JP4178746B2 - 工業炉用熱電発電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抵抗加熱炉や燃焼炉の如き工業炉で用いる熱電発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種、熱電発電装置は、複数のP型発電素子とN型発電素子を交互に配して、それぞれの一端部同士と他端部同士を交互に電極により連結してなる発電モジュールを、上記電極を介して高温側の部材と低温側の部材に接触させ、高温側からの熱流を低温側に流すことで電流を取り出すようになっているもので、従来より広く知られており、たとえば、ボイラやゴミ焼却炉等では、上記熱電モジュールを、高温配管と冷却水配管から導いた冷却板との間に取り付けるようにしており、この際、熱伝達率を高めるために、熱電モジュールを、電気的絶縁体を介してボルトやばねを用いて締め付けることが行われている。
【0003】
しかしながら、上記熱電モジュールに用いられている熱電素子は構造の脆い材料により製造されており、この熱電素子に非常に強い締付力が負荷される構造として取り付けるようにしているため、温度差による熱応力が加わることにより破壊に至ることがあり、又、高温部では、熱サイクルにより電極と熱電素子との連結部(ロウ付け部)にクリープや破壊が生じることがある。上記熱電素子は電気的に直列に連結されているため、1個所でも破壊が生じると発電不能となってしまうという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電子部品の如き高機能材料をワークとして用いる工業炉の中には、炉体の外側に水冷ジャケットを配置して、ワークを急速加熱した後に急冷処理を行う方式(バッチ式炉)やワークを連続焼結した後に連続冷却を行う方式(連続炉)等があり、このような方式の場合、ワークに加わる熱に比して、炉体を通して水冷ジャケット内の冷却水に伝わる熱量が非常に大きく、エネルギーを無駄にしているという特性がある。これらの熱エネルギーを上記の熱電発電法を用いて直流電力として回収することにより、省エネルギー化を図ることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、上述したような熱電素子の破壊による発電不能の問題を起すことなく、工業炉の熱エネルギーを電力として回収することができるような工業炉用熱電発電装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、外側に水冷ジャケットが装備してある炉内に、断熱材で覆われた加熱室を設け、該加熱室の断熱材と水冷ジャケットとの間に空間部が形成され、該空間部を真空又はガス雰囲気として運転するようにしてある工業炉の炉内の上記空間部に面する水冷ジャケットの炉内面に、複数の熱電素子を電気的に連結してなる熱電モジュールの低温側を接触させて張り付けて、該熱電モジュールの高温側上記断熱材非接触とするようにし、且つ該熱電モジュールが、上記加熱室の断熱材から上記冷却ジャケットに流れる放射熱を主とする熱流を受熱するようにした構成を有するものとし、又、炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された上記熱電モジュールを、逆流防止器を備えた電力回収ラインを介して蓄電装置に接続し、該蓄電装置からの電力供給ラインを制御器に接続した構成とする。
【0007】
加熱室の断熱材から流れる主として放射熱が熱電モジュールの高温側で受けられる。こ
の際、熱電モジュールの高温側は炉内断熱材に対し非接触であることから、熱電素子には
熱応力が作用しにくくなり破壊が防止される。又、熱電モジュールを、逆流防止器を備えた電力回収ラインを介して蓄電装置に接続し、該蓄電装置からの電力供給ラインを制御器に接続した構成とすると、熱電モジュールから取り出された電力が蓄電装置にて回収され、制御器に供給されることになる。
【0008】
又、加熱ガスを流すようにした加熱保持室部と、該加熱保持室部の入側に配置した昇温室部と、上記加熱保持室部の出側に配置した冷却室部とからなる炉室を形成し、該炉室の外側に水冷ジャケットを装備させると共に、炉室内にワークを通して上記加熱保持室部で焼結処理した後、上記冷却室部で冷却して排出するようにしてある工業炉の水冷ジャケット側の内壁面に、複数の熱電素子を電気的に連結してなる熱電モジュールを、高温側が非接触となるように低温側を張り付け、且つ該熱電モジュールが、上記昇温室部と上記加熱保持室部では主として加熱ガスの対流熱及び放射熱を、又、冷却室部ではワークからの放射熱を受熱するようにした構成としても、熱電素子の破壊を防止することができる。又、上記構成において、炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された上記熱電モジュールを、逆流防止器を備えた電力回収ラインを介して蓄電装置に接続し、該蓄電装置からの電力供給ラインを制御器に接続した構成とすると、上記と同様に熱電モジュールから取り出された電力が蓄電装置にて回収され、制御器に供給されるようになる。
【0009】
