JP4179067B2 - モータ電流推定装置及びモータ温度推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にインバータにてPWM駆動されるモータのモータ電流推定装置及びモータ温度推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータに流れるモータ電流を直接検出するのではなく、各種検出信号に基づいて前記モータ電流を演算して推定するモータ電流推定装置が提案されている。
【0003】
以下、従来のモータ電流推定装置の構成及びモータ電流推定について説明する。図6は、モータMをPWM駆動するためのモータ駆動制御装置120の電気ブロック図を示している。
【0004】
モータ駆動制御装置120は、モータ電流推定装置を兼用し、マイクロコンピュータ(以下、単にマイコンという)121、モータ駆動回路122を備えている。マイコン121は、図示しない読み出し専用メモリ(ROM)及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専用メモリ(RAM)を備えている。そして、マイコン121は、各種の検出信号を入力し、それらの検出信号に基づいて制御値を演算し、さらに、この制御値に基づいてPWM演算を行って、その結果をモータ駆動回路122に出力し、同モータ駆動回路122を介してモータMを駆動制御する。モータ駆動回路122は、ゲート駆動回路123、及びインバータ124を備えている。
【0005】
インバータ124は、上段、下段のスイッチング素子(例えば、FET)124u,124v,124w,124x,124y,124zを備えており、各中間点Tu,Tv,Twに、モータMの図示しないU相,V相,W相の界磁巻線がそれぞれ接続されている。スイッチング素子124u,124v,124wのドレイン側は、直流電源であるバッテリに対してシャント抵抗Rsを介して接続されている。又、スイッチング素子124u,124v,124w,124x,124y,124zの各ゲートは、ゲート駆動回路123に接続されている。
【0006】
マイコン121からの制御信号に基づいてゲート駆動回路123は、各ゲートに所定の電圧供給が行われ、その制御信号に対応するスイッチング素子124u,124v,124w,124x,124y,124zがオン状態となるように構成されている。
【0007】
マイコン121には、シャント抵抗Rsの両端電圧を検出して、電源電流を検出する電源電流検出回路125が接続されており、電源電流検出回路125から電源電流の検出信号を入力する。
【0008】
すなわち、電源電流検出回路125は、モータMに供給する電源電流を検出し、モータ駆動制御装置120のマイコン121にその検出値を入力する。電源電流検出回路125は、図示しない電圧増幅部と、サンプルホールド部とから構成されている。電圧増幅部は、シャント抵抗Rsの両端子間電圧の差分を所定ゲインで増幅してサンプルホールド部に出力するようにされている。同サンプルホールド部は、そのピーク値(検出信号)をマイコン121に出力する。
【0009】
中間点Tuは抵抗Ru1,Ru2の直列回路を介して接地されている。中間点Tvは抵抗Rv1,Rv2の直列回路を介して接地されている。中間点Twは抵抗Rw1,Rw2の直列回路を介して接地されている。そして、抵抗Ru1,Ru2の中間接続点、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点、抵抗Rw1,Rw2の中間接続点はそれぞれマイコン121に接続されている。
【0010】
マイコン121は、抵抗Ru1,Ru2の中間接続点の電位、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点の電位、及び抵抗Rw1,Rw2の中間接続点の電位のそれぞれの電圧信号(検出信号)を入力する。マイコン121は、抵抗Ru1,Ru2の中間接続点の電圧信号、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点の電圧信号、及び抵抗Rw1,Rw2の中間接続点の電圧信号のそれぞれに基づいて、中間点TuのU相モータ端子電圧、中間点TvのV相モータ端子電圧及び中間点TwのW相モータ端子電圧を算出する。又、マイコン121は、各相のモータ端子電圧に基づいて、U相V相モータ線間電圧、V相W相モータ線間電圧、及びW相U相モータ線間電圧を算出する。
【0011】
上記の回路構成において、モータ駆動制御装置120のマイコン121は、入力して得た前記各種の検出信号に基づいて、モータMに流れたモータ電流を下記演算式で推定する。
【0012】
Is=(A×B)/C
なお、Aは電源電流、Bは、各相のモータ端子電圧のうち、最大となる相のモータ端子電圧、Cは各モータ線間電圧のうち最大のモータ線間電圧、Isはモータ推定電流値である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の演算式で求められた計算上のモータ推定電流と、実際のモータ電流とは、一致せず、従来は、実使用上におけるモータ電流に対して全般に亘って精度がよくない問題があった。
