JP4181805B2 - 高温高圧容器 - Google Patents

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    • C21D2241/00Treatments in a special environment
    • C21D2241/01Treatments in a special environment under pressure

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、HIP装置用に用いられる高温高圧容器の改善に係り、より詳しくは、張力を付与したピアノ線が前記筒体の外周に巻回されてなる高温高圧容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種金属やセラミックス等の粉末材料の加圧焼結、鋳造品および焼結品の内部欠陥除去、拡散接合等のために、高圧容器内において高い等方圧力と高温の相乗効果を利用したHIP装置が各種産業分野で採用されている。このHIP装置は、高圧ガスを閉じ込める高温高圧容器(内部に断熱層および発熱装置が配設される)と、上下の開口を閉蓋する上蓋、下蓋と、これら上蓋、下蓋に作用する軸力を支えるプレス枠とから構成されている。
このようなHIP装置に用いられる高温高圧容器としては、例えば特公昭56−8718号公報(従来例1)や特開平2−140592号公報(従来例2)に開示されてなるものが公知である。
【0003】
従来例1に係る「高温高圧で材料を処理するための装置」を、添付図面を参照しながら、同公報に記載されている同一名称並びに同一符号を以って説明する。図14(a)は高圧シリンダ(高温高圧容器)の上方および下方端を示す図であり、図14(b)は図14(a)におけるA−A線断面図である。
【0004】
符号10は高圧シリンダで、この高圧シリンダ10は、チューブ30と、ワイヤーまたは帯(以下、ピアノ線という)からなる鞘31との間に、多数のロッド33が配設されると共に、これらロッド33の外側に薄鋼板チューブ36が配設されて構成されている。ロッド33は軸方向に配向され、かつチューブ30の回りに環状層を形成している。これらロッド33の内面34はチューブ30の外面35と接触している。これらロッド33の外側が面取りされており、この面取り面である斜面37と前記薄鋼板チューブ36の内面とにより軸方向通路39が形成されている。
【0005】
前記高圧シリンダ10の両端部に端片リング40が設けられており、この端片リング40は錠止リング41で固定されている。前記チューブ30、端片リング40およびリング42の間には環状スロットが形成されており、この中に密封リング43が組込まれることにより、冷却液がチューブ30と端片リング40との間から透出しないように構成されている。また、薄鋼板チューブ36と端片リング40の間には密封リング44が配設されており、冷却液が薄鋼板チューブ36と端片リング40との間から鞘31の中に透出しないように構成されている。前記端片リング40の内側には、冷却液をロッド33の周りに供給するための環状空間45が形成されており、この環状空間45に、冷却液を供給または排出する半径方向通路46が連通している。
【0006】
さらに、特公昭56−8718号公報には、図14(b)に相当する別の例を示す図の図14(c)に示す構成になるものも開示されている。即ち、チューブ30の周りにピアノ線からなる鞘の内側部分31aが巻かれ、内側部分31aの外側に複数の矩形ロッド50が互いにやや離れて配設されると共に、これら矩形ロッド50の周りにピアノ線からなる鞘の外側部分31bが巻かれている。そして、矩形ロッド50同士の間と、ピアノ線からなる鞘の内側部分31aと、外側部分31bとの間に、チューブ30の軸方向に複数の冷却水通路51が形成されるように構成されている。
【0007】
次に、従来例2に係る「高温高圧容器の冷却装置」を、高温高圧容器の縦断正面図の図15(a)と、高温高圧容器の横断面図の図15(b)とを参照しながら、同公報に記載されている同一名称並びに同一符号を以って説明する。
【0008】
符号1は高圧容器であり、この高圧容器1の内側には、筒状の冷却ジャケット9が内装されている。この高圧容器1の内面と冷却ジャケット9の外周面との間には、環状の間隙13が高圧容器1の軸方向略全長にわたって形成されている。 水冷ジャケット9の下端は、高圧容器1の下端面に取付けられている環状水室14Aを有するリング14に内挿されており、上蓋2は冷却ジャケット9の上部開口に高圧シールパッキン15を介して嵌合されている。下蓋3は冷却ジャケット9の下部開口に高圧シールパッキン16を介して挿脱可能に嵌合されている。 また、冷却ジャケット9には、冷媒用流路(冷却水流路に相当する)17が周方向に間隔を隔てて設けられており、上下の水室11,14Aに連通している。 なお、符号20は、冷却ジャケット9の内外を貫通する圧媒通孔であり、高圧室1Aの圧媒を間隙13に導
【0009】
