JP4180680B2 - 流体供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体供給装置に関するものであり、特に、缶状の所定の容器の注口に取付けて容器内の内容物を排出できる流体供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、缶状の容器から液体状の内容物を排出(他に供給)するには、容器の注口を開蓋し、その容器を傾斜させて注口から直接流体状の内容物を排出していた。このとき、容器から容器外に排出される流体等の容積と容器内へ流入する空気の容積は相等しく、しかも、通常、流体の排出と空気の流入は同一の注口を利用して行われている。
【0003】
しかし、容器を傾斜させて注口から液体等を排出する従来のような方法では、容器内へ空気が円滑に流入しないと、注口から排出される液体も連続して円滑に排出されず、所謂、脈動状態の不連続な排出となっていた。特に、容器内に充填されている液体等の内容量が多い場合には、この現象が著しかった。このため、缶状の容器内の油を機械等の注油口に直接給油する場合には、油が外部に漏れ出る虞れがあり、直接の給油は困難であった。故に、一度別の容器に移し代えてから給油をするように対処していたために、大変作業能率が悪かった。更に、石油ストーブに灯油等を給油する場合には、灯油等が外部に漏れると灯油の匂が部屋中に蔓延するために、注意深く給油作業を行う必要もあった。
【0004】
また、缶の注口の反対側に空気流入用の小孔を穿設する方法もあるが、缶内に残油がある場合、小孔から塵芥等が容器内に入る虞れがあるとともに、油等の酸化も促進されるために不経済であった。
これを考慮した従来の技術として、図6に示すような流体供給装置がある。
【0005】
図6は従来の流体供給装置を1斗缶に取付けた状態を示す断面図である。
図において、1は缶等の所定の規格の容器10の注口であり、この注口1には接続部2を着脱可能に取付けることができる。接続部2は容器10内の流体を容器10外に排出する流体通路2aと外気を容器10内に導く空気通路2dとの2つの通路を別個に有しており、流体通路2aの下部には注口1に連通する下部開口部が、上部には上部開口部が各々形成されている。接続部2の流体通路2a及び空気通路2dには回転軸3が貫通して配設されており、流体通路2a内の弁軸部と空気通路2d内の空気弁3bとが一体に連なっている。なお、この実施例では空気弁3bは回転軸3の一部を切欠いて一体成形されている。回転軸3の弁軸部3aには流体弁4が装着されている。この流体弁4の周囲は耐油ゴムコーティングが施され、容器10の内容物が流体弁4に触れても化学変化等が起きないように考慮されている。回転軸3の端部には開閉レバー6が固着されている。したがって、開閉レバー6を可動させることにより回転軸3も一体で回転し、この回転によって流体弁4が流体流路2aを開閉するとともに、空気弁3bが空気流路2dを開閉する。接続部2の空気流路2dの容器10内側には空気流入導管15が接続されており、この空気流入導管15及び空気流路2dを通して外気が容器10内に導かれる。接続部材2の流体流路2aの上部開口部には先端が細くなった排出口を有する口金16が接続されており、この口金16と接続部材2との接合部はOリングによって封止されている。口金16は接続部材2に固定されている。
【0006】
この流体供給装置は、缶状の容器10の注口1に取付けられ、この流体供給装置の流体流路2a及び空気流路2dの内部に配設された弁を開けることにより、その端部が容器10内の底部に位置する空気導管15及び空気流路2dを介して容器10内に空気を導入するとともに、空気導管15と独立して設けられた流体流路2a及びその上部開口部に接続された所定形状の口金を介して容器10内に充填されている流体を容器10外に円滑に連続して排出し、弁を閉じることにより容器10内の流体を外界から隔離し、流体の酸化や揮発を防止するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この流体供給装置を用いて、容器10内に充填されている流体を容器10外に脈動することなく円滑に連続して排出するためには、容器10内に空気を円滑に流入させる必要があり、そのためには空気導管15の容器10内側の端部を空気中にだす必要があった。
【0008】
しかし、容器10内に充填されている流体が少量である場合を除き、空気導管15の一方の端部は流体中に浸かっているので、この端部が流体の液面より上部の空気中に出るまでの間は、容器10内に空気が流入せず、即ち、注口1から排出される流体も連続して円滑に排出されず、所謂、脈動状態の不連続な排出となっていた。
【0009】
特に、容器10内に多量の流体が充填されている場合や、排出操作の開始直後にはこの現象が著しかった。また、空気導管15の一方の端部が流体中に浸かっていることから、容器10を大きく傾斜させた場合、空気導管15を介して容器10内の流体が逆流し、容器10や作業場を汚す場合があった。
【0010】
そこで、本発明は、かかる不具合を解消するためになされたもので、容器内に多量の流体が入っているときでも、内容物を円滑に連続して排出することができ、空気導入導管に逆流することなく容器内の液体状の内容物を排出することができる流体供給装置の提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1においては、所定の容器の注口に密着状態で着脱可能に接続される接続部は流体流路及び空気流路の2つの流路を個別に具備し、流体流路は容器内に充填された流体を容器外に排出し、空気流路は空気導管及び逆流防止部を介して、外気を容器内に円滑に流入させたり容器外へ円滑に流出させたりする。また、空気導管の容器内側の端部に接続されている逆流防止部は、容器の傾きに応じて容器内への空気の流入及び流出を制御するとともに、容器内の流体が空気導管や空気流路内に逆流するのを防止する。そして、接続部の上部を覆うように装着される蓋体は、接続部に装着された状態では流体流路の上部開口部及び空気流路の空気流路開口部を密閉する。