更に、工業炉を複数とし、各工業炉の炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールからの電力回収ラインを、1つの蓄電装置に集合させて接続するようにし、且つ各工業炉の稼働状況などの信号を中央制御器から分配制御器に入力できるようにして電力を必要とする工業炉に電力を供給できるようにした構成とした場合は、回収した電力を、合理的に供給することができるようになる。
【0010】
更に又、炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールの高温側の受熱面に、集熱板を配置した構成とることによって、熱電モジュールの受熱効率をより向上させることができるようになる。
【0011】
又、炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールの熱電素子の高温側受熱面に、ワイヤて電気的接続を施した構成とすることにより、高温側の熱応力を緩和することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1(イ)(ロ)は本発明の実施の一形態を示すもので、バッチ式の抵抗加熱炉への採用例について示す。すなわち、外側に水冷ジャケット7を備えた炉内に、一側に雰囲気ガス供給管1を、又、他側に廃ガス管2をそれぞれ接続し且つ内部でワーク4を加熱するよう電気ヒータ5を貫通させて備えていて、外側を断熱材3aで覆ってなる加熱室3を設け、且つ上記断熱材3aの外側と上記水冷ジャケット7との間に空間部6を形成し、該空間部6を真空又はガス雰囲気として運転するようにしてある工業炉としての抵抗加熱炉8において、ユニット化された多数の熱電モジュール9を、上記水冷ジャケット7に接するように炉内面に、上記断熱材3aとは非接触に張り付け、且つ上記各熱電モジュール9を、ダイオード等の逆流防止器10を備えた電力回収ライン11を介して蓄電装置12に接続し、該蓄電装置12からの電力供給ライン13を、抵抗加熱炉8の個別制御器14に接続し、上記加熱室3内を加熱したときに断熱材3aから水冷ジャケット7に流れる放射熱を主とする熱流15を基に、各熱電モジュール9により熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、蓄電装置12で回収した電力を制御器14に供給できるようにする。
【0014】
上記熱電モジュール9は、図1(ロ)にその一例の詳細を示す如く、それぞれ複数のP型熱電素子9aとN型熱電素子9bとを交互に並べて、これら熱電素子9aと9bとが直列に導通するように、熱電素子9aと9bの高温側となる一端部同士をワイヤ16により接続された電極17により順次連結すると共に、低温側となる他端部同士を電極18により順次連結し、両端に位置する電極18又は17に電力回収ライン11を接続するようにしてあり、低温側を、セラミックやプラスチック等の薄い絶縁体19を介して冷却ジャケット7に接するように張り付けるようにしてある。
【0015】
加熱室3内に配置されたワーク4をヒータ5により加熱すると、その熱の多くが断熱材3aを通して水冷ジャケット7に伝えられるが、このとき、断熱材3aから流れる熱流15のほとんどは放射熱であるため、この熱エネルギーは水冷ジャケット7へ到達する前に熱電モジュール9の高温側受熱面にて受けられ、低温側に伝えられることで電気エネルギーに変換される。これにより、発生した直流電力は電力回収ライン11により蓄電装置12に回収され、制御器14等の直流で動作する機器に供給される。したがって、このように電力回収を行うことで、抵抗加熱炉8の消費電力を低減することができる。
【0016】
上記において、熱電モジュール9の低温側は絶縁体19を介して水冷ジャケット7に接しているが、高温側は断熱材3aに対し非接触としてあり、しかも高温側の電極17はワイヤ16により接続されていて電極17同士は自由に動けるようにしてあって、各熱電素子9a,9bには締付力が作用していないので、高温側は熱応力を受けにくく、そのため、各熱電素子9a,9bの破壊をなくすことができ、発電不能となってしまうような事態の発生を未然に防ぐことができる。
【0017】
又、上述したように、熱電モジュール9は、高温側を炉内断熱材3aに対し非接触としてあって、主として放射伝熱を受ける構造としてあるため、高温側に絶縁体を配置する必要がなく、熱電素子9a,9bに熱が伝わり易くなることから、熱電モジュール9自体の組み立てが簡単となり、安価に製作することができる。更に、ヒータ5の電源を切って加熱室3を冷却する場合にも、断熱材3aからは暫くの間熱流15が発しているので、この熱流15を用いて発電することができて有利となる。
【0018】
次に、図2は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したと同様な構成において、熱電モジュール9の熱電素子9a,9bの高温側の受熱面同士をワイヤ16により接続された電極17により連結することに代えて、バネ材の機能をもたせた集熱板兼用の導電板28にて接続したものである。
【0019】
図2に示すように構成すると、導電板28は熱流15を受ける面積が広くなって有利となると共にバネ材の機能によって高温側の熱応力を良好に緩和することができる。
【0020】
