JP4184010B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力される画像全体および各画素に関する特徴量を算出して、画像における網点領域の種別を判定する画像処理方法、この方法を実行させるためのプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体ならびに画像処理装置およびこれを備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の画像形成装置では、蓄積電荷結合素子(Charge Coupled Device:略称CCD)を用いたイメージセンサによって、原稿の全体画像を読取り、画像形成時に、原稿の再現性が向上するように各種の処理をする構成になっている。原稿の再現性の向上を図るための処理として、原稿の全体画像を表す画像信号に基づいて、全体画像における複数の画素を含む画像領域が、複数の画像領域のいずれであるかを識別し、その識別結果に基づいて、画素毎に適切に処理される。
【0003】
複数の画像領域を識別する従来技術の一例として、パターンマッチングを用いる従来技術(たとえば非特許文献1参照。)と、特徴量を用いる従来技術(たとえば特許文献1〜5参照。)とが挙げられる。パターンマッチングを用いる従来技術では、予め定めるパターンを数多く用意しておき、そのパターンを用いて、入力される画像から文字領域、網点領域および写真領域が識別される。
【0004】
特徴量を用いる従来技術の具体例として、第1〜第5の従来技術が挙げられる。
【0005】
第1の従来技術では、複数の画素を有する局所画素ブロックに対して画像領域の識別処理がそれぞれ行われる(特許文献1参照)。局所画素ブロックに関して、隣接する2つの画素の画素値が変化する回数を、2つの画素の画素値が主走査方向に連続する場合と、副走査方向に連続する場合とで個別に求めて、変化回数の総和をそれぞれ求める。主走査方向および副走査方向に関して求められる変化回数の総和が、予め定める値とそれぞれ比較され、それらの比較結果によって画像領域を識別する。
【0006】
第2の従来技術では、複数の画素を有する局所画素ブロックに対して画像領域の識別処理が行われる(特許文献2参照)。局所画素ブロック内の複数の画素に関して、各画素の画素値のうち最大値および最小値を求め、最大値と最小値との差を算出する。算出された差の値が、予め定める設定値と比較される。差の値が設定値よりも小さい場合、局所画素ブロックは、所定の走査方向に向かうにつれて、画素の画素値が穏やかに変化する部分であると判定される。差の値が設定値よりも大きい場合、局所画素ブロックは、所定の走査方向に向かうにつれて、画素の画素値が激しく変化する文字部分、写真部分の輪郭および網点写真部分を含む部分であると判定される。さらに局所画素ブロックにおいて、主走査方向および副走査方向の予め定める順序に従って、隣接する2つの画素の画素値が変化する回数をそれぞれ求める。前述の変化回数と予め定める値とを比較して、変化回数が予め定める値よりも大きい場合、局所画素ブロックは、網点部分を含む網点領域であると判定され、変化回数が予め定める値よりも小さい場合、局所画素ブロックは、網点領域でないと判定される。その判定結果に基づいて、局所画素ブロック内の画素に対して、各種の処理が行われる。
【0007】
第3の従来技術では、主走査方向における2つの水平極点間の画素数と、副走査方向における2つの垂直極点間の画素数とをそれぞれ計数し、それらの計数結果を特徴量として用いて、網点領域に属する網点画素を抽出する(特許文献3参照)。デジタル多値データを入力として、主走査方向に関して、濃度値が極大となる極大点および濃度値が極小となる極小点のいずれか一方を水平極点として、2つの水平極点間の画素数を計数する。副走査方向に関しても同様にして、濃度値が極大となる極大点および濃度値が極小となる極小点のいずれか一方を垂直極点として、2つの垂直極点を検出して、2つの垂直極点間の画素数を計数する。水平極点間の画素数が所定の範囲内にある場合、この水平極点間にある画素に関して、垂直極点間の画素数が所定の範囲内にある画素だけが網点画素として抽出される。
【0008】
第4の従来技術では、画素および局所画素ブロック単位の画像識別ではなく、入力される画像全体、すなわち原稿の種別を、特徴量を用いて識別する(特許文献4参照)。網点を表す画素の頻度と、文字を表す画素と網点を表す画素とが混在し、網点が背景となる網点上文字画素の頻度を特徴量として用いて、原稿が色地上文字を多く含むか否かを判定する。
【0009】
第5の従来技術では、入力される画像から画素の特徴を用いて画像領域を抽出し、抽出された領域の属性を識別するとともに、属性毎の領域の分布に基づいて、入力される画像の種類を識別する(特許文献5参照)。
【0010】
【特許文献1】
特公平6−66884号公報
【特許文献2】
特開昭62−147860号公報
【特許文献3】
特開平6−178097号公報
【特許文献4】
特開2000−151997号公報
【特許文献5】
特開2000−295468号公報
【非特許文献1】
南日俊彦、「文字・写真・網点印刷の混在する画像の2値化処理方法」平成元年度画像電子学会全国大会予稿、P91−94
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述の各従来技術では、特徴量の不適合、すなわち特徴量が各画像領域の特性を充分に表していないので、各画像領域を精度よく識別できず、入力される画像の各画素が、いずれの画像領域に属するかを識別することができない。特に網点上文字領域に関しては、文字を表す画素が、網点領域に属する画素であると識別されるので、網点領域に対する最適な処理、たとえばモアレ低減のための平滑化フィルタ処理が行われる。これによって文字領域の再現性を著しく損なう処理が行われるので、網点上文字領域の再現性が低下して、画質劣化した画像が形成される。
【0012】
本発明の目的は、入力される画像の種別、具体的には網点領域の画像の種別を判定し、その種別に応じて適切に処理する画像処理方法、この方法を実行させるためのプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体ならびに画像処理装置およびこれを備える画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力される画像の各画素が網点領域に属するかを識別する網点領域識別手段と、
前記網点領域識別手段で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、画像における網点領域の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
特徴量算出手段で算出される特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別を判定する網点画像種別判定手段とを含み、
前記特徴量算出手段は、濃度分布における最大度数の濃度区分およびその付近の濃度区分の合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量を算出することを特徴とする画像処理装置である。
【0014】
本発明に従えば、入力される画像の各画素が網点領域に属するかが網点領域識別手段で識別される。網点領域は、複数種類の形態の画像の領域を含んでおり、網点と文字とが混在する網点上文字領域と、文字のない単なる網点だけから成る網点写真領域とを含む。複数種類の形態の画像の領域を含む網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合、たとえば網点上文字領域は、文字の画質が劣化する不具合が生じる。このような不具合を防止して、画像における網点領域の種別に応じた処理ができるように、画像における網点領域を、細かく種別しなければならない。網点領域識別手段で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、画像における網点領域の特徴を表す特徴量が特徴量算出手段で算出され、その特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別が網点画像種別判定手段で判定される。濃度分布は、網点領域の種類によって異なるので、濃度分布情報を用いて、網点領域の複数種類の形態の画像の領域毎に、適した特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
また、濃度分布における最大度数およびその濃度区分付近の度数を合せた合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量が算出される。前記合計度数が全体度数に占める割合は、網点上文字領域と網点写真領域とでは、明確に異なる。したがって前記合計度数の占める割合を用いて網点領域の特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
【0015】
また本発明は、入力される画像を、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離する領域分離処理部と、入力される画像を、領域の種別に応じた空間フィルタ処理する空間フィルタ処理部とによって、入力される画像を予め定める画像に変換処理する画像処理手段と、
網点画像種別判定手段の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をするように、画像処理手段を制御する制御手段とを、さらに含み、
前記制御手段は、網点画像種別判定手段による網点領域の種別の判定の結果に基づいて、網点領域が網点上文字領域である場合、領域分離処理部に入力される画像を分離させず、網点領域が網点写真領域である場合、領域分離処理部に入力される画像を分離させることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、入力される画像が、再現性が向上するように、予め定める画像に画像処理手段で変換処理される。網点画像種別判定手段の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をするように、画像処理手段が制御手段によって制御される。画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で変換処理するように制御して、網点領域が含まれる画像を予め定める画像に変換処理することができるので、網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合に生じる不具合をなくすことができる。
【0018】
また、入力される画像が、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に画像処理手段の領域分離処理部で分離される。入力される画像を複数の領域に分離することによって、分離される領域毎に画質が向上するように、領域毎に適切に処理することができる。
【0019】
また、網点領域の種別の判定の結果に基づいて、画像の領域分離を行う否かが決定される。網点領域が網点上文字領域であれば、入力される画像は分離されない。網点領域が網点写真領域であれば、入力される画像は、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離される。このように網点領域が網点上文字領域であれば、均一な画像処理が行われる
【0020】
また、入力される画像が、画像処理手段の空間フィルタ処理部で、領域の種別に応じて空間フィルタ処理される。領域の種別に応じて適切に空間フィルタ処理することによって、画像形成時に形成される画像の画質劣化を防止して、画像の画質を向上させることができる。
【0021】
また本発明は、前述の画像処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
