JP4183206B2 - シールド・ケース入りコイル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電気、電子回路に用いる磁心入りのコイルであって、電磁的な干渉を防ぐためシールド・ケースに納めたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の電気、電子回路に用いられるコイル、例えばEL駆動回路における昇圧回路のチョーク・コイル等は、近年、電子回路の表面実装技術の普及に伴って小型のものが多く用いられている。これらの小型コイルには、部品間の磁気的、電磁的な干渉やコイル同士の相互誘導を防ぐために、種々のシールド構造をほどこしたものがある。図6は従来のシールド・コイルの一例であって、フェライト系の粉末磁性体を成形して両端にフランジ63のある磁心61を作り、これに巻き線62を施して基板64に載せ、コイル巻き線62の両端を端子65a、65bに接続したものである。そしてフェライト系の粉末磁性体の成形品である環状の遮蔽リング66を、コイルを囲んで基板64に接着してコイルを磁気シールドしてある。あるいは粉末成形した遮蔽リング66でなく金属磁性体で作ったシールド部材を設けることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のシールド・コイルは、コイルと遮蔽リングに加えて基板を用いるので構成部品が増え、コイルと遮蔽リングを基板に接着する工程が必要であって製造コストが上がる。さらに、コイルを巻き線する磁心は両端が開放されているから磁気回路としては開磁路であり、磁気抵抗が大きくなって体積の割りに大きなインダクタンスが得られず、小型化しにくいものであった。本発明はコイルをシールド・ケースに納めて磁気遮蔽してあるとともに、磁心がループ状の閉磁路をなしていて磁束の洩れが少なく、磁気特性の改良されたシールド・ケース入りコイルを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する手段として、本発明ではコイルを珪素鋼板等の磁性体薄板で作ったシールド・ケースに納めるが、シールド・ケースは底部と蓋部を連結部で連結した一体構造のもので、磁性体の帯材から連続プレス加工によって作る。従ってシールド・ケースは単一の部品であって部品増加を最小限にしているが、底部と蓋部が箱状に閉じてコイルをほぼ完全に密閉する。そしてコイルをシールド・ケースに納めた状態では磁心の両端がシールド・ケースに当接するので、磁路がループ状の閉磁路となって磁束の洩れを防ぎ、磁気特性が向上する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。まず図5(B)に磁心入りのコイル4を示す。これは磁心1に巻き線2を施したもので、巻き線の両端を磁心1の端部の枝分かれした箇所に巻き付けて固定し、コイル端末3としてある。磁心1は図5(A)に示すように、パーマロイ、珪素鋼板等の磁性体の薄板の表面を絶縁し、折り畳んで積層したもので、同図のものは3層の積層である。これは本発明の出願人が先に特願平9−351978号によって提案した構造を用いたもので、薄板を積層して所望の厚さにすることにより、板厚が積層の全厚と同じである1枚板の磁心を使うよりも、うず電流損を小さくしてコイルの効率を上げることができる。このような磁心1に同図(B)のように巻き線2を施し、巻き線2の両端末を磁心1の端部の枝分かれ箇所にそれぞれ巻き付け、この部分を溶融ハンダ槽に浸漬して固定してコイル端末3にしてある。
【0006】
このような磁心は順送りプレス加工によって製作することができ、その状況を図4に示す。図4(A)の帯材11は、パイロット穴12によって位置決めされながら順送り型上を順次移動して各ステージで少しずつ輪郭を打ち抜いてゆき、最終的な輪郭は同図のように磁心部14が窓13内にあって、つなぎ部15で帯材11につながっている状態になる。図5(A)の磁心1は3層の積層であり、図4(A)の磁心部14はこれを展開した形状、すなわち3個の磁心輪郭が磁心の長手に直角な方向(図4では上下方向)に並んでつながったものが、窓13内につなぎ部15で保持されている。図4(A)の線16、17は3個並んだ磁心の輪郭の区分を示す。続いて順送り型のステージをいくつか使いながら、図4(B)のように、磁心部14の両側の磁心輪郭を、先の区分線16、17に沿って右側のB−B断面図の矢印18、19のように折り曲げて行く。最後は図4(C)のように完全に積層し、同図左側の平面図の切断線20、21に沿って抜き落とすことによって図5(A)のような積層した磁心1となり、これに巻き線して端末処理し、図5(B)のようなコイル4を得るのである。磁心材料に方向性珪素鋼板を用いる場合、磁心部14は長手を材料の圧延方向に合わせた配置にするのが、コイル動作時のヒステリシス損を減じる上で好ましい。なお、図4の磁心部14、図5の磁心1は渦巻き状に巻き込んだ積層であるが、S字状に折り重ねて密着させる積層であってももちろん構わない。
【0007】
次に、上述のような磁心入りコイルをシールド・ケースに納めた構造について説明する。図1が本発明によるシールド・ケース入りコイルであるが、コイルは磁性材で作った箱状のシールド・ケース22に完全に納まっていて、磁心1の枝分かれした端部がシールド・ケース22の切り欠き箇所から突き出している部分に、コイル端末3を巻きつけてあるのが見えるだけである。
【0008】
図2はコイルを封入する前のシールド・ケース22を示し、同図(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は左側面図である。シールド・ケース22は底部となる下ケース23と蓋部となる上ケース24からなり、いずれも三方を板材を曲げ起こした側面で囲み、側面のない一辺で両者は連結部25により連結されている。このようなシールド・ケース22の製作の詳細は省くが、磁心と同様に順送りプレス加工により製作することができる。
【0009】
