JP4183853B2 - シール検査用治具およびシール検査方法 - Google Patents

シール検査用治具およびシール検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4183853B2
JP4183853B2 JP20720299A JP20720299A JP4183853B2 JP 4183853 B2 JP4183853 B2 JP 4183853B2 JP 20720299 A JP20720299 A JP 20720299A JP 20720299 A JP20720299 A JP 20720299A JP 4183853 B2 JP4183853 B2 JP 4183853B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
box
sheet
seal inspection
space
functional film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20720299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001033342A (ja
Inventor
文裕 寺下
昭彦 宮永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibata Industrial Co Ltd
Original Assignee
Shibata Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibata Industrial Co Ltd filed Critical Shibata Industrial Co Ltd
Priority to JP20720299A priority Critical patent/JP4183853B2/ja
Publication of JP2001033342A publication Critical patent/JP2001033342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4183853B2 publication Critical patent/JP4183853B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)
  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はシール検査用治具及びシール検査方法に関し、特にゴムシート等を布設した場合のシート接合部等のシール性の検査を行なうためのシール検査用治具及びシール検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来のシール検査用治具の概略平面図であり、図14は図13のXIV−XIVラインの断面図である。尚、このシール検査用治具によるシール検査はJIS Z 2329の試験方法に準拠して行なわれるものである。
【0003】
これらの図を参照して、シール検査用治具101は下方が開放された形状を有した箱体102より構成され、その下方端部の周囲全周に、被検査部とのシール性を保持するための密着用部材103が形成されている。またシール検査用治具101の上面には開口24が形成されており、使用時にはこの開口24に吸引用ダクト25が接続される。この例においては、ゴム性材料より成る防水シート22及び防水シート21がそれらの端部で重ね合わされており、その接合部27において接着されている。そして、シール検査用治具は、防水シート21と防水シート22の接合部27のシール性を検査するために用いられる。
【0004】
具体的には、上方に重ねられている防水シート21の第2接合端部29に発泡液104を塗布し、この塗布された第2接合端部29を囲うように箱体102を設置する。箱体102の周囲は密着用部材103によって防水シート21及び防水シート22に押圧されて密着用部材103の弾性力によって密着状態となり、この部分のシール性が確保される。
【0005】
この状態で吸引用ダクト25に接続されている例えば真空ポンプ等を駆動して、箱体102の内部の空気を吸引し箱体102内を減圧する。すると、接合部27にシール不良等があれば、箱体102の内部の減圧に伴って、防水シート22の第1接合端部28、接合部27及び第2接合端部29を介して外気が箱体102に流入する。そして、流入した気体は、発泡液104内を通過してこれを発泡させることになる。箱体102は外部から透視できるように構成されているため、発泡液104の発泡状態を目視することができる。これによって、接合部27のシール性の良否を判断することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシール検査用治具では、上記のようにシート接合部に直接発泡液を塗布する。そして、検査終了後、シート接合部に補強テープをさらに貼って接合等の加工を行なったり、シーリング材を布設して完全にシールする場合が多い。しかし、発泡液は一般には界面活性剤等を含んでいる場合が多いため、これらの後処理が発泡液の残存によって不具合を生じるおそれがある。そこで、シール検査後には塗布した発泡液を除去しなければならなかった。
【0007】