さらに、特開平2−140592号公報では、冷却ジャケットを内側ジャケットと外側ジャケットとからなる二層構成とする。そして、冷媒用流路を内側ジャケットに形成したもの、冷媒用流路を外側ジャケットに形成したもの、冷媒用流路を内外側ジャケットに形成したもの、および冷媒用流路を螺旋状に形成したもの等も開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷却効果の点からすると、筒体の肉厚は薄い方が好ましいが、強度上ある一定のレベル以上に薄くすることができない。そのため、従来例1では、特に高温高圧容器が大型である場合、容器パッキンの配設部位を効果的に冷却することが難しく、容器パッキンが高温になる結果、その寿命が短命となり、ランニングコストの上昇原因となる。
ピアノ線が冷却水で濡れる構成の高温高圧容器では、ピアノ線に錆が発生し、ピアノ線の断線原因となるのに加えて、ピアノ線の疲労寿命が低下する。棒状のスペーサとピアノ線との間に薄板を介装した高温高圧容器の場合には、ピアノ線の巻き付けにより薄板が収縮変形し、冷却水の透出を防止するシールのシール機能が失われる可能性がある。
【0011】
また、従来例2では、高圧容器内に冷却ジャケットが内装されているため、高圧容器内に設置する加熱装置が小さくなるから、被処理物が小さくなる。換言すれば、高圧容器をより大きくする必要があり、コスト上昇を招くので経済的に好ましくない。
【0012】
従って、本発明の目的は、容器パッキンを効果的に冷却することができ、ピアノ線が冷却水で濡れるのを防止することができ、容器内のスペースを有効活用することができる高温高圧容器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る高温高圧容器が採用した手段は、張力を付与したピアノ線が筒体の外周に巻回され、前記筒体の軸方向の開口が嵌脱可能な蓋部材で密閉されると共に、内部に入れられた被処理物を高温高圧処理する高温高圧容器において、前記筒体は、内筒と、この内筒の外周面に沿って配列された複数のスペーサを介して外嵌される外筒とからなる2層筒体に構成され、隣接する前記スペーサ同士の間に、前記2層筒体の一端側から他端側に連通する冷却水流路が形成され、かつ前記ピアノ線は前記外筒の外周に間隔片を介して巻回され、前記間隔片の幅方向の外方に、前記冷却水流路から漏出する漏出水を前記筒体の端部方向に案内する漏出水案内流路が形成されると共に前記漏出水案内流路に漏出水検出手段が設けられてなることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項2に係る高温高圧容器が採用した手段は、請求項1に記載の高温高圧容器において、前記スペーサは、フラットバーであることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1に係る高温高圧容器を、下記の各添付図面を順次参照しながら説明する。図1はプレス枠内に組込まれてなる高温高圧容器の縦断面図、図2は高温高圧容器の横断面の一部分を示す図である。
【0016】
図に示す符号1はプレス枠50内に、組込み取出し自在に組込まれてなる高温高圧容器である。この高温高圧容器1は後述する構成になる筒体2と、この筒体2の外周面に、所定の張力を付与しながら巻回されてなるピアノ線3とを備えている。この筒体2の上部開口はシールリング溝に、容器パッキンである高圧シールリング4aが嵌着された上蓋4の嵌合により密閉され、また下部開口はシールリング溝に、容器パッキンである高圧シールリング5aが嵌着された下蓋5の嵌合により密閉されている。前記筒体2と上下蓋4,5との間の空間には、天蓋を有する円筒状の断熱層21が配設されると共に、この断熱層21の内側に、被処理物Wを処理する加熱装置22が配設されている。なお、前記下蓋5は前記断熱層21を支持する下上蓋と、この下上蓋に高圧シールリングを介して嵌着され、前記被処理物Wを支持する下下蓋とから構成されている。
【0017】
前記筒体2は、2層筒体になっている。詳しくは、内筒2aと、この内筒2aの外周面に沿って軸方向向きに、かつ周方向に所定の間隔を隔てて配列された、フラットバーからなる複数のスペーサ6を介して外嵌されてなる外筒2bとを備えている。この内筒2aの径方向の中心を通る軸方向長さは、外筒2bの径方向の中心を通る軸方向長さより長く設定されていて、外筒2bの端部から突出している。そして、内筒2aの外筒2bからの上部突出部位に後述する冷却水集水ヘッダ7が着脱自在に嵌合され、内筒2aの外筒2bからの下部突出部位に後述する冷却水供給ヘッダ8が着脱自在に嵌合されている。また、外筒2bは両端部に線巻きフランジ2cを備えており、両線巻きフランジ2c,2cの間に前記ピアノ線3が巻回されている。
【0018】
前記冷却水集水ヘッダ7は環状に形成されており、内筒2aへの嵌合側に冷却水室7aとなる内溝が周設されている。そして、この冷却水室7aの上側の内筒2aへの嵌合側にシールリング溝が周設されており、このシールリング溝にシールリング7bが嵌着されている。さらに、冷却水集水ヘッダ7の外筒2bの上端面への接触部位にシールリング溝が周設されており、この溝にシールリング7cが嵌着されている。
【0019】
また、前記冷却水供給ヘッダ8は環状に形成されており、内筒2aへの嵌合側に冷却水室8aとなる内溝が周設されている。そして、この冷却水室8aの下側の内筒2aへの嵌合側にシールリング溝が周設されており、このシールリング溝にシールリング8bが嵌着されている。さらに、冷却水供給ヘッダ8の外筒2bの下端面への接触部位にシールリング溝が周設されており、このシールリング溝にシールリング8cが嵌着されている。以上の説明から良く理解されるように、冷却水集水ヘッダ7と冷却水供給ヘッダ8とは同構成であって、上下を逆にして内筒2aの端部に嵌合されてなるものである。
