JP4181022B2 - 移動体通信装置 - Google Patents
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Description
図1は、実施の形態1における移動体が移動する周囲環境を示す説明図、図2は実施の形態1における構成図、図3及び図4は図1の要部を示すブロック図、図5は図4の動作を示す説明図である。
図1において、移動体1の例として列車について説明する。移動体1は、駅構内(a)での停車及び通過、トンネル内(b)の通過、郊外(c)の通過、都市内(d)の通過等が想定される。
図2から図4において、地上側に固定された地上基地局2は3a〜6a,7,13,14で構成されている。地上基地局2には通信方式の異なる複数の通信媒体3a〜6aが設置されている。通信媒体3a〜6aは例えば携帯電話回線、衛星通信回線、ミリ波通信回線、無線LAN等の無線で通信データの送受信が可能なもので構成されている。各通信媒体3a〜6aは地上側回線統合器7に接続されている。なお、地上側回線統合器7は、電波状態監視手段8、重み付け設定記憶手段9、状態比較手段10、通信媒体切換制御手段11、及び通信データ入出力手段12で構成されている。そして、地上側回線統合器7の通信データ入出力手段12は回線網13を介してコンテンツ管理サーバ14に接続されている。なお、通信データ入出力手段12は情報秘匿のための暗号化を行う。さらに、回線網13は一般の電話回線や専用回線等を利用してインターネットサーバ15にWAN(Wide Area Network)接続されている。
移動体1には地上基地局2に設置された通信媒体3a〜6aと対応した通信方式の通信媒体3b〜6bが設置されている。例えば、通信媒体3a,3bは携帯電話回線、通信媒体4a,4bは衛星通信回線、通信媒体5a,5bはミリ波通信回線、及び通信媒体6a,6bは無線LAN(Local Area Network)のように構成されている。各通信媒体3b〜6bが接続された車上側回線統合器16は電波状態監視手段17、図5に示す重み付けテーブルが記憶されている重み付け設定記憶手段18、状態比較手段19,通信媒体切替制御手段20、及び車両間の通信用フォーマットに変換する通信データ入出力手段21で構成されている。車上側回線統合器16は移動体コンテンツサーバ22にLAN接続されている。移動体コンテンツサーバ22には無線LANアクセスポイント23、携帯電話アクセスポイント24及び座席固定端末器25等が接続されている。無線LANアクセスポイント23及び携帯電話アクセスポイント24から乗客や乗務員が利用する携帯端末器26,27でアクセスできる。さらに、座席固定端末器25からも乗客や乗務員がアクセスできる。なお、通信媒体3a〜6a、3b〜6bはほぼ同様の機能を有する。
そして、通信媒体3b〜6bの中で電波状態の実用的な感度レベルを有するものが複数ある場合は、重み付け設定記憶手段18の重み付けテーブル(図5参照)を参照して最適なものが選択される。重み付けテーブル(図5参照)には、各通信媒体3b〜6bの様々な性能に対するレベル係数が入力されている。例えば、各通信媒体3b〜6bの通信速度、使用料金、ボーナスパケット数、ローミング性レベル等の特徴が設定されている。ボーナスパケットとは、通信媒体3b〜6bのサービス提供会社が実施している課金に関するサービス特典である。
なお、重み付けテーブルの更新は、メモリ媒体、キーボード入力、サーバや携帯端末からのダウンロード等の一般的な方法で行うことができる。なお、重み付けテーブルを使用しないで電波状態のみで順位付けしても良い。
ここで、状態比較手段19で選択された無線LANである通信媒体6bの通信媒体データが通信媒体切替制御手段20に送られてくる。
一方、車上の各アクセスポイント23,24及び座席固定端末器25から移動体コンテンツサーバ22及び通信データ入出力手段21を介して送信された通信データは、通信媒体切替制御手段20内のバッファ部(図示せず)に一旦記憶される。これにより、通信データの送信中に回線が停止した場合や、電波状態による通信媒体の変更時には、通信媒体切替制御手段20内のバッファ部に記憶されている通信データを取り込んで新しく選択された通信媒体により自動送信する。従って、利用者が新しく選択された通信媒体に再接続して通信データを再送する作業を行う必要がない。