しかしながら、シート接合部の数が多かったり、または1つの接合部の長さが長い場合などは、除去しなければならない発泡液の量も多くなり、その作業に多くの時間と労力を要していた。さらに、シール性に不良があった場合、その個所を補修するために発泡液を除去する必要がある。そのため、すぐに補修作業にかかることができず、補修作業の効率の低下を招くことにもなる。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、シート接合部等に発泡液等を塗布することなく、シート接合部等のシール性の検査を行ない得るシール検査用治具及びシール検査方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シート接合部、又はシート欠陥部のシール性を検査するためのシール検査用治具であって、検査すべきシート接合部等の周囲を囲うように設置できる箱体と、箱体内部をシート接合部等側の第1空間と他の第2空間とに区画するように箱体内に張設され、通気性を有しかつ非通水性を有する機能膜と、機能膜のシート接合部等に対して反対面に保持された、気体の通過によって変化する液体と、第2空間と箱体の外部との間の通気を可能とする通気手段とを備えたものである。
このように構成すると、シート接合部等に対する気体の通過の有無は、機能膜に対する気体の通過の有無となって現れる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、箱体が透明性を有する材料より成るものである。
このように構成すると、箱体内部を外部から視認することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、機能膜が、箱体の端部近傍に設けられるものである。
このように構成すると、第1空間の容積が小さくなる。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、第1空間を、シート接合部等に面する複数の区画に分割する隔壁をさらに備えたものである。
このように構成すると、各区画に面するシート接合部等に対する気体の通過の有無は、各区画に対応する機能膜の部分における気体の通過の有無として現れる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、シール検査用治具は、複数の独立した箱体ユニットから構成されており、箱体ユニットの各々には、機能膜が張設され、かつ箱体ユニットの各々の第2空間同士を連通させる開口が形成され、少なくとも箱体ユニットの1つに、その第2空間と外部との間の通気を可能とする開口が形成されているものである。
このように構成すると、シート接合部等の位置、範囲に応じてシール検査用治具を容易に組み立てられる。
【0014】
請求項6記載の発明は、シート接合部、又はシート欠陥部のシール性を検査するためのシール検査用治具であって、検査すべきシート接合部等の周囲を囲うように設置できる箱体と、箱体内部をシート接合部等側の第1空間と他の第2空間とに区画するように箱体内に張設され、通気性を有しかつ非通水性を有し、通気によって変化を生じる液体を挟むように保有している第1機能膜及び第2機能膜と、第2空間と箱体の外部との間の通気を可能とする通気手段とを備えたものである。
このように構成すると、シート接合部等に対する気体の通過の有無は、第1機能膜及び第2機能膜によって保持された液体の変化の有無となって現れる。
【0015】
請求項7記載の発明は、シート接合部、又はシート欠陥部のシール性を検査するためのシール検査方法であって、シート接合部等によって区画された2つの空間に圧力差を加え、シート接合部等を介して移動する場合の気体を、通気性を有しかつ非通水性を有する機能膜に通過させ、機能膜のシート接合部等に対する反対面に保持された液体の変化によってシール性を検査するものである。
このように構成すると、シート接合部等がシール不良の場合、機能膜に形成された液体が変化する。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、シート接合部等の機能膜側の空間を減圧するものである。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、シート接合部等の機能膜側と反対側の空間を加圧するものである。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、シート接合部等に対する気体の通過の有無は機能膜に対する気体の通過の有無となって現れる。従って、機能膜のシート接合部等に対して反対面に発泡液等の気体の通過によって変化する液体が形成されているので、シート接合部等のシール性をシート接合部等に直接液体を塗布することなく検査できる。そのため、検査終了後にシート接合部等からこの検査用液体を除去する必要がない。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、箱体内部を外部から視認できるので、機能膜に保持された液体の変化を容易に外部から把握することができる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、第1空間の容積が小さくなるので、検査時の機能膜における気体の通過に対する第1空間の影響が少なくなり、より正確な検査が可能となる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、各区画に面するシート接合部等に対する気体の通過の有無は各区画に対応した機能膜の部分に対する気体の通過の有無として現れるので、シート接合部等のシール性不良の位置をより細かく特定できる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、シート接合部等の位置等に応じてシール検査用治具を組み立てられるので、使い勝手がよい。そして、各箱体ユニットが面しているシート接合部等の各々のシール性の有無を一度の組み立て作業によって容易に検査することができる。
