JP4181580B2 - エレクトレット及びエレクトレットコンデンサー - Google Patents

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Description

本発明は、振動電極と固定電極とを有するエレクトレットコンデンサーに関し、特にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて形成されるエレクトレットコンデンサーに関する。
従来、コンデンサーマイクロフォンなどの素子に応用される、永久的電気分極を有する誘電体であるエレクトレット素子として、FEP(Copolymer of Tetrafluoroetylene (TFE)and Hexafluoropropylene (HFP))材などの有機系の高分子重合体が使用されていた。しかし、これらの材料は耐熱性に劣るため、基板実装する場合のリフロー用素子としての使用が困難であるという問題があった。
それに対して、近年、微細加工技術を利用したエレクトレットの薄膜化、小型化を達成するため、有機系の高分子重合体に代えて、特許文献1に示すようなシリコン酸化膜を用いたエレクトレットが提案されている。
具体的には、特許文献1に示す技術においては、基材表面にシリコン酸化膜を成膜した後、成膜チャンバーを大気開放することなく、当該チャンバー内を、水分を含まず且つ酸素を含有するガス雰囲気に設定し、当該雰囲気中で前記シリコン酸化膜を200℃〜400℃で熱処理し、その後、当該シリコン酸化膜に対して帯電処理を行なう。
特開2002−33241号公報
しかしながら、エレクトレットは液体に触れると電荷が抜けてしまうという問題点を有している。例えばエレクトレット化したFEPをエタノールに浸すと、当該FEPにおいて電荷は0にはならないものの大幅に電荷が減少してしまう。本願発明者らの実験によれば、帯電量を示す表面電位が300VのFEP(具体的にはステンレス基板上に12.5μmの厚さで形成されたFEP)をエタノールに浸すと、表面電位は数V程度まで低下した。尚、この現象は、エタノールだけではなく他の有機溶剤や水にエレクトレットを浸した場合にも同様に発生する現象である。また、材料的にもFEP特有の現象ではなく、シリコン酸化膜等のエレクトレット材料全般に発生する現象である。
前記に鑑み、本発明は、耐湿性に優れた構造を有するECM(エレクトレットコンデンサーマイクロフォン)等のエレクトレットコンデンサー応用素子を提供することを目的とする。また、本発明は、永久電荷を持つエレクトレットから構成されるECMをMEMS技術により製作することによって、チャージ供給回路が不要な小型ECMを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係るエレクトレットは、帯電したシリコン酸化膜と、シリコン酸化膜を覆うように形成された絶縁膜とを備えている。
また、本発明に係る第1のエレクトレットコンデンサーは、貫通孔が形成された第1電極と、第1電極との間にエアギャップを介在させて配置された第2電極と、第2電極における第1電極と対向する面上に形成され且つ帯電したシリコン酸化膜からなるエレクトレットとを備え、シリコン酸化膜を覆うように絶縁膜が形成されている。
また、本発明に係る第2のエレクトレットコンデンサーは、第1電極を有し且つ第1の貫通孔が形成された固定膜と、固定膜との間にエアギャップを介在させて配置された第2電極と、第2電極における固定膜と対向する面上に形成され且つ帯電したシリコン酸化膜からなるエレクトレットとを備え、シリコン酸化膜を覆うように絶縁膜が形成されている。
また、本発明に係る第3のエレクトレットコンデンサーは、周縁部を残すように除去された領域を有する半導体基板と、当該領域を覆うように半導体基板上に形成された振動膜とを備え、振動膜は、エレクトレットと電極膜と第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との積層構造を有し、エレクトレットは第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜により覆われている。
本発明のエレクトレット及びエレクトレットコンデンサーによると、帯電したシリコン酸化膜の表面、つまり上面、下面及び側面を絶縁膜により保護することができる。具体的には、大気中の水分の吸着等が顕著な材料であるシリコン酸化膜の表面が大気中に露出することのないように、当該シリコン酸化膜を絶縁膜によって覆うことにより、帯電(エレクトレット化)しているシリコン酸化膜の帯電量の減少を抑制することができる。これにより、エレクトレットの経時的信頼性を向上させることができる。
尚、本発明のエレクトレット及びエレクトレットコンデンサーにおいて、帯電したシリコン酸化膜(エレクトレット)の表面、例えば上面又は下面を絶縁膜が直接覆っていなくてもよい。例えばシリコン酸化膜の下面と絶縁膜との間に電極が介在していてもよい。
また、本発明のエレクトレット及びエレクトレットコンデンサーにおいて、帯電したシリコン酸化膜(エレクトレット)を覆う絶縁膜の耐湿性は当該シリコン酸化膜よりも高いことが好ましい。すなわち、絶縁膜により覆われたシリコン酸化膜の耐湿性(所定の湿度状態、例えば耐湿試験における電荷の抜けにくさ)は、絶縁膜により覆われていないシリコン酸化膜の耐湿性よりも高い。シリコン酸化膜よりも耐湿性の高い絶縁膜としては例えばシリコン窒化膜を用いることができる。