乗務員や乗客が座席固定端末器25及び携帯端末器26,27からアクセスすることにより通信データ入出力手段21を介して送信されてきた通信データは、通信媒体切替制御手段20において状態比較手段19で選択された通信媒体6bに適した通信パケットデータに変換される。変換された通信パケットデータは、移動体1の選択された通信媒体6bから発信されて地上基地局2の通信媒体6aで受信される。受信されたパケットデータは回線網13を経由して目的地の各サーバ14,15に送信される。
移動体1と地上基地局2との間で通信データの送受信を行うことにより、移動体1上の乗務員や乗客が地上基地局2のコンテンツ管理サーバ14に記憶されている列車ダイヤ等の情報収集や、インターネットサーバ15からのインターネット情報等の収集を行うことができる。
続いて、図1(b)に示すように移動体1がトンネル内に入ると、携帯電話回線の電波が遮られるために通信が途切れる。そこで、状態比較手段19は携帯電話回線の電波状態の劣化を感知して、電波状態の良好な通信媒体を選択する。トンネル内では、例えば予めミリ波無線通信のような指向性の高い通信媒体5bが設置されている。これにより、トンネル内ではミリ波無線通信による通信媒体5bにより通信データの送受信が行われる。
そして、移動体1がトンネルを出ると、ミリ波無線通信での通信ができなくなるので、電波状態が良好で通信エリアの広い携帯電話回線の通信媒体3bが選択される。また、電波環境により例えばミリ波無線通信等の通信媒体を設置される。
次に、図1(c)に示すように移動体1が郊外を通過する際には携帯電話回線エリアがなく、携帯電話回線が使用できない場合がある。郊外では電波を遮蔽するような建物がないので、高速な通信速度を有する衛星通信回線の通信媒体4bが選択される。
さらに、図1(d)に示すように移動体1が都市に入ると、電波を遮蔽する建物が多くなり衛星通信の電波状態が劣化する場合がある。このような場合、通信エリアの広い携帯電話回線の通信媒体3bが選択される。
以上のように、移動体1が存在する位置に対応した電波状態を監視し、電波状態の良好な通信媒体を選択することにより、移動体の移動区間全域で良好な通信データの通信を行うことができる。
実施の形態1において、移動体1から地上基地局2へ通信データを送信する場合について説明したが、地上基地局2から移動体1へ通信データを送信する場合も同様に行うことができる。
また、実施の形態1において、例えば駅構内では無線LANによる通信媒体6bで通信データを送信するものについて説明したが、電波状態により他の通信媒体3b〜5bのいずれかが選択されてもよい。また、図1(b)〜(d)に示す他の周囲環境においても各通信媒体3b〜6bのいずれか電波状態の良好なものが選択される。
図6は実施の形態2における構成図、図7は図6の要部を示すブロック図、図8は図7の動作を示す説明図である。図3及び図6から図8において、1,2,3a〜6a,3b〜6b,7〜15は実施の形態1のものと同様のものである。
各通信媒体3b〜6bが接続された車上側回線統合器28は最適媒体記憶手段29,通信媒体切替制御手段30及び通信データ入出力手段31で構成されている。なお、通信データ入出力手段31は情報秘匿のための暗号化を行う。そして、通信媒体切替制御手段30には位置情報作成手段32が接続されている。
車上側回線統合器28は移動体コンテンツサーバ33にLAN接続されている。移動体コンテンツサーバ33には無線LANアクセスポイント34、携帯電話アクセスポイント35及び座席固定端末器36等が接続されている。無線LANアクセスポイント34及び携帯電話アクセスポイント35から乗客や乗務員が利用する携帯端末器37,38でアクセスできる。さらに、座席固定端末器36からも乗客や乗務員がアクセスできる。なお、各回線統合器7,28はほぼ同様の機能を有する。
