JP4183341B2 - 舵取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センタテイクオフ形のラックピニオン式舵取装置等、舵取り操作に応じて移動する舵取り軸(ラック軸)の一側に操舵補助用のパワーシリンダを構成してなる舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の舵取装置の一形式として、舵輪(ステアリングホイール)に連動連結されたピニオンを車体の左右方向に延設されたラック軸の中途部に噛合させてなり、舵取りのために操作される舵輪の回転をラック軸の軸長方向の移動に変換し、この移動を各別のタイロッドを介して左右の操向車輪(一般的には前輪)に伝えて舵取りを行わせる構成としたラックピニオン式の舵取装置がある。
【0003】
このようなラックピニオン式の舵取装置は、更に、左右の操向車輪との連結のためのタイロッドがラック軸の両端に夫々連結してあるエンドテイクオフ形と、同じくラック軸の中途部に一括して連結してあるセンタテイクオフ形とに大別される。これらの内、センタテイクオフ形の舵取装置は、略同位置から左右の車輪に至るタイロッドが長寸となる反面、ラック軸及びこれを支承するラックハウジングの長さを短くでき、また、これらと操向車輪との相対的な位置関係の設定に自由度が大きいという利点を有しており、ラックハウジングの配設に制約がある一部の車種において採用されている。
【0004】
一方、近年の自動車には、舵取りのための舵輪の操作に要する労力負担を軽減すべく、舵取機構の一部に配された油圧シリンダ(パワーシリンダ)の発生力により舵取りを補助する構成とした油圧式の動力舵取装置(パワーステアリング装置)が広く採用されている。
【0005】
このような動力舵取装置として構成されたセンタテイクオフ形のラックピニオン式舵取装置は、例えば、特公昭51−9978号公報、実開昭57−174275号公報、実公昭63-12047号公報に開示されており、これらにおいては、ラック軸の一側端部にピストンロッドを、該ラック軸を支承するラックハウジングの同側端部にシリンダチューブを夫々同軸的に連結し、該シリンダチューブに前記ピストンロッドの先端に取付けられたピストンを嵌挿して操舵補助用のパワーシリンダが構成されている。
【0006】
以上の如く構成されたパワーシリンダにおいて、ピストンロッドの先端に取付けられたピストンは、シリンダチューブの内側において、その両側の液密を保ちつつ滑らかに摺動する必要があり、このためには、シリンダチューブに対するピストンロッドの同心性を高精度に保つことが要求され、ラック軸の端部へのピストンロッドの連結が、これらの軸心の位置ずれ、傾倒を伴うことなく、高い同心性を有して実現されることが重要である。
【0007】
(a)は、前記特公昭51−9978号公報に開示されたピストンロッドとラック軸の連結構造の説明図である。本図においては、ラックハウジングH1 内に支承されたラック軸Rの端部の軸心上にねじ部R1 を突設する一方、これに連結されるピストンロッドPの端部の外側に回転自在に固定ナットNを取付け、ピストンロッドPの端部を前記ねじ部R1 の端部に弾性部材Gを介して突き合わせ、ねじ部R1 に固定ナットNを締め付けることにより、ラック軸RとピストンロッドPとを連結する構成となっている。
【0008】
(b)は、前記実開昭57−174275号公報に開示されたピストンロッドとラック軸の連結構造の説明図である。本図においては、ピストンロッドPの端部外周にねじ部を形成する一方、ラック軸Rの端面の軸心部にねじ孔を設け、ピストンロッドPのねじ部をラック軸Rのねじ孔に螺合し、このねじ孔の外側に突設された薄肉のかしめ片Aを外側からかしめ、前記ねじ部の基端側を掴持させて、軸長方向への抜け止めを図った構成となっている。
【0009】
(c)は、前記実公昭63-12047号公報に開示されたピストンロッドとラック軸の連結構造の説明図である。本図においては、ピストンロッドPの端部の外側に回転自在に固定ナットNを取り付けると共に、ピストンロッドPの連結端面を円錐形の凸面とし、またこの凸面に整合する円錐形の凹所をラック軸Rの端面の軸心部に形成し、これら両者を突き合わせ、前記固定ナットNをラック軸Rの端部外周に形成されたねじ部に締め付けることにより、ラック軸RとピストンロッドPとを連結する構成となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上の如き従来の連結構造においてはいずれも、ラック軸RとピストンロッドPとの連結部にてねじの締め付けがなされており、この連結を高い同心性を確保して行なわせるためには、ラック軸R及びピストンロッドP側のねじ部の形成に高い加工精度が要求されるという問題がある。