本発明に従えば、原稿から読取った画像が、網点領域を含む場合、画像における網点領域の種別に応じて適切に処理することができるので、多種多様な印刷物を原稿とする画像に対して、高画質の画像を記録材に形成することができる。
【0023】
また本発明は、入力される画像の各画素が網点領域に属するかを識別する網点領域識別工程と、
前記網点領域識別工程で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、画像における網点領域の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
特徴量算出工程で算出される特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別を判定する網点画像種別判定工程とを含み、
前記特徴量算出工程では、濃度分布における最大度数の濃度区分およびその付近の濃度区分の合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量を算出することを特徴とする画像処理方法である。
【0024】
本発明に従えば、入力される画像の各画素が網点領域に属するかが網点領域識別工程で識別される。網点領域は、複数種類の形態の画像の領域を含んでおり、網点と文字とが混在する網点上文字領域と、文字のない単なる網点だけから成る網点写真領域とを含む。複数種類の形態の画像の領域を含む網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合、たとえば網点上文字領域は、文字の画質が劣化する不具合が生じる。このような不具合を防止して、画像における網点領域の種別に応じた処理ができるように、画像における網点領域を、細かく種別しなければならない。入力される画像の各画素が網点領域に属するかを識別し、網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、網点領域の特徴を表す特徴量が特徴量算出工程で算出され、その特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別が網点画像種別判定工程で判定される。濃度分布は、網点領域の種類によって異なるので、濃度分布情報を用いて、網点領域の複数種類の形態の画像の領域毎に、適した特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
また、濃度分布における最大度数およびその濃度区分付近の度数を合せた合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量が算出される。前記合計度数が全体度数に占める割合は、網点上文字領域と網点写真領域とでは、明確に異なる。したがって前記合計度数の占める割合を用いて網点領域の特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
【0025】
また本発明は、入力される画像を、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離する領域分離処理段階と、入力される画像を、領域の種別に応じた空間フィルタ処理する空間フィルタ処理段階とによって、入力される画像を予め定める画像に変換処理する画像変換処理工程であって、
網点画像種別判定工程の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をする画像変換処理工程をさらに含み、
前記画像変換処理工程では、網点画像種別判定工程における網点領域の種別の判定の結果に基づいて、網点領域が網点上文字領域である場合、入力される画像を分離せず、網点領域が網点写真領域である場合、領域分離処理段階に進んで入力される画像を分離することを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、画像変換処理工程で、入力される画像が、予め定める画像に変換処理される。具体的には画像変換処理工程で、網点画像種別判定工程の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像が変換処理される。画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で、網点領域が含まれる画像を予め定める画像に変換処理することができるので、網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合に生じる不具合をなくすことができる。
【0027】
また、入力される画像が、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に画像変換処理工程の領域分離処理段階で分離される。入力される画像を複数の領域に分離することによって、領域毎に適切に変換処理することができるので、分離された領域毎の画質を向上させることができる。
【0028】
また、網点領域の種別の判定の結果に基づいて、画像の領域分離を行う否かが決定される。網点領域が網点上文字領域であれば、入力される画像は分離されない。網点領域が網点写真領域であれば、入力される画像は、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離される。このように網点領域が網点上文字領域であれば、均一な画像処理が行われる。
【0030】
また、入力される画像が、画像変換処理工程の空間フィルタ処理段階で、領域の種別に応じて空間フィルタ処理される。領域の種別に応じて適切に空間フィルタ処理することによって、画像の画質劣化を防止して、画像の画質を向上させることができる。
【0031】
また本発明は、前述の画像処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0032】
本発明に従えば、画像における網点領域の種別を判定し、その種別に応じて処理する画像処理方法をプログラムで表すことによって、コンピュータに画像処理方法に基づく処理を実行させる。これによってコンピュータによって画像処理方法に基づく処理を自動的に実行させて、入力される画像における網点領域の種別に応じて適切な処理をすることができる。
【0033】
また本発明は、前述のプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0034】
本発明に従えば、画像における網点領域の種別を判定し、その種別に応じて処理する画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを、コンピュータによって読取り可能な記録媒体に記録させる。記録媒体からコンピュータにプログラムを読込ませて、このプログラムをコンピュータに実行させることによって、入力される画像における網点領域の種別に応じて適切な処理をすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である画像処理装置1が備える原稿種別判定手段2の構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、図13に示される画像入力装置62から入力される画像、具体的には原稿から読取られる原稿画像が、網点領域を含む場合、網点領域の種別を判定し、その判定結果に応じて処理する。画像処理装置1は、原稿画像における網点領域の種別に基づいて、原稿画像の種別を判定する原稿種別判定手段2を含んで構成される。
【0036】
原稿種別判定手段2は、原稿画像の種別を判定する。具体的には原稿種別判定手段2は、網点領域の種別に基づいて、原稿画像を判定する。原稿画像の種別は、たとえば文字だけで表される画像と、網点で表される印刷写真および印画紙写真の画像と、それらの画像を組合せた文字/印刷写真の画像とを含む。
【0037】
原稿種別判定手段2は、網点領域識別部(網点領域識別手段)3、網点種別特徴量算出部(特徴量算出手段)4、網点画像種別判定部(網点画像種別判定手段)5、種別判定手段入力端子6および種別判定手段出力端子7を含んで構成される。原稿種別判定手段2の種別判定手段入力端子6は、電気信号が受渡し可能な状態で、図13に示すシェーディング補正部65の図示しない出力端子と接続される。また原稿種別判定手段2の種別判定手段出力端子7は、電気信号が受渡し可能な状態で、図13に示す空間フィルタ処理部71の図示しない入力端子と接続される。
【0038】
原稿画像の各画素の画素値を表す画素値信号が、図13に示されるシューディング補正部65から、種別判定手段入力端子6を介して網点領域識別部3および網点種別特徴量算出部4に与えられる。本実施の形態では、画素の画素値は、濃度値である。
【0039】
網点領域識別手段である網点領域識別部3は、画素値信号、具体的には画素の濃度値に基づいて、原稿画像の各画素が、網点領域に属するかを識別する。
【0040】
特徴量算出手段である網点種別特徴量算出部4は、網点領域識別部3で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度値を用いて網点画像特徴量を算出する。網点画像特徴量は、原稿画像における網点領域の特性を表し、原稿画像における網点領域の種別を判定するための特徴量である。網点種別特徴量算出部4は、網点画像特徴量を表す網点画像特徴量信号を網点画像種別判定部5に与える。
【0041】
網点画像種別判定手段である網点画像種別判定部5は、網点画像特徴量信号、具体的には網点種別特徴量算出部4で算出される網点画像特徴量に基づいて、原稿画像における網点領域の種別を判定する。網点領域は、複数種別の形態の画像の領域を含んでおり、たとえば網点が下地として扱われ、たとえば文字が混在する形態の画像の網点上文字領域と、文字のない単なる網点だけから成り、網点の面積率および密度を変えて写真を表す形態の画像の網点写真領域とを含む。下地は、白色および白色を除く複数種類の色地を含む。
【0042】
原稿画像の種別の一例として、網点画像種別判定部5で、網点領域が網点上文字領域であると判定される場合、原稿画像の種別は、網点を下地として、たとえば文字が混在する文字画像である、言換えると原稿画像は、網点上文字領域を有すると原稿種別判定手段2で判定される。原稿画像の種別の他の例として、網点画像種別判定部5で、網点領域が網点写真領域であると判定される場合、原稿画像の種別は、印刷写真である、言換えると原稿画像は、網点写真領域を有すると原稿種別判定手段2で判定される。このように原稿画像における網点領域の種別を判定することによって、原稿画像の種別を判定することができる。
【0043】
網点画像種別判定部5は、原稿画像における網点領域に対する種別の判定結果を表す網点画像種別判定信号を種別判定手段出力端子7を介して図13に示される領域分離処理部69および空間フィルタ処理部71に与える。
【0044】
前述のように原稿画像に、網点領域が存在する場合、網点領域に属する各画素の濃度値を用いて、網点領域の画像毎の網点画像特徴量を算出することができる。算出される網点画像特徴量を用いて、原稿画像における網点領域の種別を判定することによって、原稿画像における網点領域を細かく種別することができる。
【0045】
原稿画像における網点領域の種別に応じた変換処理、具体的には、網点上文字領域のように網点が下地である場合は、文字が含まれることが多く、現状の網点検出精度では、前記網点上文字までも網点だけから成る領域として誤検出することが多く、前記文字の再現性は大きく劣化する。また、網点が下地である場合、高線数である場合が多い。よって、網点検出などの領域分離処理部69による処理を行わず、文字を含む低周波成分はゲインが上がり(強調され)、網点を含む高周波成分はゲインがさがる(抑制される)ようなフィルタ処理を画像全体に適用することにより高画質化が達成できる。
【0046】