本発明によると、耐湿性に優れたエレクトレット構造を有するECM等のエレクトレットコンデンサー応用素子を提供することができる。また、このようなECMをMEMS技術により製作することによって、チャージ供給回路が不要な小型ECMを提供することができる。すなわち、本発明によると、信頼性の高い小型且つ高性能なマイクの実現が可能となる。さらに、当該マイクを搭載した各種応用装置を広く社会に供給することが可能となる。
(実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係るエレクトレットコンデンサーについて、ECMに応用する場合を例として図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態のエレクトレットコンデンサーを応用した素子であるECMについて説明する。
図1(a)及び(b)は本実施形態のECMの構成図であり、図1(a)は当該ECMの平面図であり、図1(b)は当該ECMの断面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態のECMは、プリント基板21上にマイク部18、コンデンサーなどのSMD(表面実装部品)19及びFET(電界効果型トランジスタ)部20が搭載されることによって構成されている。また、図1(a)においては図示を省略しているが、図1(b)に示すように、マイク部18、SMD19及びFET部20が搭載されたプリント基板21はケース22によって保護されている。
図2は本実施形態のECMの回路ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のECMの内部回路23は、後述する本実施形態のエレクトレットコンデンサーからなるマイク部18、SMD19及びFET部20から構成されている。また、内部回路23の出力端子24及び出力端子25から外部端子26及び外部端子27へ信号が出力される。実動作時には、外部端子26と抵抗を介して接続されている端子28から例えば2V程度の電圧を持つ信号が入力されると、外部端子26とコンデンサーを介して接続されている端子29に例えば数十mVの交流電圧を持つ信号が出力される。尚、外部端子27及びそれと接続された端子30のそれぞれは、ECM内部回路23中のGND端子である出力端子25に接続されている。
以下、本実施形態のエレクトレットコンデンサーについて説明する。図3は本実施形態のエレクトレットコンデンサーの断面図である。
図3に示すように、本実施形態のエレクトレットコンデンサーは、周縁部を残すように除去された領域(以下、メンブレン領域113という)を有する半導体基板101上にメンブレン領域113を覆うように形成された振動膜112と、振動膜112との間にエアギャップ109を介在させて配置された固定膜110とをそれぞれ電極とする平行平板型のコンデンサー構造を有している。ここで、振動膜112は下部電極104を有すると共に、固定膜110は導電膜(上部電極)118を有する。
本実施形態のエレクトレットコンデンサーにおいては、固定膜110に設けられた複数のアコースティックホール111及びエアギャップ109を通して振動膜112が上方から音圧を受けると、当該音圧に応じて振動膜112が機械的に上下に振動する。ここで、振動膜112が振動すると、振動膜112(つまり下部電極104)と固定膜110との間の距離(電極間距離)が変化し、それによってコンデンサーの容量(C)が変化する。ところで、コンデンサーに蓄えられる電荷(Q)は一定であるため、コンデンサーの容量(C)が変化すると、下部電極104と固定膜110との間の電圧(V)に変化が生じる。その理由は、物理的に下記式(1)の条件を満足する必要があるためである。
Q=C・V ・・・ (1)
下部電極104は、図2のFET部20のゲートと電気的に接続されているので、FET部20のゲート電位は、振動膜112の振動により変化する。また、FET部20のゲート電位の変化は外部出力端子29に電圧変化として出力される。
本実施形態のエレクトレットコンデンサーの詳細な構成は次の通りである。
図3に示すように、本実施形態のエレクトレットコンデンサーが搭載される半導体基板101上にシリコン酸化膜102が形成されていると共に、半導体基板101及びシリコン酸化膜102をそれぞれの周縁部が残存するように部分的に除去することによってメンブレン領域113が形成されている。すなわち、メンブレン領域113とは、振動膜112が外部から圧力を受けて振動することを可能とするために半導体基板101がその周縁部を残すように部分的に除去されてなる領域である。
シリコン酸化膜102上にはメンブレン領域113を覆うようにシリコン窒化膜103が形成されている。シリコン窒化膜103上には同一の導電膜からなる下部電極104及び引出し配線115が形成されている。下部電極104は、メンブレン領域113及びその近傍領域(メンブレン領域113の外側領域の一部)を覆うシリコン窒化膜103上に形成されており、引出し配線115は、メンブレン領域113の外側のシリコン窒化膜103上に下部電極104と接続するように形成されている。
