JP4184444B2 - 耐熱衝撃性チタニウム基炭窒化物及びそれを製造するための焼結方法 - Google Patents

耐熱衝撃性チタニウム基炭窒化物及びそれを製造するための焼結方法 Download PDF

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Description

本発明は、主成分としてチタニウムを有する炭窒化物合金の液相焼結物体に関し、改良された性質を備えさらに具体的には高い耐熱衝撃性を必要とする切削作業において切削工具材料として使用する。これらの改良された性質は、この表面に比較して物体内部において液相の融点を低くするための特別な方法でこの材料を処理することによって達成される。この方法において、多孔性と残留酸素含有量とが最小限なり、さらにバインダー層の勾配が表面領域内に有利な残留圧縮応力をもたらすことが可能である。
チタニウム基炭窒化物合金は、サーメットと呼ばれ、金属切削工業界においてはインサート材料として今日十分に確立されていて、特に仕上げ加工用として使用されている。これらは金属バインダー相で取り囲まれた炭窒化物硬質構成物からなる。硬質構成物粒は、別の組成の縁で取り囲まれた芯を有する一般的に複雑な組織である。
チタニウムに加え、VIa族元素、主にモリブデンとタングステンの双方、時にはクロムを、バインダー相と硬質構成材との濡れ性を促進するために、且つ固溶体効果によってバインダー相を強化するために添加する。また、IVa族元素及び/またはVa族元素すなわちZr、Hf、V、Nb及びTaを、今日入手可能な全ての市販合金に添加する。これらの全ての添加元素は、一般的に炭化物、窒化物及び/または炭窒化物として添加される。硬質構成材の粒径は一般的に<2μmである。一般的にバインダー相は、主にコバルト及びニッケルとの双方の固溶体である。バインダー相の量は一般的に3〜25wt%である。時には、その上に他の元素例えばアルミニウムが添加され、このアルミニウムはバインダー相を硬化させるため、及び硬質構成材とバインダー相との間の濡れ性を改善させるためと言われる。
20年以上の猛烈な世界中の開発努力にもかかわらず、かなり狭いサーメット適用範囲を拡大することは不可能であった。未だに仕上げ加工するために限られ、または通常の耐摩耗性と靭性を必要とするほとんどの半仕上げ加工作業に限定される。米国特許第49850,070号は、高強度サーメットを製造する方法を開示する。これは次第に増加させた窒素分圧中でこの材料を焼結することによって達成され、脱窒が抑えられ且つ良好な最終窒素含有量の制御が達成される。極端に窒素含有量の高い特に従来の焼結の際には、改良された方法制御を達成することが有効である。あいにく、材料中の種々の部分において種々の融点が生じるためその可能性は抑制されるが、この方法が本発明で利用した。
WO96/22403及びWO97/04143によって、限定されたサーメットの耐摩耗性は克服され、さらに改良した工程はより強靱な材料にする。これは、原材料の組成を最適化すること及び、靭性を増加させる被膜に残留圧縮応力を発生させるために適切なサーメット合金にCVD被膜を塗布することによって達成される。双方の場合において、従来の焼結技術が使用される。しかしながら、さらに靭性を改良し特に耐熱衝撃を改良する工程は、多くの靭性を要求する用途においては、CVDで被膜したWC−Co基合金と競合させることが必要である。そうする場合には、新規の処理方法を見つけることが恐らく最も必要とされる。化学組成及び原材料組成の主に連続的な最適化が、所望の硬化を備えるとは考えられない。
本発明は、最小の多孔性と酸素含有量と、表面領域における残留圧縮応力と、特にこの双方によってもたらされる改良された耐熱衝撃性とを備える焼結チタニウム基炭窒化物合金、及びこのような合金を製造する方法を提供することを目的とする。
図1は、本発明のインサートの一面を通るCo、N、W及びCのEPMA(電子マイクロプローブ分析装置)による線走査分析を示す。
図2は、さらに本発明のインサートの一面を通るCo、N、W及びCのEPMA(電子マイクロプローブ分析装置)による線走査分析を示す。
図3は、比較例のインサートの一面を通るCo、N、W及びCのEPMA(電子マイクロプローブ分析装置)による線走査分析を示す。