網点領域が網点写真領域である場合は、現状の網点検出処理でもほぼ検出することが可能であるため、網点検出などの領域分離処理部69による処理を行うとともに、検出された網点領域に対しては、モアレ抑制を目的とした平滑化フィルタ処理を適用することにより高画質化が達成できる。
【0047】
図2は、網点領域識別部3の構成を示すブロック図である。図3は、第1ブロックメモリ11、第2ブロックメモリおよび第3ブロックメモリに格納される信号の関係を説明する図である。網点領域識別部3は、エッジ判定部10、第1ブロックメモリ11、対象画像部分抽出部12、第2ブロックメモリ13、第1特徴量算出部14、エッジ種別判定部15、第3ブロックメモリ16、第2特徴量算出部17、網点領域判定部18、有無判定部入力端子19および有無判定部出力端子20を含んで構成される。
【0048】
有無判定部入力端子19は、電気信号が受渡し可能な状態で、原稿種別判定手段2の種別判定手段入力端子6と接続され、有無判定部出力端子20は、電気信号が受渡し可能な状態で、網点種別特徴量算出部4の入力端子(図示せず)と接続される。網点領域識別部3に与えられる画素値信号は、有無判定部入力端子19を介して、エッジ判定部10および対象画像部分抽出部12に与えられる。
【0049】
エッジ判定部10は、画素値信号、具体的には画素の濃度値に基づいて、原稿画像の各画素がエッジ画素であるか否かを判定する。エッジ判定部10は、その判定結果を表すエッジ判定信号を第1ブロックメモリ11に与える。本実施の形態では、エッジ画素は、その画素値が隣接する画素の画素値に比べて大きく異なる急峻な変化を示す画素である。
【0050】
エッジ判定部10は、たとえば第1局所画素ブロック26に含まれる第1注目画素25の画素値と、第1注目画素25に隣接する画素の画素値との差の絶対値が、予め定める閾値よりも大きい場合、第1注目画素25はエッジ画素であると判定する。エッジ判定部10は、前記差の絶対値が予め定める閾値以下である場合、第1注目画素25がエッジ画素でないと判定する。
【0051】
本実施の形態では、第1注目画素25は、原稿画像に含まれる任意の画素であって、第1局所画素ブロック26は、第1注目画素25を中心として、複数の画素を含む形態の画像の領域である。
【0052】
原稿画像の各画素が、予め定める順番で第1注目画素25に設定され、その第1注目画素25に対して、エッジ画素であるか否かがエッジ判定部10で判定される。エッジ判定部10は、第1注目画素25に対する判定結果を表すエッジ判定信号を第1ブロックメモリ11に与える。
【0053】
第1ブロックメモリ11は、主走査方向および副走査方向に複数の格納部が並ぶ格納領域、言換えるとM1×N1個の格納部を含む格納領域を有する。M1およびN1は、自然数であって相互に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0054】
第1ブロックメモリ11には、複数ライン分のエッジ判定信号が与えられ、少なくとも第1局所画素ブロック26内の各画素に関して、エッジ判定信号が有する情報が格納される。図3の例では、第1ブロックメモリ11には、第1注目画素25と第1注目画素25の近傍にある複数の近傍画素29とに関するエッジ判定信号が有する情報が格納される。
【0055】
対象画像部分抽出部12は、画素値信号、具体的には画素の濃度値に基づいて、原稿画像の各画素が、対象画像部分46に含まれるか否かを判定し、図7(2)に示される対象画像部分46を抽出する。対象画像部分抽出部12は、原稿画像の各画素の濃度値が、予め定める値以上である場合、対象画像部分46に含まれると判定し、原稿画像の各画素の濃度値が、予め定める値よりも小さい場合、対象画像部分46に含まれないと判定する。
【0056】
予め定める値は、多くの原稿画像のサンプルに基づいて得られる値である。対象画像部分抽出部12は、第1注目画素25に対する判定結果を表す対象画像部分信号を第2ブロックメモリ13に与える。
【0057】
第2ブロックメモリ13は、主走査方向および副走査方向に複数の格納部が並ぶ格納領域、言換えるとM2×N2個の格納部を含む格納領域を有する。M2およびN2は、自然数であって相互に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0058】
第2ブロックメモリ13には、複数ライン分の対象画像部分信号が与えられ、少なくとも第1局所画素ブロック26内の各画素に関して、対象画像部分信号が有する情報が格納される。図3の例では、第2ブロックメモリ13には、第1注目画素25と第1注目画素25の近傍にある複数の近傍画素29とに関する対象画像部分信号が有する情報が格納される。
【0059】
第1特徴量算出部14は、第2ブロックメモリ13に格納される対象画像部分信号、具体的には対象画像部分抽出部12による判定結果に基づいて、第1局所画素ブロック26内の対象画像部分46の特性を表す第1特徴量を算出する。第1局所画素ブロック内の対象画像部分46の特性を、第1特徴量として表すことによって、第1局所画素ブロック内の各エッジ画素の特性が表される。第1特徴量算出部14は、第1局所画素ブロック26の第1特徴量を表す第1特徴量信号をエッジ種別判定部15に与える。
【0060】
エッジ種別判定部15は、第1ブロックメモリ11に格納されるエッジ判定信号と第1特徴量信号、具体的にはエッジ判定部10による判定結果と第1特徴量算出部14による第1特徴量とに基づいて、エッジ画素が、複数の領域のいずれに属するかを判定する。具体的にはエッジ種別判定部15は、第1局所画素ブロック26内の各エッジ画素が、文字領域および網点領域のいずれに属するかを判定する。エッジ種別判定部15は、第1局所画素ブロック26内の各エッジ画素に対する判定結果を表すエッジ種別信号を第3ブロックメモリ16に与える。
【0061】
第3ブロックメモリ16は、主走査方向および副走査方向に複数の格納部が並ぶ格納領域、言換えるとM3×N3個の格納部を含む格納領域を有する。M3およびN3は、自然数であって相互に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0062】
第3ブロックメモリ16には、複数ライン分のエッジ種別信号が与えられ、少なくとも第2局所画素ブロック28内の各画素に関して、エッジ種別信号が有する情報が格納される。図3の例では、第3ブロックメモリ16には、第2注目画素27と第2注目画素27の近傍にある複数の近傍画素29とに関するエッジ種別信号が有する情報が格納される。
【0063】
本実施の形態では、第2注目画素27は、原稿画像に含まれる任意の画素であって、第2局所画素ブロック28は、第2注目画素27を中心として、複数の画素を含む形態の画像の領域である。
【0064】
第2特徴量算出部17は、第3ブロックメモリ10に格納されるエッジ種別信号、具体的にはエッジ種別判定部15による判定結果に基づいて、第2局所画素ブロック28の特性を表す第2特徴量を算出する。第2特徴量算出部17は、第2特徴量を表す第2特徴量信号を網点領域判定部18に与える。第2特徴量算出部17は、エッジ種別信号に基づいて、網点領域の特性を表す第2特徴量を算出し、第2特徴量信号を網点領域判定部18に与える。
【0065】
網点領域判定部18は、第2特徴量信号、具体的には第2特徴量算出部17による第2特徴量に基づいて、原稿画像の各画素が、網点領域に属するか否かを判定する。具体的には、網点領域判定部18は、第2注目画素27が網点領域に属する画素であるか否かを判定する。網点領域判定部18は、第2注目画素27に対する判定結果を表す網点領域判定信号を、有無判定部出力端子20に与える。有無判定部出力端子20からは、第2注目画素27に対する網点領域判定信号が出力される。
【0066】
図4は、エッジ判定部10の構成を示すブロック図である。図5は、2次微分用フィルタ37のフィルタ係数の一例を説明するための図である。エッジ判定部10は、2次微分処理回路35およびゼロ交差検出回路36を含んで構成される。
【0067】
2次微分処理回路35は、エッジ判定部10に与えられる画素値信号、具体的には画素の濃度値に基づいて、原稿画像の各画素に対して2次微分処理する。2次微分処理回路35による2次微分処理は、第1注目画素25を中心とする3×3個の画素を含む画素ブロックに対して、予め定める係数を有する2次微分用フィルタ37を用いて畳込み演算し、第1注目画素25の画素値の2次微分値を求める処理である。
【0068】
畳込み演算は、3×3個の画素を含む画素ブロックにおいて、1つの画素の濃度値と、その画素と同一の行番号および列番号をもつ2次微分用フィルタ37の係数とを積算して積算値を求め、この積算値と他の各画素に関して求められる各積算値との総和を求める演算処理である。
【0069】
たとえば1行1列目の画素に関して、その画素の画素値と2次微分用フィルタ37の1行1列目の係数、すなわち図5において係数“0”とを積算した積算値を求める。1行1列目の画素に関して求められた積算値と、画素ブロック内の残りの画素に関して求められた各積算値との総和を求める。前記総和が、第1注目画素25の画素値の2次微分値を表す。畳込み演算は、原稿画像の各画素を予め定める順番に従って第1注目画素25に設定することによって、原稿画像のすべての画素に対して行われる。
【0070】
原稿画像に関して、予め定める走査方向に連続して並ぶ複数の画素にエッジ画素が含まれる場合、エッジ画素に隣接し、走査方向上流側にある画素の画素値の2次微分値は、正値および負値のいずれか一方の値になる。勾配が最大となるエッジ画素の濃度値の2次微分値は“0”、すなわち零になる。エッジ画素に隣接し、走査方向下流側にある画素の濃度値の2次微分値は、前述とは逆の正値および負値のいずれかの値になる。
【0071】
2次微分処理回路35は、第1注目画素25に対する2次微分処理の結果を表す2次微分値信号をゼロ交差検出回路36に与える。ゼロ交差検出回路36は、2次微分値信号、具体的には2次微分処理処理回路35による2次微分処理の結果に基づいて、ゼロ交差する画素をエッジ画素として判定する。
【0072】
ゼロ交差検出回路36は、2次微分処理部20による2次微分処理によって、ゼロ交差する画素を検出する、具体的には正値および負値のいずれか一方の値から、逆の正値および負値のいずれかの値に変化する2次微分値を検出するとともに、2次微分値が零の値をとる画素を検出する。
【0073】
ゼロ交差検出回路36は、ゼロ交差する第1注目画素25をエッジ画素であると判定し、その判定結果を表すエッジ判定信号を第1ブロックメモリ11に与える。ゼロ交差する画素を検出することによって、原稿画像からエッジ画素が抽出される。
【0074】
図6は、対象画像部分抽出部12の構成を示すブロック図である。図7は、第1局所画素ブロック26の一例を説明するための図であって、図7(1)は、2値化処理前の第1局所画素ブロック26を示し、図7(2)は、2値化処理後の第1局所画素ブロック26を示す。図8は、図7に示される第1局所画素ブロック26内の各画素の濃度値と度数との関係の一例を示すグラフであって、図8(1)は、濃度ヒストグラム44を示し、図8(2)は、累積濃度ヒストグラムを示す。対象画像部分抽出部12は、累積濃度ヒストグラム算出回路40、濃度順位閾値設定回路41、濃度閾値設定回路42および2値化処理回路43を含んで構成される。対象画像部分抽出部12に与えられる画素値信号は、累積濃度ヒストグラム算出回路40、濃度順位閾値設定回路41および2値化処理回路43に与えられる。
【0075】
累積濃度ヒストグラム算出回路40は、画素値信号、具体的には画素の濃度値に基づいて、第1局所画素ブロック26内の各画素に関する濃度ヒストグラム44を算出するとともに、その濃度ヒストグラム44に基づいて累積濃度ヒストグラム45を算出する。濃度ヒストグラム44は、複数の画素を含む領域、たとえば第1局所画素ブロック28において、予め定める濃度値の区分毎に、いくつの画素が存在するかを表すグラフである。
【0076】
累積濃度ヒストグラム45は、濃度ヒストグラム44に基づいて、画素の濃度値の最大値から最小値に向けて度数を累積する場合と、画素の濃度値の最小値から最大値に向けて度数を累積する場合とのいずれか一方におけるグラフである。