【0020】
前記冷却水集水ヘッダ7の冷却水室7aと、前記冷却水供給ヘッダ8の冷却水室8aとは、前記スペーサ6同士の間の隙間を介して連通している。つまり、本実施の形態1に係る高温高圧容器1においては、前記スペーサ6同士の間の隙間が冷却水流路9となるものである。従って、冷却水供給ヘッダ8の外周部に突設された給水ポート8dから冷却水室8aに流入した冷却水は、内筒2aから熱を奪いながら冷却水流路9を流れて冷却水集水ヘッダ7の冷却水室7aに流入し、この冷却水集水ヘッダ7の外周部に突設された排水ポート7dから、安全弁が介装されてなる図示しない排水管を介して系外に排水される。なお、冷却水は循環使用されるものである。
【0021】
ところで、本実施の形態1の場合には、下記のような方法によってスペーサ6を内筒2aの外周面に沿うように変形させている。即ち、内筒2aの両端の開口にスペーサ固定フランジを嵌着し、これらスペーサ固定フランジに、例えば固定ピンまたは固定ボルトによりスペーサ6の端部を固定して、内筒2aの外周面の周方向に所定の間隔で固定する。次いで、内筒2aに固定されたスペーサ6の外周に外筒2bを外嵌した後に、この外筒2bの外周にピアノ線3を巻回し、外筒2bの収縮により、内筒2aの外周面に沿うようにスペーサ6を変形させる。そして、ピアノ線3の巻回終了後に、固定ピンまたは固定ボルトを取外すと共に、スペーサ固定フランジを取外したものである。この方法によれば、外筒2bの加熱エネルギーが不要で、加工工数が少なくて済むから、焼嵌めのために外筒2bを加熱する方法に比較して、納期短縮、省エネルギーに関して優れている。なお、線巻きフランジ2cの端部外面に係合し、ピアノ線3の全体を囲繞してなるものは、高温高圧容器1を保持する容器架台10である。
【0022】
以下、上記構成になる高温高圧容器の作用態様を説明すると、高温高圧容器1により被処理物Wを処理するに際しては、この高温高圧容器1を冷却水により冷却する。即ち、給水ポート8dから冷却水供給ヘッダ8の冷却水室8aに防錆剤を混入した冷却水を供給すると、冷却水室8aにより冷却水が等配分されてそれぞれの冷却水流路9に流入し、熱交換しながらこの冷却水流路9の下側から上側に流れる。これにより、筒体2の内筒2aと外筒2bとが効果的に冷却される。そして、熱交換により高温になった冷却水は、冷却水集水ヘッダ7に流入し、排水ポート7dから系外に排水される。
【0023】
本実施の形態1に係る高温高圧容器1の筒体2は、上記のとおり、内筒2aと外筒2bとからなる二重構成になっており、内筒2aの肉厚は筒体2よりも薄肉である。従って、本実施の形態1に係る高温高圧容器1は従来例1よりも下記の点で優れている。
(1) 高圧シールリング4a,5aを従来例1の場合よりも効果的に冷却することができ、高圧シールリング4a,5aの寿命が延長されるから、高温高圧容器1を使用するHIP装置のランニングコストに関して有利になる。
(2) 従来例1のように、ピアノ線3が冷却水で濡れることがないから、ピアノ線3に断線原因となる錆が発生するようなことがなく、ピアノ線3の疲労寿命の延長が可能になる。
(3) 棒状のスペーサとピアノ線との間に薄板を介装した従来例1の場合のように、ピアノ線3の巻回により内筒2aが変形するようなことがないから、変形に起因して冷却水の透出を防止するシールリングのシール機能が失われるようなことがない。
【0024】
また、本実施の形態1に係る高温高圧容器1は、従来例2よりも下記の点で優れている。
(1) 高圧容器内に冷却ジャケットが内装されていない。従って、高圧容器内に設置する加熱装置が小さくなるようなことがなく、被処理物が小さくなるようなことがないから、高圧容器をより大きくする必要がなく、経済的である。
(2) 冷却ジャケットが内側ジャケットと外側ジャケットとからなる二層構成で内外側ジャケットの何れか一方に冷媒用流路を形成したもののように、応力集中により筒体2の内筒2aと外筒2bとに亀裂が発生するような恐れがない。
【0025】
また、本実施の形態1に係る高温高圧容器1の場合には、冷却水集水ヘッダ7と冷却水供給ヘッダ8は、上記のとおり、何れも着脱自在に構成されている。従って、シールリングの損傷や材質劣化により冷却水漏れが発生しても、これら冷却水集水ヘッダ7、冷却水供給ヘッダ8を取外すことにより、シールリングを容易に交換することができるから、メインテナンス時間の短縮により、高温高圧容器1を使用するHIP装置の稼働率の向上、ならびにメインテナンスコストの低減に寄与することができる。
【0026】
また、本実施の形態1に係る高温高圧容器1の場合には、内筒2aに亀裂が発生しても、筒体2の全体が破損するようなことがなく、排水ポート7dに接続されてなる排水管に介装されている安全弁が吹くので、内筒2aの亀裂発生を容易に検知することができる。
さらに、外筒2bに亀裂が発生すると、冷却水が漏れ出してくるので、漏れ出してくる冷却水を検知することによって外筒2bに亀裂が発生したということを容易に知ることができる。
【0027】
本発明の実施の形態1aに係る高温高圧容器を、その上部付近の一部分を示す縦断面図の図3を参照しながら、上記実施の形態1と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水集水ヘッダを例として説明する。
【0028】
