JP4178674B2 - フィルム基板搬送用プレート及びフィルム基板搬送方法 - Google Patents
フィルム基板搬送用プレート及びフィルム基板搬送方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面にIC(集積回路)等のチップ状の電子部品が実装されたフィルム基板をシート状のまま搬送するためのフィルム基板搬送プレート及びフィルム基板搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厚みが薄くシート状をしたフィルム材の表面に回路パターンを印刷したフィルム配線板を使用し、その表面に電子部品を実装してなるフィルム基板は従来より知られている。このフィルム基板は、その製造時、いくつもの工程位置に搬送されて、その都度必要な電子部品が実装されて完成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
厚みが薄くシート状をしたフィルム基板を複数の工程に搬送し、その都度電子部品を実装する方法では、各工程間を移動させるときに、位置決めされている状態を一度解除し、次の工程で再び位置決めする作業となる。しかしながら、この方法を用いると、その位置決めに要する時間を多く必要とし、作業性が悪い。さらに、フィルム基板の曲がりや折れ等が発生する場合も少なくない。そこで、後工程に搬送する場合、機械的な保持の規制を解除せずに送る方法もあるが、工程が直結となり、設備稼働率が悪く、また後工程が他の工場の場合等には適用できない。
【0004】
さらに、電子部品を実装したフィルム基板を後工程の位置に搬送して一時的にストックをしておく場合、そのままの状態でフィルム基板を段積みすると、電子部品に大きな重量が加わり、ワークダメージとなる。また、間座紙等を介して重ねる方法もあるが、間座紙等を介して重ねるとワークダメージは解消されてもフィルム基板の位置規制が保てない。
【0005】
そこで、フィルム基板を位置決めするピンを設けた平面収納トレイに、マルチでフィルム基板を収納ストックする方法もある。この方法では、フィルム基板の反りに対して不確実で、トレイコストを含めた物流コストも大きくなる問題があった。
【0006】
また、連続したフィルム上に回路パターンを繰り返し形成し、その上に複数のフィルム基板を作り、それをロール状に巻いてストックし、ロール状のまま後工程に供給する方法もある。しかし、この方法では、後工程にフィルム基板を抜き打ちする金型が必要で、設備が複雑となり、コストが大きくなる問題があった。さらに、前工程での不良品も後工程に供給することになる等、各種の問題があった。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑みなされたもので、その目的は上記の問題を一掃して、比較的簡単な構造で、かつ最適な状態でフィルム基板を搬送することができるフィルム基板搬送プレート及びフィルム基板搬送方法を提供することにある。更に他の目的は、以下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成する次のような構成を開発したものである。すなわち、フィルム基板搬送用プレートの発明にあっては、表面にチップ状の電子部品が実装されているフィルム基板をシート状のまま搬送するフィルム基板搬送用プレートにおいて、前記フィルム基板を覆って配置される大きさをなしており、前記フィルム基板を位置決めするための位置決め手段と、前記フィルム基板上の電子部品と対応した位置に形成されて、前記電子部品を逃がすための凹所と、前記フィルム基板の平面状の部分に対応して形成されて、該フィルム基板を裏面側に密着させて吸引保持するための吸引用孔とを備え、前記吸引用孔を通して前記フィルム基板を裏面に吸着させて搬送する、構成としたものである。
【0009】
この構成によれば次のような作用が得られる。
まず、フィルム基板をストックしておく場合には、本発明のプレートを使用して、位置決め手段で位置決めするとともに、電子部品を凹所で逃がし、そのフィルム基板上を覆って押さえ付けた状態でストックしておくことができるので、フィルム基板の反りやカール等の防止とフィルム基板の保護を図ることができる。また、重ねてストックしておく場合でも、電子部品を凹所で逃がして、電子部品に加重が直接加わることなく積み重ねておくことができるので、高密度で大きなストックを持つことが可能になる。更に、フィルム基板を搬送する場合は、吸引用孔からフィルム基板を吸引してプレート裏面に吸着させ、この吸着でフィルム基板をプレート裏面に固定させた状態で搬送し、所定の位置にセットするので、位置ずれを防止と共に折れ等の防止も可能になる。すなわち、フィルム基板の位置及び形状をくずさずに後工程へ供給できる。この場合、例えば、高密度でストックして他工場に輸送等することも可能にする。