【0077】
累積濃度ヒストグラム算出回路40は、累積濃度ヒストグラム45の算出結果、たとえば濃度値の区分と、その区分毎の度数とを表す累積濃度ヒストグラム信号を濃度閾値設定回路42に与える。
【0078】
濃度順位閾値設定回路41は、画素値信号、具体的には画素の濃度値に基づいて、第1局所画素ブロック26内の各画素に関して、濃度値の昇順および降順のいずれかの情報を用いて、濃度順位閾値Nを設定する。濃度順位閾値設定回路41は、濃度順位閾値Nを表す濃度順位閾値信号を濃度閾値設定回路42に与える。
【0079】
本実施の形態では、順位閾値Nは、予め定める値が用いられ、たとえば、最大濃度値を有する画素から、7番目に大きい画素値を有する画素までの7個の画素を選択する場合、“7”に設定される。
【0080】
濃度閾値設定回路42は、累積濃度ヒストグラム信号および濃度順位閾値信号、具体的には累積濃度ヒストグラム算出回路40による累積濃度ヒストグラム45の算出結果と、濃度順位閾値設定回路41による濃度順位閾値Nとに基づいて、濃度閾値を設定する。
【0081】
濃度閾値は、第1局所画素ブロック26内の各画素の濃度値との比較に用いられ、対象画像部分46を算出するための閾値である。濃度閾値設定回路42は、設定される濃度閾値を表す濃度閾値信号を2値化処理回路43に与える。
【0082】
2値化処理回路43は、画素値信号および濃度閾値信号、具体的には画素の濃度値および濃度閾値設定回路42による濃度閾値に基づいて、第1局所画素ブロック26内の各画素の濃度値と、濃度閾値とを比較する。2値化処理回路43は、第1局所画素ブロック26内の各画素の濃度値と濃度閾値とを比較することによって、2つの画像部分に分別し、すなわち2値化処理して2値画像を求め、いずれか一方の画像部分を対象画像部分46として抽出する。
【0083】
図7(1)の例では、第1局所画素ブロック26内の各画素が、図解を容易にするために、予め定める濃度値の区分毎に種別してある。たとえば濃度値が200以上250未満の区分では、画素が黒色で示される。濃度値の区分設定は、任意に設定される。本実施の形態では、濃度値の区分は、“50”に設定される。具体的には0以上50未満、50以上100未満、100以上150未満、150以上200未満および200以上250未満の各区分毎に、度数、具体的には画素の個数を求める。
【0084】
図7(1)に示される第1局所画素ブロック26に関して、図8(1)に示される濃度ヒストグラム44が算出される。濃度ヒストグラム44において、横軸は画素の濃度値を示し、縦軸は度数を示す。算出された濃度ヒストグラム44を用いて、図8(2)に示される累積濃度ヒストグラム45が算出される。図8(2)の例では、画素の濃度値の最大値から最小値に向けて度数を累積した場合のグラフである。
【0085】
前述の濃度閾値設定回路42は、画素値信号、具体的には画素の濃度値に基づいて、濃度順位閾値Nに最も近い度数をもつ区分の濃度値を濃度閾値として設定する。本実施の形態において、順位閾値Nに最も近い度数を有する濃度値は、各濃度区分における最小濃度値に設定されるが、代表値たとえば各濃度区分における平均値であってもよい。
【0086】
たとえば濃度順位閾値設定回路41で濃度順位閾値Nが、“7”に設定される場合、図8(2)の例では、濃度閾値設定回路42は、濃度閾値を“200”に設定する。2値化処理回路43は、第1局所画素ブロック26内の各画素の濃度値が、200以上である場合、対象画像部分46であることを表す1とし、それ以外、具体的には200よりも小さい場合、対象画像部分46でないことを表す0とする。図7(2)の例では、抽出された対象画像部分46は、黒色で示される部分である。
【0087】
図9は、第1局所画素ブロック26に対する第1特徴量の算出処理の一例を説明するための図である。第1特徴量算出部14は、対象画像部分信号より、対象画像部分46のランレングスに基づいて第1特徴量を算出する。予め定める走査方向である主走査方向および副走査方向、ならびに第1局所画素ブロック26における対角方向である45度方向に関して、対象画像部分46に含まれる画素の連続数であるランレングスの最大値が、第1特徴量として算出される。
【0088】
図9の例では、主走査方向および副走査方向における対象画像部分46のランレングスは、“3”であって、45度方向における対象画像部分46のランレングスは、“3”および“1”であるので、第1特徴量は、ランレングスの最大値3である。対象画像部分46が網点のような点状で表される場合、ランレングスの最大値は、対象画像部分46が文字のような線状で表される場合に比べて小さくなる。
【0089】
このように対象画像部分46のランレングスの最大値を用いることによって、対象画像部分46の特性を容易に、かつ精度よく表すことができるので、エッジ画素が複数の領域のいずれに属するかを精度よく判定することができる。
【0090】
図10は、第2局所画素ブロック28の一例を説明するための図であって、図10(1)は、120線〜150線の中程度の線数を有する網点領域に対応する第2局所画素ブロック28を示し、図10(2)は、文字領域に対応する第2局所画素ブロック28を示す。第2特徴量算出部17は、第2局所画素ブロック28内のエッジ画素の数に基づいて、第2特徴量を算出する。具体的には第2特徴量算出部17は、第2局所画素ブロック28に関して、網点エッジ画素数と文字エッジ画素数との重み和を第2特徴量として算出する。
【0091】
網点エッジ画素数は、網点領域に属するエッジ画素の数であって、文字エッジ画素数は、文字領域に属するエッジ画素の数である。重み和は、網点エッジ画素数および文字エッジ画素数に対して、予め定める重みをつけた場合の和である。
【0092】
エッジ画素数、具体的には第2局所画素ブロック28内のエッジ画素の数は、図10(1)の例では“26”であって、図10(2)の例では“32”である。エッジ画素数を第2特徴量とした場合、文字領域に対応する第2局所画素ブロック28のエッジ画素数が、120線〜150線の中程度の線数を有する網点領域に対応する第2局所画素ブロック28に比べて大きくなる。このように領域の特性に適した特徴量を算出できないので、中程度の線数を有する網点領域に対応する第2局所画素ブロック28内の第2注目画素27が、文字領域に属すると判定されるおそれがある。
【0093】
たとえば網点エッジ画素数に対する重みを“2”とし、文字エッジ画素数に対する重みを“1”とした場合、第2局所画素ブロック28に関する重み和は、図10(1)の例では“47”であって、図10(2)の例では“35”である。
【0094】
網点エッジ画素数に対する重みを文字エッジ画素数に対する重みに比べて大きくした場合、中程度の線数を有する網点領域に対応する第2局所画素ブロック28における重み和は、文字領域に対応する第2局所画素ブロック28における重み和に比べて大きくなる。
【0095】
このように第2局所画素ブロック28における重み和を第2特徴量として用いることによって、領域の特性に適した特徴量を算出することができるので、網点領域に属する画素と文字領域に属する画素とを精度よく識別することができる。これによって網点領域識別部3は、原稿画像の各画素が網点領域に属するか否かを精度よく識別することができる。
【0096】
図11は、平均濃度ヒストグラム50の一例を示すグラフであって、図11(1)は、網点が下地である場合の平均濃度ヒストグラム50を示し、図11(2)は、網点が写真の画像を表す場合の平均濃度ヒストグラム50を示す。図12は、網点画像種別判定部5の構成を示すブロック図である。網点種別特徴量算出部4は、原稿画像において網点領域に属すると識別された画素に関して、画素の濃度値に基づいて、原稿画像の予め定めるブロック、たとえば7×7個の画素を含むブロックにおける平均濃度値を算出する。予め定めるブロックに含まれる画素は、網点領域に属する画素である。平均濃度値は、予め定めるブロックにおける画素の濃度値の平均値である。
【0097】
網点種別特徴量算出部4は、平均濃度値を原稿画像の予め定めるブロック毎に算出する。網点種別特徴量算出部4は、平均濃度ヒストグラム50、具体的には平均濃度値と予め定める濃度値の区分における度数との関係を表すグラフを算出する。網点種別特徴量算出部4は、平均濃度ヒストグラム50に基づいて、濃度値の区分毎の度数を網点画像特徴量として算出する。
【0098】
網点領域の種別によって平均濃度値の分布に違いが生じる。網点領域が網点上文字領域である場合、網点の面積率が均一であるので、平均濃度ヒストグラム50は、局所的な濃度値の区分における度数が、残余の度数に比べて大きなグラフになる。図11(1)の例では、最大度数が、残余の濃度値の区分における度数に比べて極端に大きな平均濃度ヒストグラム50になっている。最大度数は、度数の最大値である。
【0099】
網点領域が網点写真領域である場合、網点の面積率が不均一であるので、平均濃度ヒストグラム50は、濃度値の区分毎に差が生じるけれども、平均濃度値の分布がほとんど均一的なグラフになる。図11(2)の例では、最大度数が、残余の濃度値の区分における度数と差がほとんどない平均濃度ヒストグラム50になっている。
【0100】
網点画像種別判定部5は、最大度数算出部分55、度数閾値設定部分56、網点種別判定部分57、種別判定部入力端子58および種別判定部出力端子59を含んで構成される。種別判定部入力端子58は、電気信号が受渡し可能な状態で、網点種別特徴量算出部4の出力端子(図示せず)と接続され、種別判定部出力端子59は、電気信号が受渡し可能な状態で、原稿種別判定手段7の種別判定手段出力端子7と接続される。
【0101】
最大度数算出部分55は、網点種別特徴量算出部4に与えられる網点画像特徴量信号、具体的には網点画像特徴量に基づいて、最大度数を算出するとともに、度数合計値MAXを算出する。度数合計値MAXは、網点画像特徴量のうち、最大度数とその近傍の度数との合計値、具体的には最大度数と、最大度数における濃度値の区分に隣接する濃度値の区分における度数との合計値である。
【0102】
図11(1)および図11(2)の例では、度数合計値MAXは、斜線で表される部分である。最大度数算出部分55は、算出結果である度数合計値MAXを表す度数合計値信号を網点種別判定部分57に与える。
【0103】
度数閾値設定部分56は、度数合計値MAXとの比較に用いるための度数閾値THを設定し、その度数閾値THを表す度数閾値信号を網点種別判定部分57に与える。度数閾値THは、多くの原稿画像のサンプルに基づいて得られる値であって、たとえば平均濃度ヒストグラム50において、各濃度値の区分における度数を合計した値を、濃度値の区分の数で除算した値である。
【0104】
網点種別判定部分57は、度数合計値信号および度数閾値信号、具体的には最大度数算出部分55による度数合計値MAXと、度数閾値設定部分56による度数閾値THに基づいて、度数合計値MAXと度数閾値THとを比較する。網点種別判定部分57は、度数合計値MAXが度数閾値THよりも大きい場合、網点領域が網点上文字領域であると判定し、度数合計値MAXが度数閾値TH以下である場合、網点領域が網点写真領域であると判定する。
【0105】
前述のように原稿画像における網点領域の種別によって、平均濃度値の分布に違いが生じるので、その違いを表す特徴量を算出することによって、原稿画像における網点領域を細かく種別することができ、原稿画像が網点上文字領域および網点写真領域のいずれを含むかを判定することができる。
【0106】
図13は、画像形成装置60の構成を示すブロック図である。図14は、空間フィルタ処理に用いられるデジタルフィルタの一例を説明するための図であって、図14(1)は、網点領域が、網点上文字領域である場合の第1フィルタ78を示し、図14(2)は、網点領域が、網点写真領域である場合の第2フィルタ79を示す。画像形成装置60は、紙および紙以外の材料からなる記録用のシートを含む記録材に、画像を形成するための装置であって、操作パネル61、画像入力装置62、画像処理装置1、画像出力装置63を含んで構成される。
