JP4183495B2 - 冷蔵庫の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ制御された冷蔵庫の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のインバータ制御された冷蔵庫は、省エネ化が進み、圧縮機の回転数の低速化も進んでいるが、筐体の断熱性能も向上しており、比較的周囲温度の低い状態では、圧縮機を最低回転数で運転しても庫内温度が低下する傾向となり、圧縮機の運転を停止することがあり一定の電力を消費し無駄となっている。また、インバータ制御にはコンデンサインプット型整流回路を使用するため大きな電解コンデンサを使用していて、ACーDCコンバータあるいはDCーDCコンバータを用いてインバータのドライブ電源や制御回路の電源を供給している。従って、庫内が冷却され圧縮機が停止したとき、ACーDCコンバータあるいはDCーDCコンバータの電源が供給されており、インバータ制御回路は圧縮機の運転停止時にも、一定の電力を消費しており無駄となっている。
【0003】
これに対し、従来、圧縮機停止中の制御回路および制御電源の消費を低減させる方法が構成されている。(例えば、特許文献1参照)
図3は従来例における冷蔵庫の制御装置の回路図である。
【0004】
図3において、61は商用電源であり、例えば一般家庭における100V50Hzの交流電源である。62は商用電源61を整流するダイオードブリッジ等の整流回路である。63は整流回路62からの出力電圧を平滑化する電解コンデンサである。64は電解コンデンサ63の出力の両端の電圧を電流とするインバータであり、65はインバータ64によって運転される圧縮機である。66は庫内に配置し、庫内温度を検出するバイメタル等の接点型の温度センサである。
【0005】
67は整流回路の入力側の交流電源ライン両端を入力とするACーDCコンバータであり、トランス等で構成される。68は制御部であり、ACーDCコンバータ67の出力を電源入力として、圧縮機運転指令の遮断手段を受けてインバータ64の制御を行う。
【0006】
以上のように構成された冷蔵庫の制御装置について、つぎにその動作を図3を用いて説明する。
【0007】
電源投入後、冷蔵庫の庫内温度tが設定された温度Tよりも大きいと、温度センサ66がONし、ACーDCコンバータ67が動作して、制御部68への電源が供給される。次に制御部68から運転指令が出力され、圧縮機65がインバータ64により運転される。
【0008】
冷蔵庫の庫内温度tが設定された温度Tよりも小さいと、温度センサ66がOFFし、ACーDCコンバータ67への入力が遮断される。次に制御部68への電源供給も遮断されて、圧縮機65が停止する。このように庫内温度によって圧縮機65がON/OFFを繰り返す動作によって冷蔵庫は制御される。
【0009】
以上のような動作で圧縮機停止時は、温度センサ66が整流回路への交流電源入力には依存しない位置にあるため、電解コンデンサ63は充電された状態が継続する。次に庫内温度が上昇し、圧縮機65が再起動する時、電解コンデンサ63の電荷は充電された状態にあるので、大きな突入電流が流れない。
【0010】
このように、圧縮機65の再起動時に電解コンデンサ63が充電されていて、大きな突入電流が流れないため、突入電流防止回路を設ける必要もなく、圧縮機停止時にはACーDCコンバータの入力を遮断するので、圧縮機停止時の消費電力が更に低減できるという冷蔵庫の制御装置を提供することができる。
【0011】
しかしながら、上記の事例においては、圧縮機65が運転停止時の消費電力をほぼゼロとできるが、温度制御自体は接点型の温度センサ66に頼るため温度精度が悪くなってしまう恐れがあり、また、圧縮機停止中は制御回路自体が停止するため庫内温度を表示するなどのサービス機能が低下していた。
【0012】
【特許文献1】
特開平11ー101541号公報(第3ー4頁、第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記の問題点に鑑み、冷蔵庫の制御方式について、冷蔵庫本来の制御を行う第一制御部と、圧縮機のインバータ制御を行う第二制御部に構成することにより、第一制御部に庫内温度表示などの高度なサービス機能を持たせながら、圧縮機停止時に第二制御部側の電源を遮断することで、第二制御部の消費電力を低減することのできる冷蔵庫の制御装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、交流電源と、同交流電源から発生した交流出力を整流する整流回路と、同整流回路の出力電圧を平滑化する電解コンデンサと、同電解コンデンサの出力の両端の電圧を電源とするインバータと、同インバータによって運転される圧縮機と、冷