焼結したチタニウム基炭窒化物合金は、2〜15原子%、好ましくは2〜6原子%のタングステン及び/またはモリブデンを含有する。チタニウムは別にして、この合金は、0〜15原子%のIVa族の元素及び/またはVa族の元素、好ましくは0〜5原子%のタンタル及び/またはニオブを含有する。バインダー相形成元素としては、5〜25原子%、好ましくは9〜16原子%のコバルトが添加される。この合金は、10〜60原子%、好ましくは25〜51原子%の範囲のN/(C+N)比を有する。この合金は、不可避的不純物を別にして、ニッケル及び/または鉄を含有する必要がある。これらのバインダー相形成元素を含有する場合は、この新規の方法は従来のものに戻ってしまい、所望の顕微鏡組織を得ることはできない。C、N、Ti、W、Ta及びCoを別にして、最も好ましい添加元素はない。
比較的低い耐塑性変形を必要とし、靭性が要求される適用に対して有効な好ましい第1の実施態様において、その組成は、3〜5原子%のW、10.5〜14原子%のCo、25〜50%のN/(C+N)、残部Tiである。
比較的高い耐塑性変形を必要とする適用に対して有効な好ましい第2の実施態様において、その組成は、3〜5原子%のW、6〜14原子%好ましくは10.5〜14原子%のCo、25〜50%のN/(C+N)、1〜4原子%のTa、残部Tiである。
特に高い耐熱衝撃性を必要とする適用に対して有効な好ましい第3の実施態様において、その組成は、中心部に比較してその表面で75〜90%のCoである。
第4の実施態様において、その組成は、中心部に比較してその表面で95〜99%のCoである。これが、例えば研削を必要とする特別なインサート形状に対して有効であるように、コバルトの勾配自体でなくて溶融する方向を逆向きにすることのプラス効果を利用できる。
この顕微鏡組織は、中心部から表面に対して外向きに溶融した合金を特徴とし、多孔性の抑制により収縮は中心に向かって開始し、外側に向かって伝播する。多孔性及び残留酸素含有量を最少にし、多孔性等級A02またはそれ以下、そして酸素含有量を0.8以下好ましくは0.5原子%以下の最小限にし、巨視的にまた実質的に放物線状のコバルト勾配が、通常の統計的なばらつきを別にして、合金の中心部から表面に向かってコバルト含有量が単調に減少して存在する。表面下0〜9μmの範囲で測定される平均コバルト含有量は、合金の中心部におけるコバルト含有量の50〜99%好ましくは75〜99%最も好ましくは75〜97.5%である。この勾配が、硬質相スケルトンに中心部から表面に向かって単調に増加する残留圧縮応力をもたらす。この合金は、好ましくはWO97/04143に記載される技術を用いて、少なくとも1種の耐摩耗性被膜で被膜することができる。この合金は優れた熱衝撃性を備え、切削工具材料として適切である。
本発明の別の実施態様においては、焼結炭窒化物合金の製造方法を提供する。炭化物、炭窒化物及び/または窒化物の粉末があらかじめ決められた組成にコバルトと混合され、所望形状のグリーン物体に加圧成形される。このグリーン物体は、真空中または制御されたガス雰囲気中で、組成に依存する1370〜1500℃の温度で、液相焼結される。最大温度に到達する以前の、一連の焼結の加熱工程においては、脱酸と脱窒との工程がその合金に優れた性質を与えることを含む。この工程によって、液相バインダーがまず合金の中心部に核生成をする。溶融する前部が、その後表面に向かって外側に伝播する。普通の液相を焼結する際には、溶融が表面で開始し、中心部に対して内側に向かって伝播する。溶融する方向を逆にすることは、二つの望ましい効果がある。残留ガスのいずれもが、多孔性が封じられるときに閉じ込められる代わりに、グリーン物体から押し出される。この方法においては、焼結合金の残留多孔性が最小限になり、より高い強度をもたらす。第2に、溶融する前部が合金を貫通して移動するとき、溶融バインダーの毛管力が上記の巨視的なコバルト勾配を生成する。この勾配は、焼結工程の残部によって安定し、その大きさは正確に制御することが可能である。
約900℃以上の温度で、個々のTi含有硬質相粒の表面の脱酸が生じるので、これらの表面から発生する酸素が一酸化炭素ガス(CO)の形でグリーン物体から放出される。この方法において、炭素は同一面から主に除去され、すなわち、表面の化学量論を減少させる。約1250℃以上の温度での個々の窒素含有硬質相粒の表面の脱窒が生じるので、これらの表面から発生する窒素が窒素ガス(N2)の形でグリーン物体から放出される。また、脱窒が表面の化学量論を減少させる。これらの二つの工程の相対的な効果が、この面のC/N比を決める。この表面の酸素と窒素との含有量は、表面外部のそれぞれCOとN2の温度と分圧で決められる。温度を上昇させるか、または分圧を減少することによって、表面のO含有量及びN含有量が減少する。