このように構成された移動体通信装置において、最適媒体記憶手段29には図8に示す最適媒体テーブルが記憶されている。最適媒体テーブルは、移動体1が運行される路線を予め起点から複数の走行区間に分割し、走行区間毎に各通信媒体3b〜6bの電波状態を調査して、走行区間に対応して電波状態の良好な通信媒体3b〜6bのいずれかが設定されている。
位置情報作成手段32は移動体1が走行している位置情報データを作成するもので、衛星を利用して測位するGPS(Global Positioning System)や、移動体1の走行距離を速度発電機により算出するキロ程情報算出手段等である。位置情報作成手段32で作成された位置情報データは通信媒体切替制御手段30に常時送信されている。
以上のように、移動体1の走行区間毎に電波状態の良好な通信媒体を通信媒体テーブルとして最適媒体記憶手段29に記憶し、位置情報作成手段32からの位置情報データにより移動体1が存在する走行区間を算出して、走行区間に対応した通信媒体を選択することにより、移動体1の周囲環境の変化に応じて最適の電波状態で通信を行うことができる。
図9は実施の形態3における構成図、及び図10は図9の要部を示すブロック図である。図3、及び図8から図10において、1,2,3a〜6a,3b〜6b,7〜15は実施の形態1のものと同様のものである。
各通信媒体3b〜6bが接続された車上側回線統合器39は電波状態監視手段40、状態比較手段41、通信媒体切替制御手段42、通信データ入出力手段43、及び最適媒体記憶手段44で構成されている。そして、通信媒体切替制御手段42には位置情報作成手段45が接続されている。
車上側回線統合器39は移動体コンテンツサーバ46にLAN接続されている。そして、移動体コンテンツサーバ46には無線LANアクセスポイント47、携帯電話アクセスポイント48、及び座席固定端末器49が接続されている。無線LANアクセスポイント47及び携帯電話アクセスポイント48から乗客や乗務員が利用する携帯端末器50,51でアクセスできる。さらに、座席固定端末器49からも乗客や乗務員がアクセスできる。なお、各回線統合器7,39はほぼ同様の機能を有する。
このように構成された移動体通信装置において、車上側の通信媒体3b〜6bは地上基地局2の各通信媒体3b〜6bから発信されている信号電波を常時受信している。そして、電波状態監視手段40は全ての通信媒体3b〜6bの電波状態を監視している。電波状態監視手段40で受信された電波状態の信号データは状態比較手段41に送信される。
位置情報作成手段45は移動体1が走行している位置情報データを作成するもので、衛星を利用して測位するGPSや、移動体1の走行距離を速度発電機により算出するキロ程情報算出手段等である。
天候や建物の工事、あるいは携帯電話回線アンテナの増設によるエリア拡大等の電波環境が変化して電波状態の順位に差異が生じることがある。この場合、状態比較手段41は最適媒体記憶手段44で選択された電波状態の順位が上位の例えば通信中の無線LANの通信媒体6bより、電波状態監視手段40で検出された、例えば携帯電話回線の通信媒体3bの電波状態が良好なときは、状態比較手段41が通信媒体3bへの通信媒体切替信号を通信媒体切替制御手段42に送信する。通信媒体切替信号を受信した媒体切替制御手段42は最適媒体記憶手段44からの通信媒体6bより、状態比較手段41からの通信媒体3bを最適の通信媒体に選択して優先的に携帯電話回線の通信媒体3bに切り替える。そして、移動体1が走行している走行区間が終了するまで状態比較手段41からの通信媒体3bにより通信が行われる。
以上のように、電波状態監視手段40で検出された通信媒体の電波状態が、最適媒体記憶手段44に記憶された最適媒体テーブルにおける走行区間に対応した通信中の通信媒体の電波状態より良好なとき、電波状態監視手段40で検出された電波状態の良好な通信媒体に切り替えて通信を行うことにより、環境変化による電波状態の変化に応じた通信を行うことができる。
図11は実施の形態4における構成図、図12は図11の要部を示すブロック図、図13は図12の要部の動作を示す説明図である。図3、図8、図11から図13において、1,2,3a〜6a,7〜15は実施の形態1のものと同様のものであり、40,41,45は実施の形態3のものと同様のものである。