【0014】
本発明の目的は、推定したモータ電流(モータ推定電流)の精度を向上したモータ電流推定装置及び前記モータ電流推定装置が推定したモータ電流に基づいて精度良くモータ温度の推定を行うことができるモータ温度推定装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のスイッチング素子、及び各スイッチング素子の端子間にフライホイールダイオードを備えたインバータにてモータをPWM駆動する方式のモータ駆動制御装置におけるモータ電流推定装置において、前記フライホイールダイオードに関するダイオード順方向電圧の設定値を記憶する記憶手段と、前記モータに供給される電源電流の検出信号、前記モータの端子電圧の検出信号を入力し、それらの検出信号、前記PWM駆動時のデューティ比及び前記設定値に基づいて、前記モータに流れるモータ電流の大きさを下記推定式にて演算する演算手段とを備えたことを特徴とするモータ電流推定装置を要旨とするものである。
【0016】
(推定式)
I=(A×B)/(C+(1−デューティ比)×VD)
なお、Aは電源電流、Bはモータ端子電圧、Cはモータ線間電圧、VDはダイオード順方向電圧の設定値、Iは推定するモータ電流値である。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1において、前記モータは、所定の大きさの範囲のモータ電流が供給されるものであり、前記記憶手段に予め記憶される設定値は、前記所定の大きさの範囲の中間値に相当するモータ電流が供給された場合に、前記フライホイールダイオードに生ずるダイオード順方向電圧の大きさにされていることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1において、前記モータは、所定の大きさの範囲のモータ電流が供給されるものであり、前記記憶手段は、前記設定値として、前記所定の大きさの範囲の中間値に相当するモータ電流がモータに供給された場合、前記フライホイールダイオードに生ずるダイオード順方向電圧の大きさの第1設定値と、前記所定の大きさの範囲の中間値より高電流に相当するモータ電流がモータに供給された場合、前記フライホイールダイオードに生ずるダイオード順方向電圧の大きさの第2設定値と、を記憶し、前記演算手段は、選択信号の入力に基づいて、第1設定値又は第2設定値のいずれか一方の設定値を採用してモータ電流値を前記推定式にて演算することを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のモータ電流推定装置を備え、前記モータ電流が流れる回路の周囲の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段と、前記モータ電流推定装置が推定したモータ電流値と前記雰囲気温度に基づいてモータ温度を推定するモータ温度推定手段とを備えたことを特徴とするモータ温度推定装置を要旨とするものである。
【0020】
なお、本明細書において、モータ温度とは、単にモータ(電動モータ)そのものの温度のみを指すものではなく、モータ電流に起因して発熱する部分の温度を含む趣旨である。
【0021】
請求項5の発明は、請求項4に記載のモータ温度推定装置において、前記モータ温度推定手段は、モータ温度推定のために実行される演算周期毎に、前記モータ電流推定装置にて推定したモータ電流値の2乗積算を行い、同モータ電流値の2乗積算値と、前記雰囲気温度を含む演算式に基づいて、モータ温度を推定することを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明は、請求項4に記載のモータ温度推定装置において、前記モータ温度推定手段は、モータ温度推定のために実行される実演算周期に応じて演算周期補正係数を設定し、前記モータ電流値の2乗積算値を、前記演算周期補正係数を乗じることにより補正し、同補正した2乗積算値と、前記雰囲気温度を含む演算式に基づいて、モータ温度を推定することを特徴とする。
【0023】
請求項7の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のモータ温度推定装置において、前記モータ電流が流れる回路を備えた基板の基板温度を検出する基板温度検出手段と、前記基板の基板温度とモータの雰囲気温度とを関連付けした雰囲気温度マップを記憶する雰囲気温度マップ格納手段とを備え、前記雰囲気温度検出手段は、前記雰囲気温度マップを参照して前記基板温度に基づきモータの雰囲気温度を検出することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明のモータ電流推定装置を兼用したモータ制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0025】
図1は、モータ制御装置の概略を示している。なお、従来例と、同一の構成については、従来例に付した数字の符号のうち、下位2桁の符号を付し、アルファベットの符号については、同一の符号を付す。
【0026】
