盗難防止システムの作動中に、車体コントローラ13の判断手段で常時、システム作動信号が入力されているかどうか判断され(図7の手順S6)、システム作動信号が入力されていないと判断されたときには、例えばエンジン1の目標回転数として所定の低回転数n1が設定され(図7の手順S7)、次に、設定された所定の低回転数n1に相当するエンジン回転数信号が通信回線42を介してエンジンコントローラ15に出力される(図7の手順S8)。したがって、このときエンジン1は所定の低回転数n1での駆動が可能な状態に保持される。
そして、第2盗難防止システムを解除させるために盗難防止コントローラ40の第2処理部40bの処理操作が解除されると、盗難防止コントローラ13から車体動作制限信号に代えて車体動作許可信号が1度だけ出力される。したがって、車体コントローラ13の判断手段における図8の手順S11の判断はイエスとなり、ポンプトルクが最小値Tp1に設定され(図8の手順S13)、この小さなポンプトルク値Tp1に相応する制御信号が車体コントローラ13から電磁弁16の制御部に出力される。これにより、前述したようにメインポンプ2の傾転角は、所定の低流量を吐出し得る最小の傾転角に制御される。引き続いて、車体コントローラ13の判断手段で行なわれる図8の手順S12の判断がノーとなり、ポンプトルクを回転数指示器12で指示された目標回転数に応じた演算トルクとする設定が行なわれ(図8の手順S15)、その演算トルクに相当する制御信号が、図2に示す電磁弁16の制御部に出力される。これにより、電磁弁16は下段位置方向に切り換えられ、トルク制御弁7の受圧室7cがタンク4に連通する傾向となり、傾転制御アクチュエータ6のスプール6cが同図2の左方向に摺動する傾向となり、メインポンプ2の傾転角が最小傾転角に比べて大きくなるように制御される。したがって、所望の通常作業等の実施が可能な状態となる。
このように構成した第2実施形態も、第2盗難防止システムの作動中は、緩速度で車体を動かすことが可能となるものの、通常作業が不能となり、また、必要時には暗証番号を介在させることなく車体の最低限の駆動が可能となり、上述した第1実施形態におけるのと同等の効果が得られる。
[第3実施形態の構成]
本発明の第3実施形態は、車体コントローラ13に備えられる判断手段で車体動作制限信号が入力されていると判断されたとき、図示しない油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する流量制限手段が、第1実施形態に備えられるエンジン回転数を所定の低回転数n1に制限する手段と、第2実施形態に備えられるメインポンプ2の吐出流量を所定の低流量に制限する手段とを含んでいる。その他の構成は前述した第1実施形態と同じである。
[第3実施形態の動作]
この第3実施形態における処理操作は上述の第1実施形態、第2実施形態における処理操作を複合させたものである。したがって、この第3実施形態においても、盗難防止コントローラ40の第1処理部40aが操作されているときには、第1実施形態におけるのと同じ処理操作が実施される。
図9は、第3実施形態に備えられる車体コントローラ13における処理手順を示すフローチャートである。以下、盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおいて処理操作されて第2盗難防止システムが作動する場合の処理について、図9に示すフローチャート等に基づいて説明する。
盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおいて処理操作されると第2盗難防止システムが作動するが、このとき、盗難防止コントローラ40からスタータ1aへ駆動阻止信号が出力されず、また盗難防止に関連する信号として車体動作制限信号が車体コントローラ13に出力され、加えて、例えば所定周期ごとに第2盗難防止システムが作動したことを示すシステム作動信号が出力される。
車体コントローラ13に備えられる判断手段は、車体動作許可信号が入力されたかどうか判断する(図9の手順S21)。今は、車体動作制限信号が入力されている状態であり、車体動作許可信号は入力されていないので、この判断はノーとなる。次に、この車体コントローラ13に備えられる判断手段は、車体動作制限信号が入力されたかどうか判断する(図9の手順S22)。今は、車体動作制限信号が入力されているので、この判断はイエスとなる。したがって、このときには、エンジン1の目標回転数を所定の低回転数n1に設定する(図9の手順S23)と共に、ポンプトルクを小さな値Tp1に設定する処理がなされる(図9の手順S24)。
次に、設定された所定の低回転数n1に相当するエンジン回転数信号がエンジンコントローラ15に出力される(図9の手順S25)と共に、ポンプトルク値Tp1に相当する制御信号が電磁弁16の制御部に出力される(図9の手順S26)。
これらの制御により前述したように、エンジン1は所定の低回転数n1での駆動が可能な状態に保持され、メインポンプ2は所定の低流量に吐出可能に保持される。すなわち、操作装置5の操作に伴って図示しない方向制御弁が切り換えられた際に、図示しない油圧アクチュエータに所定の低流量の供給が可能となる。
また、第2盗難防止システムを解除させるために、盗難防止コントローラ40の第2処理部40bにおける処理操作が解除されると、盗難防止コントローラ13から車体動作制限信号に代えて車体動作許可信号が1度だけ出力される。したがって、車体コントローラ13の判断手段における図9の手順S21の判断はイエスとなり、エンジン1の回転数が所定の低回転数n1に設定される(図9の手順S23)と共に、ポンプトルクが小さな値Tp1に設定される(図9の手順S24)。
次に、上述したように、所定の低回転数n1に相当するエンジン回転数信号がエンジンコントローラ15に出力される(図9の手順S25)と共に、ポンプトルク値Tp1に相当する制御信号が電磁弁16の制御部に出力される(図9の手順S26)。これらの制御により、エンジン1は所定の低回転数n1での駆動が可能な状態に保持され、メインポンプ2は所定の低流量を吐出可能に保持される。
