JP4182624B2 - キャストフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗工した後、得られた塗工物を塗布部から乾燥部に搬送し、該乾燥部内で溶媒を乾燥して成形するキャストフィルムの製造方法に関し、より詳しくは、硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗工した後、得られた塗工物を塗布部から乾燥部に搬送し、該乾燥部を所定乾燥温度に設定された複数の乾燥ゾーンにわけ、多段階的に溶媒を除去乾燥することを特徴とする、液ムラや塗工ムラ、気泡の発生が防止されたキャストフィルムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気絶縁材料を製造する方法として、硬化性樹脂を含有してなる硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗工して、溶媒を除去する溶液流延法が一般的に知られている。本発明においては、この方法により得られた薄膜を「キャストフィルム」という。
【0003】
この溶液流延法により得られるフィルムの物性は、溶媒の蒸発速度、環境温度や湿度、樹脂溶液の濃度、塗工の厚み、乾燥炉内の加熱温度、蒸発時間などの各種ファクターによって著しい影響を受けることが知られている。そのため、従来から優れた物性のフィルムを得るために、上記ファクターを種々調整する試みがなされてきた。
【0004】
例えば、(1)特開平5−4240号公報(特願平3−316380号)には、塗布部から炉内乾燥ゾーンに至るまでの間の室温乾燥ゾーンにおいて、支持体の下側に面状発熱体を配置し、該面状発熱体により熱量を供給する方法が提案されている。また、(2)特開平9−70841号公報には、塗布部において高分子材料を支持体上に塗工した後、塗布部から一定の間隔をおいて配置された乾燥ゾーンに搬送し、乾燥ゾーン内で溶媒を蒸発させて成形するキャストフィルムの製造方法において、塗布部から乾燥ゾーン内の入り口近傍までの間において、支持体上の未乾燥塗膜の温度感知器を少なくとも1個配置し、未乾燥塗膜の温度を測定しながら成形するキャストフィルムの製造方法が記載されている。これらの発明は、塗工後、溶媒を乾燥する前における溶媒の蒸発潜熱により、塗布した未乾燥塗膜及び支持体の熱が奪われて温度の急激な低下が生じる結果、室温雰囲気中の水分が未乾燥塗膜の表面に結露し、塗膜の表面がスリガラス状になり、キャストフィルムの透明性が損なわれるという問題の解決を図るべくなされたものである。
【0005】
また、(3)特開平11−58425号公報においては、走行するエンドレスのベルトもしくはドラム表面からなる支持体上に有機溶媒に溶解された高分子溶液を流延して膜状物とした後、乾燥を行って高分子溶液をフィルム状に形成するプラスチックフィルムの流延製膜方法において、前記乾燥時に、支持体上に流延してできる膜状物を、温度が前記高分子溶液成分に対応して予め設定されたゲル化温度に達するまで、風速0.1〜2.0m/s程度の乾燥風をあてて第1段の乾燥を行い、膜状物のゲル化完了温度到達後、より早く乾燥させる第2段の乾燥を行うことを特徴とする流延製膜方法が記載されている。この流延製膜方法は、乾燥工程を2つにわけ、そのそれぞれを乾燥エアーの風速を調節することにより、塗膜の乾燥時の乾燥ムラにより発生する膜状物の平面性の悪化を抑制して品質の低下を抑え、且つ生産性を向上することを目的とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の電子機器は、小型軽量化、高性能化、多様化の傾向にあり、これらに追従して、プリント配線基板のより一層の高密度化が進められている。そのため、プリント配線基板の電気絶縁層の厚みを薄く、回路の配線幅を細く且つ配線間隔を狭くする必要があり、より平坦性に優れ、前記絶縁層の内部に気泡などのない物性に優れた電気絶縁材料を製造する技術の開発が要求されている。
【0007】