本実施の形態1aに係る高温高圧容器1では、筒体2の内筒2aと外筒2bとの軸方向長さは同寸法に構成されている。冷却水集水ヘッダ7は環状に形成されており、内部に内筒2aと外筒2bとの端面側に開口する冷却水室7aとなる内溝が周設されている。そして、この冷却水室7aの下側の内筒2aと外筒2bとの接触側に2本のシールリング溝が周設されており、これらシールリング溝にシールリング7b、7cが嵌着されている。
【0029】
このような構成になる高温高圧容器1の筒体2の内筒2a、外筒2b、およびスペーサ6は、下記のようにして組立てられている。即ち、筒体2は、スペーサ6と直交する向きに刻設された外溝6aが外側になるように複数のスペーサ6を内筒2aの外周面に沿って軸方向向きに、かつ周方向に所定の間隔を隔てて配列する。次いで、外溝6aの溝深さ寸法以下の厚さを有する締結体6bを外溝6aに嵌込んで締結することにより、スペーサ6を内筒2aに固定する。そして、所定の温度に加熱した外筒2bを内筒2aに固定されたスペーサ6の外周に外嵌して形成するものである。
【0030】
この場合、温度低下に伴って外筒2bが収縮し、フラットバーからなるスペーサ6が内筒2aの外周面に沿うように湾曲変形するものである。このような方法の採用により、入手し易い形状の素材を使用し、しかも内筒2aの外周面に沿うようにスペーサ6を形成する必要がないから、高温高圧容器1のコスト低減に寄与することができる。また、外筒2bにピアノ線3を巻回することにより、ピアノ線3の巻回のみによる場合と比較して、内筒2aにより大きな圧縮残留応力を付与することができるという効果が生じる。
【0031】
勿論、上記実施の形態1の場合と同様に、内筒2aの外周面に沿うようにスペーサ6を変形させるのに、下記のような方法も採用することができる。即ち、内筒2aに固定されたスペーサ6の外周に外筒2bを外嵌した後に、この外筒2bの外周にピアノ線3を巻回し、外筒2bの収縮により、内筒2aの外周面に沿うようにスペーサ6を変形させても良い。この方法によれば、外筒2bの加熱エネルギーが不要で、加工工数が少なくて済むから、外筒2bを加熱する上記方法よりも、納期短縮、省エネルギーに関して有利になる。
【0032】
本実施の形態1aに係る高温高圧容器1によれば、内筒2aと外筒2bとの間に介装されてなるスペーサ6同士の間に形成される冷却水流路内を冷却水が流れることにより筒体2を効果的に冷却する構成であるから、上記実施の形態1と同等の効果を得ることができる。
【0033】
本発明の実施の形態1bに係る高温高圧容器を、その上部付近の縦断面図の図4を参照しながら、上記実施の形態1と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水集水ヘッダを例として説明する。
【0034】
本実施の形態1bに係る高温高圧容器1では、上記実施の形態1の場合と同様に、筒体2の内筒2aの軸方向長さは、外筒2bの軸方向長さよりも長く設定されている。冷却水集水ヘッダ7は環状に形成されており、内部に内筒2aの外周面側に開口する冷却水室7aとなる内溝が周設されている。そして、この冷却水室7aの上側に周設されてなるシールリング溝に、内筒2aの外周面に密接するシールリング7bが、下側に周設されてなるシールリング溝に、外筒2bの外周面に密接するシールリング7cが嵌着されている。
【0035】
本実施の形態1bに係る高温高圧容器1によれば、内筒2aと外筒2bとの間に介装されてなるスペーサ6同士の間に形成される冷却水流路内を冷却水が流れることにより筒体2を効果的に冷却する構成であるから、上記実施の形態1と同等の効果を得ることができる。
【0036】
本発明の実施の形態1cに係る高温高圧容器を、その上部付近の一部分を示す縦断面図の図5を参照しながら、上記実施の形態1bと同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水集水ヘッダを例として説明する。
【0037】
本実施の形態1cに係る高温高圧容器1の冷却水集水ヘッダ7が、上記実施の形態1bの冷却水集水ヘッダ7と相違するところは、冷却水の漏出しを検出する漏出水検出ポートの有無にある。即ち、冷却水集水ヘッダ7の冷却水室7aの上側に周設されてなる2本のシールリング溝のそれぞれに、内筒2aの外周面に密接するシールリング7bが、下側に周設されてなる2本のシールリング溝のそれぞれに、外筒2bの外周面に密接するシールリング7cが嵌着されている。そして、シールリング7bが嵌着されてなるシールリング溝の間から冷却水集水ヘッダ7の外周面に連通し、冷却水室7a側のシールリング7bからの冷却水の漏出しを検出する漏出水検出ポート7eが設けられている。また、シールリング7cが嵌着されてなるシールリング溝の間から冷却水集水ヘッダ7の外周面に連通し、冷却水室7a側のシールリング7cからの冷却水の漏出しを検出する漏出水検出ポート7fが設けられている。
【0038】
本実施の形態1cに係る高温高圧容器1によれば、内筒2aと外筒2bとの間に介装されてなるスペーサ6同士の間に形成される冷却水流路内を冷却水が流れることにより筒体2を効果的に冷却する構成であるから、上記実施の形態1bと同等の効果を得ることができる。さらに、このような効果に加えて、漏出水検出ポート7e,7fから流出する冷却水を検出することにより、冷却水室7a側のシールリング7b,7cの交換時期を確実に知ることができる。つまり、冷却水の漏出しを検出した時点でシールリング7b,7cを交換することにより、ピアノ線3が冷却水に濡れるのを最小限に止めることができる。