【0023】
請求項6記載の発明は、検査ごとに発泡液等の塗布をすることなく、シール性の検査を行なうことが可能となるため、より使い勝手が向上する。
【0024】
請求項7記載の発明は、シート接合部等がシール不良の場合機能膜に形成された液体が変化するので、シート接合部等に液体を塗布することなく、そのシール性を検査することができる。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、シートの一方面を壁等の固体に布設した場合に、他方面からだけでシート接合部等のシール性の検査が可能となる。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、シートが鉄板等の剛体で独立して設置されているような場合、シート接合部等のシール性の検査が容易となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態によるシール検査用治具の使用状態を示した概略図であり、図2は図1のII−IIラインから見た図であり、図3は図1のIII−IIIラインの断面図である。
【0028】
これらの図を参照して、シール検査用治具20は、例えばガラス板や透明性を有するアクリル板等の合成樹脂板によって形成され、下部が開放の直方体形状の箱体23と、箱体23の開放端部の周囲全周に形成されたゴムスポンジ等の非通気性の弾性材料から成る密着用部材26と、箱体23の内部側壁に箱体23の開放面と平行な面に張設された機能膜31と、箱体23の上面に形成された開口24とから構成されている。
【0029】
機能膜31はその厚さが誇張されて描かれているが、通気性を有しかつ非通水性を有する材料よりなっており、例えば、ゴアテックス(登録商標)等の名称で販売されている、いわゆる防水防湿膜を使用することが可能である。箱体23は30cm角程度の大きさをしており、密着用部材26の高さは4cm程度のものが使用されている。図ではその厚さが誇張されて描かれているが、被検査対象である防水シート21及び防水シート22は、各々3mm程度の厚さのゴムシートを対象としている。密着用部材26は、これらを重ね合わせた場合の3mm程度の段差を吸収して、箱体23の開放端部における防水シート21および防水シート22に対する密着度を向上させてシールし、その部分からの気体の移動を阻止するために設けられている。
【0030】
次に、このシール検査用治具20の使用方法について説明する。
図のように防水シート22の上に防水シート21が重ね合わされており、この重ね合わされた部分すなわち接合部27のシール性を検査するものとする。
【0031】
検査に先立ち、機能膜31の箱体23の開放端側とは反対面にJIS Z 2329に規定されている発泡液32を塗布しておく。なお、状況によっては石鹸水等の液体洗剤を用いても良い。従って、従来のように、第1接合端部28や第2接合端部29に発泡液を塗布する必要はない。そして、箱体23の上面に形成された通気手段となる開口24に吸引用ダクト25を接続し、吸引用ダクト25は図示しない真空ポンプ等の吸引装置に接続される。
【0032】
このようにシール検査用治具20を準備した後、接合部27の形成方向に沿って箱体23を被せるように設置する。すなわち、検査すべき位置の第2接合端部29の周囲を囲うように箱体23を設置する。これによって、箱体23内部は、機能膜31と防水シート21及び防水シート22の面との間に形成される第1空間35と、機能膜31に形成された発泡液32と箱体23の上面との間に形成された第2空間36とに区画されることになる。
【0033】
この状態で、吸引用ダクト25に接続されている真空ポンプ等を駆動させる。これによって、第2空間36の空気は所定量吸引されることになる。これに伴って、第1空間35内の空気も所定量機能膜31を介して吸引されることになる。通常、このような減圧方法によるシールの検査においては、その真空度は500mmHg程度で実施される。
【0034】
次に、シート接合部のシール性の良否の判断について説明する。
まず、接合部27のシール性に不良がない場合を想定する。この場合、第1空間35が減圧状態となっても、第1接合端部28、接合部27及び第2接合端部29を介して外気が流入することはない。このため吸引用ダクト25を介しての初期の吸引によって第1空間35と第2空間36との圧力が平衡状態となった時には、それ以降の機能膜31を介しての第1空間35から第2空間36への気体の移動は生じない。そのため、初期の吸引によって発泡液32が若干発泡等の変化を生じても、その変化は収まり、以後発泡しない状態となる。この状態を箱体23の外部から視認することによって、検査すべき接合部27のシール不良がないと判断することができる。
【0035】
一方、検査すべき部分の接合部27にシール性に不良がある場合を想定する。この場合、第1空間35は減圧状態となっているため、第1接合端部28、接合部27及び第2接合端部29を介して外気が第1空間35に常時流入することになる。そしてこの流入空気は、連続して機能膜31を介して第2空間36に移動し、さらに吸引用ダクト25を介して外部へ吸引される。従って、機能膜31を気体が通過する状態が継続することになり、発泡液32の発泡が連続的に生じることになる。この発泡液32の状態を箱体23の外部から視認することによって、検査すべき接合部27の部分にシール不良が存在することが判明する。