しかしながら、上述した公知の方法のうち、(1)および(2)の方法は、乾燥ゾーンにおける乾燥の条件、例えば乾燥ゾーン内における乾燥温度や乾燥時間は考慮されておらず、平坦性に優れた絶縁膜を得るには不十分である。また、(3)の方法は、乾燥工程を2つにわける方法であり、乾燥工程での乾燥エアーの風速および乾燥温度を管理する点に注目し、塗膜の乾燥ムラにより発生する膜状物の平面性の悪化を抑制できるものであるが、乾燥工程での乾燥温度や乾燥時間には十分な配慮がなされておらず、その効果は十分なものとは言えない。
【0008】
本発明は、かかる実状に鑑み、流延製膜法による回路基板の電気絶縁材料等に好適なキャストフィルムの製造方法であって、塗工後、乾燥時における乾燥温度および乾燥時間を精密に管理することにより、液ムラや塗工ムラ、膜中の気泡の発生を防止して、平坦性および膜質が極めて優れたキャストフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、塗布部において硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗工した後、得られた塗工物を塗布部から一定間隔をおいて配置された乾燥部に搬送し、該乾燥部内で溶媒を乾燥させて成形するキャストフィルムの製造方法であって、前記乾燥部を、20〜90℃で乾燥を行う第1の乾燥ゾーンと、70〜150℃で乾燥を行う第2の乾燥ゾーンとの少なくとも2ゾーンにわけ、各乾燥ゾーンの乾燥時間を40〜150秒とし、かつ第2の乾燥ゾーンの温度は、第1の乾燥ゾーンの温度よりも高くすることを特徴とするキャストフィルムの製造方法を提供する。
【0010】
本発明は、前記発明の好ましい態様として、塗布部において硬化性組成物の溶液を支持体上に塗工した後、得られた塗工物を塗布部から一定間隔をおいて配置された乾燥部に搬送し、該乾燥部内で溶媒を乾燥させて成形するキャストフィルムの製造方法であって、前記乾燥部を、20〜90℃で乾燥を行う第1の乾燥ゾーンと、70〜130℃で乾燥を行う第3の乾燥ゾーンと、120〜150℃で乾燥を行う第4の乾燥ゾーンとの少なくとも3ゾーンにわけ、各乾燥ゾーンの乾燥時間を40〜150秒とし、第3の乾燥ゾーンの温度は第1の乾燥ゾーンの温度よりも高くし、かつ第4の乾燥ゾーンの温度は第3の乾燥ゾーンの温度よりも高くすることを特徴とするキャストフィルムの製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明のキャストフィルムの製造方法においては、前記塗布部において硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗工した後、10〜120秒で乾燥部に搬送し、かつ搬送温度を0〜40℃とするのがより好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
1)支持体
本発明に用いられる支持体としては、樹脂フィルムや金属箔などが挙げられる。樹脂フィルムとしては、通常、熱可塑性樹脂フィルムが用いられ、具体的には、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。また、金属箔としては、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔などが挙げられる。これらのうち、耐熱性や耐薬品性、積層後の剥離性などの観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルムが好ましい。また、連続的に製造する場合には、帯状に連続した樹脂フィルムあるいは金属箔を用いるのが好ましい。
【0013】
支持体の厚さは特に制限されないが、作業性の観点から、通常1μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmである。また、支持体は、その表面にマッド処理、コロナ処理、離型処理などを行ったものを用いることができる。
【0014】
2)硬化性樹脂組成物