【0010】
また、フィルム基板搬送方法の発明にあっては、表面にチップ状の電子部品が実装されているフィルム基板をシート状のまま搬送するフィルム基板搬送方法において、前記フィルム基板を覆ったときに、前記電子部品を逃がすための凹所、及び前記フィルム基板を位置決めするための位置決め手段、並びに前記フィルム基板の平面部分と対応する吸引用孔とを有してなるプレートを用いて、前記プレートで前記フィルム基板を覆うとともに、該プレートの表面側から前記吸引用孔を通して前記フィルム基板を前記プレートの裏面に吸引密着させて、前記プレートと共にフイルム基板を搬送するようにしたものである。
【0011】
この方法によれば次のような作用が得られる。
まず、フィルム基板をストックしておく場合には、位置決め手段で位置決めするとともに、電子部品を凹所で逃がし、そのフィルム基板上を覆って押さえ付けた状態でストックしておくことで、フィルム基板の反りやカールの防止とフィルム基板の保護を図ることができる。また、重ねてストックしておく場合でも、電子部品を凹所で逃がし、電子部品に加重が直接加わることなく積み重ねておくことができるので、高密度で大きなストックを持つことが可能になる。更に、フィルム基板を搬送する場合は、吸引用孔からフィルム基板を吸引してプレート裏面に吸着させ、この吸着でフィルム基板をプレート裏面に固定させた状態で搬送し、所定の位置にセットするので、位置ずれを防止することができるとともに折れ等の防止も確実になる。すなわち、フィルム基板の位置及び形状をくずさずに後工程へ供給できる。この場合、例えば、高密度でストックして他工場に輸送等することも可能にして、物流コストを大幅に削減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であり技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を何ら制約するものではない。
【0013】
図4はフィルム基板を扱う本発明を適用した回路組立製造装置の概略構成を示す図である。図4において、符号1は回転する移載ハンドである。この移載ハンド1の周囲にはプレート供給テーブル2、フィルム基板供給テーブル3、プレート排出テーブル4がそれぞれ配置されている。また、移載ハンド1には3つのハンド部5が設けられている。各ハンド部5は、移載ハンド1が回転すると、プレート供給テーブル2,フィルム基板供給テーブル3,プレート排出テーブル4の順に回転移動される。そして、プレート供給テーブル2ではハンド部5が後述するプレート6を真空吸着によりストッカー8より順次取り出し保持し、フィルム基板供給テーブル3ではハンド部5がプレート6の裏面(下面)に後述するフィルム基板7を真空吸着させ、プレート排出テーブル4ではフィルム基板7を真空吸着させたプレート6をストッカー8内に順次積み重ねる。一方、プレート供給テーブル2,フィルム基板供給テーブル3,プレート排出テーブル4もそれぞれ回転可能になっており、プレート供給テーブル2ではピックアップ位置にある空のプレート6(つまり、使用されていないプレート6を意味する、以下同じ)がハンド部5により取り去られる。そして、ストッカー8内の空のプレート6がすべて無くなると、次のストッカー8に入った空のプレート6がピックアップ位置に来るまで回転される。フィルム基板供給テーブル3では、ピックアップ位置にあるフィルム基板7がハンド部5によりプレート6の裏面に吸着されて取り去られると、次のフィルム基板7がピックアップ位置に来るまで回転される。プレート排出テーブル4では、排出位置にあるストッカー8内にフィルム基板7と重ねられたプレート6が所定の枚数重ねられると、次の空になったストッカー8が排出位置に来るまで回転される。
【0014】
図1は図4で取り扱っているフィルム基板7及びプレート6の一例を示す斜視図である。図1において、フィルム基板7は、厚みが50μm前後のシート状をしたフィルム材の一面に回路パターンを印刷したもので、その上には例えばICチップ等、チップ状の電子部品9が実装されている。また、フィルム基板7には回路パターンを逃げた位置に開口10が形成されているとともに、同じく回路パターンを逃げた位置に位置決め孔11が前後方向に離して一対設けられている。
【0015】
プレート6は、樹脂製で、フィルム基板7の上面全体を覆うことができる大きさを有する板状にして形成されている。また、図2及び図3にはプレート6の単体構造が示されており、図2は上面側から見た斜視図、図3は下面側から見た斜視図である。そのプレート6には、位置決めピン12及び逃げ孔(凹所)13の他に、誤挿入防止カッティング部14、電子部品逃がし孔15、プレート位置決め孔16、吸引用孔17等が設けられている。
