JP4182149B2 - 様々な条件下での複数の測定による二本鎖および三本鎖ハイブリダイゼーションの均質測定法 - Google Patents

様々な条件下での複数の測定による二本鎖および三本鎖ハイブリダイゼーションの均質測定法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
1.発明の属する技術分野
本発明は、核酸を配列決定または測定する方法に関し、詳細には、三本鎖および二本鎖核酸ハイブリダイゼーション複合体を正確に測定する方法に関する。
【0002】
2.関連技術の記載
何年にもわたり、生物分子は試料に電場を印加することにより単離、キャラクタリゼーションを行うことができることが理解されている。
電気泳動は生物分子への電場の影響に基づく単離、キャラクタリゼーション技術のおそらく最もよく知られている一例である。ゲル電気泳動では、均一マトリクスまたはゲルは例えばポリアクリルアミドから形成され、これに電場が印加される。ゲルの一端に適用された混合物はそのサイズおよび電場との相互作用によりゲルを通って移動する。移動度は構造、サイズおよび電荷などの物質の独特な特性に依存する。移動度は、ゲルの細孔サイズを変える、例えば、濃度またはpH勾配を形成する、または緩衝液の組成(pH、SDS、DOC、グリシン、塩)を変更することにより影響を受ける。一次元および二次元ゲル電気泳動は大部分の研究所での日常的な手順となっている。標的物質はゲルを通過することにより、あるいはゲルから物理的に抽出されることにより精製することができる。
【0003】
生物試料に電場が印加されるより最近開発されたプロセスはStanleyに付与された米国特許第5,824,477号において開示されている。Stanleyの特許では、試料中の予め決められた核酸配列の有無を検出するためのプロセスが開示されている。このプロセスは(a)電極により溶液中の試料に電圧を印加することにより試料の二本鎖核酸試料を変性させる工程と、(b)変性した核酸を配列決定のためのオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせる工程と、(c)ハイブリダイゼーションが起きたかどうか決定する工程と、を含む。Stanleyの特許では標的配列を変性させるという限られた目的のために測定試料に電場を印加することが開示されている。
【0004】
より周知の型のハイブリダイゼーション測定法は、蛍光標識剤を使用するものである。最も基本的な形式において、蛍光強度に基づく測定法は、通常、蛍光発色団を含むプローブと標的分子を接触させ、結合プローブから非結合プローブを除去し、洗浄した試料の蛍光を検出することから成る。均質測定法は、洗浄ステップや非液相支持体の設置を必要としない点で、そのような基本的測定法を改善している。
【0005】
測定法の中には、ハイブリダイゼーション複合体中の核酸の鎖間への蛍光発色団の結合能に基づいて、核酸ハイブリッド形成を検出するインターカレータ(挿入剤)蛍光発色団を使用しているものもある。
【0006】
例えばBurkeらに付与された米国特許第5,824,557号は、核酸分子を検出し定量化する方法およびキットを開示している。好ましい実施形態は、二本鎖核酸ヘリックスあるいは一本鎖核酸に染料を挿入することに依存している。染料は挿入後に蛍光を発するが、その強度は試料中に存在する核酸の量の直接測定値である。Burkeらの方法は、試料中の核酸の量を測定するのに役立つと伝えられているが、該方法の基礎となっている挿入剤と核酸間の非特異的結合は、該方法を(特に標的でない核酸二本鎖が存在する条件下での)特異的結合の検出に対して非実用的なものとしている。
【0007】
Ishiguroらに付与された米国特許第5,814,447号は、Burkeらの測定法のような挿入剤と核酸二本鎖間の非特異的相互作用に基づく測定法や、Ishiguroらによって日本国特許公報第237000号(1993年)に記述された以前の測定法よりも優れた改良を与える測定法を開示している。初期の開発は、標的核酸の特定領域がPCRによって増幅する前に試料溶液に挿入された時に蛍光強度の増大を示す傾向を有する挿入剤蛍光色素を添加することと、増幅前に標的核酸を検出かつ定量化するために反応溶液からの蛍光強度を所定の時間間隔で測定することから成っていた。’447特許は、プローブが挿入剤蛍光色素で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドであり、該挿入剤蛍光色素が標的核酸と一本鎖オリゴヌクレオチドプローブ間の相補的結合部分に挿入されることを特徴とする、改良された特異性を有する測定法を与えることにより、以前の開発より優れた改良を行うことを試みた。
【0008】
より高い感度と精度、ならびにより迅速な測定技術が継続して求められている中で、ある研究グループが核酸ハイブリダイゼーション二本鎖の蛍光強度に対する電場の影響を分析する工程を含む測定法を開発した。米国特許出願番号第08/807,901号および08/870,370号(各々1997年2月27日、1997年6月6日に出願)を参照されたい。その研究者らは、塩基対が1つ誤対合した二本鎖の蛍光強度は完全に対合した二本鎖の蛍光強度とは異なることを示した。このように、これらの出願は、検出工程前にまたは検出工程と同時に液体媒質に電場を印加し、電場の関数としての蛍光放出の強度変化を、プローブが完全に相補的なヌクレオチド配列または不完全に相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズしたかどうかを示すものとして検出する、ヌクレオチド配列検出法を開示するものである。
【0009】
以上の開発にもかかわらず、核酸および/または核酸類似体の間の相互作用を分析するための、単純で、感度が非常に高く、有効で、迅速な方法が当該技術分野では依然として必要とされている。
本明細書に引用した参考文献はすべて、参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、配列特異的なハイブリッド形成を測定するための方法であって、
少なくとも1つの核酸配列を有する標的を提供する工程と、
核酸または核酸類似体の配列を有するプローブを提供する工程と、
前記プローブおよび前記標的をハイブリダイゼーション媒質に加えて、試験試料を提供する工程と、
前記試験試料に第1刺激を加えて、第1刺激された試験試料を提供する工程と、
前記第1刺激された試験試料から、前記プローブと前記標的との間の結合親和性と相関する第1信号を検出する工程と、
前記標識と結合された少なくとも1つの基準プローブを含む基準試料が示す基準信号に対して前記第1信号を較正する工程であって、前記標的に比べて、前記プローブおよび前記少なくとも1つの基準プローブの各々は、完全対合、1塩基誤対合、2塩基誤対合、3塩基誤対合、1塩基欠失、2塩基欠失、3塩基欠失から成る群から選択された異なるメンバーである工程と、
前記較正から、前記プローブと前記標的間の対合程度の第1決定値を決定する工程と、
前記第1刺激された試験試料に第2刺激を加え、第2刺激された試験試料を提供する工程と、
前記第2刺激された試験試料から、前記プローブと前記標的間の前記結合親和性と相関する第2信号を検出する工程と、
前記第2信号の検出工程から、前記プローブと前記標的との間の前記対合程度の第2決定値を決定する工程と、
前記第1決定値と前記第2決定値とを比較する工程と、から成る方法を提供する。
【0011】
本発明はまた、ハイブリッド形成を測定する別の方法であって、
少なくとも1つの核酸配列を有する標的を提供する工程と、
核酸または核酸類似体の配列を有するプローブを提供する工程と、
前記プローブおよび前記標的をハイブリダイゼーション媒質に加えて、試験試料を提供する工程と、
前記試験試料の第1条件の第1信号を測定し、前記プローブと前記標的間のハイブリッド形成に関する第1決定値を提供する工程であって、前記第1信号は前記プローブと前記標的間のハイブリッド形成に相関する工程と、