上記の組成の対して、表面と比較してグリーン物体の中心部に実質的にさらに低い融点を得るためには、上記の脱酸工程と脱窒工程とを利用できるという全く驚くべきことが判明した。このことは、900℃から液状バインダーが材料全体に形成するまで(組成に依存して通常は1350℃〜1430℃の範囲)の温度範囲の炉内において、温度傾斜とCOとN2の分圧との適切な組み合わせによって達成される。この理由は、開口された多孔性グリーン物体を貫通するガス伝達が、既に教示されているものよりもかなりゆっくりとした処理工程であることがわかった。このために、中心部で最も高い圧力で表面で最も低い圧力に、グリーン物体の至る所を意味のあるCO−及び/またはN2の圧力勾配に維持することが可能である。これらの勾配の大きさは、グリーン物体内部のガス形成速度、ガス伝達が生じて貫通する平均孔径、及びグリーン物体表面の分圧によって制御される。ガス形成速度は、合金中のC/N比率、原材料の化学量論及び原材料粒子の表面酸化割合に依存する。これらの一定因子を保持することにより、ガス形成速度が、温度傾斜の勾配によって制御することができる。より急激な傾斜がより速いガス形成速度をもたらす。平均孔径は、粒径の増加及びグリーン物体を加圧するときの加圧圧力の減少とともに増加する。グリーン物体表面のCO−及びN2ガスの分圧は、真空ポンプ容量または、静止ガスまたは流れるガスのいずれかの制御された炉雰囲気を用いることによって、制御される。静止ガスはグリーン物体自身から発生するかまたは外部の供給源から添加してもよい。
グリーン物体表面から所定の深さに位置する硬質相粒が、表面化学量論及び/または表面C/N比を与え、この表面C/N比はその深さの開口された多孔質のCOとN2との圧力によって決められる。増加した化学両論及び/またはC/N比率が融点を増加することをもたらす。すなわち、最も低い融点は、COとN2との圧力が最も高いグリーン物体の中心部で達成され得る。グリーン物体表面と中心部との間の融点の大きな相違が大きなコバルト勾配をもたらす。グリーン物体全体の圧力勾配を支配するこの因子、すなわち達成される融点の相違が、密接に関係するので、適切な条件の組み合わせは実験的に決定することができる。しかしながら、1300℃と、充分に溶融したバインダーが存在する温度(通常約1400℃)との間の最も典型的な温度範囲において、この温度上昇は0.5〜15℃/分の範囲にする必要があるが、例えば、グリーン物体から発生する過剰なガスをポンプで排気するときは任意の温度状態で中断することが可能である。同一温度範囲において、CO−及びN2ガスの分圧は、20ミリバール以下、好ましくは15ミリバール以下のCO、最も好ましくは5ミリバール以下のN2を保持する必要があり、圧力勾配を逆転せずに表面に溶融処理を起こさせる(実質的に内側に伝搬しない薄い溶融表面領域が満足できる。このような領域は照射加熱によって達成可能であり、孔の封鎖をもたらし並びに充分に薄くなる。)。
この工程は焼結雰囲気の反応ガスによって制御可能であるので、この雰囲気を不活性にした面にグリーン物体を配置することは明らかな利点である。このよい例は、WO97/40203に記載するようにイットリアで被覆したトレーである。グリーン物体に対してジルコニアまたはグラファイトを使用することは、ある場合には、インサートの上面から低部に向かって非対称のコバルト勾配をもたらす。これは、この機能がインサートの種々の切れ刃において変化するので不満足である。
実施例1
40.7%のTi、3.6%のW、30.4%のC、13.9%のN及び11.4%のCo(原子%)の化学組成の粉末混合物がTi(C、N)、WC及びCo原材料粉末から製造された。Ti(C、N)とWCとの平均粒子径は、1.4μmであった。この粉末混合物は湿式粉砕して乾燥し、そしてインサート形式CNMG120408−PMのグリーン物体に130MPaの加圧成形圧力で圧縮された。このグリーン物体は、H2中で350℃以下の温度で脱蝋をした。その後、炉は排気され、吸入排気が350〜1430℃の温度範囲を間を通して維持された。350〜1200℃の間温度勾配は10℃/分であった。その後、温度は1200℃で30分間保持され、インサートから排出される過剰ガスを排気した。その後、1200〜1430℃の範囲は、4℃/分の温度勾配であった。CO分圧とN2分圧との合計は、開いた多孔が閉じられるとき(すなわち、溶融前部が表面に到達したとき)の1300から1430℃までは、ほぼ一定の0.01ミリバールであり、圧力はいくぶん減少しった。インサートは1430℃で90分間10ミリバールのAr雰囲気中で液相焼結された。
