JP2013219912A - モータ温度推定装置及びモータ温度推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でモータ温度を推定することが可能なモータ温度推定装置を提供すること。
【解決手段】モータを回転させる駆動電圧を演算して出力する電圧出力手段と、前記モータの回転角を検出する回転角検出手段と、前記電圧出力手段により出力される前記駆動電圧と、前記回転角検出手段により検出される前記回転角に基づいて前記モータに流れる駆動電流を推定する電流推定手段と、前記電流推定手段により推定される前記駆動電流と一次遅れ関数とに基づいて、前記モータの温度変化を推定するモータ温度推定手段とを備えるモータ温度推定装置。
【選択図】図1
【解決手段】モータを回転させる駆動電圧を演算して出力する電圧出力手段と、前記モータの回転角を検出する回転角検出手段と、前記電圧出力手段により出力される前記駆動電圧と、前記回転角検出手段により検出される前記回転角に基づいて前記モータに流れる駆動電流を推定する電流推定手段と、前記電流推定手段により推定される前記駆動電流と一次遅れ関数とに基づいて、前記モータの温度変化を推定するモータ温度推定手段とを備えるモータ温度推定装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータ温度推定装置及びモータ温度推定方法に関する。
モータを連続駆動又は繰り返し駆動させると、モータのコイルに大きな電流が繰り返し流れてモータコイルが発熱し、高温状態になることによって破損や耐久性の低下等の様々な異常が発生する場合がある。
そこで、この様な異常の発生を防止するためにモータの温度を検出する方法として、例えばモータのコイルに通電される電流値を第1の一次遅れ関数に入力し、前記第1の一次遅れ関数の出力を第2の一次遅れ関数に入力し、前記第1の一次遅れ関数の出力と前記第2の一次遅れ関数の出力との加算値を前記コイルの温度変化値とし、コイルの周囲温度に前記温度変化値を加算した値を前記コイルの温度として推定するモータコイル温度推定方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記方法では温度の推定に必要となるモータのコイルに通電される電流値を検出するために、電流検出回路を設ける必要があり、装置が大型化又はコストが増大する可能性がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でモータ温度を推定することが可能なモータ温度推定装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様のモータ温度推定装置によれば、モータを回転させる駆動電圧を演算して出力する電圧出力手段と、前記モータの回転角を検出する回転角検出手段と、前記電圧出力手段により出力される前記駆動電圧と、前記回転角検出手段により検出される前記回転角に基づいて前記モータに流れる駆動電流を推定する電流推定手段と、前記電流推定手段により推定される前記駆動電流と一次遅れ関数とに基づいて、前記モータの温度変化を推定するモータ温度推定手段とを備える。
本発明の実施形態によれば、簡易な構成でモータ温度を推定することが可能なモータ温度推定装置を提供できる。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
<モータ温度推定装置の構成>
図1は、本実施形態に係るモータ温度推定装置100の概略構成を例示する図である。
図1は、本実施形態に係るモータ温度推定装置100の概略構成を例示する図である。
図1に示す様に、モータ温度推定装置100は、制御部101、周辺温度検出部105、ドライバ106、モータ107、エンコーダ108を備える。
制御部101は、例えばLSI等の集積回路であり、モータコントローラ102、温度推定部103、電流推定部104を備える。制御部101は、例えば不図示のROM等に格納されているプログラムを実行することによって、モータコントローラ102、温度推定部103、電流推定部104等が有する機能を実現する。
モータコントローラ102は、電圧出力手段の一例であり、モータ107の目標位置又は目標速度と、エンコーダ108により検出されるモータ107の検出位置又は検出速度から、例えばフィードバック制御、フィードフォワード制御等によりモータ107を回転させる制御電圧vを演算して出力する。