【0016】
更に詳述する。位置決めピン12及び逃げ孔13は、フィルム基板7に設けられている位置決め孔11と対応する位置に各々形成されている。このうち、位置決めピン12は、プレート6の裏面(下面)側に突出形成されていて、プレート6とフィルム基板7とが重ね合わされたときに、フィルム基板7側の位置決め孔11内に挿入される。そして、この挿入によりフィルム基板7をプレート6に対してX−Y方向の位置決めができる構造になっている。これに対して、逃げ孔13は、プレート6の表面(上面)側に、位置決め孔11と同心的に形成されている(図6参照)。その逃げ孔13の内径は、位置決めピン12の外径よりも大きく、また深さは位置決めピン12の長さよりも大きく窪んだ状態に形成されている。したがって、逃げ孔13は、図5及び図6に示すように、位置決めピン12に位置決め孔11を係合させて、フィルム基板7とプレート6を重ね合わせた状態で下側のプレート6上に積み重ねられたとき、位置決めピン12が下側のプレート6と干渉し合うことがないようになっている。
【0017】
誤挿入防止カッティング部14は、プレート6の4つの角のうちの1つをカットすることによって形成されており、このカットされた部分により、プレート6のセット方向の判断をし易くしている。なお、プレート供給テーブル2及びプレート排出テーブル4上に配置されるストッカー8にも、図5に示している如く、誤挿入防止カッティング部14と対応した誤挿入防止壁8aが設けられており、誤挿入防止壁8aに誤挿入防止カッティング部14を対応させずに、プレート6の向きを間違えて挿入させるとストッカー8内に収納できないようにし、誤挿入を防止している。
【0018】
電子部品逃がし孔15は上下方向に貫通している孔で、フイルム基板7側の位置決め孔11とプレート6側の位置決めピン12を一致させて、フィルム基板7上にプレート6を重ねた時に、フィルム基板7上の電子部品9を逃がすことができる位置に形成されている。その電子部品逃がし孔15の内径は電子部品9の外形よりも大きく、また深さは電子部品9の高さよりも大きく形成されている。したがって、電子部品逃がし孔15は、図5及び図7に示すように、位置決めピン12に位置決め孔11を係合させて、フィルム基板7とプレート6を重ね合わせたとき、プレート6が電子部品9と干渉し合うことがないようになっている。なお、電子部品逃がし孔15は上下方向に貫通せずに、下面側に開口を持つ凹部であってもよいものであり、本発明では貫通した孔と凹部とを含んで凹所という。
【0019】
プレート位置決め孔16は上下方向に貫通している孔で、位置決め孔11と位置決めピン12を一致させて、フィルム基板7とプレート6とを重ねたときに、フィルム基板7の外側(本実施の形態では左右両側の外)に位置するように離して一対設けられている。
【0020】
吸引用孔17は上下方向に貫通している孔で、位置決め孔11と位置決めピン12を一致させて、フィルム基板7とプレート6とを重ねたときに、フィルム基板7の内側(本実施の形態では前後両側の内)における平面状の部分に位置するように離して一対設けられている。また、プレート6の内側においては、フィルム基板7の左右方向に延びる吸引溝18が吸引用孔17と連通した状態にして形成されている。なお、吸引溝18の左右方向の幅はフィルム基板7の左右方向の幅よりも小さく、位置決め孔11と位置決めピン12を一致させて、フィルム基板7とプレート6とを重ねたときに、フィルム基板7の平面状の部分に対応していて、左右端の何れからもはみ出すことがないように設定されている。そして、その吸引溝18では、フィルム基板7とプレート6とが重ねられた状態で、吸引用孔17を通してエアが吸引されると、吸引溝18の全体が吸い込み口となり、面的により強い力でフィルム基板7をプレート6に吸着して保持する役目をなす。
【0021】
次に、プレート6及びフィルム基板7を搬送する移載ハンド1のハンド部5の構成について図5を用いて説明する。図5において、ハンド部5には、ハンド部5の下面から下側に向かって突出した状態にして取り付けられている、位置決めピン19、プレート吸着用パッド20、フィルム基板吸着用パッド21をそれぞれ有している。
【0022】
更に詳述すると、位置決めピン19は、プレート位置決め孔16に対応して一対設けられており、プレート位置決め孔16に位置決めピン19を挿入させて、フィルム基板7をハンド部5に対して位置決めできる構造になっている。
【0023】
プレート吸着パッド20は、プレート6の四隅にそれぞれ対応して4つ設けられている。4つのプレート吸着パッド20は、それぞれ図示せぬ真空吸引機に接続されており、真空吸引機が真空吸引動作されるとプレート6の上面を真空引きして吸引保持することができる構造になっている。