又、図3(イ)(ロ)は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したと同様な構成において、図3(イ)は、熱電モジュール9の高温側に、黒体製の集熱板20を各熱電素子9a,9bの受熱面を覆うように配置したものであり、図3(ロ)は、同じく熱電モジュール9の高温側に、多数の集熱フィン21を設けてなる黒体(黒鉛等)製の集熱板20を配置したものである。
【0021】
図3(イ)に示すように、熱電モジュール9の高温側受熱面に集熱板20を配置すると、該集熱板20により断熱材3aからの熱流15を受け易くすることができるので、発電効率を向上させることができ、又、図3(ロ)に示すようにした場合は、集熱フィン21により、受熱面積を更に広くすることができるので、発電効率をより向上させることができる。この時、フィン形状は放射光に対して黒体のようになる形状にしておくと更に効果的である。
【0022】
次いで、図4は本発明の実施の更に別の形態を示すもので、工業炉としての連続炉22への適用例について示す。すなわち、炉室23を、加熱ガスを流すようにした加熱保持室部24と、該加熱保持室部24の入側に配置した昇温室部25と、上記加熱保持室部24の出側に配置した冷却室部26とからなる構成として、各室部25,24,26の外側に水冷ジャケット27を装備し、且つ各室部25,24,26内に、ワーク4を搬送する搬送コンベヤ29の搬送部を連続的に通過させるようにし、ワーク4を、昇温室25で昇温させてから、加熱保持室部24で焼結処理した後、冷却室部26で冷却して排出するようにしてある工業炉としての連続炉22において、上記水冷ジャケット27の内壁面所要個所に、図1(ロ)又は図2あるいは図3(イ)や図3(ロ)に示す如き構成の熱電モジュール9を、高温側が非接触となるように張り付け、熱電モジュール9で取り出された電力を蓄電装置12で回収して、制御器14等の電力として供給できるようにしたものである。なお、図4において、図1(イ)と同一部分には同一符号が付してある。
【0023】
図4に示すような連続炉22に適用した場合、昇温室部25と加熱保持室部24では、主として加熱ガスの対流熱及び放射熱を熱電モジュール9が受熱することにより、又、冷却室部26では、ワーク4からの放射熱を熱電モジュール9で受熱することにより、電力を取り出して回収することができ、図1(イ)(ロ)の実施の形態の場合と同様な作用効果を奏し得る。
【0024】
図5は本発明の実施の更に別の形態を示すもので、上記したような抵抗加熱炉8や連続炉22等が複数基設置されている場合への適用例について示す。すなわち、複数の抵抗加熱炉8(又は連続炉22)の冷却ジャケットの内壁面に張り付けた各熱電モジュール9の電力回収ライン11を、1つの蓄電装置12に集合させるようにし、且つ各抵抗加熱炉8(又は連続炉22)の稼働状況などの信号を中央制御器30から分配制御器31に入力できるようにして電力を必要とする抵抗加熱炉8(又は連続炉22)に電力を供給できるようにしたものである。なお、図5において、図1(イ)と同一部分には同一符号が付してある。
【0025】
図5に示すようにした場合は、複数の抵抗加熱炉8(又は連続炉22)から取り出した電力をすべて1つの蓄電装置12に蓄電させて、電力を必要とする抵抗加熱炉(又は連続炉)22のみに供給することができるので、電力を合理的且つ有効に使用することができて更なる省エネルギー化を図ることができる。
【0026】
なお、上記図1、図4の実施の形態では、バッチ式の工業炉として抵抗加熱炉8を示したが、冷却ジャケットを装備した構成の燃焼炉であってもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の工業炉用熱電発電装置によれば、外側に水冷ジャケットが装備してある炉内に、断熱材で覆われた加熱室を設け、該加熱室の断熱材と水冷ジャケットとの間に空間部が形成され、該空間部を真空又はガス雰囲気として運転するようにしてある工業炉の炉内の上記空間部に面する水冷ジャケットの炉内面に、複数の熱電素子を電気的に連結してなる熱電モジュールの低温側を接触させて張り付けて、該熱電モジュールの高温側上記断熱材非接触とするようにし、且つ該熱電モジュールが、上記加熱室の断熱材から上記冷却ジャケットに流れる放射熱を主とする熱流を受熱するようにした構成としたり、 加熱ガスを流すようにした加熱保持室部と、該加熱保持室部の入側に配置した昇温室部と上記加熱保持室部の出側に配置した冷却室部とからなる炉室を形成し、該炉室の外側に水冷ジャケットを装備させると共に、炉室内にワークを通して上記加熱保持室部で焼結処理した後、上記冷却室部で冷却して排出するようにしてある工業炉の水冷ジャケット側の内壁面に、複数の熱電素子を電気的に連結してなる熱電モジュールを、高温側が非接触となるように低温側を張り付け、且つ該熱電モジュールが、上記昇温室部と上記加熱保持室部では主として加熱ガスの対流熱及び放射熱を、又、冷却室部ではワークからの放射熱を受熱するようにした構成としてあるので、熱電モジュールより電力を取り出すことができると共に、熱電モジュールの高温側が熱応力を受けにくい構造となって熱電素子の破壊を抑えることができることにより、発電不能となってしまうことを防止することができ、しかも、熱電モジュールの高温側には絶縁体を配置する必要がないので、熱電モジュールの組み立てを容易に行うことができる。