各通信媒体3b〜6bが接続された車上側回線統合器52は電波状態監視手段40、状態比較手段41、通信媒体切替制御手段53、通信データ入出力手段54、最適媒体記憶手段55、及び更新媒体制御手段56で構成されている。そして、最適媒体記憶手段55には位置情報作成手段45が接続されている。
車上側回線統合器52は移動体コンテンツサーバ57にLAN接続されている。そして、移動体コンテンツサーバ57には無線LANアクセスポイント58、携帯電話アクセスポイント59、及び座席固定端末器60が接続されている。無線LANアクセスポイント58及び携帯電話アクセスポイント59から乗客や乗務員が利用する携帯端末器61,62でアクセスできる。さらに、座席固定端末器60からも乗客や乗務員がアクセスできる。なお、各回線統合器7,52はほぼ同様の機能を有する。
このように構成された移動体通信装置において、車上側の通信媒体3b〜6bは地上基地局2から発信されている信号電波を常時受信している。そして、電波状態監視手段40は全ての通信媒体3b〜6bの電波状態を監視している。電波状態監視手段40で受信された電波状態の信号データは状態比較手段41に送信される。
位置情報作成手段45は移動体1が走行している位置情報データを作成するもので、衛星を利用して測位するGPSや、移動体1の走行距離を速度発電機により算出するキロ程情報算出手段等である。
通信媒体切替制御手段53は最適媒体記憶手段55から送信されてきた通信媒体を選択して切り替える。ここで、例えば無線LANの通信媒体6bが選択された場合、通信媒体切替制御手段53は乗務員や乗客が座席固定端末器60及び携帯端末器61,62からアクセスすることにより通信データ入出力手段57から送信されてくる通信データを通信媒体6bに適した通信パケットに変換して、選択された通信媒体6bにより移動体1と地上基地局2との通信が行われる。
天候や建物の工事、あるいは携帯電話回線アンテナの増設によるエリア拡大等の電波環境が変化して電波状態の順位に差異が生じることがある。この場合、状態比較手段41は最適媒体記憶手段55で選択された電波状態の順位が上位の例えば通信中の無線LANの通信媒体6bより、電波状態監視手段40で検出された、例えば携帯電話回線の通信媒体3bの電波状態が良好なときは、通信媒体3bへの通信媒体切替信号を通信媒体切替制御手段53に送信する。通信媒体切替信号を受信した媒体切替制御手段53は最適媒体記憶手段55からの通信媒体6bより、状態比較手段41からの通信媒体3bを最適の通信媒体に選択して優先的に携帯電話回線の通信媒体3bに切り替える。そして、移動体1が走行している走行区間が終了するまで状態比較手段41からの通信媒体3bにより通信が行われる。
以上のように、通信媒体の切り替えが発生した走行区間と通信媒体の不一致発生回数を更新媒体テーブルに記憶し、不一致発生回数が所定の回数を超えたとき最適媒体テーブルの内容を更新することにより、作業者による人的作業ミスを防止して速やかに更新することができる。
図14は実施の形態5における構成図、図15及び図16は図14の要部を示すブロック図である。
図14から図16において、地上側に固定された地上基地局63は64a〜67a,68,74,75で構成されている。地上基地局63には通信方式の異なる複数の通信媒体64a〜67aが設置されている。通信媒体64a〜67aは例えば携帯電話回線、衛星通信回線、ミリ波通信回線、無線LAN等の無線で通信データの送受信が可能なもので構成されている。各通信媒体64a〜67aは地上側回線統合器68に接続されている。なお、地上側回線統合器68は、電波状態監視手段69、状態比較手段70、通信媒体切換制御手段71、通信データ入出力手段72、及びデータチェック手段73で構成されている。そして、地上側回線統合器68の通信データ入出力手段72は回線網74を介してコンテンツ管理サーバ75に接続されている。なお、通信データ入出力手段72は情報秘匿のための暗号化を行う。さらに、回線網74は一般の電話回線や専用回線等を利用してインターネットサーバ76にWAN接続されている。
