JP4181770B2 - 車両用灯具の配光制御システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば車両のヘッドライトなどの配光を制御する車両用灯具の配光制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシステムとして、例えば特公平7−71908号公報に示されているように、車両の走行中、車両の進行方向もしくは走行環境に応じて灯具の照射領域を制御することにより、運転者の視野を常に良好に確保しようとしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来システムにおいては、運転者は車両用灯具の配光パターンがいつ、どのように変更されるかを事前に把握できないので、車両用灯具の配光パターンの変更をも意識しなければならず、このために運転者に対して必要以上の精神的負担を与えるという問題があった。
【0004】
【発明の概要】
本発明の目的は、車両用灯具を点灯した車両の走行中に、運転者に対して必要以上の精神的負担を与えることのないように配光パターンを変更する車両用灯具の配光制御システムを提供することにある。
【0005】
本発明の構成上の特徴は、地図データベースに記憶された道路地図上にて車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、前記車両に付設した灯具の配光パターンを、前記地図データベースに記憶されている道路上の車両通過地点に対して決定する配光パターン決定手段と、走行中の前記車両が、前記車両の現在位置から第1所定時間後に到達する第1予測位置と、前記第1所定時間より大きい第2所定時間後に到達する第2予測位置とを特定する予測位置特定手段と、前記第2予測位置が前記車両通過地点に到達した際に、現在の前記灯具の配光パターンから当該車両通過地点に対して決定されている配光パターンへと変更する旨を、当該車両通過地点における道路状況と共に前記車両の運転者へ音声にて報知する配光パターン変更報知手段と、前記第1予測位置が前記車両通過地点に到達した際に、当該車両通過地点に対して決定されている配光パターンへと変更するよう前記灯具を制御する配光制御手段とを備えたことにある。
【0006】
上記のように構成した車両用灯具の配光制御システムを採用した車両においては、現在の灯具の配光パターンから車両通過地点に対して決定されている配光パターンへと変更する旨を、当該車両通過地点における道路状況と共に車両の運転者へ音声にて報知するようにしたことにより、運転者が車両用灯具の配光パターンがいつ、どのように変更されるかを事前に把握できるので、車両用灯具の配光パターンの変更を常に意識する必要がなくなるため、運転者に対して必要以上の精神的負担を与えることを回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示した車両用灯具の配光制御システムは、ランプ群10の配光を配光制御回路20により制御するものであり、車両に搭載されたナビゲーション(経路誘導)システム30を一部兼用して構成されている。
【0015】
ランプ群10は、車両の前部に付設したヘッドランプ、フォグランプ、コーナーランプなどの複数のランプにより構成されて車両の前方から側方を照射する(少なくとも車両の進行方向を照明する)ものであり、各ランプの光軸方向、照射範囲、又は光量などの変化や点灯するランプの数の増減によって全体の配光を変化させるようになっている。なお、前述したランプは車両の前部に付設したものに限るものでなく、車両の前部以外の部分に付設したものでもよい。配光制御回路20とナビゲーションシステム30のメイン制御回路31とは、配光に関する情報を示す信号に基づき相互通信を行い、ランプ群10の配光を制御する。配光制御回路20には、ランプ群10の点灯を指示するための点灯スイッチ41が接続されている。
【0016】
ナビゲーションシステム30は、それぞれメイン制御回路31に接続された操作部32、表示部38、スピーカ39、地図データベース33、GPS(Global Positioning System)受信器34、方位センサ35、車速センサ36、及びVICS(Vehicle Information & Communication System)受信器37を備えている。操作部32は、目的地の指示時などに運転者により操作されるものである。表示部38は運転者に対し必要な案内情報を画面表示するものであり、スピーカ39は同案内情報を音声により出力するものである。