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物としては、特に制限はないが、例えば、エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、ポリイソシアネート樹脂組成物、ポリエステル樹脂組成物、ポリフェニルエーテル樹脂組成物、ポリノルボルネン樹脂組成物などが挙げられる。これらのうち、回路基板などの電子部品の絶縁材料として用いる場合には、誘電特性、低吸水性及び密着性に優れる点で、エポキシ樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物およびポリノルボルネン樹脂組成物が好ましく、ポリノルボルネン樹脂組成物が特に好ましい。
【0015】
エポキシ樹脂組成物としては、例えば特開平11−340625号公報記載のエポキシ樹脂組成物、ポリフェニレン樹脂組成物としては、例えば特開平9−290481号公報記載のポリフェニレン樹脂組成物、ポリノルボルネン樹脂組成物としては、例えばWO98/56011号公報記載のノルボルネン樹脂組成物などがそれぞれ好適である。
【0016】
上述した硬化性樹脂組成物は有機溶剤に溶解又は分散して樹脂ワニスとする。用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
これらの内、微細配線への埋め込み特性に優れ、気泡等を生じないものとして、芳香族炭化水素又は脂環式炭化水素のごとき非極性溶媒とケトン系溶媒のごとき極性溶媒との混合溶媒の使用が好ましい。溶媒の使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、硬化性組成物の溶液又は分散液の固形分濃度が、通常5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、より好ましくは20〜60重量%になる範囲である。
【0018】
硬化性樹脂組成物を溶媒中へ溶解(又は分散)する方法としては、例えば、攪拌子とマグネチックスターラーを使用した攪拌、高速ホモジナイザー、ディスパージョン、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボールミル、三本ロール等を使用した方法等が挙げられる。
【0019】
3)キャストフィルムの製造方法
本発明のキャストフィルムの製造方法は、(1)支持体上に硬化性樹脂組成物の溶液を塗布する塗布工程と、(2)得られた塗工物を乾燥部に搬送する搬送工程と、および(3)乾燥部において溶媒を除去乾燥する乾燥工程とを有する。
【0020】
(1)塗布工程
硬化性樹脂組成物の溶液の支持体表面への塗布方法としては特に制限はないが、例えばディップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコート法等の公知の塗布方法を用いることができる。塗工量は、溶媒を乾燥させた後の厚みで通常10〜200μm、好ましくは15〜150μmの範囲となる量である。
【0021】
(2)搬送工程
表面に硬化性樹脂組成物溶液が塗布された支持体(塗工物)は、乾燥部に搬送される。本発明においては、塗布してから乾燥工程が開始されるまでの(プレ乾燥)の時間を10〜120秒、特に20〜90秒とするのが好ましい。この時間を短くすると、塗工後の塗工表面が平坦に落ち着く前に乾燥が開始されることになり、液ムラや塗工ムラが生じるため好ましくない。一方、プレ乾燥の時間が長い場合には、乾燥が完了するまでのトータルの時間が長くなり、作業効率上好ましくない。また、プレ乾燥の温度は0℃〜40℃とするのが好ましい。0℃より低くなる場合には、空気中の水分が未乾燥の塗膜表面に結露し、塗膜の膜質が劣化するおそれがある。40℃以上とすると、溶媒の急激な蒸発により塗膜中に気泡が生じて良質で平坦性の高い膜が得らない。
【0022】
(3)乾燥工程