前記試験試料の第2条件の第2信号を測定し前記プローブと前記標的との間のハイブリダイゼーションに関する第2決定値を提供する工程であって、前記第2信号は前記プローブと前記標的間のハイブリッド形成に相関し、前記第1条件と前記第2条件とが類似しているとすれば、前記第1信号の測定後で、かつ前記第2信号の測定前に、刺激が前記試験試料に加えられ、前記刺激は前記プローブと前記標的間の不完全に相補的なハイブリッド形成に有意な影響を及ぼすが、前記プローブと前記標的間の完全に相補的なハイブリッド形成には有意に影響を及ぼさない工程と、
前記第1決定値と前記第2決定値とを比較して、それらの間の不一致が再試験を必要とするものであるかどうかを評価する工程と、から成る方法も提供する。
【0012】
さらに、本発明は、別のハイブリッド形成の測定方法であって、
少なくとも1つの核酸配列を有する標的を提供する工程と、
核酸または核酸類似体の配列を有するプローブを提供する工程と、
前記プローブおよび前記標的をハイブリダイゼーション媒質に加えて、試験試料を提供する工程と、
前記試験試料に通電前の蛍光強度を測定し、前記プローブと前記標的間のハイブリッド形成に関する第1決定値を提供する工程であって、前記通電前の蛍光強度は前記プローブと前記標的との間のハイブリッド形成に相関する工程と、
前記試験試料に電圧を印加する工程と、
前記電圧印加中か印加後に前記試験試料の通電後の蛍光強度を測定し、前記プローブと前記標的間のハイブリッド形成に関する第2決定値を提供する工程であって、前記通電後の蛍光強度は前記プローブと前記標的間のハイブリッド形成に相関する工程と、
前記第1決定値と前記第2決定値とを比較しそれらの不一致が再試験を必要とするものであるかどうかを評価する工程と、から成る方法を提供する。
【0013】
本発明はまた、配列特異的なハイブリッド形成を測定する方法であって、
少なくとも1つの核酸配列を有する標的を提供する工程と、
核酸または核酸類似体の配列を有するプローブを提供する工程と、
ハイブリダイゼーション媒質に前記プローブおよび前記標的を加えて、試験試料を提供する工程と、
前記試験試料に電圧を印加する工程と、
前記電圧印加中か印加後に、前記プローブと前記標的との間の結合親和性と相関する前記試験試料の信号を検出する工程と、
前記標識と結合された少なくとも1つの基準プローブを含む基準試料が示す基準信号に対して前記第1信号を較正する工程であって、前記標的に比べて、前記プローブおよび前記少なくとも1つの基準プローブの各々は、完全対合、1塩基誤対合、2塩基誤対合、3塩基誤対合、1塩基欠失、2塩基欠失、3塩基欠失からなる群から選択された異なるメンバーである工程と、
前記較正から、前記プローブと前記標的間の対合の程度を決定する工程と、から成る方法を提供する。
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、標的とプローブ間の結合を測定する、迅速で、感度が高く、環境にやさしくて、安全な方法を提供する。標的は核酸配列または核酸類似体の配列を有し、プローブは核酸配列または核酸類似体の配列を有する。
【0015】
特定の先行技術と異なり、本発明はハイブリダイゼーションの存在を検出するだけでなく、プローブと標的間のハイブリダイゼーションの性質に関する定性的・定量的情報を提供する。従って、従事者は、完全対合、1つの塩基対誤対合、2つの塩基対誤対合、3つの塩基対誤対合、1つの塩基対欠失、2つの塩基対欠失および3つの塩基対欠失を、本発明によって区別することができる。
【0016】
本発明の実施形態は、第1のプローブ標的混合物について測定した信号(例えば、電流および/または蛍光強度)を、同じ標的と結合した他のプローブによって示された同じ型の信号に対して較正することから成る。ここで、他のプローブの各々は、少なくとも1つの塩基だけ、第1のプローブと異なっている。
【0017】
所定の実施の形態では、前記信号を測定する前に、あるいは測定と同時に試料に低い電圧が印加される。一般に、電圧は不完全に対合したハイブリダイゼーション対を不安定にするには十分なほど高く、完全に対合したハイブリダイゼーション対を不安定にするほどは高くないように選択される。所定の好ましい実施の形態では、電圧は約1Vから約20Vまでである。
【0018】
測定した信号(例えば、電流および/または蛍光強度)の大きさが標的とプローブ間の結合親和性の関数である検量線を生成することが可能である。標的と複数の異なるプローブ間の結合親和性は、誤対合塩基の数、誤対合の性質(A−G対A−C対T−G対T−Cなど)、ハイブリダイゼーション複合体の内部の誤対合の位置等と共に変化するために、本発明の測定方法を、標的の配列決定を行うために使用することが可能である。
【0019】
測定した信号は例えば電気コンダクタンスとすることができる。そのような実施の形態では、プローブと標的間の結合親和性は直接信号の大きさと相関する。すなわち、コンダクタンスはプローブと標的間の対合の程度に伴い、好ましくは0〜2の誤対合および/または欠失を含む範囲において、より好ましくは0〜3の誤対合および/または欠失を含む範囲において増加する。
【0020】
他の実施の形態では、測定した信号は試験試料に含まれる蛍光発色団の蛍光強度とすることができる。そのような実施の形態では、蛍光発色団が信号消光あるいは信号増幅のいずれによりハイブリダイゼーションの信号を送るかにより、プローブと標的間の結合親和性と強度とは正比例または反比例の関係となる。このように、挿入剤により発生する蛍光強度はプローブ−標的結合親和性と比例相関し、プローブに共有結合により結合される挿入されない蛍光発色団を使用する実施の形態の強度はプローブ−標的結合親和性と反比例相関する。蛍光強度はプローブと標的との間の対合の程度により、好ましくは0−2の誤対合および/または欠失を含む範囲において、より好ましくは0−3の誤対合および/または欠失を含む範囲において増加する(あるいは非挿入剤では減少する)。
【0021】
発明者らは依然にハイブリダイゼーションに対しては蛍光強度測定法が好都合であることを開示している(1999年12月21日に出願された米国特許出願番号第09/468,679号を参照のこと)。以下の実施例6に示すように、試料に電場を印加すると測定法の分解能が増大する。
【0022】
さらに、本発明の特に好ましい実施の形態では、測定法は試料の少なくとも2つの信号を測定する工程を含む。第1信号は好ましくは蛍光強度であり、第2信号は好ましくはいくつかのコンダクタンス測定値から選択される(その逆も可)。
【0023】
好ましい複数測定の実施の形態では、第1信号は第2信号と同じであっても異なっていてもよい。測定した第1および第2信号が同じである場合、第2信号は第1信号に対し及び/または第1信号を較正するために使用した同じ基準信号に対し較正することができる。さらに、第1信号を測定した後第2信号を測定する前に条件変化刺激を試験試料に加えることが好ましい。刺激はプローブと標的間の不完全に相補的なハイブリダイゼーションにかなり影響するほど十分なものであるが、プローブと標的間の完全に相補的なハイブリダイゼーションに影響するほどには十分でないことが好ましい。
【0024】
例えば、本発明の特に好ましい実施の形態では、測定した第1信号は通電前蛍光強度(すなわち、条件変化電圧を試験試料に印加する前に測定した強度)であり、測定した第2信号は通電後蛍光強度(すなわち、条件変化電圧を試験試料に印加している間または印加後に測定した強度)である。
【0025】
前述の実施の形態における追加の測定により測定法の信頼性が増大し、疑わしい結果について直ちに再試験することができる。少なくとも2つの測定値が一致しないと、典型的には再試験が必要となるであろう。
【0026】
本発明はプローブと標的間の結合親和性の定量化を可能にする。そのような情報は、最適化された結合特性を有するアンチセンス薬を設計することを含めた様々な用途に有用であり得る。
【0027】