【0107】
操作者は、操作パネル61を操作することによって、画像形成装置60の動作指令、具体的には画像入力装置62、画像処理装置1および画像出力装置63に各種の動作指令を与えることができる。
【0108】
画像入力装置62は、原稿に形成される画像、すなわち原稿画像を読取るための装置であって、固体撮像素子、たとえば蓄積電荷結合素子(Charge Coupled Device:略称CCD、以下CCDと呼ぶ場合がある)を用いたラインセンサを備えるスキャナ部を含んで構成される。
【0109】
画像入力装置62は、光源によって白色光を原稿に照射して、原稿からの反射光の色をCCDラインセンサによって、主走査方向および副走査方向に並ぶ複数の画素に分割して検出して、原稿の画像を読取り、各画素の色および強度によって原稿画像を表す原稿画像データを、電気信号によって画像処理装置1に与える。
【0110】
原稿画像データは、3つの色成分である赤、緑および青の濃度に対応する数値によって表され、赤信号R、緑信号Gおよび青信号Bとして画像入力装置62によって画像処理装置1に与えられる。
【0111】
赤信号Rは、原稿からの赤色光の反射率を画素毎にアナログで表す電気信号である。緑信号Gは、原稿からの緑色光の反射率を画素毎にアナログで表す電気信号である。青信号Bは、原稿からの青色光の反射率を画素毎にアナログで表す電気信号である。
【0112】
画像処理装置1は、アナログ/デジタル変換部(以下、A/D変換部という)64、シェーディング補正部65、画像処理手段68および制御手段53を含んで構成される。
【0113】
A/D変換部64は、与えられるアナログ信号をデジタル信号に変換する。具体的にはA/D変換部64は、アナログ信号であって、画像入力装置62によって与えられる赤信号R、緑信号Gおよび青信号Bを、各画素毎に赤色光、緑色光および青色光の反射率をデジタルで表すデジタル信号にそれぞれ変換する。A/D変換部64は、デジタル信号に変換された赤信号R、緑信号Gおよび青信号Bを、シェーディング補正部65に与える。
【0114】
シェーディング補正部65は、A/D変換部64からの赤信号R、緑信号Gおよび青信号Bの表すデータに含まれる歪み成分を取り除く処理をする。シェーディング補正部65は、A/D変換部64からの赤信号R、緑信号Gおよび青信号Bに対して、画像入力装置62の照明系、結像光学系および撮像系(受像系)で生じる各種の歪み成分を取り除く処理をし、処理後の赤信号R、緑信号Gおよび青信号Bを、原稿種別判定手段2に与える。
【0115】
原稿種別判定手段2は、シェーディング補正部65による処理後の赤信号R、緑信号Gおよび青信号Bを、画像処理装置1において扱いやすいデータの信号、たとえば濃度値を表す信号に変換する。具体的には原稿種別判定手段2は、赤色光、緑色光および青色光の各反射率値を、赤色光の濃度値と、緑色光の濃度値と、青色光の濃度値とを表す信号にそれぞれ変換し、変換後の信号である画素値信号に基づいて、原稿画像の種別を判定する。
【0116】
原稿種別判定手段2は、赤色光、緑色光および青色光の各濃度値に基づいて、画素値信号を補色反転したシアンの濃度値を表すシアン信号Cと、マゼンタの濃度値を表すマゼンタ信号Mと、イエローの濃度値を表すイエロー信号Yに変換する。シアン信号C、マゼンタ信号Mおよびイエロー信号Yは、入力階調補正部66に出力される。
【0117】
画像処理手段68は、入力階調補正部66、色補正部67、領域分離処理部69、黒生成下色除去部70、空間フィルタ処理部71、出力階調補正部72および階調再現処理部73を含んで構成される。
【0118】
画像処理手段68は、入力される画像を予め定める画像に変換処理する。具体的には画像処理手段68は、画像形成時に原稿画像の再現性および形成する画像の画質が向上するように、原稿画像の各画素に対して各種の画像処理、たとえば入力階調補正部66、色補正部67、領域分離処理部69、黒生成下色除去部70、空間フィルタ処理部71、出力階調補正部72および階調再現処理部73における処理をする。
【0119】
入力階調補正部66は、シアン信号C、マゼンタ信号Mおよびイエロー信号Yに基づいて、カラーバランスを整えるとともに、コントラスト調整および余分な背景を取除くための下地領域濃度の除去などの各種の画質調整処理が行われる。入力階調補正部66は、カラーバランスが整えられ、画質調整処理後のシアン信号C、マゼンタ信号Mおよびイエロー信号Yを色補正部67に与える。
【0120】
色補正部67は、入力階調補正部66からの各信号に基づいて、画像形成時に原稿画像の色の再現性を向上させるために、色材として用いられるシアン、マゼンタおよびイエローの不要吸収成分を、シアン、マゼンタおよびイエローの各色材の分光特性に基づいて色濁りを取除く色補正処理をする。色補正部67は、原稿画像の各画素に関して、色補正後のシアン信号C、マゼンタ信号Mおよびイエロー信号Yを画像処理手段68に与える。
【0121】
領域分離処理部69は、色補正部67からの各信号および網点画像種別判定信号、具体的には色補正後のシアン、マゼンタおよびイエローの各濃度値と、網点画像種別判定部5による判定結果に基づいて、原稿画像から複数の領域を分離する領域分離処理を行う。
【0122】
具体的には領域分離処理部69は、網点領域が網点上文字領域である場合、前述の領域分離処理を行わず、網点領域が網点写真領域である場合、原稿画像の各画素が文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域のいずれに属するかを判定し、原稿画像を前記複数の領域に分離する。
【0123】
領域分離処理部69は、領域の分離結果に基づいて、原稿画像の各画素がいずれの領域に属するかを表す領域識別信号を、後段の黒生成下色除去部70、空間フィルタ処理部71、階調再現処理部73に与える。
【0124】
黒生成下色除去部70は、色補正部67による色補正後の信号と領域識別信号とに基づいて、黒を生成するための黒生成処理と、黒生成処理で得られる黒の濃度値を差し引いて、新たなシアン、マゼンタおよびイエローの各濃度値を求める下色除去処理とをする。黒生成下色除去部70では、領域識別信号、具体的には領域分離処理部69による領域分離の結果に基づいて、領域の種別に応じて黒生成量および下色除去量を切換える。
【0125】
色補正部36からのシアン信号C、マゼンタ信号Mおよびイエロー信号Yの3色の信号は、黒生成下色除去部70による処理で、シアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kの4色の信号に変換される。黒生成下色除去部70は、黒生成処理および下色除去処理後のシアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kを、空間フィルタ処理部71に与える。
【0126】
空間フィルタ処理部71は、黒生成下色除去部70からの各信号と、網点画像種別判定信号と、領域識別信号とに基づいて、デジタルフィルタを用いて空間フィルタ処理して、複数の画素を含む予め定める領域毎に、空間周波数特性を補正する。これによって記録材に形成される画像のぼやけおよび粒状性劣化を防止することができる。空間フィルタ処理部71は、空間フィルタ処理後のシアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kを、出力階調補正部72に与える。
【0127】
出力階調補正部72は、空間フィルタ処理部71からの各信号に基づいて、画像処理装置1において扱いやすい濃度値などの信号を、画像出力装置63の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理をする。出力階調補正処理は、シアン、マゼンタ、イエローおよび黒の各濃度値を、画像出力装置63の特性値である網点面積率にそれぞれ変換する処理である。出力階調補正部72は、変換後のシアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kを階調再現処理部73に与える。
【0128】
階調再現処理部73は、出力階調補正部72からの各信号と、領域識別信号とに基づいて階調再現処理をする。階調再現処理部73は、最終的に画像を画素に分割してそれぞれの階調を再現するための処理であって、中間調を生成する中間調再現処理である。
【0129】
たとえば領域分離処理部69で、文字領域として原稿画像から分離された領域に関して、文字領域が、黒文字および色文字の形態の画像の領域である場合、黒文字および色文字との再現性が向上するように、空間フィルタ処理部71では、高周波数の強調量が大きくなるように鮮鋭強調処理される。黒文字は、黒色で表す文字であって、色文字は、有彩色で表す文字である。鮮鋭強調処理の後、階調再現処理部73では、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンによる2値化処理および多値化処理のいずれかの処理が行われる。
【0130】
また領域分離処理部69で、網点領域として原稿画像から分離された領域に関して、空間フィルタ処理部71では、入力網点成分を除去し、モアレを抑制するための第2フィルタ79(図14(2)参照)を用いた平滑化フィルタ処理が行われる。平滑化フィルタ処理の後、出力階調補正部72では、前述の出力階調補正処理が行われる。階調再現処理部73では、階調再現性を重視したスクリーンによる2値化処理および多値化処理のいずれかの処理が行われる。
【0131】
また領域分離処理部69で、写真領域として原稿画像から分離された領域に関して、階調再現処理部73では、階調再現性を重視したスクリーンによる2値化処理および多値化処理のいずれかの処理が行われる。
【0132】
階調再現処理部73は、階調再現処理後のシアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kを、図示しない記憶手段に与える。記憶手段には、シアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kがそれぞれ有する情報である画像データが記憶される。
【0133】
前述の網点画像種別判定部5は、網点領域に対する種別の判定結果を表す信号である網点画像種別判定信号を、制御手段53にさらに与える。制御手段53は、網点画像種別判定信号、具体的には網点画像種別判定部5の判定結果に基づいて、原稿画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像、すなわち原稿画像の変換処理をするように、画像処理手段68を制御する。
【0134】
網点が下地である網点上文字領域では、文字が含まれることが多く、網点上文字領域を網点領域として誤判定することが多いので、網点上文字領域を網点領域として扱うと、画像形成時に形成される文字の再現性が大きく劣化してしまう。また網点上文字領域は、高線数で表されることが多い。このような不具合をなくすために、領域分離処理部69において、原稿画像から複数の領域を分離する領域分離処理を行わず、空間フィルタ処理部71で、図14(1)に示されるデジタルフィルタである第1フィルタ78を用いて空間フィルタ処理する。
【0135】
前述のように網点領域が、網点上文字領域である場合、第1フィルタ78を用いて空間フィルタ処理、具体的には平滑化フィルタ処理することによって、文字を含む低周波成分は、ゲインが上がり、言換えるとゲインが強調され、網点を含む高周波成分は、ゲインが下がる、言換えるとゲインが抑制される。
【0136】
また網点領域が、網点写真領域である場合、領域分離処理部69による領域分離処理によって、原稿画像から複数の領域に精度よく分離することができるので、領域分離処理部69による領域分離処理を行うとともに、空間フィルタ処理部71で空間フィルタ処理する。
【0137】