【0017】
地図データベース33は道路地図データを記憶しているものであり、主には道路の位置及び形状を複数のノード(節点)とこれらの各ノードを結ぶ複数のリンク(線分)により記憶したものである。GPS受信器34は、GPS衛星から発信された車両の現在位置を表すGPS信号を受信するものである。方位センサ35は、車両の向いている方向を検出するものである。車速センサ36は、車両の速度を検出するものである。VICS受信器37は、FM多重、電波ビーコン、光ビーコンなどによる路車問通信によって、車両の走行路の交通量などの道路交通情報を表すVICS信号を受信するものである。
【0018】
メイン制御回路31は、操作部32における運転者による指示操作、地図データベース33に記憶されている道路地図データ、GPS及びVICS受信器34,37により受信されたGPS及びVICS信号、並びに各センサ35,36による検出に基づき図2に示したフローチャートに対応したプログラムを実行し、ナビゲーションシステムとしての処理を行うとともに、ランプ群10の配光を決定して配光制御回路20に対し指示信号を出力するものである。
【0019】
次に、上記のように構成した配光制御システムの動作を図2のフローチャートに沿って説明する。最初、図示しない車両のイグニッションスイッチがオン操作されると、メイン制御回路31は、ステップ100にてプログラムの実行を開始し、以後、ステップ102〜118からなる循環処理を繰返し実行し続ける。
【0020】
メイン制御回路31は、まず、ステップ102にて、上記運転者の指示操作を表す信号、道路地図データ、GPS及びVICS信号、並びに各検出信号をそれぞれ入力する。そして、ステップ104にて、マップマッチング処理を実行する。マップマッチング処理とは、上記入力したGPS信号及び各検出信号に基づいて車両の現在位置を算出し、同算出した現在位置を道路地図データと整合させることにより、道路地図データにより表されるいずれかの道路上に車両の現在位置を特定する処理である。なお、同処理は、プログラムの進行を止めることなく上記循環処理中に繰返し実行されるものであり、算出した車両の現在位置が道路地図データと整合せず道路地図データにより表される道路上に車両の現在位置を特定できなかった場合にも、同処理を未完のままプログラムは次のステップ106以降へ進められるようになっている。
【0021】
ステップ106においては、マップマッチング処理により特定された車両の現在位置、並びに上記入力された運転者の指示操作を表す信号、道路地図データ、及びVICS信号に基づいて、車両の目的地までの経路を算出して運転者に対し案内するなど、ナビゲーションシステムとしての処理(ナビゲーション処理)を実行する。
【0022】
ステップ108においては、マップマッチング処理が完了しているか否かを判定する。このとき、マップマッチング処理が未完であった場合、すなわち算出した車両の現在位置が道路地図データと整合せず道路地図データにより表される道路上に車両の現在位置を特定できていなかった場合、メイン制御回路31は、「NO」との判定のもとにプログラムをステップ102へ戻す。一方、このときマップマッチング処理が完了していれば、メイン制御回路31は「YES」との判定のもとにプログラムをステップ110以降へ進める。
【0023】
ステップ110においては、点灯スイッチ41がオン状態であるか否かを判定する。このとき、運転者によってランプ群10の点灯が指示されておらず点灯スイッチ41がオフ状態であれば、メイン制御回路31は「NO」と判定してプログラムをステップ102へ戻す。一方、このとき運転者によってランプ群10の点灯が指示されていて点灯スイッチ41がオン状態であれば、メイン制御回路31は、「YES」と判定してプログラムをステップ112以降へ進め、配光制御のための処理の実行を開始する。
【0024】
ステップ112においては、道路地図データベース33に記憶されている道路地図データ及び前記ステップ104のマップマッチング処理により特定された車両の現在位置に基づいて、道路地図データベース33に記憶されている道路上の所定地点におけるランプ群10の配光パターンを決定する。この所定地点とは、走行中の車両が所定時間経過後に到達する地点、すなわち道路地図データベース33に記憶されている道路上の車両の現在地点から車両の進行方向へ所定距離だけ離れた地点のことである。ランプ群の配光パターンとは、ランプ群10の照射方向および照射範囲を表すもののことである。