図1は、モータMをPWM駆動するためのモータ駆動制御装置20の電気ブロック図を示している。なお、本実施形態のモータMは三相同期式永久磁石モータで構成したブラシレスモータにて構成されている。
【0027】
モータ駆動制御装置20は、モータ電流推定装置を兼用し、マイコン21、モータ駆動回路22を備えている。マイコン21は、演算手段に相当する。
マイコン21は、読み出し専用メモリ(ROM21a)及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専用メモリ(RAM21b)を備えている。このROM21aには、マイコン21による各種演算処理を行わせるための制御プログラム(後述するモータ電流推定・温度推定プログラムを含む)が格納されている。RAM21bは、マイコン21が演算処理を行うときの演算処理結果等を一時記憶する。
【0028】
そして、マイコン21は、各種の検出信号を入力し、それらの検出信号に基づいて制御値を演算し、さらに、この制御値に基づいてPWM演算を行って、その結果をモータ駆動回路22に出力し、モータ駆動回路22を介してモータMを駆動制御する。すなわち、マイコン21は、モータMをPWM駆動する。モータ駆動回路22は、ゲート駆動回路23、及びインバータ24を備えている。インバータ24は、上段、下段のスイッチング素子(例えば、MOSFET)24u,24v,24w,24x,24y,24zを備えており、各中間点Tu,Tv,Twに、モータMの図示しないU相,V相,W相の界磁巻線がそれぞれ接続されている。なお、本実施形態では、モータMの周辺にはインバータ24等を搭載した基板(図示しない)が配置されている。
【0029】
スイッチング素子のドレイン側は、直流電源であるバッテリに対してシャント抵抗Rsを介して接続されている。そして、これらスイッチング素子24u,24v,24w,24x,24y,24zの各ゲートは、ゲート駆動回路23に接続されている。各スイッチング素子24u,24v,24w,24x,24y,24zのソース・ドレインの両端子間には、フライホイールダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。なお、各スイッチング素子24u,24v,24w,24x,24y,24z及び各フライホイールダイオードD1〜D6のそれぞれの特性値は互いに同じとされている。
【0030】
ゲート駆動回路23はマイコン21からの制御信号に基づいて、各ゲートに所定の電圧供給を行い、その制御信号に対応するスイッチング素子24u,24v,24w,24x,24y,24zをオン状態となるように構成されている。
【0031】
マイコン21には、シャント抵抗Rsの両端電圧を検出して、電源電流を検出する電源電流検出回路25が接続されており、電源電流検出回路25から電源電流の検出信号を入力する。すなわち、電源電流検出回路25は、モータMに供給する電源電流を検出し、モータ駆動制御装置20のマイコン21にその検出値を入力する。電源電流検出回路25は、図示しない電圧増幅部と、サンプルホールド部とから構成されている。電圧増幅部は、シャント抵抗Rsの両端子間電圧の差分を所定ゲインで増幅してサンプルホールド部に出力するようにされている。同サンプルホールド部は、そのピーク値(検出信号)をマイコン21に出力する。
【0032】
抵抗Ru1,Ru2の中間接続点、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点、抵抗Rw1,Rw2の中間接続点はそれぞれマイコン21に接続されている。
マイコン21は、抵抗Ru1,Ru2の中間接続点の電位、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点の電位、及び抵抗Rw1,Rw2の中間接続点の電位のそれぞれの電圧信号(検出信号)を入力する。マイコン21は、抵抗Ru1,Ru2の中間接続点の電圧信号、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点の電圧信号、及び抵抗Rw1,Rw2の中間接続点の電圧信号のそれぞれに基づいて、中間点TuのU相モータ端子電圧、中間点TvのV相モータ端子電圧及び中間点TwのW相モータ端子電圧を算出する。
【0033】
前記抵抗Ru1,Ru2の中間接続点の電圧信号、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点の電圧信号、及び抵抗Rw1,Rw2の中間接続点の電圧信号は、それぞれモータMの端子電圧の検出信号に相当する。又、マイコン21は、各相のモータ端子電圧に基づいて、U相V相モータ線間電圧、V相W相モータ線間電圧、及びW相U相モータ線間電圧を算出する。
【0034】
上記の回路構成において、モータ駆動制御装置20のマイコン21は、入力して得た前記各種の検出信号に基づいて、モータMに流れたモータ電流の大きさを下記推定式で推定する。
【0035】
I=(A×B)/(C+(1−デューティ比)×VD)
なお、Aは電源電流、Bは各相のモータ端子電圧のうち、最大となる相のモータ端子電圧、Cは各モータ線間電圧のうち最大のモータ線間電圧、VDは設定値、Iはモータ推定電流値、デューティ比はPWM駆動時のデューティ比である。