たとえば原稿画像から分離された網点領域に対して、空間フィルタ処理部71において、図14(2)に示されるデジタルフィルタである第2フィルタ79を用いて空間フィルタ処理する。網点領域が網点写真領域である場合、第2フィルタ79を用いて空間フィルタ処理することによって、前述のように入力網点成分が除去され、モアレが抑制される。
【0138】
このように原稿画像における網点領域の種別に応じて、領域分離処理部69および空間フィルタ処理部71による処理を、制御手段53によって変換処理内容を切換えることができ、領域の種別、具体的には網点領域の種別に応じて適切な処理をすることができる。
【0139】
前述のように制御手段53は、網点画像種別判定部5の判定結果に応じて、画像処理手段68および画像処理手段68における処理のいずれかを切換えるので、原稿画像における網点領域の種別に応じて、画像形成時における画像の高画質化を実現することができる。
【0140】
前述の画像処理装置1によって各種の画像処理が行われた画像データである原稿画像データは、記憶手段に一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されて、シアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kとして、画像出力装置63に与えられる。
【0141】
画像出力装置63は、画像処理装置1によって各種の処理が行われた原稿画像データ、具体的には記憶手段に記憶されるシアン信号C、マゼンタ信号M、イエロー信号Yおよび黒信号Kに基づいて、画像を記録材に形成する。画像出力装置63の一例として、たとえば電子写真方式およびインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置などを挙げることができるが、特に限定されるものではない。また画像出力装置63の他の例として、画像表示装置たとえば液晶ディスプレイであってもよい。
【0142】
本実施の形態では、前述の制御手段53は、画像処理手段68の変換処理を制御することに加えて、原稿画像データに対する各種の処理を制御する構成であって、たとえば中央処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)である。
【0143】
前述の原稿種別判断手段2では、局所的な領域から網点領域に属する画素を識別した情報と、大局的な濃度分布情報、具体的には前記局所的な領域に比べて大きな領域から得られる濃度分布情報とを組合わせて用いているので、画像における網点領域の種別を正確に判定することができる。これによって領域分離処理部69による処理を含む変換処理を、網点領域の種別に応じて適切に切換えることができる。したがって網点上文字領域および網点写真領域の高画質化を両立することができる。
【0144】
本実施の形態によれば、原稿画像の各画素が、網点領域に属するか否かが網点領域識別部3で識別される。網点領域識別部3で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度値に基づいて、平均濃度ヒストグラム50が算出されることによって、網点画像特徴量が網点種別特徴量算出部4で算出される。網点種別特徴量算出部4による網点画像特徴量に基づいて、原稿画像における網点領域の種別が網点画像種別判定手段で判定される。このように網点領域に属する画素だけの濃度値の分布情報である平均濃度ヒストグラム50を用いることによって、網点領域が有する複数種類の形態の画像の領域毎に、適した特徴量を算出することができるので、原稿画像における網点領域を細かく種別することができる。
【0145】
本実施の形態によれば、原稿画像が予め定める画像に画像処理手段68で変換処理される。網点画像種別判定部5の判定結果に基づいて、網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をするように、画像処理手段68が制御手段53によって制御される。これによって原稿画像が予め定める画像に変換処理される。網点領域の種別に応じた変換処理内容で変換処理するように制御して、網点領域が含まれる画像を予め定める画像に変換処理することができるので、網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合に生じる不具合をなくすことができる。また原稿画像における網点領域の種別に応じて画像処理手段68の変換処理、具体的には領域分離処理部69および空間フィルタ処理部71の各変換処理内容を、制御手段53が切換えることができる。これによって、多種多様な印刷物を原稿とする原稿画像に対して、画像形成時に形成される画像の高画質化を実現することができる。
【0146】
さらに本実施の形態によれば、網点領域が網点写真領域である場合、原稿画像が、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に画像処理手段の領域分離処理部69で精度よく分離される。網点領域の種別に応じて原稿画像を複数の領域に精度よく分離することによって、領域毎に適切に変換処理することができるので、分離された領域毎に画質を向上させることができる。
【0147】
さらに本実施の形態によれば、網点領域が網点写真領域である場合、モアレ抑制のための第2フィルタ79を用いて、空間フィルタ処理部71で空間フィルタ処理される。網点が下地として扱われる場合、文字を含むことが多いので、平滑化作用と強調作用とが混合されたような第1フィルタ78を用いて、空間フィルタ処理部71で空間フィルタ処理される。このように原稿画像における網点領域の種別に応じて空間フィルタ処理部71の処理内容を切換えるので、領域の種別に応じて適切な処理を行うことができ、画像形成時に形成される画像の高画質化を実現することができる。
【0148】
さらに本実施の形態によれば、原稿画像において、網点領域だけに関する濃度分布情報を用いることによって、原稿画像における網点領域の種別を精度よく、かつ簡単に行うことができるとともに、原稿画像における網点領域の種別に応じて、領域分離処理部69および空間フィルタ処理部71の各変換処理内容を切換えることができる。これによって画像形成装置60は、多種多様な印刷物を原稿とした原稿画像に対して、画像形成時に高画質な画像を形成することができる。
【0149】
図15は、画像処理装置1の画像処理方法に基づく処理の処理手順を示すフローチャートである。画像処理装置1の画像処理方法は、網点領域識別工程、網点種別特徴量算出工程および網点画像種別判定工程を含む。網点領域領域有無判定工程は、ステップs1における網点領域識別処理であって、入力される画像である原稿画像の各画素が、網点領域に属するか否かを識別する。
【0150】
網点種別特徴量工程は、ステップs2における処理であって、網点領域識別工程で、網点領域に属すると識別された各画素の画素値に基づいて、網点領域の特徴量を算出する特徴量算出工程である。網点画像種別判定工程は、ステップs3における処理であって、網点種別特徴量算出工程で算出される特徴量に基づいて、原稿画像における網点領域の種別を判定する。
【0151】
前述の画像処理方法は、原稿画像を予め定める画像に変換処理するステップs4、ステップs5、ステップs6およびステップs7における画像変換処理工程であって、網点画像種別判定工程の判定結果に基づいて、原稿画像における網点領域の種別に応じた変換内容で網点領域が含まれる画像、すなわち原稿画像の変換処理をする画像変換処理工程をさらに含む。
【0152】
画像変換処理工程は、原稿画像を、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離するステップs4の領域分離処理段階を有する。画像変換処理工程は、原稿画像を、領域の種別に応じた空間フィルタ処理するステップ5およびステップs7の空間フィルタ処理段階を有する。
【0153】
ステップs0では、画像処理装置1の画像処理方法に基づく処理を開始して、ステップs1に進む。ステップs1の網点領域識別工程では、原稿画像の各画素に対して網点領域識別処理されて、原稿画像の各画素が、網点領域に属するか否かが識別されて、ステップs2の網点種別特徴量算出工程に進む。
【0154】
ステップs2の網点種別特徴量算出工程では、網点領域に属すると識別された各画素に関して、平均濃度ヒストグラム50を算出する。具体的には網点領域に属すると識別された各画素の濃度値に基づいて、前述の平均濃度ヒストグラム50を算出し、その平均濃度ヒストグラム50に基づいて、濃度値の区分毎の度数を網点画像特徴量として算出して、ステップs3の網点画像種別判定工程に進む。
【0155】
ステップs3の網点画像種別判定工程では、網点種別特徴量算出工程で算出された網点画像特徴量に基づいて、度数合計値MAXを算出し、その度数合計値MAXに基づいて、原稿画像における網点領域の種別を判定する。ステップs3では、網点領域の種別が網点上文字領域である場合、ステップs6に進み、網点領域の種別が、網点写真領域である場合、ステップs4の領域分離段階に進む。
【0156】
ステップs4の領域分離処理段階では、原稿画像を、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離して、ステップs5の空間フィルタ処理段階に進む。
【0157】
ステップs5の空間フィルタ処理段階では、原稿画像を、領域の種別、具体的には網点領域の種別に応じて空間フィルタ処理する。具体的には空間フィルタ処理段階では、網点領域に対して平滑化フィルタ処理され、文字領域に対して鮮鋭強調処理される。空間フィルタ処理が終了すると、ステップs8に進んで画像処理方法に基づく処理のすべての処理手順を終了する。
【0158】
ステップs6では、原稿画像における網点領域の種別が、網点上文字領域であるので、領域分離処理段階における処理を行わずに、ステップs7の空間フィルタ処理段階に進む。
【0159】
ステップs7の空間フィルタ処理段階では、原稿画像を、領域の種別に応じた空間フィルタ処理する。具体的には原稿画像全体にわたって、低周波数成分を強調するとともに、高周波数成分を抑制するデジタルフィルタを用いて空間フィルタ処理して、ステップs8に進んで画像処理方法に基づく処理のすべての処理手順を終了する。
【0160】
図16は、ステップs1の網点領域識別工程における網点領域識別処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップa0では、網点領域識別処理を開始して、ステップa1に進む。
【0161】
ステップa1では、原稿画像の各画素に対して、エッジ判定処理する。具体的には原稿画像の各画素が、エッジ画素であるか否かを判定する。エッジ判定処理が終了すると、ステップa2に進む。
【0162】
ステップa2では、エッジ判定処理の処理結果を第1ブロックメモリ11に格納して、ステップa3に進む。
【0163】
ステップa3では、原稿画像の各画素に対して、対象画像部分抽出処理する。具体的には原稿画像の各画素が、対象画像部分46に含まれるか否かを判定する。対象画像部分抽出処理が終了すると、ステップa4に進む。
【0164】
ステップa4では、対象画像部分抽出処理の処理結果を第2ブロックメモリ13に格納して、ステップa5に進む。
【0165】
ステップa5では、第2ブロックメモリ13に格納される対象画像部分抽出処理の処理結果を用いて、第1特徴量を算出して、ステップa6に進む。
【0166】
ステップa6では、第1特徴量を用いてエッジ種別判定処理する。具体的にはエッジ判定処理の判定結果と第1特徴量とに基づいて、エッジ画素が、複数の領域のいずれに属するかを判定する。エッジ種別判定処理が終了すると、ステップa7に進む。
【0167】
ステップa7では、エッジ種別判定処理の処理結果を第3ブロックメモリ16に格納して、ステップa8に進む。
【0168】
ステップa8では、第3ブロックメモリ16に格納されるエッジ種別判定処理の処理結果を用いて、第2特徴量を算出し、ステップa9に進む。
【0169】