先行技術の方法と異なり、本発明の測定法は好ましくは均質である。測定は、測定信号の大きさの検出に先立って自由プローブおよび標的からプローブ標的複合体を分離せずに行うことが可能である。測定はゲル分離ステップを必要としないため、試験のスループットの大きな増加を可能にする。定量分析は単純かつ正確である。従って、結合測定法は、多くの時間と費用を節約し、容易に自動化できる。さらに、結合測定法は、緩衝液、pH、イオン濃度、温度、インキュベーション時間、プローブ配列と標的配列の相対濃度、挿入剤濃度、標的配列の長さ、プローブ配列の長さ、および考えられる補因子の必要条件のような結合変数を、速やかに決定することを可能である。
【0028】
測定法は例えばウェル中、不浸透性表面上またはバイオチップ上の溶液中で実行することができる。
さらに、本発明の測定法は好ましくは、標的上のまたはプローブ上にシグナル消光剤を提供せずに行われる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態は、特にプローブと二本鎖標的間の三本鎖ハイブリダイゼーションを検出し、標的を変性する必要性をなくす。PNA(ペプチド核酸)プローブは、特定のクラスの標的と共に三本鎖を形成することが知られているが(例えばEgholmら、365 Nature 566 (1993)、Tomacら、118 J.Am.Chem.Soc. 5544(1996)参照)、本願発明者は該PNAプローブが一本鎖核酸(例えばssDNAおよびRNA)プローブと二本鎖核酸(例えばdsDNA)標的との間に形成された三本鎖を特に測定できることに驚いた。三本鎖の形成および/または安定化は試験する試料中に挿入剤を存在させると増強する。
【0030】
本発明の測定法に使用される適切なプローブには、例えばssDNA、RNA、PNA、荷電していないまたは部分的に荷電されたバックボーンを有する他の核酸類似体が含まれる。特定の実施の形態では逆平行プローブが好ましいが、PNAプローブは平行とすることもできる。8個から20個までの塩基の長さを有するプローブ配列が好まれる。なぜならそれが、原始核生物および真核生物のうちの最小の固有DNA配列が見出される範囲だからである。12〜18個の塩基から成るプローブは、ヒトゲノムにおける最小の固有配列の長さであるので、特に好ましい。ある実施形態では、6〜30塩基から成るプローブが最も好ましい。しかしながら、ヌクレオチド配列を固有に識別するために結合する複数の非固有の標的配列を有するヌクレオチド配列を検出するためには、複数のより短いプローブを使用してもよい。プローブの長さは標的の長さと対合するように選択することができる。
【0031】
本発明は、危険で、労力を要し、かつ使用に時間がかかる放射性のプローブの使用を必要とせず、常に再生される必要はない。本発明のプローブは、好ましくは、安全に使用でき、何年も安定している。従って、プローブを多量に作成または注文し、保存することが可能である。
【0032】
プローブと標的は共に標識されていないことが好ましい。しかし、他の実施形態では、プローブに挿入剤が共有結合により結び付けられる。そのような実施形態では、挿入剤は、プローブのいずれかの端部に好ましくは結び付けられる。
【0033】
別の実施形態では、挿入剤はプローブに共有結合によっては結び付けられないが、非共有結合の様式でプローブに結合するという意味で、挿入剤を測定中にプローブと標的の間に挿入することができる。
【0034】
本発明で使用される好ましい挿入剤としては、例えばYOYO−1、TOTO−1、臭化エチジウム、エチジウムホモ二量体−1、エチジウムホモ二量体−2、およびアクリジンが含まれる。一般に、挿入剤は、二本鎖および/または三本鎖の核酸複合体の鎖の間に挿入可能な部分である。好ましい実施形態では、挿入剤(またはその構成要素)は、核酸がない条件では本質的に非蛍光性であり、適切な波長の放射線によって挿入および励起された時には蛍光を発し、二本鎖または三本鎖の核酸複合体に挿入された時には100倍〜10,000倍の蛍光の増強を示す。
【0035】
他の実施形態では、挿入剤は、適切な波長の放射線により挿入および励起された時に、蛍光波長の変化を示し得る。正確な蛍光波長は、挿入される核酸の構造に依存し得る(例えば、DNA対RNA、二本鎖対三本鎖等)。
【0036】
励起波長は、使用されている蛍光発色団の励起最大値に対応させるために、(日常的な実験および/または慣習的な知識によって)選択され、好ましくは200〜1000nmである。挿入剤は200〜1000nmの発光波長を有するように好ましくは選択される。好ましい実施形態では、400〜540nmの波長を有する光で蛍光発色団を照射するためには、アルゴンイオンレーザーが使用され、蛍光の放出は500〜750nmの範囲で検出される。
【0037】
本発明の測定法は、例えば5〜85℃のような種々の温度にわたって行うことが可能である。ある先行技術の測定法では、高い温度が必要とされるため、測定のコストと遅れを増すこととなっている。他方、本発明は室温またはそれより低い温度(例えば25℃未満の温度)で行うことが可能である。
【0038】
本発明の測定法は非常に感度が高いため、標的のPCR増幅を行う必要性がない。例えば、少なくとも蛍光強度実施形態では、体積が約20μlの試験試料(約10フェムトモルの標的と約10フェムトモルのプローブを含む)を測定することが可能である。本発明の実施形態は、5×10−9Mの濃度、好ましくは多くて5×10−10Mの濃度の標的を測定するのに十分な程度に感度が高い。本発明の実施形態は5×10−9Mの濃度、好ましくは多くて5×10−10Mの濃度のプローブを使用するのに十分な程度に感度が高い。
【0039】
導電率測定により、40μl中に約1pmoleのプローブと1pmoleの標的という少ない量しか含まない試料を識別できる。試料体積を減少させると、プローブと標的の使用量をさらに減少させることができる。
【0040】
上記の値が、該方法がそれより高い濃度を検出できないことを示唆する意味ではないことは言うまでもない。
試験されるプローブおよび標的濃度のそれぞれにおいて広範囲の挿入剤濃度が許容される。例えば、5×10−10Mのプローブと5×10−10Mの標的とをハイブリダイズさせる場合、挿入剤YOYO−1の最適濃度は25nMから2.5nMの範囲である。プローブおよび標的のどちらともが5×10−8Mである場合、好ましいYOYO−1濃度は1000nMから100nMである。
【0041】
この測定法は十分感度が高く、1塩基対誤対合プローブ−標的複合体と2塩基対誤対合プローブ−標的複合体、好ましくは2塩基対誤対合プローブ−標的複合体と3塩基対誤対合プローブ−標的複合体とを識別することができる。当然、この測定法は十分感度が高く、完全に対合したプローブ−標的複合体と上記誤対合した任意の複合体とを識別することができる。
【0042】
ハイブリダイゼーション媒質はヌクレオチドを保存するのに適していることで知られている任意の従来の媒質であってよい。例えばSambrookら, ”Molecular Cloning: A Lab Manual,”第2巻(1989年)を参照されたい。例えば、液体媒質には、ヌクレオチド、水、緩衝液および標準塩濃縮液が含まれ得る。
【0043】
相補的塩基間のハイブリダイゼーションは、温度、塩濃度、静電気強度および緩衝液組成を変化させた、種々の条件下で起こる。そのような条件と、該条件を適用する方法は、当該技術分野で周知である。
【0044】
約15℃〜約25℃の温度、約1分〜約5分間で、ハイブリダイゼーション複合体を形成することが好まれる。それより長い反応時間は必要でないが、数時間インキュベーションしたとしてもハイブリダイゼーション複合体には悪影響を及ぼさないだろう。
【0045】
(特に挿入剤を含む実施の形態では必要ではないが)ある試薬の使用によって、溶液でのハイブリダイゼーションを促進することは可能である。そのような試薬の好ましい例としては、Rec Aタンパク質、T4遺伝子32タンパク質、大腸菌(E.coli)一本鎖結合タンパク質、核酸主溝または核酸小溝結合タンパク質;二価イオン;多価イオン;ビオロゲン;ならびに臭化エチジウム、アクチノマイシンD、ソラレンおよびアンゲリシン等の挿入物質が含まれる。そのような促進試薬は、例えば異常なpHレベルや極端な高温下での、極端な操作条件において有用であることが判明し得る。