【0011】
また、ねじ部の加工精度を高めたとしても、これらの締め付け状態がラック軸RとピストンロッドPとの同心性の良否に影響し、所望の同心性を有した良好な連結状態を得るためには、前記ねじの締め付けを含めたラック軸RとピストンロッドPとの組立てに多大の工数を要するという問題があった。
【0012】
また、以上の如くラック軸Rに連結されたピストンロッドPの他端部には、前記各図に示す如く、円板形のピストンP1 が嵌め合わされ、前記他端部に形成されたねじ部に螺合する止めナットN1 により締め付け固定され、シリンダチューブH2 内にて摺動させるべく嵌挿されるが、前述した従来の連結構造においてはいずれも、ピストンロッドPとラック軸Rとの連結が、軸回りでの相対回転が可能になされていることから、前記止めナットN1 の締め付け時にピストンロッドPが供回りし、前述の如く実現されているラック軸Rとの同心性が損なわれて、シリンダチューブH2 内でのピストンP1 の摺動に支障を来す虞れがあった。
【0013】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、センタテイクオフ形のラックピニオン式舵取装置等、舵取り軸の一側に操舵補助用のパワーシリンダを構成する場合において、舵取り軸の端部へのピストンロッドの連結を、両者間での高い同心性を確保しつつ容易に実現することができると共に、この連結が、ピストンロッドの他端部におけるピストンの取付け時等、組立て時にピストンロッドに作用する回転力により損なわれる虞れがなく、加工及び組立て工数の削減を達成し得る舵取装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る舵取装置は、ピストンロッドの一端に連設された嵌合部を、軸長方向に摺動する舵取り軸の一端に同軸的に突設されたかしめ筒に内嵌し、該かしめ筒を前記嵌合部の外側にかしめることにより前記舵取り軸と前記ピストンロッドとを連結し、該ピストンロッドの他端に取付けたピストンを前記舵取り軸を支承するハウジングの同側に連設されたシリンダチューブ内に嵌挿して、前記舵取り軸に操舵補助力を加えるパワーシリンダを構成してある舵取装置において、前記嵌合部は、前記かしめ筒の内径と略等しい外径を有し、該かしめ筒に密に嵌合する適長の等径部と、該等径部よりも縮径されて前記ピストンロッドに連続し、前記かしめ筒をかしめたとき該かしめ筒と係合して、前記嵌合部を抜け出し不可に拘束するくびれ部と、前記等径部の端面に形成され、前記かしめ筒をかしめたとき該かしめ筒の底面に食い込み、前記嵌合部を回転不可に拘束する複数の凸部とを具備することを特徴とする。
【0015】
本発明においては、ピストンロッドの端部に、これの外周面にくびれ部を介して連続し、その端面に凸部が形成された適長の等径部を備える嵌合部を設け、該嵌合部を、これの外径と略等しい内径を有して舵取り軸の端部に突設された薄肉筒形のかしめ筒に内嵌し、該かしめ筒を嵌合部の外側にかしめてピストンロッドと舵取り軸とを連結する。このとき、かしめ筒に密に嵌合する等径部が、舵取り軸に対するピストンロッドの同心性を保つ作用をなし、また、かしめ筒が前記くびれ部に係合して抜け止め作用をなし、更に、前記かしめに際し、等径部の端面の凸部がかしめ筒の底面に食い込み、両者の軸周りの相対回転、即ち、舵取り軸に対するピストンロッドの相対回転を拘束する。
【0016】
また本発明の第2発明に係る舵取装置は、第1発明における複数の凸部が、前記等径部の端面の少なくとも外周の近傍に全周に亘って形成してあることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る舵取装置の要部の構成を示す一部破断正面図である。
【0019】
図中1はラック軸であり、該ラック軸1は、一側端部を閉止された円筒形をなすラックハウジング2の内部に軸長方向への摺動自在に支承されている。ラックハウジング2の閉止端側の中途部には、これと交叉する態様にピニオンハウジング20が連設してあり、該ピニオンハウジング20の内部には、軸心回りでの回転自在にピニオン軸21が支承されている。ピニオンハウジング20の上部へ突出するピニオン軸21の上端部は、図示しない舵輪(ステアリングホイール)に連結されており、該ピニオン軸21は、舵取りのための前記舵輪の操作に応じて軸回りに回転するようになしてある。
【0020】