【0012】
したがって、流体の排出量に応じて空気を容器内へ円滑に流入させたり容器外へ円滑に排気したりすることにより、容器内の流体を常時大気圧下に保つことができるので、容器内の流体を排出する際に脈動現象が発生されることなく、滑かに連続排出できる。よって、機械等の給油口に直接給油することができ、作業効率が大幅に向上する。そして、逆流防止部は下部開口部から離れた場所に接続されているので、容器内に多量の流体が充填されている状態のときに容器を急角度で傾斜させても、逆流防止部が流体に浸かることなく、更に、容器が傾斜状態のときには逆流防止部の空気孔を開放状態として、空気流路及び空気導管を介して空気が自由に缶内に流入でき、また、容器が水平状態のときには逆流防止部の空気孔を閉鎖状態として、空気流路及び空気導管に流体が進入しないようにする。したがって、空気流路及び空気導管を通した流体の逆流を防止でき、空気流路開口部を伝って缶等の容器に油等の液体が垂落ちて付着することもないので缶等の容器や作業場を汚すことなく、清潔に作業を行うことができる。
また、逆流防止部は、前記容器が水平状態のとき収納されたボールが空気孔を閉じ、そして、前記容器を前記注口の方向に傾斜させたとき、前記ボールが前記空気孔上から移動することにより、前記空気が前記容器内に呼吸部を介して流入可能となり、前記流体流路を介して前記容器内の流体を前記容器外に排出する前記空気導管の他端の上方に設けられたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について説明する。
第一の実施の形態図1は本発明の第一の実施の形態である流体供給装置を示す断面図、図2は図1の流体供給装置の底面図である。また、図3は本発明の第一の実施の形態である流体供給装置の逆流防止部を示す要部断面図である。
【0014】
まず、本実施の形態の流体供給装置の使用状態の概略を説明する。
図のように、本実施の形態の流体供給装置は、缶等の所定の規格の容器10の注口1に取付けられる本体20は、本体20の流体流路21及び空気流路22を容器10の注口1に着脱自在に接続する接続部23により着脱可能に取付けられている。本体20は容器10内の流体(本実施の形態の形態において、容器10内の『流体』とは、『液体』を意味するものである)を容器10外に排出する流体流路21及び外気を容器10内に導く空気流路20の相互に独立した2つの流路を有している。
【0015】
そして、流体流路21は注口1に連通する下部開口部21aから接続部23の上部に位置する上部開口部21bまで連続して開口させた流路であり、また、空気流路22は本体20の側部に位置する空気流路開口部22bから注口1までを連通させた流路である。空気流路22の下部には所定の形状を有する空気導管30が接続されており、その接続方向は容器10内から空気流路22を通して空気が流出する方向と同じである。この空気導管30の容器1内側の端部には、受部材41、収納部材42、ボール43から構成される逆流防止部40が連結されている。
【0016】
また、この排出バルブ装置を用いて容器10内の流体を排出する場合は、まず、容器10を注口1の方向に傾斜させ、逆流防止部40内に収納されたボール43を空気孔44上から移動させることにより、空気が缶内に自由に流入可能な状態にする。そして、更に、缶を傾斜させ、流体流路21を介して容器10内の流体を排出する。
【0017】
次に、この流体供給装置の各部分を図を用いて詳細に説明する。
図1乃至図3において、缶等の所定の規格の容器10の注口1には、金属製の本体20をその接続部23によって着脱可能に取付けることができる。また、本体20の外周には、所定のネジ山が螺刻されたネジ部20aが形成されている。そして、本体20の上部を覆うように蓋体26の内ネジ26aが螺着されている。即ち、この蓋体26の内面側には、本体20の外周に形成されたネジ部20aと螺合可能な内ネジ26aが螺設されており、この蓋体26と本体20とを螺着させることにより、流体流路21の上部開口部21b及び空気流路22の空気流路開口部22bを密閉している。
【0018】
このように、本体20と蓋体26はネジ部20aと内ネジ26aを介して螺着されているので、蓋体26の開閉及び使用設定を簡単かつ迅速に行うことができ、容器10内の内容物の排出作業開始時及び終了時において、流体供給装置を取外して容器10の蓋を開閉するという操作が必要ないので、作業の能率が良くなる。また、蓋体26は流体流路21の上部開口部21b及び空気流路22の空気流路開口部22bを密閉することができるので、容器10内へ塵芥等が入る虞れもなく、酸化も遅くなるので、残油等を有効に使用でき、経済的である。
【0019】
更に、本体20の下部開口部21aには所定の弾性を有するバネ状の止金、即ち、Oリング27が配設されており、このOリング27によって本体20の下部開口部21aは注口1に着脱が可能な構造になっている。また、本体20の下部開口部20aと注口1との隙間には、ゴム状のパッキン28が密着状態で介在し、その隙間を塞ぎ、ここから油等の液体の漏洩を防止している。更に、パッキン28は耐油性とし、油等が付着しても劣化しないようにしている。