インサートの研磨された横断面は標準冶金的技術によって準備され、光学顕微鏡及び電子マイクロプローブ分析(EMPA)を使用して特徴づけられた。光学顕微鏡は、インサートが残留する孔がないことを示した(多孔性等級A00)。図1は、インサートの一方の側面から材料の内部を通って反対側の面までの範囲の、Co、N及びCのEMPAの線走査分析を示す。明らかに、コバルト含有量は中心部から表面に向かって単調に減少し、一方他の元素の濃度はインサートを横断してほぼ一定である。表面でのコバルト含有量は中心部の含有量の約87%である。
実施例2
第2の実施態様において、真空ポンプの弁が1300〜1430℃の温度範囲で閉じていたのを除き、インサートは実施例1で記載するのと同一の方法で製造された。この範囲での温度の上昇は3℃/分より低かった。CO分圧とN2分圧との合計は、1300℃の約0.01ミリバールから1360℃の約6ミリバールまでリニヤーに上昇し、開いている多孔が閉じられたとき、圧力の上昇が停止した。図2は、実施例1と同様の個々の条件のもとで得られたこの材料のEMPAの線走査分析を示す。再び、コバルト含有量は中心部から表面に向かって単調に減少し、一方他の元素の濃度はインサートを横断してほぼ一定である。表面でのコバルト含有量は中心部の含有量の約95%である。ゆっくりした温度勾配と、炉内のCOガスとN2ガスとのさらに高い分圧は、コバルト勾配の大きさをかなり減少させた。光学顕微鏡は、インサートが残留する孔が無いことを示した(多孔性等級A00)。
実施例3
第3の実施態様においては、3種類の別の工程において焼結サイクルが1200℃、1350℃及び1400℃のそれぞれで30分の停滞期間を停止させたのを除き、実施例1に記載するような同一の方法で、形状寸法SNUN120408のインサートが製造された。炉は冷却することが可能であり、種々の工程のインサートが調査された。このインサートの形状の特徴は、未焼結及び完全焼結したインサートの双方の六つの側面全てが平坦であることである。この3つの中断工程から得たインサートの調査は、未焼結のグリーン物体の寸法に比較して、1200℃のインサートが約5%一次的に収縮したことを示した。全ての側面は全く平坦であった。この収縮量は、固体状態の焼結工程すなわち液相が形成される以前に生じる工程で達成されことが予想される。1350℃では、インサートは11%収縮した。6面全てに目視し得る凹みがあり、液状形成がインサートの中心部から開始したことによる収縮の明確な証拠である。1400℃では、インサートは十分に焼結された寸法にほぼ到達した(グリーン物体に比較して18%の一次的な収縮)。溶融前部がインサートの最も外側の縁にまだ到達していないことを示す著しい凹みが全ての側面にあった。反対方向へと溶融したインサートに対しては、その側面には、平坦かまたは、収縮の際に起こりうる凸面が、存在することが予想される。
実施例4
第4の実施態様において、温度領域1300〜1430℃においては、10%のN2と90%のCOとの混合ガスが炉内に流されたのを除き、実施例2に記載されると同一の方法でインサートが製造された。同時に、実施例1で達成された圧力増加を模擬するために、吸入排気容量が調整された。材料のEMPA線走査分析は、実施例2において得られたような同一のCo輪郭を示した。これは、実験がこのように実施された場合全ての残圧が非常に低い分圧であるので、組織構造を決定するのはN2とCOとの分圧であることの明らかな証拠である。
実施例5(比較例)
第5の実施態様において、実施例4に比較してさらに早い圧力増加を達成するために、温度領域1300〜1430℃において吸入排気容量が調整されたのを除き、実施例4に記載されると同一の方法でインサートが製造された。圧力は、1430℃で20mbまで増加することが可能である。材料のEMPA線走査分析は、Co輪郭が全く存在しないことを示した。光学顕微鏡は、著しい多孔性(A06)とともに大きな孔領域を示し、一方この表面域は実質的に孔無し(A00)であった。さらに、この材料は、さらに高い炭素含有量を示す実施例4の材料と比較して、約15%の飽和磁気の増加を示した。化学分析は、炭素と酸素の双方の含有量が実施例4と比較してこの材料に対しては約0.2wt%高かったことを示した。得られた結果は、多孔性が表面で封じられ、そして(支配的な)COガスが材料内に閉じ込められることを示す強い証拠である。
実施例6(比較例)