更に、炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールを、逆流防止器を備えた電力回収ラインを介して蓄電装置に接続し、該蓄電装置からの電力供給ラインを制御器に接続した構成とすることにより、熱電モジュールで取り出した電力を蓄電装置で回収して制御器に供給できることにより、炉の消費電力を低減できる。又、工業炉を複数とし、各工業炉の炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールからの電力回収ラインを、1つの蓄電装置に集合させて接続するようにし、且つ各工業炉の稼働状況などの信号を中央制御器から分配制御器に入力できるようにして電力を必要とする工業炉に電力を供給できるようにした構成とすることにより、回収した電力を、電力を必要とする個所へ供給することができてより有効に利用することができる。更に、炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールの高温側の受熱面に、集熱板を配置した構成とすることによって、熱電モジュールによる受熱効率をより向上させることができる。更に又、炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールの熱電素子の高温側受熱面に、ワイヤて電気的接続を施した構成とすることにより、高温側の応力を良好に緩和することができる、等の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工業炉用熱電発電装置の実施の一形態を示すもので、(イ)は抵抗加熱炉への適用例を示す概要図、(ロ)は(イ)のA部拡大図である。
【図2】本発明の実施の他の形態を示す熱電モジュールの構成例図である。
【図3】本発明の実施の更に他の形態を示すもので、(イ)(ロ)はいずれも熱電モジュールの構成例図である。
【図4】本発明の実施の更に別の形態を示すもので、連続炉への適用例を示す概要図である。
【図5】本発明の実施の更に別の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
3 加熱室
3a 断熱材
4 ワーク
5 ヒータ
6 空間部
7 水冷ジャケット
9 熱電モジュール
9a P型熱電素子
9b N型熱電素子
10 逆流防止器
11 電力回収ライン
12 蓄電装置
13 電力供給ライン
14 制御器
16 ワイヤ
20 集熱板
21 集熱フイン
22 連続炉
23 炉室
24 加熱保持室部
25 昇温室部
26 冷却室部
27 水冷ジャケット
28 導電板(バネ材)
30 中央制御器
31 分配制御器

Claims (6)

  1. 外側に水冷ジャケットが装備してある炉内に、断熱材で覆われた加熱室を設け、該加熱室の断熱材と水冷ジャケットとの間に空間部が形成され、該空間部を真空又はガス雰囲気として運転するようにしてある工業炉の炉内の上記空間部に面する水冷ジャケットの炉内面に、複数の熱電素子を電気的に連結してなる熱電モジュールの低温側を接触させて張り付けて、該熱電モジュールの高温側上記断熱材非接触とするようにし、且つ該熱電モジュールが、上記加熱室の断熱材から上記冷却ジャケットに流れる放射熱を主とする熱流を受熱するようにした構成を有することを特徴とする工業炉用熱電発電装置。
  2. 加熱ガスを流すようにした加熱保持室部と、該加熱保持室部の入側に配置した昇温室部と、上記加熱保持室部の出側に配置した冷却室部とからなる炉室を形成し、該炉室の外側に水冷ジャケットを装備させると共に、炉室内にワークを通して上記加熱保持室部で焼結処理した後、上記冷却室部で冷却して排出するようにしてある工業炉の水冷ジャケット側の内壁面に、複数の熱電素子を電気的に連結してなる熱電モジュールを、高温側が非接触となるように低温側を張り付け、且つ該熱電モジュールが、上記昇温室部と上記加熱保持室部では主として加熱ガスの対流熱及び放射熱を、又、冷却室部ではワークからの放射熱を受熱するようにした構成を有することを特徴とする工業炉用熱電発電装置。
  3. 炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールを、逆流防止器を備えた電力回収ラインを介して蓄電装置に接続し、該蓄電装置からの電力供給ラインを制御器に接続した請求項1又は2記載の工業炉用熱電発電装置。
  4. 工業炉を複数とし、各工業炉の炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールからの電力回収ラインを、1つの蓄電装置に集合させて接続するようにし、且つ各工業炉の稼働状況などの信号を中央制御器から分配制御器に入力できるようにして電力を必要とする工業炉に電力を供給できるようにした請求項1、2又は3記載の工業炉用熱電発電装置。
  5. 炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールの高温側の受熱面に、集熱板を配置した請求項1、2、3又は4記載の工業炉用熱電発電装置。
  6. 炉内で放射熱を受熱するように高温側が非接触となるように配置された熱電モジュールの熱電素子の高温側受熱面に、ワイヤて電気的接続を施した請求項1、2、3、4又は5記載の工業炉用熱電発電装置。
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