【0025】
ステップ114においては、前述したステップ112の配光パターン決定処理により決定された配光パターンがそれまでに決定されていた配光パターンと異なっているか否か、すなわちランプ群10の配光を切り換えるか否かを判定する。
【0026】
このとき、配光パターンが異なっていない場合には、メイン制御回路31は、プログラムをステップ118に進め、ステップ118にて、前述した配光パターンを決定した時点から所定時間経過後に、この決定された配光パターンにて照明する処理を実行する。具体的には、メイン制御回路31は、前述した配光パターンを決定した時点から所定時間経過後に、同決定した配光パターンを表す信号を配光制御回路20に出力する。これに応じて、配光制御回路20はランプ群10を制御するようになっている。そして、この処理後、メイン制御回路31はプログラムをステップ102へ戻す。
【0027】
一方、配光パターンが異なっている場合には、メイン制御回路31は、プログラムをステップ116に進め、ステップ116にて、配光パターンを変更する旨を報知する処理を実行する。そして、メイン制御回路31はプログラムをステップ118に進め、ステップ118にて上述した処理を実行し、その後プログラムをステップ102へ戻す。これにより、メイン制御回路31は、配光パターンを決定した時点から所定時間経過後にランプ群10を同配光パターンにて照明させるが、その前に配光パターンを変更する旨を報知することとなる。
【0028】
なお、ステップ116にて実行される報知の方法としては、例えば表示部38に表示する方法、スピーカ39から音声を出力する方法がある。前者の場合には、図3に示すように、表示部38の画面の一部(例えば画面の右上隅)に上述のように決定された配光パターンを表示画面に表示するようになっている。表示画面に表示される配光パターンは、例えば図4(a)〜(g)に示すようなものがある。また、後者の場合には、上述のように決定された配光パターンに応じた音声メッセージをスピーカ39から出力するようになっている。この音声メッセージは、道路形状、走行区域に応じた配光パターンを表すものであり、例えば車両の前方に左コーナがある場合には、「この先カーブです。ライトを左にふります。」とアナウンスされ、車両の前方に左折しようとしている交差点がある場合には、「この先交差点です。ライトを広げます。」とアナウンスされるようになっている。また、ステップ116にて実行される報知の方法としては、上述した方法のうちのいずれか一つを採用してもよいし、両方を採用してもよい。
【0029】
さらに上述した配光制御システムを使用して車両が走行する場合を具体的な例を挙げて説明する。
【0030】
1.車両が直進路から右曲路に進入する場合
図5に示すように、前方を照明する配光パターンPsにて照明しながら直進路を走行中の車両CがW地点に到達すると、この到達した時点から所定時問経過後に到達するZ地点(右曲路となる地点)におけるランプ群10の配光パターン(右前方を照明する配光パターンPr)を決定する。その後、車両 CがZ地点より手前のX地点に到達したとき配光パターンを変更する旨を上述のように報知する。例えば、車両が右曲路に差し掛かる状態を示す表示パターン(図4(d)参照)を表示部38に表示する。そして、車両 CがZ地点により近いY地点に到達したとき(右曲路に差し掛かる手前に到達したとき)、配光パターンPrに変更して照明する。その後、車両Cは右曲路に進入する。
【0031】
2.車両が左曲路から直進路に進入する場合
図6に示すように、左前方を照明する配光パターンP1にて照明しながら左曲路を走行中の車両CがW地点に到達すると、この到達した時点から所定時間経過後に到達するZ地点(直進路となる地点)におけるランプ群10の配光パターン(前方を照明する配光パターンPs)を決定する。その後、車両 C がZ地点より手前のX地点に到達したとき配光パターンを変更する旨を上述のように報知する。例えば、車両が郊外を走行している状態を示す表示パターン(図4(a)参照)を表示部38に表示する。そして、車両 C がZ地点により近いY地点に到達したとき(直進路に差し掛かる手前に到達したとき)、配光パターンPsに変更して照明する。その後、車両Cは直進路に進入する。
【0032】
3.車両が非市街化区域(郊外)から市街化区域に進入する場合