本発明は、乾燥部を少なくとも第1の乾燥ゾーンと第2の乾燥ゾーンとにわけ、各乾燥ゾーンの乾燥時間を40〜150秒とし、かつ第2の乾燥ゾーンの乾燥温度を第1の乾燥ゾーンの乾燥温度よりも高くすることを特徴とする。第1の乾燥ゾーンの乾燥温度は20〜90℃であり、好ましくは20〜60℃である。第1の乾燥ゾーンの温度を20℃未満とすると、溶媒の乾燥に時間がかかり作業効率上好ましくない。一方、90℃よりも高くすると、塗膜中に気泡が生じ良質で平坦な膜が得られなくなる。第2の乾燥ゾーンの温度は70〜150℃であり、好ましくは70〜120℃である。第2の乾燥ゾーンの温度を70℃未満とすると、トータルの乾燥に時間がかかり作業効率上好ましくない。一方、150℃を越える場合には、塗膜中に気泡が生じ、良質で平坦性の高い膜が得られなくなる。乾燥は、通常、塗膜表面に所定温度の乾燥した空気(乾燥エアー)をあてることにより行われる。乾燥エアーの風速は適宜設定することができるが、通常1m/sec〜100m/sec、好ましくは5m/sec〜60m/secである。乾燥エアーは、塗膜面及び/又は支持体面に略垂直にあてることが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい態様は、乾燥部を20〜90℃で乾燥を行う第1の乾燥ゾーン、70〜130℃で乾燥を行う第3の乾燥ゾーン及び120〜150℃で乾燥を行う第4の乾燥ゾーンの3つに分け、各乾燥ゾーンの乾燥時間を40〜150秒とし、第3の乾燥ゾーンの温度を第1の乾燥ゾーンの温度よりも高くし、かつ第4の乾燥ゾーンの温度を第3の乾燥ゾーンの温度よりも高く設定するものである。すなわち、上記第2の乾燥ゾ−ンを更に第3の乾燥ゾーンと第4の乾燥ゾーンとに分けて、より精密な乾燥温度と乾燥時間の管理を行う。この場合、温度の異なる乾燥ゾーンを4つ以上に分けて、より多段階に乾燥温度と乾燥時間の管理を行うこともできる。
【0024】
硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗付した後、溶媒を除去乾燥させると半硬化膜が得られる。本発明によれば、硬化性樹脂組成物溶液を支持体表面に塗布した後、塗膜から溶媒を除去乾燥させる乾燥温度および乾燥時間を制御することにより、膜中に気泡発生がなく、平坦性に極めて優れた半硬化膜を得ることができる。
【0025】
乾燥工程の前の搬送工程においても溶媒は蒸発し、半硬化化が開始している。そこで、本発明のより好ましい態様では、乾燥条件を細かく管理すると共に、既に(2)で述べたように、搬送工程における搬送時間および搬送時の温度も併せて管理を行う。このようにして、塗工工程、搬送工程及び乾燥工程での時間および温度をより精密に管理することにより、液ムラ、塗工ムラがなく、気泡発生のないきわめて高品質な半硬化膜を得ることができる。
【0026】
本発明のキャストフィルムの製造方法は、例えば図1に示すキャストフィルム製造装置により実施することができる。図1に示す製造装置は、例えば、回路基板の電気絶縁層として有用な絶縁材料(Bステージフィルム)を連続的に製造する装置である。この装置は、支持フィルム(支持体)2の送り出し部1と、送り出し部1から送り込まれた帯状に連続した支持フィルム2上に硬化性樹脂組成物を塗工する塗布部3と、硬化性樹脂組成物が塗工された支持フィルム5を乾燥部6に送り込む搬送部7と、乾燥ゾーンA、乾燥ゾーンB及び乾燥ゾーンCの3つに分けれた乾燥部8と、及び塗布層の溶媒を除去乾燥した支持フィルムをロール状に巻き取るフィルム巻き取り部9とからなっている。
【0027】
支持フィルム2は、フィルム送り出し部1から連続的に塗工装置4に送り込まれる。支持フィルム2の送り込み速度(移動速度)は自由に設定可能であるが、通常0.5〜30m/min程度である。塗布部3では、タンク6から配管5を通して、硬化性樹脂組成物溶液の一定量が図示しない塗工ヘッド部に連続的に送られ、支持フィルム2上に硬化性樹脂組成物の溶液を所定の塗工量で塗布する。
【0028】