【0046】
本発明の測定法は、例えば、折り畳まれたヌクレオチド配列中のアクセス可能な領域を同定したり、ハイブリダイゼーション複合体中の誤対合塩基対の数を決定したり、ゲノム地図を作成したりするために使用可能である。
【0047】
挿入剤を使用して蛍光強度を検出する実施の形態では、強度はプローブと標的間の結合親和性が増加するのに伴い増加する。非挿入蛍光発色団を用いて蛍光強度を検出する実施の形態では、強度はプローブと標的間の結合親和性が増加するのに伴い減少する。蛍光発色団が挿入されるかどうかに関わらず、本願にかかる方法では、蛍光異方性法とは異なり蛍光の偏光を測定する必要がない。
【0048】
本発明を以下の実施例を参照しながらより詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されないことを理解すべきである。
本発明を、同様な参照数字が同様な要素のことを指す以下の図面に関連付けて説明する。
【0049】
(実施例)
実施例1
ヒト膵嚢胞性線維症遺伝子のエクソン10由来のセンスとアンチセンス50mer ssDNA標的配列(Nature 380 207(1996年))を、DNA合成装置(Expedite 8909,PerSeptive Biosystems)で合成し、HPLCにより精製した。等モルの量の相補的オリゴヌクレオチドを95℃で10分間変性し、温度が21℃まで1.5時間にわたって冷却されるにつれて、徐々にアニールさせた。二本鎖DNA(dsDNA)オリゴヌクレオチドを、1 pmole/μlの濃度でddHOに溶解した。
【0050】
野生型標的DNAのセンス鎖は以下の配列を有していた(配列番号1):5’−TGG CAC CAT TAA AGA AAA TAT CAT CTT TGG TGT TTC CTA TGA TGA ATA TA−3’。
【0051】
野生型標的DNAのアンチセンス鎖は以下の配列を有していた(配列番号1):5’−TAT ATT CAT CAT AGG AAA CAC CAA AGA TGA TAT TTT CTT TAA TGG TGC CA−3’。
【0052】
dsDNA(配列番号1)の予想融点(T)は65.2℃である。
アミノ酸507位置の野生型配列CATがCTに変化する1つの塩基対変異(下線)を除いて、野生型標的DNA(配列番号1)と同じ50merの変異型dsDNA標的配列を、配列番号2とした。
【0053】
配列番号2のセンス鎖は、以下の配列を有していた:5’−TGG CAC CAT TAA AGA AAA TAT CT CTT TGG TGT TTC CTA TGA TGA ATA TA−3’。
【0054】
配列番号2のアンチセンス鎖は、以下の配列を有していた:5’−TAT ATT CAT CAT AGG AAA CAC CAA AGA GA TAT TTT CTT TAA TGG TGC CA−3’。
【0055】
dsDNA(配列番号2)の予想融点は(T)66.0℃である。
アミノ酸506,507位置の野生型配列CATがACTに変化する連続する2つの塩基対変異(下線)を除いて、野生型標的DNA(配列番号1)と同じ50mer変異型dsDNA標的配列を配列番号3とした。
【0056】
配列番号3のセンス鎖は以下の配列を有していた;5’−TGG CAC CAT TAA AGA AAA TAT ACT CTT TGG TGT TTC CTA TGA TGA ATA TA−3’。
【0057】
配列番号3のアンチセンス鎖は以下の配列を有していた:5’−TAT ATT CAT CAT AGG AAA CAC CAA AGA GTA TAT TTT CTT TAA TGG TGC CA−3’。
【0058】
dsDNA(配列番号3)の予想融点(T)は65.2℃である。
実施例で使用するPNA(ペプチド核酸)プローブを合成し、HPLCで精製し、Commonwelth Biotechnologies社(米国バージニア州リッチモンド所在)の質量分析法により確認した。PNAプローブは、最初、10mg/ml濃度になるよう0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)に溶解し、次に、ddHOの追加により1mg/mlまで希釈した。最終PNA溶液は1pmole/μlの濃度(ddHO溶液)に調製した。
【0059】
第1番プローブは、50mer野生型標的DNA(配列番号1)のセンス鎖の15ヌクレオチドセグメントに完全に相補的となるよう設計された15mer逆平行PNAプローブだった。第1番プローブは、アミノ酸505〜510位置(Nature 380、207(1996年)がオーバラップしている。第1番プローブは以下の構造(配列番号8)を有していた:5’−H−CAC CAA AGA TGA TAT−Lys−CONH−3’。
【0060】
ハイブリダイゼーション反応混合物(80μl)は下記を含有していた:2pmolesの標的dsDNA、2pmolesのPNAプローブ、0.5X TBE、および250nMのDNA挿入剤YOYO−1(Molecular Probes、米国オレゴン州ユージーン所在)。試料を3mmの石英キュベットに入れ、1また5ボルトのDC(V)を15秒通電した。電流測定法は溶液への電圧の印加中における電流のモニタリング工程を含む。各溶液中には温度プローブを配置し、電流測定時の温度を測定した。1ボルトでは、通電の最初の2秒中に電流ピークが観察された。電流はその後13秒にわたり急激に減少した。5ボルトを印加する実験では、電流は全通電期間(15秒)にわたり比較的安定なままであった。
【0061】
一連の実験を実行した。それらの実験では、コンダクタンス値が、DNAまたはPNAが存在しない時(対照標準)、または野生型配列番号1、変異型配列番号2もしくは変異型配列番号3が第1番の逆平行PNAプローブと反応した時に観察された。図1A,1Bはそれぞれの実験におけるコンダクタンスに対し得られたデータをプロットしたものである。図1Aは1Vの印加における結果、図1Bは5Vの印加における結果を示したものである。完全に相補的な配列(配列番号1+第1番のプローブ)から成る二本鎖DNA:PNAハイブリッド三本鎖は、最大のYOYO−1挿入を許容し、これにより1Vの印加15秒間全体を通して最も高いコンダクタンス値(図において負の電流値として示した)が生じた。電圧印加の最初の1秒間では、逆平行PNAプローブと1塩基対誤対合のdsDNA(配列番号2+第1番プローブ)および2塩基対誤対合のdsDNA(配列番号3+第1番プローブ)との三本鎖ハイブリダイゼーションに対する正規化ピークコンダクタンスはそれぞれ、完全に対合したdsDNA:PNA三本鎖ハイブリッド(配列番号1+第1番プローブ)において観察されたものより79%、96%だけ低かった(図1A)。全15秒の電圧印加にわたりコンダクタンス値を平均すると、完全に相補的な三本鎖と塩基対の誤対合を含む三本鎖との間では、同様の割合のコンダクタンスの減少が見られた。図1Aでは、1塩基対および2塩基対誤対合のdsDNA:PNAハイブリッドの平均コンダクタンス値がそれぞれ、完全に対合したdsDNA:PNAハイブリッドに対する平均コンダクタンス値よりも65%、91%だけ低いという結果が得られた。図1Aに示した実験は全て室温(23℃)で実行した。プローブと二本鎖標的間の誤対合の程度が増加するにつれて、YOYO−1による挿入のレベルは減少し、コンダクタンスのレベルが低下した。上述した実験を繰り返し、より高い電圧(5V)を印加した場合にもこの関係が観察された。5V印加中、1塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号2+第1番プローブ)および2塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号3+第1番プローブ)の正規化した平均コンダクタンス値はそれぞれ、完全に対合したdsDNA:PNA三本鎖(配列番号3+第1番プローブ)で観察された値よりもそれぞれ52%、67%だけ低かった(図1B)。図1Bに示した実験は室温(23℃)で実行した。