図7に示すように、前方を照明する配光パターンPsにて照明しながら郊外(直進路)を走行中の車両CがW地点に到達すると、この到達した時点から所定時間経過後に到達するZ地点(市街化区域となる地点)におけるランプ群10の配光パターン(前方を広く照明する配光パターンPw)を決定する。その後、車両 C がZ地点より手前のX地点に到達したとき配光パターンを変更する旨を上述のように報知する。例えば、車両が市街化区域(市街地)を走行している状態を示す表示パターン(図4(b)参照)を表示部38に表示する。そして、車両 C がZ地点により近いY地点に到達したとき(市街化区域に差し掛かる手前に到達したとき)、配光パターンPwに変更して照明する。その後、車両Cは市街化区域に進入する。
【0033】
4.車両が交差点に進入する場合
図8に示すように、前方を照明する配光パターンPsにて照明しながら直進路を走行中の車両CがW地点に到達すると、この到達した時点から所定時間経過後に到達するZ地点(交差点となる地点)におけるランプ群10の配光パターン(前方および側方を広く照明する配光パターンPc)を決定する。その後、車両 C がZ地点より手前のX地点に到達したとき配光パターンを変更する旨を上述のように報知する。例えば、車両が交差点に差し掛かる状態を示す表示パターン(図4(e)参照)を表示部38に表示する。そして、車両 C がZ地点により近いY地点に到達したとき(交差点に差し掛かる手前に到達したとき)、配光パターンPcに変更して照明する。その後、車両Cは交差点に進入する。
【0034】
上述した説明から理解できるように、この実施の形態においては、ランプ群10を点灯した車両が走行する際にランプ群10の配光パターンを変更する場合には、メイン制御回路31は、ステップ112にて決定した配光パターンにて照明する(ステップ118)前に、配光パターンを変更する旨を報知するようになっている(ステップ116)。したがって、運転者はランプ群10の配光パターンがいつ、どのように変更されるかを事前に把握できるので、ランプ群10の配光パターンの変更を常に意識する必要がなくなるため、運転者に対して必要以上の精神的負担を与えることを回避することができる。
【0035】
次に、本発明の変形例について図面を参照して説明する。この場合、上述した実施の形態においては、ランプ群10の配光に変更がある場合に、同配光にて照明する前に配光を変更する旨を事前報知するために、メイン制御回路31が図2に示すフローチャートのステップ112〜ステップ118の処理を実施していたが、これに代えて、メイン制御回路31が図9に示すフローチャートのステップ200〜ステップ212の処理を実施するようにしている。なお、上述した実施の形態と同一な構成および処理には同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
上述した実施の形態と同様に構成した配光制御システムの動作を図9のフローチャートに沿って説明する。最初、図示しない車両のイグニッションスイッチがオン操作されると、メイン制御回路31は、ステップ100にてプログラムの実行を開始し、以後、ステップ102〜110,200〜212からなる循環処理を繰返し実行し続ける。
【0037】
メイン制御回路31は、上述した実施の形態と同様にステップ102〜110の処理を実行する。その後、運転者によってランプ群10の点灯が指示されていて点灯スイッチ41がオン状態であれば、メイン制御回路31は、「YES」と判定してプログラムをステップ200以降へ進め、配光制御のための処理の実行を開始する。
【0038】
ステップ200においては、車両に付設されて進行方向を照明するランプ群10の配光パターンを、前記ステップ104のマップマッチング処理により特定された車両の現在位置に基づいて、地図データベース33に記憶されている道路上の車両の通行が予測される複数の車両通過地点についてそれぞれ決定する。
【0039】