【0024】
フィルム基板吸着用パッド21は、プレート6の吸引用孔17にそれぞれ対応して2つ設けられている。2つのフィルム基板吸着用パッド21は、図示せぬ真空吸引機に各々接続されており、真空吸引機が吸引動作されるとプレート6の下面に対して孔17及び吸引溝18を通してフィルム基板7を吸引して保持することができる構造になっている。
【0025】
次に、このように構成されたフィルム基板7及びプレート6を、移載ハンド1でプレート排出テーブル4上のストッカー8に搬送して収納するまでの動作を図4の回路組立製造装置について説明する。この装置において、プレート供給テーブル2上には空のプレート6が供給され、フィルム基板供給テーブル3上には電子部品9を上に向けてフィルム基板7が供給される。
【0026】
そして、ハンド部5は、まずプレート供給テーブル2において空のプレート6をピックアップする。ここでは、位置決めピン19をプレート位置決め孔16に挿入させて位置決めするとともに、プレート吸着用パッド20でプレート6の上面を吸着保持する。また、このようにしてプレート6を保持したハンド部5はフィルム基板供給テーブル3上に移動され、フィルム基板供給テーブル3上で位置決め孔11に位置決めピン12を係合させて、フィルム基板7の上側から覆うようにしてプレート6を重ねる。このとき、電子部品9は電子部品逃がし孔15内に逃がされる。続いて、フィルム基板吸着用パッド21が真空吸着動作され、吸引用孔17及び吸引溝18を通して真空引きし、フィルム基板7をプレート6に吸着保持する。これにより、ハンド部5には、プレート6とフィルム基板7とが重ねられた状態で一体的に保持される。
【0027】
続いて、ハンド部5はプレート排出テーブル4上に移動され、下面側にフィルム基板7を吸着保持しているプレート6が、既にストッカー8内に収納されているプレート6の上に更に積み重ねられるようにしてストッカー8内に収納される。この積み重ねによりフィルム基板7の上下面はプレート6で挟まれ、収納時におけるフィルム基板7の反りやカールが防げる。また、収納後はプレート吸着用パッド20による真空吸着及びフィルム基板吸着用パッド21による真空吸着がそれぞれ解かれ、ハンド部5だけが再びプレート供給テーブル2へ移動し、一連の動作を繰り返す。図5には、こうしてストッカー8内に複数のプレート6が積み重ねられている状態を示している。また、ストッカー8内に所定枚数のプレート6及びフィルム基板7が収納されたら、プレート排出テーブル4が所定量回転されて空のストッカー8がハンド部5と対応する位置に配置され、新たなストッカー8内に、次に送られて来るプレート6及びフィルム基板7が順次収納される。
【0028】
したがって、本実施の形態の構成では、ハンド部5に位置決めされて吸着保持されたプレート6及びフィルム基板7は、一度吸着保持されるとストッカー8内に収納されるまで解除されることなく搬送されるので位置ずれが防止できる。すなわち、フィルム基板7の位置を確保した状態及び形状をくずさずに後工程(ストッカー8内)へ供給できるので、稼動効率を向上させることができる。
第1に、フィルム基板7を搬送する時には、そのフィルム基板7をプレート6の裏面に真空吸着させて搬送し、そのままストッカー8に収納されてプレート6上に積み重ねられ、その後で吸着が解除されるようになっているので、収納時にフィルム基板7が折れ曲がった状態で収納されたりするのを確実に防止することができる。
第2に、フィルム基板7は、上下面が上下のプレート6で挟まれた状態でストッカー8内に収納されるので、反りやカール等の発生の虞がなく当初の品質が維持される。
第3に、重ねてストックしておく場合でも、電子部品9を電子部品逃がし孔((凹所)15で逃がしていて、電子部品9に加重が直接加わることなく積み重ねておくことができるので、高密度で大きなストックを持つことが可能になる。しかも位置決め孔11と位置決めピン12とでなる位置決め手段により位置決めした状態でストックしておくので、フィルム基板7の保護も兼ねる。
第4に、フィルム基板7を搬送する場合は、吸引用孔17からフィルム基板7を吸引してプレート6の裏面に吸着させ、この吸着でフィルム基板7をプレート6の裏面に固定させた状態で搬送してストッカー8内(所定の位置)にセットするので、位置ずれを防止することができるとともに折れやカール等の防止もできる。すなわち、フィルム基板7の位置を確保した状態及び形状をくずさずに後工程へ供給できる。また、このような構成では、ストッカー8内にフィルム基板7を高密度でストックし他工場に輸送等することができるので、物流コストを大幅に削減することができる。