【0020】
これら、本体20の下部に配設されたOリング27と、本体20の下部開口部21aと注口1との間のゴム状のパッキン28は、本体20の流体流路21及び空気流路22を容器10の注口1に着脱自在に接続する接続部23を構成している。
【0021】
この接続部23に配設されるOリング27は、その内径が容器10の注口1上部の外径より小に形成されているので、このOリング27を容器10の注口1に装着させる際には、Oリング27の内径が容器10の注口1上部の外径以上になるようにOリング27を弾性変形させるだけの力が必要である。また、このOリング27を容器10の注口1から取外す際も同様に、Oリング27の内径が容器10の注口1の上部の外径以上になるようにOリング27を弾性変形させるだけの力が必要である。そして、容器10の注口1の上部の外径は、注口1の下部の外径より大に形成されているので、容器10の注口1の上部を通過したOリング27は、注口1の下部においてOリング27自身の持つ弾性力で注口1に圧接状態となって、本体20を容器10の注口1に確実に固定できる。
【0022】
この接続部23はOリング27及びパッキン28によって缶状の容器10の注口1に取付け、取外し自在となっており、本体20と容器10は分離可能となっている。したがって、所定の規格の注口1であれば缶の容量、形状によらず装着することができ、また、必要に応じて着脱できる。
【0023】
このように、流体供給装置は缶状の容器10の注口1に接続部23の下部開口を嵌込むことにより簡単に装着でき、Oリング27及びパッキン28によって接続部23と注口1とは密接した状態で連結する。したがって、缶の内容物が容器10外に漏れないので缶や作業場を汚すことがなく、即ち、汚れを清掃する必要がないので作業性が増す。
【0024】
また、本体20は容器10内の流体を容器10外に排出する流体流路21と、外気を容器10内に導く空気流路22との2つの流路を別個に有しており、流体流路21の下部には注口1に連通する下部開口部21aが、また、上部には上部開口部21bが各々形成されている。
【0025】
流体流路21は注口1内に位置する下部開口部21aから接続部23の上部に位置する上部開口部21bまでを連続して開口させた流路であり、容器10内の流体を排出する際に容器10を注口1の方向に傾斜させると、その容器10の勾配に応じた量の容器10内の流体が流体流路21を通して容器10外に排出される。
【0026】
そして、流体流路21と隣接して空気流路22が形成されている。空気流路22の下部には注口1に連通する下部開口部22aが形成されており、上部には空気流路開口部22bが形成されている。即ち、空気流路22は接続部23の側部に位置する空気流路開口部22bから注口1までを連通させた流路である。
【0027】
更に、この下部開口部22aには空気導管30が接続されており、この空気導管21及び空気流路22を通して外気が容器10内に導かれる。
【0028】
この空気導管30は、空気流路22との接合部付近で緩やかに垂直下方向から水平方向へ折曲した形状をしており、本体20を装着した状態ではこの空気導管30の容器10内側の端部はほぼ缶等の容器10の上面と水平であり、容器10の注口1の反対側方向を向いている。また、空気流路開口部22bは本体20の側面に形成されている。
【0029】
このように、空気流路21と空気導管30との結合体は、その端部が容器10内の流体に接触しないよう考慮されているので、流体流路21を通して容器10内の流体を排出する際に、流体が空気流路開口部22b内に流入することがない。したがって、清潔に排出作業を行うことができる。この空気導管30の容器10内側の端部には、受部材41、収納部材42、ボール43から構成された逆流防止部40が接続されている。
【0030】
収納部材42は金属製で内部が中空の収納体であり、逆流防止部40の外面の大半を構成するとともに、空気導管30の容器10内側の端部に連通して接続されている。収納部材42の下部には、上に凹の形状を有する受部材41が配設されている。また、受部材41の中心には円形の空気孔44が形成されている。収納部材42の下部には、収納部材42に入込んだ流体を戻す戻し孔45が形成されていて、逆流防止部40の上方の呼吸部46から何等かの原因で流体が収納部材42の内部に入込んでも、流体を戻す戻し孔45が容器10内に戻す機能を持っている。呼吸部46は空気導管30から容器10内に空気を導くものであり、流体が収納部材42に入込まないように、スリット状、微小孔が穿設されている。この呼吸部46は容器10の通常の載置状態及び傾斜状態で、流体(液体)中にならない位置に配設される。
【0031】
即ち、空気流路開口部22から流入した空気は空気流路22及び空気導管30及び逆流防止部40を通り、最終的にはこの空気孔44から容器10内に流出する。また、この受部材41は、容器10の内容物が触れても化学変化がおきないように、その材質として耐油性のシリコンゴム等の使用が好適である。
【0032】
そして、収納部材42と受部材41により囲われた領域に、球状の金属体からなるボール43が収納されている。即ち、上に凹の形状をした受部材41の中心に空気孔44が形成されているので、このボール43は逆流防止部40が水平状態にあるときには空気孔44上に位置する。更に、受部材41に形成された空気孔44は、その開口径がボール43の直径より小に形成されているので、ボール43は逆流防止部40から落下することがない。したがって、缶等の容器10が水平面に載置されて逆流防止部40が水平状態にあるときには、ボール43と受部材41とは密着した状態で連結し空気孔44を密閉するので、容器10内の流体が逆流防止部40及び空気導管30内に流入するのを防止する。