【0062】
温度を50℃および65℃まで上昇させて実験を繰り返すと、同様の電流測定値が観察された。50℃で、完全に対合したdsDNA:PNA三本鎖(配列番号1+第1番プローブ)に1Vを15秒間印加すると、−0.25μAmpの平均電流が得られ、1塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号2+第1番プローブ)では−0.15μAmp(40%の減少)、2塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号3+第1番プローブ)では−0.06μAmp(76%の減少)であった(図1C)。65℃では、1Vの電気を15秒印加すると同様のことが観察された。完全に対合した核酸ハイブリッドでは−0.37μAmpの平均電流が得られ、1塩基対および2塩基対誤対合のハイブリッドではそれぞれ−0.16μAmp(57%の減少)、−0.01μAmp(97%の減少)が得られた(図1C)。高温で5V印加すると類似した結果が得られた。50℃で実験を行うと、生じる平均電流は、完全に対合したハイブリッドでは−0.27mAmp、1塩基対誤対合のハイブリッドでは−0.13mAmp(52%の減少)、2塩基対誤対合のハイブリッドでは−0.08mAmp(70%の減少)であった。65℃で実験を行うと、生じた平均電流は、完全に対合したハイブリッドでは−0.31mAmp、1塩基対誤対合のハイブリッドでは−0.14mAmp(55%の減少)、2塩基対誤対合のハイブリッドでは−0.10mAmp(68%の減少)であった(図1D)。前述した実験全てにおいて、dsDNAは第1番の逆平行PNAプローブとの三本鎖ハイブリダイゼーション前には変性させなかった。
【0063】
ハイブリダイゼーション混合物を65℃まで加熱し、直ちに冷却した後、同様の実験を様々な温度で実行した。室温(23℃)まで冷却した後、完全に対合した試料(配列番号1+第1番プローブ)に1Vを15秒間印加すると、−0.18μAmpの平均電流が得られた。比較すると、1塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖ハイブリッド(配列番号2+第1番プローブ)では−0.06μAmp(67%の減少)、2塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖ハイブリッド(配列番号3+第1番プローブ)では−0.05μAmp(72%の減少)が得られた(データは示さない)。試料を65℃から50℃まで冷却した場合、その後1Vを15秒間印加すると同様な観察がなされた。完全に対合した試料(配列番号1+第1番プローブ)では−0.23μAmpの平均電流が得られた。対照的に、1塩基対誤対合の試料では−0.11μAmp(52%の減少)、2塩基対誤対合の試料では−0.01μAmp(96%の減少)が得られた(データは示さない)。23℃または50℃まで冷却した後5Vを印加すると、完全に対合した三本鎖ハイブリッド(配列番号1+第1番プローブ)、1塩基対誤対合の三本鎖ハイブリッド(配列番号2+第1番プローブ)、および2塩基対誤対合の三本鎖ハイブリッド(配列番号3+第1番プローブ)において発生した平均電流はそれぞれ、23℃では−0.15mAmp、−0.09mAmp(40%の減少)、−0.07mAmp(53%の減少)、50℃では−0.23mAmp、−0.09mAmp(61%の減少)、−0.09mAmp(61%の減少)であった(データは示さない)。
【0064】
逆平行PNAプローブを使用した場合、65℃(50 mer dsDNA 配列のT)でハイブリダイゼーション混合物の前処理を行いその後冷却しても、(65℃で予め加熱せず)23℃または50℃で直接測定した完全に相補的なdsDNA:PNA三本鎖と1塩基対または2塩基対の誤対合を含む三本鎖との間で観察されたコンダクタンスの差にはそれほど影響しなかった。明らかにDNA挿入剤YOYO−1の存在下では逆平行PNAプローブはdsDNA標的と三本差構造を形成できた。低レベルの電気(例えば1Vまたは5V)を印加すると、完全に対合したdsDNA:PNA三本鎖配列を1塩基対または2塩基対の変異を含む三本鎖配列から予め変性せずに区別することができた。
【0065】
(実施例2)
図2は、本発明の電流測定法により、PNAプローブを標的DNA配列に対し平行方向に使用した場合に、完全対合dsDNA:PNA三本鎖ハイブリッドと、1,2塩基対誤対合を含むdsDNA:PNA三本鎖ハイブリッドとを区別することもできることを実証する。第2番プローブは第1番プローブと配列が同じ15 mer PNAプローブであるが、従来の逆平行方向ではなく、標的DNA配列の平行方向で対合するように合成した。第2番プローブは以下の構造(配列番号9)を有していた:5’−H−TAT AGT AGA AAC CAC−Lys−CONH−3’
【0066】
第1番プローブの代わりに第2番プローブを使用したことを除き実施例1に記述したのと同じ測定条件を用いて実験を行った。1Vを印加すると、1塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号2+第2番プローブ)、連続する2塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号3+第2番プローブ)の平均電流はそれぞれ、完全対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号1+第2番プローブ)の対合温度で観察された値よりも、23℃で25%、32%、50℃で28%、53%だけ低かった(図2A)。
【0067】
(1Vの代わりに)5Vを15秒間印加した場合も同様の結果が得られた。完全対合のdsDNA:PNAハイブリッドで発生した平均電流は23℃、50℃、65℃でそれぞれ−0.15mAmp、−0.24mAmpおよび−0.17mAmpであった(図2B)。1塩基対誤対合および2塩基対誤対合の不完全に相補的な三本鎖で発生した平均電流は完全対合のハイブリッド試料により達成された値よりも、それぞれ、23℃では27%(−0.11mAmp)および53%だけ低く(−0.07mAmp)、50℃では21%(−0.19mAmp)および46%だけ低く(−0.13mAmp)、65℃では変わらない(−0.17mAmp)のと18%だけ低かった(−0.14mAmp)(図2B)。
【0068】
図2Aおよび2Bに示された結果から、第2番平行PNAプローブを使用すると、完全対合のdsDNA:PNA三本鎖と1塩基対または2塩基対誤対合を含むdsDNA:PNA三本鎖との間で得られる導電率の差は第1番逆平行プローブを用いて得られる差(図1)より顕著ではない。
【0069】
しかしながら、第2番平行プローブを用い、試料を65℃まで加熱し直ちに冷却した後に5Vを印加する実験では、電流測定により、完全対合のdsDNA:PNA三本鎖と1塩基対または2塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖との間の信号の差が増強されることが証明されている。完全対合のハイブリッド(配列番号1+第2番プローブ)、1塩基対誤対合のハイブリッド(配列番号2+第2番プローブ)、2塩基対誤対合のハイブリッド(配列番号3+第2番プローブ)で得られた平均コンダクタンス値はそれぞれ、23℃では−0.19mAmp、−0.08mAmp、−0.06mAmp、50℃では−0.17mAmp、−0.09mAmp、−0.07mAmp、65℃では−0.23mAmp、−0.13mAmp、−0.08mAmpであった。これは言い換えると、完全に相補的な試料で得られる値と比べると、1塩基対および2塩基対誤対合の試料ではそれぞれ、導電率が23℃では58%および68%、50℃では47%および59%、65℃では43%および65%減少したことになる(図2C)。
【0070】