【0036】
この場合、シール検査用治具20をその部分から取り除いて直ちに接合部27の不良部分の補修を行なうことができる。すなわち、従来のように第1接合端部28や第2接合端部29の部分に発泡液を塗布していないため、これを取り除く必要はない。補修が終了すると、また同様にシール検査用治具20を設置することによって、補修後の接合部27のシール性の良否を再度検査することが容易となる。
【0037】
尚、この実施の形態においては、機能膜31を箱体23の内部側壁の中央部分に張設しているが、箱体23の内部側壁の開放端部側近傍に張設するようにすればより好ましいものとなる。このように機能膜31を張設すると、第1空間35の容積がより小さくなり、吸引用ダクト25を介しての初期の吸引による第1空間35から第2空間36へ移動する気体の量がより小さくなる。これによって、初期の吸引時における発泡液32の変化をより小さく抑えることが可能となる。結果として、初期吸引時による発泡液32の変化がより小さく抑えられ、接合部27のシール性の不良による発泡液32の変化がより明確になる。
【0038】
図4はこの発明の第2の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図であり、先の第1の実施の形態による図3に対応した図である。
図を参照して、このシール検査用治具20を構成する箱体23の上面には、ヒンジ42によって開閉可能な蓋41が形成されている。これによって、機能膜31の上面に発泡液32を塗布する作業がより簡便となる。
このため、この実施の形態においては、箱体23の側壁に吸引用ダクト25を接続するための開口24が形成されている。
【0039】
図5はこの発明の第3の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図であり、第1の実施の形態による図3に対応した図である。
図を参照して、このシール検査用治具20の箱体23は、防水シート21及び防水シート22側に設置するための下部箱体46と、下部箱体46に着脱自在でかつシール状態で外嵌できる上部箱体45とによって構成されている。上部箱体45の上面には開口24が形成され、これに吸引用ダクト25が接続されている。このように構成すると、上部箱体45を下部箱体46から取り外した状態で、機能膜31の上に発泡液32をより簡単に塗布することが可能となる。この場合、上部箱体45のみを透明性材料より構成しておき、下部箱体46は不透明な材料によって構成してもよい。
【0040】
図6はこの発明の第4の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図であり、図7は図6のVII−VIIラインの断面図である。
これらの図を参照して、このシール検査用治具20においては、機能膜31の箱体23の開放側の領域を第1区画53、第2区画54及び第3区画55の各区画に分割するための第1隔壁51及び第2隔壁52が形成されている。また第1隔壁51及び第2隔壁52の開放側端部には箱体23の開放端端部に形成されている密着用部材26と同じ材質の密着用部材30及び密着用部材33が形成されている。
【0041】
このようにシール検査用治具を構成すると、図7に示されているように、検査すべき第2接合端部29の第1検査部61、第2検査部62及び第3検査部63の各々のシール性の有無を1度の検査で確認することが可能となる。
【0042】
例えば、第2接合端部29の第1検査部61の部分にシール性の不良があったと想定する。この場合、第1検査部61から第1区画53に気体が流入し、流入した気体は第1区画53の上方に形成されている機能膜31の部分を介して第2空間36に移動する。そのため、第1区画53の上方に塗布された発泡液32の部分が発泡することになる。この発泡液32の発泡位置を箱体23の外方から目視することによって、第1検査部61のシール性の不良が判明する。
【0043】
同様に第2検査部62や第3検査部63の位置にシール性の不良があった場合にも、それらの上方部に塗布された発泡液32の部分が発泡を生じることになり、これらのシール性の不良を判断することが同時に可能となる。
【0044】
図8はこの発明の第5の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図であり、第1の実施の形態による図3に対応した図である。
図を参照して、このシール検査用治具20はそれぞれが独立して移動及び設置が可能な第1箱体ユニット65、第2箱体ユニット66及び第3箱体ユニット67から構成される。すなわち第1箱体ユニット65には、その内側壁に第1機能膜68が張設されており、その上に第1発泡液71が塗布されている。同様に第2箱体ユニット66には第2機能膜69が張設され、その上に第2発泡液72が塗布されている。さらに第3箱体ユニット67には、第3機能膜70が張設されており、その上に第3発泡液73が塗布されている。また、第1箱体ユニット65、第2箱体ユニット66及び第3箱体ユニット67の各々の側壁の開放側端部には、密着用部材26が形成されており、防水シート21及び防水シート22とのシール性を確保する。
【0045】