【0033】
また、ボール43は球体であり、更に、ボール43が接触支持されている受部材41はシリコン製で摩擦抵抗力が少ないので、ボール43自身は自由に回転や移動をすることができる。したがって、容器10を傾けた際には空気孔44から速やかに移動し、空気孔44を開状態にし、容器10内に空気を円滑に流入させることができる。
【0034】
更に、収納部材42、ボール43は金属製であり、受部材41と同様、油等の内容物に触れても化学変化が起きないので長期間の使用にも耐える。そして、逆流防止部40は流体流路21の下部開口部21aから所定の距離だけ離れた場所に接続されているので、容器10内に多量の流体が充填されている状態のときに、容器10を急角度で傾斜させたとしても、逆流防止部40が流体に浸かることはなく、したがって、空気孔44から逆流防止部40内に流体が入り、空気導管30及び空気流路22を通して空気流路開口部22bから逆流するという現象が防止され、清潔に作業を行うことができる。なお、この収納部材42とボール43との大きさの関係は、通常状態で収納部材42の内部面積がボール43を空気孔44を塞ぐように、ボール43の移動を拘束する位置とするのが望ましい。これによって、容器を傾けていないときには、常に、ボール43が空気孔44を塞ぐことになる。
【0035】
このように、空気孔44を設けた空気導管30の他端部には、空気を容器10内に導くと共に、容器10内の流体が空気導管30内に逆流するのを防止する逆流防止部40を構成する。なお、この逆流防止部40は、空気孔44を下向としているが、本発明を実施する場合には、上向きまたは横向きとすることができる。
【0036】
次に、この流体供給装置の使用方法について述べる。
本実施の形態の流体供給装置を利用して缶内に充填されている液体を排出するには、まず、空気導管30及び逆流防止部40を缶等の容器10内に挿入する。この空気導管30は空気流路22との接合部付近で緩やかに垂直下方向から水平方向へ折曲した形状をしており、接続部23を装着した状態ではこの空気導管30の容器10内側の端部はほぼ缶等の容器10の上面と水平であり、容器10の注口1の反対側方向に位置する。そして、缶等の容器10の注口1を開蓋し、この注口1に流体供給装置を装着する。この流体供給装置は注口1に接続部23の下部開口部21aを嵌込み、上から外力を加えることにより簡単に装着でき、しかも、Oリング27及びパッキン28によって接続部23と注口1とは密着した状態となる。
【0037】
こうして、流体供給装置を注口1に装着した後、蓋体26を接続部23から取外し、容器10の注口1の方向に缶を傾斜させると、逆流防止部40内に収納されたボール43が空気孔44上から移動し、空気導管30を通して流入した空気が空気孔44より自由に缶内に流入可能になる。そして、更に、缶を傾斜させると、流体流路21を通して缶内の内容物が排出されるが、内容物の排出に伴い缶内の気圧が下がるので、空気流路開口部22aから空気流路22及び空気導管30を通して空気が逆流防止部40に流入し、最後に空気孔44から缶内に流出する。
【0038】
したがって、この流体供給装置においては缶の内容物を排出する際に複雑な動作をする部分がないため、補修の手間を省くことができ、また、排出操作をする際に行う缶状の容器10に流体供給装置を取付ける操作と、本体20に螺着された蓋体26を開蓋する操作は簡単に行うことができるので、この流体供給装置は容易に取り扱うことができる。
【0039】
そして、本体20と注口1とはOリング27及びパッキン28により密接した状態で連結されているので、この流体供給装置と注口1との隙間から容器10内に充填された液体等が漏れることもない。
【0040】
更に、空気導管30の容器10内側の端部に接続されている逆流防止部40は、下部開口部22aから離れた場所に接続されており、この逆流防止部40は容器10内の流体と隔てられた状態にある。即ち、好ましくは、容器10内に多量の流体が充填されている状態で容器10を急角度で傾斜させても、逆流防止部40が流体に浸かることがないように設定する。しかも、給油後には、逆流防止部40内に収納されたボール43が移動し、空気孔44を塞ぐので、缶等の容器10を持ち運ぶ際に缶内に充填された流体の液面が上下し、逆流防止部40に流体が付着しても、流体が空気導管30内に侵入することはない。したがって、容器10を傾斜させた場合において、空気導管30及び空気流路22を通した流体の逆流を防止することができ、空気流路開口部22bを伝って缶等の容器10に油等の液体が垂落ちて付着することもないので缶等の容器10や作業場を汚すことがなく、清潔に作業を行うことができる。
【0041】
しかも、逆流防止部40は、常時空気中に位置しているので、注口1から容器10外へ排出される流体の体積に応じた空気を円滑に容器10内に流入させることができる。即ち、容器10内の流体は常時大気圧下に置かれるので、排出操作の開始直後や容器10を急角度で傾斜させた際でも脈動がおきない。
【0042】
したがって、この容器10内への円滑な空気流入により、排出操作全般を通して脈動現象は起こらず、容器10内に充填された流体を円滑に連続して排出することができる。よって、機械等の給油口に直接給油することができ、作業効率が大幅に向上する。
【0043】