ステップa9では、第2特徴量を用いて網点領域判定処理する。具体的には第2特徴量に基づいて、原稿画像の各画素が、網点領域に属するか否かを判定する。網点領域判定処理が終了すると、ステップa10に進んで網点領域識別処理のすべての処理手順を終了し、図15に示すステップs2進む。
【0170】
前述のように領域の特性に適した第1特徴量および第2特徴量を用いることによって、網点領域に属する画素と文字領域に属する画素とを精度よく識別することができる。これによって網点領域識別工程で、原稿画像の各画素が網点領域に属するか否かを精度よく識別することができる。
【0171】
本実施の形態によれば、原稿画像の各画素が、網点領域に属するか否かが網点領域識別工程で識別される。網点領域識別工程で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度値に基づいて、平均濃度ヒストグラム50が算出されることによって、網点画像特徴量が網点種別特徴量算出工程で算出される。網点種別特徴量算出工程における網点画像特徴量に基づいて、原稿画像における網点領域の種別が網点画像種別判定工程で判定される。このように網点領域に属する画素だけの濃度値の分布情報である平均濃度ヒストグラム50を用いることによって、網点領域の複数種類の形態の画像の領域毎に、適した特徴量を算出することができるので、原稿画像における網点領域を細かく種別することができる。
【0172】
本実施の形態によれば、原稿画像が予め定める画像に画像変換処理工程で変換処理される。具体的には画像変換処理工程では、網点画像種別判定工程の判定結果に基づいて、原稿画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をする。これによって原稿画像が予め定める画像に変換処理される。網点領域の種別に応じた変換処理内容で、網点領域が含まれる画像を予め定める画像に変換処理することができるので、網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合に生じる不具合をなくすことができる。
【0173】
また原稿画像における網点領域の種別に応じて画像変換処理工程の変換処理、具体的には領域分離処理段階および空間フィルタ処理段階の各変換処理内容が切換えられる。これによって多種多様な印刷物を原稿とする原稿画像に対して、画像形成時に形成される画像の高画質化を実現することができる。
【0174】
さらに本実施の形態によれば、網点領域が網点写真領域である場合、原稿画像が、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に画像変換処理工程の領域分離処理段階で精度よく分離される。網点領域の種別に応じて原稿画像を複数の領域に精度よく分離することによって、領域毎に適切に変換処理することができるので、分離された領域毎に画質を向上させることができる。
【0175】
さらに本実施の形態によれば、網点領域が網点写真領域である場合、モアレ抑制のための第2フィルタ79を用いて、空間フィルタ処理段階で空間フィルタ処理される。網点が下地として扱われる場合、文字を含むことが多いので、平滑化作用と強調作用とが混合されたような第1フィルタ78を用いて、空間フィルタ処理段階で空間フィルタ処理される。このように原稿画像における網点領域の種別に応じて空間フィルタ処理段階の処理内容を切換えるので、領域の種別に応じて適切な処理を行うことができ、画像形成時に形成される画像の高画質化を実現することができる。
【0176】
さらに本実施の形態によれば、原稿画像において、網点領域だけに関する濃度分布情報を用いることによって、原稿画像における網点領域の種別を精度よく、かつ簡単に行うことができるとともに、原稿画像における網点領域の種別に応じて、領域分離処理段階および空間フィルタ処理段階の各変換処理内容を切換えることができる。このように処理することができる画像処理方法に従って、画像形成装置60に画像を形成させることによって、多種多様な印刷物を原稿とした原稿画像に対して、画像形成時に高画質な画像を形成することができる。
【0177】
本発明の実施の他の形態として、画像処理装置76および画像形成装置77は、前述の画像処理方法を利用可能であって、図1の仮想線で示されるプログラム読取り手段75を有する。本実施の形態では、プログラム読取り手段75は、画像処理装置76に設けられる。
【0178】
前述のプログラムをパッケージ化し、コンピュータ読取り可能な記録媒体74に記録する。プログラム読取り手段75が、記録媒体74に記録されるプログラムを読取ることによって、画像処理装置76および画像形成装置77に前述の画像処理方法に基づく処理を実行させることができる。
【0179】
前述のようにプログラム読取り手段75を画像処理装置1に設けることによって、画像処理装置76および画像形成装置77において、本発明に従う画像処理方法と異なる方法に基づく処理をする構成であった場合、画像処理方法のバージョンアップ、具体的には本発明に従う画像処理方法に変更することができる。これによって操作者は、画像処理装置76および画像形成装置77を新規に購入することなく、本発明に従う画像処理方法を実行することができる。
【0180】
また画像処理装置76および画像形成装置77の構成の他の例として、画像処理装置76および画像形成装置77のいずれか一方は、記録媒体74に記録されるプログラムの読取り手段75を備えるコンピュータと、ネットワークおよび通信回線を介して接続される構成であってもよい。この場合、コンピュータの読取り手段75で記録媒体74に記録されるプログラムを読取って、そのプログラムを前記ネットワークおよび通信回線を介して、画像処理装置76および画像形成装置77のいずれか一方に転送させる。転送されたプログラムを画像処理装置76および画像形成装置77のいずれか一方で実行させることによって、本発明に従う画像処理方法に基づく処理を実行することができる。
【0181】
前記記録媒体74は、マイクロコンピュータに含まれるメモリ、たとえばリードオンリーメモリ(Read Only Memory:略称ROM)であってもよいし、磁気テープおよびカセットテープなどのテープ系であってもよい。記録媒体74の他の例として、磁気ディスクの場合には、フレキシブルディスクおよびハードディスクであってもよい。
【0182】
光ディスクの場合には、記録媒体74は、コンパクトディスク−リードオンリーメモリ(compact disk−read only memory:略称CD−ROM)、マグネットオプティカル(mag neto optical:略称MO)、ミニディスク(minidisk:略称MD)およびデジタルバーサタイルディスク(digital versatile disk:略称DVD)であってもよい。
【0183】
さらにカードの場合には、記録媒体74は、メモリカードを含むアイシーカード(IC Card:略称ICカード)および光カードであってもよい。また記録媒体74は、半導体メモリであるマスクロム(mask read only memory:略称マスクROM)、イーピーロム(erasable programmable read only memory:略称EPROM)、イーイーピーロム(electrically erasable programmable read only memory:略称EEPROM)、およびフラッシュロムを含むとともに、固定的に前記プログラムを担持する媒体であってもよい。
【0184】
本実施の形態によれば、コンピュータに前述の画像処理方法を実行させることによって、画像処理方法に基づく処理を自動的に実行させて、原稿画像における網点領域の種別を細かく種別することができるとともに、領域の種別に応じて適切な処理、たとえば領域分離処理および空間フィルタ処理して、画像形成時に形成される画像の画質を向上させることができる。
【0185】
さらに本実施の形態によれば、原稿画像における網点領域の種別を判定し、その種別に応じて処理する画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを、コンピュータによって読取り可能な記録媒体74に記録させる。記録媒体74からコンピュータにプログラムを読込ませて、このプログラムをコンピュータに実行させることによって、原稿画像の種別に応じて適切な処理をすることができる。また本発明に従う画像処理方法をプログラムで表すことによって、コンピュータに容易に供給することができるとともに、汎用的なものとすることができる。
【0186】
前述の実施の各形態は、本発明の例示に過ぎず、構成を変更してもよい。たとえば平均濃度ヒストグラム50を用いる換わりに、網点領域に属する画素の濃度値とその度数との関係を表す濃度ヒストグラムを用いて、網点種別特徴量を算出する構成であってもよい。また領域分離処理部69は、網点領域識別部3を有する構成であってもよいし、このような構成である場合、原稿種別判定手段2の網点領域識別部3の換わりに、領域分離処理部69の網点領域識別部3を用いて原稿画像に網点領域が存在するか否かを判定する構成であってもよい。
【0187】
【発明の効果】
本発明によれば、入力される画像の各画素が網点領域に属するかが網点領域識別手段で識別される。網点領域は、複数種類の形態の画像の領域を含んでおり、たとえば網点と文字とが混在する網点上文字領域と、文字のない単なる網点だけから成る網点写真領域とを含む。複数種類の形態の画像の領域を含む網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合、たとえば網点上領域は、文字が劣化する不具合が生じる。このような不具合を防止して、画像における網点領域の種別に応じた処理ができるように、画像における網点領域を、細かく種別しなければならない。網点領域識別手段で網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、網点領域の特徴を表す特徴量が特徴量算出手段で算出され、その特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別が網点画像種別判定手段で判定される。このように網点領域の複数種類の形態の画像の領域毎に、適した特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
また、濃度分布における最大度数およびその濃度区分付近の度数を合せた合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量が算出される。前記合計度数が全体度数に占める割合は、網点上文字領域と網点写真領域とでは、明確に異なる。したがって前記合計度数の占める割合を用いて網点領域の特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
【0188】
また本発明によれば、入力される画像が、再現性が向上するように、予め定める画像に画像処理手段で変換処理される。網点画像種別判定手段の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をするように、画像処理手段が制御手段によって制御される。画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で変換処理するように制御して、網点領域が含まれる画像を予め定める画像に変換処理することができるので、網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合に生じる不具合をなくすことができる。
【0189】
また、入力される画像が、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に画像処理手段の領域分離処理部で分離される。入力される画像を複数の領域に分離することによって、分離される領域毎に画質が向上するように、領域毎に適切に処理することができる。