【0039】
本発明の実施の形態1dに係る高温高圧容器を、その上部付近の縦断面図の図6を参照しながら、上記実施の形態1と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水集水ヘッダを例として説明する。
【0040】
本実施の形態1dに係る高温高圧容器1の冷却水集水ヘッダ7は、上記実施の形態1aに係る高温高圧容器の冷却水集水ヘッダ7と同構成であって、その相違するところは、線巻きフランジ2cの外筒2bとの嵌合部位にシールリング2dが配設されてなるところにある。
【0041】
本実施の形態1dに係る高温高圧容器1によれば、内筒2aと外筒2bとの間に介装されてなるスペーサ6同士の間に形成される冷却水流路内を冷却水が流れることにより筒体2を効果的に冷却する構成であるから、上記実施の形態1bと同等の効果を得ることができる。さらに、このような効果に加えて、外筒2bの端面に接触しているシールリング7cのシール機能が劣化して、冷却水室7a内の冷却水がこのシールリング7cから漏出しても、シールリング2dによりピアノ線3の巻回部位への冷却水の浸入を防止することができる。従って、ピアノ線3が冷却水に濡れるのを確実に防止することができる。
【0042】
本発明の実施の形態1eに係る高温高圧容器を、その下部付近の一部分を示す縦断面図の図7(a)と、その横断面の一部分を示す図の図7(b)を参照しながら、上記実施の形態1と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水供給ヘッダを例として説明する。
【0043】
本実施の形態1eに係る高温高圧容器1の冷却水供給ヘッダ8は、上記実の形態1dに係る高温高圧容器の冷却水供給ヘッダと同構成であって、その相違するところは、線巻きフランジ2cの外側面とピアノ線巻回側面に冷却水漏れ検出手段が設けられているか否かにある。即ち、線巻きフランジ2cの外側、つまり下面に、冷却水供給ヘッダ8の冷却水室8a内の冷却水がシールリング8cから漏れ出すのを検出する外側検出溝2eが設けられている。この場合、同図から良く理解されるように、冷却水供給ヘッダ8の上面と外側検出溝2eとにより、冷却水検出流路が形成されるように構成されている。
【0044】
また、この高温高圧容器1には、万一外筒2bに亀裂が生じた場合、亀裂が生じたことを検知するために、漏出した冷却水を目視し得る外方位置に流出させる漏出水検出手段が設けられている。この漏出水検出手段は、線巻きフランジ2cの内側、つまり上面に設けられてなる内側検出溝2fと、この内側検出溝2fを流れる漏出水を外方位置に流出させる、容器架台10の下部付近に設けられてなる漏出水検出ポート10aとから構成されている。そして、前記内側検出溝2fには、後述する漏出水案内流路3bにより、冷却水流路9から漏出した漏出水が案内されるように構成されている。前記漏出水案内流路3bは、図7(b)に示すように、前記ピアノ線3は外筒2bの外周に、線巻きフランジ2c同士の間の間隔と同長さの間隔片3aを介して巻回され、この間隔片3aの幅方向の両端外方に形成されている。
【0045】
本実施の形態1eに係る高温高圧容器1によれば、内筒2aと外筒2bとの間に介装されてなるスペーサ6同士の間に形成される冷却水流路内を冷却水が流れることにより筒体2を効果的に冷却する構成であるから、上記実施の形態1bと同等の効果を得ることができる。さらに、このような効果に加えて、外側検出溝2eから流出する冷却水を検出することにより、シールリング8cの交換時期を知ることができ、また漏出水検出ポート10aから流出する漏出水を検出することにより、外筒2bの亀裂を検出することができるから、重大事故を未然に防止することができる。
【0046】
なお、以上の実施の形態1乃至1eにおいては、スペーサ6同士の間の隙間の全てを、冷却水流路9として活用する場合を説明した。しかしながら、全ての隙間を冷却水流路9として活用する必要がなく、例えば、一つおきであっても二つおきであっても良いので、隙間の冷却水流路9としての活用形態は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0047】
次に、本発明の実施の形態2に係る高温高圧容器を、下記の各添付図面を順次参照しながら、上記実施の形態1と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して、主として相違する点について説明する。図8はプレス枠内に組込まれてなる高温高圧容器の縦断面図、図9は高温高圧容器の横断面の一部分を示す図、図10は高温高圧容器の上部付近の一部分を示す縦断面図である。
【0048】
図に示す符号1はプレス枠50内に、組込み取出し自在に組込まれてなる高温高圧容器で、この高温高圧容器1は、端部のそれぞれに、上記実施の形態1に係る外筒と同様に、線巻きフランジ2cを有する筒体2を備えている。この筒2の外周面には、外周面に沿って軸方向向きに、かつ周方向に所定の間隔を隔ててフラットバーからなる複数のスペーサ6が配設されると共に、スペーサ6同士の間に筒体2の一端側から他端側に連通する冷却水通水管9が介装されている。そして、スペーサ6と、冷却水通水管9との外周に、所定の張力が付与された状態にピアノ線3が巻回されている。
【0049】