シリコン窒化膜103、下部電極104及び引出し配線115のそれぞれの上には、シリコン酸化膜105及びシリコン窒化膜106が順次形成されている。ここで、メンブレン領域113に位置する、シリコン窒化膜103、導電膜からなる下部電極104、シリコン酸化膜105及びシリコン窒化膜106によって振動膜112が構成されている。また、振動膜112には、エアギャップ109と接続する複数のリークホール107が形成されている。尚、シリコン窒化膜103及びシリコン窒化膜106は、リークホール107の内壁面を含む下部電極104及びシリコン酸化膜105の表面全体を覆うように形成されている。また、シリコン酸化膜105は、電荷を蓄えたエレクトレット膜である。具体的には、コロナ放電またはプラズマ放電中にシリコン酸化膜105をさらすことにより、シリコン酸化膜105に電荷を注入し、それによってエレクトレット化したシリコン酸化膜105を形成することができる。このとき、シリコン酸化膜105はコロナ放電またはプラズマ放電中に露出していてもよいし又はシリコン窒化膜103及びシリコン窒化膜106に覆われていてもよい。
さらに、図3に示すように、振動膜112の上方つまりシリコン窒化膜106の上方には、下層のシリコン窒化膜114及び上層のシリコン窒化膜119のそれぞれによって覆われた導電膜118からなる固定膜110が設けられている。ここで、メンブレン領域113及びその近傍領域(メンブレン領域113の外側領域の一部)における振動膜112と固定膜110との間にはエアギャップ109が形成されている一方、それ以外の領域におけるシリコン窒化膜106又はシリコン酸化膜102と固定膜110との間にはシリコン酸化膜108が形成されている。すなわち、エアギャップ109は少なくともメンブレン領域113の全体を含む領域上に形成されていると共に、固定膜110は振動膜112の上方においてシリコン酸化膜108によって支持されている。
尚、エアギャップ109の上方の固定膜110には、エアギャップ109と接続する複数のアコースティックホール111が形成されている。また、シリコン窒化膜114を含む固定膜110及びシリコン酸化膜108には引出し配線115が部分的に露出するように開口部116が設けられている。そして、下部電極104は引出し配線115を介して、図2に示したFET部20のゲートと電気的に接続されている。また、固定膜110を構成するシリコン窒化膜119には開口部117が設けられていると共に当該開口部117において固定膜110を構成する導電膜118が露出しており、それによって当該導電膜118は図2のGND端子25に電気的に接続されている。
図4は、本実施形態のエレクトレットコンデンサーの下部電極104及び引出し配線115の平面図である。前述したように、下部電極104及び引出し配線115は同一の導電膜から構成されている。また、図4に示すように、下部電極104はメンブレン領域113の内部に形成されていると共に、下部電極104の周縁部には複数のリークホール107が形成されている。そして、下部電極104を外部と電気的に接続するために引出し配線115が形成されいる。
以下、下部電極104がメンブレン領域113の内部に形成されている理由について説明する。ECMにおけるコンデンサーの容量は、振動膜の振動により変化する容量成分と、振動膜の振動により変化しない容量成分とによって決定される。ここで、寄生容量が大きくなると、振動膜の振動により変化しない容量成分が大きくなってしまい、それにより、ECMの性能が大きく左右されてしまう。それに対して、本実施形態においては、エレクトレットコンデンサーの下部電極104をメンブレン領域113の内側に設けている。この構成により、下部電極104と半導体基板101とが重なる領域がなくなるので、下部電極104とシリコン酸化膜102と半導体基板101とからなる大面積のMOS(metal oxide semiconductor )容量をなくすことができる。すなわち、寄生容量を、引出し配線115とシリコン酸化膜102と半導体基板101とからなる小面積のMOS容量のみにすることができる。従って、コンデンサーにおける変化しない容量成分(寄生容量)の増加を防ぐことができるので、小型且つ高性能なエレクトレットコンデンサーを実現することができる。
また、本実施形態においては、振動膜112の構成要素、つまり、シリコン窒化膜103、導電膜からなる下部電極104、シリコン酸化膜105及びシリコン窒化膜106のうち、メンブレン領域113を覆うように形成されているシリコン窒化膜103、シリコン酸化膜105及びシリコン窒化膜106は半導体基板101と重なるように形成されている。言い換えると、シリコン窒化膜103、シリコン酸化膜105及びシリコン窒化膜106の端部は半導体基板101上に位置する。一方、振動膜112のうち導電膜からなる下部電極104は半導体基板101と重なることがないようにメンブレン領域113の内側に形成されている。言い換えると、下部電極104の端部はメンブレン領域113の内部に位置する。これにより、振動膜112の共振周波数特性を、シリコン窒化膜103、シリコン酸化膜105及びシリコン窒化膜106の膜厚を調整することによって制御することが可能となる。すなわち、コンデンサーにおける外部からの圧力を受けて変化する容量成分の制御を容易にし、それによって小型且つ高感度のエレクトレットコンデンサーを実現することができる。