【0036】
設定値VDはフライホイールダイオードD1〜D6の順方向電圧に関するものであり、予めROM21aに記憶されている。ROM21aは記憶手段に相当する。
【0037】
本実施形態では、設定値VDは、下記のように設定されている。
図2は、横軸がモータMに流れるモータ電流の値を示し、縦軸は前記モータ電流が流れたときに、フライホイールダイオードD1〜D6に生ずる順方向電圧を表している。同図において、I1は本実施形態のモータ駆動制御装置20がよく使うモータ電流値の下限値、I2は同じく上限値としたとき、V1及びV2はそのときのフライホイールダイオードD1〜D6の順方向電圧を示している。
【0038】
本実施形態では、下限値I1、上限値I2の中間値を(I1+I2)/2としたとき、中間値のモータ電流が流れたときに生ずるフライホイールダイオードD1〜D6の順方向電圧を設定値VDとしている。なお、上記推定式は、下記の関係式から導き出される。
【0039】
A×B=I×(C+(1−デューティ比)×VD)
ここで、(1−デューティ比)×VDは、PWM駆動されているときにおいて、オフ時(PWMチョッパOFF時)の界磁巻線(コイル)とフライホイールダイオードD1〜D6とに流れる電流によって生ずるフライホイールダイオードD1〜D6の電圧降下分である。
【0040】
又、マイコン21は、基板温度検出センサ30が接続されている。基板温度検出センサ30は、インバータ24等を搭載した前記基板の温度(以下、基板温度という)を検出し、基板温度信号としてマイコン21に入力する。
【0041】
(本実施形態の作用)
さて、上記のように構成されたモータ駆動制御装置20の作用を説明する。
マイコン21はモータMの制御に必要な検出信号を入力し、その検出信号に基づいて、制御値を演算し、PWM演算を行って、その結果をモータ駆動回路22に出力し、モータ駆動回路22を介してモータMを駆動制御する。なお、モータMの制御に必要な検出信号は、モータ駆動制御装置20が制御対象とするモータMが適用される技術分野により異なる。ここでは、本発明の要部ではないため、詳細な説明を省略する。
【0042】
なお、モータ駆動制御装置20が、例えば、電動パワーステアリング駆動制御装置であれば、検出信号は車速信号やステアリングホイールに働くトルクを検出した信号である。そして、マイコン21は、その時々のPWM演算により得たインバータ24をPWM駆動するときのデューティ比を、RAM21bに格納して更新しているものとする。
【0043】
図3は、モータ駆動制御装置20のマイコン21が実行するモータ電流推定・温度推定プログラムのメインルーチンのフローチャートであり、定期周期毎に割込実行する。本実施形態では、メインルーチンを6msec毎に実行する。なお、マイコン21は、電源電流検出回路25からの電源電流の検出信号や、抵抗Ru1,Ru2の中間接続点の電位、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点の電位、及び抵抗Rw1,Rw2の中間接続点の電位のそれぞれの電圧信号(検出信号)を入力する。
【0044】
このメインルーチンが実行されると、ステップ(以下、ステップをSという)50では、回数カウンタのカウント値Dを1つインクリメントし、S60では、回数カウンタのカウント値Dが判定回数Dsに達したか否かを判定する。本実施形態では、判定回数Dsは4としている。回数カウンタのカウント値Dが判定回数Dsに達していない場合には、このメインルーチンを一旦終了する。S60で、回数カウンタのカウント値Dが判定回数Dsに達している場合、S70で、後述するモータ電流推定演算及び温度推定演算ルーチンの処理を行い、S80で、回数カウンタを0にリセットする。
【0045】
図4は、モータ電流推定演算及び温度推定演算ルーチンのフローチャートである。S710では、電源電流の検出信号や、抵抗Ru1,Ru2の中間接続点の電位、抵抗Rv1,Rv2の中間接続点の電位、及び抵抗Rw1,Rw2の中間接続点の電位のそれぞれの電圧信号(検出信号)を読み込む。このとき、合わせて、設定値VDをROM21aから、及びPWM駆動時のデューティ比をRAM21bから読み込む。
【0046】
そして、S720において、マイコン21は、各相のモータ端子電圧のうち、最大となる相のモータ端子電圧Bを選定する。又、マイコン21は、各相のモータ端子電圧に基づいて、U相V相モータ線間電圧、V相W相モータ線間電圧、及びW相U相モータ線間電圧を算出するとともに、各モータ線間電圧のうち最大のモータ線間電圧Cを選定する。
【0047】
そして、マイコン21は前記推定式に基づいて、モータ電流を推定演算する。なお、以下の説明では、推定する(又は推定した)モータ電流を説明の便宜上、モータ推定電流という。
【0048】
マイコン21は、S730では下記(1)式にてモータ電流2乗積算値演算を行い、S740では下記(2)式にて2乗積算の減算値演算を行う。
F(今回値)=Iの2乗値 +F(前回値)−G(前回値) ……(1)
G(今回値)=F(今回値)/N ……(2)