前記スペーサ6、および前記冷却水通水管9は前記ピアノ線3の巻回による変形によって、前記筒体2に外周面に密接されるものである。この方法によれば、焼嵌めのための加熱エネルギーが不要で、加工工数が少なくて済むから、焼嵌めのために外筒を加熱する方法に比較して、納期短縮、省エネルギーに関して優れている。ところで、本実施の形態2の場合には、冷却性能を向上させるために、前記筒体2の外周面と前記冷却水通水管9との間、および冷却水通水管9とスペーサ6との間に高熱伝導物質が充填されている。なお、高熱伝導物質としては、例えば高熱伝導性シリコングリース(シリコンコンパウンド)や高熱伝導物質を充填したシリコンゴム等を用いることができる。
【0050】
前記筒体2の上部面、および上部の線巻きフランジ2cの上面に、後述する環状の冷却水集水ヘッダ7が着脱自在に配設され、前記筒体2の下部面、および下部の線巻きフランジ2cの下面と下蓋5のフランジ面との間に、後述する構成になる環状の冷却水供給ヘッダ8が着脱自在に配設されている。前記冷却水集水ヘッダ7には冷却水室7aとなる環状溝が周設されており、その上部開口はシールリング7b,7cを介して環状蓋板71により開閉自在に閉蓋されるように構成されている。この冷却水室7aの底板部にはシールリング溝が周設されてなる貫通穴が設けられており、これにシールリング7gが嵌着されている。前記貫通穴に前記冷却水通水管9の先端が嵌合されると共に、冷却水室7aの底板部からの突出端にナット9aが螺着されている。
【0051】
また、前記冷却水供給ヘッダ8には冷却水室8aとなる環状溝が周設されており、その下部開口はシールリング8b,8cを介して環状蓋板81により開閉自在に閉蓋されるように構成されている。この冷却水室8aの底板部にはシールリング溝が周設されてなる貫通穴が設けられており、これにシールリング8gが嵌着されている。前記貫通穴に前記冷却水通水管9の先端が嵌合されると共に、冷却水室8aの底板部からの突出端にナット9aが螺着されている。従って、冷却水供給ヘッダ8の外周部に突設された給水ポート8dから冷却水室8aに流入した冷却水は、筒体2から熱を奪いながら冷却水通水管9を流れて冷却水集水ヘッダ7の冷却水室7aに流入し、この冷却水集水ヘッダ7の外周部に突設された排水ポート7dから系外に排水されるものである。
【0052】
上記のとおり、これら冷却水集水ヘッダ7と冷却水供給ヘッダ8とは、冷却水通水管9の端部へのナット9aの螺着により筒体2の上下端側に固定されると共に、ナット9aの取外しにより取外されるように構成されている。従って、シールリングのシール機能が低下した場合には、これら冷却水集水ヘッダ7と冷却水供給ヘッダ8を取外すことによりシールリングを容易に交換することができる。
【0053】
以下、上記構成になる高温高圧容器の作用態様を説明すると、高温高圧容器1により被処理物Wを処理するに際しては、給水ポート8dから冷却水供給ヘッダ8の冷却水室8aに防錆剤を混入した冷却水を供給する。冷却水室8aに流入した冷却水はここで等配分されてそれぞれの冷却水通水管9に流入し、熱交換しながらこの冷却水通水管9の下側から上側に流れる。これにより、筒体2が効果的に冷却される。そして、熱交換により高温になった冷却水は、冷却水集水ヘッダ7の冷却水室7aに流入し、排水ポート7dから系外に排水される。
【0054】
本実施の形態2に係る高温高圧容器1は、従来例1よりも下記の点で優れている。
(1) 従来例1のように、ピアノ線3が冷却水で濡れることがないから、ピアノ線3に断線原因となる錆が発生するようなことがなく、ピアノ線3の疲労寿命の延長が可能になる。
(2) 棒状のスペーサとピアノ線との間に薄板を介装した従来例1の場合のように、ピアノ線3の巻き付けにより筒体2が変形するようなことがないから、冷却水の透出を防止するシールリングのシール機能が失われるようなことがない。
【0055】
また、本実施の形態2に係る高温高圧容器1は、従来例2よりも下記の点で優れている。
(1) 高圧容器内に冷却ジャケットが内装されてないから、高圧容器内に設置する加熱装置が小さくなるようなことがなく、被処理物が小さくなるようなことがないから、高圧容器をより大きくする必要がなく、経済的である。
(2) 冷却ジャケットが内側ジャケットと外側ジャケットとからなる二層構成で内外側ジャケットの何れか一方に冷媒用流路を形成したもののように、応力集中により筒体2に亀裂が発生するような恐れがない。
【0056】
また、本実施の形態2に係る高温高圧容器1の場合には、冷却水集水ヘッダ7と冷却水供給ヘッダ8は、ナット9aの着脱により、何れも着脱し得るように構成されている。従って、シールリングの損傷や材質劣化により冷却水漏れが発生しても、これら冷却水集水ヘッダ7、冷却水供給ヘッダ8を取外すことにより、シールリングを容易に交換することができるから、メインテナンス時間の短縮により、高温高圧容器1を使用するHIP装置の稼働率の向上、ならびにメインテナンスコストの低減に寄与することができる。
【0057】
本発明の実施の形態2aに係る高温高圧容器を、その上部付近の一部分を示す縦断面図の図11を参照しながら、上記実施の形態2と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水集水ヘッダを例として説明する。
【0058】