移動体1には地上基地局63に設置された通信媒体64a〜67aと対応した通信方式の通信媒体64b〜67bが設置されている。例えば、通信媒体64a,64bは携帯電話回線、通信媒体65a,65bは衛星通信回線、通信媒体66a,66bはミリ波通信回線、及び通信媒体67a,67bは無線LANのように構成されている。各通信媒体64b〜67bが接続された車上側回線統合器77は電波状態監視手段78、状態比較手段79,通信媒体切替制御手段80、及び通信データ入出力手段81、データチェック手段82で構成されている。車上側回線統合器77は移動体コンテンツサーバ83にLAN接続されている。移動体コンテンツサーバ83には無線LANアクセスポイント84、携帯電話アクセスポイント85及び座席固定端末器86等が接続されている。無線LANアクセスポイント84及び携帯電話アクセスポイント85から乗客や乗務員が利用する携帯端末器87,88でアクセスできる。さらに、座席固定端末器86からも乗客や乗務員がアクセスできる。なお、通信媒体64a〜67a、64b〜67b及び各回線統合器68,77はほぼ同様の機能を有する。
しかし、何らかの原因で高速通信の無線LANの通信媒体67bが送信エラーを起こした場合、遅れた到達したもう一方の携帯電話回線の通信媒体64bにより送信された通信データが採用される。
以上のように、電波状態の良好な複数の通信媒体が検知された場合、電波状態の良好な複数の通信媒体に同一の通信データを送受信させて内容をチェックし、エラーがなければ先着優先させることにより、先着の通信媒体にエラーが発生しても再送信することなく、遅れて到達した通信媒体による通信データを採用するので、通信の高速化を図ることができる。
実施の形態5において、移動体1から地上基地局63へ通信データを送信する場合について説明したが、地上基地局63から移動体1へ通信データを送信する場合も同様に行うことができる。
実施の形態5において、電波状態の順位付けを無線LANの通信媒体67bと携帯電話回線の通信媒体64bの上位2つが選択された場合について説明したが、2つ以上の通信媒体が選択された場合も同様の効果を期待することができる。
図17は実施の形態6におけるロードバランス伝送方式の構成図、図18及び図19は図17の要部を示すブロック図である。
図17から図19において、地上側に固定された地上基地局89は90a〜93a,94,101,102で構成されている。地上基地局89には通信方式の異なる複数の通信媒体90a〜93aが設置されている。通信媒体90a〜93aは、例えば携帯電話、衛星通信回線、ミリ波通信回線、無線LAN等の無線で通信データの送受信が可能なもので構成されている。そして、各通信媒体90a〜93aは地上側回線統合器94に接続されている。なお、地上側回線統合器94は電波状態監視手段95、状態比較手段96、記憶手段97、通信媒体切替制御手段98、通信データ入出力手段99、及びデータチェック手段100で構成されている。なお、記憶手段97には各通信媒体90a〜93aの通信速度に応じて各通信媒体90a〜93aの組み合わせで決められた伝送比率が記憶されている。そして、地上側回線統合器94の通信データ入出力手段99は回線網101を介してコンテンツ管理サーバ102に接続されている。さらに、回線網101は一般の電話回線や専用回線等を利用してインターネットサーバ103にWAN接続されている。
移動体1には地上基地局89に設置された通信媒体90a〜93aと対応した通信方式の通信媒体90b〜93bが設置されている。例えば、90bは携帯電話回線、通信媒体91bは衛星通信回線、通信媒体92bはミリ波通信回線、及び通信媒体93bは無線LANのように構成されている。各通信媒体90b〜93bが接続された車上側回線統合器104は電波状態監視手段105、状態比較手段106、記憶手段107、通信媒体切替制御手段108、通信データ入出力手段109、及びデータチェック手段110で構成されている。なお、記憶手段107には各通信媒体90b〜93bの通信速度に応じて各通信媒体90b〜93bの組み合わせで決められた伝送比率が記憶されている。