温度推定部103は、モータ温度推定手段の一例であり、電流推定部104によって推定されるモータ107のコイルに流れる推定電流iに基づいて、モータ107の温度を推定する。また、推定されたモータ107の温度が、高温に達して破損や耐久性の低下等を招く異常温度に達した場合には、モータコントローラ102に信号を送信することによりモータ107の駆動を停止させることができる。
電流推定部104は、電流推定手段の一例であり、エンコーダ108によって検出される回転角θと、モータ107に入力される電圧vに基づいてモータ107に流れる電流を推定する。また、電流推定部104は、モータ107の推定電流iと、モータトルク定数Ktとからモータ107にかかる負荷の大きさを(i×Kt)として求めることも可能である。
周辺温度検出部105は、モータ107の周辺温度を検出する例えば温度センサである。周辺温度検出部105は、駆動開始前にモータ107の周辺温度を検出し、温度推定部103に初期温度T0として検出した温度を出力する。
ドライバ106は、モータコントローラ102から入力される制御電圧vに基づいてモータ107に流す駆動電流を生成して出力することで、モータ107を駆動させる。
モータ107は、モータコントローラ102から出力される制御電圧vに基づいてドライバ106から出力される駆動電流により回転駆動する。
エンコーダ108は、回転角検出手段の一例であり、例えばスリット等が刻まれているホイールと、スリットを光学的に読み取るセンサとを備え、モータ107に伴って回転するホイールのスリットをセンサが読み取って、スリットに対応するパルス信号を出力する。エンコーダ108は、例えばモータ107の回転軸や、モータ107に接続するギヤ等に設ける。
<モータの駆動電流推定>
次に、本実施形態に係るモータ温度推定装置100において、モータ107のコイルに流れる駆動電流を推定する方法について説明する。
次に、本実施形態に係るモータ温度推定装置100において、モータ107のコイルに流れる駆動電流を推定する方法について説明する。
モータコントローラ102から、ドライバ106を介してモータ107に入力される制御電圧vは、以下の式(1)で表すことができる。
上記した式(1)をラプラス変換することで、以下の式(2)が得られる。
図2に、上記式(2)をブロック図化し、モータ107のコイル電流iの推定モデルを例示する図を示す。
本実施形態に係るモータ温度推定装置100では、電流推定部104が、モータコントローラ102からドライバ106に出力される制御電圧vと、エンコーダ108が出力するパルス信号から回転角θとを取得する。電流推定部104は、取得した制御電圧v及び回転角θから、式(2)に基づいてモータ107のコイル電流iを推定することができる。したがって、モータ107のコイル電流iを検出するための回路等を設ける必要がない。
なお、本実施形態では、電流推定部104はモータコントローラ102から出力される制御電圧vを取得しているが、図3に示す様に、モータコイル端の電圧を検出する電圧検出手段を設け、検出される電圧値に基づいてモータ107のコイル電流iを推定しても良い。
この場合にモータ107のコイル端に印加される電圧は、以下の式(3)で表される。
<モータ温度変化の推定>
次に、電流推定部104によって推定されるモータ107のコイル電流iに基づいて、モータ107の温度変化ΔTを推定する方法について説明する。
次に、電流推定部104によって推定されるモータ107のコイル電流iに基づいて、モータ107の温度変化ΔTを推定する方法について説明する。
図4は、電流推定部104によって推定されるコイル電流iに基づいてモータ107の温度変化ΔTを推定するモデルを例示する図である。
本実施形態に係るモータ温度推定装置100では、温度推定部104が、電流推定部104によって推定されるコイル電流iと一次遅れ関数(α/(1+τs))とに基づいて、モータ107の温度変化ΔTを推定する。
ここで、一次遅れ関数(α/(1+τs))において、αは定数、τは時定数、sはラプラス演算子であり、定数α及び時定数τは、モータ107に大きさが異なるコイル電流iを流したときの温度変化ΔTの測定結果に基づいて予め求められる値である。
図5は、コイル電流iに対するモータ温度変化を例示する図であり、モータ107にコイル電流i1,i2,i3を通電して一定時間駆動させたときに、最終的にモータ107の温度が初期温度からそれぞれT1,T2,T3だけ変化したことを表している。
図5に示す各測定結果において、例えば時間0における接線の延長線とモータ107が最終的に達した温度とが交わる時間、又はモータ107が最終的に達した温度の約63%に達するまでに要した時間等から、時定数τを求めることができる。