なお、式中、Fは電流2乗積算値[AA]、Iはモータ推定電流値、Gは2乗積算の減算値[AA]である。なお、Gの初期値は、0としており、最初にこのS30を実行する場合には、G(前回値)を0にセットするとともに、F(前回値)も予め設定された初期値(本実施形態では0)をセットして演算する。[AA]はディメンションである。Nは「なまし回数」であり、定数である。
【0049】
S750では、下記(3)式にて温度推定演算を行う。
T=G(今回値)/K + Ta ……(3)
Tは推定温度、Kは電流−温度変換係数であり、Taは雰囲気温度である。前回値とは、前回の制御周期の値のことである。
【0050】
なお、S750において、マイコン21は、(3)式を演算する前、基板温度検出センサ30が検出した基板温度信号(基板温度)に基づき、雰囲気温度マップを参照して、雰囲気温度Taを推定(検出)する。なお、雰囲気温度マップは、予め実測、試験等により、基板温度と、その基板に近接して設けられたモータMの雰囲気温度とを測定して作成されたものであり、ROM21aに格納されている。雰囲気温度マップは、基板温度が高い場合、雰囲気温度も高く設定され、基板温度が低い場合には、低く設定されている。なお、雰囲気温度とは、モータM周囲の温度のことである。
【0051】
本実施形態では、特に、図1に示す点線で囲まれた配線の部分のモータM周囲の温度が推定できるように前記雰囲気温度マップが設定されている。点線で囲まれた配線の部分は、モータMの各相の界磁巻線と各中間点Tu,Tv,Twを接続しているフラットケーブルの部分である。同フラットケーブルはモータMに近接して配置されている。そして、本実施形態では、モータ温度はモータMに近接配置されたフラットケーブルの温度を知るため、特に、フラットケーブルが過熱しているか否かを判定するために利用される。
【0052】
このように、本実施形態では、マイコン21は、モータ温度(推定温度)を上記(1)〜(3)式にて推定演算する。そして、(1)〜(3)式は、前述した所定演算周期(本実施形態では24msec)毎に算出される。すなわち、本実施形態では、他の優先的に割り込み実行される割り込みルーチン処理がない場合、(1)〜(3)式は24msec毎に演算されることになる。
【0053】
さて、本実施形態によれば、以下のような特徴がある。
(1) 本実施形態では、複数のスイッチング素子24u等、及び同スイッチング素子24u等の端子間にフライホイールダイオードD1〜D6を備えたインバータ24にてモータMをPWM駆動する方式のモータ駆動制御装置20におけるモータ電流推定装置に構成した。そして、フライホイールダイオードD1〜D6に関するダイオード順方向電圧の設定値VDを記憶するROM21a(記憶手段)を備えた。又、モータMに供給される電源電流の検出信号、モータMの端子電圧の検出信号を入力し、それらの検出信号、前記PWM駆動時のデューティ比及び設定値VDに基づいて、モータMに流れるモータ電流の大きさ(モータ電流値)を前記推定式にて演算するマイコン21(演算手段)とを備える。
【0054】
この結果、推定式には、(1−デューティ比)×VDという、PWM駆動されているときにおいて、オフ時(PWMチョッパOFF時)の界磁巻線(コイル)とフライホイールダイオードD1〜D6とに流れる電流によって生ずるフライホイールダイオードD1〜D6の電圧降下分が加味されている。
【0055】
このため、モータ推定電流は、フライホイールダイオードD1〜D6のダイオード順方向電圧の降下分を加味して、演算されているため、ダイオード順方向電圧を加味していない、従来の演算式よりもモータ推定電流の推定精度を向上することができる。
【0056】
すなわち、本実施形態では、実際にモータMに流れるモータ電流のI1〜I2の範囲(所定の大きさの範囲)内において、ROM21a(記憶手段)に予め記憶される設定値VDを記憶するようにしている。
【0057】
このため、設定値VDに対応するモータ電流が実際に流れたときには、PWMチョッパOFF時の界磁巻線(コイル)とフライホイールダイオードD1〜D6とに流れる電流によって生ずるフライホイールダイオードD1〜D6の電圧降下分は、実際にモータ電流が流れたときに生じた電圧降下分に相当する。
【0058】
従って、このときに演算されたモータ電流(モータ推定電流)は、より精度の高いものとなる。
(2) 本実施形態では、モータMは、I1〜I2(所定の大きさの範囲)のモータ電流が供給される。そして、ROM21a(記憶手段)に予め記憶される設定値VDは、I1〜I2範囲の中間値(I1+I2)/2に相当するモータ電流が供給された場合に、フライホイールダイオードD1〜D6に生ずるダイオード順方向電圧の大きさにした。
【0059】
この結果、本実施形態では、この中間値(I1+I2)/2を中心にしてモータ電流値(モータ推定電流値)の精度を向上することができる。
(3) 本実施形態では、さらに、基板温度検出センサ30が検出した基板温度、及びモータ電流値(モータ推定電流値)に基づいて、モータ温度を推定するようにした。この結果、モータ温度の推定も精度良く行うことができる。
【0060】