そして、車上側回線統合器104は移動体コンテンツサーバ111にLAN接続されている。移動体コンテンツサーバ111には無線LANアクセスポイント112、携帯電話アクセスポイント113及び座席固定端末機114等が接続されている。無線LANアクセスポイント112及び携帯電話アクセスポイント113から乗客や乗務員が利用する携帯端末機115,116でアクセスできる。さらに座席固定端末機114からも乗客や乗務員がアクセスできる。なお、通信媒体90aから93a、90b〜93b及び各回線統合器94,104はほぼ同様の機能を有する。
図20はロードバランス伝送方式における伝送比率の決定要領を示す説明図である。図20において、例えば通信可能な2方式の通信媒体A,Bが状態比較手段106により選択されたとする。ここで、通信媒体Aの伝送速度を1としたとき、通信媒体Bの伝送速度は通信媒体Aの伝送速度の1/3とする。
そして、通信データはID番号が付けられた1〜9のパケットデータに分割されて、伝送速度の速い通信媒体Aから順番に振り分けて伝送される。通信媒体Bは伝送速度に合わせて、通信媒体Aが3個のパケットデータを送信するタイミングで1個のパケットデータの伝送を行う。
状態比較手段106での順位付けにより電波状態の良好な上位2つの例えば携帯電話回線及び無線LANの通信媒体90b,93bが選択されたとする。通信媒体切替制御手段108には状態比較手段106で選択された各通信媒体90b,93bの情報と、記憶手段107に記憶されている各通信媒体90b〜93bの組み合わせで決められた伝送比率の情報と、移動体コンテンツサーバ111を介して乗客や乗務員がアクセスした情報とが入力される。これにより通信媒体切替制御手段108は状態比較手段106で選択された通信媒体90b,93bに切り替える。さらに、通信媒体切替制御手段108は記憶手段107に予め記憶されている各通信媒体90b,93bの通信速度に応じて、通信媒体90b,93bの組み合わせで決められた伝送比率により、通信データをパケット単位で選択された各通信媒体90b,93bに振り分けて伝送させる。受信側の地上側回線統合器94では各データパケットのID番号を基に整列・再構築が行われる。
以上のように、各通信媒体90b〜93bの伝送比率により、通信データをパケット単位で選択された各通信媒体90b,93bに振り分けて伝送させることにより、各通信媒体90b,93bでバランスよくパケットを送信するので、通信時間の短縮を図ることができる。
実施の形態6において、移動体1から地上基地局94へ通信データを送信する場合について説明したが、地上基地局94から移動体1へ通信データを送信する場合も同様に行うことができる。
さらに、実施の形態6において、携帯電話回線の通信媒体90bと無線LANの通信媒体93bの上位2つが選択された場合について説明したが、2つ以上の通信媒体が選択された場合も同様の効果を期待することができる。
図21は実施の形態7における構成図、図22及び図23は図21の要部を示すブロック図である。
図21から図23において、地上側に固定された地上基地局117は118a〜121a,122,128,129で構成されている。地上基地直117には通信方式の異なる複数の通信媒体118a〜121aが設置されている。通信媒体118a〜121aは、例えば携帯電話、衛星通信回線、ミリ波通信回線、無線LAN等の無線で通信データの送受信が可能なもので構成されている。各通信媒体118a〜121aは地上側回線統合器122に接続されている。そして、地上側回線統合器122は電波状態監視手段123、状態比較手段124、記憶手段125、通信媒体切替制御手段126、通信データ入出力手段127、及びデータチェック手段128で構成されている。なお、記憶手段125には各通信媒体118a〜121aの通信速度に応じて、各通信媒体118a〜121aの組合で決められた伝送比率と、通信データの情報量の大きさや通信データの重要性等のサービス用途とを勘案して、各通信媒体118a〜121aに伝送させるサービス用途が記憶されている。地上側回線統合器122の通信データ入出力手段127は回線網129を介してコンテンツ管理サーバ130に接続されている。さらに、回線網129は一般の電話回線や専用回線を利用してインターネットサーバ131にWAN接続されている。