第2箱体ユニット66の両側に位置する第1箱体ユニット65及び第3箱体ユニット67の各々には、その内側壁の一方に第1開口74及び第4開口77が形成されている。一方、中央に位置する第2箱体ユニット66の内側壁の各々には第2開口75及び第3開口76が形成されている。これによって、第1箱体ユニット65の第1発泡液71の上方の空間と第2箱体ユニット66の第2発泡液72の上方の空間とは第1開口74及び第2開口75によって連通することになる。
【0046】
同様に第2箱体ユニット66の第2発泡液72上の空間と第3箱体ユニット67の第3発泡液73上の空間とも第3開口76及び第4開口77を介して連通することになる。さらに中央に設置される第2箱体ユニット66の上面には吸引用ダクト25が接続される開口24が形成されている。
【0047】
このようにシール検査用治具を構成することによって、第1箱体ユニット65、第2箱体ユニット66及び第3箱体ユニット67の各々の開放面によって囲われる部分の防水シート21及び防水シート22の接合部のシール性の有無を一度に判断することが可能となる。そして、シール検査用治具20を複数の箱体ユニットによって構成することによって、検査対象の検査範囲、検査形状に応じて現場にて容易に組み立てることが可能となり、使い勝手が向上する。
【0048】
尚、開口24は中央に設置されている第2箱体ユニット66に形成されているが、これに代えて第1箱体ユニット65又は第3箱体ユニット67の上面に開口24を形成してもよい。すなわち、相互に連通した空間に対して、少なくともその空間の気体を吸引することができる開口が1つ形成されていればよいことになる。
【0049】
図9はこの発明の第6の実施の形態によるシール検査用治具の要部断面図である。
図を参照して、先の実施の形態の各々に示されている機能膜31に代えて、発泡液83を上下に挟んだ第1機能膜81及び第2機能膜82を箱体23の内側壁に張設したものである。このようにすると、検査によって移動する気体は、図で点線の矢印で示すように、第1機能膜81発泡液83及び第2機能膜82を通過することになる。このため、発泡液83の発泡変化が、実線の矢印で示すように、箱体23の外方部から視認することが可能となる。
【0050】
そして、第1機能膜81及び第2機能膜82は、通気性を有しかつ非通水性を有するものであるため、発泡液83を常時その間に保有することが可能となる。従って、先の第1の実施の形態のように検査の度に機能膜31の上に発泡液32を塗布する必要はなく、より使い勝手が向上する。尚、第2機能膜82が透明性を有する材料によって構成することができれば、その上方部から発泡液83の変化を視認することができるため、より正確に発泡液83の変化を把握することができ、好ましいものとなる。
【0051】
図10はこの発明の各実施の形態によるシール検査用治具を、トンネル内壁に布設されたシートの接合部のシール検査に用いた状態を示した図であり、図11は図10の“X”部分の拡大断面図である。
【0052】
これらの図を参照して、コンクリート等によって構成されたトンネル壁85の内壁表面に防水シート21及び防水シート22が両面テープ等で接着されて布設されている。これらの防水シート21及び防水シート22の布設は、トンネル壁85内の防水を目的とするものである。従って、防水シート21及び防水シート22の接合部27の部分のシール性を検査する必要がある。そこで防水シート22の検査すべき第2接合端部29を囲うようにシール検査用治具20を被せて、その端部で防水シート21及び防水シート22を押圧するように設置する。このようにして、第2接合端部29に直接発泡液を塗布することなく、所定の検査個所を次々と検査することが可能となる。
【0053】
図12は、この発明の各実施の形態によるシール検査用治具を複数用いて、トンネル内に布設されたシートのシール性の検査を行っている状態を示した概略図である。
図を参照して、トンネル壁85の内壁に形成された防水シートの接合部のうち、検査すべき個所に応じて、シール検査用治具20a,シール検査用治具20b及びシール検査用治具20cを並列的に設置する。そして、同時にシール性の検査を行なうことによって、より広い範囲の接合部のシール検査を1度に実施することが可能となる。
【0054】
このようにして、トンネル壁85の内壁部分を次々と検査することが可能となり、検査に要する作業をより効率化することが可能となる。
尚、図10から図12においては、トンネルにおける防水シートの接合部を被検査対象としているが、これに限らず、例えば廃棄物処分場における遮水シートの接合部や、ため池における利水シートの接合部、さらに屋上防水における防水シートの接合部に対してもこの発明のシール検査用治具を同様に用いることが可能である。
【0055】
また、上記の各実施の形態では、シール性の検査対象をシート接合部としているが、これに代えてシートのピンホール等のシート欠陥部を対象としてのシール検査にも本願発明を同様に適用することができる。
【0056】
さらに、上記の各実施の形態においては、箱体の側壁を四角筒形状としているが、形状はこれにかぎらず、円筒形状や他の筒形状であってもよい。
さらに、上記の実施の形態においては、被検査対象をゴムシートとしているが、鉄板等の金属板の接合部にも本発明を適用できる。
【0057】
さらに、上記の実施の形態においては、シール検査用治具内を減圧して検査することとしているが、被検査対象によっては、治具取付け面の反対面を加圧状態として検査してもよい。例えば、被検査対象が金属板等の剛体であって、シール検査用治具の設置面の反対面から加圧できるような場合、その反対面を加圧することによってシート接合部を検査することも可能である。
【0058】