ステップ202においては、まず前記ステップ104のマップマッチング処理により特定された地図データベース33に記憶されている道路上の車両の現在位置に基づいて、後述する第1の所定時間(例えば2.5秒)より大きい第2の所定時間(例えば10秒)後の予測位置を車両の第2予測位置として道路上にて特定する。そして、車両の進行に伴いその第2予測位置を随時更新しながら、その第2予測位置が新たな車両通過地点に到達したか否かを繰り返し判定し続ける。ただし、この処理は、プログラムの進行を止めることなく、上記ステップ102〜110,200〜212からなる循環処理中に繰り返し実行されるものである。車両の第2予測位置が新たな車両通過地点に到達していなければ、メイン制御回路31は、「NO」との判定のもとにプログラムをステップ208以降へ進め、次回の同ステップ202の実行時に第2予測位置を更新した上で再び同様の判定を行うようにする。この繰り返しにより、メイン制御回路31は車両の第2予測位置が新たな車両通過地点に到達するのを待つ。
【0040】
上記循環処理中、第2予測位置が新たな車両通過地点に到達した場合、メイン制御回路31は、「YES」との判定のもとにプログラムをステップ204以降へ進める。ステップ204においては、車両の第2予測位置が到達した新たな車両通過地点に対して決定されている配光パターンが、前回の車両通過地点に対して決定されている配光パターンと異なっているか否か、すなわちランプ群10の配光を切り換えるか否かを判定する。このとき、配光パターンが異なっていない場合には、メイン制御回路31は、「NO」との判定のもとにプログラムをステップ208以降へ進める。
【0041】
一方、このとき配光パターンが異なっている場合には、メイン制御回路31は、「YES」との判定のもとにプログラムをステップ206以降へ進め、ステップ206にて、上述した実施の形態におけるステップ116と同様に配光パターンを変更する旨を報知する処理を実行する。その後、メイン制御回路31はプログラムをステップ208に進める。
【0042】
ステップ208においては、まず前記ステップ104のマップマッチング処理により特定された地図データベース33に記憶されている道路上の車両の現在位置に基づいて、第1の所定時間(例えば2.5秒)後の予測位置を車両の第1予測位置として道路上にて特定する。そして、車両の進行に伴いその第1予測位置を随時更新しながら、その第1予測位置が新たな車両通過地点に到達したか否かを繰り返し判定し続ける。ただし、この処理は、プログラムの進行を止めることなく、上記ステップ102〜110,200〜212からなる循環処理中に繰り返し実行されるものである。車両の第1予測位置が新たな車両通過地点に到達していなければ、メイン制御回路31は、配光の変更制御を実行することなくそのまま一旦プログラムをステップ102に戻し、次回の同ステップ208の実行時に第1予測位置を更新した上で再び同様の判定を行うようにする。この繰り返しにより、メイン制御回路31は車両の第1予測位置が新たな車両通過地点に到達するのを待つ。
【0043】
上記循環処理中、第1予測位置が新たな車両通過地点に到達すると、メイン制御回路31は、「YES」との判定のもとにプログラムをステップ210以降へ進める。ステップ210においては、上記ステップ200にて処理された新たな車両通過地点に対して決定されている配光パターンにて照明する。
【0044】
これにより、車両の進行に伴い車両の第1予測位置が到達した新たな車両通過地点に対して決定されている配光パターンが、前回到達した車両通過地点に対して決定されている配光パターンと異なっていない場合には、ランプ群10の配光を切り換える必要がないので、メイン制御回路31は、前回の車両通過地点と同じ配光パターンにて照明するようにランプ群10を制御するとともに、それまでと同じ表示パターンを表示部38の画面に表示する。一方、前回到達した車両通過地点に対して決定されている配光パターンと異なっている場合には、ランプ群10の配光を切り換える必要があるので、メイン制御回路31は、前回の車両通過地点での配光パターンと異なる新たな配光パターンにて照明するようにランプ群10を制御するとともに、それまで表示されていた表示パターンに代えて新たに決定された表示パターンを表示部38の画面に表示する。
【0045】
さらに前述した配光制御システムを使用して車両が走行する場合を具体的な例を挙げて説明する。
【0046】
1.車両が直進路から右曲路に進入する場合
図5に示すように、前方を照明する配光パターンPsにて照明しながら直進路を走行中の車両CがX地点に到達すると、すなわち車両Cの第2予測位置がZ地点(右曲路となる地点)に到達すると、Z地点に対して決定されている配光パターン(右前方を照明する配光パターンPr)がそれまでのものと異なるので、配光パターンを変更する旨を報知する。その後、車両CがよりZ地点に近いY地点に到達すると、すなわち車両Cの第1予測位置がZ地点に到達すると、配光パターンPrに変更して照明する。その後、車両Cは右曲路に進入する。