次に、コイル電流i1,i2,i3と温度変化T1,T2,T3との関係をグラフ化すると、図6に示す様な関係が得られ、この直線の傾きが一次遅れ関数の定数αとなる。
この様に、一次遅れ関数(α/(1+τs))の定数αと時定数τを予め求めておくことで、温度推定部103は、電流推定部104によって推定されるコイル電流iと当該一次遅れ関数とに基づいてモータ107の温度変化を求めることが可能になる。
また、図7に示す様に、周辺温度検出部105がモータ107の駆動開始前に初期温度T0を検出し、温度推定手段103が初期温度T0に推定した温度変化ΔTを加算することで、駆動時におけるモータ107の温度Tを推定することが可能になる。
この様に、駆動時におけるモータ107の温度Tを推定し、例えば破損等を招く異常温度に達する前にモータ107の駆動を停止させることで、モータ107が高温になることによる故障や耐久性の低下等の異常を未然に防ぐことが可能になる。
<モータ温度推定処理>
次に、モータ107の駆動時においてモータ107の温度を推定する処理例について説明する。図8は、本実施形態に係るモータ温度推定装置100におけるモータ温度推定処理のフローチャートを例示する図である。
次に、モータ107の駆動時においてモータ107の温度を推定する処理例について説明する。図8は、本実施形態に係るモータ温度推定装置100におけるモータ温度推定処理のフローチャートを例示する図である。
モータ107の駆動時には、まずステップS1にて、周辺温度検出部105がモータ107の初期温度T0を取得する。次に、ステップS2にて、モータ107の駆動を開始する。
モータ107が回転駆動すると、ステップS3にてエンコーダ108がモータ107の回転角θを検出する。続いて、ステップS4にて、エンコーダ108によって検出された回転角θに基づいてモータコントローラ102が制御電圧vを算出し、ドライバ106に出力する。
次に、ステップS5にて電流推定部104が、モータコントローラ102から出力される制御電圧vとエンコーダ108により検出される回転角θに基づき、式(2)からモータ107のコイル電流iを推定する。電流推定部104によりコイル電流iが推定されると、ステップS6にて、温度推定部103が、推定されたコイル電流iと一次遅れ関数とに基づいて温度変化ΔTを推定する。
ここで、温度推定部103は、周辺温度検出部105によって検出された初期温度T0に推定した温度変化ΔTを加算してモータ107の温度を推定し、ステップS7にて、推定したモータ107の温度が所定の温度以上の場合にはモータ温度異常であると判断する。
ステップS7にてモータ温度が所定の温度未満であり、ステップS8にてモータ107の駆動停止の指示を受け付けるまで、ステップS3からステップS7の処理を繰り返しながら、モータコントローラ102がモータ107を回転駆動させる。
ステップS7にてモータ温度が所定の温度以上に達し、モータ温度異常であると判断された場合、又はステップS8にてモータ107の駆動停止の指示を受け付けた場合には、ステップS9にてモータ107の駆動を停止して処理を終了する。
この様に、モータ温度推定装置100は、モータ107の駆動時に電流推定部104がモータ107の回転角θ及び制御電圧vを取得して式(2)によりコイル電流iを推定する。また、温度推定部103が推定されたコイル電流iと一次遅れ関数とに基づいてモータ107の温度変化ΔTを求め、周辺温度検出部105によって検出される初期温度T0に加算することで、駆動時におけるモータ107の温度Tを推定する。本実施形態によれば、例えばモータ107に流れるコイル電流iを検出するための回路等を設けることなく、簡易な構成でモータ107の温度Tを求めることが可能である。
また、回転駆動するモータ107の温度Tを推定により求めて監視することで、例えば温度Tが一定の温度以上に達した場合にモータ107の駆動を停止させることにより、破損や耐久性の低下等といった不具合の発生を未然に防止することが可能になる。
なお、本実施形態に係るモータ温度推定装置は、例えば画像形成装置、自動車、ロボット等の各種装置に設けることで、駆動するモータの温度を推定してその温度を監視することで、モータの不具合に起因する動作不良等の発生を未然に防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100 モータ温度推定装置
102 モータコントローラ(電圧出力手段)
103 温度推定部(モータ温度推定手段)
104 電流推定部(電流推定手段)