搬送部7では、硬化性樹脂組成物溶液が塗布された支持フィルム(塗工物)4が一定の速度で乾燥部8へ搬送される。塗工から乾燥部への搬送時間は、自由に設定可能であり、搬送距離にも依存するが、10〜120秒、特に20〜90秒の範囲内が好ましい。また、搬送温度は0℃〜40℃に設定するの好ましい。この場合、溶媒の気化熱により塗膜表面が冷却されて塗膜表面に空気中の水分が結露するのを防止するために、例えば、塗布部と乾燥部の間の塗工された支持フィルムの移動位置の両側(あるいは上下)に図示しない発熱装置を取り付けるのも好ましい。
【0029】
乾燥部8は、乾燥ゾーンA、乾燥ゾーンBおよび乾燥ゾーンCの3つに仕切られている。塗工物は図面上左から右へ一定の速度で流れ、各乾燥ゾーンでは所定の温度に調整された乾燥エアーが送り出される。この3つの乾燥ゾーンを前記の第1の乾燥ゾーン及び第2の乾燥ゾーンに、又は第1の乾燥ゾーン、第3の乾燥ゾーンと第4の乾燥ゾーンにわりあて、第1及び第2又は第1、第3及び第4の乾燥ゾーンの温度を前記の範囲に調整し、第1乾燥ゾーンから順番に乾燥エアーの温度が高くなるようプログラムできるようになっている。塗工された支持フィルムを各乾燥ゾーンにどの位の時間滞留させるかは、塗膜の厚みや硬化性樹脂組成物の溶液(乾燥溶媒)の種類などに依存するが、本発明では40〜150秒、好ましくは50〜130秒に設定する。この設定は、例えば、乾燥エアーの温度調節、塗工された支持フィルムの移動速度および移動距離(各乾燥ゾーンの間隔を変えるなど)を調節するなどの方法により行うことができる。
【0030】
乾燥ゾーンCから送られてきた半硬化膜付きの支持フィルムは、フィルム巻き取り部9でロール状に巻き取られる。この場合、半硬化膜の表面に異物が混入しないように、保護フィルムを被覆あるいはラミネートするのも好ましい。
【0031】
以上のようにして、支持フィルム(支持体)上に、液ムラおよび塗工ムラがなく、膜中に気泡がない平坦性に優れた硬化性樹脂組成物の半硬化膜(キャストフィルム)を形成することができる。
【0032】
【実施例】
次に、製造例、実施例および比較例により本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、[部]は、[重量部]を意味する。
(製造例1)
六塩化タングステン、トリイソブチルアルミニウムおよびイソブチルアルコールからなる重合触媒を用い、公知の方法により、8−エチルテトラシクロ[4.4.12.5.17.10.0]−3−ドデセン(以下、ETDと略す。)を重合させた後、ニッケルアセチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウムの水素添加触媒を用いて水素化し、ノルボルネン系開環重合体水素添加物(以下、ポリマーAという。)を得た。このものの水素添加率は99%以上であった。
【0033】
次に、オートクレーブ中でポリマーA 100部、無水マレイン酸 35部、ジクミルパーオキシド 3.5部、およびt−ブチルベンゼン 300部を混合し、135℃で4時間反応させた後、反応液をイソプロパノール中に滴下、凝固、乾燥し、変性ポリマーを得た。得られた変性ポリマーは、Tgが158℃、重量平均分子量が55,400、変性率は26モル%であった。
【0034】
次いで、変性ポリマー、多官能エポキシ化合物およびイミダゾール化合物を第1表に示した配合比で遊星攪拌機(3000rpm×10min)を用いて混合し、この混合物量が30重量%となるようにトリメチルベンゼン/シクロヘキサノン(6/4重量比)溶液に溶解して硬化性樹脂組成物の溶液を得た。
【0035】
(実施例1〜3および比較例1、2)
上記で得た硬化性樹脂組成物の溶液を、前記図1に示したキャストフィルム製造装置を用いて、厚さ75ミクロン、巾100mmの帯状に連続した厚さ75ミクロンのポリエチレンナフタレートフィルム(商品名:テオネックス、帝人(株)製)上に、乾燥後の塗膜の厚さが50μmとなるように連続塗工し、下記第1表に示す条件で乾燥させた。なお、乾燥部内の各乾燥ゾーンにおける乾燥エアーは、塗膜面及び支持体面の垂直方向から風速20m/secで送風した。表中のプレ乾燥は、塗工後、乾燥部に搬送される区間のことである。
【0036】