ラック軸1は、その外周に適長に亘って形成されたラック歯10を備えており、該ラック歯10は、ピニオンハウジング20との交叉部において、前記ピニオン軸21の下半部に一体的に形成されたピニオン(図示せず)に噛合させてあり、この噛合により、舵輪の操作に応じたピニオン軸21の回転がラック軸1の軸長方向の摺動に変換されるようになしてある。
【0021】
一方、ラックハウジング2の他側には、ラック軸1の摺動ストロークに対応する長さを有してその周壁を切欠いてなる窓孔22が設けてあり、この窓孔22を経てラックハウジング2の外部に露出するラック軸1の同側端部近傍の外周には、一対の固定ボルト40,40によりねじ止め固定された取付ブラケット41を介して、左右の操向車輪との連結のための一対のタイロッド4,4の基端部が連結されており、前述の如く生じるラック軸1の摺動が、これらのタイロッド4,4を介して左右の操向車輪に伝えられて舵取りが行われる構成となっている。
【0022】
ラックハウジング2の外側は、中央の筒状部の両側に蛇腹状の伸縮部を備える樹脂製のブーツ5により、前記窓孔22の形成域を含めて覆われている。前記取付ブラケット41は、その一部に突設された一対のボルトガイド42.42を前記ブーツ5の筒状部に形成された貫通孔に密に係合させ、これらのボルトガイド42,42に挿通された前記固定ボルト40,40により、前記ブーツ5と共にラック軸1の中途部に固定されており、ラックハウジング2の内部での窓孔22の形成範囲内にて生じるラック軸1の両方向の摺動は、前記ブーツ5の両側の伸縮部の伸縮により許容されるようになっている。
【0023】
タイロッド4,4の連結側のラック軸1の端部には、これと同軸をなしてピストンロッド30が連結され、またラックハウジング2の同側端部には、これと同軸をなしてシリンダチューブ31が連設されており、これらにより操舵補助用のパワーシリンダ3が構成されている。
【0024】
シリンダチューブ31は、ラックハウジング2との連結端の逆側を閉止してなる有底円筒形の部材であり、ラックハウジング2との連結部には、その内側にシール部材60を内嵌保持するシールホルダ6が取り付けてある。前記ピストンロッド30は、前記シール部材60によりその中途部を液密に封止してシリンダチューブ31の内部に延設されており、この延設部には、その外側に巻装されたシールリング33を介して前記シリンダチューブ31に摺動自在に内嵌された円板形のピストン32が挿通され、その先端に設けたねじ部に螺合する止めナット34により締め付け固定されている。
【0025】
以上の如くパワーシリンダ3は、ピストン32の両側にて液密に封止された一対の油室をシリンダチューブ31の内側に形成してなり、これらの油室への外部からの油圧送給に応じてピストン32の両側に発生する圧力差の作用により前記ピストンロッド30を軸長方向に押し引きし、該ピストンロッド30の基端に連結された前記ラック軸1に軸長方向の移動力を加える作用をなす。
【0026】
前記ピストン32の両側の油室は、シリンダチューブ31の外側の該当位置に夫々接続された各別の送油管23,23により、前記ピニオンハウジング20の外側に設けられた一対の送油ポート24,25に接続されている。ピニオンハウジング20には、舵取りのための舵輪操作に伴って前記ピニオン軸21に加わる操舵トルクに応じて油圧の給排動作を行い、前記送油ポート24,25のいずれかに送出する公知の油圧制御弁が内蔵されており、送油ポート24,25への送出油圧が送油管23,23を経てパワーシリンダ3に送給され、この送給に応じて発生する油圧力がラック軸1に加えられ、前述の如く生じる舵取りが補助される構成となっている。
【0027】
図2は、以上の如くパワーシリンダ3を構成するピストンロッド30とラック軸1との連結部近傍の拡大断面図、図3は、図2に示す連結部における連結手順の説明図であり、本願発明の特徴は、この連結部の構成にある。
【0028】
図示の如くピストンロッド30の連結側端部には、これと一体をなして嵌合部35が形成されている。この嵌合部35は、その先端から適長に亘って形成された等径部36と、該等径部36とピストンロッド30との間に設けられ、これらよりも小径化されたくびれ部37とを備えており、等径部36の端面には、図示の如く、3角形断面を有する複数の凸部38,38…が全面に亘って形成されている。
【0029】
図4は、等径部36の端面における凸部38,38…の形成態様の一例を示す斜視図であり、本図においては、予め平坦化された前記端面に、これを縦横に並ぶ各複数本の凹溝39,39…を形成し、これらの凹溝39,39…間に凸部38,38…を残す構成としてある。前記凹溝39,39…は、前記端面に対するローレット加工により形成することができ、各凹溝39,39…間の間隔を適宜に設定することにより、図示の如く四角錐状をなす多数の凸部38,38…を容易に形成することができる。