蔵庫の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、前記交流電源を入力とするACーDCコンバータと、同ACーDCコンバータの一つの出力を電源とし、前記圧縮機の運転制御を行う第二制御部と、同第二制御部の電源を遮断する遮断手段と、前記ACーDCコンバータの他の出力を電源とし、庫内温度に応じ前記遮断手段並びに前記圧縮機の運転指示を制御する第一制御部とからなり、前記庫内温度検出手段で設定温度以下であった場合、前記圧縮機が運転を停止する条件となり、前記第一制御部は第二制御部の電源を遮断するようにし、前記庫内温度検出手段で設定温度以上であった場合、再度、前記圧縮機が運転を開始する条件となり、前記第一制御部は第二制御部への電源を再度接続し、前記圧縮機の運転指示を第二制御部に実行するように制御した構成となっている。
【0015】
交流電源と、同交流電源から発生した交流出力を整流する整流回路と、同整流回路の出力電圧を平滑化する電解コンデンサと、同電解コンデンサの出力の両端の電圧を電源とするインバータと、同インバータによって運転される圧縮機と、冷蔵庫の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、前記電解コンデンサの出力の両端電圧を入力とするDCーDCコンバータと、同DCーDCコンバータの一つの出力を電源とし、前記圧縮機の運転制御を行う第二制御部と、同第二制御部の電源を遮断する遮断手段と、前記DCーDCコンバータの他の出力を電源とし、庫内温度に応じ前記遮断手段並びに前記圧縮機の運転指示を制御する第一制御部とからなり、前記庫内温度検出手段で設定温度以下であった場合、前記圧縮機が運転を停止する条件となり、前記第一制御部は第二制御部の電源を遮断するようにし、前記庫内温度検出手段で設定温度以上であった場合、再度、前記圧縮機が運転を開始する条件となり、前記第一制御部は第二制御部への電源を再度接続し、前記圧縮機の運転指示を第二制御部に実行するように制御した構成となっている。
【0016】
前記圧縮機の運転指示を庫内温度に応じシリアル通信手段によりを制御する第一制御部と、前記シリアル通信手段のクロック信号を積分する積分手段と、同積分手段の出力により前記第二制御部への電源を遮断する遮断手段とからなり、前記圧縮機が運転中に、前記第一制御部はシリアル通信信号により前記圧縮機の運転速度を前記第二制御部に指示し、前記圧縮機が停止条件となった場合に、前記第一制御部はクロック信号を積分する前記積分手段の出力により前記第二制御部を遮断するように制御した構成となっている。
【0017】
前記圧縮機の運転中のクロック信号はHiとLoを繰り返している状態であり、このときの前記積分手段の出力は前記遮断手段が前記第二制御部への電源を遮断しないレベルとした構成となっている。
【0018】
前記圧縮機の運転停止条件となった場合に、前記第一制御部はクロック信号をHiもしくはLoに固定し、このときの前記積分手段の出力は前記遮断手段が前記第二制御部への電源を遮断するレベルとした構成となっている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1(A)は本発明の第一の実施例における冷蔵庫の制御装置の回路図であり、図1(B)は本発明の第二の実施例における冷蔵庫の制御装置の回路図であり、図2は実施例における動作を示すフローチャートである。
【0020】
図1(A)において、1は商用電源であり、例えば一般家庭における100V50Hzの交流電源である。2は商用電源1を整流するダイオードブリッジ等の整流回路である。3は整流回路2からの出力電圧を平滑化する電解コンデンサである。4は電解コンデンサ3の出力の両端の電圧を電流とするインバータであり、5はインバータ4によって運転される圧縮機である。6は庫内に配置し、庫内温度を検出するサーミスタ等の温度センサである。
【0021】
27は整流回路の入力側の交流電源ライン両端を入力とするACーDCコンバータであり、トランス等で構成される。9は第二制御部であり、ACーDCコンバータ27の一つの出力を電源とし、圧縮機5のインバータ制御を行う。8は第一制御部であり、ACーDCコンバータ27の他の出力を電源入力として、庫内温度に応じ第二制御部9に対し圧縮機運転指令を行うとともに、温度表示手段11を行う。
【0022】
また、庫内温度に応じ、第一制御部8は第二制御部9に対しシリアル通信信号により圧縮機5の運転指令を行い、前記シリアル通信信号のクロック信号を積分する積分手段12と、同積分手段12の出力により前記第二制御部9への電源を遮断する遮断手段10とから構成されている。
【0023】