そのため、電流測定法では逆平行および平行PNAプローブのどちらも完全に相補的なdsDNA:PNA三本標的と1塩基対または2塩基対変異を含む不完全に相補的なdsDNA標的との間の区別を行うことができる。
【0071】
(実施例3)
第3番プローブは15 merの第1番逆平行PNAプローブと配列および方向が同じ15 mer ssDNAプローブであった(配列番号8)。第3番プローブは以下の構造を有していた:5’−CAC CAA AGA TGA TAT−3’
【0072】
予め変性させずに、第3番ssDNAプローブと50merの野生型配列および変異dsDNA標的配列とを反応させることにより、電流測定法の特異性についてさらに試験した。測定条件は実施例1に記述したのと同一にした。
【0073】
DNA挿入剤YOYO−1により増強され、dsDNA:ssDNA三本鎖が30℃から65℃の間で形成された。1Vで処理すると、配列番号1+第3番プローブからなる完全対合のDNA三本鎖ではもっとも高い導電率値が得られた(図3A)。対照的に、1塩基対誤対合(配列番号2+第3番プローブ)と連続2塩基対誤対合(配列番号3+第3番プローブ)が形成される不完全に相補的なプローブと標的の組合せでは、平均コンダクタンス値がそれぞれ、対合温度において完全に相補的な配列で観察される値に比べ23℃では14%および64%だけ低く、50℃では30%および70%低く、65%では25%および72%だけ低かった(図3A)。これらの試料により高い電圧(5V)を印加すると、完全対合の試料と誤対合の試料間で観察される電流測定差が1Vで得られたものより大きくなった(特に、温度がより低い場合そうであった)。5Vで15秒間処理した後では、1塩基対誤対合のDNA三本鎖と2塩基対誤対合のDNA三本鎖に対する平均電流はそれぞれ、対合温度で完全対合のDNA三本鎖で観察された値に比べ23℃では54%および78%だけ低く、50℃では68%および70%だけ低く、65℃では33%および61%だけ低かった。
【0074】
同様の電気実験では、ハイブリダイゼーション混合物を65℃まで加熱し、この温度で維持するか、あるいは1Vまたは5V印加する前に直ちに50℃または23℃まで冷却した。完全対合のDNA三本鎖配列(配列番号1+第3番プローブ)を1Vで15秒間処理すると、23℃、50℃および65℃で最も高いコンダクタンス値が得られた(図3A)。1塩基対誤対合または2塩基対誤対合を含むDNA三本鎖(それぞれ、配列番号2+第3番プローブ、配列番号3+第3番プローブ)は導電性がそれぞれ、23℃では21%および63%だけ低く、50℃では18%および74%だけ低く、65℃では12%および106%だけ低かった(図3A)。同様に、予め加熱した試料に5Vを15秒間印加すると、1塩基対誤対合のDNA三本鎖と2塩基対誤対合のDNA三本鎖の平均コンダクタンス値はそれぞれ、完全対合のDNA三本鎖で得られた平均コンダクタンス値に比べ、23℃では24%および104%だけ、50℃では42%および44%だけ、65℃では38%および102%だけ減少した(図3B)。
【0075】
逆平行PNAプローブ(図1)およびssDNAプローブ(図3)の挙動が電流測定法において同様の様式であるという観察から、プローブとして使用した核酸全体のバックボーンは特に重要ではないことが示唆された。YOYO−1が存在すると、dsDNA標的およびssDNAプローブは溶液中の標的とプローブ間の配列相補性のレベルに依り異なる電荷を生じさせることができる三本鎖へリックス構造を形成することができた。プローブと標的との間の誤対合の程度が増加するに伴い、コンダクタンスのレベルは減少した。これにより予め変性せずに天然のDNAプローブを使用した場合の電流測定法の信頼性が証明された。
【0076】
(実施例4)
実施例1から3までに説明した電流測定法では、DNA挿入剤YOYO−1をハイブリダイゼーション混合物を含む溶液に添加した。YOYO−1の挿入によりdsDNA:PNA三本鎖およびdsDNA:ssDNA三本鎖の形成が容易になった。電流測定法においてssDNAプローブと共有結合によりつながれた挿入剤部分を使用する可能性について実施例4で評価した。
【0077】
アクリジンは他のdsDNA挿入剤であり、三本鎖核酸構造中に挿入されることができ、このため三本鎖へリックス構造が安定化される。例えば、Kukretiらの「三本鎖へリックス形成のために有効なDNA配列範囲の拡張:アクリジン含有オリゴヌクレオチドによる誤対合した三本鎖の安定化」、25 Nucliec Acids Research 4264−4270(1997)を参照のこと。3’端に共有結合により結合されたアクリジン分子を含むssDNAプローブ(Glen Research、米国バージニア州スターリング所在)をDNA合成装置(Expedite 8909,PerSeptive Biosystems)で合成し、HPLCにより精製した。
【0078】
第4番プローブは、15merの第3番プローブと配列および方向が同じ15mer ssDNAプローブであり、そのため15merの逆平行PNA第1番プローブ(配列番号8)とも配列および方向が同じであったが、3’位置にアクリジンが追加された。第4番プローブは5’−CAC CAA AGA TGA TAT−アクリジン−3’の構造を有していた。
【0079】
ハイブリダイゼーション反応混合物(80μl)は以下のものを含んだ:2pmoleの標的dsDNA、2pmoleの第4番ssDNAプローブおよび0.5X TBE。試料を3mm石英キュベットに入れ、23℃で、5V DCを11秒間通電した。電流および温度を実施例1で説明したようにモニタした。
【0080】
図4に示されるように、第4番ssDNA配列プローブは共有結合により結びつけられたアクリジン部分が安定して挿入されるため50mer の完全対合したdsDNA標的(配列番号1)とハイブリダイズすることができ、−0.53mAmpの平均電流が生じた。対照的に、1塩基対誤対合(配列番号2+第4番プローブ)または2塩基対誤対合(配列番号3+第4番プローブ)を含む安定性のより低いDNA三本鎖の平均電流はそれぞれ、対照標準(標的DNAを含まない第4番プローブ)に対し正規化すると、完全対合のDNA配列三本鎖で得られた平均電流に比べ52%および66%だけ低かった。
【0081】
そのため、ssDNAプローブに結合されたアクリジンは、電流測定法において標的とプローブ間の配列相補性のレベルに応じて異なる電流を発生させる三本鎖DNAへリックスを形成する場合に、結合のないYOYO−1と同じくらい有効であった。
【0082】
(実施例5)
ヒト膵嚢胞性線維症遺伝子のエクソン10由来のセンスとアンチセンス15mer ssDNA標的配列を、実施例1で説明したように合成し、精製し、アニールした。dsDNAオリゴヌクレオチドを、1pmole/μlの濃度でddHOに溶解した。
【0083】
配列番号4は第1番プローブに完全に相補的になるように設計された、配列番号1に由来する15mer dsDNA標的配列であった。
野生型標的DNA(配列番号4)のセンス鎖の配列は5’−ATA TCA TCT TTG GTG−3’であった。
【0084】
野生型標的DNA(配列番号4)のアンチセンス鎖の配列は5’−CAC CAA AGA TGA TAT−3’であった。
dsDNA(配列番号4)の予想融点(T)は40.0℃である。
配列番号5は、配列TTTをTTに変更した1塩基対の変化(下線)を除いて野生型標的DNA(配列番号4)と同一な、15merの変異型dsDNA標的配列であった。
【0085】
変異型標的DNA(配列番号5)のセンス鎖の配列は5’−ATA TCA TCT TG GTG−3’であった。
変異型標的DNA(配列番号5)のアンチセンス鎖の配列は5’−CAC CA AGA TGA−3’であった。
【0086】
dsDNA(配列番号5)の予想融点(T)は40.0℃である。
配列番号6は、配列ATCをGGCに変更した連続2塩基対の変化(下線)を除いて野生型標的DNA(配列番号4)と同一な、15merの変異型dsDNA標的配列であった。
【0087】