冷却水集水ヘッダ7には冷却水室7aとなる環状溝が周設されており、その上部開口はシールリング7b,7cを介して環状蓋板71により開閉自在に閉蓋されるように構成されている。この冷却水室7aの底板部には貫通穴が設けられており、この貫通穴に冷却水通水管9の先端が嵌合されると共に、冷却水室7aの底板部からの突出端の基端部が水密溶接9bされている。
【0059】
本発明の実施の形態2aに係る高温高圧容器1によれば、冷却水通水管9に冷却水を流水することにより、筒体2を冷却することができ、そして環状蓋板71を外すことにより、シールリング7a,7bを容易に交換することができる。従って、本発明の実施の形態2aは上記実施の形態2と同等の効果を得ることができる。
【0060】
本発明の実施の形態2bに係る高温高圧容器を、その上部付近の縦断面図の図12を参照しながら、上記実施の形態2と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水集水ヘッダを例として説明する。
【0061】
冷却水集水ヘッダ7には冷却水室7aとなる環状溝が周設されており、その上部開口はシールリング7b,7cを介して環状蓋板71により開閉自在に閉蓋されるように構成されている。この冷却水室7aの底板部にはシールリング溝が周設されてなる貫通穴が設けられており、これにシールリング7gが嵌着されている。前記貫通穴に前記冷却水通水管9の先端が嵌合されると共に、冷却水室7aの底板部からの突出端の基端部は水密溶接9bされている。そして、前記貫通穴のシールリング7gと水密溶接9bとの間から冷却水集水ヘッダ7の外周に連通する漏出水検出ポート7eが設けられると共に、スペーサ6の上端部から冷却水集水ヘッダ7の外周に連通するガス検出穴7hが設けられている。
【0062】
本発明の実施の形態2bに係る高温高圧容器1によれば、冷却水通水管9に冷却水を流水することにより、筒体2を冷却することができ、そして環状蓋板71を外すことにより、シールリング7a,7bを容易に交換することができるから、上記実施の形態2と同等の効果を得ることができる。このような効果に加えて、漏出水検出ポート7eにより水密溶接9bからの冷却水漏れを検知することができるから、ピアノ線3の冷却水濡れトラブルを軽微にすることができる。さらに、ガス検出穴7hにより、筒体2の亀裂発生を検知することができるという効果を得ることができる。
【0063】
本発明の実施の形態2cに係る高温高圧容器を、その上部付近の一部分を示す縦断面図の図13を参照しながら、上記実施の形態2と同一のもの、並びに同一機能を有するものに同一符号を付して説明する。但し、冷却水集水ヘッダと冷却水供給ヘッダとは上下が逆に組み立てられているだけで全く同構成であるから、ヘッダの構成に関しては、冷却水集水ヘッダを例として説明する。
【0064】
冷却水集水ヘッダ7は環状に形成されてなるパイプから構成されており、このパイプの内側が冷却水室7aとなるように構成されている。そして、この冷却水集水ヘッダ7を、前記線巻きフランジ2cの基端部に設けられてなる貫通穴を貫通すると共に、略45°の角度に屈曲形成されてなる冷却水通水管9の端部が貫通している。そして、冷却水通水管9の冷却水集水ヘッダ7への貫通部は水密溶接9bされている。図示省略しているが、パイプからなる冷却水集水ヘッダ7には、排水ポートが設けられている。
【0065】
本発明の実施の形態2cに係る高温高圧容器1によれば、冷却水通水管9に冷却水を通水することにより、筒体2を冷却することができ、そして水密溶接9bは視認可能な位置である。従って、水密溶接9bからの冷却水漏れがあった場合、容易に補修することができるから、上記実施の形態2と同等の効果を得ることができる。これに加えて、冷却水集水ヘッダ7はパイプで極めて簡単な構成であるから、コスト的に有利になる。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1に係る高温高圧容器の筒体は内筒と外筒とからなる二重構成になっている。そして、外筒にピアノ線が巻回されると共に、これら内筒と外筒との間に配設されたスペーサ同士の間の冷却水流路を冷却水が流れる構成で、内筒の肉厚は筒体よりも薄肉である。従って、本発明の請求項1に係る高温高圧容器は従来例1よりも下記の点で優れている。
(1) 高圧シールリング(高圧パッキン)を従来例1の場合よりも効果的に冷却することができ、高圧シールリングの寿命が延長されるから、高温高圧容器を使用するHIP装置のランニングコストに関して有利になる。
(2) 従来例1のように、ピアノ線が冷却水で濡れることがないから、ピアノ線3に断線原因となる錆が発生するようなことがなく、ピアノ線の疲労寿命の延長が可能になる。
(3) 棒状のスペーサとピアノ線との間に薄板を介装した従来例1の場合のように、ピアノ線の巻回により内筒が変形するようなことがないから、変形に起因して冷却水の透出を防止するシールリングのシール機能が失われるようなことがない。
【0067】
また、本発明の請求項1に係る高温高圧容器は、従来例2よりも下記の点で優れている。
(1) 高圧容器内に冷却ジャケットが内装されていない。従って、高圧容器内に設置する加熱装置が小さくなるようなことがなく、被処理物が小さくなるようなことがないから、高圧容器をより大きくする必要がなく、経済的である。
(2) 冷却ジャケットが内側ジャケットと外側ジャケットとからなる二層構成で内外側ジャケットの何れか一方に冷媒用流路を形成したもののように、応力集中により筒体の内筒と外筒とに亀裂が発生するような恐れがない。