乾燥塗膜の物性評価試験
上記実施例及び比較例で得られた各乾燥塗膜について、面状評価と塗膜中の気泡発生の有無を調査することにより、その物性を評価した。
(1)面状評価試験
上記で得られた乾燥塗膜の表面の面状を目視観察により評価した。その結果、面状のムラがまったくない場合を◎、ムラがほとんどない場合を○、ムラが若干ある場合を△、塗膜表面全体にある場合を×として評価した。試験結果を下記第1表に示す。
(2)気泡の有無の調査
得られた乾燥塗膜を垂直面に沿ってカッターナイフで切断し、切断面を目視観察により気泡の有無を調べた。観察の結果、気泡がまったくないものを◎、気泡がほとんどないものを○、気泡がやや見られるものを△、気泡が全面に発生しているものを×として評価した。観察結果を第1表に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004182624
【0038】
第1表から明らかなように、各実施例の乾燥塗膜は液ムラや塗工ムラがなく表面の平坦性に優れ、また塗膜中に気泡発生のない高品質なものであった。一方、乾燥の時間を短くしたり(比較例1)、乾燥ゾーンA及び乾燥ゾーンBでの乾燥の温度を高くした場合(比較例2)には、得られるキャストフィルムは実施例のものに比して平坦性に劣り、膜中に気泡の発生が認められ、膜質が劣っていた。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は流延製膜法による回路基板の電気絶縁材料等に好適なキャストフィルムの製造方法であって、液ムラや塗工ムラ、膜中の気泡の発生を防止することにより、平坦性および膜質に極めて優れたキャストフィルムを製造することができる。また、本発明の製造方法は、従来の製造ラインに大幅な変更を加えることなく、得られるキャストフィルムの品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施することができるキャストフィルムの製造装置の概略図である。
【符号の説明】
1…フィルム送り出し部、2…支持フィルム、3…塗布部、4…硬化性樹脂組成物の溶液が塗布された支持フィルム、5…配管、6…硬化性樹脂組成物の溶液のタンク、7…搬送部、8…乾燥部、9…フィルム巻き取り部

Claims (3)

  1. 塗布部において硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗工した後、得られた塗工物を塗布部から一定間隔をおいて配置された乾燥部に搬送し、該乾燥部内で溶媒を乾燥させて成形するキャストフィルムの製造方法であって、
    前記乾燥部を、20〜90℃で乾燥を行う第1の乾燥ゾーンと、70〜150℃で乾燥を行う第2の乾燥ゾーンとの少なくとも2ゾーンにわけ、各乾燥ゾーンの乾燥時間を40〜150秒とし、かつ第2の乾燥ゾーンの温度は、第1の乾燥ゾーンの温度よりも高くすることを特徴とするキャストフィルムの製造方法。
  2. 塗布部において硬化性樹脂組成物の溶液を支持体上に塗工した後、得られた塗工物を塗布部から一定間隔をおいて配置された乾燥部に搬送し、該乾燥部内で溶媒を乾燥させて成形するキャストフィルムの製造方法であって、
    前記乾燥部を、20〜90℃で乾燥を行う第1の乾燥ゾーンと、70〜130℃で乾燥を行う第3の乾燥ゾーンと、120〜150℃で乾燥を行う第4の乾燥ゾーンとの少なくとも3ゾーンにわけ、各乾燥ゾーンの乾燥時間を40〜150秒とし、第3の乾燥ゾーンの温度は第1の乾燥ゾーンの温度よりも高くし、かつ第4の乾燥ゾーンの温度は第3の乾燥ゾーンの温度よりも高くすることを特徴とするキャストフィルムの製造方法。
  3. 前記塗布部から塗工物を乾燥部に搬送する時間を10〜120秒にし、かつ搬送時の温度を0〜40℃とすることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のキャストフィルムの製造方法。
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