【0047】
2.車両が左曲路から直進路に進入する場合
図6に示すように、左前方を照明する配光パターンPlにて照明しながら左曲路を走行中の車両CがX地点に到達すると、すなわち車両Cの第2予測位置がZ地点(直進路となる地点)に到達すると、Z地点に対して決定されている配光パターン(前方を照明する配光パターンPs)がそれまでのものと異なるので、配光パターンを変更する旨を報知する。その後、車両CがよりZ地点に近いY地点に到達すると、すなわち車両Cの第1予測位置がZ地点に到達すると、配光パターンPsに変更して照明する。その後、車両Cは直進路に進入する。
【0048】
3.車両が非市街化区域(郊外)から市街化区域に進入する場合
図7に示すように、前方を照明する配光パターンPsにて照明しながら郊外(直進路)を走行中の車両CがX地点に到達すると、すなわち車両Cの第2予測位置がZ地点(市街化区域となる地点)に到達すると、Z地点に対して決定されている配光パターン(前方を広く照明する配光パターンPw)がそれまでのものと異なるので、配光パターンを変更する旨を報知する。その後、車両CがよりZ地点に近いY地点に到達すると、すなわち車両Cの第1予測位置がZ地点に到達すると、配光パターンPwに変更して照明する。その後、車両Cは市街化区域に進入する。
【0049】
4.車両が交差点に進入する場合
図8に示すように、前方を照明する配光パターンPsにて照明しながら直進路を走行中の車両CがW地点に到達すると、すなわち車両Cの第2予測位置がZ地点(交差点となる地点)に到達すると、Z地点に対して決定されている配光パターン(前方および側方を広く照明する配光パターンPc)がそれまでのものと異なるので、配光パターンを変更する旨を報知する。その後、車両CがよりZ地点に近いY地点に到達すると、すなわち車両Cの第1予測位置がZ地点に到達すると、配光パターンPcに変更して照明する。その後、車両Cは交差点に進入する。
【0050】
上述した説明から理解できるように、この変形例においては、ランプ群10を点灯した車両が走行する際、車両の第1予測位置が新たな車両通過地点に到達する毎に、この新たな車両通過地点に対して決定されている配光パターンにて照明することとなる(ステップ208,210)。一方、車両の現在位置に対して第1予測位置より遠くに位置する車両の第2予測位置が新たな車両通過地点に到達する毎に、この新たな車両通過地点に対する配光パターンと前回到達した車両通過地点に対する配光パターンとを比較して異なる場合には(ステップ202,204)、ステップ206の処理により配光パターンを変更する旨を報知することとなる。すなわち、ランプ群10を点灯した車両が走行する際にランプ群10の配光パターンを変更する場合には、メイン制御回路31は、ステップ200にて決定されている配光パターンにて照明する(ステップ210)前に、配光パターンを変更する旨を報知するようになっている(ステップ206)。したがって、運転者はランプ群10の配光パターンがいつ、どのように変更されるかを事前に把握できるので、ランプ群10の配光パターンの変更を常に意識する必要がなくなるため、運転者に対して必要以上の精神的負担を与えることを回避することができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態および変形例において、ランプ群10を点灯した車両が走行しながら上述した各処理を実施している間に、フェールが発生した場合には、例えばメイン制御回路31と配光制御回路20との通信に不具合が発生し、または配光制御回路20に不具合が発生した場合には、その旨を報知するようにしてもよい。具体的には、ランプ群10を点灯した車両が走行しながら上述した各処理を実施している間に、メイン制御回路31は、通信可能判定手段により配光制御回路20との通信が可能か否かを判定するとともに、配光制御回路不具合検出手段により配光制御回路20の不具合の発生を検出を繰り返し実行している。この間にメイン制御回路31と配光制御回路20との通信に不具合が発生し、または配光制御回路20に不具合が発生すると、メイン制御回路31は、通信可能判定手段により配光制御回路20との通信が不能であるとを判定し、または配光制御回路不具合検出手段により配光制御回路20の不具合の発生を検出し、上述した配光制御が中止されている旨を報知する。
【0052】