さらに、上記の各実施の形態では、発泡液を用いているが、気体の通過によって変化が現れる物であれば、他の液体等をこれに代えて用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるシール検査用治具の使用状態の平面図である。
【図2】図1のII−IIラインから見た図である。
【図3】図1のIII−IIIラインの断面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図である。
【図5】この発明の第3の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図である。
【図6】この発明の第4の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図である。
【図7】図6のVII−VIIラインの断面図である。
【図8】この発明の第5の実施の形態によるシール検査用治具の概略断面図である。
【図9】この発明の第6の実施の形態によるシール検査用治具の要部拡大断面図である。
【図10】この発明の各実施の形態によるシール検査用治具の使用状態を示した図である。
【図11】図10の“X”部分の拡大断面図である。
【図12】この発明の各実施の形態によるシール検査用治具の使用状態の他の例を示した図である。
【図13】従来のシール検査用治具の使用状態の平面図である。
【図14】図13のXIV−XIVラインの断面図である。
【符号の説明】
20 シール検査用治具
21 防水シート
22 防水シート
23 箱体
25 開口
27 接合部
31 機能膜
32 発泡液
35 第1空間
36 第2空間
51 第1隔壁
52 第2隔壁
53 第1区画
54 第2区画
55 第3区画
65 第1箱体ユニット
66 第2箱体ユニット
67 第3箱体ユニット
68 第1機能膜
69 第2機能膜
70 第3機能膜
74 第1開口
75 第2開口
76 第3開口
77 第4開口
81 第1機能膜
82 第2機能膜
83 発泡液
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (9)

  1. シート接合部、又はシート欠陥部のシール性を検査するためのシール検査用治具であって、
    検査すべきシート接合部等の周囲を囲うように設置できる箱体と、
    前記箱体内部を前記シート接合部等側の第1空間と他の第2空間とに区画するように前記箱体内に張設され、通気性を有しかつ非通水性を有する機能膜と、
    前記機能膜の前記シート接合部等に対して反対面に保持された、気体の通過によって変化する液体と、
    前記第2空間と前記箱体の外部との間の通気を可能とする通気手段とを備えた、シール検査用治具。
  2. 前記箱体は、透明性を有する材料より成る、請求項1記載のシール検査用治具。
  3. 前記機能膜は、前記箱体の端部近傍に設けられる、請求項1または請求項2記載のシール検査用治具。
  4. 前記第1空間を、前記シート接合部等に面する複数の区画に分割する隔壁をさらに備えた、請求項1または請求項2記載のシール検査用治具。
  5. 前記シール検査用治具は、複数の独立した箱体ユニットから構成されており、
    前記箱体ユニットの各々には、前記機能膜が張設され、かつ前記箱体ユニットの各々の第2空間同士を連通させる開口が形成され、
    少なくとも前記箱体ユニットの1つに、その第2空間と外部との間の通気を可能とする開口が形成されている、請求項1記載のシール検査用治具。
  6. シート接合部、又はシート欠陥部のシール性を検査するためのシール検査用治具であって、
    検査すべきシート接合部等の周囲を囲うように設置できる箱体と、
    前記箱体内部を前記シート接合部等側の第1空間と他の第2空間とに区画するように前記箱体内に張設され、通気性を有しかつ非通水性を有し、通気によって変化を生じる液体を挟むように保有している第1機能膜及び第2機能膜と、
    前記第2空間と前記箱体の外部との間の通気を可能とする通気手段とを備えた、シール検査用治具。
  7. シート接合部、又はシート欠陥部のシール性を検査するためのシール検査方法であって、
    シート接合部等によって区画された2つの空間に圧力差を加え、
    シート接合部等を介して移動する場合の気体を、通気性を有しかつ非通水性を有する機能膜に通過させ、
    前記機能膜の前記シート接合部等に対する反対面に保持された液体の変化によってシール性を検査する、シール検査方法。
  8. 前記シート接合部等の前記機能膜側の空間を減圧する、請求項7記載のシール検査方法。
  9. 前記シート接合部等の前記機能膜側と反対側の空間を加圧する、請求項7記載のシール検査方法。
JP20720299A 1999-07-22 1999-07-22 シール検査用治具およびシール検査方法 Expired - Lifetime JP4183853B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20720299A JP4183853B2 (ja) 1999-07-22 1999-07-22 シール検査用治具およびシール検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20720299A JP4183853B2 (ja) 1999-07-22 1999-07-22 シール検査用治具およびシール検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001033342A JP2001033342A (ja) 2001-02-09