引き続いて車体コントローラ13の判断手段で行なわれる図9の手順S22の判断がノーとなり、車体コントローラ13はエンジン1の回転数を、図2に示す回転数指示器12で指示されるエンジン目標回転数に設定し(図9の手順S27)、また、ポンプトルクを回転数指示器12で指示された目標回転数に応じた演算トルクとする処理がなされる(図9の手順S28)。これらの目標回転数、演算トルクに相応するエンジン回転数信号、制御信号がエンジンコントローラ15、電磁弁16のそれぞれに出力される(図9の手順S25、S26)。
これらにより、エンジン1が回転数指示器12で指示された回転数で駆動可能になり、メインポンプ2の傾転角が大きくなるように制御される。したがって、所望の通常作業等の実施が可能な状態となる。
このように構成した第3実施形態も、第2盗難防止システムの作動中は通常作業が不能となり、また必要時には、暗証番号を介在させることなく車体の最低限の駆動が可能となり、上述した第1,第2実施形態におけるのと同等の効果が得られる。
本発明に係る建設機械の盗難防止装置の第1実施形態を示す構成図である。 本発明が備えられる建設機械に装備されるポンプトルク制御装置を示す油圧回路図である。 本発明が備えられる建設機械が保有する基本特性のうちのポンプ吐出圧−押し除け容積特性(PQ特性に対応)、及びポンプ吐出圧−ポンプトルク特性を示す図である。 本発明が備えられる建設機械が保有する基本特性のうちのPQ線移動特性を示す図である。 本発明が備えられる建設機械が保有する基本特性のうちのエンジン目標回転数−トルク特性を示す図である。 本発明の第1実施形態に備えられる車体コントローラにおける処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に備えられる車体コントローラにおける処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に備えられる車体コントローラにおける処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に備えられる車体コントローラにおける処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
1a スタータ
2 メインポンプ
2A レギュレータ
3 パイロットポンプ
4 タンク
5 操作装置
6 傾転制御アクチュエータ
6a 受圧室
6b 受圧室
6c スプール
7 トルク制御弁
7a スプール
7b ばね
7c 受圧室
7d 受圧室
12 回転数指示器
13 車体コントローラ
15 エンジンコントローラ
16 電磁弁
16a ばね
23 PQ線図
24 PQ線図
25 エンジン最大トルク線図
26 最大ポンプトルク線図
TP1 小さな値
TP2 最大値
n1 所定の低回転数
n2 定格回転数
40 盗難防止コントローラ
40a 第1処理部
40b 第2処理部
41 信号線
42 通信回線(通信手段)

Claims (3)

  1. 走行体及び作業機を含む車体と、エンジンと、このエンジンのスタータと、上記エンジンによって駆動するポンプと、このポンプから吐出される圧油によって作動し、上記車体を駆動する油圧アクチュエータと、上記エンジンの回転数、及び上記油圧アクチュエータへの供給流量を制御する車体コントローラとを有する建設機械に備えられ、
    盗難防止に関連する信号を出力する盗難防止コントローラと、この盗難防止コントローラと上記スタータとを接続する信号線と、上記盗難防止コントローラと上記車体コントローラとを接続する通信手段とを有する建設機械の盗難防止装置において、
    上記盗難防止コントローラは、第1盗難防止システムを作動させる第1処理部と、第2盗難防止システムを作動させる第2処理部とを備えるとともに、上記第1盗難防止システムが作動したときには、盗難防止に関連する信号として上記信号線を介して上記スタータに出力される上記スタータの駆動を阻止する信号と、上記通信手段を介して上記車体コントローラに出力される車体動作制限信号とを出力し、上記第2盗難防止システムが作動するときには、上記通信手段を介して上記車体コントローラに出力される車体動作制限信号と、上記通信手段を介して上記車体コントローラに出力される上記第2盗難防止システムが作動していることを示すシステム作動信号とを出力する手段を有し、
    上記車体コントローラ、上記盗難防止コントローラからの上記車体動作制限信号が入力されているかどうか判断する判断手段と、この判断手段で上記車体動作制限信号が入力されていると判断されたとき、上記油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する流量制限手段と、上記第2盗難防止システムの作動時に上記システム作動信号が入力されていないかどうかを判断する判断手段と、この判断手段で上記システム作動信号が入力されていないと判断されたとき、上記油圧アクチュエータへの供給流量を所定の低流量に制限する別の流量制限手段とを含むことを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
  2. 上記請求項1記載の発明において、
    上記流量制限手段が、エンジン回転数を所定の低回転数に制限する手段を含むことを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
  3. 上記請求項1または2記載の発明において、
    上記流量制限手段が、上記ポンプの吐出流量を所定の低流量に制限する手段を含むことを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
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