コイルをシールド・ケースに収容する手順であるが、下ケース23の手前側と向こう側の側面には図2(B)に見るように棚部28、29を設けてあり、まずコイル4を下ケース23に入れて磁心1の両端両側の先端部26、27をこの棚部28、29に載せる。下ケースの手前側と向こう側の側面には、抜き起こし部30が設けてあって若干内側に突き出しており、磁心1を棚部28、29に載せた状態で抜き起こし部30の先端が磁心1の上面に係合して、磁心1が下ケース23から抜け出さないように保持する。
【0010】
このようにコイル4を下ケース23に入れておいて、上ケース24を同図(B)の矢印のように下ケース側に曲げて行く。図3(A)は連結部25を下ケース23および上ケース24との境界部で曲げながら、上ケース24を下ケース23にかぶせて行く様子である。図3(B)は上ケース24を完全にかぶせたところで、この状態では図2(C)で右側面に内側に曲げて設けてある抜き起こし部31が同図(D)の左側面の穴32に係合するので、図3(B)にて上ケース24がスプリング・バックして開き加減になるということがない。これでシールド・ケース入りコイルが完成したのである。
【0011】
回路基板へのシールド・ケース入りコイルの実装は、図3(B)のようにシールド・ケース22を回路基板34に設けた穴または窪み35に一部沈め、コイル端末3の箇所でハンダのリフローなどにより接合する。図2にて上ケース24の右側面に突起33が設けてあるが、図3(B)ではこの突起33は左側に来て回路基板34に当接する。突起33の高さhを磁心の厚さにほぼ等しくしておけば、右側のコイル端末3と連携してシールド・ケース入りコイルを裏表を区別することなく基板34にほぼ平行に支持できるとともに、突起33の部分でシールド・ケース22を回路基板に接地することもできる。
【0012】
上述の実施形態でコイルには表面を絶縁して積層した磁心1を用い、これは渦電流損を下げる効果があって好ましいが、コイルの仕様に応じて積層磁心でなく単層磁心を用いる場合であっても、本発明が成立することはいうまでもない。
また、図2(A)に見るように磁心1の両端の先端部26、27が下ケース23の棚部28、29に当接しているので、シールド・ケース22が磁心1の両端を磁気的に連結し、コイル4を含む閉磁路を形成している。これによって磁束の洩れを少なくすることができる。磁心1とシールド・ケース22の結合を強くして磁路の磁気抵抗を下げ、コイルの性能を高めるために磁心1の先端部26、27をシールド・ケース22の棚部28、29に単に当接させるのでなく、溶接等によって接合するのも効果的である。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば磁心入りのコイルを密閉性よくシールドして電磁的な干渉を防ぐことができ、しかもシールド・ケースを設けたことによるかさばりが最小限で済む。シールド・ケースはプレス加工により生産性よく製作でき、磁心の両端をシールド・ケース側面の棚部でシールド・ケースに当接させてあるから、シールド・ケースは遮蔽作用を行うだけでなくコイルの磁路を閉ループに形成し、漏洩磁束を減らしてコイルの特性を向上させる。このように本発明によって廉価で高性能のシールド・ケース入りコイルが実現されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールド・ケース入りコイルの斜視図である。
【図2】本発明のシールド・ケースにコイルを載せた状態を示す図で、(A)は平面図(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は左側面図である。
【図3】図2のシールド・ケースの上ケースを下ケースにかぶせてコイルを封入する様子の正面図で、(A)は途中の状態、(B)は完成品を回路基板に実装した状態である。
【図4】本発明のコイルの磁心を帯材から製作する様子を示す図で、(A)は磁心部の輪郭を打ち抜いた状態、(B)は積層部を途中まで曲げた状態、(C)は積層を終えて切り落とす直前の状態である。
【図5】本発明のコイル部分の斜視図で、(A)は巻き線前の磁心、(B)は磁心に巻き線したコイルである。
【図6】従来のコイルの一例の斜視図で、遮蔽リングを設けてシールドしたものである。
【符号の説明】
1、61 磁心
2、62 巻き線
3 コイル端末
4 コイル
11 帯材
14 磁心部
15 つなぎ部
22 シールド・ケース
23 下ケース
24 上ケース
25 連結部
26、27 磁心の先端部
28、29 棚部
33 突起
34 回路基板
66 遮蔽リング
Claims (3)
- 棒状の磁心に巻き線してあって開磁路である磁心入りコイルを、シールド・ケースに収容したシールド・ケース入りコイルであって、
シールド・ケースは上ケースと下ケースからなり、いずれも底面の一部を除いて残りの大部分を囲む側面を有し、上ケースが下ケースにかぶさる寸法関係にあり、両ケースの側面のない部分の底面同士を、側面のない部分の長さより狭い幅の連結部で接続してあり、
下ケースの側面の一部に棚部と抜き起こし部を設けてあって、コイルの磁心の両端部をそれぞれ該棚部に乗せて該抜き起こし部で押さえることにより、前記磁心入りコイルを下ケース内に保持し、
前記両ケースを前記連結部との境界部分で折り曲げて、上ケースを下ケースにかぶせ、コイル端末を前記連結部の横に生じた開口部から取り出す構造により、前記開口部を除くシールド・ケースの全表面が塞がっていて遮蔽効果を生じるとともに、前記磁心が前記棚部と抜き起こし部でシールド・ケースに当接して、磁心とシールド・ケースにより閉磁路を形成することを特徴とするシールド・ケース入りコイル。 - 請求項1に記載のシールド・ケース入りコイルにおいて、
前記磁心は、前記シールド・ケースの前記棚部と抜き起こし部で、前記シールド・ケースに溶接してあることを特徴とするシールド・ケース入りコイル。 - 請求項1に記載のシールド・ケース入りコイルにおいて、
シールド・ケースに突起を設け、回路基板への実装時に該突起と前記コイル端末部によりシールド・ケース入りコイルを回路基板にほぼ平行に支持することを特徴とするシールド・ケース入りコイル。
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