【0030】
なお凸部38,38…は、図4に示す形態に限らず、例えば、等径部36の端面に一方向に並ぶ複数本の溝を形成し、各溝間に残る凸状を凸部38,38…とする等、適宜の態様にて形成することができる。
【0031】
図5は、等径部36の端面における凸部38,38…の他の形成態様を示す斜視図であり、本図においては、等径部36の端面と、該端面の周縁に形成された面取り部80との間の角部に、その全周に亘って端面側に突出する凸部38,38…が形成されている。なお等径部36の周面には、前記面取り部80に開口を有し、軸方向に延びる空気抜き溝81が形成されている。
【0032】
図6は、図5に示す凸部38,38…の形成手順の説明図である。まず、等径部36の端面の周縁に面取り部80を形成し、また等径部36の周面に、前記面取り部80に連通する空気抜き溝81を形成する。これらは、旋盤、フライス盤等の汎用の工作機械を用いて容易に形成することができる。
【0033】
その後、前記等径部36の端面と前記面取り部80との間に形成された角縁Cの全周に、山形の切刃を備えるローレットを押し付けると、図6(b)に示す如く、前記角縁C近傍の2点鎖線により示す部分が塑性変形し、前記ローレットの切刃間にて半径方向及び軸方向に突出せしめられ、前記端面の側に3角形状を有して突出する凸部38,38…が形成される。
【0034】
一方、ラック軸1の連結側端部には、薄肉円筒形のかしめ筒7が同軸的に突設されている。かしめ筒7は、ピストンロッド30側の前記等径部35の外径と略等しい内径と、該等径部35の長さを超える深さとを有する円形断面の嵌合孔70を備えている。このようなかしめ筒7は、ラック軸1の端部からの削り出しにより、該ラック軸1と一体に構成してもよく、また所定の内径を有する筒体を、溶接等の適宜の接合手段によりラック軸1の連結側端部に接合して構成してもよいが、ラック軸1に対する同心性を確保するためには、前者、即ち、削り出しにより構成するのが望ましい。
【0035】
以上の如く構成されたピストンロッド30とラック軸1とは、図3(a)中に矢符により示す如く、前者の連結端部に設けた嵌合部35を、後者の連結端部に設けたかしめ筒7に内嵌し、その後、図3(b)中に白抜矢符により示す如く、前記かしめ筒7の周壁を外側からかしめて図2に示す如く連結される。
【0036】
ここで前記嵌合部35は、かしめ筒7に形成された嵌合孔70の内径に相当する外径を有する等径部36を備えており、嵌合部35をかしめ筒7に内嵌する際に、前記等径部36が前記嵌合孔70に密に嵌め合わされ、連結後のピストンロッド30とラック軸1とは、軸心の位置ずれ及び傾きを有することなく拘束されて高い同心性を有した連結状態が得られる。
【0037】
また前記嵌合部35は、前記等径部36から縮径されてピストンロッド30に連続するくびれ部37を備えており、前述の如くかしめられるかしめ筒7は、図2に示す如く前記くびれ部37を外側から抱持する状態となる。これにより、前記くびれ部37よりも先端側の等径部36は、かしめ筒7からの抜け出し不可に拘束され、ピストンロッド30とラック軸1との連結状態が維持される。
【0038】
図7は、かしめ筒7をかしめたときの状態を示す連結部近傍の拡大断面図である。本図中に矢符により示す如くかしめ筒7は、その外側から加えられるかしめ力の作用により、小径化されたくびれ部37に押し込まれ、該くびれ部37の外面に沿うように変形する。このとき、くびれ部37の先端側に連続する等径部36は、前記かしめ力の軸方向分力により、図中に白抜矢符にて示す如く、かしめ筒7の内奥側に向けて押圧され、前記等径部36の端面が前記嵌合孔70の底面に押し付けられる。
【0039】
等径部36の端面には、図4、図5に示す如く凸部38,38…が突設されており、前述の如く3角形断面を有するこれらの凸部38,38…は、前述した押し付けにより前記嵌合孔70の底面に食い込み、該底面に夫々係合することとなり、この係合により連結後のピストンロッド30とラック軸1とは、軸回りの相対回転を拘束された状態となる。
【0040】
なおこのとき、図5及び図6に示す如く等径部36の周面に形成された空気抜き溝81は、かしめ筒7の内側の空気、油の排出路として、等径部36の嵌め合わせを滑らかに行わせる作用をなす。このような空気抜き溝81は、図4に示す実施の形態においても、同様の作用を行わせるべく、等径部36の周面に形成するのが望ましい。
【0041】