移動体1には地上基地局122に設置された通信媒体118a〜121aと対応した通信方式の通信媒体118b〜121bが設置されている。例えば、通信媒体118a,118bは携帯電話回線、119a,119bは衛星通信回線、120a,120bはミリ波通信回線、及び通信媒体121a,121bは無線LANのように構成されている。各通信媒体118b〜121bが接続された車上側回線統合器132は電波状態監視手段133、状態比較手段134、記憶手段135、通信媒体切替制御手段136、通信データ入出力手段137、及びデータチェック手段138で構成されている。なお、記憶手段135には各通信媒体118b〜121bの通信速度に応じて、各通信媒体118b〜121bの組合で決められた伝送比率と、通信データの情報量の大きさや通信データの重要性等のサービス用途とを勘案して、各通信媒体118b〜121bに伝送させるサービス用途が記憶されている。車上側回線統合器132は移動体コンテンツサーバ139に接続されている。移動体コンテンツサーバ139には無線LANアクセスポイント140、携帯電話アクセスポイント141、及び座席固定端末機142等が接続されている。無線LANアクセスポイント140及び携帯電話アクセスポイント141から乗客や乗務員が利用する携帯端末機143,144でアクセスできる。さらに、座席端末機142からもアクセスできる。なお、通信媒体118a〜121a,118b〜121b、回線統合器122,131はそれぞれほぼ同様の機能を有する。
図24は用途別伝送における伝送要領を示す説明図である。図24において、例えば通信可能な2つの通信媒体A,Bが状態比較手段134により選択されたとする。ここで、通信媒体Aの伝送速度を1としたとき、通信媒体Bの伝送速度は通信媒体Aの伝送速度の1/2とする。
通信データには種々のサービス用途があり、それぞれ情報量の大きさや通信データの重要性等のサービス用途を勘案して分類される。そこで、webサイトのように画像等の大きな通信データの送信パケットを扱うのを通信媒体Aとし、Eメールのように文字やテキスト情報等の小さな通信データの送信パケットを扱うのを通信媒体Bとするように分類して記憶手段135に記憶させておく。
図24に示すように、通信媒体AはデータパケットA11〜A13、データパケットA21,A22及びデータパケットA31を伝送し、通信媒体BはデータパケットB11〜B14及びデータパケットB21〜B25を伝送する場合について説明する。図24において、サービス用途の内で通信データの大きなwebサイトのような画像等の送信パケットは伝送速度の速い通信媒体Aを使用し、通信データの小さいEメールのように小さな送信パケットは通信媒体Aと異なる伝送速度の遅い通信媒体Bで送信する。受信側の地上側回線統合器117では各データパケットのID番号を基に整列・再構築が行われる。
このように、webサイトの閲覧等の大きなパケットを扱う通信媒体、Eメール等の小さいパケットを扱う通信媒体、優先順位の高い運行関係等の緊急性を要する情報を扱う通信媒体というようにサービス用途別に分類して記憶手段135に記憶させておく。そして、データの重み付けを勘案して通信速度の速い通信媒体、接続性の良い通信媒体等を選択して通信データの通信を行う。
実施の形態7において、電波状態の良好な2つの通信媒体について説明したが、2つ以上の通信媒体を使用した場合も同様の効果を期待することができる。
さらに、実施の形態7において、移動体1から地上基地局117へ通信データを送信する場合について説明したが、地上基地局117から移動体1へ通信データを送信する場合も同様の効果を期待することができる。
2,63,89,117 地上基地局
3a〜6a,3b〜6b,64a〜67a,64b〜67b,90a〜93a,90b〜93b,118a〜121a,118b〜12b 通信媒体
8,17,40,69,78,95,105,123,133 電波状態監視手段