以下、シリコン窒化膜103及びシリコン窒化膜106が下部電極104及びシリコン酸化膜105を覆うように形成されている理由について説明する。シリコン酸化膜からなるエレクトレットが液体に触れると、エレクトレットの電荷が大幅に減少する。このエレクトレットの電荷の減少を抑制するために、本実施形態では、少なくともエレクトレットであるシリコン酸化膜105の表面(上面、下面及び側面)をシリコン窒化膜103及びシリコン窒化膜106によって覆っている。さらに詳細には、振動膜112に形成されたリークホール107内にシリコン酸化膜(エレクトレット)105が露出しないように、リークホール107の内壁面もシリコン窒化膜106によって完全に覆っている。これにより、耐湿性及び耐熱性に優れたエレクトレットを有するエレクトレットコンデンサーを実現することができる。
図5は、本実施形態のエレクトレットコンデンサーの固定膜110を構成するシリコン窒化膜114の平面図である。前述したように、メンブレン領域113を含む半導体基板101の上方に形成された固定膜110には複数のアコースティックホール111が形成されている。各アコースティックホール111は、メンブレン領域113及びその近傍領域(メンブレン領域113の外側領域の一部)に配置されている。
以下、本実施形態のエレクトレットコンデンサーの動作について説明する。図3に示す本実施形態のエレクトレットコンデンサーにおいて、アコースティックホール111及びエアギャップ109を通して振動膜112が上方から音圧を受けると、その音圧に応じて振動膜112が機械的に上下に振動する。本実施形態のエレクトレットコンデンサーは、振動膜112を構成する下部電極104と固定膜110を構成する導電膜118とをそれぞれ電極とする平行平板型のコンデンサー構造を有している。従って、振動膜112が振動すると、下部電極104と導電膜118との電極間距離が変化し、それによってコンデンサーの容量(C)が変化する。ここで、コンデンサーに蓄えられる電荷(Q)は一定であるため、コンデンサーの容量(C)が変化すると、下部電極104と固定膜110(導電膜118)との間の電圧(V)に変化が生じる。この理由は、物理的に下記式(1)の条件を満足する必要があるためである。
Q=C・V ・・・ (1)
また、下部電極104と固定膜110(導電膜118)との間の電圧(V)が変化すると、下部電極104は図2のFET部20のゲートと電気的に接続されているので、FET部20のゲート電位が変化する。以上のように、振動膜112の振動によりFET部20のゲート電位が変化し、FET部20のゲート電位の変化は図2の外部出力端子29に電圧変化として出力される。
以上に説明したように、本実施形態によると、帯電したシリコン酸化膜105をシリコン窒化膜103及びシリコン窒化膜106により保護することができる。すなわち、大気中の水分の吸着等が顕著な材料であるシリコン酸化膜105が大気中に露出することのないように、当該シリコン酸化膜105の表面をシリコン窒化膜103及びシリコン窒化膜106によって覆うことにより、シリコン酸化膜105の帯電量の減少を抑制することができる。これにより、エレクトレットの経時的信頼性を向上させることができる。従って、耐湿性に優れたエレクトレット構造を有するECM等のエレクトレットコンデンサーを提供することができる。また、このようなECMをMEMS技術により製作することによって、チャージ供給回路が不要な小型ECMを提供することができる。
すなわち、本実施形態によると、信頼性の高い小型且つ高性能なマイクの実現が可能となる。さらに、当該マイクを搭載した各種応用装置を広く社会に供給することが可能となる。
尚、本実施形態において、帯電したシリコン酸化膜105の下面を下部電極104を介してシリコン窒化膜103によって覆ったが、当該シリコン酸化膜105の下面を直接シリコン窒化膜によって覆ってもよい。
また、本実施形態において、帯電したシリコン酸化膜105の表面をシリコン窒化膜によって覆ったが、シリコン窒化膜に代えて、シリコン酸化膜よりも耐湿性が高い他の種類の絶縁膜によって覆ってもよい。
また、本実施形態において、下部電極104を構成する導電材料として、不純物をドーピングしたシリコン若しくはポリシリコン、金、高融点金属、アルミニウム又はアルミニウム含有合金等を用いてもよい。
また、本実施形態において、固定膜110を構成する導電膜118の材料として、不純物をドーピングしたシリコン若しくはポリシリコン、金、高融点金属、アルミニウム又はアルミニウム含有合金等を用いてもよい。
また、本実施形態において、半導体基板101に代えて、絶縁体からなる基板を用いてもよい。
本発明は、振動電極と固定電極とを有するエレクトレットコンデンサーに関し、特にMEMS技術を用いて形成されるECM等に適用した場合にはECMの高性能化及び高信頼性化を実現でき、非常に有用である。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るECMの構成図であり、図1(a)は当該ECMの平面図であり、図1(b)は当該ECMの断面図である。 図2は本発明の一実施形態に係るECMの回路ブロック図である。 図3は本発明の一実施形態に係るECMを構成するエレクトレットコンデンサーの断面図である。 図4は本発明の一実施形態に係るECMを構成するエレクトレットコンデンサーの下部電極及び引出し配線の平面図である。 図5は本発明の一実施形態に係るECMを構成するエレクトレットコンデンサーの固定膜中のシリコン窒化膜の平面図である。