前記圧縮機5が運転中に前記第一制御部8は前記シリアル通信信号により、前記圧縮機5の運転速度を前記第二制御部9に指示しており、前記圧縮機5が最低回転数で運転していても、前記温度センサ6の検出した温度が設定温度以下であった場合、前記圧縮機5が運転を停止する条件となり、前記第一制御部8は第二制御部9に対する前記シリアル通信信号の内クロック信号を停止し、クロック信号を積分する前記積分手段12および前記第二制御部9の電源を遮断する遮断手段10を介して、前記第二制御部9の電源を遮断するように制御している。
【0024】
また、前記温度センサ6の検出した温度が設定温度以上であった場合、再度、前記圧縮機5が運転を開始する条件となり、前記第一制御部8は第二制御部9に対する前記シリアル通信信号の内クロック信号を送出し、前記第一制御部8は第二制御部9への電源を再度接続し、上記設定温度を高めに設定している場合は、前記圧縮機5の高速回転数での運転指示を、前記第一制御部8から第二制御部9に対し実行するように制御し、上記設定温度を低めに設定している場合は、前記圧縮機5の回転数を高速回転数と低速回転数のどちらかの運転指示を、前記第一制御部8から第二制御部9に対し実行するように制御している。
【0025】
また、前記圧縮機5の運転中のクロック信号はHiとLoを繰り返している状態であり、このときの前記積分手段12の出力は前記遮断手段10が前記第二制御部9への電源を遮断しないレベルとなっている。
【0026】
また、前記圧縮機5の運転停止条件となった場合に、前記第一制御部8はクロック信号をHiもしくはLoに固定し、このときの前記積分手段12の出力は前記遮断手段10が前記第二制御部9への電源を遮断するレベルとなっている。
【0027】
以上のように構成された冷蔵庫の制御装置について、つぎにその動作を図1(A)および図2を用いて説明する。図2は動作を説明するフローチャートである。
【0028】
電源投入後、ステップST21で冷蔵庫の温度センサ6による庫内温度tが設定された温度Tよりも大きいと(t>T)、ステップST22で、クロック信号を送出し、ステップST23で、第二制御部9への電源が供給される。次にステップST24で第一制御部8から運転指令が出力され、圧縮機5の運転指示を第二制御部9に実施するように制御して、ステップST25で、第二制御部9はインバータ制御を開始し、ステップST26で圧縮機5が運転される。
【0029】
ステップST27で冷蔵庫の温度センサ6による庫内温度tが設定された温度Tよりも小さいと(t<T)、クロック信号を停止し、次にステップST28で、第二制御部9への電源供給が遮断されて、ステップST29でインバータ4により圧縮機5が停止する。このように庫内温度によって圧縮機5がON/OFFを繰り返す動作によって冷蔵庫は制御される。
【0030】
以上のような動作で圧縮機の停止時、電解コンデンサ3は充電された状態が継続するので、圧縮機が再起動する時、電解コンデンサ3は充電されていて、大きな突入電流が流れない。
【0031】
以上説明したように、冷蔵庫本来の制御を行う第一制御部8と圧縮機5のインバータ制御を行う第二制御部9にそれぞれ電源入力を供給し、圧縮機運転判断は第一制御部8が行い、圧縮機モータのインバータ制御を第二制御部9が行う。第一制御部8が圧縮機停止を判断した場合には第一制御部8が第二制御部9の電源を遮断するように制御することにより、冷蔵庫本来の第一制御部8に庫内温度表示などの機能を持たせ、圧縮機停止時にインバータ制御を行う第二制御部9の電源を遮断することで、第二制御部9の消費電力を低減することができる。
【0032】
図1(B)は本発明の第二の実施例における冷蔵庫の制御装置の回路図である。図1(B)において、図1(A)と同一構成のものは同じ番号を付与し、説明は省略する。
【0033】
7は電解コンデンサ3の出力の両端電圧を入力とするDCーDCコンバータであり、SW電源等で構成される。9は第二制御部であり、DCーDCコンバータ7の一つの出力を電源とし、圧縮機5のインバータ制御を行う。8は第一制御部であり、DCーDCコンバータ7の他の出力を電源入力として、庫内温度に応じ第二制御部9に対し圧縮機運転指令を行うとともに、温度表示手段11を行う。
【0034】
第一の実施例と第二の実施例との違いは、ACーDCコンバータ27かDCーDCコンバータ7かの違いであり、冷蔵庫本来の第一制御部8に庫内温度表示などの機能を持たせ、圧縮機停止時にインバータ制御を行う第二制御部9の電源を遮断することで、第二制御部9の消費電力を低減することができる。また、ACーDCコンバータ27よりもDCーDCコンバータ7の方が部品点数が少なくてすみ、コスト的に安価である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、冷蔵庫の制御方式について、冷蔵庫本来の制御を行う第一制御部と、圧縮機のインバータ制御を行う第二制御部に構成することにより、第一制御部に庫内温度表示などの高度なサービス機能を持たせながら、圧縮機停止時に第二制御部側の電源を遮断することで、第二制御部の消費電力を低減することのできる冷蔵庫の制御装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第一の実施例における冷蔵庫の制御装置の回路図であり、(B)は本発明の第二の実施例における冷蔵庫の制御装置の回路図である。