このように連結されたピストンロッド30の先端は、前述の如く、シリンダチューブ31の内側に延設され、この延設端には、円板状をなすピストン32が止めナット34の締め付けにより取付けられるが、本発明においては、前記凸部38,38…の作用により、ピストンロッド30とラック軸1とが相対回転を拘束された状態に連結されており、前記ピストン32の取付けのための止めナット34の締め付けを容易に行なわせることができ、またこの締め付けにより、ピストンロッド30とラック軸1との連結が損なわれる虞れがない。
【0042】
このように本発明においては、ピストンロッド30とラック軸1との連結が、かしめ筒7に嵌合部35を内嵌し、その後にかしめ筒7の周壁を外側からかしめるという簡易な手順により実現することができる。
【0043】
また連結後のピストンロッド30とラック軸1とは、かしめ筒7に密に嵌合する等径部36の作用により良好な同心性を有し、また小径のくびれ部37へのかしめ筒7の係合により確実に抜け止めされ、更に等径部36の端面に設けた凸部38,38…の作用により、軸回りの相対回転を拘束された状態となる。従って、連結後のラック軸1とピストンロッド30とを一体物として取り扱い、ラックハウジング2及びシリンダチューブ31に対する組立てがなされるとき、種々の方向から作用する外力によって両者の連結状態が損なわれる虞れがなく、組立て作業性が良好となり、加工及び組立て工数を削減することができる。
【0050】
なお以上の実施の形態においては、センタテイクオフ形のラックピニオン式舵取装置への適用例について述べたが、本発明の適用範囲はこれに限らず、舵取り操作に応じて移動する舵取り軸の一側に、パワーシリンダ用のピストンロッドを連結する構成とした舵取装置全般に適用し得ることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る舵取装置においては、ピストンロッドの端部にくびれ部を介して連続する適長の等径部を設け、この等径部を舵取り軸の端部に突設されたかしめ筒に内嵌し、該かしめ筒を外側からかしめてピストンロッドと舵取り軸とを連結したから、舵取り軸に対するピストンロッドの同心性が、かしめ筒に密に嵌合する等径部により良好に維持され、また、かしめ筒がくびれ部に係合して確実な抜け止めがなされ、更に、かしめ筒に加わるかしめ力により、等径部の端面に設けた複数の凸部がかしめ筒の底面に食い込み、軸周りの相対回転が拘束されて、種々の外力の作用により影響されることなく高い同心性を保つ連結が容易に実現され、加工及び組立て工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る舵取装置の要部の構成を示す一部破断正面図である。
【図2】 本発明の第1発明に係る舵取装置におけるピストンロッドとラック軸との連結部近傍の拡大断面図である。
【図3】 図2に示す連結部における連結手順の説明図である。
【図4】 等径部の端面における凸部の形成態様の一例を示す斜視図である。
【図5】 等径部の端面における凸部の形成態様の他の例を示す斜視図である。
【図6】 図5に示す凸部の形成手順の説明図である。
【図7】 かしめ筒をかしめたときの状態を示す連結部近傍の拡大断面図である。
【図8】 従来の連結構造の説明図である。
【符号の説明】
1 ラック軸
2 ラックハウジング
3 パワーシリンダ
4 タイロッド
7 かしめ筒
30 ピストンロッド
31 シリンダチューブ
32 ピストン
34 止めナット
35 嵌合部
36 等径部
37 くびれ部
38 凸

Claims (2)

  1. ピストンロッドの一端に連設された嵌合部を、軸長方向に摺動する舵取り軸の一端に同軸的に突設されたかしめ筒に内嵌し、該かしめ筒を前記嵌合部の外側にかしめることにより前記舵取り軸と前記ピストンロッドとを連結し、該ピストンロッドの他端に取付けたピストンを前記舵取り軸を支承するハウジングの同側に連設されたシリンダチューブ内に嵌挿して、前記舵取り軸に操舵補助力を加えるパワーシリンダを構成してある舵取装置において、前記嵌合部は、前記かしめ筒の内径と略等しい外径を有し、該かしめ筒に密に嵌合する適長の等径部と、該等径部よりも縮径されて前記ピストンロッドに連続し、前記かしめ筒をかしめたとき該かしめ筒と係合して、前記嵌合部を抜け出し不可に拘束するくびれ部と、前記等径部の端面に形成され、前記かしめ筒をかしめたとき該かしめ筒の底面に食い込み、前記嵌合部を回転不可に拘束する複数の凸部とを具備することを特徴とする舵取装置。
  2. 前記複数の凸部は、前記等径部の端面の少なくとも外周の近傍に全周に亘って形成してある請求項1記載の舵取装置。
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