モータ駆動制御装置20は、モータ温度推定装置に相当し、マイコン21は、この場合、モータ推定電流及び基板温度に基づいてモータ温度を推定するモータ温度推定手段に相当する。又、基板温度検出センサ30は基板温度検出手段に相当する。又、ROM21aは、前記基板の基板温度とモータMの雰囲気温度をマップ化した雰囲気温度マップを記憶する雰囲気温度マップ格納手段に相当する。
【0061】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図5(a)、図5(b)を参照して説明する。
なお、第2実施形態のハード構成は第1実施形態のハード構成と同一であるため、ハード構成については、同一符号を付して、その説明を省略し、異なるところを中心に説明する。第2実施形態では、モータ電流推定・温度推定プログラムのメインルーチンの一部が異なっている。
【0062】
図5(a)は、モータ駆動制御装置20のマイコン21が実行するモータ電流推定・温度推定プログラムのメインルーチンのフローチャートである。なお、第2実施形態においても、優先的に割り込み実行される他の割り込みルーチン処理がない場合、本プログラムのメインルーチンは所定演算周期として6msec毎に実行されるように設定されている。又、本実施形態では、マイコン21は図5(a)の処理開始時から処理終了時までの演算周期をカウントする演算周期カウント部を備えている。
【0063】
このフローチャートに入ると、S10では、演算周期補正係数RFを算出する。演算周期補正係数RFは、下記の式で算出する。本実施形態では、演算周期補正係数RFは所定演算周期に対する実演算周期比である。
【0064】
RF=今回の演算周期/所定演算周期 ……(4)
「今回の演算周期」とは、マイコン21の演算周期カウント部がカウントした最新の1演算周期であり、実演算周期に相当する。「今回の演算周期」の初期値は、所定演算周期としているため、最初にこのプログラムが開始されたときは、演算周期補正係数RFは「1」である。S50〜S80は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。又、モータ電流推定・温度推定プログラムのルーチンにおいて、S720の次にS725及びS730Aの処理を行ってS740の処理を行うところが第1実施形態と異なっている。
【0065】
すなわち、S725では、演算周期補正係数RFの読込みを行い、S730Aでは、モータ電流2乗積算値演算を下記(5)式にて行う。
F(今回値)=Iの2乗値×RF+F(前回値)−G(前回値) …(5)
S740,S750は第1実施形態と同様である。
【0066】
第2実施形態と第1実施形態の温度推定の相違について以下に説明する。
第1実施形態では、優先的に割り込み実行される他の割り込みルーチン処理があった場合、演算周期が増加するため、それにともなって、モータ温度推定の誤差が増加する。
【0067】
例えば、所定演算周期を6msecとし、実演算周期が9msecとなった場合を想定する。このような状態が36sec継続した場合、所定演算周期でのモータ電流2乗積算の積算回数Q1は、
Q1=36000/6=6000(回)
となる。一方、実演算周期でのモータ電流2乗積算の積算回数Q2は、
Q2=36000/9=4000(回)
となる。従って、実演算周期が所定演算周期よりも増加した場合、積算回数が少なくなるため、推定されたモータ温度推定は、割り込みルーチンがない場合よりも温度推定に誤差が出る。
【0068】
それに対して、第2実施形態では、上記のように想定した場合、実演算周期でのモータ電流2乗積算の積算回数Q3は、演算周期補正係数RFにより、
Q3=(36000/9)×(演算周期補正係数RF(=9/6))
=4000×9/6
=6000(回)
となる。
【0069】
従って、実演算周期が所定演算周期よりも増加して積算回数が少なくなっても、補正により、積算回数が所定演算周期で行われた場合と同等に行われたことになり、推定されたモータ温度推定は、割り込みルーチンがない場合と同一又は略同じ値を得ることができる。
【0070】
又、上記のように想定した場合、第1実施形態では、優先的に割り込み実行される他の割り込みルーチン処理がない場合、24msec毎に、モータ温度推定が行われるが、実演算周期が9msecとなった場合には、36msec毎にモータ温度推定が行われることになる。このため、温度推定のタイミングが遅れることになる。
【0071】
さて、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(3)の作用効果の他、以下のような特徴がある。
(1) 第2実施形態では、マイコン21(モータ温度推定手段)は、モータ温度推定のために実行される実演算周期に応じて演算周期補正係数RFを設定するようにした。そして、モータ電流値(モータ推定電流値)の2乗積算値を、演算周期補正係数RFを乗じることにより補正し、同補正した2乗積算値と、雰囲気温度Taを含む演算式((5)式)に基づいて、モータ温度を推定するようにした。
【0072】
従って、優先度の高い割り込みルーチン処理が行われると、モータ温度推定のための演算周期が増加し、所定時間内でのモータ電流値の2乗積算の積算回数が減少する。しかし、このような場合においても、モータ電流値(モータ推定電流値)の2乗積算値が補正されるため、モータ温度推定の精度が向上する。