変異型標的DNA(配列番号6)のセンス鎖の配列は5’−ATA TC CT TTG GTG−3’であった。
変異型標的DNA(配列番号6)のアンチセンス鎖の配列は5’−CAC CAA AG GA TAT−3’であった。
【0088】
dsDNA(配列番号6)の予想融点(T)は44.0℃である。
配列番号7は、3つの1塩基対変異が互いに3塩基対だけ離れている不連続の3塩基対の変化(下線)を除いて野生型標的DNA(配列番号4)と同一な、15merの変異型dsDNA標的配列であった。配列ATC、TCTおよびTGGをそれぞれAC、TTおよびTGに変更した。
【0089】
変異型標的DNA(配列番号7)のセンス鎖の配列は5’−ATA CA TT TT GTG−3’であった。
変異型標的DNA(配列番号7)のアンチセンス鎖の配列は5’−CAC AA AA TG TAT−3’であった。
【0090】
dsDNA(配列番号7)の予想融点(T)は38.0℃である。
ハイブリダイゼーション反応混合物(80μl)は下記のものを含んでいた:2pmolesの標的dsDNA、2pmolesの第2番平行PNAプローブ、0.5X TBEおよび250nMのDNA挿入剤YOYO−1。反応混合物を95℃で5−10分間インキュベートし変性させ、その後測定まで65℃で維持した。試料を石英キュベットに入れ、488nmの波長を有するアルゴンイオンレーザービームで照射し、65℃における蛍光放出についてモニタした。試料の同時温度測定は、各試料内に直接配置された、ソフトウェア制御の温度プローブにより達成された。最大蛍光強度は536nmの波長で得られ、PNA:DNAハイブリッド中へのYOYO−1の挿入が示された。第2の測定として、各試料に最初のレーザ照射を行った後、同じ試料に1V DCを4秒間通電した。通電の最終秒中に、試料の2度目の照射をアルゴンイオンレーザーを用いて行い、65℃における蛍光放出についてモニタした。分析した各試料に対し、蛍光強度を波長の関数としてプロットした。
【0091】
完全に相補的な配列(配列番号4+第2番プローブ)からなるssDNA:PNAハイブリッドにおいて最大のYOYO−1の挿入が可能となり、もっとも高い蛍光強度が得られた(図5A)。1塩基対誤対合のssDNA:PNAハイブリッド(配列番号5+第2番プローブ)、連続2塩基対誤対合のssDNA:PNAハイブリッド(配列番号6+第2番プローブ)、不連続の3塩基対誤対合のssDNA:PNAハイブリッド(配列番号7+第2番プローブ)の蛍光強度はすべて、65℃で、完全対合のssDNA:PNAハイブリッドにおいて観察された蛍光強度よりも低かった(図5およびデータは示さない)。プローブと標的との間の誤対合の程度が増加するにつれ、YOYO−1の挿入のレベルが減少し、蛍光強度のレベルが減少した。DNAおよびPNAが存在しない(YOYO−1のみである)と蛍光のバックグラウンドレベルのみが観察された(図5A)。
【0092】
完全対合のssDNA:PNAハイブリッドに1Vの電気を4秒間65℃で印加しても、蛍光強度はかなり一定のままで、2%だけ減少した(図5A)。対照的に、1塩基対誤対合(図5B)、2塩基対誤対合(図5C)、および3塩基対誤対合(図示しない)を含む不完全に相補的な二本鎖に1Vを印加すると、得られた蛍光強度はそれぞれ、通電なしで照射した同じ試料で達成された値よりも18%、39%および71%だけ低かった。低レベルの電気(例えば1V)で処理すると、さらに塩基対誤対合を含むssDNA:PNAハイブリッドの安定性が減少した。プローブと標的との間の配列相補性の程度が減少するにつれ、電気が存在すると蛍光強度が著しく減少し、このため、完全対合の配列と1塩基対、2塩基対または3塩基対変異を含む配列とを区別できる信頼性の高い正確な第2の測定法が提供される。
【0093】
(実施例6)
実施例5のハイブリダイゼーション測定法はdsDNA標的配列の変性後に実行され、dsDNA標的の融点(T)より高い温度でssDNA:PNAハイブリッド形成が測定された。実施例6は、予め変性を行わずに、電気が存在する場合および存在しない場合において、完全対合と塩基対誤対合とを区別する蛍光強度測定法の信頼性を証明するものである。
【0094】
ハイブリダイゼーション反応混合物(80μl)は下記のものを含んでいた:4pmolesの標的dsDNA、4pmolesの第1番逆平行PNAプローブ、0.5X TBEおよび250nMのDNA挿入剤YOYO−1。試料を石英キュベットに入れ、488nmの波長を有するアルゴンイオンレーザービームで80msec間照射し、23℃における蛍光放出についてモニタした。試料の同時温度測定は、各試料内に直接配置された、ソフトウェア制御の温度プローブにより達成された。最大蛍光強度は536nmの波長で得られ、PNA:DNAハイブリッド中へのYOYO−1の挿入が示された。第2の測定として、各試料に最初のレーザ照射を行った後、同じ試料に20V DCを4秒間通電した。3秒通電した後直ちに、試料の2度目の照射をアルゴンイオンレーザーを用いて80msec間行い、23℃における蛍光放出についてモニタした。分析した各試料に対し、蛍光強度を波長の関数としてプロットした。
【0095】
挿入剤YOYO−1により増強され、dsDNA:PNA三本鎖が23℃で形成された。野生型50mer dsDNA標的配列(配列番号1)が15mer 第1番逆平行PNAプローブとハイブリダイズされた場合最も高い蛍光強度が達成された(図6)。対照的に、1塩基対誤対合のdsDNA:PNA三本鎖(配列番号2+第1番プローブ)および連続2塩基対誤対合dsDNA:PNA三本鎖(配列番号3+第1番プローブ)に対する蛍光強度はそれぞれ、完全対合のdsDNA:PNA三本鎖に対し23℃で観察された蛍光強度よりも60%、91%だけ低かった(図6)。YOYO−1を含む反応混合物中にDNAおよびPNAが存在しないと、蛍光のバックグラウンドレベルのみが観察された。
【0096】
完全に相補的な三本鎖と1塩基対または2塩基対誤対合三本鎖との間の蛍光強度の差は、完全対合の二本鎖と不完全に相補的な二本鎖との間で達成される差よりもかなり大きかった(図5および6を比較せよ)。明らかに、三本鎖形成の蛍光強度測定法では、塩基対誤対合を検出する識別能力が増強した。
【0097】
さらに、二次的な電気の印加により野生型配列と変異配列との間の区別も可能となった。完全対合のdsDNA:PNA三本鎖を3秒間20Vで処理すると、電気処理を行っていない同じ試料で達成されたものと視覚的に同一な蛍光強度スペクトルが得られた(図6)。しかしながら、1塩基対誤対合および2塩基対誤対合を含む不完全に相補的な三本鎖に20Vを3秒間印加すると、得られた蛍光強度はそれぞれ、電気無しで照射した同じ試料で得られた蛍光強度よりも23%および71%だけ低かった(図6)。20Vの電気処理では、完全に相補的な三本鎖の安定性は影響されなかったが、プローブと標的間の配列相補性の程度に依存するレベルで塩基対誤対合を含むdsDNA:PNA三本鎖の安定性は弱くなった。そのため、蛍光強度測定法に電気印加を適用すると、配列を予め変性させずに、野生型配列と1塩基対または2塩基対の変異を含む配列とを識別するより信頼性の高い測定法が提供された。
【0098】
本発明を詳細かつその特定の例を参照しながら説明してきたが、当業者には、種々の変更および改変を、本発明の範囲の精神及び範囲から逸脱せずに行い得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】温度および相補性の関数としての電流のグラフ。
【図1B】温度および相補性の関数としての電流のグラフ。
【図1C】温度および相補性の関数としての電流のグラフ。
【図1D】温度および相補性の関数としての電流のグラフ。
【図2A】温度、相補性および他の因子の関数としての電流のグラフ。
【図2B】温度、相補性および他の因子の関数としての電流のグラフ。
【図2C】温度、相補性および他の因子の関数としての電流のグラフ。
【図3A】温度、相補性および他の因子の関数としての電流のグラフ。
【図3B】温度、相補性および他の因子の関数としての電流のグラフ。
【図4】時間および相補性の関数としての電流のグラフ。