105 周辺温度検出部(温度検出手段)
108 エンコーダ(回転角検出手段)
102 モータコントローラ(電圧出力手段)
103 温度推定部(モータ温度推定手段)
104 電流推定部(電流推定手段)
105 周辺温度検出部(温度検出手段)
108 エンコーダ(回転角検出手段)
Claims (5)
- モータを回転させる駆動電圧を演算して出力する電圧出力手段と、
前記モータの回転角を検出する回転角検出手段と、
前記電圧出力手段により出力される前記駆動電圧と、前記回転角検出手段により検出される前記回転角に基づいて前記モータに流れる駆動電流を推定する電流推定手段と、
前記電流推定手段により推定される前記駆動電流と一次遅れ関数とに基づいて、前記モータの温度変化を推定するモータ温度推定手段とを備える
ことを特徴とするモータ温度推定装置。 - 前記一次遅れ関数は、定数α、時定数τ、ラプラス演算子sにより(α/(1+τs))で表され、前記定数α及び前記時定数τは、前記モータに大きさが異なる駆動電流を流したときの温度変化の測定結果に基づいて予め求められる
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ温度推定装置。 - 前記モータの周辺温度を検出する温度検出手段を備え、
前記モータ温度推定手段は、前記モータが回転駆動する前に前記温度検出手段により検出される前記周辺温度に、前記モータが回転駆動を開始した後に推定される前記温度変化を加算して、前記モータの温度を推定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ温度推定装置。 - 前記モータ温度推定手段は、推定した前記モータの温度が所定の温度以上に達した場合に、前記モータの駆動を停止させる
ことを特徴とする請求項3に記載のモータ温度推定装置。 - モータを回転させる駆動電圧を出力する電圧出力ステップと、
前記モータの回転角を検出する回転角検出ステップと、
前記電圧出力ステップにより出力される前記駆動電圧と、前記回転角検出ステップにより検出される前記回転角に基づいて前記モータに流れる駆動電流を推定する電流推定ステップと、
前記電流推定ステップにより推定される前記駆動電流を入力として前記モータの温度を出力する伝達関数に基づいて前記モータの温度変化を推定するモータ温度推定ステップとを備える
ことを特徴とするモータ温度推定方法。
Priority Applications (1)
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JP2012088217A JP2013219912A (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | モータ温度推定装置及びモータ温度推定方法 |
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JP2012088217A Pending JP2013219912A (ja) | 2012-04-09 | 2012-04-09 | モータ温度推定装置及びモータ温度推定方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015184266A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | Jfeスチール株式会社 | 屋外コンベヤ用モータ異常検出装置及びその方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05328773A (ja) * | 1992-05-18 | 1993-12-10 | Fanuc Ltd | モータ駆動装置 |
JP2004229491A (ja) * | 2002-11-26 | 2004-08-12 | Toyoda Mach Works Ltd | モータ電流推定装置及びモータ温度推定装置 |
JP2005319824A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Favess Co Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
-
2012
- 2012-04-09 JP JP2012088217A patent/JP2013219912A/ja active Pending
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