【0073】
又、本実施形態のモータ駆動制御装置を車両に採用した場合、車種に応じた使い方がされる。すなわち、モータ温度推定を行う場合、車種に応じて、優先的に実行される割り込みルーチン処理(ソフトウエア処理)が増える場合があり、それに伴って、温度推定誤差も増加する。このため、温度推定のためのモータ温度推定プログラム(ソフトウエア)を、車種に応じて対応させる必要がある。この場合、前記ソフトウエアを車種に応じて変更する毎に、温度推定評価を行い、場合によっては、温度推定や演算のために使用される定数等を変更する必要がある。定数等を変更すれば、適合確認評価を行う必要があり、大幅に工数がかかる問題がある。しかし、第2実施形態によれば、割り込みルーチン処理が増加して、実演算周期が増加する場合にも、演算周期補正係数を乗じて温度推定を行うため、演算周期に起因した推定誤差が補正され、定数変更等も必要ではなくなり、定数変更による、前記評価のための工数も不要にできる。
【0074】
(2) 第2実施形態では、モータ電流が流れる回路を備えた基板の基板温度を検出する基板温度検出センサ30(基板温度検出手段)を備えた。マイコン21は、基板の基板温度とモータMの雰囲気温度とを関連付けした雰囲気温度マップを記憶するROM21a(雰囲気温度マップ格納手段)を備えた。そして、マイコン21(雰囲気温度検出手段)は、雰囲気温度マップを参照して基板温度に基づきモータの雰囲気温度を検出するようにした。この結果、モータMの雰囲気温度を容易に割り出すことができる。
【0075】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1実施形態では、ROM21a(記憶手段)に予め記憶される設定値VDは、I1〜I2範囲の中間値(I1+I2)/2に相当するモータ電流が供給された場合に、フライホイールダイオードD1〜D6に生ずるダイオード順方向電圧の大きさにした。
【0076】
この中間値に相当するモータ電流がモータMに供給された場合、フライホイールダイオードD1〜D6に生ずるダイオード順方向電圧の大きさの値を、設定値VDに代えて第1設定値VD1として、ROM21aに記憶する。そして、中間値(I1+I2)/2より高電流に相当するモータ電流がモータMに供給された場合、フライホイールダイオードD1〜D6に生ずるダイオード順方向電圧の大きさの値を第2設定値VD2として、ROM21aに記憶する。
【0077】
そして、このように設定した場合、外部の図示しない入力装置にて、いずれか一方の設定値を選択する選択信号を図1に示すようにマイコン21に入力するようにしてもよい。
【0078】
こうすると、マイコン21は、図4のフローチャートのS720において、選択信号に基づいて、第1設定値VD1又は第2設定値VD2のいずれか一方の設定値を選択し、この選択した設定値に基づいて、モータ電流値を前記推定式にて演算する。この結果、本実施形態では、実際のモータ電流が前記中間値(I1+I2)/2よりも高電流で使用される場合が多い場合には、第2設定値VD2を選択できる。
【0079】
このように、実際のモータ電流が前記中間値(I1+I2)/2よりも高電流で使用される場合が多い場合には、中間値よりも高電流でのモータ電流(モータ推定電流)の精度を向上することができる。このように構成した場合においても、S720の処理の後、S730のステップを実行してもよい。
【0080】
○ 第1実施形態では、三相同期式永久磁石モータのモータMを使用したが、三相に限定するものではなく、三相以外の同期式永久磁石モータに具体化してもよい。
【0081】
○ モータ電流推定装置は、前記実施形態中で電動パワーステアリング駆動制御装置にも適用できる旨を説明したが、モータを使用する他の制御装置に具体化してもよい。
【0082】
○ 前記スイッチング素子としては、MOSFETにて構成したが、バイポーラトランジスタにて構成してもよい。
○ 前記両実施形態では、モータ温度として、モータMに近接したフラットケーブルの温度とした。これに代えて、モータ電流が流れる他の回路であってもよい。この場合、雰囲気温度マップは、前記他の回路において、予め実測、試験等により、基板温度と、その基板に近接して設けられたモータMの雰囲気温度とを測定して作成されたものであり、ROM21aに格納するものとする。
【0083】
○ 前記実施形態では、雰囲気温度検出手段は、マイコン21にて構成したが、モータMの周囲温度を直接検出する温度センサにて構成してもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項3のモータ電流推定装置は、推定したモータ電流の精度を向上することができる優れた効果を奏する。
【0085】
請求項4乃至請求項7のモータ温度推定装置は、精度良くモータ温度の推定を行うことができる効果を奏する。
特に請求項6のモータ温度推定装置では、優先度の高い割り込みルーチン処理が行われると、モータ温度推定のための演算周期が増加し、モータ電流値の2乗積算の積算回数が減少するが、モータ電流値(モータ推定電流値)の2乗積算値が補正されるため、モータ温度推定の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化したモータ駆動制御装置20の電気ブロック図。