JP4183853B2 true JP4183853B2 (ja) 2008-11-19

Family

ID=16535937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20720299A Expired - Lifetime JP4183853B2 (ja) 1999-07-22 1999-07-22 シール検査用治具およびシール検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4183853B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4662105B2 (ja) * 2001-06-21 2011-03-30 シバタ工業株式会社 地盤の変形に対するシート材の評価試験方法およびその装置
JP2006177931A (ja) * 2004-11-25 2006-07-06 Mitsuboshi Belting Ltd 遮水シートの欠陥検知方法およびそれに用いる検知装置
JP4724807B2 (ja) * 2007-04-20 2011-07-13 飛島建設株式会社 コンクリート壁気密性測定装置及びそれを用いた気密性調査方法
KR100986670B1 (ko) 2008-09-29 2010-10-08 한국전력공사 방수 성능 시험 장치
JP2013002854A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Unipres Corp 燃料タンクの気密検査方法
CN102818685B (zh) * 2012-07-11 2014-11-19 马恒达悦达(盐城)拖拉机有限公司 拖拉机箱体气密性试验系统
CN104075854B (zh) * 2014-06-30 2017-02-15 中南大学 盾构管片接头抗渗性能试验装置
CN104819810A (zh) * 2015-05-14 2015-08-05 广西金达造船有限公司 一种检测板类零件密封性能的方法
CN108956037A (zh) * 2018-09-30 2018-12-07 广西玉柴机器股份有限公司 一种用于检测空气压缩机泄漏的方法及检测装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001033342A (ja) 2001-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4183853B2 (ja) シール検査用治具およびシール検査方法
US8557167B2 (en) Composite material manufacturing device and composite material manufacturing method
WO2008086508A3 (en) System for detecting and sealing dry fit connections in a piping assembly
JP2545906Y2 (ja) 防水ケースの検査装置
CN103743531A (zh) 一种用于管系穿舱件的密性工装及其安装方法
WO2005014141A1 (ja) 仕切り部材付きケース
ATE472439T1 (de) Dichtung für die trennwand eines kraftfahrzeuges
JPS61175540A (ja) 防水シ−トの検査方法
JPH04102037A (ja) シート材の洩れ検査方法とその装置
JP2006328836A (ja) ゴム袋体の補修方法
KR20140112549A (ko) 보일러 수냉 벽의 용접부 검사 장치 및 용접부 검사 방법
JPH0336655Y2 (ja)
JPH08200509A (ja) インフレートシール部材
JP4427147B2 (ja) 密閉式シート防水構造
JP2525990Y2 (ja) 自動車の観音開きドアの補助水封部材構造
JP2770263B2 (ja) 遮水シート接合部欠損箇所検知法及び遮水シート接合部欠損箇所検知法用粘着部材
JP2003343045A (ja) 防水シートの施工方法
CN213543939U (zh) 用于检验胶合剂接合件的密封性的检验设备
JP3597734B2 (ja) 管ライニング材への樹脂含浸方法
JP2001310107A (ja) 形状安定性のあるフイルター要素
JPH0124609Y2 (ja)
CN113152523A (zh) 地下管廊防水结构及施工方法
JPH0893068A (ja) 目地構造
RU4823U1 (ru) Накладная вакуумная камера
JP3881406B2 (ja) 函体の接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080812

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080903

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4183853

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140912

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term