更に、この流体供給装置は、角4リットル缶、角18リットル缶、或いは丸20リットル缶等の種類の相違する缶であっても、これらの注口1の大きさや形状等が同一規格のものであれば取付けることができるので、種類が相違する缶にも利用でき、適用の範囲が広い。なお、この場合には、缶の種類に応じて空気導管30の長さを調整するのが望ましい。
【0044】
故に、この流体供給装置を利用すれば、例えば、自動車のエンジンオイルを交換する場合にも、角4リットル缶から直接エンジンに給油することができる。また、石油ストーブに灯油を供給する場合にも、角18リットル缶から直接給油することができる。そして、容器10を傾斜させた場合において、空気導管30及び空気流路22を通した流体の逆流を防止することができ、空気流路開口部22bを伝って缶等の容器10に油等の液体が垂落ちて付着することもないので、缶等の容器10や作業場を汚すことがない。
【0045】
また、蓋体26と本体20を螺着させることで、容易に上部開口部21bを外界と遮断することができるので、容器10の内容物の匂等が漏れることがなく、また、塵芥等が容器10内に入る虞れもなく、酸化も遅いので、残油等を有効に使用でき、経済的である。
【0046】
このように、本実施の形態の流体供給装置は、角4リットル缶、角18リットル缶、或いは丸20リットル缶等の所定の容器10の注口1に取付けられ、前記容器10内の流体を容器10外に排出する流体流路21及び外気を容器10内に導く空気流路22の2つの流路を別個に有する本体20と、前記本体20の流体流路21及び空気流路22に連通する下部開口部21aを前記容器10の注口1に密着状態で着脱可能に接続するOリング27及びゴム座28で構成された接続部23と、前記接続部23に装着され、前記流体流路21に連通する上部開口部21b及び前記空気流路22に連通する空気流路開口部22bを密閉する蓋体26と、前記接続部23の空気流路22の容器10内側の端部に接続され、前記空気流路22を通して空気を容器10内に導入する空気導管30と、前記接続部23の空気導管30の容器10内側の端部に接続され、空気を前記容器10内に導く呼吸部46を有し、前記容器10内の流体が前記空気導管30内に逆流するのを防止する逆流防止部40とを備えている。
【0047】
故に、本実施の形態の流体供給装置によっても、上記実施の形態と同様に缶の内容物を排出する際に複雑な動作をする部分がないため補修の手間を省くことができ、また排出操作をする際に行う、缶状の容器10に流体供給装置を取付ける操作と、本体20に螺着された蓋体26を開蓋する操作は簡単に行うことができるので、この流体供給装置は容易に取り扱うことができる。
【0048】
この実施の形態の流体供給装置においても、空気導管30の容器10内側の端部に接続されている逆流防止部40は、下部開口部21aから離れた場所に接続されており、この逆流防止部40は常時容器10内の流体と隔てられた状態にある。即ち、容器10内に多量の流体が充填されている状態のときに、容器10を急角度で傾斜させても、逆流防止部40が流体に浸かることはない。しかも、給油後には、逆流防止部40内に収納されたボール43が移動し空気孔44を塞ぐので、缶等の容器10を持ち運ぶ際に缶内に充填された流体の液面が上下し、逆流防止部40に流体が付着しても、流体が空気導管30内に侵入することはない。したがって、容器10を傾斜させた場合において、空気導管30及び空気流路22を通した流体の逆流を防止することができ、空気流路開口部22bを伝って缶等の容器10に油等の液体が垂落ちて付着することもないので缶等の容器10や作業場を汚すことがなく、清潔に作業を行うことができる。
【0049】
しかも、逆流防止部40は、常時空気中に位置しているので、注口1から容器10外へ排出される流体の体積に応じた空気を円滑に容器10内に流入させることができる。即ち、容器10内の流体は常時大気圧下に置かれるので、排出操作の開始直後や容器10を急角度で傾斜させた際でも脈動がおきない。
【0050】
したがって、この容器10内への円滑な空気流入により、排出操作全般を通して脈動現象は起こらず、容器10内に充填された流体を円滑に連続して排出することができる。よって、機械等の給油口に直接給油することができ、作業効率が向上する。
【0051】
そして、逆流防止部40は下部開口部21aから離れた場所に接続されているので、逆流防止部40が流体に浸かることはなく、更に、容器10が傾斜状態のときには逆流防止部40の空気孔44を開放状態として、空気流路21及び空気導管30を介して空気が自由に缶内に流入できるようにし、また、容器10が水平状態のときには逆流防止部40の空気孔44を閉鎖状態として、空気流路21及び空気導管30に流体が進入しない。したがって、空気流路21及び空気導管30を介した流体の逆流を防止でき、空気流路開口部22bを伝って缶等の容器に油等の液体が垂落ちて付着することもないので缶等の容器や作業場を汚すことがなく、清潔に作業を行うことができる。また、種類が相違する容器にも利用でき、適用の範囲が拡大し、しかも、灯油等の匂漏れもなく、塵芥等が容器内に入ることも防止でき、残油の酸化も遅いので、残油等を有効に利用でき、経済的である。
【0052】
第二の実施の形態
図4は本発明の第二の実施の形態である流体供給装置の要部を示す断面図である。図中、第一の実施の形態と同一符号及び記号は第一の実施の形態の構成部分と同一または相当する構成部分を示す。
【0053】