符号の説明
18 マイク部
19 SMD
20 FET部
21 プリント基板
22 ECMのケース
23 ECMの内部回路
24 出力端子
25 出力端子
26 外部端子
27 外部端子
28 端子
29 端子
30 端子
101 半導体基板
102 シリコン酸化膜
103 シリコン窒化膜
104 下部電極
105 シリコン酸化膜
106 シリコン窒化膜
107 リークホール
108 シリコン酸化膜
109 エアギャップ
110 固定膜
111 アコースティックホール
112 振動膜
113 メンブレン領域
114 シリコン窒化膜
115 引出し配線
116 開口部
117 開口部
118 導電膜
119 シリコン窒化膜

Claims (12)

  1. 帯電したシリコン酸化膜と、
    前記シリコン酸化膜の上面及び側面を覆うように形成された第1の絶縁膜と、
    前記シリコン酸化膜の下面を覆うように形成された第2の絶縁膜とを備え、
    前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜はシリコン窒化膜であることを特徴とするエレクトレット。
  2. 請求項1において、
    前記シリコン酸化膜はプラズマ放電またはコロナ放電により帯電させられていることを特徴とするエレクトレット。
  3. 第1の電極を有する固定膜と、
    前記固定膜との間にエアギャップを介在させて配置された振動膜とを備え、
    前記振動膜は、帯電したシリコン酸化膜と第2の電極と第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との積層構造を有し、
    前記シリコン酸化膜は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置され、
    前記シリコン酸化膜の上面及び側面は前記第1の絶縁膜により覆われており、
    前記シリコン酸化膜の下面は前記第2の絶縁膜により覆われており、
    前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜はシリコン窒化膜であることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  4. 請求項において、
    前記シリコン酸化膜の下面は前記第2の電極を挟んで前記第2の絶縁膜により覆われていることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  5. 請求項において、
    前記振動膜には、前記エアギャップに達する複数の貫通孔が形成されており、
    前記複数の貫通孔の内壁面となる前記シリコン酸化膜の表面は前記第1の絶縁膜によって覆われていることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  6. 請求項において、
    前記第1の電極及び前記第2の電極は、アルミニウム、アルミニウム合金、シリコン、ポリシリコン、金または高融点金属からなることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  7. 請求項において、
    前記第2の電極の面積は、前記シリコン酸化膜の面積よりも小さいことを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  8. 請求項において、
    前記シリコン酸化膜はプラズマ放電またはコロナ放電により帯電させられていることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  9. 周縁部を残すように除去された領域を有する半導体基板と、
    前記領域を覆うように前記半導体基板上に形成された振動膜とを備え、
    前記振動膜は、帯電したシリコン酸化膜と電極膜と第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との積層構造を有し、
    前記シリコン酸化膜の上面及び側面は前記第1の絶縁膜により覆われており、
    前記シリコン酸化膜の下面は前記第2の絶縁膜により覆われており、
    前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜はシリコン窒化膜であることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  10. 請求項において、
    記シリコン酸化膜の下面は前記電極膜を挟んで前記第2の絶縁膜により覆われていることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  11. 請求項において、
    前記電極膜は、前記半導体基板と前記シリコン酸化膜との間に配置されていることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
  12. 請求項において、
    前記電極膜は、前記半導体基板と重ならないように前記領域の内側に形成されていることを特徴とするエレクトレットコンデンサー。
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