【図2】設定値VDを設定するための説明図。
【図3】第1実施形態のモータ電流推定プログラムのメインルーチンのフローチャート。
【図4】第1実施形態のモータ温度推定プログラムのモータ電流推定演算及び温度推定演算ルーチンのフローチャート。
【図5】(a)は第2実施形態のモータ温度推定プログラムのメインルーチンのフローチャート、(b)は、モータ電流推定演算及び温度推定演算ルーチンのフローチャート。
【図6】従来のモータ駆動制御装置120の電気ブロック図。
【符号の説明】
20…モータ駆動制御装置(モータ電流推定装置及びモータ温度推定装置を兼用する)
21…マイコン(演算手段、雰囲気温度検出手段、モータ温度推定手段)
21a…ROM(記憶手段、雰囲気温度マップ格納手段)
22…モータ駆動回路
24…インバータ
24u,24v,24w,24x,24y,24z…スイッチング素子
30…基板温度検出センサ(基板温度検出手段)
D1〜D6…フライホイールダイオード
M…モータ
B…モータ端子電圧、
C…モータ線間電圧
RF…演算周期補正係数
Ta…雰囲気温度
VD…設定値
VD1…第1設定値
VD2…第2設定値、
Claims (7)
- 複数のスイッチング素子、及び各スイッチング素子の端子間にフライホイールダイオードを備えたインバータにてモータをPWM駆動する方式のモータ駆動制御装置におけるモータ電流推定装置において、
前記フライホイールダイオードに関するダイオード順方向電圧の設定値を記憶する記憶手段と、
前記モータに供給される電源電流の検出信号、前記モータの端子電圧の検出信号を入力し、それらの検出信号、前記PWM駆動時のデューティ比及び前記設定値に基づいて、前記モータに流れるモータ電流の大きさを下記推定式にて演算する演算手段とを備えたことを特徴とするモータ電流推定装置。
(推定式)
I=(A×B)/(C+(1−デューティ比)×VD)
なお、Aは電源電流、Bはモータ端子電圧、Cはモータ線間電圧、VDはダイオード順方向電圧の設定値、Iは推定するモータ電流値である。 - 前記モータは、所定の大きさの範囲のモータ電流が供給されるものであり、
前記記憶手段に予め記憶される設定値は、前記所定の大きさの範囲の中間値に相当するモータ電流が供給された場合に、前記フライホイールダイオードに生ずるダイオード順方向電圧の大きさにされていることを特徴とする請求項1に記載のモータ電流推定装置。 - 前記モータは、所定の大きさの範囲のモータ電流が供給されるものであり、
前記記憶手段は、前記設定値として、
前記所定の大きさの範囲の中間値に相当するモータ電流がモータに供給された場合、前記フライホイールダイオードに生ずるダイオード順方向電圧の大きさの第1設定値と、
前記所定の大きさの範囲の中間値より高電流に相当するモータ電流がモータに供給された場合、前記フライホイールダイオードに生ずるダイオード順方向電圧の大きさの第2設定値と、
を記憶し、
前記演算手段は、選択信号の入力に基づいて、第1設定値又は第2設定値のいずれか一方の設定値を採用してモータ電流値を前記推定式にて演算することを特徴とする請求項1に記載のモータ電流推定装置。 - 請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のモータ電流推定装置を備え、
前記モータ電流が流れる回路の周囲の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段と、
前記モータ電流推定装置が推定したモータ電流値と前記雰囲気温度に基づいてモータ温度を推定するモータ温度推定手段とを備えたことを特徴とするモータ温度推定装置。 - 請求項4に記載のモータ温度推定装置において、
前記モータ温度推定手段は、
モータ温度推定のために実行される演算周期毎に、前記モータ電流推定装置にて推定したモータ電流値の2乗積算を行い、同モータ電流値の2乗積算値と、前記雰囲気温度を含む演算式に基づいて、モータ温度を推定することを特徴とするモータ温度推定装置。 - 請求項4に記載のモータ温度推定装置において、
前記モータ温度推定手段は、
モータ温度推定のために実行される実演算周期に応じて演算周期補正係数を設定し、
前記モータ電流値の2乗積算値を、前記演算周期補正係数を乗じることにより補正し、同補正した2乗積算値と、前記雰囲気温度を含む演算式に基づいて、モータ温度を推定することを特徴とするモータ温度推定装置。 - 請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のモータ温度推定装置において、
前記モータ電流が流れる回路を備えた基板の基板温度を検出する基板温度検出手段と、
前記基板の基板温度とモータの雰囲気温度とを関連付けした雰囲気温度マップを記憶する雰囲気温度マップ格納手段とを備え、
前記雰囲気温度検出手段は、前記雰囲気温度マップを参照して前記基板温度に基づきモータの雰囲気温度を検出することを特徴とするモータ温度推定装置。
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