図において、1Aはこの容器10の注口1の外周に形成されたネジ部であり、所定のピッチのネジ山が螺設されている。本体20の下部開口部21aの外周には組付用の板状リング57が固着されており、本体20と注口1とを接合した状態においては、この板状リング57と注口1の上面との間にゴム座58が介在する。50は本体20と注口1とを連結するための接続部であり、この内径側には注口1のネジ部1Aと螺合可能なネジ部52が形成されている。
【0054】
そして、この接続部50と注口1とを螺着させることにより、接続部50の板状リング57はフランジ部51と注口1とにより挾持され、同時にゴム座58が板状リング57と注口1との間に挾圧されるので、接続部50と注口1とは密着状態となって連結される。
【0055】
この構成の流体供給装置も上記実施の形態の流体供給装置と同様に、接続手段50には液体等を排出する流体流路21の他に外気流入用の空気流路22が設けられており、この空気流路22の容器10内側の端部には逆流防止部40が接続されている。
【0056】
そして、流体供給装置を注口1に装着した後、容器の注口1の方向に缶を傾斜させると、逆流防止部40内に収納されたボール43が空気孔44上から移動し、空気導管30を通して流入した空気が空気孔44より自由に缶内に流入可能になる。したがって、流体供給装置の使用方法は上記実施の形態と略同一なのでここでは説明を省略する。
【0057】
このように、本実施の形態の流体供給装置は、角4リットル缶、角18リットル缶、或いは丸20リットル缶等の所定の容器10の注口1に取付けられ、前記容器10内の流体を容器10外に排出する流体流路21及び外気を容器10内に導く空気流路22の2つの流路を別個に有する本体20と、前記本体20の流体流路21及び空気流路22に連通する下部開口部22aを前記容器10の注口1に密着状態で着脱可能に接続する板状リング57及びゴム座58で構成された接続部50と、前記接続部50に装着され、前記流体流路21に連通する上部開口部21b及び前記空気流路22に連通する空気流路開口部22bを密閉する蓋体26と、前記接続部50の空気流路22の容器10内側の端部に接続され、前記空気流路22を通して空気を容器10内に導入する空気導管30と、前記本体20の空気導管30の容器10内側の端部に接続され、空気を前記容器10内に導く空気孔44を有し、前記容器10内の流体が前記空気導管30内に逆流するのを防止する逆流防止部40とを備えている。
【0058】
故に、本実施の形態の流体供給装置によっても、上記実施の形態と同様に缶の内容物を排出する際に複雑な動作をする部分がないため補修の手間を省くことができ、また排出操作をする際に行う缶状の容器に流体供給装置を取付ける操作と、本体20に螺着された蓋体26を開蓋する操作は簡単に行うことができるので、この流体供給装置は容易に取扱うことができる。そして、本体20と注口1とは板状リング57及びゴム座58により密接した状態で連結されているので、この流体供給装置と注口1との隙間から容器10内に充填された液体等が漏れることもない。
【0059】
更に、この流体供給装置においても、空気導管30の容器10内側の端部に接続されている逆流防止部40は、下部開口部21aから離れた場所に接続されており、この逆流防止部40は常時容器内の流体と隔てられた状態にある。即ち、容器10内に多量の流体が充填されている状態のときに、容器10を急角度で傾斜させても、逆流防止部40が流体に浸かることはない。しかも、給油後には、逆流防止部40内に収納されたボール43が移動し空気孔44を塞ぐので、缶等の容器を持ち運びぶ際に缶内に充填された流体の液面が上下し、逆流防止部40に流体が付着しても、流体が空気導管30内に侵入することはない。したがって、容器10を傾斜させた場合において、空気導管30及び空気流路20を通した流体の逆流を防止することができ、空気流路開口部22bを伝って缶等の容器に油等の液体が垂落ちて付着することもないので缶等の容器や作業場を汚すことがなく、清潔に作業を行うことができる。
【0060】
しかも、逆流防止部40は、常時空気中に位置しているので、注口1から容器10外へ排出される流体の体積に応じた空気を円滑に容器10内に流入させることができる。
即ち、容器10内の流体は常時大気圧下に置かれるので、排出操作の開始直後や容器10を急角度で傾斜させた際でも脈動がおきない。したがって、この容器10内への円滑な空気の流入により、排出操作の全般を通して脈動現象は起こらず、容器10内に充填された流体を円滑に連続排出することができる。よって、機械等の給油口に直接給油することができ、作業効率が大幅に向上する。
【0061】
更に、この流体供給装置も、角4リットル缶、角18リットル缶、或いは丸20リットル缶等の種類の相違する缶であっても、これらの注口1のネジ部1Aに螺合可能であれば取付けることができるので、種類が相違する缶にも利用でき、適用の範囲が広い。加えて、容器10の内容物の匂等が漏れることもなく、また、塵芥等が容器10内に入ることも防止でき、残油の酸化も遅いので、残油等を有効に使用でき、経済的である。
【0062】
本実施の形態では、本体20を容器10の注口1に密着状態で着脱可能に接続する接続部50は、ゴム座58と板状リング57で構成したが、本体20と接続部50を一体形成し、本体20の下部開口部21aの内径部に直接注口1のネジ部1Aと螺合可能なネジ部52を形成し、ゴム座58を介して着脱可能に接続するように構成してもよい。
また、接続部50に代えて専用のアダプタ状の接続部60とすれば、注口1の外周がネジ部1Aとなった容器にも、上記第一の実施の形態の流体供給装置を使用することが可能である。これを図5を用いて説明する。
【0063】
第三の実施の形態