【図2】実施例における動作を示すフローチャートである。
【図3】従来例における冷蔵庫の制御装置の回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 整流回路
3 電解コンデンサ
4 インバータ
5 圧縮機
6 庫内温度検出手段(温度センサ)
7 DCーDCコンバータ
8 第一制御部
9 第二制御部
10 遮断手段
11 温度表示手段
12 積分手段
27 ACーDCコンバータ
Claims (5)
- 交流電源と、同交流電源から発生した交流出力を整流する整流回路と、同整流回路の出力電圧を平滑化する電解コンデンサと、同電解コンデンサの出力の両端の電圧を電源とするインバータと、同インバータによって運転される圧縮機と、冷蔵庫の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、前記交流電源を入力とするACーDCコンバータと、同ACーDCコンバータの一つの出力を電源とし、前記圧縮機の運転制御を行う第二制御部と、同第二制御部の電源を遮断する遮断手段と、前記ACーDCコンバータの他の出力を電源とし、庫内温度に応じ前記遮断手段並びに前記圧縮機の運転指示を制御する第一制御部とからなり、前記庫内温度検出手段で設定温度以下であった場合、前記圧縮機が運転を停止する条件となり、前記第一制御部は第二制御部の電源を遮断するようにし、前記庫内温度検出手段で設定温度以上であった場合、再度、前記圧縮機が運転を開始する条件となり、前記第一制御部は第二制御部への電源を再度接続し、前記圧縮機の運転指示を第二制御部に実行するように制御してなることを特徴とする冷蔵庫の制御装置。
- 交流電源と、同交流電源から発生した交流出力を整流する整流回路と、同整流回路の出力電圧を平滑化する電解コンデンサと、同電解コンデンサの出力の両端の電圧を電源とするインバータと、同インバータによって運転される圧縮機と、冷蔵庫の庫内温度を検出する庫内温度検出手段と、前記電解コンデンサの出力の両端電圧を入力とするDCーDCコンバータと、同DCーDCコンバータの一つの出力を電源とし、前記圧縮機の運転制御を行う第二制御部と、同第二制御部の電源を遮断する遮断手段と、前記DCーDCコンバータの他の出力を電源とし、庫内温度に応じ前記遮断手段並びに前記圧縮機の運転指示を制御する第一制御部とからなり、前記庫内温度検出手段で設定温度以下であった場合、前記圧縮機が運転を停止する条件となり、前記第一制御部は第二制御部の電源を遮断するようにし、前記庫内温度検出手段で設定温度以上であった場合、再度、前記圧縮機が運転を開始する条件となり、前記第一制御部は第二制御部への電源を再度接続し、前記圧縮機の運転指示を第二制御部に実行するように制御してなることを特徴とする冷蔵庫の制御装置。
- 前記圧縮機の運転指示を庫内温度に応じシリアル通信手段によりを制御する第一制御部と、前記シリアル通信手段のクロック信号を積分する積分手段と、同積分手段の出力により前記第二制御部への電源を遮断する遮断手段とからなり、前記圧縮機が運転中に、前記第一制御部はシリアル通信信号により前記圧縮機の運転速度を前記第二制御部に指示し、前記圧縮機が停止条件となった場合に、前記第一制御部はクロック信号を積分する前記積分手段の出力により前記第二制御部を遮断するように制御してなることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫の制御装置。
- 前記圧縮機の運転中のクロック信号はHiとLoを繰り返している状態であり、このときの前記積分手段の出力は前記遮断手段が前記第二制御部への電源を遮断しないレベルとなっていることを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫の制御装置。
- 前記圧縮機の運転停止条件となった場合に、前記第一制御部はクロック信号をHiもしくはLoに固定し、このときの前記積分手段の出力は前記遮断手段が前記第二制御部への電源を遮断するレベルとなっていることを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫の制御装置。
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