なお、この報知の方法としては、上述したステップ116の処理と同様に例えば表示部38に表示する方法、スピーカ39から音声を出力する方法が挙げられる。前者の場合には、図3に示すように、表示部38の画面の一部(例えば画面の右上隅)に図4(g)に示す表示パターンを表示するようになっている。この表示パターンは、配光パターンを表すものではなく、配光制御が中止されていることを表すものである。また、後者の場合には、配光制御が中止されている旨をスピーカ39から出力するようになっている。報知する場合、上述した方法のうちのいずれか一つを採用して行ってもよいし、両方を採用して行ってもよい。
【0053】
これによれば、ランプ群10を点灯した車両が走行しながら上述した各処理を実施している間に、フェールが発生した場合に、これによる実際に報知しようとしている配光パターンとは異なる配光パターンを誤って報知することを防止することとなる。
【0054】
また、上述した実施の形態および変形例においては、配光パターンを変更する際、その旨を表示することにより報知する場合に、ナビゲーションシステムの表示部38の画面に配光パターンに応じた表示パターンを表示するようにしたが、ナビゲーションシステムの表示部38以外の部分(例えばインストルメントパネルの一部分、コンビネーションメータの一部分)に表示パターンを表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る車両用灯具の配光制御システムの全体概略図である。
【図2】 図1のメイン制御回路にて実行されるプログラムを示すフローチャートである。
【図3】 図1の表示部の画面に表示パターンを表示した表示部の正面図である。
【図4】 (a)は車両が郊外を走行している状態を表す表示パターンを示す図であり、(b)は車両が市街地を走行している状態を表す表示パターンを示す図であり、(c)は車両が左カーブに差し掛かる状態を表す表示パターンを示す図であり、(d)は車両が右カーブに差し掛かる状態を表す表示パターンを示す図であり、(e)は車両が交差点に差し掛かる状態を表す表示パターンを示す図であり、(f)は車両がトンネルに差し掛かる状態を表す表示パターンを示す図であり、(g)は報知制御の実施が中止されていることを表す表示パターンを示す図である。
【図5】 車両が直進路から右曲路に進入する場合を示す図である。
【図6】 車両が左曲路から直進路に進入する場合を示す図である。
【図7】 車両が非市街化区域(郊外)から市街化区域に進入する場合を示す図である。
【図8】 車両が交差点に進入する場合を示す図である。
【図9】 図1のメイン制御回路にて実行されるプログラムの変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…ランプ群、20…配光制御回路、30…ナビゲーションシステム、31…メイン制御回路、33…地図データベース。
Claims (2)
- 地図データベースに記憶された道路地図上にて車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両に付設した灯具の配光パターンを、前記地図データベースに記憶されている道路上の車両通過地点に対して決定する配光パターン決定手段と、
走行中の前記車両が、前記車両の現在位置から第1所定時間後に到達する第1予測位置と、前記第1所定時間より大きい第2所定時間後に到達する第2予測位置とを特定する予測位置特定手段と、
前記第2予測位置が前記車両通過地点に到達した際に、現在の前記灯具の配光パターンから当該車両通過地点に対して決定されている配光パターンへと変更する旨を、当該車両通過地点における道路状況と共に前記車両の運転者へ音声にて報知する配光パターン変更報知手段と、
前記第1予測位置が前記車両通過地点に到達した際に、当該車両通過地点に対して決定されている配光パターンへと変更するよう前記灯具を制御する配光制御手段とを備えたことを特徴とする車両用灯具の配光制御システム。 - 前記灯具の配光パターンは、前記灯具の照射方向又は照射範囲を表し、前記配光パタ一ン変更報知手段として、前記灯具の照射方向又は照射範囲を変更する旨を報知する配光パタ一ン変更報知手段を採用したことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の配光制御システム。
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