図5は本発明の第三の実施の形態である流体供給装置の要部を示す断面図である。図中、第一及び第二の実施の形態と同一符号及び記号は第一及び第二の実施の形態の構成部分と同一または相当する構成部分を示す。
【0064】
図において、60は容器の注口1のネジ部1Aに螺合可能なネジ部62を有するアダプタ状の接続部であり、この上部には第一実施の形態で説明した本体20が接合可能な接合手段が形成されている。したがって、この接続部60を介して、第一の実施の形態で述べたのと同一構成の流体供給装置を装着することができる。
【0065】
この構成の流体供給装置を注口1に装着するには、まず、缶等の容器の注口1を開蓋し、この注口1に接続部60を螺着させる。この螺着により、ゴム座58が接続部60と注口1との間に挾圧されるので、接続部60と注口1とは密着状態となって連結される。そして、接続部60の挿入突出部61に本体20の下部開口部21aを嵌込むことにより、本体20の下部開口部21aに配設された所定の弾性を有するバネ状のOリング63及びパッキン64によって、本体20と接続部60とは密着状態で連結される。
【0066】
この本体20には、上記各実施の形態で述べたように、液体等を排出する流体流路21の他に外気流入用の空気流路22が設けられており、この空気流路22の容器10内側の端部には逆流防止部40が接続されている。
そして、流体供給装置を注口1に装着した後、容器10の注口1の方向に缶を傾斜させると、逆流防止部40内に収納されたボール43が空気孔44上から移動し、空気導管30を通して流入した空気が空気孔44より自由に缶内に流入可能になる。
したがって、この流体供給装置も上記各実施の形態と同様にして使用でき、同一の作用効果を奏する。
【0067】
ところで、上記各実施の形態では容器10内の内容物が油の場合について説明したが、本発明を実施する場合にはその他各種の物質からなる流体でもかまわない。その場合、本体20やパッキン64等は、内容物と接触しても化学的な変化がおきないような材質で形成したりコーティングしたりすればよい。
【0068】
即ち、上記各実施の形態の本体20及び空気導管30及び収納部材42及びボール43の材質は金属であったが、本発明を実施する場合には、容器10内に充填されている流体と接触しても化学変化や変形が生じない材質であればよい。例えば、容器10内の流体が灯油の場合、本体20等の材質として、金属の他、耐油性のプラスチックやセラミック等でもよい。
【0069】
また、容器10内の流体が酸やアルカリである場合、本体20等をプラスチック製やガラス製としたり、金属の表面にプラスチックコーティングを施した材料で形成すればよい。そして、内容物が液体窒素や液体酸素等の寒剤である場合は、低温でも強度が保てるステンレスやチタン等の材料を使用すればよい。
【0070】
更に、容器10内の流体が、水等の比較的安定した物質の場合、本体20等の材質として、ポリエチレン等の化学物質や、紙等のベースにポリエチレン等の耐水性のコーティングを施した複合材料を使用してもよい。この場合、安価に大量生産でき、焼却しても有害な燃焼ガスが出ないので使い捨てにでき、行楽先での使用や多数の人が使用する際に便利である。
【0071】
更にまた、上記各実施の形態の受部材41は耐油性シリコンにより形成されていたが、本発明を実施する場合には弾力性のある材質で、容器内に充填されている流体と接触しても化学変化や変形しない材質であればよい。例えば、耐油性のゴム等でも同じ効果が得られる。
【0072】
そして、上記各実施の形態では油等の流体を入れる容器10としてドラム缶を想定していたが、本発明を実施する場合には所定の形状の注口1を有していればよい。例えば、清涼飲料水のペットボトルや薬品保存容器に本発明の流体供給装置を使用してもかまわない。また、例えば、ビールやシャンパンやサイダー等の発泡性飲料が充填された容器10に本発明の流体供給装置を使用した場合、容器10内の内容物を脈動することなく静かにコップ等に注ぐことができるうえ、蓋体26を閉じれば本発明の流体供給装置を容器10に装着したままでビール等の発泡性を保持することができ、容器10内の流体の排出及び保存が簡単にできる。
【0073】
更に、上記各実施の形態の逆流防止部40では、空気孔44を開閉し、空気の出入を制御する手段として受部材41及び収納部材42及びボール43を使用していたが、本発明を実施する場合にはこの手段に限るものではなく、容器10が傾斜した状態のときには空気孔44を開状態にし、容器10が水平状態のときには空気孔44を閉状態にする機能を有するものであればよい。例えば、逆止弁等を使用することで同等の機能が実現できる。
【0074】
実施の形態のまとめ
ところで、上記実施の形態で示した所定の容器10の注口に取付けられ、容器10内の流体を容器外に排出する流体流路21及び外気を容器内に導く空気流路22の2つの流路を互いに干渉しないように独立して形成した本体20は、本発明を実施する場合には、上記実施の形態に限定されるものではなく、アルミニウム、ステンレス、合成樹脂、合成ゴム等で形成でき、流体流路21及び空気流路22の配設位置及び形態は任意に設定できる。
【0075】
また、上記実施の形態で示した本体20の流体流路21及び空気流路22を容器10の注口1に着脱自在に接続する接続部23,50,60は、本発明を実施する場合には、上記実施の形態に限定されるものではなく、本体20が容器10の注口1に着脱自在に接続し、しかも、接続状態で流体が洩れない構造のものであればよい。
【0076】