参考として、CNMG120408−PMインサートが、実施例1と同一の焼結方法を用いて、(原子%で)8.3のCo、4.25のNi、43.8のTi、2.5のTa、0.8のNb、4.2のW、2のMo、26.6のC及び16.6のNからなる粉末混合物から製造された。これらのインサートは、化学蒸着装置(PVD)を使用して約4μmの厚みのTi(C、N)層と、1μm未満の厚みのTiN層で被膜された。これは、旋削加工に対してP25範囲の十分に確立されたPVD被膜したサーメット等級であり、特に良好な靭性を特徴とする。
図3は、実施例1と同一の条件で得られたこの材料のEMPAの線走査分析を示す。実施例1で使用した組成に対して大きな勾配を与えた焼結工程にもかかわらず、この材料はCo勾配を持たなかった。これは、この材料に使用された大量のニッケルが理由である。光学顕微鏡は、この材料が通常の残留多孔性(多孔性クラスA02)を持つことを示した。
実施例7
実施例1の材料の靭性を調べるために、インサートは、実施例4と同じ方法を用いたPVD被膜(インサートA)と、10μmのTi(C、N)と5μmのAl23とからなる厚い被膜を用いたCVD被膜(インサートB)とであった。薄いPVD被膜は、インサートの靭性に対して単に不十分な効果を備えることが予想でき、一方CVD被膜は、その厚みのために、劇的に靭性を減少させることを予想できる。インサートの耐熱衝撃性は、加工材料としてSS2511鋼の丸棒を使用し、切削油で面加工作業で試験した。実施例4のインサートは、参考(インサートC)として使用した。熱サイクルは、各個々の切削加工の間で切れ刃を切削油が冷却することが可能である連続した9回の分断切削のような、各面加工パスを実行することによって達成された。工具寿命基準は、刃の破壊または30回の全部のパスである。工具寿命に到達するまでに必要なパス回数は、個々の刃先で測定され、変数(variant)当たり三つの刃で試験した。速度は400m/minで、送りは0.35mm/回転で、そして切削深さは2mmであった。結果を以下の表1に示す。
Figure 0004184444
個々の被膜を備えたインサートA及びBの結果を比較することによって、耐熱衝撃性は本発明によって劇的に改良されることは明らかである。薄くて脆い被膜であっても、インサートBは、熱サイクルによる破壊がかなり遅延した。

Claims (4)

  1. コバルトバインダー相に囲まれ、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo及びWの少なくとも1種を基とした硬質構成材を含有する焼結チタニウム基炭窒化合金の切削工具インサートを液相焼結する製造方法であって、
    前記インサートは巨視的なコバルト勾配を有し、コバルト勾配のコバルト含有量が、通常の統計的なばらつきを別にして、合金の中心部から表面に向かって単調に減少し、且つ表面下0〜9μmの範囲のコバルト含有量が、中心部におけるコバルト含有量の50〜99%であるために、
    液相バインダー相が先ず前記切削工具インサートの中心部に形成され、その後溶融する前部が表面に向かって外側方向に伝搬するそのような条件のもとで、焼結が実行さること、
    1300℃から全てのコバルトが溶融するまでの温度範囲において、温度勾配を、任意の温度停滞期間を別にして、0.5〜15℃/分の範囲にすること、及び
    中心部で最も高い圧力で且つ表面で最も低い圧力に、前記切削工具インサートの至る所を意味あるCOとN2の圧力勾配に維持すること、
    を特徴とするチタニウム基炭窒化物合金の切削工具インサートを液相焼結する製造方法。
  2. 1300℃から全てのコバルトが溶融するまでの温度範囲において、炉中のCOとN2との分圧の合計が、20ミリバール以下に保持することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 不可避的不純物は別にしてチタニウムに加えて、2〜15原子%のタングステン及びモリブデンを少なくとも1種、
    チタニウム、タングステン及びモリブデンは別にして0〜15原子%のIVa族及びVa族の少なくとも1種の元素、及び
    10〜60原子%の範囲にある平均N/(C+N)比とともに、5〜25原子%のコバルト、
    を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記切削工具インサートがイットリア表面の上で焼結されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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