また、網点領域の種別の判定の結果に基づいて、画像の領域分離を行う否かが決定される。網点領域が網点上文字領域であれば、入力される画像は分離されない。網点領域が網点写真領域であれば、入力される画像は、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離される。このように網点領域が網点上文字領域であれば、均一な画像処理が行われる。
【0190】
た、入力される画像が、画像処理手段の空間フィルタ処理部で、領域の種別に応じて空間フィルタ処理される。領域の種別に応じて適切に空間フィルタ処理することによって、画像形成時に形成される画像の画質劣化を防止して、画像の画質を向上させることができる。
【0191】
また本発明によれば、原稿から読取った画像が、網点領域を含む場合、画像における網点領域の種別に応じて適切に処理することができるので、多種多様な印刷物を原稿とする画像に対して、高画質の画像を記録材に形成することができる。
【0192】
また本発明によれば、入力される画像の各画素が、網点領域に属するか否かが網点領域識別工程で識別される。網点領域は、複数種類の形態の画像の領域を含んでおり、たとえば網点と文字とが混在する網点上文字領域と、文字のない単なる網点だけから成る網点写真領域とを含む。複数種類の形態の画像の領域を含む網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合、たとえば網点上領域は、文字の画質が劣化する不具合が生じる。このような不具合を防止して、画像における網点領域の種別に応じた処理ができるように、網点領域を、細かく種別しなければならない。網点領域識別工程で網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、画像における網点領域の特徴を表す特徴量が特徴量算出工程で算出され、その特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別が網点画像種別判定工程で判定される。濃度分布は、網点領域の種類によって異なるので、濃度分布情報を用いて、網点領域の複数種類の形態の画像の領域毎に、適した特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
また、濃度分布における最大度数およびその濃度区分付近の度数を合せた合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量が算出される。前記合計度数が全体度数に占める割合は、網点上文字領域と網点写真領域とでは、明確に異なる。したがって前記合計度数の占める割合を用いて網点領域の特徴量を算出することによって、画像における網点領域を細かく種別し、網点上文字領域と網点写真領域とを、正確に種別することができる。
【0193】
また本発明によれば、画像変換処理工程で、入力される画像が、予め定める画像に変換処理される。具体的には画像変換処理工程で、網点画像種別判定工程の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像が変換処理される。画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で、網点領域が含まれる画像を予め定める画像に変換処理することができるので、網点領域を1種類の形態の画像の領域として扱う場合に生じる不具合をなくすことができる。
【0194】
た、入力される画像が、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に画像変換処理工程の領域分離処理段階で分離される。入力される画像を複数の領域に分離することによって、分離される領域毎に画質が向上するように、領域毎に適切に処理することができる。
た、網点領域の種別の判定の結果に基づいて、画像の領域分離を行う否かが決定される。網点領域が網点上文字領域であれば、入力される画像は分離されない。網点領域が網点写真領域であれば、入力される画像は、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離される。このように網点領域が網点上文字領域であれば、均一な画像処理が行われる。
【0195】
た、入力される画像が、画像変換処理工程の空間フィルタ処理段階で、領域の種別に応じて空間フィルタ処理される。領域の種別に応じて適切に空間フィルタ処理することによって、画像の画質劣化を防止して、画像の画質を向上させることができる。
【0196】
また本発明によれば、画像における網点領域の種別を判定し、その種別に応じて処理する画像処理方法をプログラムで表すことによって、コンピュータに画像処理方法に基づく処理を実行させる。これによってコンピュータによって画像処理方法に基づく処理を自動的に実行させて、入力される画像における網点領域の種別に応じて適切な処理をすることができる。
【0197】
また本発明によれば、画像における網点領域の種別を判定し、その種別に応じて処理する画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを、コンピュータによって読取り可能な記録媒体に記録させる。記録媒体からコンピュータにプログラムを読込ませて、このプログラムをコンピュータに実行させることによって、入力される画像における網点領域の種別に応じて適切な処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である画像処理装置1が備える原稿種別判定手段2の構成を示すブロック図である。
【図2】網点領域識別部3の構成を示すブロック図である。
【図3】第1ブロックメモリ11、第2ブロックメモリおよび第3ブロックメモリに格納される信号の関係を説明する図である。
【図4】エッジ判定部10の構成を示すブロック図である。
【図5】2次微分用フィルタ37のフィルタ係数の一例を説明するための図である。
【図6】対象画像部分抽出部12の構成を示すブロック図である。
【図7】第1局所画素ブロック26の一例を説明するための図であって、図7(1)は、2値化処理前の第1局所画素ブロック26を示し、図7(2)は、2値化処理後の第1局所画素ブロック26を示す。
【図8】図7に示される第1局所画素ブロック26内の各画素の濃度値と度数との関係の一例を示すグラフであって、図8(1)は、濃度ヒストグラム44を示し、図8(2)は、累積濃度ヒストグラムを示す。
【図9】第1局所画素ブロック26に対する第1特徴量の算出処理の一例を説明するための図である。
【図10】第2局所画素ブロック28の一例を説明するための図であって、図10(1)は、120線〜150線の中程度の線数を有する網点領域に対応する第2局所画素ブロック28を示し、図10(2)は、文字領域に対応する第2局所画素ブロック28を示す。
【図11】平均濃度ヒストグラム50の一例を示すグラフであって、図11(1)は、網点が下地である場合の平均濃度ヒストグラム50を示し、図11(2)は、網点が写真を表す場合の平均濃度ヒストグラム50を示す。
【図12】網点画像種別判定部5の構成を示すブロック図である。
【図13】画像形成装置60の構成を示すブロック図である。
【図14】空間フィルタ処理に用いられるデジタルフィルタの一例を説明するための図であって、図14(1)は、網点領域が、網点上文字領域である場合の第1フィルタ78を示し、図14(2)は、網点領域が、網点写真領域である場合の第2フィルタ79を示す。
【図15】画像処理装置1の画像処理方法に基づく処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】ステップs1の網点領域識別工程における網点領域識別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,76 画像処理装置
2 原稿種別判定手段
3 網点領域識別部
4 網点種別特徴量算出部
5 網点画像種別判定部
50 平均濃度ヒストグラム
53 制御手段
55 最大度数算出部分
56 度数閾値設定部分
57 網点種別設定部分
60,77 画像形成装置
62 画像入力装置
63 画像出力装置
68 画像処理手段
69 領域分離処理部
71 空間フィルタ処理部
74 記録媒体
75 プログラム読取り手段
78 第1フィルタ
79 第2フィルタ

Claims (7)

  1. 入力される画像の各画素が網点領域に属するかを識別する網点領域識別手段と、
    前記網点領域識別手段で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、画像における網点領域の特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    特徴量算出手段で算出される特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別を判定する網点画像種別判定手段とを含み、
    前記特徴量算出手段は、濃度分布における最大度数の濃度区分およびその付近の濃度区分の合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量を算出することを特徴とする画像処理装置。
  2. 入力される画像を、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離する領域分離処理部と、入力される画像を、領域の種別に応じた空間フィルタ処理する空間フィルタ処理部とによって、入力される画像を予め定める画像に変換処理する画像処理手段と、
    網点画像種別判定手段の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をするように、画像処理手段を制御する制御手段とをさらに含み、
    前記制御手段は、網点画像種別判定手段による網点領域の種別の判定の結果に基づいて、網点領域が網点上文字領域である場合、領域分離処理部に入力される画像を分離させず、網点領域が網点写真領域である場合、領域分離処理部に入力される画像を分離させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
  4. 入力される画像の各画素が網点領域に属するかを識別する網点領域識別工程と、
    前記網点領域識別工程で、網点領域に属すると識別された各画素の濃度の分布を表す濃度分布情報に基づいて、画像における網点領域の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    特徴量算出工程で算出される特徴量に基づいて、画像における網点領域の種別を判定する網点画像種別判定工程とを含み、
    前記特徴量算出工程では、濃度分布における最大度数の濃度区分およびその付近の濃度区分の合計度数が全体度数に占める割合に基づいて、網点領域の特徴量を算出することを特徴とする画像処理方法
  5. 入力される画像を、文字領域、網点領域および写真領域を含む複数の領域に分離する領域分離処理段階と、入力される画像を、領域の種別に応じた空間フィルタ処理する空間フィルタ処理段階とによって、入力される画像を予め定める画像に変換処理する画像変換処理工程であって、
    網点画像種別判定工程の判定結果に基づいて、画像における網点領域の種別に応じた変換処理内容で網点領域が含まれる画像の変換処理をする画像変換処理工程をさらに含み、
    前記画像変換処理工程では、網点画像種別判定工程における網点領域の種別の判定の結果に基づいて、網点領域が網点上文字領域である場合、入力される画像を分離せず、網点領域が網点写真領域である場合、領域分離処理段階に進んで入力される画像を分離することを特徴とする請求項記載の画像処理方法。
  6. 請求項4または5のいずれか1つに記載の画像処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  7. 請求項記載のプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能な記録媒体
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