そして、上記実施の形態で示した本体20に挿着され、流体流路21に連通する上部開口部21b及び空気流路22に連通する空気流路開口部22bを密閉する蓋体26は、本発明を実施する場合には、上記実施の形態に限定されるものではなく、蓋体26と、例えば、口金90と一体構成になったものとすることができるし、また、流体流路21に連通する上部開口部21bと空気流路22に連通する空気流路開口部22bとを同一平面に形成した場合には、簡単な合成樹脂または合成ゴム等のキャップとすることもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の流体供給装置においては、所定の容器の注口に取付けられ、容器内の流体を容器外に排出する流体流路及び外気を容器内に導く空気流路の2つの流路を互いに干渉しないように独立して形成した本体と、前記本体の流体流路及び空気流路を前記容器の注口に着脱自在に接続する接続部と、前記本体に挿着され、前記流体流路に連通する上部開口部及び前記空気流路に連通する空気流路開口部を密閉する蓋体と、前記接続部の空気流路に接続され、前記空気流路を通して空気を容器内に導入する空気導管と、前記空気導管の他端部に設けられ、空気を前記容器内に導くと共に、前記容器内の流体が前記空気導管内に逆流するのを防止する逆流防止部とを具備するものである。
【0078】
したがって、所定の容器の注口に着脱可能に接続される本体は、容器内に充填された流体を容器外に排出し、空気流路は空気導管及び逆流防止部を介して、外気を容器内に円滑に導入する。また、空気導管の容器内側の端部に接続されている逆流防止部は、容器の傾きに応じて容器内への空気の流入及び流出を制御するとともに、容器内の流体が空気導管や空気流路内に逆流するのを防止する。そして、接続部の上部を覆うように装着される蓋体は、接続部に装着された状態では流体流路の上部開口部及び空気流路の空気流路開口部を密閉する。
【0079】
故に、流体の排出量に応じて空気を容器内へ円滑に流入することにより、流体を容器外へ円滑に排出し、容器内の流体を常時大気圧下に保つことができる。このとき、容器内の流体を排出する際に脈動現象は起こらず、流体を円滑に連続して排出できる。よって、機械等の給油口に直接給油することができ、作業効率が大幅に向上する。
【0080】
また、容器が傾斜状態で流体を排出するとき、逆流防止部は空気流路及び空気導管を介して空気が自由に缶内に流入できるようにし、また、容器が水平状態のとき、逆流防止部は閉鎖状態として、空気流路及び空気導管に流体が進入しないようにするから、空気流路及び空気導管を通した流体の逆流を防止でき、空気流路開口部を伝って容器に油等の液体が垂落ちて付着することもないので容器や作業場を汚すことがなく、清潔に作業を行うことができる。
【0081】
そして、種類が相違する容器に拘束されないから、この装置の適用の範囲が拡大し、しかも、灯油等の匂漏れもなく、塵芥等が容器内に入ることも防止でき、残油の酸化も遅いので、残油等を有効に利用でき、経済的である。
更に、通常状態で前記空気導管を閉じており、容器の傾きによって開口するものであるから、一体に形成でき、軽量で廉価に寿命の長い逆流防止部とすることができる。更にまた、前記逆流防止部が、上方に容器内に空気を導入する呼吸部を有するものであるから、容器の通常の載置状態及び傾動状態に対しても、液体等が呼吸部に入込まないように設置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一の実施の形態である流体供給装置を示す断面図である。
【図2】 図2は本発明の第一の実施の形態である流体供給装置を示す底面図である。
【図3】 図3は本発明の第一の実施の形態である流体供給装置の逆流防止部を示す要部断面図である。
【図4】 図4は本発明の第二の実施の形態である流体供給装置の要部を示す断面図である。
【図5】 図5は本発明の第三の実施の形態である流体供給装置の要部を示す断面図である。
【図6】 図6は従来の流体供給装置を缶に取付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 注口
10 容器
26 蓋体
21 流体流路
21b 上部開口部
21a 下部開口部
22 空気流路
22b 空気流路開口部
23,50,60 接続部
30 空気導管
40 逆流防止部
Claims (1)
- 所定容器の流体の注口に取付けられ、前記容器内の流体を前記容器外に排出する流体流路及び空気を前記容器内に導く空気流路の2つの流路を互いに干渉しないように独立して形成した本体と、
前記本体の前記流体流路及び前記空気流路を前記容器の注口に着脱自在に接続する接続部と、
前記本体に挿着され、前記流体流路に連通する上部開口部及び前記空気流路に連通する空気流路開口部を密閉する蓋体と、
前記本体の前記空気流路に一端が接続され、前記空気流路との接合部付近で緩やかに垂直下方向から水平方向に折曲した形状をなし、前記流体流路によって前記容器内の流体を前記容器外に排出するとき、前記空気流路を通して空気を容器内に導入する前記容器内に収容される空気導管と、
前記容器が水平状態のとき収納されたボールが空気孔を閉じ、前記容器内の流体が前記空気導管内に逆流するのを防止し、また、前記容器を前記注口の方向に傾斜させたとき、前記ボールが前記空気孔上から移動することにより、前記空気が前記容器内に呼吸部を介して流入可能となり、前記流体流路を介して前記容器内の流体を前記容器外に排出する前記空気導管の他端の上方に設けられた逆流防止部と
を具備することを特徴とする流体供給装置。
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