【図5A】蛍光強度スペクトル。
【図5B】蛍光強度スペクトル。
【図5C】蛍光強度スペクトル。
【図6】蛍光強度スペクトル。
【配列表】
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Claims (38)

  1. 配列特異的なハイブリッド形成を測定する方法であって、
    少なくとも1つの核酸配列を有する標的を提供する工程と、
    核酸または核酸類似体の配列を有するプローブを提供する工程と、
    前記プローブおよび前記標的をハイブリダイゼーション媒質に加えて、試験試料を提供する工程と、
    前記試験試料に第1刺激を与えて、第1刺激された試験試料を提供する工程と、
    前記第1刺激された試験試料から、前記プローブと前記標的間の結合親和性と相関する第1信号を検出する工程と、
    前記標的と結合された少なくとも1つの基準プローブを含む基準試料が示す基準信号に対して前記第1信号を較正する工程であって、前記標的に比べて、前記プローブおよび前記少なくとも1つの基準プローブの各々は、完全対合、1塩基誤対合、2塩基誤対合、3塩基誤対合、1塩基欠失、2塩基欠失および3塩基欠失から成る群より選択された異なるメンバーである工程と、
    前記較正から、前記プローブと前記標的間の対合の程度の第1決定値を決定する工程と、
    前記第1刺激された試験試料に第2の刺激を加えて、第2刺激された試験試料を提供する工程と、
    前記第2刺激された試験試料から、前記プローブと前記標的間の前記結合親和性と相関する第2信号を検出する工程と、
    前記第2信号の前記検出から、前記プローブと前記標的間の対合の程度の第2決定値を決定する工程と、
    前記第1決定値と前記第2決定値を比較する工程とから成り、
    前記試験試料中に蛍光発色団が提供され、
    (a)前記第1刺激は電圧であり、前記第1信号は電気的コンダクタンスであり、前記第2刺激は励起放射線であり、前記第2信号は蛍光強度であるか、または
    (b)前記第1刺激は励起放射線であり、前記第1信号は蛍光強度であり、前記第2刺激は電圧であり、前記第2信号は電気的コンダクタンスである方法。
  2. 前記結合親和性を定量化する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的を前もって変性せずに行われる均質測定法である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記標的をPCR増幅せずに行われる均質測定法である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記試験試料はさらに挿入剤を含み、前記標的はdsDNAであり、前記プローブは前記標的と特異的にハイブリダイズして三本鎖を形成する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記プローブはssDNAまたはRNAである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記プローブは非荷電のバックボーンを有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記プローブはssPNA配列を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記プローブは、前記標的に対して逆平行のssPNAである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記プローブと前記標的は同じ長さである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記プローブは6〜30ヌクレオチド長である、請求項1に記載の方法。
  12. ウェル内の溶液中または不浸透性表面上で行われる、請求項1に記載の方法。
  13. バイオチップ上で行われる、請求項1に記載の方法。
  14. 前記電気的コンダクタンスは、前記プローブと前記標的間の対合の程度を示す、請求項1に記載の方法。
  15. 前記電気的コンダクタンスは、前記プローブと前記標的を加える前の、前記ハイブリダイゼーション媒質の基準電気的コンダクタンスと比較される、請求項14に記載の方法
  16. 達成された最大の初期アンペア数が測定される、請求項14に記載の方法
  17. 前記最大の初期ピークアンペア数からのアンペア数の下降率が測定される、請求項16に記載の方法
  18. 前記電圧の前記印加の期間にわたるアンペア数が測定される、請求項14に記載の方法
  19. 前記方法は1塩基対誤対合プローブ−標的複合体を、2塩基対誤対合プローブ−標的複合体から区別するのに十分に感度が高い、請求項14に記載の方法
  20. 前記方法は完全に相補的なプローブ−標的複合体を、1塩基対誤対合プローブ−標的複合体ならびに2塩基対誤対合プローブ−標的複合体から区別するのに十分に感度に高い、請求項14に記載の方法
  21. 前記試験試料は挿入剤をさらに含み、前記標的はdsDNAであり、前記プローブは前記標的と特異的にハイブリダイズして三本鎖を形成する、請求項14に記載の方法
  22. 前記プローブはssDNAである、請求項14に記載の方法
  23. 前記プローブはPNAである、請求項14に記載の方法
  24. 前記蛍光発色団は、前記蛍光発色団が隣接する塩基の間に入らないように前記プローブに共有結合によって取り付けられ、前記強度は前記プローブと前記標的増加間の対合の程度が増加するにつれて減少する、請求項1に記載の方法
  25. 前記蛍光発色団は挿入剤であり、前記強度は前記プローブと前記標的間の対合の程度と共に増加する、請求項1に記載の方法
  26. 前記蛍光発色団は前記プローブに共有結合で結び付けられた挿入剤である、請求項1に記載の方法
  27. 前記蛍光発色団は、前記プローブも前記標的もない形式で前記ハイブリダイゼーション媒質に加えられた挿入剤である、請求項1に記載の方法
  28. 前記試験試料は挿入剤をさらに含み、前記標的はdsDNAであり前記プローブは前記標的と特異的にハイブリダイズして三本鎖を形成する、請求項1に記載の方法
  29. 前記挿入剤は、YOYO−1、TOTO−1、臭化エチジウム、エチジウムホモ二量体−1、エチジウムホモ二量体−2およびアクリジンから成る群より選択されたメンバーである、請求項1に記載の方法
  30. 前記励起放射線はアルゴンイオンレーザーから200nm〜1000nmの波長で放射される、請求項1に記載の方法
  31. 5〜85℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載の方法
  32. 25℃より低い温度で行われる、請求項1に記載の方法
  33. 前記方法の信頼性が、プローブまたは標的の塩基配列とは無関係であり、かつ、プローブまたは標的のグアニンおよびシトシン含量とも無関係である、請求項1に記載の方法
  34. 前記試験試料は、10フェムトモルの標的と10フェムトモルのプローブを含む20マイクロリットルの体積を有する、請求項1に記載の方法
  35. 前記試験試料は、1ピコモルの標的と1ピコモルのプローブを含む40マイクロリットルの体積を有する、請求項1に記載の方法
  36. 前記試料中の前記標的の濃度は多くて5×10 −10 Mである、請求項1に記載の方法
  37. 前記試料中の前記プローブの濃度は多くて5×10 −10 Mである、 請求項1に記載の方法
  38. 前記蛍光発色団は挿入剤であり、前記挿入剤が蛍光を発する波長は、挿入時に蛍光を発すると共に第2波長に遷移し、前記波長と前記第2波長間の差は、前記プローブと前記標的間の複合体が二本鎖であるか三本鎖であるか、ならびに、前記標的がDNAであるかRNAであるかを示す、請求項1に記載の方法
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