【0029】
なお、上記実施の形態では、プレート6及びフィルム基板7をストッカー8内に収納する迄の搬送動作について説明したが、他の装置にフイルム基板7を供給する場合については、上記説明と逆の手順をふめば実施することができるものである。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果が期待できる。
・フィルム基板をストックしておく場合には、位置決め手段で位置決めするとともに、電子部品を凹所で逃がしてフィルム基板上を覆って押さえた状態でストックしておくことができるので、反りやカール等が防止できる。
・また、重ねてストックしておく場合でも、電子部品を凹所で逃がしていて、電子部品に加重が直接加わることなく積み重ねておくことができるので、高密度で大きなストックを持つことが可能になる。しかも位置決め手段により位置決めした状態でストックしておくので、フィルム基板の保護も兼ねる。
・更に、フィルム基板を搬送する場合は、吸引用孔からフィルム基板を真空引きしてプレート裏面に吸着させ、この吸着でフィルム基板をプレート裏面に固定させた状態で搬送して所定の位置にセットするので、位置ずれを防止することができるとともに折れやカール等の防止もできる。すなわち、フィルム基板の位置を確保した状態及び形状をくずさずに後工程へ供給できる。同時に、高密度でストックして他工場に輸送等することができるので、物流コストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示すプレートとフィルム基板の構造を示す分解斜視図である。
【図2】 図1のプレートを上面側より見て示す斜視図である。
【図3】 図1のプレートを下面側より見て示す斜視図である。
【図4】 本発明を適用した回路組立製造装置の概略構成を示す図である。
【図5】 同上回路組立製造装置の要部拡大斜視図である。
【図6】 図5のA−A線拡大断面図である。
【図7】 図5のB−B線拡大断面図である。
【符号の説明】
1…移載ハンド、2…プレート供給テーブル、3…フィルム基板供給テーブル、
4…プレート排出テーブル、5…ハンド部、6…プレート、7…フィルム基板、
8…ストッカー、9…電子部品、11…位置決め孔(位置決め手段)、
12…位置決めピン(位置決め手段)、13…逃げ孔(凹所)、
15…電子部品逃がし孔(電子部品を逃がすための凹所)、
16…プレート位置決め孔、17…吸引用孔、18…吸引溝、
19…位置決めピン、20…プレート吸着用パッド、
21…フィルム基板吸着用パッド。
Claims (5)
- 表面にチップ状の電子部品が実装されているフィルム基板をシート状のまま搬送するフィルム基板搬送用プレートにおいて、
前記フィルム基板を覆って配置される大きさをなしており、
前記フィルム基板を位置決めするための位置決め手段と、
前記フィルム基板上の電子部品と対応した位置に形成されて、前記電子部品を逃がすための凹所と、
前記フィルム基板の平面状の部分に対応して形成されて、該フィルム基板を裏面側に密着させて吸引保持するための吸引用孔とを備え、
前記吸引用孔を通して前記フィルム基板を裏面に吸着させて搬送することを特徴とするフィルム基板搬送用プレート。 - 前記凹所が貫通孔で形成され、かつ該貫通孔の深さを前記電子部品の高さ寸法よりも大きく設定してなる請求項1に記載のフィルム基板搬送用プレート。
- 前記位置決め手段は、前記フィルム基板に形成されている位置決め孔と対応してプレートの裏面より突設させた位置決めピンと、前記位置決めピンと対応してプレートの表面側に形成した凹所とでなり、該凹所が前記位置決めピンの長さよりも深く、かつ位置決めピンの太さよりも大きく形成されている請求項1に記載のフィルム基板搬送用プレート。
- 前記プレートは、前記吸引用孔を各々対向する側に離して一対有するとともに、裏面側に前記フィルム基板の一側に沿って延びる状態にして前記吸引用孔と連接して吸引溝を形成している請求項1に記載のフィルム基板搬送用プレート。
- 表面にチップ状の電子部品が実装されているフィルム基板をシート状のまま搬送するフィルム基板搬送方法において、
前記フィルム基板を覆ったときに、前記電子部品を逃がすための凹所、及び前記フィルム基板を位置決めするための位置決め手段、並びに前記フィルム基板の平面部分と対応する吸引用孔とを有してなるプレートを用いて、
前記プレートで前記フィルム基板を覆うとともに、該プレートの表面側から前記吸引用孔を通して前記フィルム基板を前記プレートの裏面に吸引密着させて、前記プレートと共にフイルム基板を搬送するようにしたことを特徴とするフィルム基板搬送方法。
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