【0068】
また、本発明の請求項に係る高温高圧容器では、ピアノ線により巻回された間隔片の幅方向の両端外方に、冷却水流路から漏出する漏出水を筒体の端部方向に案内する漏出水案内流路が形成されると共に、筒体の端部側に、前記漏出水案内流路から流出する漏出水を目視し得る外方位置に流出させる漏出水検出手段が設けられている。従って、漏出水検出手段により漏出水を検出することにより、外筒に亀裂が発生したことを知ることができるから、外筒の亀裂に起因する重大事故を未然に防止することができる。
【0069】
また、本発明の請求項2に係る高温高圧容器によれば、スペーサとして入手し易い形状のフラットバーを用いるので、高温高圧容器のコスト低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係り、プレス枠内に組込まれてなる高温高圧容器の縦断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る高温高圧容器の横断面の一部分を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1aに係る高温高圧容器の上部付近の一部分を示す縦断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1bに係る高温高圧容器の上部付近の縦断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1cに係る高温高圧容器の上部付近の一部分を示す縦断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1dに係る高温高圧容器の上部付近の縦断面図である。
【図7】 図7(a)は本発明の実施の形態1eに係る高温高圧容器の下部付近の一部分を示す縦断面図、図7(b)は本発明の実施の形態1eに係る高温高圧容器の横断面の一部分を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2に係り、プレス枠内に組込まれてなる高温高圧容器の縦断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態2に係る高温高圧容器の横断面の一部分を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態2に係る高温高圧容器の上部付近の一部分を示す縦断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態2aに係る高温高圧容器の上部付近の一部分を示す縦断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態2bに係る高温高圧容器の上部付近の縦断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態2cに係る高温高圧容器の上部付近の一部分を示す縦断面図である。
【図14】 従来例1に係り、図14(a)は高圧シリンダ(高温高圧容器)の上方および下方端を示す図、図14(b)は図14(a)におけるA−A線断面図、図14(c)は図14(b)に相当する別の例を示す図である。
【図15】 従来例2に係り、図15(a)は高温高圧容器の縦断正面図、図15(b)は高温高圧容器の横断面図である。
【符号の説明】
1…高温高圧容器、2…筒体、2a…内筒、2b…外筒、2c…線巻きフランジ、2d…シールリング、2e…外側検出溝、2f…内側検出溝、21…断熱層、22…加熱装置、3…ピアノ線、3a…間隔片、3b…漏出水案内流路、4…上蓋、4a…高圧シールリング、5…下蓋、5a…高圧シールリング、6…スペーサ、6a…外溝、6b…締結体、7…冷却水集水ヘッダ、71…環状蓋板、7a…冷却水室、7b…シールリング、7c…シールリング、7d…排水ポート、7e…漏出水検出ポート、7f…漏出水検出ポート、7g…シールリング、7h…ガス検出穴、8…冷却水供給ヘッダ、81…環状蓋板、8a…冷却水室、8b…シールリング、8c…シールリング、8d…給水ポート、8e…漏出水検出ポート、8f…漏出水検出ポート、8g…シールリング、9…冷却水流路または冷却水通水管、9a…ナット、9b…水密溶接、10…容器架台、10a…漏出水検出ポート、50…プレス枠、W…被処理物。

Claims (2)

  1. 張力を付与したピアノ線が筒体の外周に巻回され、前記筒体の軸方向の開口が嵌脱可能な蓋部材で密閉されると共に、内部に入れられた被処理物を高温高圧処理する高温高圧容器において、前記筒体は、内筒と、この内筒の外周面に沿って配列された複数のスペーサを介して外嵌される外筒とからなる2層筒体に構成され、隣接する前記スペーサ同士の間に、前記2層筒体の一端側から他端側に連通する冷却水流路が形成され、かつ前記ピアノ線は前記外筒の外周に間隔片を介して巻回され、前記間隔片の幅方向の外方に、前記冷却水流路から漏出する漏出水を前記筒体の端部方向に案内する漏出水案内流路が形成されると共に前記漏出水案内流路に漏出水検出手段が設けられてなることを特徴とする高温高圧容器。
  2. 前記スペーサは、フラットバーであることを特徴とする請求項1に記載の高温高圧容器。
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