10,19,41,70,79,96,106,124,134 状態比較手段
11,20,30,42,53,71,80,98,108,127,136 通信媒体切替制御手段
29,44,55 最適媒体記憶手段
32,45 位置情報作成手段
56 更新媒体制御手段
73,82 データチェック手段
97,107,125,135 記憶手段
Claims (3)
- 固定された地上基地局と移動可能な移動体との間で通信データの通信を行う移動体通信装置において、上記地上基地局と上記移動体間で無線通信が可能な通信方式の異なる複数の通信媒体をそれぞれ配置して、上記複数の通信媒体の選択または接続処理を行う回線統合器を設け、上記回線統合器は、上記複数の通信媒体による信号電波を常時受信して、その電波状態を監視する電波状態監視手段と、この電波状態監視手段で監視した電波状態を所定時間の間隔で比較し、電波状態の良好な順に上記複数の通信媒体の順位付けを行う状態比較手段と、上記移動体が運行される路線を起点から複数の走行区間に分割して上記走行区間毎に上記複数の通信媒体から電波状態の良好な通信媒体を最適媒体テーブルとして登録した最適媒体記憶手段と、上記移動体の上記起点からの走行距離または位置に基づいて上記移動体が存在する上記走行区間を算出する位置情報作成手段からの位置情報データにより、上記走行区間に対応した通信媒体を上記最適媒体テーブルから選択して、選択された通信媒体に切り替える通信媒体切替制御手段と、この通信媒体切替制御手段に上記通信データを入力または上記通信媒体切替制御手段からの上記通信データを出力する通信データ入出力手段とを備え、上記電波状態監視手段で検出された上記通信媒体の電波状態が通信中の上記走行区間に対応した通信媒体の電波状態より良好なときは、上記通信媒体切替制御手段は上記電波状態監視手段で検出された電波状態の良好な通信媒体に切り替えて上記通信データの通信を行うようにしたことを特徴とする移動体通信装置。
- 請求項1に記載の移動体通信装置において、上記電波状態監視手段で検出された電波状態の良好な通信媒体に切り替えて通信を行ったとき、通信媒体の切り替えが発生した上記走行区間と通信媒体との発生頻度を更新媒体制御手段の更新媒体テーブルに記憶し、発生頻度が所定の回数を超えたとき上記最適媒体記憶手段の上記最適媒体テーブルの内容を更新するようにしたことを特徴とする移動体通信装置。
- 固定された地上基地局と移動可能な移動体との間で通信データの通信を行う移動体通信装置において、上記地上基地局と上記移動体間で無線通信が可能な通信方式の異なる複数の通信媒体をそれぞれ配置し、上記複数の通信媒体の選択または接続処理を行う回線統合器を設け、上記回線統合器は、上記複数の通信媒体による信号電波を常時受信して、その電波状態を監視する電波状態監視手段と、この電波状態監視手段で監視した電波状態を所定時間の間隔で比較し、電波状態の良好な順に上記複数の通信媒体の順位付けを行う状態比較手段と、この状態比較手段で順位付けされた通信媒体から電波状態の良好な順に複数の通信媒体を選択し、この選択された通信媒体に切り替える通信媒体切替制御手段と、この通信媒体切替制御手段に上記通信データを入力または上記通信媒体切替制御手段からの上記通信データを出力する通信データ入出力手段と、この通信データ入出力手段で入出力した上記通信データのエラーをチェックするデータチェック手段とを備え、上記データチェック手段は、先着した通信媒体からの上記通信データと遅れて到着した通信媒体からの上記通信データの両方にエラーが検出されないときは、上記先着の通信媒体からの上記通信データを取り込んで、上記遅れて到着した通信媒体からの上記通信データは破棄し、上記先着した通信媒体からの上記通信データにエラーが検出されたときは、上記遅れて到着した通信媒体からの上記通信データのエラーをチェックして、上記遅れて到着した通信媒体からの上記通信データにエラーが検出されないときは、上記遅れて到着した通信媒体からの上記通信データを取り込むようにしたことを特徴とする移動体通信装置。
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